JPH08242892A - α−アミラーゼ活性測定法および測定試薬組成物 - Google Patents

α−アミラーゼ活性測定法および測定試薬組成物

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JPH08242892A
JPH08242892A JP5117695A JP5117695A JPH08242892A JP H08242892 A JPH08242892 A JP H08242892A JP 5117695 A JP5117695 A JP 5117695A JP 5117695 A JP5117695 A JP 5117695A JP H08242892 A JPH08242892 A JP H08242892A
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amylase
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galactosidase
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肇一 馬島
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茂樹 浅野
Toshiro Kikuchi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】β−ガラクトシルマルトオリゴ糖を基質として
用いるα−アミラーゼ活性測定方法において、血清や尿
などの体液中のβ−ガラクトシダーゼの作用により基質
が分解することを抑制し、アミラーゼ活性を精度よく簡
単な操作で測定する方法および試薬組成物を提供する。 【構成】下記一般式(I) 【化1】 (式中、nは0〜4の整数を示す。)で表されるβ−ガ
ラクトシルマルトオリゴ糖およびβ−D−チオガラクト
シル類、キレート剤、アミン類、ガラクトスタチンまた
は1mM以上のカルシウムイオンなどのβ−ガラクトシ
ダーゼ阻害剤を含む試薬に、試料中のα−アミラーゼを
作用させ、遊離するグルコースを測定することを特徴と
するα−アミラーゼ活性測定方法および測定用試薬組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はβ−ガラクトシルマルト
オリゴ糖を基質として用いるα−アミラーゼ活性測定方
法および測定試薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、膵液や尿などの体液に含有さ
れるα−アミラーゼの活性を測定することにより、各種
疾患に診断が行われている。α−アミラーゼの活性測定
法には、(1)Viscosimetric法、(2)Turbidimetric法、
(3)Iosometric 法、(4)Saccharogenic法、(5)Chromogen
ic法、(6)Enzymatic法、(7)Radioimmunoassay 法などが
あり、現在、これらの多くの方法が日常検査室で用いら
れている。その中で、多くの施設で実施されていた Chr
omogenic法では、さらに近年の検査室の自動化の進行や
酵素活性測定法の標準化の進行により、基質の構造や生
成物等が明確でないデンプン、デキストリン、アミロー
ス、色素結合デンプンなどの基質を用いた測定法から、
α−アミラーゼ活性のより理論的解析の容易な各種マル
トオリゴ糖誘導体を用いる方法が開発され、各施設で用
いられている。このように多くの測定法が用いられるこ
とにより、多種多様なアミラーゼ活性値の表現法が用い
られてきた。そして、さらに新しい方法の開発により種
々の活性値表現法が導入され、臨床現場において混乱を
招いている(生物試料分析、Vol.17, No.2, 25〜44, 19
84) 。
【0003】このような問題を解消すべく、各施設間の
アミラーゼ活性値表現法を統一する手段として、(イ)
標準物質を用い、値づけする方法および(ロ)標準法の
設定がある。しかし、これまで(イ)により施設間の測
定値が収束し、改善されることが確認されているもの
