JPH08239599A - 粉末コーティング用ポリフェニレンサルファイドおよびその使用 - Google Patents

粉末コーティング用ポリフェニレンサルファイドおよびその使用

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JPH08239599A
JPH08239599A JP7042077A JP4207795A JPH08239599A JP H08239599 A JPH08239599 A JP H08239599A JP 7042077 A JP7042077 A JP 7042077A JP 4207795 A JP4207795 A JP 4207795A JP H08239599 A JPH08239599 A JP H08239599A
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polyphenylene sulfide
powder
coating
linear
coating film
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JP7042077A
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English (en)
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Shoji Sato
藤 昭 二 佐
Ryoichi Watanabe
辺 良 一 渡
Satoshi Usui
井 智 臼
Toshitaka Kayama
山 俊 孝 香
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Kureha Corp
Kureha Engineering Co Ltd
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Kureha Corp
Kureha Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 剪断速度1200/秒、310℃に於ける溶
融粘度が150〜500Pa・sであり、177μm以
下の粒度が80質量%以上である直鎖状ポリフェニレン
サルファイド粉末よりなる、吹き付け法又は流動浸漬法
による粉末コーティング用ポリフェニレンサルファイ
ド。粉末コーティングは、焼成後、樹脂の結晶化温度か
ら樹脂のガラス転移温度までの冷却過程では5℃/分以
下の平均冷却速度で徐冷される。 【効果】 粉末コーティングされたポリフェニレンサル
ファイドは割れがなく、表面が平滑であり、耐熱性、耐
腐食性が要求される薬液配管、高温水配管、バルブ、攪
拌翼槽等に好適に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の背景]
【産業上の利用分野】本発明は、粉末コーティング用ポ
リフェニレンサルファイドおよびその使用に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンサルファイドは、その優
れた耐熱性および耐薬品性に着目して、吹付塗装法、流
動浸漬法などの方法で金属被覆材料として用いられてい
る。これら被覆体の製造法は、基本的には、使用ポリフ
ェニレンサルファイドの融点付近の温度に加熱された被
塗装基体表面にポリフェニレンサルファイド粉末を付着
させた後、付着ポリフェニレンサルファイド粉末粒子
(それが付着している基体の温度が高いところより、こ
の粉末粒子は少なくとも部分的には溶融している)の溶
融合一化に必要な温度、すなわち通常は300℃以上の
温度、で熱処理することによりポリフェニレンサルファ
イド塗膜を形成させることからなる。この方法はその実
施に致命的な欠陥が無いところから工業的に実施可能で
あるが、表面が平滑である塗膜が得られにくいとか、塗
膜の強靱性が不十分なため、1cm2当たり数個程度の
