JP2007284997A - 蓋具 - Google Patents

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Abstract

【課題】床板などの上面に形成された開口を閉鎖する蓋具を、開口周面と略面一に取り付けることができ、上方から荷重を受けても蓋体がずれず且つ簡単な操作により蓋体を取り外せるように構成する。
【解決手段】外周壁に外方へ張出したフランジ21を設け、内周壁に内方へ張出した受座22と切欠部23を周方向に沿って複数設けるとともに切欠部23に面した受座22の縁部下面に凹段部22aを設けてなる円筒状の枠体2と、枠体2の開口面内に嵌まる円板形に形成されるとともに下面周縁に前記切欠部23に対応した幅の凸状部33を周縁に沿って複数配し且つ当該凸状部33に隣接した下面内方位置に下方へ突出していて先端を外方へ屈曲させてなる爪部35を設けてなる蓋体3から蓋具1を構成し、蓋体3の爪部35先端が、隙間をおいて凹段部22aの下方に位置するように設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、住宅の床や縁側、棚、その他の構造物や設備に形成された開口を閉鎖するための蓋具の構造に関する。
既設設備の上面に形成された開口を塞ぐ場合、開口を完全に閉鎖するときは板材を被せて固定し、閉鎖後も開口の開閉を行えるようにするときには開口に蓋具を取り付けている。このような蓋具は、取り付ける設備の種類などによりその構造は異なるが、設備の開口内周に枠体を固定し、この枠体に蓋体をヒンジ連結した構成のものや、蓋体を枠体に対して着脱自在に設け、蓋体を枠体に装着した状態で施錠機構やボルトなどの留め具により一体に固定する構成のものが多い。
例えば前者の構成としては、図5に示されるような、枠体61の上面に蓋体62の端部を回転自在にヒンジ連結し、この枠体61を台などの設備63に形成された開口63aに嵌め入れて固定し、蓋体62を回動させることにより開口63aが開閉するようにした蓋具があり、後者の構成としてはマンホールの蓋を着脱する機構の蓋具がある。なお、図示した蓋具は灰皿を兼用する形態のものである(例えば特許文献1参照)。
実用新案登録第3091893号公報
ところで、住宅の修繕や改築の際、床下から床上に通されていた給排水管を取り外す場合に、その床板を張替えないときには、給排水管が通っていた床板の開口を塞ぐ処理がなされる。この場合に、開口部分に板材を重ねて床板に留め付けたのでは、床面に段差ができて歩行の邪魔となり、足やズボンの裾が板材に引っ掛かって怪我をする危険がある。
一方、前記蓋具を開口部分に嵌め入れて塞げば、床面には板材を重ねて留め付けたとき程の段差はできない。しかし、施錠機構や留め具で蓋体を固定する構成の蓋具では、蓋具の表面に施錠機構や留め具の凹凸が露出するため、床面を面一にすることはできず、また、蓋具表面の凹凸に足などが引っ掛かる危険もあり、床の見栄えも悪くなってしまう。
前記開口に開閉構造の蓋具を取り付ければ蓋具を通じて床下の点検が可能となるが、この場合、床上で人が踏み或いは物が載って蓋具に荷重がかかったり、子供が蓋具を操作したりしても、蓋体の位置がずれたり取り外れたりすることなく、蓋体が枠体内に確実に保持されるようにしておく必要がある。反面、床下を点検するときには、簡単な操作で蓋体の取り外しができることが望ましい。
本発明は従来技術の有するこのような問題点に鑑み、床板などの上面に形成された開口を閉鎖する蓋具において、周囲面と略面一となって開口に取り付けることができ、上方などから荷重が加わっても取り外れることがなく且つ簡単な操作により蓋体を取り外せるようにすることを課題とする。
