JPH08239881A - 浴室ユニットの床パン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の床パンに比べて製造コストが低く、在
庫管理の負荷が少なく、運搬作業、設置時の高さ調節作
業、排水トラップと建築躯体床面に設置された排水管と
の接続作業等が容易であり、また設置後の床パン裏の配
管等の点検に際して大掛かりな工事を要しない浴室ユニ
ットの床パンを提供する。 【構成】 外縁部の環状の帯状部分を除く洗い場部床の
略全面に開口が形成され、洗い場部床の開口周囲の環状
の帯状部分に、外縁部の環状の帯状部分を当接させた状
態で洗い場部床上に載置され、洗い場部床に固定されて
開口を覆う床パネルを備え、洗い場部床の開口周囲の環
状の帯状部分の裏面に、開口を取り巻く補強リブが形成
され、床パネルの前記開口に対峙する部分の裏面に、補
強リブが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は浴室ユニットの床パンに
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】浴室ユニットの床パンは、浴槽部と洗い
場部とにより、或いは浴槽載置部と洗い場部とにより構
成される。従来、洗い場部床、浴槽載置部床は、全体が
連続一体に形成されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】洗い場部床、浴槽載置
部床の全体が連続一体に形成された従来の浴室ユニット
の床パンには以下の問題があった。 洗い場部床にタイルを貼着し、或いは洗い場部床に
床暖房用の熱源を埋設する場合が多い。タイル貼着の要
非、床暖房用の熱源埋設の要非等の洗い場部床の仕様の
相違に対応して、床パンの種類が増加する。この結果、
形状複雑且つ大型で高価な床パン成形用の成形型の種類
が増加して床パンの製造コストが増加し、また床パンの
在庫管理の為の負荷が増大する。また、タイルの貼着、
床暖房用の熱源の埋設等により床パンの重量が増加し、
床パンの運搬作業が困難になる。 浴室ユニット設置時の、床パンの高さ調節作業、排
水トラップと建築躯体床面に設置された排水管との接続
作業を、床パン周囲から行わねばならず、浴室設置場所
が狭く床パン外縁と浴室設置部の建築躯体壁との間の隙
間が狭い場合、前記作業が困難である。 浴室ユニット設置後、床パンに設けた点検口を介し
て床パン裏の配管等の点検を行うが、点検口から離隔し
た部位を点検したい場合、浴室ユニットの天井、壁、床
の解体等の大掛かりな工事が必要となる。 本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、従
来の床パンに比べて製造コストが低く、在庫管理の負荷
が少なく、運搬作業、設置時の高さ調節作業、排水トラ
ップと建築躯体床面に設置された排水管との接続作業等
が容易であり、また設置後の床パン裏の配管等の点検に
際して大掛かりな工事を要しない浴室ユニットの床パン
を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、外縁部の環状の帯状部分を除く
洗い場部床の略全面に開口が形成され、洗い場部床の開
口周囲の環状の帯状部分に、外縁部の環状の帯状部分を
当接させた状態で洗い場部床上に載置され、洗い場部床
に固定されて開口を覆う床パネルを備え、洗い場部床の
開口周囲の環状の帯状部分の裏面に、開口を取り巻く補
強リブが形成され、床パネルの前記開口に対峙する部分
の裏面に、補強リブが形成されていることを特徴とする
浴室ユニットの床パンを提供する。

【０００５】本発明の好ましい態様においては、パネル
には排水勾配が形成されている。本発明の好ましい態様
においては、洗い場部床の開口周囲の環状の帯状部分の
表面には、開口を取り巻き、開口に接続する環状凹部が
形成され、床パネルの外縁部の環状の帯状部分は、前記
環状凹部に当接している。本発明の好ましい態様におい
ては、床パネルは、大寸法の第１床パネルと、小寸法の
第２床パネルの２つの独立した床パネルにより構成さ
れ、第２床パネルには給水給湯管が貫通する貫通穴が形
成されている。本発明の好ましい態様においては、床パ
ネルは、第１床パネルと、排水部を構成する第２床パネ
ルの２つの独立した床パネルにより構成されている。

【０００６】また本発明においては、外縁部の環状の帯
状部分を除く中央部の裏面に補強リブが形成されている
ことを特徴とする、浴室ユニットの床パン用の床パネル
を提供する。