微小なクレーターとかひび割れ等の割れが認められるこ
とがあって、基材の保護が不完全となるという問題があ
る。
【0003】[発明の概略]
【発明が解決しようとする課題】本発明は表面が平滑で
且つ割れを生じないような強靱な塗膜を形成しうる粉末
コーティング用ポリフェニレンサルファイドを提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、粉末コーティ
ング用のポリフェニレンサルファイドが予め架橋されて
いるものであるとか、架橋されていないものについては
溶融粘度が不適当であるとか、粉体粒度が不適当である
ために、従来技術では所望の塗膜特性が得られなかった
ことを見出して得られたものである。
【0005】<要旨>すなわち、本発明による吹き付け
法又は流動浸漬法による粉末コーティング用ポリフェニ
レンサルファイドは、剪断速度1200/秒、310℃
に於ける溶融粘度が150〜500Pa・sであり、1
77μm以下の粒度が80質量%以上である直鎖状ポリ
フェニレンサルファイド粉末よりなること、を特徴とす
るものである。
【0006】本発明は、また、ポリフェニレンサルファ
イドコーティング膜に関する。すなわち、本発明による
ポリフェニレンサルファイドコーティング膜は、剪断速
度1200/秒、310℃に於ける溶融粘度が150〜
500Pa・sであり、177μm以下の粒度が80質
量%以上である直鎖状ポリフェニレンサルファイド粉末
単独又はそれを70質量%以上含有する組成物から、吹
き付け法又は流動浸漬法による粉末コーティングによっ
て基体上に形成させたこと、を特徴とするものである。
【0007】本発明は、さらにまた、ポリフェニレンサ
ルファイドコーティング膜の製造法に関する。すなわ
ち、本発明によるポリフェニレンサルファイドコーティ
ング膜の製造法は、剪断速度1200/秒、310℃に
於ける溶融粘度が150〜500Pa・sであり、17
7μm以下の粒度が80質量%以上である直鎖状ポリフ
ェニレンサルファイド粉末単独又はそれを70質量%以
上含有する組成物を、吹き付け法又は流動浸漬法による
粉末コーティングによって加熱された基体上に塗布し、
生成塗布体を使用樹脂の融点以上で焼成後、樹脂の結晶
化温度から樹脂のガラス転移温度迄の冷却過程では5℃
/分以下の平均冷却速度で徐冷すること、を特徴とする
ものである。 <効果>本発明による粉末コーティングされたポリフェ
ニレンサルファイドはクレーターないし割れがなく、表
面が平滑であるので、耐熱性、耐腐食性が要求される薬
液配管、高温水配管、バルブ、攪拌翼槽等に好適に用い
られる。本発明は、粉末コーティング用ポリフェニレン
サルファイドについて種々の限定を加えて、良好なコー
ティング表面が得られるようにしたものであるが、これ
らの限定のうち分子量ないし溶融粘度の限定は中でも特
に重要である。すなわち、ポリフェニレンサルファイド
の粉末コーティング表面にクレーター状欠陥が認められ
ることがあることは前記したところであるが、この欠陥
は使用するポリフェニレンサルファイドの分子量ないし
溶融粘度が特定の範囲内に在るときには認められない。
ポリフェニレンサルファイドという特定樹脂の粉末コー
ティングという特定のコーティング方法の際に発生しう
るコーティング面上のクレーターという特定の欠陥が使
用樹脂の分子量ないし溶融粘度に臨界的に依存するとい
うことは興味のあることといえよう。 [発明の具体的説明] <直鎖状ポリフェニレンサルファイド>本発明で使用す
るようなポリフェニレンサルファイドは、基本的には2
個のハロゲン置換基を有する芳香族化合物とアルカリ金
属硫化物との脱ハロゲン化アルカリ反応によって形成さ
れるポリマーであることはいうまでもないが、充分な分
子量ないし溶融粘度が得られないときには、3個以上の
ハロゲン置換基を持つ芳香族化合物を少量併用したり、
ポリマーを酸化条件下で加熱して架橋させたものが知ら
れている。
【0008】これらのポリフェニレンサルファイドのう
ち、本発明で対象とするものは、直鎖状ポリフェニレン
サルファイドである。本発明で云う「直鎖状ポリフェニ
レンサルファイド」とは、酸化架橋により増粘(キュア
ー)されたポリフェニレンサルファイドではなく、実質
的に一分子当たり二個のハロゲン置換基を有する芳香族
化合物とアルカリ金属硫化物より得られたポリフェニレ
ンサルファイドを指す。すなわち、一分子当たり二個よ
り多いハロゲン置換基を有するポリハロ芳香族化合物に
基づく重合構成単位の存在は、それが少量である限り、
「直鎖状」の枠内として許容される。「直鎖状」の定義
を厳密に云えば、本発明に用いられる「直鎖状ポリフェ
ニレンサルファイド」は、その溶解度(溶媒:αークロ
ロナフタリン、温度:25℃)が対応「基準」ポリフェ
ニレンサルファイド(すなわち、一分子当たり二個より
多いハロゲン置換基を有するポリハロ芳香族化合物を持
たない対応直鎖ポリフェニレンサルファイド)の溶解度
の0.7〜1.0倍、好ましくは0.9〜1.0倍、よ
り一層好ましくは0.95〜1.0倍、であるものを云
う。特に好ましいものは、直鎖ポリフェニレンサルファ
イドである。このような直鎖状ポリフェニレンサルファ
イドは、例えば、特公昭63ー33775号公報、特公
昭53ー25589号公報等に記載の方法により得られ
る。なお、本発明に用いられる直鎖状ポリフェニレンサ
ルファイドには、フェニレンサルファイドを主とする共
重合体、一部が変性された直鎖状ポリフェニレンサルフ
ァイド等も包含するものとする。
【0009】酸化架橋により増粘されたポリフェニレン
サルファイドは直鎖状ポリフェニレンサルファイドと較
べると機械的強度が弱く、また成形時の溶融樹脂の粘度
変化が温度に大きく影響されて被膜成形条件のコントロ
ールが難しいところから被膜成形性に劣っており、しか
もコーティングされた表面に微小なクレーター或いは凹
凸とかディンプルが認められるなどの問題があり、単独
で使用しても成形された被覆体の表面平滑性は非常に悪
く、実用に耐えないものである。しかし、このようなも
のも直鎖状ポリフェニレンサルファイドに少量混合して
使用することは差し支えない。その混合される限度は、
上述のαークロロナフタリンの溶解度についての規定に
従うものとする。
【0010】本発明に於いて用いられる直鎖状ポリフェ
ニレンサルファイドは、その溶融粘度がキャピラリー型
溶融粘度測定機に於ける310℃、剪断速度1200/
秒において150〜500Pa・s、好ましくは160
〜400Pa・s、より好ましくは170〜250Pa
・sのものである。150Pa・sより低い溶融粘度で
あると割れが発生し、被覆体の機械的強度が低下して、
実際の使用に耐えがたいものとなるためであり、500
Pa・sを上回る溶融粘度であると流動性が低下して被
膜に偏肉を生ずるためである。また、溶融粘度が過度に
高いとコーティング膜表面にクレーターが発生すること
は前記したところである。
【0011】本発明に於いて用いられる直鎖状ポリフェ
ニレンサルファイドは粉末状のものである。その粉末と
しては、177μm以下(80メッシュパス)の粒度が
80質量%以上、好ましくは85質量%以上、より一層
好ましくは90質量%以上、のものが用いられる。17
7μm以下の粒度が80質量%未満になると被覆膜厚の
斑を生じやすくなり、表面の平滑性に優れた被覆体が得
られなくなり、極端な場合、製膜ができないためであ
る。また、エアスプレー法や流動浸漬法に於いては粒度
は好ましくは50〜200μm、より一層好ましくは7
0〜120μm、のものが用いられ、静電塗装法に於い
ては好ましくは20〜100μm、より一層好ましくは
30〜70μm、のものが用いられる。原料ポリアリー
レンサルファイドが所期の粒径ないし粒径分布のものと
して得られないときは、粉砕によって所期の粒子特性の
ものとすることができる。粉砕は、ポリアリーレンサル
ファイドを凍結して行うことが好ましい。
【0012】<粉末コーティング組成物>粉末コーティ
ングは、上記の粉末コーティング用ポリフェニレンサル
ファイドを少なくとも70質量%含んでなる組成物によ
って行う。すなわち、本発明による粉末コーティング組
成物の一具体例はこのようなポリフェニレンサルファイ
ド粉末単独からなるものであって、本発明の最も好まし
い実施態様であるが、本発明による粉末コーティング用
ポリフェニレンサルファイドはポリフェニレンサルファ
イドを主とする組成物であっても良い。後者の場合は添
加物としては特に限定されないが、具体的には、たとえ
ば、(イ)粒状又は偏平状無機充填剤、たとえば、アル
ミナ、シリカ、ガラスビーズ、酸化チタン、酸化鉄、酸
化コバルト、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、カオリン、ク
レー、バイオフィライト、ベントナイト、セリサイト、
ゼオライト、タルク、ウォラストナイト、フェライト、
珪酸カルシウム、グラファイト、カーボンブラック、マ
イカ、酸化マグネシウム等、(ロ)繊維状強化剤、たと
えば、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム、窒化
珪素、セラミックス繊維、金属繊維、アラミド繊維等、
(ハ)樹脂ないしゴム、たとえば、フッ素樹脂、シリコ
ン樹脂、ポリアミド、ポリエステルやゴムなど、ならび
に(ニ)顔料、酸化防止剤、耐光性向上剤、防食剤等、
を例示することができる。これらは被膜形成性を損なわ
ないものであるべきであり、また固体のものはポリフェ
ニレンサルファイドと粒径が近似していることが望まし
い。このような添加物の添加量は組成物中高々30質量
%であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは
10質量%以下である。
【0013】<粉末コーティング>粉末コーティングさ
れる相手としては金属、セラミックス、樹脂等、種々の
物に適用可能であるが、中でも金属に対しては好適に用
いられ、特に鉄が好適である。また、その形状も板状、
管状、柱状、線状等、特に限定されないが、板状、管
状、柱状等に好適に適用される。基体はプライマー処理
をするのが望ましいが、プライマー処理をしなくても十
分実用的なものが得られる。
【0014】粉末コーティングの方法としては吹き付け
法又は流動浸漬法が採用されるが、吹き付け法が好適で
ある。吹き付け法の中でもエアスプレー法、エア静電塗
装法等が好適に採用される。粉末コーティング後、塗布
体は焼成される。予め、基板がポリフェニレンサルファ
イドの融点より高い温度に加熱されていて、コーティン
グ後に於いても基体、ひいては樹脂、が融点以上であれ
ば、コーティングすなわち焼成となって、格別、焼成工
程を設ける必要はない。本発明で云う「樹脂の融点以上
で焼成後」ということは、格別焼成工程を設けることな
く上述のコーティングすなわち焼成の場合も包含する意
味で用いている。但し、コーティングの厚さがある程度
厚いとか、装置上の制約から、コーティング後は樹脂の
温度が融点未満になることや融点以上にならない部分が
生じる等の事情から、焼成工程を設けるのが通常であ
る。焼成温度は樹脂の融点以上の温度、通常は300〜
320℃程度が適当である。本発明に於いてはこのよう
な加熱をするので、その際に酸化架橋が起きる可能性が
あるが、本発明ではポリフェニレンサルファイドを積極
的に酸化架橋させる必要はない。
【0015】樹脂を溶融させて焼成した後、塗布体を冷
却する。樹脂の溶融状態から結晶化温度までの冷却速度
は特に規定されないが、結晶化温度よりガラス転移温度
までの冷却は、徐冷でなければ表面の平滑な良い被膜は
得られない。徐冷の平均冷却速度は、5℃/分以下、好
ましくは4℃/分以下、より好ましくは3℃以下、であ
る。平均冷却速度が5℃/分より大きくて急冷になると
被膜にしわやクラックが入りやすくなり、良好な被膜が
得られにくくなる。溶融状態から結晶化温度温度まで並
びにガラス転移温度から取り出し温度までの冷却速度
は、特に限定されるものではない。 <生成コーティング膜>基体上のポリフェニレンサルフ
ァイドコーティング膜の厚さは、たとえば0.1〜2.