前記課題を解決するため本発明の蓋具は、外周壁に外方へ張出したフランジを設け、内周壁に内方へ張出した受座と切欠部を周方向に沿って複数設けるとともに前記切欠部に面した前記受座の縁部下面に凹段部を設けてなる円筒状の枠体と、枠体の開口面内に嵌まる円板形に形成されていてその上面を平坦な面に設けるとともに下面周縁に前記切欠部に対応した幅の凸状部を周縁に沿って複数配し且つ当該凸状部に隣接した下面内方位置に下方へ突出していて先端を外方へ屈曲させてなる爪部を設けてなる蓋体を備え、枠体の開口面内に嵌め入れた蓋体を受座に載せて支持し、その凸状部が枠体の切欠部に没入すると、蓋体の爪部先端が、隙間をおいて枠体の凹段部の下方に位置するように設けた構成を有することを特徴とする。
前記構成において、切欠部は、枠体の中心を挟んで対向位置の内周壁に一対を設け、これに対応させて蓋体下面の周縁に一対の凸状部を配することができる。三箇所以上の対応箇所に切欠部と凸状部を設けてもよい。また、断面多角形状の開口に対し、その開口の周縁に係合するようにフランジを多角形状に設けてもよい。枠体と蓋体は、それぞれ塩化ビニル樹脂やABS樹脂などの樹脂材料を用い、射出成形により形成することができる。
これによれば、床板などに形成された開口に枠体を嵌め入れ、開口周縁にフランジを重ねて枠体を固定し、その上方から内部に蓋体を装着し、その下面を受座の上面に載せて枠体内部に蓋体を支持させることにより開口を閉鎖することができる。
この際、枠体の切欠部に爪部が重なるように蓋体を位置合わせてして装着すれば、受座上には蓋体下面の凸状部が載り、その位置から蓋体を回転させると、凸状部が受座上を滑って位置をずらし、これと同時に爪部の先端が受座下面の凹段部内へと進入する。そして、位置をずらした凸状部が切欠部に重なった位置で、凸状部が切欠部内へと没入して蓋体全体が僅かに下方へと変位し、同時に爪部の先端は凹段部の下方に隙間を開けて配される。
この状態で、蓋体は受座の上面に載って支持されており、上方から蓋具に下向きの力が加わっても蓋体が枠体から取り外れることはない。また、蓋体の凸状部が枠体の切欠部内に没入しているため蓋体の回転が阻止され、蓋体に周方向の力が加わっても蓋体が位置をずらすことはない。さらに、上方から蓋体に上向きの力を加えて蓋体を捲り上げようとしても、蓋体の爪部が枠体の凹段部に係合するため蓋体が枠体から浮き上がることはない。
一方、吸盤具などを利用して蓋体を上方へ僅かに浮き上がらせれば、凸状部が没入位置から切欠部上に変位するため蓋体は回転可能となり、そのまま蓋体を回転させれば、水平に変位する凸状部が受座に乗り上げ、また、凹段部下方にあった爪部先端が切欠部内へと位置をずらして凹段部との係合を解除し、蓋体を枠体から取り外せるようになる。
本発明の蓋具によれば、開口周縁にフランジを載せて枠体が開口に嵌まり、その内部に上面を平坦とした蓋体が装着するように設けてあるので、開口面から上方に突き出る部分はフランジだけであり、開口の周囲の面と略面一に収めて蓋具を取り付けることができる。また、枠体内部の所定の位置に装着した蓋体は、上方や周囲から力が加わっても回転したり取り外れたりすることはなく、枠体内に安定的に保持されて開口を確実に閉鎖することが可能である。さらに、吸引具などを利用して、先ず枠体に装着された蓋体を浮き上がらせ、次いでそのまま回転させる、という簡単な操作により蓋体を枠体から取り外すことができ、開口から床下を点検する際に手間をかけずに蓋体の着脱が可能である。
本発明の好適な一実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態の蓋具を構成する蓋体と枠体の上面側と下面側の斜視図、図2は図1の蓋体と枠体の半面を破断して示した側面図、図3は枠体に蓋体を装着した状態の蓋具の下面図と要部切断端面図、図4は図3に示した位置から蓋体を回転して枠体に固定した状態の蓋具の下面図と要部切断端面図である。
図示した形態は、住宅の水周り設備のあった場所をリフォームし、床板に形成された開口に通していた給排水管を取り去ることに伴い床上に露出した開口を本発明の蓋具で閉鎖するものであり、図中、符号1は蓋具、2は枠体、3は蓋体、4は床板、41は床板4に形成された開口をそれぞれ示している。
図1及び図2に示されるように、蓋具1は、円筒形の枠体2と、この枠体2の開口面内に略一杯に嵌まる大きさを有する円板形の蓋体3により構成されている。
より詳しくは、枠体2は、その外周壁の上縁全周に外方へ一様な幅で張出したフランジ21を設け、その内周壁に、当該内周壁の下半部から内方へ一様な幅で突出した受座22、22を一体に設けるとともに、受座22が形成されていない部分である切欠部23、23を両受座22の間に配して形成してある。
両受座22は、枠体2の開口面内で平面視弓形を呈して内方へ張出しており、その切欠部23、23に面する両端のうちの一方の端部の縁部下面に凹段部22aを設けてある。
また、切欠部23、23は、その周方向に沿った幅(We)を同寸として、枠体2の中心を挟んで対向する位置に配され、さらに切欠部23、23が面する枠体2の周壁には留めネジなどの留め具を挿通するための孔24、24を形成してある。
蓋体3は、その上面31を凹凸のない平坦な面に設け、その下面を、周縁を前記受座22、22に対応する長さ及び幅だけ薄肉にしてなる凹状部32、32と、両凹状部32の間の周縁部分をそれよりも厚肉にしてなる凸状部33、33を設け、さらに下面中央に適宜な径で下方に突出した円柱部34を設けて形成してある。凸状部33、33はその周方向に沿った幅(Wc)を前記切欠部23と同幅(Wc=We)に設けてある。
また、蓋体3下面の中心を挟んで対向する凹状部32、32の端部であって凸状部33、33に隣接した下面内方位置に、当該下面から下方へ突出していて先端を外方へ屈曲させてなる爪部35、35をそれぞれ一体に設けてある。両爪部35の先端は凹状部32と対向する位置まで張出してある。
なお、枠体2の外径は、床板4に形成された開口41内に嵌まり込むように、開口41の内径よりも若干小さく設定される。例えば本形態のような床板4の開口41は、集合住宅において給排水管を通すための孔として標準で140mm程度の内径で形成され、これに対し枠体2は139〜136mm程度の外径で形成される。また、図2に示されるように、凹状部32における蓋体3の厚み(Tc)は枠体2の上縁から受座21の上面に至る深さ(Tf)と略同じ(Tc=Tf)に設定してある。
このように構成された本形態の蓋具1は、床上から開口41内に枠体2を嵌め入れて開口41の周縁にフランジ21を重ね、孔24、24から床板4に留めネジをネジ入れて枠体2を開口41内に固定し、その上から枠体2の開口面内に蓋体3を装着し、これを受座22、22上で支持させることにより開口41を閉鎖することができる。
この際、蓋体3の装着操作は、先ず、枠体2の上方で切欠部23、23に爪部35、35が重なるように蓋体3を位置合わせし、これを枠体2の開口面に被せれば、図3に示されるように、蓋体3下面の凸状部33、33が受座22、22の上面に載るとともに、切欠部23、23内に爪部35、35が入り込み、蓋体3はその上面31を枠体2の上端よりも僅かに突き出した位置に保持される。
