JPH08242817A - 歯切れの良い軟らかな天然腸ケーシングをもつソーセージの製造法 - Google Patents
歯切れの良い軟らかな天然腸ケーシングをもつソーセージの製造法Info
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Abstract
したものを、pH 2〜5 の酸性あるいはpH 8〜10.5のアル
カリ性に調整した温水で処理し、常法により熱処理して
ソーセージを製造する方法。温水処理は乳酸または炭酸
ナトリウムと炭酸水素ナトリウムとを添加して上記pHに
調整した65〜85℃の温水に浸漬するかシャワー処理して
行なうことが望ましい。 【効果】 歯切れがわるく噛みきりにくい天然腸ケーシ
ングを用い、歯切れがよく軟らかな天然腸ケーシングを
もつソーセージを得ることができる。
Description
用するソーセージの製法に関する。より詳細には、本発
明は、歯切れが悪く噛みきりにくい天然腸ケーシングを
用い、歯切れが良い軟らかな天然腸ケーシングをもつソ
ーセージを製造する方法に関する。
シングは、コラーゲンを再構成した人工ケーシングと豚
や羊等の小腸、大腸、膀胱等から加工される天然腸ケー
シングが用いられている。人工ケーシングであるコラー
ゲンケーシングは、製品にしたときの皮の硬さが異なる
タイプのものがケーシング製造メーカーから販売されて
いるが、歯切れが良い皮の軟らかなタイプのケーシング
が、通常ソーセージの製造に用いられている。これに対
し、天然腸ケーシングは、天然の内臓を原料として加工
されるため、当然のことながら、個々のケーシングの膜
の厚みが異なり、製品にしたときの皮の硬さに大きなば
らつきが生じる。また、この皮の硬さのばらつきを考慮
しても、天然腸ケーシングは、一般にコラーゲンケーシ
ングに比べ歯切れが悪く硬いものが多い。特に豚腸ケー
シングの場合はこの傾向が顕著であり、歯切れが極めて
悪く、咀嚼した後、皮の部分であるケーシングが口の中
に残るという欠点を有する。
造時の歯切れの悪さを改良する方法として、豚腸ケーシ
ングに比べ歯切れの良い羊腸ケーシングを利用し、径の
太い羊腸ケーシングを豚腸ケーシングの代わりに用いる
ことで、歯切れの悪さを改善することはできる。しか
し、この方法は、径の太い羊腸ケーシングを選別するこ
と、あるいは大量生産にあった量を確保することが困難
であるという欠点を有する。また、特開平4-63539 号公
報には、豚腸ケーシングをフランクフルトソーセージに
用いると硬いため、豚腸ケーシングより軟らかいが豚腸
ケーシングより径の細い羊腸ケーシングをフランクフル
トソーセージの径に拡張して用いる方法、および需要の
多い直径18〜20mmの羊腸ケーシングの代わりに、廉価な
直径18mm未満の羊腸ケーシングをウインナーソーセージ
に適する直径18〜20mmの均一な径に拡張する方法、ウイ
ンナーソーセージとしては径が太いケーシングを均一な
径のフランクフルトソーセージ用に拡張する方法が開示
されている。しかし、この方法は、ソーセージに使用し
たときに皮が硬い豚腸ケーシングを軟らかくする方法で
はなかった。また、特開平1-199537号公報では、豚腸ケ
ーシングを含むソーセージ用可食性ケーシングを軟化さ
せる方法として、醤油醸造工程中に産出される酵素が残
っている生揚げ醤油、或いは生揚げ醤油中の浮遊物等を
除去し清澄した醤油、或いは清澄した醤油に食塩、水等
を加えた醤油を用い、これにソーセージ用エマルション
を充填したソーセージ用可食性ケーシングを浸漬処理す
る方法が開示されている。しかしこの方法は、たんぱく
質のアミノ酸配列を切断する酵素反応を利用したもので
あり、個々のケーシングの膜の厚みが異なる天然腸ケー
シングを処理する際、醤油の濃度、作用時間の条件設定
が困難であること、また大量生産を行なう場合、醤油の
濃度の微調整が困難であるなどの欠点を有し、実用性に
乏しいという欠点があった。
な欠点を解決することを目的としてなされたものであっ
て、天然腸ケーシング、特に羊腸ケーシング、または豚
腸ケーシングの歯切れの悪さを改善し、また大量生産に
おいても煩雑な工程を必要としない、歯切れの良い軟ら
かな天然腸ケーシングをもつソーセージの製造方法を提
供しようとするものである。
な目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、天然腸
ケーシングにソーセージの練り肉を充填した充填後未加
熱品(以後「半製品」という)をpHを酸性、またはアル
カリ性に調整した温水で処理し、これを常法の熱処理す
ると、得られるソーセージの皮の歯切れが良く、軟らか
で、かつ、味 (おいしさ) に影響しないことを見いだし
て本発明を完成するに至った。本発明における温水処理
は半製品を前記温水に浸漬するかあるいは半製品に前記
温水をシャワーで散布することをいう。
腸ケーシングをもつソーセージの製法は、豚、羊等の小
腸、大腸等から加工されるケーシングを対象にする。殊
にフランクフルトソーセージで用いられる豚腸ケーシン
グは、人工ケーシングであるコラーゲンケーシングに比
べ、極めて歯切れが悪く、豚腸ケーシングの歯切れの悪
さを改善するので、特に好ましい。本発明は、ウィンナ
ーソーセージ、フランクフルトソーセージ、ボロニアソ
ーセージ等のソーセージの製造に用いることができる。
ションをケーシングに充填した半製品をくん煙し又はく
ん煙しないで蒸煮又は湯煮による加熱をする熱処理を
し、冷却したのち包装して製造される。この製造工程
中、温水への半製品の処理は熱処理前に行なう。ケーシ
ングはコラーゲンを豊富に含有するため、ケーシングそ
のものを温水に浸漬処理を施すと、コラーゲンの熱収縮
温度63〜64℃以上の温水では、ケーシングの長さが浸漬
処理前の3分の1から4分の1に収縮してしまい、また
径の太さも極端に収縮してしまい充填ができない。また
熱収縮温度以下の温度では、豚腸ケーシングの歯切れの
点で、浸漬処理を行なわない製品に比べて大きな効果が
期待できない。本発明における温水への浸漬処理は、温
水のp11 が 2〜5 、或いは 8〜10.5に調整された水溶液
のいずれにおいても、本処理を行わない常法の加熱処理
のみで得た製品、或いは公知の方法である天然腸ケーシ
ングを80〜90℃、10〜180 秒の高温短時間処理した後、
常法の熱処理をして得た製品に比べて歯切れが良く、軟
らかさが向上するが、より好ましくは温水のpHを2.5 〜
3.5 の酸性、或いはpHが9.5 〜10.5のアルカリ性に調整
することで、歯切れの良さがより向上する。温水のpHの
調整は、酸性にする場合は、水に酸を添加して行なう。
酸としては、食品衛生上用いられる酸であればどのよう
な酸でも用いることができる。このような酸としては、
乳酸、クエン酸、酒石酸等を例示することができる。ま
た、アルカリ性にする場合も同様に炭酸ナトリウム、炭
酸水素ナトリウム等を例示することができる。しかし、
酸性の水溶液では乳酸が好ましく、アルカリ性の水溶液
では炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの併用が好ま
しい。温水の温度は、好ましくは65〜85℃、より好まし
くは75〜85℃である。90℃以上の温水では、ケーシング
に亀裂がはいり、破裂するフランクフルトソーセージが
発生するため、適当ではない。浸漬処理時間は、2 分以
上が好ましいが、より好ましくは2 〜10分である。浸漬
処理時間が 2分以下では、豚腸ケーシングの歯切れの良
い軟らかさの点で、大きな効果が期待できない。また、
浸漬処理時間が10分以上では、豚腸ケーシングの歯切れ
の良い軟らかさは 2〜10分浸漬した場合と変化がなく、
長時間処理することは適当ではない。
性、アルカリ性を問わないが、くん煙を行なう場合に
は、温水のpHは酸性の水溶液、好ましくはpH 2〜5 に調
整したもの、より好ましくはpHを2.5 〜3.5 に調整した
ものを用いることが好ましい。pHが 8以上の温水を使用
した場合、製品の好ましいスモーク色が得られない。
わりに温水シャワーを用いてもよい。この場合、ソーセ
ージへのシャワー条件、すなわちソーセージへの放水
量、放水時間が重要な要素になるが、天然腸ケーシング
の種類、放水方法により画一的に定めることはできな
い。しかし、予めこれらの条件を設定することで充分軟
化効果が現れる放水量及び放水時間が決定できる。
により本発明を更に詳細かつ具体的に説明する。豚赤肉
60重量部、豚脂肪20重量部、氷水20重量部、食塩 1.5
%、トリポリリン酸ナトリウム 0.3%、グラニュー糖
1.0%、亜硝酸ナトリウム0.01%、アスコルビン酸ナト
リウム0.05%、グルタミン酸ナトリウム 0.3%、香辛料
0.2%をサイレントカッターで細切りした。このフラン
クフルトソーセージ用エマルションを豚腸ケーシングに
充填し、半製品を得た。豚腸ケーシングは、個々により
製品での硬さが大きく異なるため、一本のケーシングに
充填した半製品を切断して以下の方法により製品を得
た。
に調整した水溶液を作成し、浸漬液とした。浸漬液を80
℃に加温し、上記エマルションを充填した豚腸ケーシン
グを10分間浸漬した。浸漬後、乾燥、くん煙を施した
後、半製品の中心温度が70℃に達するまで蒸煮により75
℃で加熱した。加熱後、冷却しフランクフルトソーセー
ジを得た。
に対しそれぞれ0.93%、1.18%添加し、pHを10に調整し
た水溶液を作成し、浸漬液を作成した。浸漬液を80℃に
加温し、上記エマルションを充填した豚腸ケーシングを
10分間浸漬した。浸漬後、乾燥、くん煙を施した後、半
製品の中心温度が70℃に達するまで蒸煮により75℃で加
熱した。加熱後、冷却しフランクフルトソーセージを得
た。
た豚腸ケーシングを、pHを調整した浸漬液に浸漬せず、
乾燥、くん煙を施した後、半製品の中心温度が70℃に達
するまで蒸煮により75℃で加熱処理した。加熱処理後、
冷却しフランクフルトソーセージを得た。
グを、pH調整を行わない80℃の湯に10分間浸漬した後、
乾燥、くん煙を施し、半製品の中心温度が70℃に達する
まで蒸煮により75℃で加熱した。加熱後、冷却してフラ
ンクフルトソーセージを得た。公知の方法は、天然腸ケ
ーシングを80℃〜90℃、10〜180 秒の高温短時間加熱処
理であるが、豚腸ケーシングは、浸漬時間 2分以降大き
な軟化効果を示さないことを確認したため、pH調整した
浸漬液への浸漬時間と同等の10分間浸漬にした。
で得たフランクフルトソーセージをそれぞれ25℃に保温
後、レオナー(株式会社山電社製 RE-3305)で豚腸ケー
シングの硬さを測定した。硬さは、直径3mm の円柱状の
プランジャーを、フランクフルトソーセージのケーシン
グに対し垂直に荷重をかけ、プランジャーがケーシング
を突き破りフランクフルトソーセージに貫入するときに
示す最大荷重から算出される降伏応力(Pa)で測定した。
降伏応力の測定値の平均および準備偏差を表1に示し
た。
行なった比較例1、および公知の高温水短時間浸漬処理
したのち常法の加熱処理を施した比較例2より、pH調整
した高温浸漬液へ浸漬処理したのち常法の加熱処理を施
した実施例1、実施例2が軟らかいことが判明した。
たフランクフルトソーセージのケーシングの硬さについ
て、官能評価を行なった。官能評価は、35名のパネラー
を用いて、硬いものから順に順位付けを行なう順位法を
用いて行なった。検定の手法はフリードマン検定を用い
た。各製品の平均順位を表2に示す。
さの順位性が有意水準1%で明らかに有意であり、実施
例2で得たフランクフルトソーセージのケーシングが比
較例1、比較例2で得たフランクフルトソーセージのケ
ーシングより官能的に軟らかであることが判明した。
で得たフランクフルトソーセージからそれぞれ各1本ず
つ無作為に取り出し、パネラーに掲示する多品掲示法に
より、豚腸ケーシングの歯切れの良さ、スモーク色、味
(おいしさ)に関する官能評価を行なった。官能評価2
2名のパネラーを用いて、下記を判断基準とした採点法
を用いた。ケーシングの歯切れの良さ スモーク色 味(おいしさ) 1:かなり悪い 1:かなり悪い 1:かなり悪い 2:やや悪い 2:やや悪い 2:やや悪い 3:僅かに悪い 3:僅かに悪い 3:僅かに悪い 4:どちらともいえない 4:どちらともいえない 4:どちらともいえない 5:僅かに良い 5:僅かに良い 5:僅かに良い 6:やや良い 6:やや良い 6:やや良い 7:かなり良い 7:かなり良い 7:かなり良い 尚、これらの官能評価は製品温度25℃で行なった。この
官能評価結果は下記の表3に示されており、これから本
発明方法によれば、実施例1、実施例2は、豚腸ケーシ
ングを使用したソーセージを食する際に、ケーシングが
歯により音を出して裂ける天然腸ケーシングの特徴であ
る弾力性のある食感を損なう程の軟化を示すことなく、
豚腸ケーシングを適度に軟化させ歯切れを向上させるこ
とが判明した。しかしながら、くん煙を施した後、加熱
を行って食欲をそそる色合い、風味を付加する場合は、
pH3 の酸性に調整した温水に浸漬する実施例1のみが浸
漬水を用いない通常品と同様の比較例1と同等のスモー
ク色を呈し、pH10のアルカリ性に調整した温水に浸漬す
る実施例2は良好なスモーク色が得られないことが判明
した。これから、くん煙を施した後、加熱を行なう場合
は、ソーセージ用の練り肉を豚腸ケーシングに詰めたも
のを、pHを 3程度の酸性に調整し約80℃に加温した浸漬
液に浸漬後、くん煙を施した後、加熱を行なうことによ
り、スモーク色、味 (おいしさ) の品質を犠牲にするこ
となく、ケーシングの歯切れを向上させ得ることが判
る。また、歯切れの良さは、官能的な硬さと同様に降伏
応力と相関が高く、降伏応力が低く、軟らかいものは歯
切れが良いことが判る。
ク色及び味(おいしさ)についての官能評価結果の採点
は、獲得した得点の平均値で示されている。表中に示し
た*印は、ダネットの多重比較より、比較例1と実施例
1、比較例1と実施例2の間の有意水準を示す(*:5
%、**:1%)。
を豚腸ケーシングに充填し、半製品を得た。豚腸ケーシ
ングは、個々により製品での硬さが大きく異なるため、
一本のケーシングに充填した半製品を切断して以下の方
法により製品を得た。
に調整した水溶液を作成し、浸漬液とした。浸漬液を80
℃に加温し、上記エマルションを充填した豚腸ケーシン
グを10分間浸漬した。浸漬後、半製品の中心温度が70℃
に達するまで蒸煮より75℃で加熱後、冷却し、スモーク
色を付加しないフランクフルトソーセージを得た。
に対しそれぞれ0.93%、1.18%添加し、pHを10に調整し
た水溶液を作成し、浸漬液を作成した。浸漬液を80℃に
加温し、上記エマルションを充填した豚腸ケーシングを
10分間浸漬した。浸漬後、半製品の中心温度が70℃に達
するまで蒸煮により75℃で加熱後、冷却し、スモーク色
を付加しないフランクフルトソーセージを得た。
を、pHを調整した浸漬液に浸漬せず、半製品の中心温度
が70℃に達するまで蒸煮により75℃で加熱後、冷却し、
スモーク色を付加しないフランクフルトソーセージを得
た。
ンクフルトソーセージをそれぞれ25℃に保温後、レオナ
ー (株式会社山電社製RE-3305)で豚腸ケーシングの硬さ
を測定した。硬さは、直径3mm の円柱状のプランジャー
を、フランクフルトソーセージのケーシングに対して垂
直に荷重をかけ、プランジャーがケーシングを突き破り
フランクフルトソーセージに貫入するときに示す最大荷
重から算出される降伏応力(Pa)で測定した。降伏応力の
測定値の平均および標準偏差を表4に示した。
においても、常法の加熱処理のみを行なった比較例3よ
り、pH調整した高温浸漬液へ浸漬処理したのち常法の加
熱処理を施した実施例3、実施例4に降伏応力の低下が
あり、軟らかく歯切れのよいケーシングであることが判
明した。 比較例3、実施例3、実施例4は、くん煙を
行わないため、スモーク色は付加されない。このため、
表面の色はソーセージ用エマルションの発色により大き
く影響される。くん煙を行わない場合は、浸漬処理液の
pHが酸性の実施例3では赤色がやや強い製品になるが、
視覚的な官能検査では好まれた。また、浸漬処理液のpH
がアルカリ性の実施例4では、浸漬処理を行わず、通常
の加熱処理を施した比較例3と同等の表面色が得られ
た。従って、くん煙を行わない場合は、目的とする製品
に合わせて、浸漬液のpHを調整すればよい。
ナーソーセージ用エマルションを羊腸ケーシングに充填
し、半製品を得た。羊腸ケーシングは、個々により製品
での硬さが大きく異なるため、一本のケーシングに充填
した半製品を切断して以下の方法により製品を得た。
に調整した水溶液を作成し、浸漬液とした。浸漬液を80
℃に加温し、上記エマルションを充填した羊腸ケーシン
グを3分間浸漬した。浸漬後、乾燥、くん煙を施した
後、半製品の中心温度が70℃に達するまで湯煮により75
℃で加熱した。冷却後、スモーク色を付加したウィンナ
ーソーセージを得た。
を、pHを調整した浸漬液に浸漬せず、乾燥、くん煙を施
した後、半製品の中心温度が70℃に達するまで湯煮によ
り75℃で加熱した。冷却後、スモーク色を付加したウィ
ンナーソーセージを得た。
セージをそれぞれ25℃に保温後、レオナー (株式会社山
電社製 RE-3305) で豚腸ケーシングの硬さを測定した。
硬さは、直径3mmの円柱状のプランジャーを、ウィンナ
ーソーセージのケーシングに対して垂直に荷重をかけ、
プランジャーがケーシングを突き破りウィンナーソーセ
ージに貫入するときに示す最大荷重から算出される降伏
対応(Pa)で測定した。降伏応力の測定値の平均および標
準偏差を表5に示した。
行なった比較例4より、pHを酸性に調整した高温浸漬液
へ浸漬処理したのち常法の加熱処理を施した実施例5に
降伏応力の低下が示され、羊腸ケーシングが軟らかく歯
切れがよいことが判明した。
ンを天然腸ケーシングに充填した半製品を、加熱処理す
るまえにpHを調整した温水に短時間浸漬あるいは半製品
にこの温水を噴霧するという簡単な処理工程を付加する
だけで歯切れの良い軟らかな天然腸ケーシングをもつソ
ーセージを得ることができる。また、この実施にも何等
の難点もない。本発明により得られるソーセージは、表
面色、味 (おいしさ) といった品質について、通常の熱
処理で得られるソーセージと同等であり、ケーシングの
硬さのみを軟化させることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 ソーセージの練り肉を天然腸ケーシング
に充填したものを、pH 2〜5 の酸性、あるいはpH 8〜1
0.5のアルカリ性に調整した温水で処理し、その後これ
を常法により熱処理することを特徴とする歯切れの良い
軟らかな天然腸ケーシングをもつソーセージの製造法。 - 【請求項2】 pH 2〜5 の酸性に調整した温水を用い、
くん煙、加熱を行なう請求項1記載のソーセージの製造
法。 - 【請求項3】 乳酸を用いて酸性に調整した温水を用い
る請求項1または2記載のソーセージの製造法。 - 【請求項4】 炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムと
を併用してアルカリ性に調整した温水を用いる請求項1
記載のソーセージの製造法。 - 【請求項5】 天然腸ケーシングとして豚腸ケーシング
または羊腸ケーシングを用いる請求項1〜4のいずれか
に記載のソーセージの製造法。
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