JPH08244960A - 平ベルト交差式物体反転機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 物体検出機構を用いることなく不定間隔で移
送される物体を確実に反転できると共に、反転時の物体
の位置がズレるのを防止して連続的に反転することがで
き、また、構造を単純化することにより故障の発生を回
避できかつ廉価に製造できる平ベルト交差式物体反転機
構を提供することにある。 【構成】 プーリが回動されると、エンドレスベルトは
その交差部分において相互に面接触した状態で同一方向
へ移動する。各対の一方のプーリに巻回されたエンドレ
スベルト間に物体が送られてくると、物体はエンドレス
ベルト間に保持されて対向するプーリ側へ移送される。
エンドレスベルトがその交差位置を通過するとき、エン
ドレスベルトは物体を摩擦係合力および弾性力によって
保持した状態で１８０度転回させたのち、各対の他方の
プーリ側から送出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、種々の生産ラインにお
いて移送される物体の表裏または上下を反転するための
機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】移送される物体の表裏または上下を反転
するための機構としては、２つのコンベアを段差つけて
配列し、移送される物体が高位置のコンベアから低位置
のコンベアへ落ちるときにその物体の慣性を利用して表
裏を反転させる方法や、移送ライン中に反転テーブルを
設け、移送される物体が反転テーブル上にきたときに反
転テーブルをスウィングアームによって転回させること
により表裏を反転させる方法等がある。

【０００３】しかしながら、前者の段差付きコンベアを
用いる場合、物体の移送を高速度で行えかつ物体の移送
間隔や移送位置を考慮することなく行える反面、移送さ
れる物体の形状や重量分布等によって表裏を反転できな
かったり、反転時に物体が不規則に移動してしまい易い
ものであった。

【０００４】また、後者の反転テーブルを用いる場合、
スウィングアームによる転回に一定の時間を必要とする
ため、物体の移送速度が速くなるとそれに対応すること
ができなくなってしまうものであった。これに加え、ス
ウィングアームは物体が反転テーブル上にあるときにの
み作動するように構成しなければならず、そのため、物
体が反転テーブル上にあることを検知するための検出機
構を設けたり、物体が一定間隔で反転テーブル上にくる
ように物体の流れを整理するための手段を設けることが
必要であった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、物体検出機
構を用いることなく不定間隔で移送される物体を確実に
反転できると共に、反転時の物体の位置がズレるのを防
止して連続的に反転することができ、また、構造を単純
化することにより故障の発生を回避できかつ廉価に製造
できる平ベルト交差式物体反転機構を提供することにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明による平ベルト交
差式物体反転機構は、相互に対向しかつ離間して配置さ
れる少なくとも２対のプーリと該プーリ間に巻回される
エンドレスベルトとから構成される。前記エンドレスベ
ルトは各対のプーリ間において交差するように巻回さ
れ、かつ、各対の一方のプーリから該各プーリに対向し
たプーリに隣接するそれぞれのプーリに到達するまでの
間にそれぞれ１８０度捻回されて相互に面接触するよう
に構成される。

【０００７】

【作用】プーリが回動されると、エンドレスベルトはそ
の交差部分において相互に面接触した状態で同一方向へ
移動する。各対の一方のプーリに巻回されたエンドレス
ベルト間に物体が送られてくると、物体はエンドレスベ
ルト間に保持されて対向するプーリ側へ移送される。エ
ンドレスベルトがその交差位置を通過するとき、エンド
レスベルトは物体を摩擦係合力および弾性力によって保
持した状態で１８０度転回されたのち、各対の他方のプ
ーリ側から送出する。

【０００８】３対以上のプーリを有する場合、上述のよ
うに物体を１８０度転回して移送するが、その移送方向
は各対間において交互に対向する方向となる。

【０００９】

【実施例】本発明の実施例による平ベルト交差式物体反
転機構は、図１に示すように、相互に対向しかつ離間し
て配置される２対のプーリ１ａ，１ｂおよび２ａ，２ｂ
と該プーリ間に巻回されるエンドレスベルト３とから構
成される。

【００１０】プーリ１ａ，１ｂおよび２ａ，２ｂの少な
くとも一つはエンドレスベルト３を回動させるためにモ
ータ等の適当な駆動手段（図示なし）によって駆動され
る。エンドレスベルト３は弾性を有する部材により形成
され、後述から明らかとなる理由により、適当な摩擦係
数を備えた表面を有する平ベルト状に形成される。

