JPH09238652A - 魚肉食品の加工法 - Google Patents

魚肉食品の加工法

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JPH09238652A
JPH09238652A JP8078121A JP7812196A JPH09238652A JP H09238652 A JPH09238652 A JP H09238652A JP 8078121 A JP8078121 A JP 8078121A JP 7812196 A JP7812196 A JP 7812196A JP H09238652 A JPH09238652 A JP H09238652A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 弁当、オニギリなどに詰め合わされる惣菜用
魚肉食品あるいは珍味食品として使用することを目的と
した身崩れがなく、小骨が口に入れても違和感が程度に
軟化している味付き魚肉食品の加工法を提供する。 【構成】 所定の大きさにカットされた骨付き魚肉素材
を、10乃至100倍希釈のアルカリイオン水に変性加
糖卵黄および調味料を添加した調合液中に10乃至40
時間浸漬処理し、次にこの魚肉素材と前記調合液とを圧
力容器にて強火加熱して1.0kg/cm2 以上になっ
たのち弱火にて加熱処理し、得られた素材を常温に戻し
てから150乃至200℃の食用油で短時間加熱処理す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚肉食品の加工
法、特に弁当、オニギリなどに詰め合わされる魚肉惣菜
あるいは珍味食品として使用することを目的とした身崩
れのしていない魚肉食品の加工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンビニエンス・ストアー等における弁
当、オニギリなどの店頭販売食品の消費量が増加するに
伴って、鮭、ブリ、サバ、鯛等の惣菜用魚肉食品の消費
量も増加する傾向にあるが、例えばオニギリ用の詰め物
惣菜として使用される鮭肉としては、本来では生の切身
肉を焼いた身崩れしていないブロック状の焼魚肉を使用
するのが好ましいが、このようなばい焼加工を施したの
では時間がかかり、また骨が混入しないような処理工程
を加えなければならず、どうしてもコスト高になるの
で、従来では、製造時間の能率化を図るために、予め魚
肉加工業者の製造した魚肉がばらばらにほぐれたフレー
ク状の加工品が使用されていた。
【0003】
【発明が解決すべき課題】上記の鮭肉のフレーク状加工
品は、魚肉加工業者が魚肉に味付け加工をしながらフレ
ーク状にほぐし、その過程で骨を取り除く処理を行うの
で、オニギリ用詰め物惣菜として使用する場合には、骨
がないという面で安心して使用できるが、製造の過程で
骨の取り除き処理を行うために、どうしてもその分コス
トが高くなるという問題がある。
【0004】魚肉の骨が食べられるように加工された食
品としては、従来でも缶詰食品があるが、缶詰食品の魚
肉は缶の中の調味液に漬かった状態で長期間の保存が可
能なように製造されているために、缶詰食品に特有な味
があることと、表面に調味液水分が付着しているため
に、缶から取り出した直後の魚肉食品をそのまま直接オ
ニギリ用米飯の中に詰めると、表面に付着した調味液水
分が米飯の中に染み込むのでオニギリ用詰め物惣菜とし
ては適さないという問題がある。
【0005】また、魚肉の骨を食べられる程度に軟化さ
せる方法としては、一般的に骨付魚肉を圧力釜によって
高圧蒸煮すればよいことが知られているが、この圧力釜
による加工法によると、骨は食べられるように軟化する
が、魚肉が原形を保てない程度に煮崩れしてしまうた
め、商品として外観が良くないという問題がある。
【0006】更に、魚肉の惣菜としては、オニギリ用詰
め物惣菜の鮭以外にも、弁当用としてブリ、サバ等各種
