JPH07187904A - 線 香 - Google Patents

線 香

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JPH07187904A
JPH07187904A JP34691993A JP34691993A JPH07187904A JP H07187904 A JPH07187904 A JP H07187904A JP 34691993 A JP34691993 A JP 34691993A JP 34691993 A JP34691993 A JP 34691993A JP H07187904 A JPH07187904 A JP H07187904A
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健 水楢
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康治 武井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃焼時の立消えの恐れもなく燃焼時間を長く
でき、従って重量及びサイズを小さくしても従来の線香
と同程度以上の燻煙時間を確保でき、しかも有効成分の
揮散率に優れた蚊取線香、仏壇用線香等の線香を安価に
提供する。 【構成】 線香の基材の一成分として脱脂米糠を配合す
る。すなわち、脱脂米糠の他に除虫菊抽出粕粉末、木粉
末、杉や茶等の茎葉粉末等の助燃剤、タブ粉、コーンス
ターチ等の糊料、必要に応じてデヒドロ酢酸等の防カビ
剤、色素等を配合したものに、蚊取線香の場合は殺虫成
分、仏壇用線香の場合は香料等の有効成分を配合したも
のに水を加えて練合し、蚊取線香の場合約7時間、仏壇
用線香の場合約40〜50分間燻煙するような重量及び
サイズに押出成形する。蚊取線香の場合は、シート状に
押出成形した後、渦巻き状に打抜き、乾燥して製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蚊取線香、仏壇用線香
等の線香に関し、さらに詳しくは、燃焼時の立消えの恐
れもなく燃焼時間を長くでき、従って重量及びサイズを
小さくしても従来の線香と同程度以上の燻煙時間を確保
でき、しかも有効成分の揮散率に優れた線香に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、蚊取線香や仏壇用線香等
の線香類は、除虫菊抽出粕粉末、木粉末、杉や茶等の茎
葉粉末等の助燃剤もしくは支燃剤、タブ粉、コーンスタ
ーチ等の糊料、デヒドロ酢酸等の防カビ剤、色素等を基
材とし、これに蚊取線香の場合は殺虫成分、仏壇用線香
の場合は香料等の有効成分を配合したものに水を加えて
練合し、蚊取線香の場合約7時間、仏壇用線香の場合約
40〜50分間燻煙するような重量及びサイズに押出打
抜成形もしくは押出成形し、乾燥して製造されている。
【0003】このような線香類の基材として要求される
条件は、(イ)線香を燃焼したときに、立ち消えしない
で所定時間燃焼し続けること、(ロ)有効成分の揮散率
が高いこと、(ハ)燻煙時に刺激がなく、かつ異臭を発
しないこと、(ニ)練合、押出打抜工程もしくは押出成
形工程において良好な機械成形適性を具えていること、
及び(ホ)安定かつ安価に供給できること、などの諸条
件が要求される。
【0004】従来、蚊取線香の基材としては、除虫菊抽
出粕粉末や木粉、茎葉粉等がその大部分を占めている。
除虫菊抽出粕粉末は、燃焼させたときに刺激や異臭が少
なく、また練合、押出打抜工程において優れた機械成形
適性を具えた原料であるが、殆どが外国からの輸入品で
あるため、コストが高いという難点があり、また、除虫
菊の生産量も減少しており、将来の安定供給性の点に不
安がある。一方、木粉や茎葉粉は燃焼時に煙を発生し、
粘膜刺激性物質や異臭、タール分を発散するという難点
