JPH08245281A - 遷移アルミナ成形体の製造方法 - Google Patents

遷移アルミナ成形体の製造方法

Info

Publication number
JPH08245281A
JPH08245281A JP7051092A JP5109295A JPH08245281A JP H08245281 A JPH08245281 A JP H08245281A JP 7051092 A JP7051092 A JP 7051092A JP 5109295 A JP5109295 A JP 5109295A JP H08245281 A JPH08245281 A JP H08245281A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transition alumina
molded body
powder
alumina
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7051092A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3680342B2 (ja
Inventor
Seiichi Hamano
誠一 浜野
Osamu Yamanishi
修 山西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP05109295A priority Critical patent/JP3680342B2/ja
Publication of JPH08245281A publication Critical patent/JPH08245281A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3680342B2 publication Critical patent/JP3680342B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくとも部分的に再水和性を有する遷移ア
ルミナ粉末を湿式成形し、再水和し、次いで再水和後の
成形体を焼成してなる遷移アルミナ成形体の製造方法に
おいて、遷移アルミナ粉末の湿式成形時に中心粒径が
0.01〜100μmのポリメタクリル酸エステルを主
成分とする粉末もしくはラテックスを存在せしめること
を特徴とする遷移アルミナの成形体の製造方法。 【効果】 廉価に高比表面積、高細孔容積、高強度の遷
移アルミナ成形体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乾燥剤、吸着剤、触媒、
触媒担体および各種薬品担体用の高細孔容積アルミナ成
形体の製造方法に関する。さらに詳細には高細孔容積の
成形体を得るのに適した製造方法、就中高細孔容積,高
BET表面積を有し、かつ高強度の遷移アルミナ成形体
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】遷移アルミナ成形体は乾燥剤、吸着剤、
触媒、各種担体等に使用されている。これらの用途に使
用される場合、成形体内部への分子拡散速度を大きくす
るため成形体の細孔容積、就中細孔半径数100オング
ストローム以上のマクロ細孔容積を大きくすることが要
求される。また、触媒成分、脱臭剤、香料、吸着剤等の
各種薬液を遷移アルミナ成形体に担持する場合、担持量
を大きくするため高細孔容積の成形体が要求される。
【0003】これらの要求を達成するための活性アルミ
ナ成形体の製造方法としては、例えば、アルミニウム塩
の中和によりゲルを析出し、これを洗浄・乾燥・成形・
焼成する方法において析出条件を制御する方法(特公平
2−1767号公報)が知られている。
【0004】また、再水和しうるアルミナに繊維状燃焼
性有機起孔剤を混合し、成形し、再水和した後、450
〜650℃の温度条件下で焼成する方法(特開昭49−
6006号公報)が知られている。有機起孔剤の種類と
しては、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコー
ル、結晶性セルロース、カーボンブラック等が知られて
いるが、いずれも有機起孔剤の燃焼を完結させるため5
00〜800℃という高い焼成温度を必要としている。
【0005】低温で起孔剤を除去する方法として、ポリ