の、(ロ)が実施されていないため、標準物質自体の値
づけができない状態である。その標準法の設定は年々学
会などで盛り上がりを増しており、現在いくつかの標準
法の候補が上がりつつある。
【0004】その有力な方法として、基質としてマルト
ペンタオースを用いるマルトペンタオース法がある。こ
の方法には、マルトペンタオースが天然に存在するもの
であり、α−アミラーゼの作用様式をより純粋に反映
し、感度、定量性とも良好であるという利点がある。こ
の方法では、α−アミラーゼ含有試料にマルトペンタオ
ースとα−グルコシダーゼとを作用させて、基質からグ
ルコースを遊離させ、グルコースの量を測定することに
より、α−アミラーゼの活性値を知ることができる。生
成したグルコースは、例えばグルコースオキシダーゼ/
パーオキシダーゼ/色素系を利用する定量法;グルコキ
ナーゼまたはヘキソキナーゼ/グルコース−6−ホスフ
ェートデヒドロゲナーゼ/NADHまたはNADPH系
を利用する定量法などにより測定される。
【0005】α−グルコシダーゼはマルトペンタオース
などの四糖以上のオリゴ糖に作用しにくく、マルトース
やマルトトリオースなどの三糖以下のオリゴ糖に良好に
作用するため、上記基質を使用してグルコースを測定す
ることにより、α−アミラーゼの活性を測定することが
できる。しかし、α−グルコシダーゼはわずかではある
が基質であるマルトペンタオースに作用するため、測定
のブランクが上昇し、その結果、測定値の誤差が大きく
なるという欠点がある。そのため、α−グルコシダーゼ
と基質と一液化することにより、試薬としての安定性が
損なわれるという問題点が挙げられる。さらに、この測
定系では内因性のマルトースなどの影響を受けるため、
その除去に充分なα−グルコシダーゼが必要である。し
かし試薬の安定性の観点から、充分量のα−グルコシダ
ーゼが添加できず、結果としてマルトースの影響を受け
るという問題点も挙げられる。
【0006】この問題を解決する手段として、マルトオ
リゴ糖の非還元末端のグルコシル残基の4位の水酸基に
β−1,4結合でガラクトシル基が結合した新規なオリ
ゴ糖を提供する方法(特開平4-279596号公報)がある。
この方法により得られた新規なβ−ガラクトシルマルト
オリゴ糖をα−アミラーゼの基質として用いることによ
り、追随酵素との一液化条件において、α−グルコシダ
ーゼなどの追随酵素の作用を受けず、内因性のマルトー
スなどの消去に十分なα−グルコシダーゼが添加できる
ため、α−アミラーゼ活性を精度よく簡単な操作で測定
することができることが予想される。
【0007】しかしながら、測定対象となる血清および
尿中にはβ−ガラクトシダーゼが存在する可能性を有す
る。具体的には、例えば、尿中には数ユニット(IU)
存在することが知られている(東京化学同人発行、生化
学データブック、第1606頁、1979年発行)。したがっ
て、血清および尿中にβ−ガラクトシダーゼが存在する
と、β−ガラクトシルマルトオリゴ糖(特開平4-279596
号公報) の非還元末端グルコースに修飾された基質のガ
ラクトシル基のβ結合が加水分解され、ガラクトースと
マルトオリゴ糖を生じる問題点がある。生じたマルトオ
リゴ糖は追随酵素であるα−グルコシダーゼの作用を受
けることになり、測定のブランクを上昇させ、その結
果、測定値の誤差が大きくなる。このことは非還元性末
端グルコースをブロックし、上記追随酵素の作用から基
質の分解を阻止するという本来の効果が消失することに
なる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記したα−
アミラーゼ活性測定試薬の欠点を解決しようとするもの
であり、その目的とするところは、β−ガラクトシルマ
ルトオリゴ糖を基質として用いるα−アミラーゼ活性測
定方法において、血清や尿などの体液中のβ−ガラクト
シダーゼの作用により基質が分解することを抑制し、ア
ミラーゼ活性を精度よく簡単な操作で測定する方法およ
び試薬組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、下記
一般式(I)
【化6】 (式中、nは0〜4の整数を示す。)で表されるβ−ガ