そして、装着位置から蓋体3を回転させると、凸状部33、33が受座22、22上を滑って位置をずらし、同時に爪部35、35の先端が受座22下面の凹段部22a内へとそれぞれ進入し、凸状部33、33が切欠部23、23に重なった位置で、図4に示されるように、凸状部33、33が切欠部23、23内へと没入して蓋体3全体が僅かに下方へと変位し、爪部35、35の先端は凹段部22a、22aの下方に隙間を開けて配される。このとき、蓋体3の上面31は、枠体2の上端と略面一になる。
この状態で、蓋体3は受座22の上面に載って支持され、上方から蓋具1に下向きの力が加わっても蓋体3が枠体2から取り外れることはなく、また、蓋体3の凸状部33、33が枠体2の切欠部23、23内に没入しているため、蓋体3の回転が阻止され、蓋体3に周方向の力が加わっても蓋体3が位置をずらすことはない。さらに、上方から蓋体3を捲り上げようと力を加えても、蓋体3の爪部35が枠体2の凹段部22aに係合するため蓋体3が枠体2から浮き上がることはない。
また、吸盤具などを利用して蓋体3を上方へ僅かに浮き上がらせれば、凸状部33、33が没入位置から切欠部23、23上へ変位するため、蓋体3は回転可能となり、そのまま蓋体3を回転させれば、水平に移動する凸状部33、33が受座22、22に乗り上げ、また、凹段部22a、22aの下方にあった爪部35、35の先端が切欠部23、23内へと位置をずらして両凹段部22aとの係合を解除し、回転した位置から蓋体3を持ち上げることにより枠体2から取り外すことが可能である。
なお、上記形態では枠体2を固定する手段として留めネジを用いたが、枠体2の外周に接着剤を塗布してこれを開口41の内周面に固着してもよい。また、図示した蓋具の形態は一例であり、本発明の蓋具はこれに限定されず、床板を含む様々な構造物や設備の開口を塞ぐ手段として適用可能である。
本発明の一実施形態の蓋具を構成する蓋体と枠体の上面側と下面側の斜視図である。 図1の蓋体と枠体の半面を破断して示した側面図である。 枠体に蓋体を装着した状態の蓋具の下面図(A)と、同図B−B線に沿った要部切断端面図(B)である。 図3に示した位置から蓋体を回転して枠体に固定した状態の蓋具の下面図(A)と、同図B−B線に沿った要部切断端面図(B)である。 従来の蓋具の部材展開斜視図(A)と、開口に取り付けた状態の断面図である。
符号の説明
1 蓋具、2 枠体、21 フランジ、22 受座、22a 凹段部、23 切欠部、24 孔、3 蓋体、31 上面、32 凹状部、33 凸状部、34 円柱部、35 爪部、4 床板、41 開口

Claims (2)

  1. 外周壁に外方へ張出したフランジ(21)を設け、内周壁に内方へ張出した受座(22)と切欠部(23)を周方向に沿って複数設けるとともに前記切欠部(23)に面した前記受座(22)の縁部下面に凹段部(22a)を設けてなる円筒状の枠体(2)と、
    枠体(2)の開口面内に嵌まる円板形に形成されていてその上面(31)を平坦な面に設けるとともに下面周縁に前記切欠部(23)に対応した幅の凸状部(33)を周縁に沿って複数配し且つ当該凸状部(33)に隣接した下面内方位置に下方へ突出していて先端を外方へ屈曲させてなる爪部(35)を設けてなる蓋体(3)を備え、
    枠体(2)の開口面内に嵌め入れた蓋体(3)を受座(22)に載せて支持し、その凸状部(33)が枠体(2)の切欠部(23)に没入すると、蓋体(3)の爪部(35)先端が、隙間をおいて前記凹段部(22a)の下方に位置するように設けた構成を有することを特徴とする蓋具。
  2. 枠体(2)の中心を挟んで対向位置の内周壁に一対の切欠部(23、23)を設けるとともに、これに対応させて蓋体(3)下面の周縁に一対の凸状部(33、33)を配した請求項1に記載の蓋具。





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