エチレングリコールをアルコールで洗い流し除去する方
法〔Basmadjian;J.Catalysis 、Vol.1 、P547(196
2)〕、ナフタレン等の揮発性有機物を使用する方法(米
国特許3701718号)が知られている。
【0006】別な方法として、中心粒径が約1μm〜3
5μmで粒径分布の四分偏差値が約1.5以下の再水和
性アルミナを成形し再水和し焼成することによりマクロ
細孔容積が大で、かつ耐磨耗強度が優れた低密度活性ア
ルミナ成形体を製造する方法(特公昭63−24932
号公報)がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記ゲル析出時の条件
を制御する方法に於いては、高細孔容積・高表面積の成
形体を得ることはできるが、この方法によって得た成形
体は、単に物理的に析出した粒子が結合しているのみな
ので強度が低いという欠点がある。
【0008】また、燃焼性有機起孔剤を添加する方法で
は、使用有機起孔剤として焼成時の発熱が少なく、燃焼
温度が低く、かつ成形性に悪影響を与えない物性を有す
る起孔剤が要求されるが、これら全ての条件を満たす起
孔剤は未だ見いだされていない。
【0009】起孔剤を溶出あるいは昇華で除去する方法
は、溶剤を大量に消費したり、高価な昇華性有機物を使
用するので経済的でない。
【0010】一方、四分偏差値が約1.5以下の再水和
性アルミナを成形し再水和し焼成する方法は、高細孔容
積・高表面積・高強度の活性アルミナ成形体を得ること
ができるが、四分偏差値が約1.5以下の再水和性アル
ミナを得るためにアルミン酸ソーダを特定の条件で加水
分解する必要があったり、水酸化アルミニウムを分級し
たりする必要があり、コストが高いとの問題点を有す
る。
【0011】このような事情に鑑み、本発明者等は、廉
価でかつ高細孔容積を有する遷移アルミナ成形体の製造
方法、とくには高細孔容積、高BET表面積を有し、且
つ高強度を有する活性アルミナ成形体の製造方法を見い
だすことを目的として鋭意研究を重ねた結果、本発明に
到達したものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、少な
くとも部分的に再水和性を有する遷移アルミナ粉末を湿
式成形し、再水和し、次いで再水和後の成形体を焼成し
てなる遷移アルミナ成形体の製造方法において、遷移ア
ルミナ粉末の湿式成形時に中心粒径が0.01〜100
μmのポリメタクリル酸エステルを主成分とする粉末も
しくはラテックスを存在せしめることを特長とする遷移
アルミナ成形体の製造方法を提供するにある。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
実施に際し、原料アルミナとして用いる、部分的に再水
和性を有する遷移アルミナ粉末は、通常、中心粒径が約
0.1μm〜50μm、望ましくは約1μm〜20μ
m、灼熱減量3〜10重量%、BET比表面積が150
〜400m2 /g、結晶形主成分はχ,ρ−アルミナ、
窒素吸着法により測定した細孔容積が0.1〜0.3c
3 /gの物性を有するものである。このような遷移ア
ルミナは水酸化アルミニウム、通常バイヤー工程から得
られるギブサイトを瞬間仮焼して得られる。瞬間仮焼に
用いるギブサイトはバイヤー法により得られる純度のも
のであれば特に制限されるものではなく、異物の含有が
ないものであればよい。該ギブサイトのNa2 O含有量
は0.02〜1重量%程度である。
【0014】ギブサイトの瞬間仮焼は公知の方法が採用
される。代表的には、焼成雰囲気温度約500℃〜12
00℃、線速度約5m/秒〜約50m/秒の気流中にギ
ブサイトを同伴させて、接触時間約0.1秒〜約10秒
の条件で、焼成後のアルミナ中の灼熱減量が3〜10重
量%まで焼成すればよい。気流中で焼成された粉末は通
常サイクロン、バグフィルター、電気集塵機等公知の方
法で気流より分離、回収することにより再水和性アルミ
ナは得られる。瞬間仮焼後の遷移アルミナの中心粒径が
約50μm以上の場合には、成形を容易にし、また製品
の強度を向上する目的より粉砕を行うことが好ましい。
この場合は瞬間仮焼前の原料ギブサイトを予め粉砕して
おいても良い。粉砕はボールミル等公知の装置を用いれ
ばよい。
【0015】このようにして得た少なくとも部分的に再
水和可能な遷移アルミナは、次いでポリメタクリル酸エ