ラクトシルマルトオリゴ糖およびβ−ガラクトシダーゼ
阻害剤を含む試薬に、試料中のα−アミラーゼを作用さ
せ、遊離するグルコースを測定することを特徴とするα
−アミラーゼ活性測定方法である。
【0010】また本発明は、下記一般式(I)
【化7】 (式中、nは0〜4の整数を示す。)で表されるβ−ガ
ラクトシルマルトオリゴ糖およびβ−ガラクトシダーゼ
阻害剤を含有することを特徴とするα−アミラーゼ活性
測定試薬組成物である。
【0011】本発明にて使用するα−アミラーゼ測定基
質は、上記一般式(I)(式中、nは0〜4の整数を示
す。)で表されるβ−ガラクトシルマルトオリゴ糖であ
る。本発明のβ−ガラクトシルマルトオリゴ糖(I)の
骨格となるマルトオリゴ糖は、2〜6個の糖〔式(I)
のn=0〜4に相当〕から形成される。マルトオリゴ糖
としては、マルトース、マルトトリオース、マルトテト
ラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオースが
ある。特にマルトテトラオースが好適である。マルトオ
リゴ糖の非還元性末端グルコースの修飾基であるガラク
トースは、非還元性末端グルコースの4位の水酸基にβ
型で結合している。具体的な化合物としては、4−O−
β−D−ガラクトピラノシルマルトース、4−O−β−
D−ガラクトピラノシルマルトトリオース、4−O−β
−D−ガラクトピラノシルマルトテトラオース、4−O
−β−D−ガラクトピラノシルマルトペンタオースなど
がある。
【0012】このようなβ−ガラクトシルマルトオリゴ
糖の製造法としては、マルトオリゴ糖とラクトースの混
合液にβ−ガタクトシダーゼを作用させる方法(特開平
4-279596号公報) などがある。
【0013】本発明にて使用するβ−ガラクトシダーゼ
阻害剤としては、例えばβ−D−チオガラクトシル誘導
体、キレート剤、アミン類、ガラクトスタチンまたは1
mM以上のカルシウムイオンが挙げられる。β−チオガ
ラクトシド誘導体としては、例えばイソプロピルチオガ
ラクトシドなどがある。またキレート剤としては、ED
TA−2Na、EDTA−3Naなどがある。さらにア
ミン類としては、例えばエタノールアミン、メルカプチ
ルアミンなどがある。カルシウムイオンの供給源として
は、塩化カルシウム、酢酸カルシウムなどがある。これ
らは単独または複数の組み合わせで用いることができ
る。
【0014】本発明のα−アミラーゼ活性測定用試薬組
成物は、上記β−ガラクトシルマルトオリゴ糖(I)を
基質として含有するものであり、通常、さらにα−グル
コシダーゼおよび/またはグルコアミラーゼを含有し、
生成したグルコースを測定する。グルコースを測定する
方法としては、例えばグルコースオキシダーゼ/パーオ
キシダーゼ/色素系を利用する定量法、またはグルコキ
ナーゼまたはヘキソキナーゼ/グルコース−6−ホスフ
ェートデヒドロゲナーゼ/NADHまたはNADPH系
を利用する定量法などによる酵素系(追随酵素系)があ
る。
【0015】本発明に用いられるα−グルコシダーゼの
起源は、特に限定されない。動物、植物、微生物などか
ら得られるα−グルコシダーゼが利用され得る。特に、
酵母起源、バチルス・ステアロサーモフィラス起源が好
適に使用され得る。
【0016】本発明に用いられるグルコアミラーゼの起
源も特に限定されない。例えば、リゾブスデレマー(Rhi
z.delemar)から得られるグルコアミラーゼが好適に使用
され得る。
【0017】本発明用いられるグルコキナーゼの起源も
特に限定されない。例えば、動物、微生物などから得ら
れるグルコキナーゼが利用され得る。特に、酵母起源、
ザイモモナス・モビリス起源、バチルス・ステアロサー
モフィラス起源が好適に使用され得る。
【0018】本発明用いられるグルコース−6−ホスフ
ェイトデヒドロゲナーゼの起源も特に限定されない。例
えば、動物、植物、微生物などから得られるグルコース
−6−ホスフェイトデヒドロゲナーゼが利用され得る。
特に、ザイモモナス・モビリス起源、バチルス・ステア
ロサーモフィラス起源が好適に使用され得る。
【0019】本発明のカルシウムイオンを除く各々の試
薬濃度は特に限定されない。好ましくは、β−ガラクト
シルマルトオリゴ糖1〜50mM、カルシウムイオンを
のぞくβ−ガラクトシダーゼ阻害剤0.01mM〜20
0mM、カルシウムイオン1〜200mM、α−グルコ
シダーゼ1〜500u/ml、グルコアミラーゼ0.0
1〜100u/ml、グルコキナーゼ0.01〜20u
/ml、グルコース−6−ホスフェイトデヒドロゲナー
ゼ0.01〜20u/ml、アデノシン−5−トリホス
フェート0.1〜20mM、ニコチンアミドアデニンジ
ヌクレオチド(NADH)およびニコチンアミドアデニンジヌ
クレオチドホスフェイト(NADPH) 0.1〜20mMが含
有されれる。本発明のα−アミラーゼ活性測定用試薬組
成物は、必要に応じて、さらにその他の添加剤、例えば
界面活性剤、塩化ナトリウムなどの塩類、蛋白結合防止
剤、防腐剤などを含有するものである。
【0020】本発明のα−アミラーゼ活性測定用試薬組
成物の形状は、凍結乾燥物、非凍結乾燥物のいずれでも
良く、限定されない。
【0021】本発明の一実施態様は、上記一般式(I)
で表されるβ−ガラクトシルマルトオリゴ糖およびβ−
ガラクトシダーゼ阻害剤、α−グルコシダーゼおよび/
またはグルコアミラーゼを含有するα−アミラーゼ活性
測定試薬組成物である。
【0022】さらに具体的な本発明のα−アミラーゼ活
性測定試薬組成物としては、上記一般式(I)で表され
るβ−ガラクトシルマルトオリゴ糖、(b)β−ガラク
トシダーゼ阻害剤、(c)α−グルコシダーゼおよび/
またはグルコアミラーゼ、(d)グルコキナーゼ、
(e)グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナー
ゼ、(f)アデノシン−5−トリホスフェート、(g)
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドまたはニコチン
アミドアデニンジヌクレオチドホスフェイトを含有する
ものが例示される。
【0023】本発明の別な実施態様は、上記一般式
(I)で表されるβ−ガラクトシルマルトオリゴ糖、α
−グルコシダーゼおよび/またはグルコアミラーゼおよ
びβ−ガラクトシダーゼ阻害剤を含む試薬に、試料中の
α−アミラーゼを作用させ、生成するグルコースを測定
してα−アミラーゼ活性を求めるα−アミラーゼ活性測
定方法である。
【0024】本発明のグルコースの測定系は特に限定さ
れない。例えばグルコースオキシダーゼ/パーオキシダ
ーゼ/色素系を利用する定量法、またはグルコキナーゼ
またはヘキソキナーゼ/グルコース−6−ホスフェート
デヒドロゲナーゼ/NADHまたはNADPH系を利用
する定量法などによる酵素系(追随酵素系)などが利用
され得る。特にグルコキナーゼ/グルコース−6−ホス
フェートデヒドロゲナーゼ/NADHまたはNADPH
系を利用する定量法が好適に利用され得る。
【0025】本発明における基質分解の反応式を4−O
−β−D−ガラクトピラノシルマルトテトラオースを例
にあげて説明する。 (1)4−O−β−D−ガラクトピラノシルマルトテトラ
オースを基質とし、生成したグルコースをグルコキナー
ゼ/グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ/
NADH系で測定する場合
【0026】 (1) 4−O−β−D−ガラクトピラノシルマルトテトラオース ↓α−アミラーゼ 4−O−β−D−ガラクトピラノシルマルトース + マルトース (2) α−グルコシダーゼおよび/または グルコアミラーゼ マルトース → グルコース (3) グルコキナーゼ グルコース+ATP → グルコース−6−リン酸+ADP (4) グルコース-6- ホスフェートデヒドロゲナーゼ グルコース−6−リン酸+NAD → グルコノラクトン−6−リン酸 + NADH
【0027】ATP:アデノシン−5−トリホスフェー
ト ADP:アデノシン−5−ジホスフェート NAD:ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド NADH:還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチ
【0028】上記反応にて生成されるNADHの上昇を
光学的に追跡することにより、α−アミラーゼ活性を求
めることができる。グルコースの測定方法としては、α
−アミラーゼの反応を連続的に追跡するレート法および
一定時間反応させた後、反応を止めて測定するエンドポ
イント法のいずれもが使用されうる。
【0029】本発明方法における酵素反応時には、グル
コアミラーゼはα−グルコシダーゼとほぼ同等の働きを
有する。ただし、α−グルコシダーゼがマルトトリオー
ス以下の低分子グリコシドにはよく作用するが、マルト
テトラオース以上のグルコシドには作用しにくいのに対
して、グルコアミラーゼはマルトテトラオース以上のグ
ルコシドにも作用する。例えば基質としてマルトペンタ
オース以上の高分子グルコシドを用いると、α−アミラ
ーゼの作用によりマルトテトラオース以上のグルコシド
が生成することがある。このようなマルトテトラオース
以上のグルコシドは、α−グルコシダーゼでは分解され
にくいが、グルコアミラーゼを用いるとグルコース単位
まで容易に分解される。そのためレート法においてはα
−アミラーゼ活性を直接反映するまでの遅延時間の短
縮、エンドポイント法においては感度が上昇するという
利点があるので、α−グルコシダーゼおよびグルコアミ
ラーゼを共存させて用いる追随酵素系は好適に利用され
る。
【0030】本発明において、体液中のβ−ガラクトシ
ダーゼ活性は以下の方法により測定する。O−ニトロフ
ェニル−β−ガラクトピラノシド(ONPG)を基質と
して、β−ガラクトシダーゼの作用より生成するO−ニ
トロフェノールの生成量を410nmの吸光度の変化で
測定する。1分間に1マイクロモルのO−ニトロフェノ
ールを生成する酵素量を1ユニット(IU)とする。
【0031】β−ガラクトシダーゼの活性測定方法 1.試薬 0.1M リン酸緩衝液 pH7.3 (37℃) 3.36M メルカプトエタノール溶液 30mM MgCl2 溶液 0.34mM ONPG溶液(O−ニトロフェニル−β−D−ガラ クトピラノシド)
【0032】2.操作方法 下記反応混液をキュベットに調製し、37℃で約5分間
予備加温する。 2.5ml 0.1Mリン酸緩衝液pH7.3 0.1ml メルカプトエタノール溶液 0.1ml MgCl2 溶液 0.1ml ONPG溶液
【0033】酵素液を0.1ml添加し、速やかに混和
後、水を対照に37℃に制御された分光光度計で410
nmの吸光度変化を2〜3分間記録し、その初期直線部
分から、1分間あたりの吸光度変化量を求める(△OD
test)。盲検は、酵素液の代わりに、酵素希釈液
(1.0mMのMgCl2 を含む50mMリン酸緩衝液
pH7.3)を0.1mlを加え、上記同様に操作を行
って1分間あたりの吸光度変化を求める(△ODbla
nk)。
【0034】3.計算式
【数1】
【0035】3.5:O−ニトロフェノールの上記測定
条件下でのミリモル分子吸光係数(cm2/マイクロモ
ル) 1.0:光路長(cm)
【0036】
【発明の効果】本発明では、β−ガラクトシルマルトオ
リゴ糖を基質として用いるα−アミラーゼ活性測定方法
において、βーガラクトシダーゼ阻害剤により、血清や
尿などの体液中のβ−ガラクトシダーゼの作用による基
質分解を抑制するため、アミラーゼ活性を精度よく簡単
な操作で測定することができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。実施例1 各種β−ガラクトシダーゼ阻害剤の検討 本発明のβ−ガラクトシダーゼ阻害剤(後記表1に記
載)を含む、β−ガラクトシルマルトオリゴ糖を基質と
して用いた、下記組成Cからなるα−アミラーゼ活性測
定試薬をそれぞれ調製した。なお、比較例としてマルト
ペンタオースを基質として用いた試薬、およびβ−ガラ
クトシダーゼ阻害剤を含まない、β−ガラクトシルマル
トオリゴ糖を基質として用いた試薬、それぞれ下記組成
A、Bを調製した。
【0038】 試薬組成A(対照例): 50mMグッドバッファー(pH7.0) α−グルコシダーゼ 180u/ml グルコキナーゼ 2u/ml グルコース−6−ホスフ ェートデヒドロゲナーゼ 2u/ml CaCl2 0.5mM NaCl 20mM 酢酸マグネシウム 5mM β−ニコチンアミドアデ ニンジヌクレオチド(NAD) 1.2mM アデノシン−5−トリホスフェート(ATP) 1.2mM マルトペンタオース 10mM
【0039】 試薬組成B(比較例): 50mMグッドバッファー(pH7.0) α−グルコシダーゼ 180u/ml グルコキナーゼ 2u/ml グルコース−6−ホスフ ェートデヒドロゲナーゼ 2u/ml CaCl2 0.5mM NaCl 20mM 酢酸マグネシウム 5mM β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD) 1.2mM アデノシン−5−トリホスフェート(ATP) 1.2mM 4−O−β−D−ガラクトピラノシルマルトテトラオース 10mM
【0040】 試薬組成C(本発明): 50mMグッドバッファー(pH7.0) α−グルコシダーゼ 180u/ml グルコキナーゼ 2u/ml グルコース−6−ホスフ ェートデヒドロゲナーゼ 2u/ml CaCl2 0.5mM NaCl 20mM 酢酸マグネシウム 5mM β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD) 1.2mM アデノシン−5−トリホスフェート(ATP) 1.2mM 4−O−β−D−ガラクトピラノシルマルトテトラオース 10mM β−ガラクトシダーゼ阻害剤(表1参照)
【0041】
【表1】
【0042】試薬組成A、B、C(表1)に示された各
試薬3.5mlに試薬ブランク用生理食塩水、市販管理
血清に血清:大腸菌由来β−ガラクトシダーゼ(250
IU/ml)=9:1で混合したサンプル1、その対照
としてβ−ガラクトシダーゼの代わりに生理食塩水を添
加したサンプル2をそれぞれ0.05ml添加し、37
℃にて3分間放置したのち、340nmにおける吸光度
の変化を測定した。測定結果は、非還元性末端グルコー
スがガラクトースで修飾されていないマルトオリゴ糖誘
導体基質を用いたα−アミラーゼ測定法である、体外診
断用医薬品ダイヤカラー・AMYネオレート(東洋紡績
社製)で値づけされたヒューミラーゼコントロールで補
正し、α−アミラーゼ活性(IU/l)を算出した。さ
らにその結果を表2に示した。
【0043】
【表2】
【0044】表2から明らかな如く、本発明の試薬組成
Cはβ−ガラクトシダーゼ阻害剤を添加することによ
り、サンプル1、2の測定値に差はなく、また試薬組成
A(対照例)とも測定値に差がなかった。一方、試薬組
成B(比較例)はβガラクトシダーゼの影響によりサン
プル1の測定値が上昇している。このことから本発明が
β−ガラクトシダーゼの影響を回避し、正確にα−アミ
ラーゼを測定することができることがわかる。
【0045】実施例2 カルシウムイオンの検討 下記試薬組成Dに、β−ガラクトシダーゼ阻害剤とし
て、CaCl2を終濃度で0、0.5、0.8、1、
5、10mMで添加し、α−アミラーゼの活性測定法に
対するβ−ガラクトシダーゼの影響度を測定した。サン
プルとして人由来α−アミラーゼ(100u/ml):
サンプル1、大腸菌由来β−ガラクトシダーゼ(25u
/ml):サンプル2を用いた。操作は、各試薬組成
3.5mlにサンプル0.05mlを添加し、37℃に
おいて3分間放置したのち、340nmにおける吸光度
の変化を測定した。測定結果は、1分間あたりの吸光度
変化量からα−アミラーゼの活性測定法に対するカルシ
ウム濃度およびβ−ガラクトシダーゼの影響(△OD/
min)を測定した。その結果を表3に示す。
【0046】 試薬組成D: 50mMグッドバッファー(pH7.0) α−グルコシダーゼ 180u/ml グルコキナーゼ 2u/ml グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ 2u/ml NaCl 20mM 酢酸マグネシウム 5mM β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD) 1.2mM アデノシン−5−トリホスフェート(ATP) 1.2mM 4−O−β−D−ガラクトピラノシルマルトテトラオース 10mM CaCl2 0、0.5、0.8、1、5、10mM