【００１１】エンドレスベルト３は一方の対のプーリ１
ａ，１ｂと他方の対のプーリ２ａ，２ｂとの間において
交差するように巻回される。エンドレスベルト３の交差
部分は、プーリ１ａからプーリ２ｂに到達するまでの間
に１８０度捻回されると共に、プーリ２ａからプーリ１
ｂに到達するまでの間に１８０度捻回される。

【００１２】交差部位におけるエンドレスベルト３の捻
回方向は、エンドレスベルト３がその交差位置において
相互に面接触するように、エンドレスベルト３の移動方
向中心軸の回りを互いに同一方向とし、１８０度とす
る。図１の場合、エンドレスベルト製作段階で、事前に
ベルトを７２０度捻って接合したエンドレスベルトが用
いられている。

【００１３】図２〜図４に示すように、プーリが矢印方
向に回動されると、プーリ１ａ，２ａ間に送り込まれた
物体Ａはエンドレスベルト３間に挟持され、プーリ１
ｂ，２ｂ方向へ移送される（図２参照）。エンドレスベ
ルト３がその交差位置を通過するとき、物体Ａはエンド
レスベルト３との摩擦係合力およびエンドレスベルト３
の弾性力によってエンドレスベルト３間に保持された状
態で転回される（図３参照）。物体Ａはエンドレスベル
ト３の交差位置を通過したとき１８０度転回されて表裏
または上下を反転され（図４参照）、プーリ１ｂ，２ｂ
間から送出されて次工程へ送られる。

【００１４】図５は本発明の別の実施例による平ベルト
交差式物体反転機構を示す図で、３対のプーリ１ａ，１
ｂ、２ａ，２ｂおよび４ａ，４ｂを備え、エンドレスベ
ルト３はプーリ１ａ，１ｂとプーリ２ａ，２ｂの間と、
プーリ２ａ，２ｂとプーリ４ａ，４ｂの間においてそれ
ぞれ前記実施例と同様に１８０度捻回されて交差するよ
うに巻回されている点を除き、前記実施例と同様に構成
される。

【００１５】物体Ａは、プーリ１ａ，１ｂとプーリ２
ａ，２ｂの間を通過するとき、プーリ２ａ，２ｂとプー
リ４ａ，４ｂの間を通過するとき、前述のように１８０
度転回されて表裏または上下をそれぞれ反転される。し
かし、プーリ１ａ，１ｂとプーリ２ａ，２ｂの間におけ
る物体の移送方向と、プーリ２ａ，２ｂとプーリ４ａ，
４ｂの間における物体の移送方向とは相互に対向する方
向となる。

【００１６】

【発明の効果】本発明によれば、少なくとも２対のプー
リとエンドレスベルトとの組合せという単純な構造によ
って構成されるため、故障発生率を抑制できかつ廉価に
製造できる。また、一方のプーリ間に送り込まれた物体
をエンドレスベルト間で保持して移送しながら物体の表
裏または上下を反転できるため、不定間隔で移送される
物体を確実に反転して移送することができる。

【００１７】更に、エンドレスベルトの摩擦係合力およ
び弾性力によって物体を保持して移送するため、反転移
送された物体の位置ズレを最少限に抑えることができ、
また反転移送すべき物体に対する許容範囲が大きく、異
なった寸法形状の物体が混在するような場合であっても
確実に物体を反転して移送することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例による平ベルト交差式物体反転
機構の基本的構成を示す図である。

【図２】図１に示す機構の作動状態を説明するための図
である。

【図３】図２に示す作動状態の次段階を説明するための
図である。

【図４】図３に示す作動状態の次段階を説明するための
図である。

【図５】本発明の別の実施例による平ベルト交差式物体
反転機構の基本的構成を示す図１と同様な図である。

【符号の説明】

１ａ，１ｂ プーリ ２ａ，２ｂ プーリ ３ エンドレスベルト ４ａ，４ｂ プーリ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 相互に対向しかつ離間して配置される少
   なくとも２対のプーリと該プーリ間に巻回されるエンド
   レスベルトとから構成され、前記エンドレスベルトは各
   対のプーリ間において交差するように巻回され、かつ、
   各対の一方のプーリから該各プーリに対向したプーリに
   隣接するそれぞれのプーリに到達するまでの間にそれぞ
   れ１８０度捻回されて相互に面接触し同一方向へ移動す
   ることを特徴とする平ベルト交差式物体反転機構。