ステルを主成分とする粉末もしくはラテックスよりなる
有機起孔剤と水の存在下、湿式成形を行う。
【0016】本発明で使用するポリメタクリル酸エステ
ルを主成分とする粉末もしくはラテックスとは、アルキ
ル基の炭素数が1〜8のメタクリル酸エステルの重合体
であり、より好ましくはポリメタクリル酸メチル50重
量%以上と、これと共重合可能な他のエチレン性不飽和
単量体を重合して得られる共重合体である。ここで共重
合可能な他のエチレン性不飽和単量体としては、アルキ
ル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル、
スチレンに代表される芳香族ビニル単量体、アクリロニ
トリル等が挙げられる。ポリメタクリル酸エステルを主
成分とする高分子物質は、実質的に非水溶性でかつ、成
形に対しバインダー効果がないものが使用される。
【0017】本発明でいうラテックスとはポリメタクリ
ル酸エステルを主成分とする高分子物質が水性媒体中に
分散しているコロイド分散系をいう。本発明のポリメタ
クリル酸エステルを主成分とする粉末もしくはラテック
スの製造方法はとくに限定するものではなく、たとえば
乳化重合、懸濁重合、分散重合等、公知の重合法により
得られる。また、塊状重合、溶液重合で得られた重合物
を所定の粒径まで粉砕および/もしくは分級することに
よっても得られる。粉末もしくはラテックス中の高分子
物質の中心粒径は0.01〜100μにする必要があ
る。この粒径より小さいと、細孔容積向上の効果が少な
く、この粒径より大きいと得られた遷移アルミナ成形体
の強度が小さくなり望ましくない。
【0018】本発明のポリメタクリル酸エステルを主成
分とする粉末は、少なくとも部分的に再水和可能な遷移
アルミナ粉末に混合される。該遷移アルミナが粉砕工程
を経る場合、混合は粉砕前に行っても良いし、粉砕後に
行ってもよい。ただし、粉砕前に行った場合、粉砕機の
防爆対策が必要である。ポリメタクリル酸エステルを主
成分とする高分子物質がラテックス状の場合、成形に用
いる水に混合すればよい。
【0019】ポリメタクリル酸エステルを主成分とする
粉末あるいはラテックスの添加量は該遷移アルミナ粉末
100重量部に対し、高分子物質(固体換算)として約
1〜約100重量部が適当である。添加量が少ないと細
孔容積増大の効果が少ないし、添加量が多すぎると製品
強度が低下する。とくに、BET表面積が約250m 2
/g以上の製品を得ようとする場合は固体換算で約0.
1〜約20重量部が適当である。添加量が多すぎると、
たとえ本発明で規定する通気条件で焼成したとしても、
焼成時の発熱により、成形体内の実温度が500℃以上
となり、BET表面積が低下してしまう。
【0020】本発明による成形は水を用いた湿式法で行
う。起孔剤としてのポリメタクリル酸エステルを主成分
とする粉末あるいはラテックスは予め再水和性アルミナ
粉末に混合するか、水に混合していてもよく、勿論均一
な混合が可能であれば、起孔剤と再水和性アルミナ粉末
と水を同時に添加して湿式成形してもよい。より具体的
にはマルメライザーもしくは転動造粒機でポリメタクリ
ル酸エステルを主成分とする粉末あるいはラテックスの
存在下、再水和性アルミナに水を供給し造粒する方法、
再水和性アルミナを水で湿らせた後金型で圧縮成形する
方法、水と混合後押出機で成形する方法、再水和性アル
ミナを水と混合した後水と混和しない溶媒中に投入し撹
拌することにより微粒成形体を得る方法等が挙げられ
る。水以外の液体、たとえば有機溶媒を用いた湿式成形
法では、本発明の効果は得ることができない。成形体の
形状としては球状、円柱状、リング状、板状、ハニカム
状、塊状等のいずれであってもよいが、生産性が大き
く、球状の製品が得られることから転動造粒法が推奨さ
れる。
【0021】かくして得られた成形体はついで成形体自
体の機械的強度(耐圧強度)を高めるために再水和に足
る時間、室温〜120℃、好ましくは50〜90℃の水
中、水蒸気中または水蒸気含有ガス中で保持され再水和
される。再水和は一般に1分〜1週間行われる。再水和
時間が長いほど、また温度が高いほど機械的強度が大き
くなるが、120℃を越えると製品の表面積が低下し好
ましくない。上記の温度は水蒸気処理中の成形体の温度
であり、再水和性アルミナは再水和時に発熱するため密
閉容器中に投入し放熱を防ぐことによっても再水和は可
能である。
【0022】再水和後の成形体は次いで焼成し、成形体