【０００７】

【作用】本発明に係る浴室ユニットの床パンにおいて
は、洗い場部床の大部分が、他の部分とは別体の床パネ
ルとして構成されているので、タイル貼着の有無、床暖
房用の熱源埋設の有無等の仕様の異なる床パネル用の複
数種類の成形型と、全ての種類の床パネルを取り付ける
ことができる床パネルを除いた床パン用の１種類の成形
型を用意しておけば良い。床パネル用の成形型は形状が
単純で小型なので単価が低い。形状複雑且つ大型で単価
の高い床パネルを除いた床パン用の成形型は１種類用意
しておけば良い。従って、本発明に係る床パンは、形状
複雑且つ大型で高価な成形型を複数必要とした従来の床
パンに比べて、製造コストが低い。

【０００８】本発明に係る浴室ユニットの床パンにおい
ては、洗い場部床の大部分が、他の部分とは別体の床パ
ネルとして構成されているので、タイル貼着の有無、床
暖房用の熱源埋設の有無等の仕様の異なる複数種類の床
パネルと、全ての種類の床パネルを取り付けることがで
きる１種類の、床パネルを除いた床パンとを保管してお
けば、これらを適宜組み合わせて種々の仕様の床パンを
出荷することができる。１種類の寸法の大きな、床パネ
ルを除いた床パンと、複数種類の寸法の小さな床パネル
とを保管する際の負荷は、複数種類の寸法の大きな床パ
ンを保管する際の負荷に比べて小さい。

【０００９】本発明に係る浴室ユニットの床パンにおい
ては、洗い場部床の大部分が、他の部分とは別体の床パ
ネルとして構成されているので、仮に床パネルにタイル
を貼着し、或いは床パネルに床暖房用の熱源を埋設した
としても、床パネル単体の重量は適正範囲内にある。ま
た、床パネルを除いた床パンの重量も適正範囲内にあ
る。従って、床パネルを除いた床パンと床パネルとを分
離して運搬し、順次設置することにより、本発明に係る
浴室ユニットの床パンを容易に運搬、設置することがで
きる。

【００１０】本発明に係る床パンを設置する際には、先
ず、床パネルを除いた床パンを建築躯体床面上に載置
し、次いで、洗い場部床の開口を介して、床パネルを除
いた床パンひいては床パンの高さ調節作業と、排水トラ
ップと建築躯体床面に設置された排水管との接続作業と
を行い、次いで、洗い場部床の開口周囲の環状の帯状部
分に、外縁部の環状の帯状部分を当接させた状態で、床
パネルを洗い場部床上に載置し、床パネルを洗い場部床
に固定する。床パネルにより覆われる洗い場部床の大き
な開口を介して、床パネルを除いた床パンひいては床パ
ンの高さ調節作業と、排水トラップと建築躯体床面に設
置された排水管との接続作業とを行うので、浴室設置場
所が狭く床パン外縁と浴室設置部の建築躯体壁との間の
隙間が狭い場合でも、床パンの高さ調節作業と、排水ト
ラップと建築躯体床面に設置された排水管との接続作業
とを容易に行うことができる。浴室ユニット設置後に、
床パンに配設された点検口から離隔した床パン裏の配管
等を点検したい場合には、床パネルを床パンから取り外
し、床パネルによって覆われていた洗い場部床の大きな
開口を介して、必要な点検作業を行う。従って、浴室ユ
ニットの天井、壁、床の解体等の大掛かりな工事を必要
としない。

【００１１】洗い場部床の開口周囲の環状の帯状部分の
裏面に、開口を取り巻く補強リブが形成され、床パネル
の前記開口に対峙する部分の裏面に、補強リブが形成さ
れているので、本発明に係る床パネルの洗い場部は、全
体が連続一体に形成されていないにも係わらず、高い強
度を有する。

【００１２】床パネルに排水勾配が形成されている場合
には、床パンの排水効率が向上する。

【００１３】洗い場部床の開口周囲の環状の帯状部分の
表面に、開口を取り巻き、開口に接続する環状凹部が形
成され、床パネルの外縁部の環状の帯状部分が、前記環
状凹部に当接している場合には、床パネルを洗い場部床
に載置する際の床パネルの位置決めが容易である。

【００１４】床パネルが、大寸法の第１床パネルと、小
寸法の第２床パネルの２つの独立した床パネルにより構
成され、第２床パネルに給水給湯管が貫通する貫通穴が
形成されている場合には、床パン下方の給水給湯配管の
点検、取り替え等の必要が生じた場合に、第２床パネル
を給水給湯管に沿ってずらして、第２床パネルの下方に
点検用開口を形成し、該開口を介して、床パン下方の給
水給湯配管の点検、取り替え工事等を容易に行うことが
できる。