があり、またこれらも近年海外への依存度が大きく、コ
ストが高くなってきている。また、自然環境の保護や省
資源の見地からも、上記のような基材材料の使用量を抑
え、これに代る他の基材材料の開発が望まれている。
【0005】従来、線香の前記基材に代る代替材料とし
ては、例えばコーヒー豆殻の内皮粉末(特公昭60−5
8201号)やトウモロコシの芯の粉末(特公昭61−
11922号)が提案されているが、これらは主として
燃焼時の煙の発生や粘膜刺激性、異臭の発生抑制を開発
ポイントとしているものである。一方、特開昭48−7
2336号には基材の一部として鉱物質微粉末を用いる
ことが提案されている。しかしながら、鉱物質微粉末を
用いた場合、通常使用される量の糊料を配合して製品硬
度を充分なものにすると、鉱物質微粉末の配合量の増加
に伴って得られる製品の燃焼性が悪くなり、立消えが起
こり、一方、燃焼性を良くし立消えをなくすために糊料
の配合量を少なくすると、成形製品の強度が著しく低下
し、実用性のないものとなってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記した省資源の見地
からは、むしろ基材の燃焼時間を長くすることによっ
て、従来の線香よりその重量及びサイズを小さくして
も、従来と同じような燃焼時間を確保できるような基材
を開発することが望まれる。しかし、この場合、線香を
燃焼したときに立ち消えしないで所定時間燃焼し続ける
こと、及び有効成分の揮散率が高いことも同時に満足す
る必要がある。また、線香を小型軽量化するためには、
機械成形適性に優れ強度が変化しないこと、すなわちあ
る程度の折れ強度を有することが要求されると共に、前
記したように基材材料として安定かつ安価に供給できる
ことも要求される。
【0007】特開昭48−62946号には、オランダ
センニチ又はキバナオランダセンニチ類植物の抽出粕粉
が線香の燃焼速度の遅延化に有効であることが教示され
ている。しかしながら、これらは必ずしも上記条件を充
分に満たすかどうか疑問であり、またコスト及び安定供
給性の点で問題がある。他の燃焼速度の遅延化の方策と
しては、殺虫成分を含有する無機物層を蚊取線香基材層
表面に添着することが、特公昭46−28119号に開
示されている。しかしながら、充分な燃焼速度の遅延化
のためには、多量の無機物層を基材表面に添着する必要
があるが、その場合には燃焼の立消えが起こるという問
題がある。また、蚊取線香基材表面に無機物を練合した
液を塗布し乾燥した後、さらに殺虫成分を含有した液を
滴下、乾燥することによって製造されるため、製造工程
が複雑となり、これもコストアップの要因となり、安価
に大量に線香を製造する工業的製造に適しているとは言
い難い。
【0008】一般に、線香の燃焼速度を遅延させるため
には、糊料の配合量を多くして基材を充分に固めればよ
い。しかしながら、その場合には燃焼の立消えが起こ
り、また有効成分の揮散率も低下してしまう。すなわ
ち、燃焼速度の遅延と燃焼の立消えは不離一体の関係を
有し、燃焼速度を遅延させようとすれば燃焼の立消えが
起こり易く、一方、立消えを防止するには充分な燃焼性
を確保することが必要となる。従来、このような相反す
る要求を同時に満たす基材材料は見い出されておらず、
このため、従来の蚊取線香の太さは厚さ3.5mm×巾
6mm(断面積約21mm2 、重さ約14g)、仏壇用
線香の太さは直径2mmとほぼ一定のサイズに成形され
ており、基材の種類によって燃焼時間をわずかに調整し
得るにすぎなかった。
【0009】従って、本発明の目的は、燃焼時の立消え
の恐れもなく燃焼時間を長くでき、従って重量及びサイ
ズを小さくしても従来の線香と同程度以上の燻煙時間を
確保でき、しかも有効成分の揮散率に優れた蚊取線香、
仏壇用線香等の線香を提供することにある。本発明の他
の目的は、長時間燃焼性に優れると共に、粘膜刺激性や
異臭の発生が少なく、機械成形適性が良好で、しかも安
定かつ安価に供給可能な基材を用いた線香を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、前記目
的を達成するために、基材の一成分として脱脂米糠を配
合したことを特徴とする線香が提供される。線香の燃焼
において、充分な燃焼速度の遅延化を図るためには、脱
脂米糠は線香全重量に対し5〜50重量%の割合で配合
することが好ましい。
【0011】
【発明の作用及び態様】本発明者らは、線香の基材とし
て種々の材料について検討した結果、脱脂米糠が、燃焼
時の立消えを起こさないにも拘らず燃焼速度の遅延化に
有効で、すなわち長時間燃焼状態を維持することができ
ると共に、有効成分の揮散率を何ら損なうことなく、ま
た機械成形適性が良好で、燃焼によって粘膜刺激性や異
臭の発生もなく、線香の小型軽量化を図るための基材と
して最適であることを見出し、本発明を完成するに至っ
たものである。すなわち、本発明は、線香の基材の一部
として脱脂米糠を用いることを特徴とするものであり、
それによって燃焼速度の遅延化及び立消え防止という相
反する要求を同時に満たし、しかも有効成分の高い揮散
率を確保することを可能とするものである。
【0012】本発明の線香は、脱脂米糠を配合したこと
によって、燃焼時に立消えを起こすことなく燃焼時間を
長くすることができ、従って、従来の線香と同じような
燃焼時間を確保するのに重量及びサイズを小さくでき
る。その結果、使用原料が減少し、コストダウンを図れ
ると共に、資源の節約にも寄与することができ、また、
煙量や粘膜刺激物質の発散量も少なくなる。一般に同一
の基材を用いた場合、線香の太さを細くする程燃焼速度
は速くなり、仮に断面積を半分に減少した場合、同じ燃
焼時間を確保するためには長さを約倍にしなければなら
ず、サイズの縮小が重量減少にはつながらない。しかし
ながら、本発明の線香の場合、配合する脱脂米糠の量を
適宜設定することにより、線香の太さを細くしても燃焼
速度が遅延するため従来の線香と同じ程度の長さでよ
く、重量を低減することができる。さらに本発明者らの
研究によると、線香の太さを細くすることにより有効成
分の揮散率が向上し、また立消えし難くなることが見い
出された。従って、線香の太さを細くすることによって
有効成分の揮散率をさらに向上させることができ、その
結果、有効成分量を少なく配合することも可能となる。
【0013】本発明で用いる脱脂米糠は、玄米を精白し
たときにできる米糠を脱脂処理して得られるもので、米
糠自体は我国において大量に産出されており、安価にか
つ安定的に供給されており、また脱脂米糠も糠油製造の
際に副産物として大量に得られ、安定かつ安価に供給さ
れる。米糠自体にも、線香の基材として用いた場合には
燃焼速度の遅延化効果が認められるが、脱脂米糠の場合
にはその効果がさらに大きなものとなる。脱脂米糠の配
合量は、線香全重量に対し5〜50重量%、より好まし
くは10〜35重量%である。脱脂米糠の配合量が5重
量%未満であると、充分な燃焼速度の遅延化効果が得ら
れ難いので好ましくない。一方、脱脂米糠の配合量が5
0重量%を超えると、特に断面積を大きくした線香では
立消えが起こり、好ましくない。また、脱脂米糠の粒度
は、機械成形適性、成形された線香の表面平滑性等を考
慮すると50メッシュパス、より好ましくは80メッシ
ュパスとすることが望ましい。
【0014】線香の他の基材としては、除虫菊抽出粕
粉、木粉、杉や茶等の茎葉粉末、ココナッツ粉、コーヒ
ー豆殻の内皮粉末、トウモロコシの芯の粉末、カーボン
等従来公知の各種助燃剤を用いることができる。また、
糊料としては、主としてタブ粉が用いられるが、タブ粉
以外にもコーンスターチ、カルボキシメチルセルロー
ス、デキストリン、ポリビニルアルコール、アラビアゴ
ム、脱脂アマニ粕粉末等従来公知のものが使用できる。
糊料の配合量が多過ぎると燃焼時に立消えを起こし易く
なるので好ましくない。
【0015】本発明の線香を蚊取線香として用いる場合
には、殺虫有効成分としては従来公知の各種殺虫剤を用
いることができるが、安全性の面からはピナミンフォル
テ、エトック等のピレスロイド系殺虫剤が好ましい。ま
た、本発明の線香には、上記各種成分に加えて、マラカ
イトグリーン等の色素、デヒドロ酢酸等の防カビ剤を配
合することもできる。本発明に係る線香は、上記各種成
分を水と練合し、適当な形状に成形することによって得
られ、配合する有効成分(殺虫成分又は香料等)に応じ
て蚊取線香又は仏壇用線香などとして用いることができ
る。蚊取線香の場合は、一般に配合物を水と練合し、シ
ート状に押出成形した後、渦巻状に打抜き、乾燥するこ
とによって製造される。なお、有効成分は線香成形後に
スプレー、塗布、滴下、浸漬等によって含浸させること
もできる。本発明によれば、線香のサイズ及び重量を減
少しても従来の線香と同程度以上の燃焼時間を確保でき
るが、線香のサイズは一般に5〜50mm2 、より好ま
しくは5〜20mm2 が望ましい。線香のサイズが5m
2 未満でも、また50mm2 を超えても、有効成分の
揮散率が低下するので好ましくない。
【0016】
【実施例】以下、試験例及び実施例を示して本発明につ
いてさらに具体的に説明するが、本発明が下記実施例に
限定されるものでないことはもとよりである。
【0017】試験例1 表1に示すように、除虫菊抽出粕粉末、木粉、タブ粉の
所定量に対して、脱脂米糠の添加量を変化させて加え、
混合し、約等量の温水を加えて練り、これを押出機によ
って帯状に押出成形し、次いで打抜機により渦巻状に打
抜き、風乾にて乾燥したものを供試線香(厚さ3.5m
m、巾6mm)とした。この線香について、その諸特性
を測定した。その結果を表1に併せて示す。
【表1】 表1に示す結果から明らかなように、本発明に従って脱
脂米糠を配合した線香は、脱脂米糠を配合しなかった線
香に比べて、脱脂米糠の配合量が増すに従って1巻当り
の燃焼時間が大巾に長くなり、また立消えも起きなかっ
た。さらに、燃焼時に異臭も殆ど発生せず、また成形
性、乾燥性も良好であった。また、脱脂米糠を配合する
ことによって、高価な除虫菊抽出粕粉の配合量を大巾に
減らすことができた。
【0018】試験例2 表2に示すように、除虫菊抽出粕粉末、木粉、茶粉、タ
ブ粉の所定量に対して、脱脂米糠の添加量を変化させて
加え、混合し、約等量の温水を加えて練り、これを押出
機にかけ、各種大きさの断面積Xmm2 の棒状に押し出
し、一定の長さに切断し、風乾にて乾燥したものを供試
線香とした。なお、この時の有効成分としてはピナミン
フォルテを使用した。この線香について、燃焼速度及び
揮散率を測定した。その結果を表2に併せて示す。な
お、揮散率は、燻煙を漏斗状の吸引装置にて集め、シリ
カゲルに吸収させた後、溶剤で抽出し、ガスクロマトグ
ラフィーにより測定した。
【表2】
【0019】表2に示す結果から明らかなように、本発
明の脱脂米糠を配合した線香(例No.5〜9)は、脱
脂米糠を配合しなかった従来の線香(例No.12)に
比べて燃焼速度が遅延し、またその効果は脱脂米糠の配
合量を増す程顕著になり、しかも配合量を増しても燃焼
時の立消えは起こらなかった。これに対し、澱粉を配合
して糊料の配合量を多くした線香(例No.10、1
1)は、燃焼速度の遅延効果は認められるものの立消え
が起こり、特に澱粉の配合量が増す程、また線香の太さ
が通常のサイズ(20mm2 )に近づくように大きくな
る程、立消えが起こり易くなることがわかる。なお、表
2から明らかなように、従来の線香(例No.12の断
面積X:20mm2 )の燃焼速度50分/10cmに
は、本発明の例No.6の断面積15mm2 、例No.
7の断面積10mm2 、例No.8の断面積5mm2
燃焼速度が匹敵するが、このことは、従来の線香と同じ
燃焼速度を達成するのに線香の径を細くできること、及
び/又は線香の長さを短くできること、すなわち原料使
用量を少なくできることを意味している。また、脱脂米
糠を配合した本発明の線香では、市販の蚊取線香に比べ
て同等かそれ以上の有効成分の揮散率を示した。また、
脱脂米糠の配合量を増してもそれ程有効成分の揮散率は
低下しないが、澱粉を配合した線香では有効成分の揮散
率が低下し、特に澱粉の配合量を増す程顕著に低下する
ことがわかる。さらに、表2に示すもの以外にも、断面
積20mm2 以上の種々の断面積を有する線香を成形
し、それらについても燃焼速度を測定した。その結果、
脱脂米糠15重量%配合の線香について、断面積30m
2 の場合72分/10cm(無配合:56分/10c
m)、断面積40mm2 の場合78分/10cm(無配
合:65分/10cm)、断面積50mm2 の場合83
分/10cm(無配合:71分/10cm)と燃焼速度
が遅延した。ただ、断面積20mm2 以下に比べて、断
面積を大きくするに従ってその遅延比率は小さくなる傾
向を示した。なお、断面積が50mm2 を超えると燃焼
時に立消えを生じるようになり好ましくない。
【0020】試験例3 表3に示すように、木粉、炭粉、タブ粉の所定量に対し
て、脱脂米糠の添加量を変化させて加え、混合し、約等
量の温水を加えて練り、これを押出機にかけて各種大き
さの断面積Xmm2 の棒状に押し出し、一定の長さに切
断し、風乾にて乾燥したものを供試線香とした。なお、
この時、フローラル系の調合香料も使用した。この線香
について、燃焼速度を測定した。その結果を表3に併せ
て示す。
【表3】 表3に示す結果から明らかなように、一般に燃焼速度が
早い炭粉を使用した燃焼基材についても、本発明の脱脂
米糠を配合した線香(例No.13〜16)は脱脂米糠
を配合しなかった線香(例No.17)に比べて燃焼速
度が遅延し、またその効果は脱脂米糠の配合量を増す程
顕著になり、しかも配合量を増しても燃焼時の立消えは
起こらなかった。
【0021】試験例4 表4に示すように、除虫菊抽出粕粉、木粉、タブ粉の所
定量に対して米糠(脱脂前の油糠)又は脱脂米糠の添加
量を変化させて加え、混合し、約等量の水を加えて練
り、これを押出機にかけて各種直径の棒状に押し出し、
一定の長さに切断した。これを風乾にて乾燥したものを
供試線香とした。この線香について燃焼速度を測定し
た。その結果を表5に示す。
【表4】
【0022】
【表5】 表5に示す結果から、米糠にも燃焼時間の遅延効果は認
められるが、脱脂米糠の効果が顕著であることがわか
る。
【0023】実施例1 市販蚊取線香とほぼ同じ燃焼時間(約7時間/1巻)を
持つ、断面積約13mm2 の大きさの線香を、除虫菊抽
出粕粉、木粉、茶粉、タブ粉に脱脂米糠を配合した燃焼
基材及びピナミンフォルテその他マラカイトグリーン、
防黴剤等の所定量を加えて混合し、約等量の温水を加え
て練り、これを押出機にて帯状に押出成形し、次いで打
抜機により渦巻状に打抜き、風乾にて乾燥して製造し、
これを供試線香とした(この時のピナミンフォルテの使
用量は市販線香(0.3%)と同量/1巻)。この線香
一巻(6.3g)を6畳の部屋で使用したところ、燃焼
時間7時間にわたり燻煙し、蚊を完全に防除できた。ま
た、この線香について、有効成分の揮散率を測定したと
ころ、市販線香A64%、市販線香B68%に対して6
8%と燃焼速度を遅延したにもかかわらず同等かそれ以
上であった。
【0024】実施例2 市販蚊取線香とほぼ同じ燃焼時間及び揮散率を持つ、断
面積約7mm2 の大きさの線香を、除虫菊抽出粕粉、木
粉、茶粉、タブ粉に脱脂米糠を配合した燃焼基材及びピ
ナミンフォルテその他マラカイトグリーン、防黴剤等の
所定量を加えて混合し、約等量の温水を加えて練り、こ
れを押出機にて帯状に押出成形し、次いで打抜機により
渦巻状に打抜き、風乾にて乾燥して製造し、これを供試
線香とした。この線香一巻の原料使用量を調べたとこ
ろ、市販線香に対して、燃焼基材で49%と少ない原料
で製造出来、コストダウンを計れると共に資源の節約と
なった。
【0025】実施例3 市販蚊取線香とほぼ同じ外径寸法(約12cm)を持つ
断面積約10mm2 の大きさの線香を、除虫菊抽出粕
粉、ココナツ粉、タブ粉に脱脂米糠を配合した燃焼基材
及びエトックその他マラカイトグリーン、防黴剤等の所
定量を加えて混合し、約等量の温水を加えて練り、これ
を押出機にて帯状に押出成形し、次いで打抜機により渦
巻状に打抜き、風乾にて乾燥して製造し、これを供試線
香とした。この線香一巻(約12g)を屋外で犬小屋で
使用したところ、市販線香の燃焼時間約6時間に対して
10時間と非常に長い時間にわたり、蚊に刺されること
がなかった。
【0026】実施例4 市販仏壇線香とほぼ同じ径寸法(2mm)及び長さ(1
4cm)を持つ線香を、杉葉粉末、白樺樹皮粉末、タブ
粉末、茶粉末に脱脂米糠を配合した燃焼基材及び香料そ
の他色素、防黴剤等の所定量を加えて混合し、約等量の
温水を加えて練り、これを押出機にかけ棒状に押し出
し、風乾にて乾燥して製造し、これを供試線香とした。
この線香を8畳の仏間で燃焼したところ、市販線香の燃
焼時間約40分間に対して65分間の長い時間にわた
り、異臭もなく、ほのかな香りがただよっていた。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る線香は、基
材の一成分として脱脂米糠を配合したことによって、燃
焼時に立消えを起こすことなく燃焼時間を長くすること
ができ、従って、従来の線香と同じような燃焼時間を確
保するのに重量及びサイズを小さくできる。その結果、
使用原料が減少し、コストダウンを図れると共に、資源
の節約にも寄与することができ、また、煙量や粘膜刺激
物質の発散量も少なくなる。さらに、線香の太さを細く
することによって、有効成分の揮散率がさらに向上する
という効果が得られ、その結果、有効成分量を少なくで
きるという利点も得られる。また、本発明で用いる脱脂
米糠は我国において大量に安価に得られ、輸入品である
が故に高価でかつ将来的に供給量が心配される除虫菊抽
出粕粉末等の配合量を減らすことができるので、コスト
をかなり低減でき、またその供給の不安定性の心配もな
いなど、実用上の利点は極めて大きい。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の一成分として脱脂米糠を配合した
    ことを特徴とする線香。
  2. 【請求項2】 脱脂米糠の配合量が全重量に対し5〜5
    0重量%である請求項1に記載の線香。
  3. 【請求項3】 脱脂米糠の粒度が50メッシュパスであ
    る請求項1又は2に記載の線香。
  4. 【請求項4】 線香の太さが断面積5〜50mm2 であ
    る請求項1乃至3のいずれか一項に記載の線香。
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