中の付着水分、結晶水およびポリメタクリル酸エステル
を主成分とする高分子物質を除去する。焼成温度は通常
約300〜約1000℃、好ましくは300℃〜500
℃であり、該焼成温度は成形体製品の目標とする結晶
形、細孔径、あるいはBET表面積により適宜選択すれ
ばよい。焼成は燃焼ガス、電気ヒーターによる間接加
熱、赤外線加熱等で実施される。焼成に先だって自然乾
燥、熱風乾燥、真空乾燥等の方法で付着水分を除去して
置くことも可能である。
【0023】BET表面積の高い成形体を得ようとする
場合、焼成時の成形体実温度を約300〜500℃に保
持する必要がある。一方、ポリメタクリル酸エステルを
主成分とする高分子物質は、1gあたり2kcal程度
の燃焼熱を発生するので、この燃焼熱を除去しないこと
には、上記範囲の温度保持は困難である。
【0024】この条件を達成するため、再水和処理後の
成形体を板上(網を含む)、好ましくは通気能を有する
板上に層状に充填し、固定床の場合にはその層状充填物
の下部或いは上部より、また移動床の場合にはその層状
充填物の下部或いは上部或いは移動方向と平行に約30
0〜500℃、望ましくは約300〜450℃の熱風が
通気する条件で焼成を行う。この過程でポリメタクリル
酸エステルを主成分とする高分子物質の熱分解・燃焼が
行われる。充填層の大きさはとくに制限されないが高さ
は約1〜1000cm、好ましくは2〜500cm、幅
は約1〜1000cm、好ましくは30〜300cmが
現実的である。充填層は固定床、移動床のいずれであっ
てもよい。固定床の場合は、焼成はバッチ方式で実施さ
れる。移動床の場合は焼成終了した成形体を順次取り出
しながら、未焼成成形体を焼成炉に供給していく。
【0025】熱風は空気を電気、燃料で加熱し使用する
方法、燃焼ガスを直接使用する方法等がある。熱風の温
度は約300〜500℃、望ましくは約300〜450
℃で、線速度は約0.05〜1.0Nm/secが適当
である。温度がこれ以下であるとポリメタクリル酸エス
テルを主成分とする高分子物質の熱分解・燃焼が不十分
となる。温度がこれ以上だと、得られた製品のBET表
面積が低下し250m 2 /g以上の製品が得られない。
線速度がこれ以下だと燃焼熱の除去が不十分となり、熱
風温度が増加する。線速度がこれ以上であると、充填層
を通過する熱風の圧力損失が増大し、熱風排風機が大き
くなり経済的でない。酸素を含有しない雰囲気で行え
ば、上記焼成条件を用いずともポリメタクリル酸エステ
ルを主成分とする高分子物質の熱分解のみがおこり、発
熱は少なく高表面積の遷移アルミナが得られるが、工業
的には高コストとなり実用的でない。
【0026】本発明の実施に於いて成形体の細孔容積、
強度を減じない範囲で、湿式成形の原料中に他の無機化
合物を添加することができる。そのような無機化合物の
例としては、再水和性のないアルミナ例えばαアルミ
ナ、アルミニウム塩、シリカ、粘土、タルク、ベントナ
イト、ゼオライト、コーディエライト、チタニア、アル
カリ金属塩、アルカリ土類金属塩、希土類金属塩、ジル
コニア、ムライト、シリカアルミナ等がある。酸化物以
外の塩を添加した場合は、成形体の焼成温度は塩の分解
温度以上にすることが必要である。
【0027】再水和処理、乾燥あるいは焼成後の成形体
を酸性成分を含有する水溶液と接触処理する、更に必要
ならば酸性分と接触処理後の成形体を焼成してもよい。
かかる場合には活性アルミナ成形体中の不純物であるN
2 Oが除去でき、また表面を酸性にする効果がある。
【0028】このようにして得られた本発明の遷移アル
ミナ成形体は通常、BET表面積として約10〜400
2 /g、細孔容積として約0.45〜1.5cm3
g、マクロ細孔容積として約0.05〜1.3cm3
g、耐圧強度として約5kg以上、磨耗率として約2%
以下の物性を有している。また、焼成条件を特定化して
実施する場合には、BET表面積として約250〜40
0m2 /g、細孔容積として約0.45〜1.0cm3
/g、マクロ細孔容積として約0.05〜0.8cm3
/g、耐圧強度として約5kg以上、磨耗率として約1
%以下の遷移アルミナ成形体を得ることが可能である。
【0029】本発明に於いて何故、細孔容積、BET表
面積が大でかつ耐圧強度に優れた遷移アルミナ成形体が
得られるのか、その理由は詳らかではないが、本発明に