【００１５】床パネルが、第１床パネルと、排水部を構
成する第２床パネルの２つの独立した床パネルにより構
成されている場合には、第１床パネルと第２床パネルと
の間の相対位置関係が異なる複数種類の床パネルと、全
ての種類の床パネルを取り付けることができる１種類
の、床パネルを除いた床パンとを保管しておけば、これ
らを適宜組み合わせて、出入口の位置が異なり、従って
排水部の位置が異なる種々の浴室に対応できる種々の仕
様の床パンを出荷することができる。

【００１６】本発明に係る外縁部の環状の帯状部分を除
く中央部の裏面に補強リブが形成された床パネルと、外
縁部の環状の帯状部分を除く洗い場部床の略全面に開口
が形成された、床パネルを除いた床パンとにより、運
搬、設置作業が容易であり、在庫管理の為の負荷が少な
く、高さ調節作業、排水トラップと建築躯体床面に設置
された排水管との接続作業が容易な、浴室ユニットの床
パンを構成することができる。

【００１７】

【実施例】本発明の第１実施例に係る浴室ユニットの床
パンを、図１〜図３に基づいて説明する。図１、２に示
すように、浴室ユニットの床パン１は、浴槽載置部２
と、洗い場部３とを有している。浴槽載置部２の床２ａ
は洗い場部３の床３ａよりも低く位置決めされている。
排水トラップ４及びその取り付け部を除く洗い場部床３
ａには、外縁部の環状の帯状部分を除いて、略全面に亘
って開口３ｂが形成されている。開口３ｂ周囲の洗い場
部床３ａの表面には、開口３ｂを取り巻き、開口３ｂに
接続する環状凹部３ｃが形成されている。開口３ｂ周囲
の洗い場部床３ａの裏面には、開口３ｂを取り巻きて補
強リブ３ｄが形成されている。

【００１８】外縁部の環状の帯状部分５ａを洗い場部床
３ａの環状凹部３ｃに当接させた状態で、床パネル５が
洗い場部床３ａ上に載置され、洗い場部床３ａに、シー
ル材６を用いて固定されている。床パネル５は洗い場部
床３ａに形成された開口３ｂを覆っている。床パネル５
の開口３ｂに対峙する部分の裏面に、補強リブが５ｂが
形成されている。床パネル５の表面にはタイル７が貼着
されている。洗い場部床３ａの裏側に架台８が取り付け
られている。浴槽載置部２の裏面と架台８とに高さ調整
用支持ボルト９が取り付けられている。

【００１９】上記構成を有する床パン１を建築躯体床面
上に設置する際の手順を図３に基づいて説明する。図３
（ａ）に示すように、３方を建築躯体壁Ａに囲まれた浴
室設置空間の建築躯体床面Ｂに排水管Ｃが配設されてい
る。図３（ｂ）に示すように、床パン１の床パネル５を
除いた部分を、浴室設置空間の建築躯体床面Ｂ上に載置
する。浴室設置空間の建築躯体床面Ｂは狭く、床パン１
の床パネル５を除いた部分の外縁と建築躯体壁Ａとの間
には、殆ど隙間は無い。次いで、洗い場部床３ａに形成
された開口３ｂを介して、高さ調整用支持ボルト９の高
さ調整作業、ひいては床パン１の高さ調整作業を行う。
また、洗い場部床３ａに形成された開口３ｂを介して、
排水トラップ４と排水管Ｃとの接続作業を行う。図３
（ｂ）、（ｃ）に示すように、外縁部の環状の帯状部分
５ａを洗い場部床３ａの環状凹部３ｃに当接させた状態
で、床パネル５を洗い場部床３ａ上に載置し、シール材
６を用いて、床パネル５を洗い場部床３ａに固定する。

【００２０】本発明に係る浴室ユニットの床パン１にお
いては、洗い場部床３ａの大部分が、他の部分とは別体
の床パネル５として構成されているので、タイル貼着の
有無、床暖房用の熱源埋設の有無等の仕様の異なる床パ
ネル５用の複数種類の成形型と、全ての種類の床パネル
５を取り付けることができる床パネル５を除いた床パン
１用の１種類の成形型を用意しておけば良い。床パネル
５用の成形型は形状が単純で小型なので単価が低い。形
状複雑且つ大型で高価な床パネル５を除いた床パン１用
の成形型は１種類用意しておけば良い。従って、本発明
に係る床パン１は、形状複雑且つ大型で高価な成形型を
複数必要とした従来の床パンに比べて、製造コストが低
い。