0mm、好ましくは0.6〜1.5mm、である。一回
の粉末コーティングで所期コーティング膜厚さが得られ
ないときは、コーティング操作を複数回実施すればよ
い。
【0016】
【実施例】
[実施例1及び比較例1〜2]サンドブラストにより除
錆率に関する米国規格のSteel Strucutr
es Painting Councilにおけるホワ
イトメタル仕上げに下地処理された縦110mm、横1
10mm、厚さ4.5mmの軟鉄板(SS400)を3
00℃に1時間保持した。この後、ポリフェニレンサル
ファイドを圧力1.5kg/cm2 の圧縮空気で吹き付
け塗布し、310℃で60分間、電気炉中で焼成した。
この塗布、焼成を3回繰り返した後、電気炉の扉を開放
して270℃までは急冷し、それ以下から80℃迄の間
は扉を閉めて徐冷した。270℃から80℃迄の平均冷
却速度は3℃/分であった。ポリフェニレンサルファイ
ドとしては呉羽化学工業(株)製の「フォートロンKP
S」の溶融粘度が異なる3種類のグレードを液体窒素に
より冷凍粉砕したものを用いた。その粒度分布、溶融粘
度、結晶化温度、ガラス転移温度の詳細は表1に示す通
りである。なお、供試「フォートロンKPS」は、3種
のグレードのいずれも、177μm以下の粒度が80質
量%未満であった。
【0017】 [表1] 粒度分布(単位は%) 比較例1 比較例2 実施例1 250μm以下 98 98 99 177μm以下 90 91 89 149μm以下 85 85 86 105μm以下 70 68 72 74μm以下 47 42 52 63μm以下 31 29 33 53μm以下 20 17 24 44μm以下 13 12 15 37μm以下 6 4 9 溶融粘度(Pa・s) 33 125 198 結晶化温度(℃) 255 248 245 ガラス転移温度(℃) 80 85 87 油状痕有り 微小なクレータ 表面状態 ーが5個/cm2 良好 程度有り 平滑性 やや悪い 悪い 良好 光沢性 少ない 比較的良好 良好 接着性 3kN/m以上 3kN/m以上 3kN/m以上
【0018】生成コーティング膜について、平滑性、表
面状態、光沢性については肉眼観察により、接着性はJ
IS K5400によるピール強度で測定した。結果
は、表1に示す通りである。また、実施例1に示すコー
ティング膜は、2週間100℃の熱水或いは100℃の
水蒸気に曝しても基板から剥離することはなかった。な
お、粒度についての本発明の要件を充足しない粉砕前の
ポリフェニレンサルファイドでは、いずれも膜を形成し
なかった。また、表に於いて「油状痕」とは、周囲と異
なる色を呈するか光沢性がよい直径2〜3mm程度の球
状のものである。
【0019】[実施例2及び比較例3〜4]サンドブラ
ストにより除錆率に関する米国規格のSteel St
rucutres Painting Council
におけるホワイトメタル仕上げ下地処理された縦110
mm、横110mm、厚さ4.5mmの軟鉄板(SS4
00)にアースを取り付けた。この後、ポリフェニレン
サルファイドを圧力1kg/cm2 の圧縮空気で流動さ
せ吐出部まで搬送し、吐出部にはポリマーに40Vの印
加電圧を与えて、静電力で基材まで搬送させて、静電塗
布した。塗布体を310℃で60分間、電気炉中で加熱
して焼成した。この塗布、焼成を3回繰り返した後、電
気炉の扉を開放して270℃までは急冷し、それ以下か
ら80℃迄の間は、扉を閉めて徐冷した。270℃から
80℃迄の平均冷却速度は、3℃/分であった。ポリフ
ェニレンサルファイドとしては呉羽化学工業(株)製の
「フォートロンKPS」の溶融粘度が異なる3種類のグ
レードを液体窒素により冷凍粉砕したものを用いた。そ
の粒度分布、溶融粘度、結晶化温度、ガラス転移温度の
詳細は表1に示したものと同一である。
【0020】得られたものについては平滑性、表面状
態、光沢性については肉眼観察により、接着性について
は打診により評価した。結果は表2に示す通りである。
尚、表には示していないが、粉砕前のものではいずれも
膜を形成しなかった。
【0021】 [表2] 特性 比較例3 比較例4 実施例2 油状痕有り 微小なクレータ 表面状態 ーが5個/cm2 良好 程度有り 平滑性 やや悪い 悪い 良好 光沢性 少ない 比較的良好 良好 接着性 3kN/m以上 1kN/m以下 3kN/m以上
【0022】
【発明の効果】本発明による粉末コーティングされたポ
リフェニレンサルファイドは割れがなく、表面が平滑で
あり、耐熱性、耐腐食性が要求される薬液配管、高温水
配管、バルブ、攪拌翼槽等に好適に用いられることは
[発明の概要]の項において前記したところである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 7/24 301 B05D 7/24 301A 302 302R C08G 75/02 NTX C08G 75/02 NTX C09D 181/02 PML C09D 181/02 PML (72)発明者 臼 井 智 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工業 株式会社錦総合研究所内 (72)発明者 香 山 俊 孝 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工業 株式会社錦総合研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】剪断速度1200/秒、310℃に於ける
    溶融粘度が150〜500Pa・sであり、177μm
    以下の粒度が80質量%以上である直鎖状ポリフェニレ
    ンサルファイド粉末よりなることを特徴とする、吹き付
    け法又は流動浸漬法による粉末コーティング用ポリフェ
    ニレンサルファイド。
  2. 【請求項2】直鎖状ポリフェニレンサルファイドが直鎖
    ポリフェニレンサルファイドである、請求項1の粉末コ
    ーティング用ポリフェニレンサルファイド。
  3. 【請求項3】剪断速度1200/秒、310℃に於ける
    溶融粘度が150〜500Pa・sであり、177μm
    以下の粒度が80質量%以上である直鎖状ポリフェニレ
    ンサルファイド粉末単独又はそれを70質量%以上含有
    する組成物から、吹き付け法又は流動浸漬法による粉末
    コーティングによって基体上に形成させたことを特徴と
    する、ポリフェニレンサルファイドコーティング膜。
  4. 【請求項4】直鎖状ポリフェニレンサルファイドが直鎖
    ポリフェニレンサルファイドである、請求項3のコーテ
    ィング膜。
  5. 【請求項5】基体が金属である、請求項3および4のい
    ずれか1項のコーティング膜。
  6. 【請求項6】実質的にポリフェニレンサルファィドのみ
    からなる、請求項3〜5のいずれか1項のコーティング
    膜。
  7. 【請求項7】剪断速度1200/秒、310℃に於ける
    溶融粘度が150〜500Pa・sであり、177μm
    以下の粒度が80質量%以上である直鎖状ポリフェニレ
    ンサルファイド粉末単独又はそれを70質量%以上含有
    する組成物を、吹き付け法又は流動浸漬法による粉末コ
    ーティングによって加熱された基体上に塗布し、生成塗
    布体を使用樹脂の融点以上で焼成後、樹脂の結晶化温度
    から樹脂のガラス転移温度迄の冷却過程では5℃/分以
    下の平均冷却速度で徐冷することを特徴とする、ポリフ
    ェニレンサルファイドコーティング膜の製造法。
  8. 【請求項8】直鎖状ポリフェニレンサルファイドが直鎖
    ポリフェニレンサルファイドである、請求項7のコーテ
    ィング膜の製造法。
  9. 【請求項9】基体が金属である、請求項7および8のい
    ずれか1項のコーティング膜の製造法。
  10. 【請求項10】実質的にポリフェニレンサルファィドの
    みからなる、請求項7〜9のいずれか1項のコーティン
    グ膜の製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10231445A (ja) * 1997-02-18 1998-09-02 Polyplastics Co 粉末塗装用樹脂材料及びそれを用いた粉末塗装方法、並びに塗装品
WO2019203256A1 (ja) * 2018-04-18 2019-10-24 ポリプラスチックス株式会社 熱可塑性プリプレグ用ポリアリーレンサルファイド樹脂粉体及び熱可塑性プリプレグ
CN115785802A (zh) * 2023-02-09 2023-03-14 浙江德力装备有限公司 一种聚苯硫醚厚涂层及其制备方法

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