於いて有機起孔剤として適用する特定粒径のポリメタク
リル酸エステルを主成分とする粉末もしくはラテックス
は、水に対し不溶性でかつ親和性を有することより、本
発明の如く水をバインダーとして適用する湿式成形に於
いて、バインダーに対し起孔剤が溶解し所望の細孔径の
マクロ細孔が得られないとか、粘度が高くなり成形に支
障をきたすとか、バインダーに対する分散性が悪い等の
欠点もなく、また成形、再水和処理後の焼成温度も、起
孔剤の燃焼除去温度がアルミナ再水和物の分解温度に近
いことより、得られる遷移アルミナのBET表面積を低
下せしめることもなく、上記物性を有する遷移アルミナ
成形体が得られるものと推察される。
【0030】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、廉価に、
高比表面積、高細孔容積、高強度の遷移アルミナ成形体
が得られるもので、その産業的効果は頗る大である。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はかかる実施例により制限されるもので
はない。なお、本文中において示した物性値は次の測定
法によった。 アルミナの中心粒径:日機装マイクロトラックMK−2
で測定した。 高分子樹脂粉末の中心粒径:乾式篩別(JIS篩)法で
測定した。 ラテックスの中心粒径:電子顕微鏡により測定した。 灼熱減量:試料を1100℃で2時間加熱した後の重量
減少を測定した。 アルミナの結晶形態:X線回折法で求めた。 耐圧強度:木屋式硬度計にて試料10個につき強度を測
定し、平均値を求めた。 マクロ細孔容積:Hg圧入法(カンタクローム社製、オ
ートスキャン33型、ポロシメーターにて測定)で求め
た半径250オングストローム以上の細孔容積をいう。 磨耗率:JIS K−1464に準じた。 水分平衡吸着量:JIS K−1464に準じた。
【0032】実施例1 バイヤー工程で得られた中心粒径42μm、水分0.0
3%のギブサイトをボールミルにて中心粒径14μmま
で粉砕した。粉砕ギブサイトを約700℃の熱ガス気流
中に投入し瞬間仮焼した。瞬間仮焼したものは灼熱原料
が7%、結晶形がχ、ρで表される再水和性アルミナで
あり、中心粒径が11μmであった。このようにして得
られた再水和性アルミナ100重量部に粉末状のポリメ
タクリル酸メチル(住友化学工業株式会社製、商品名:
XC−01、中心粒径30μm)を5重量部を二重円錐
混合機(重伸鉄工所製)で混合した。得られた混合粉末
を直径1mの皿形造粒機を用い、混合粉末100重量部
に対し水約50重量部をスプレーしながら直径2〜4m
mの球状に成形した。成形後の造粒物15kgを蓋付き
容器に入れ密閉して80℃の温度で16時間保持して再
水和せしめた。熟成品の結晶形を調べたところ、擬ベー
マイトとバイヤライトの合計が20%であった。次い
で、再水和処理後の成形品200gをステンレス網製の
容器に入れ電気炉にて500℃で2時間焼成した。この
とき、容器中に差し込んでいた熱電対は最高540℃に
なっていた。焼成品は白色であり、有機物およびカーボ
ンの残留は認められなかった。
【0033】実施例2 実施例1の方法に於いて得られた再水和処理後の成形体
3kgを、ステンレス製のバスケットに入れ、バスケッ
トを熱風通風式の電気炉に入れた。このバスケットは周
囲はステンレス板であり、底部は直径25cmのステン
レス網になっており、熱風がバスケット上部から入り、
成形体充填層内を通過し、下部の網から出ていく構造に
なっている。20Nm3 /hの熱風を供給し、熱風入口
温度を1時間で室温から380℃まで昇温し3時間保持
した。熱風通気時の出口温度は最低365℃で、最高3
90℃であった。熱風風量とバスケット直径より、充填
層内の熱風線速度を計算すると0.11Nm/secで
あった。このようにして得られた遷移アルミナ成形体の
物性を表1に示す。
【0034】実施例3 ガラス製の5リットルの冷却機付き反応容器内に、イオ
ン交換水1740g,ドデシルベンゼンスルホン酸ソー
ダ30g、ロンガリット0.6gを仕込み、窒素気流下
で攪拌後、クメンハイドロパーオキサイド0.1%溶解
させたメタクリル酸メチル358g、アクリル酸エチル
14gを仕込だ。続いて攪拌しながら70℃に昇温し4
5分攪拌を続け重合を完了した。このようにして得た重
合物に、クメンハイドロパーオキサイド0.1%溶解さ
せたメタクリル酸メチル1430g、アクリル酸エチル