【００２１】浴室ユニットの床パン１は、洗い場部床３
ａの大部分を占める床パネル５と、床パネル５を除いた
部分の、互いに別体の２つの部材から構成されているの
で、床パネル５にタイル７を貼着しても、或いは床パネ
ル５に床暖房用の熱原を埋設しても、床パネル５単体の
重量は適正範囲内にある。また、床パン１の床パネル５
を除いた部分の重量も適正範囲内にある。従って、床パ
ン１の床パネル５を除いた部分と床パネル５とを分離し
て運搬し、順次設置することにより、本発明に係る浴室
ユニットの床パン１を容易に運搬、設置することができ
る。またタイル貼着の有無、床暖房用の熱源埋設の有無
等の仕様の異なる複数種類の床パネル５と、全ての種類
の床パネル５を取り付けることができる、１種類の、床
パン１の床パネル５を除いた部分とを保管しておけば、
これらを適宜組み合わせて種々の仕様の床パン１を出荷
することができる。１種類の寸法の大きな床パン１の床
パネル５を除いた部分と、複数種類の寸法の小さな床パ
ネル５とを保管する際の負荷は、複数種類の寸法の大き
な床パン１を保管する際の負荷に比べて小さい。

【００２２】浴室ユニットの床パン１の設置に際して
は、床パン１の外縁と建築躯体壁Ａとの間に殆ど隙間が
無いにも係わらず、洗い場部床３ａに形成された開口３
ｂを介して、高さ調整用支持ボルト９の高さ調整作業、
ひいては床パン１の高さ調整作業を容易に行うことがで
き、また、洗い場部床３ａに形成された開口３ｂを介し
て、排水トラップ４と排水管Ｃとの接続作業を容易に行
うことができる。

【００２３】浴室ユニット設置後に、床パン１に配設さ
れた図示しない点検口から離隔した床パン裏の配管等を
点検したい場合には、床パネル５を床パン１から取り外
し、床パネル５によって覆われていた洗い場部床３ａの
大きな開口３ｂを介して、必要な点検作業を行う。従っ
て、浴室ユニットの天井、壁、床の解体等の大掛かりな
工事を必要とせず、工事費も安い。

【００２４】開口３ｂ周囲の洗い場部床３ａの裏面に開
口３ｂを取り巻く補強リブ３ｄが形成され、床パネル５
の開口３ｂに対峙する部分の裏面に補強リブ５ｂが形成
されているので、床パン１の洗い場部３は、全体が連続
一体に形成されていないにも係わらず、高い強度を有す
る。外縁部の環状の帯状部分５ａを洗い場部床３ａの環
状凹部３ｃに当接させた状態で、床パネル５を洗い場部
床３ａ上に載置するので、床パネル５を洗い場部床３ａ
上に載置する際の床パネル５の位置決めが容易である。
床パネル５はシール材６により洗い場部床３ａに固定さ
れているので、床パネル５の周囲から漏水するおそれは
無い。

【００２５】本発明の第２実施例に係る浴室ユニットの
床パンを、図４に基づいて説明する。図４に示すよう
に、本実施例に係る浴室ユニットの床パンにおいては、
床パネル５が、大寸法の第１床パネル５１と、小寸法の
第２床パネル５２の２つの独立した床パネルにより構成
されている。第２床パネル５２は、一端が第１床パネル
５１のフランジ部５１ａ上に載置されシール材でフラン
ジ部５１ａに固定されて、第１床パネル５１に接合され
ている。第２床パネル５２に貫通穴５２ａが形成されて
いる。貫通穴５２ａを貫通して、給水管Ｄと給湯管Ｅと
が、浴室内へ延びている。給水管Ｄ、給湯管Ｅと貫通穴
５２ａの周縁との間の隙間は、パッキン１０によって止
水されている。上記を除き、本実施例に係る浴室ユニッ
トの床パンは第１実施例に係る浴室ユニットの床パンと
同様の構成を有する。

【００２６】本実施例に係る浴室ユニットの床パンにお
いては、床パン下方の給水給湯配管の点検、取り替え等
の必要が生じた場合に、第２床パネル５２を給水管Ｄ、
給湯管Ｅに沿ってずらして、第２床パネル５２の下方に
点検用開口を形成し、該開口を介して、床パン下方の給
水給湯配管の点検、取り替え工事等を容易に行うことが
できる。第２床パネル５２の下方に形成した点検用開口
では、満足な工事が行えない場合には、第１床パネル５
１を取り外せば良い。

【００２７】本発明の第３実施例に係る浴室ユニットの
床パンを、図５に基づいて説明する。図５に示すよう
に、本実施例に係る浴室ユニットの床パンにおいては、
床パネル５が、大寸法の第１床パネル５１と、浴室カウ
ンターを形成する小寸法の第２床パネル５３の２つの独
立した床パネルにより構成されている。第２床パネル５
３は、一端が第１床パネル５１のフランジ部５１ａ上に
載置されシール材でフランジ部５１ａに固定されて、第
１床パネル５１に接合されている。第２床パネル５３に
は、貫通穴５３ａ、５３ｂが形成されている。貫通穴５
３ａ、５３ｂを貫通して、給水管Ｄ、給湯管Ｅが、浴室
内へ延びている。給水管Ｄ、給湯管Ｅの端部には、給水
給湯栓Ｆが取り付けられている。第２床パネル５３に
は、点検用開口５３ｃが形成されている。点検用開口５
３ｃは蓋５４により閉鎖されている。給水管Ｄ、給湯管
Ｅと貫通穴５３ａ、５３ｂの周縁との間の隙間と、蓋５
４と点検用開口５３ｃの周縁との間の隙間とは、適当な
シール材によって止水されている。上記を除き、本実施
例に係る浴室ユニットの床パンは第１実施例に係る浴室
ユニットの床パンと同様の構成を有する。

【００２８】本実施例に係る浴室ユニットの床パンにお
いては、床パン下方の給水給湯配管の点検、取り替え等
の必要が生じた場合に、蓋５４を取り外し、点検用開口
５３ｃを介して、床パン下方の給水給湯配管の点検、取
り替え工事等を容易に行うことができる。点検用開口５
３ｃでは、満足な工事が行えない場合には、第２床パネ
ル５２、第１床パネル５１を取り外せば良い。

【００２９】本発明の第４実施例に係る浴室ユニットの
床パンを、図６、７に基づいて説明する。図６に示すよ
うに、本実施例に係る浴室ユニットの床パン１１におい
ては、洗い場部床１３ａには、外縁部の環状の帯状部分
を除いて、略全面に亘って開口１３ｂが形成されてい
る。開口１３ｂ周囲の洗い場部床１３ａの表面には、第
１実施例に係る浴室ユニットの床パン１とは異なり環状
凹部は形成されていてない。開口１３ｂ周囲の洗い場部
床１３ａの裏面には、開口１３ｂを取り巻いて補強リブ
１３ｄが形成されている。

【００３０】床パネル１５は、大寸法の第１床パネル１
５ａと、小寸法の第２床パネル１５ｂの２つの独立した
床パネルにより構成されている。第１床パネル１５ａの
裏面の一端には、段部１５ａ₁ が形成されている。第１
床パネル１５ａの裏面には、外縁部の環状の帯状部分を
除いて、補強リブ１５ｃが形成されている。第２床パネ
ル１５ｂには、外縁部の環状の帯状部分の内側に、排水
溝１５ｄが形成されている。排水溝１５ｄには、排水ト
ラップ１６が取り付けられている。床パン１１は、更
に、第２床パネル１５ｂ上に載置される簀の子１７を備
えている。第１床パネル１５ａと簀の子１７とには、図
６で右方へ向かって下方へ傾斜する排水勾配が形成され
ている。上記を除き、本実施例に係る浴室ユニットの床
パン１１は、第１実施例に係る浴室ユニットの床パン１
と同様の構成を有する。

【００３１】床パン１１を建築躯体床面上に設置する際
には、床パン１１の床パネル１５、簀の子１７を除いた
部分を、浴室設置空間の建築躯体床面上に載置し、開口
１３ｂを介して床パン１１の高さ調整を行う。図６、図
７に示すように、第２床パネル１５ｂを、排水溝１５ｄ
を取り巻く環状の帯状部分を洗い場部床１３ａの外縁部
の環状の帯状部分に当接させた状態で、洗い場部床１３
ａ上に載置し、シール材を用いて、洗い場部床１３ａに
固定する。次いで、開口１３ｂの残余の部分を介して、
排水トラップ１６と建築躯体床面上に配設された排水管
との接続作業を行う。第１床パネル１５ａを、外縁部の
環状の帯状部分を洗い場部床１３ａの外縁部の環状の帯
状部分に当接させ、段部１５ａ₁ を第２床パネル１５ｂ
の環状の帯状部分の対峙する部分に当接させた状態で、
洗い場部床１３ａ上に載置し、シール材を用いて、洗い
場部床１３ａと第２床パネル１５ｂとに固定する。簀の
子１７を第２床パネル１５ｂ上に載置する。

【００３２】本浴室ユニットの床パン１１においては、
第１床パネル１５ａと第２床パネル１５ｂとの間の相対
位置関係と排水勾配の方向とが異なる複数種類の床パネ
ル１５と、全ての種類の床パネル１５を取り付けること
ができる１種類の、床パネル１５を除いた床パン１１と
を保管しておけば、これらを適宜組み合わせて、出入口
の位置が異なり、従って排水溝の位置が異なり、洗い場
部床面の排水勾配の方向も異なる種々の浴室に対応でき
る種々の仕様の床パンを出荷することができる。第１床
パネル１５ａと簀の子１７とには排水勾配が形成されて
いるので、床パン１１の排水効率が向上する。

【００３３】本発明の第５実施例に係る浴室ユニットの
床パンを、図８、９に基づいて説明する。図８に示すよ
うに、本実施例に係る浴室ユニットの床パン２１におい
ては、洗い場部床２３ａには、外縁部の環状の帯状部分
を残して、略全面に亘って開口２３ｂが形成されてい
る。開口２３ｂ周囲の洗い場部床２３ａの表面には、第
１実施例に係る浴室ユニットの床パン１とは異なり環状
凹部は形成されていてない。開口２３ｂ周囲の洗い場部
床２３ａの裏面には、開口２３ｂを取り巻いて補強リブ
２３ｄが形成されている。

【００３４】床パネル２５は、第１床パネル２５ａと、
環状の第２床パネル２５ｂの２つの独立した床パネルに
より構成されている。第１床パネル１５ａの外縁部の裏
面には、図９に示すように、環状の段部２５ａ₁ が形成
されている。第１床パネル２５ａの裏面には、外縁部の
環状の帯状部分を除いて、補強リブ２５ｃが形成されて
いる。環状の第２床パネル２５ｂには、環状の帯状部分
の内側に、環状の排水溝２５ｄが形成されている。排水
溝２５ｄには、排水トラップ２６が取り付けられてい
る。床パン２１は、更に、環状の第２床パネル２５ｂ上
に載置される環状の簀の子２７を備えている。第１床パ
ネル２５ａと環状の簀の子２７とには、図８で右方へ向
かって下方へ傾斜する排水勾配が形成されている。上記
を除き、本実施例に係る浴室ユニットの床パン２１は、
第１実施例に係る浴室ユニットの床パン１と同様の構成
を有する。

【００３５】床パン２１を建築躯体床面上に設置する際
には、床パン２１の床パネル２５、簀の子２７を除いた
部分を、浴室設置空間の建築躯体床面上に載置し、開口
２３ｂを介して床パン２１の高さ調整を行う。図８、図
９に示すように、環状の第２床パネル２５ｂを、環状の
排水溝２５ｄを取り巻く環状の帯状部分を洗い場部床２
３ａの外縁部の環状の帯状部分に当接させた状態で、洗
い場部床２３ａ上に載置し、シール材を用いて、洗い場
部床２３ａに固定する。次いで、開口２３ｂの残余の部
分を介して、排水トラップ２６と建築躯体床面上に配設
された排水管との接続作業を行う。第１床パネル２５ａ
を、環状の段部２５ａ₁ を第２床パネル２５ｂの環状の
帯状部分の対峙する部分に当接させた状態で、第２床パ
ネル２５ｂ上に載置し、シール材を用いて、第２床パネ
ル２５ｂに固定する。簀の子２７を第２床パネル２５ｂ
上に載置する。

【００３６】本浴室ユニットの床パン２１においては、
排水トラップの取り付け位置が異なる複数種類の第２床
パネル２５ｂと、勾配の方向が異なる複数種類の第１床
パネル２５ａと簀の子２７と、全ての種類の床パネル２
５を取り付けることができる１種類の、床パネル２５を
除いた床パン２１とを保管しておけば、これらを適宜組
み合わせて、出入口の位置が異なり、従って洗い場部床
面の排水勾配の方向も異なる種々の浴室に対応できる種
々の仕様の床パンを出荷することができる。

【００３７】

【効果】上記説明から分かるごとく、本発明に係る浴室
ユニットの床パンにおいては、洗い場部床の大部分が、
他の部分とは別体の床パネルとして構成されているの
で、タイル貼着の有無、床暖房用の熱源埋設の有無等の
仕様の異なる床パネル用の複数種類の成形型と、全ての
種類の床パネルを取り付けることができる床パネルを除
いた床パン用の１種類の成形型を用意しておけば良い。
床パネル用の成形型は形状が単純で小型なので単価が低
い。形状複雑且つ大型で単価の高い床パネルを除いた床
パン用の成形型は１種類用意しておけば良い。従って、
本発明に係る床パンは、形状複雑且つ大型で高価な成形
型を複数必要とした従来の床パンに比べて、製造コスト
が低い。

【００３８】本発明に係る浴室ユニットの床パンにおい
ては、洗い場部床の大部分が、他の部分とは別体の床パ
ネルとして構成されているので、タイル貼着の有無、床
暖房用の熱源埋設の有無等の仕様の異なる複数種類の床
パネルと、全ての種類の床パネルを取り付けることがで
きる１種類の、床パネルを除いた床パンとを保管してお
けば、これらを適宜組み合わせて種々の仕様の床パンを
出荷することができる。１種類の寸法の大きな、床パネ
ルを除いた床パンと、複数種類の寸法の小さな床パネル
とを保管する際の負荷は、複数種類の寸法の大きな床パ
ンを保管する際の負荷に比べて小さい。

【００３９】本発明に係る浴室ユニットの床パンにおい
ては、洗い場部床の大部分が、他の部分とは別体の床パ
ネルとして構成されているので、仮に床パネルにタイル
を貼着し、或いは床パネルに床暖房用の熱源を埋設した
としても、床パネル単体の重量は適正範囲内にある。ま
た、床パネルを除いた床パンの重量も適正範囲内にあ
る。従って、床パネルを除いた床パンと床パネルとを分
離して運搬し、順次設置することにより、本発明に係る
浴室ユニットの床パンを容易に運搬、設置することがで
きる。

【００４０】本発明に係る床パンを設置する際には、先
ず、床パネルを除いた床パンを建築躯体床面上に載置
し、次いで、洗い場部床の開口を介して、床パネルを除
いた床パンひいては床パンの高さ調節作業と、排水トラ
ップと建築躯体床面に設置された排水管との接続作業と
を行い、次いで、洗い場部床の開口周囲の環状の帯状部
分に、外縁部の環状の帯状部分を当接させた状態で、床
パネルを洗い場部床上に載置し、床パネルを洗い場部床
に固定する。床パネルにより覆われる洗い場部床の大き
な開口を介して、床パネルを除いた床パンひいては床パ
ンの高さ調節作業と、排水トラップと建築躯体床面に設
置された排水管との接続作業とを行うので、浴室設置場
所が狭く床パン外縁と浴室設置部の建築躯体壁との間の
隙間が狭い場合でも、床パンの高さ調節作業と、排水ト
ラップと建築躯体床面に設置された排水管との接続作業
とを容易に行うことができる。浴室ユニット設置後に、
床パンに配設された点検口から離隔した床パン裏の配管
等を点検したい場合には、床パネルを床パンから取り外
し、床パネルによって覆われていた洗い場部床の大きな
開口を介して、必要な点検作業を行う。従って、浴室ユ
ニットの天井、壁、床の解体等の大掛かりな工事を必要
としない。

【００４１】洗い場部床の開口周囲の環状の帯状部分の
裏面に、開口を取り巻く補強リブが形成され、床パネル
の前記開口に対峙する部分の裏面に、補強リブが形成さ
れているので、本発明に係る床パネルの洗い場部は、全
体が連続一体に形成されていないにも係わらず、高い強
度を有する。

【００４２】床パネルに排水勾配が形成されている場合
には、床パンの排水効率が向上する。

【００４３】洗い場部床の開口周囲の環状の帯状部分の
表面に、開口を取り巻き、開口に接続する環状凹部が形
成され、床パネルの外縁部の環状の帯状部分が、前記環
状凹部に当接している場合には、床パネルを洗い場部床
に載置する際の床パネルの位置決めが容易である。

【００４４】床パネルが、大寸法の第１床パネルと、小
寸法の第２床パネルの２つの独立した床パネルにより構
成され、第２床パネルに給水給湯管が貫通する貫通穴が
形成されている場合には、床パン下方の給水給湯配管の
点検、取り替え等の必要が生じた場合に、第２床パネル
を給水給湯管に沿ってずらして、第２床パネルの下方に
点検用開口を形成し、該開口を介して、床パン下方の給
水給湯配管の点検、取り替え工事等を容易に行うことが
できる。