【0047】
【表3】 表3から明らかな如く、カルシウムイオンの添加濃度を
高くするのに従い、サンプル1(α−アミラーゼ)では
CaCl2 0.8mM以上あれば、測定値は変わらない
が、サンプル2(β−ガラクトシダーゼ)ではCaCl
2 1mM以上で測定値が低くなる。このことから、カル
シウムイオン1mM以上でβ−ガラクトシダーゼの影響
を回避する効果があることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12Q 1/34 6807−4B C12Q 1/34 1/48 6807−4B 1/48 Z (72)発明者 菊地 俊郎 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社敦賀バイオ研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、nは0〜4の整数を示す。)で表されるβ−ガ
    ラクトシルマルトオリゴ糖およびβ−ガラクトシダーゼ
    阻害剤を含む試薬に、試料中のα−アミラーゼを作用さ
    せ、遊離するグルコースを測定することを特徴とするα
    −アミラーゼ活性測定方法。
  2. 【請求項2】 一般式(I) 【化2】 (式中、nは0〜4の整数を示す。)で表されるβ−ガ
    ラクトシルマルトオリゴ糖、α−グルコシダーゼおよび
    /またはグルコアミラーゼおよびβ−ガラクトシダーゼ
    阻害剤を含む試薬に、試料中のα−アミラーゼを作用さ
    せ、生成するグルコースを測定して、α−アミラーゼ活
    性を求める請求項1記載のα−アミラーゼ活性測定方
    法。
  3. 【請求項3】 生成したグルコースの測定を、グルコー
    スオキシダーゼ/パーオキシダーゼ/色素系またはグル
    コキナーゼまたはヘキソキナーゼ/グルコース−6−ホ
    スフェートデヒドロゲナーゼ/NADHまたはNADP
    H系で行う請求項1項記載のα−アミラーゼ活性測定方
    法。
  4. 【請求項4】 β−ガラクトシダーゼ阻害剤が、β−D
    −チオガラクトシル類、キレート剤、アミン類、ガラク
    トスタチンまたは1mM以上のカルシウムイオンである
    請求項1項記載のα−アミラーゼ活性測定法。
  5. 【請求項5】 一般式(I) 【化3】 (式中、nは0〜4の整数を示す。)で表されるβ−ガ
    ラクトシルマルトオリゴ糖およびβ−ガラクトシダーゼ
    阻害剤を含有することを特徴とするα−アミラーゼ活性
    測定試薬組成物。
  6. 【請求項6】 一般式(I) 【化4】 (式中、nは0〜4の整数を示す。)で表されるβ−ガ
    ラクトシルマルトオリゴ糖、α−グルコシダーゼおよび
    /またはグルコアミラーゼおよびβ−ガラクトシダーゼ
    阻害剤を含有する請求項5記載のα−アミラーゼ活性測
    定試薬組成物。
  7. 【請求項7】(a)下記一般式(I) 【化5】 (式中nは0〜4の整数を示す。)で表されるβ−ガラ
    クトシルマルトオリゴ糖、(b)β−ガラクトシダーゼ
    阻害剤、(c)α−グルコシダーゼおよび/またはグル
    コアミラーゼ、(d)グルコキナーゼ、(e)グルコー
    ス−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、(f)アデノ
    シン−5−トリホスフェート、(g)ニコチンアミドア
    デニンジヌクレオチド(NADH)またはニコチンアミ
    ドアデニンジヌクレオチドホスフェイト(NADPH)
    を含有する請求項5記載のα−アミラーゼ活性測定試薬
    組成物。
  8. 【請求項8】 β−ガラクトシダーゼ阻害剤が、β−D
    −チオガラクトシル類、キレート剤、アミン類、ガラク
    トスタチンまたは1mM以上のカルシウムイオンである
    請求項5項記載のα−アミラーゼ活性測定試薬組成物。
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