55gの混合物を80分間にわたって添加し、添加終了
後更に60分間保持した。得られたラテックス中の重合
物の中心粒径は0.4μmであった。このようにして得
た樹脂濃度50%のポリメタクリル酸メチル40リット
ルを水160リットルに混合し混合液を得た。次いで直
径1mの皿形造粒機を用い、実施例1の方法で得られた
再水和性アルミナ100重量部に対し、上記で得た混合
液約50重量部をスプレーしながら直径2〜4mmの球
状に成形した。成形後の造粒物15kgを蓋付き容器に
入れ密閉して80℃の温度で16時間保持して再水和せ
しめた。熟成品の結晶形を調べたところ、擬ベーマイト
とバイヤライトの合計が20%であった。この再水和処
理後の成形体を実施例2と同じ装置・条件で焼成した。
このようにして得られた遷移アルミナ成形体の物性を表
1に示す。
【0035】比較例1 実施例2に於いて、起孔剤としてポリメタクリル酸メチ
ルに代え結晶性セルロース(旭化成工業株式会社製、商
品名:アビセルTG−101、中心粒径40μm)10
重量部を用いた他は実施例2と同様に焼成品を得た。熱
風入口温度380℃では、成形体は褐色でありカーボン
が残留していた。熱風入口温度400℃より50℃単位
で熱風入口温度を昇温し成形体の色を観察したところ熱
風入口温度650℃で成形体は白色になり結晶性セルロ
ースの燃焼は完結していた。このようにして得られた遷
移アルミナ成形体の物性を表1に示す。
【0036】比較例2 実施例2の方法に於いて、起孔剤としてポリメタクリル
酸メチルを使用しなかった以外は全く同様にして成形、
再水和処理、焼成し遷移アルミナ成形体を得た。得られ
た遷移アルミナ成形体の物性を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも部分的に再水和性を有する遷
    移アルミナ粉末を湿式成形し、再水和し、次いで再水和
    後の成形体を焼成してなる遷移アルミナ成形体の製造方
    法において、遷移アルミナ粉末の湿式成形時に中心粒径
    が0.01〜100μmのポリメタクリル酸エステルを
    主成分とする粉末もしくはラテックスを存在せしめるこ
    とを特徴とする遷移アルミナ成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 湿式成形時に存在せしめるポリメタクリ
    ル酸エステルを主成分とする粉末もしくはラテックスの
    量が固体換算で遷移アルミナ粉末100重量部に対し
    0.1〜20重量部であることを特徴とする請求項1記
    載の遷移アルミナ成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 メタクリル酸エステルが、メタクリル酸
    メチル50重量%以上およびこれと共重合可能な他のエ
    チレン性不飽和単量体からなる共重合体であることを特
    徴とする請求項1または2記載の遷移アルミナ成形体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 再水和後の成形体を層状に充填し、約3
    00〜約500℃の熱風が0.05〜1.0Nm/se
    cの線速度でこの層内を通気する条件で焼成することを
    特徴とする請求項1〜3項いずれか記載の遷移アルミナ
    成形体の製造方法。
JP05109295A 1995-03-10 1995-03-10 遷移アルミナ成形体の製造方法 Expired - Fee Related JP3680342B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05109295A JP3680342B2 (ja) 1995-03-10 1995-03-10 遷移アルミナ成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05109295A JP3680342B2 (ja) 1995-03-10 1995-03-10 遷移アルミナ成形体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08245281A true JPH08245281A (ja) 1996-09-24
JP3680342B2 JP3680342B2 (ja) 2005-08-10