の魚肉が使用されるが、これらの魚肉の惣菜は生の魚肉
切り身を弁当製造工場で焼くか煮るかして処理するた
め、手間がかかると共に、どうしても骨が混在するため
に若い人に好まれないという問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
従来の魚肉食品の問題点を解消し、魚肉中に骨が混在し
ていても食することに全く問題がない程度に軟化してお
り、しかも魚肉自体は切り身あるいは角切りカット等の
適宜の大きさのままの、煮崩れのない身の締まったブロ
ック状食品とすることができるので、例えば鮭肉をオニ
ギリ用詰め物惣菜として使用する場合には、本来の生の
切り身肉を焼いた身崩れしていない焼魚肉を使用した場
合と同じような食感をもつものとすることができる魚肉
食品の加工法の提供を目的としたものである。
【0008】請求項1における魚肉食品加工法の発明
は、そのための具体的手段として、所定の大きさにカッ
トされた魚肉素材を、10乃至100倍希釈のアルカリ
イオン水に変性加糖卵黄および調味料を添加した調合液
中にて、常温で10乃至40時間浸漬処理し、次にこの
魚肉素材と前記調合液とを圧力容器にて強火加熱して
1.0kg/cm2 以上になったのち弱火にて加熱処理
し、得られた素材を常温に戻してから150乃至200
℃の食用油で短時間加熱処理することを特徴とする。
【0009】また、請求項2における魚肉食品加工法
は、所定の大きさにカットされた魚肉素材を、10乃至
100倍希釈のアルカリイオン水に変性加糖卵黄および
調味料を添加した調合液中にて、常温で10乃至40時
間浸漬処理し、次にこの魚肉素材から表面の水分を除去
して魚焼き器によりばい焼したのち、このばい焼した魚
肉素材と前記調合液とを圧力容器にて強火加熱して1.
0kg/cm2 以上になったのち弱火にて加熱処理する
ことを特徴とする。
【0010】請求項3の魚肉食品加工法は、所定の大き
さにカットされた魚肉素材を、10乃至100倍希釈の
アルカリイオン水に変性加糖卵黄および調味料を添加し
た調合液中にて、常温で10乃至40時間浸漬処理し、
次にこの魚肉素材から表面の水分を除去して表面にキト
サン液を吸着させて風乾した後、この魚肉素材と前記調
合液とを圧力容器にて強火加熱して1.0kg/cm2
以上になったのち弱火にて加熱処理することを特徴とす
る。
【0011】請求項4の魚肉食品加工法は、所定の大き
さにカットされた魚肉素材を、アルカリイオン水に変性
加糖卵黄および調味料を添加した調合液中にて、常温で
10乃至40時間浸漬処理し、次にこの魚肉素材から表
面の水分を除去して表面にキトサン液を吸着させて風乾
した後、この魚肉素材と前記調合液とを圧力容器にて加
熱処理し、得られた素材を乾燥もしくはスモーク処理す
ることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る魚肉食品の加工法
を、実施例に従って説明すると、この加工法は基本的
に、所定の大きさにカットされた骨付きの魚肉素材を、
10乃至100倍希釈のアルカリイオン水に変性加糖卵
黄および調味料を添加した調合液中にて、常温で10乃
至40時間浸漬処理し、次にこの魚肉素材と前記調合液
とを圧力容器にて強火加熱して1.0kg/cm2 以上
になったのち弱火にて30分程度加熱処理する。
【0013】本発明の加工法では、魚肉素材として鮭、
鯛、鯖、平目、鰯、鱈等の冷凍魚肉が使用され、これら
の冷凍魚肉切身の解凍処理として、この冷凍魚肉切身が
10乃至100倍希釈のアルカリイオン水の解凍処理液
中に一昼夜浸漬される。
【0014】前記冷凍魚肉切身の解凍処理液としては水
道水でもよいが、水道水の場合はアルカリイオン水の場
合に比較して、解凍後における魚肉切身の形状が全体的
に水っぽく、ふやけた感じであるのに対して、アルカリ
イオン水では、10倍(pH11)および100倍(p
H10)の各希釈液で行った場合、いずれも身肉の硬
さ、表面の色相とも本来の魚肉のものに近い感じで解凍
することができ、10倍希釈液と100倍希釈液とで
は、10倍希釈液の方が100倍希釈液よりもしっかり
とした感じであったが、100倍希釈液でも身肉の硬
さ、表面の色相とも良好であった。
【0015】前記解凍処理された魚肉切身は、解凍処理
液から取り出されて表皮を取り除いてから適当な大きさ
のブロック状に角切りカットされて、アルカリイオン水
に変性加糖卵黄および調味料を添加した調味液中に常温
で10乃至40時間浸漬処理される。
【0016】前記調味液は20倍希釈のアルカリイオン
水を調合液として、これに変性加糖卵黄、食塩、香味
料、砂糖、色素等を添加したものからなり、角切りカッ
トされた前記魚肉素材がこの調味液中に常温で10乃至
40時間浸漬される。前記変性加糖卵黄の添加により塩
分が若干濃いめでも舌に刺さるような塩かどがなくな
り、また、10乃至40時間という長時間浸漬すること
で、アルカリイオン水の作用により肉の内部まで味と色
とを充分に浸透させて、表面と内部との色むらを少なく
することができる。更に、調味液とカットされた魚肉素
材との比率は液1〜2に対して原料素材1の割合であ
る。
【0017】調味液に添加される前記変性加糖卵黄とし
ては、例えば、特公平5−8663号公報に示されるよ
うな、卵黄と糖類との混合物を500気圧以上1000
気圧以下の加圧条件下において65°C以下の温度で加
熱することにより卵黄成分が半変性状態とされているも
のが使用される。
【0018】次に、蒸煮工程としては、前記の浸漬工程
で処理された魚肉素材と同浸漬工程で使用した前記の調
味液全量とを圧力容器内に投入密閉したのち、直火(強
火)にて加熱を開始し、内圧が1.0kg/cm2 以上
になった時点で弱火にて30分加熱を継続する。
【0019】前記の弱火による30分の加熱後は、加熱
を停止して圧力容器内の圧力が下がったことを確認した
後、容器内の素材を取り出して常温に戻るまで空冷状態
で冷却放置されるが、前記蒸煮工程の結果として、小骨
等は口に入れても違和感がない程度まで軟化すると共
に、身肉は形崩れしない適度の硬さに仕上げられる。
【0020】前記の蒸煮工程として、アルカリイオン水
を基調とする前記調味液を使用した例と、単なる水道水
を使用した例とを比較した場合、小骨等の軟化について
は前記調味液と水道水とではあまり変化はなかったが、
身肉の形崩れとか硬さについては大幅な変化が見受けら
れ、アルカリイオン水を基調とする前記調味液では身肉
が形崩せず適度の硬さを有しているのに対して、水道水
では全体的に水気が多く形崩れの状態が大きいという現
象が見られた。
【0021】弱火による加熱後は、加熱を停止して圧力
容器内の圧力が下がったことを確認した後、圧力容器内
の魚肉素材を取り出して常温に戻るまで空冷状態で冷却
放置される。
【0022】魚肉素材に対する基本的な加工工程は以上
にて終了し、その後は得られた魚肉素材を目的別に焼魚
風味とするか、煮魚風味とするか、あるいは乾燥魚肉風
味とするかに従って別々の処理工程が施される。なお、
焼魚風味の場合には、前記の圧力容器による蒸煮工程の
前に魚焼き器によるばい焼処理を行い、次に蒸煮工程を
行うようにしてもよい。
【0023】圧力容器による蒸煮工程を行ったあとで焼
魚風味の処理を行う場合には、前記の浸漬工程および蒸
煮工程を経た魚肉素材を圧力容器から取り出して常温に
戻るまで冷却したあと、150乃至200℃の食用油で
10乃至30秒の短時間加熱処理し、そのあと油切り・
冷却処理を経てポリ袋に収納し、簡易脱気包装されて出
荷まで冷凍保存される。
【0024】前記の焼魚風味の処理として、圧力容器に
よる蒸煮工程を行ったあとで油通しを行う処理は、魚肉
素材の表面に若干の焼目を付けること、前記の蒸煮工程
により抜けた脂質分を補填すること、および魚肉素材表
面から水分を蒸発させることを目的としており、この油
通し処理によって缶詰食品風の食感とは異なった焼魚風
の食味、食感を向上することができる。また、油通し処
理を1分間以内の短時間として、その後油切りすること
によって油分による表面のベタ付感を最小限に抑え口中
での油ぽさを少なくすることができる。
【0025】また、焼魚風味の処理として、圧力容器に
よる蒸煮工程を行う前に魚焼き器によるばい焼処理を行
うと、魚肉をばい焼することにより魚身の形状を安定さ
せることと焼き魚身肉特有の色を発揮でき、しかも後の
蒸煮処理によって前記の魚身肉の色の腿色を防ぐことが
できる。
【0026】一方、一般的な惣菜用煮魚を製造する場合
には、前記の浸漬工程を経たあと、この魚肉素材の表面
の水分を除去してから素材の表面にキトサン液を吸着さ
せて風乾し、その後この素材を、前記の蒸煮工程と同様
の工程により加熱処理し、そのあと冷却処理を経てポリ
袋に収納し、簡易脱気包装されて出荷まで冷凍保存され
る。
【0027】更に、乾物珍味を製造する場合はは、前記
の煮魚の製法の場合と同様に前記浸漬工程を経たあと、
この魚肉素材の表面の水分を除去してから素材の表面に
キトサン液を吸着させて風乾し、その後この素材を、前
記の蒸煮工程と同様の工程により加熱処理し、その後冷
却処理を経てスモークによる燻乾処理を施すことで最終
製品とする。
【0028】前記の煮魚および乾物珍味の製法におい
て、調味液の浸漬工程を経たあと素材の表面の水分を除
去してからその表面にキトサン液を吸着させるのは、浸
漬工程を終了したあとの素材の表面にキトサン膜を形成
することによって、その後の蒸煮工程の際に加熱によっ
て素材中から水分と共に浸漬工程で素材中に浸透したう
ま味成分が逃げ出さないようにするためと、最終的に得
られた製品の表面に黴などが発生することを防止するた
めである。
【0029】
【実施例1】味付き鮭の実施例であり、原料魚肉素材と
しての冷凍鮭をアルカリイオン水10倍(pH11)希
釈液により解凍処理すると共に、アルカリイオン水10
倍希釈液20lに,食塩800g,香味料200g,天
然調味料200g,紅こうじ色素50cc,パプリカ粉
末40gを添加した調味液を用意し、この調味液中に前
記解凍処理された鮭20.0kgをスキンレスの状態で
一部骨の付いたまま角切りにカットした状態で漬け込
み、冷蔵庫にて24時間浸漬させた。
【0030】次に前記の浸漬を終えた魚肉素材を、浸漬
に使用した調味液(全量)と共に圧力容器内に入れて、
直火にて内圧1.0kg/cm2 以上になるまで加熱し
て圧力調整した後弱火にて30分継続加熱し、圧力容器
内の圧力が低下したことを確認した後、圧力容器内の素
材を取り出し空冷冷却した。
【0031】その結果、得られた製品は、骨は軟らかく
口に入れても違和感はないが、素材の表面と中心部の色
相の差が大きいこと、塩味が足りないこと、缶詰食品の
ような臭いと食感であること、等の理由で目的の製品と
することができなかった。
【0032】
【実施例2】焼き魚の実施例として、魚肉素材としての
冷凍鮭をアルカリイオン水100倍(pH10)希釈液
により解凍処理したあと、この解凍された鮭5.0kg
をミートボンドを使用し魚肉を結着して、形を均一化す
るためのリテーナー成型し、アルカリイオン水100倍
希釈液で6%濃度の塩水10lを作って、前記素材をこ
の液中に5時間浸漬した。
【0033】次に前記の浸漬を終えた魚肉素材を、液中
から取り出して表面の水気を取り、遠赤外線魚焼器によ
り生焼け状態がない程度までばい焼した後、アルカリイ
オン水100倍希釈液のみを添加した圧力容器内に入れ
て、直火にて加熱を開始し、容器内圧力が1.0kg/
cm2 以上に達した後、弱火にて30分加熱を継続し、
その後圧力容器内の圧力が低下したことを確認した後、
圧力容器内の素材を取り出し空冷冷却してカットした。
【0034】この処理により得られた焼魚風魚肉は、切
断面がきれいで、骨は軟らかく口に入れても違和感がな
く、色相も初工程で身肉を焼いたことで蒸煮後の腿色を
抑えることができた。味は浸漬処理時間が短かったため
か、塩分濃度の割りにはうす味であった。
【0035】
【実施例3】同じく焼き魚の実施例として、魚肉素材と
しての冷凍鮭をアルカリイオン水10倍(pH11)希
釈液により解凍処理すると共に、アルカリイオン水20
倍希釈液20lに,食塩1400g,香味料200g,
砂糖400g,変性加糖卵黄400g(使用範囲0.3
乃至3%)紅こうじ色素160cc,モナス系色素80
gを添加した調味液を用意し、この調味液中に前記解凍
処理された鮭20.0kgをスキンレスの状態で一部骨
の付いたまま角切りにカットした状態で漬け込み、冷蔵
庫にて30時間浸漬させた。
【0036】次に前記の浸漬を終えた魚肉素材を、素材
重量に対して2倍量の前記調味液(浸漬に使用した調味
液を含む)と共に圧力容器内に入れて、直火にて加熱を
開始し、容器内圧力が1.0kg/cm2 以上に達した
後、弱火にて30分加熱を継続し、その後圧力容器内の
圧力が低下したことを確認した後、圧力容器内の素材を
取り出し空冷冷却した。
【0037】素材表面の品温が下がった後、これらの素
材を180℃の食用油中に30秒間浸漬させ、油より取
り出して表面の油分を除去しつつ再び室温で冷却した。
【0038】得られた製品は、煮崩れがなくブロック状
を維持しており、食用油に浸漬する前においても素材の
表面と中心部の色相の差が少なく、また、食塩の使用率
の割りにはまろやか味を有していた。これはアルカリイ
オン水と変性加糖卵黄の相乗効果によるものと考えられ
る。更に、骨は軟らかく口に入れても違和感はなく、し
かも食用油に浸漬することにより缶詰臭がなくなり、外
観、食感とも鮭の焼魚に近いものとすることができた。
【0039】この焼魚風魚肉は、煮崩れのない身の締ま
ったブロック状であるので、オニギリの詰め物として使
用した場合、従来のオニギリの詰め物として知られるフ
レーク状魚肉に比較して、本来の生の鮭魚肉を焼いたも
のと変わらない食感のものとすることができ、商品価値
を向上することができた。
【0040】
【実施例4】煮魚への実施例であり、魚肉素材としての
冷凍鯖をアルカリイオン水10倍(pH11)希釈液に
より解凍処理すると共に、実施例2で使用した調味液と
同じ調味液中に前記解凍処理された鯖20.0kgを一
部骨の付いたまま切り身状にカットした状態で漬け込
み、冷蔵庫にて24時間浸漬させた後、漬け込み容器か
ら取り出して、表面に付着した調味液を液切りしてよく
取り除いてから、表面にキトサン液を満遍なく塗布吸着
風乾することにより、キトサン膜を形成する。
【0041】次に前記のキトサン膜を形成した魚肉素材
を、素材重量に対して2倍量の前記調味液(浸漬に使用
した調味液を含む)と共に圧力容器内に入れて、直火に
て加熱を開始し、容器内圧力が1.0kg/cm2 以上
に達した後、弱火にて30分加熱を継続し、その後圧力
容器内の圧力が低下したことを確認した後、圧力容器内
の素材を取り出し空冷冷却した。
【0042】得られた製品は、煮崩れがなくブロック状
を維持しており、食塩の使用率の割りにはまろやか味を
有していた。これはアルカリイオン水と変性加糖卵黄の
相乗効果によるものと考えられる。また、骨は軟らかく
口に入れても違和感はなく、缶詰臭もなく、外観、食感
とも鯖の煮魚に近いものとすることができた。
【0043】
【実施例5】乾物珍味の実施例であり、魚肉素材として
の冷凍鮭をアルカリイオン水10倍(pH11)希釈液
により解凍処理すると共に、この原料素材100kgに
対して、アルカリイオン水100倍希釈液52.1k
g,ソルビット22kg,砂糖10kg,食塩6kg,
変性加糖卵黄3kg,複合調味料3kg,リンゴ酸ソル
ト2kg,乳酸ソーダ2kg,プロベース1kg,紅こ
うじ色素0.5kg,香辛料0.4kgからなる調味液
を用意し、この調味液中に前記解凍処理された鮭100
kgを一部骨の付いたまま角切り状にカットした状態で
漬け込み、冷蔵庫にて24時間浸漬させた後、漬け込み
容器から取り出して、表面に付着した調味液を液切りし
てよく取り除いてから、表面にキトサン液を満遍なく塗
布吸着風乾することにより、キトサン膜を形成する。
【0044】次に前記のキトサン膜を形成した魚肉素材
を、素材重量に対して2倍量の前記調味液(浸漬に使用
した調味液を含む)と共に圧力容器内に入れて、直火に
て加熱を開始し、容器内圧力が1.0kg/cm2 以上
に達した後、弱火にて30分加熱を継続し、その後圧力
容器内の圧力が低下したことを確認した後、圧力容器内
の素材を取り出し空冷冷却し、最後に得られた素材を乾
燥もしくはスモーク燻乾処理して製品とする。
【0045】得られた製品は身割れ等もなく、しっかり
した形状を維持しており、素材の表面もキトサン膜と糖
質により良質な光沢を有し、骨は軟らかく口に入れても
違和感がなく、生臭さもないので鮭の風味を十分に維持
した良質な商品とすることができた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の大きさにカットされた魚肉素材
    を、10乃至100倍希釈のアルカリイオン水に変性加
    糖卵黄および調味料を添加した調合液中にて、常温で1
    0乃至40時間浸漬処理し、次にこの魚肉素材と前記調
    合液とを圧力容器にて強火加熱して1.0kg/cm2
    以上になったのち弱火にて加熱処理し、得られた素材を
    常温に戻してから150乃至200℃の食用油で短時間
    加熱処理する魚肉食品の加工法。
  2. 【請求項2】 所定の大きさにカットされた魚肉素材
    を、10乃至100倍希釈のアルカリイオン水に変性加
    糖卵黄および調味料を添加した調合液中にて、常温で1
    0乃至40時間浸漬処理し、次にこの魚肉素材から表面
    の水分を除去して魚焼き器によりばい焼したのち、この
    ばい焼した魚肉素材と前記調合液とを圧力容器にて強火
    加熱して1.0kg/cm2 以上になったのち弱火にて
    加熱処理する魚肉食品の加工法。
  3. 【請求項3】 所定の大きさにカットされた魚肉素材
    を、10乃至100倍希釈のアルカリイオン水に変性加
    糖卵黄および調味料を添加した調合液中にて、常温で1
    0乃至40時間浸漬処理し、次にこの魚肉素材から表面
    の水分を除去して表面にキトサン液を吸着させて風乾し
    た後、この魚肉素材と前記調合液とを圧力容器にて強火
    加熱して1.0kg/cm2 以上になったのち弱火にて
    加熱処理する魚肉食品の加工法。
  4. 【請求項4】 所定の大きさにカットされた魚肉素材
    を、アルカリイオン水に変性加糖卵黄および調味料を添
    加した調合液中にて、常温で10乃至40時間浸漬処理
    し、次にこの魚肉素材から表面の水分を除去して表面に
    キトサン液を吸着させて風乾した後、この魚肉素材と前
    記調合液とを圧力容器にて加熱処理し、得られた素材を
    乾燥もしくはスモーク処理する請求項3の魚肉食品の加
    工法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011055805A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Sanei Gen Ffi Inc 魚肉の着色方法

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JP2011055805A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Sanei Gen Ffi Inc 魚肉の着色方法

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