【００４５】床パネルが、第１床パネルと、排水部を構
成する第２床パネルの２つの独立した床パネルにより構
成されている場合には、第１床パネルと第２床パネルと
の間の相対位置関係が異なる複数種類の床パネルと、全
ての種類の床パネルを取り付けることができる１種類
の、床パネルを除いた床パンとを保管しておけば、これ
らを適宜組み合わせて、出入口の位置が異なり、従って
排水部の位置が異なる種々の浴室に対応できる種々の仕
様の床パンを出荷することができる。

【００４６】本発明に係る外縁部の環状の帯状部分を除
く中央部の裏面に補強リブが形成された床パネルと、外
縁部の環状の帯状部分を除く洗い場部床の略全面に開口
が形成された、床パネルを除いた床パンとにより、運
搬、設置作業が容易であり、在庫管理の為の負荷が少な
く、高さ調節作業、排水トラップと建築躯体床面に設置
された排水管との接続作業が容易な、浴室ユニットの床
パンを構成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係る浴室ユニットの床パ
ンの分解斜視図である。

【図２】床パネルを除く床パンに床パネルを載置固定し
た状態での図１のII-II 矢視図である。

【図３】本発明の第１実施例に係る浴室ユニットの床パ
ンを浴室設置部の建築躯体床面に設置する作業の手順を
示す図である。

【図４】本発明の第２実施例に係る浴室ユニットの床パ
ンが備える床パネルの分解斜視図である。

【図５】本発明の第３実施例に係る浴室ユニットの床パ
ンが備える床パネルの分解斜視図である。

【図６】本発明の第４実施例に係る浴室ユニットの床パ
ンの分解斜視図である。

【図７】本発明の第４実施例に係る浴室ユニットの床パ
ンの設置状態を示す部分断面図である。

【図８】本発明の第５実施例に係る浴室ユニットの床パ
ンの分解斜視図である。

【図９】本発明の第５実施例に係る浴室ユニットの床パ
ンの設置状態を示す部分断面図である。

【符号の説明】

１、１１、２１ 浴室ユニットの床パン ２ 浴槽載置部 ３ 洗い場部 ３ａ、１３ａ、２３ａ 洗い場部床 ３ｂ、１３ｂ、２３ｂ 開口 ３ｃ 環状凹部 ３ｄ、１３ｄ、２３ｄ 補強リブ ４、１６、２６ 排水トラップ ５、１５、２５ 床パネル ５ｂ、１５ｃ、２５ｃ 補強リブ ６ シール材 ７ タイル ８ 架台 ９ 高さ調整用支持ボルト １０ パッキン １５ａ、２５ａ、５１ 第１床パネル １５ｂ、２５ｂ、５２、５３ 第２床パネル １５ｄ、２５ｄ 排水溝 １７、２７ 簀の子 ５３ｃ 点検用開口 ５４ 蓋 Ｄ 給水管 Ｅ 給湯管

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外縁部の環状の帯状部分を除く洗い場部
   床の略全面に開口が形成され、洗い場部床の開口周囲の
   環状の帯状部分に、外縁部の環状の帯状部分を当接させ
   た状態で洗い場部床上に載置され、洗い場部床に固定さ
   れて開口を覆う床パネルを備え、洗い場部床の開口周囲
   の環状の帯状部分の裏面に、開口を取り巻く補強リブが
   形成され、床パネルの前記開口に対峙する部分の裏面
   に、補強リブが形成されていることを特徴とする浴室ユ
   ニットの床パン。
2. 【請求項２】 パネルには排水勾配が形成されているこ
   とを特徴とする請求項１に記載の浴室ユニットの床パ
   ン。
3. 【請求項３】 洗い場部床の開口周囲の環状の帯状部分
   の表面には、開口を取り巻き、開口に接続する環状凹部
   が形成され、床パネルの外縁部の環状の帯状部分は、前
   記環状凹部に当接していることを特徴とする請求項１又
   は２に記載の浴室ユニットの床パン。
4. 【請求項４】 床パネルは、大寸法の第１床パネルと、
   小寸法の第２床パネルの２つの独立した床パネルにより
   構成され、第２床パネルには給水給湯管が貫通する貫通
   穴が形成されていることを特徴とする請求項１乃至３の
   何れか１項に記載の浴室ユニットの床パン。
5. 【請求項５】 床パネルは、第１床パネルと、排水部を
   構成する第２床パネルの２つの独立した床パネルにより
   構成されていることを特徴とする請求項１乃至３の何れ
   か１項に記載の浴室ユニットの床パン。
6. 【請求項６】 外縁部の環状の帯状部分を除く中央部の
   裏面に補強リブが形成されていることを特徴とする、請
   求項１乃至５の何れか１項に記載の浴室ユニットの床パ
   ン用の床パネル。