Family

ID=12877184

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05109295A Expired - Fee Related JP3680342B2 (ja) 1995-03-10 1995-03-10 遷移アルミナ成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3680342B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002026655A1 (fr) * 2000-09-26 2002-04-04 Ngk Insulators, Ltd. Structure en nid d'abeille a l'alumine, procede de fabrication correspondant, et structure en nid d'abeille de stockage thermique correspondant
JP2003063854A (ja) * 2001-05-31 2003-03-05 Sumitomo Chem Co Ltd 活性アルミナ成形体及びその製造方法
US6962684B2 (en) 2001-05-31 2005-11-08 Sumitomo Chemical Company, Limited Activated alumina formed body and method for producing the same
JP2010179267A (ja) * 2009-02-07 2010-08-19 Kosei:Kk 担体およびその製造方法
US11639314B2 (en) 2015-02-02 2023-05-02 Itochu Ceratech Corporation Porous fired granulated body and method for manufacturing the same

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002026655A1 (fr) * 2000-09-26 2002-04-04 Ngk Insulators, Ltd. Structure en nid d'abeille a l'alumine, procede de fabrication correspondant, et structure en nid d'abeille de stockage thermique correspondant
JP2003063854A (ja) * 2001-05-31 2003-03-05 Sumitomo Chem Co Ltd 活性アルミナ成形体及びその製造方法
US6962684B2 (en) 2001-05-31 2005-11-08 Sumitomo Chemical Company, Limited Activated alumina formed body and method for producing the same
JP4512972B2 (ja) * 2001-05-31 2010-07-28 住友化学株式会社 活性アルミナ成形体
JP2010179267A (ja) * 2009-02-07 2010-08-19 Kosei:Kk 担体およびその製造方法
US11639314B2 (en) 2015-02-02 2023-05-02 Itochu Ceratech Corporation Porous fired granulated body and method for manufacturing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP3680342B2 (ja) 2005-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7294328B2 (en) Method for producing α-alumina formed body
US4952389A (en) Alumina particles
US20050232852A1 (en) Activated alumina formed body and method for producing the same
JPH013008A (ja) 易解砕性アルミナの製造方法
JP3266578B2 (ja) 新規な吸着剤を用いる改良された酸化窒素および酸化硫黄の連続的除去方法ならびに吸着剤の再生方法
JP3417490B2 (ja) 酸化カルシウム多孔質粒状複合体及びその製造方法
JPH0274520A (ja) アルミナ凝集体の製造方法及びそれより得られる凝集体
JP3680342B2 (ja) 遷移アルミナ成形体の製造方法
JP3113315B2 (ja) 多孔質炭酸カルシウム微細粒子及びその製造方法
JP3569969B2 (ja) 薄片状再水和性アルミナの製造方法
US5296177A (en) Process for producing agglomerates from dusts
JPS6234685B2 (ja)
JP4596971B2 (ja) フッ素吸着剤を用いた水中のフッ素除去方法
JP2003063854A (ja) 活性アルミナ成形体及びその製造方法
KR102495417B1 (ko) 메타할로이사이트 분말 및 메타할로이사이트 분말의 제조 방법
JPH02293314A (ja) 粒子凝集体及びその製造法
JPH06298528A (ja) 活性アルミナ粉末及びその製造方法
JP4263078B2 (ja) フッ素吸着剤を用いたフッ素含有排水の処理方法
JP3603570B2 (ja) 遷移アルミナ成形体の製造方法
JP4337419B2 (ja) 非再水和性活性アルミナ粉末並びにそれを用いた活性アルミナ成形体および樹脂組成物
JPH0258206B2 (ja)
JPH06190274A (ja) 酸性成分吸着剤
JP4231390B2 (ja) フッ素またはリン酸吸着剤の再生方法
JP2001270782A (ja) アルミナ多孔体
JP2008208015A (ja) γ−アルミナ成形体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050509

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080527

Year of fee payment: 3

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D05

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090527

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100527

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100527

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110527

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110527

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120527

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120527

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130527

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees