JPH0823925B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JPH0823925B2
JPH0823925B2 JP59160515A JP16051584A JPH0823925B2 JP H0823925 B2 JPH0823925 B2 JP H0823925B2 JP 59160515 A JP59160515 A JP 59160515A JP 16051584 A JP16051584 A JP 16051584A JP H0823925 B2 JPH0823925 B2 JP H0823925B2
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    • G11B5/48Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed
    • G11B5/488Disposition of heads

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は、フレキシブルディスク等の磁気記録媒体
を用いてディジタル信号を記録する磁気記録再生装置、
特に主として媒体の膜面に垂直方向の残留磁化を利用し
てディジタル記録を行なう磁気記録再生装置に関する。
〔発明の技術的背景とその問題点〕
フレキシブルディスク(フロッピーディスク)等の磁
気記録媒体を用いてディジタル記録を行なう磁気記録再
生装置では従来、既に記録されている旧情報を新情報に
更新する場合、旧情報を特に消去することなく、単に旧
情報の上に新情報を重ね書きする方法がとられてきた。
これはディジタル記録が基本的に飽和記録であり、しか
も磁化は面内方向を向いているため、情報記録点である
磁化転移点近傍の内部エネルギーが最大であること、す
なわち磁化転移点近傍が最も不安定であって書替えが容
易であるという理由からである。
オーディオ,ビデオ記録等における非変調アナログ記
録では、ディジタル記録と異なり不飽和記録であるた
め、記録に先立ち消去を行なうことが一般的である。ま
たディジタル記録でも非常に出力が小さくなる短波長域
まで使用する場合には、少しでもS/Nを高くする目的で
消去を行なうこともあるが本質的なものではなく、実際
コンピュータあるいは関連装置で使用されるフロッピー
ディスク等による磁気記録再生装置では、上述した重ね
書き法が唯一実用化されている方式である。
一方、近年では東北大学の岩崎教授の考案による垂直
磁化記録方式の高密度記録性能の優位性が確認され、実
用化へ向けて種々の研究・開発がなされている。垂直磁
化記録用の磁気記録媒体(以下、垂直磁気記録媒体とい
う)とは種々提案されているが、主なものはバリウムフ
ェライトを使用する塗布型媒体と、Co-Cr系合金薄膜を
使用する薄膜型媒体である。垂直磁化記録方式の理論,
あるいはその高密度記録性能については既に学会等で数
多く方向されているので、ここでは詳しくは言及しない
が、これを実用化する際には従来の面内記録方式では存
在しなかった垂直磁化記録特有の問題が発生する。
以下、本発明者が実験を通じて確認した垂直磁化記録
方式の問題点を説明する。第3図は種々の磁気記録媒体
を使用して重ね書きをしたときの実測データであり、実
効ギャップ長0.4μmのMn-Znフェライトヘッドを用い、
最初10KBPIの密度で信号を書込み、次に20KBPIで別の信
号を書込んだときの10KBPIの記録信号成分の減衰量をも
ってOWM(オーバーライトモジュレーション)をプロッ
トしたものである。縦軸がOWM(dB)であり、横軸は記
録電流値である。同図において31はCo-Υ‐Fe2O3塗布型
面内配向媒体の特性、32,33はバリウムフェライト塗布
型媒体の特性であり、32は塗布時に機械的加圧配向のみ
を加えた媒体の場合、33は機械的加圧配向に加え6KOeの
垂直磁場配向を加えた媒体の場合である。また、保磁力
Hcは特性31の媒体は600(Oe)、特性32,33の媒体は700
(Oe)であり、さらに磁性層厚はいずれも2μmであ
る。同図より磁性層の膜面に垂直方向に配向した垂直磁
気記録媒体は、面内配向媒体に比べ重ね書き特性が非常
に悪いことがわかる。一般に、OWMは−26〜30dB以下に
することが設計上要求される。第3図のような特性が得
られたヘッド−媒体系は、入出力特性から見た最適記録
電流値(最大出力を与える電流値)は7〜10mAO-pであ
った。この範囲で考えると、面内配向媒体では特性31に
示すように重ね書き特性は十分良好であるが、良く垂直
配向させた媒体では特性33に示すように重ね書き特性は
全く実用に供し得ない劣悪な特性である。弱く垂直配向
させた媒体では特性32のように、特性33に比較すれば重
ね書き特性は良好であるが、装置間の互換性等を考える
とやはり実用には問題がある。
ここで、上述の実験結果について若干の考察を試み
る。良く知られているように垂直磁化記録が高密度記録
に適している最大の理由は、いわゆる媒体内減磁界、特
に情報記録点に対応する磁化転移点付近の減磁界が零に
近いことにある。ところが、このことは内部エネルギー
が非常に低く安定であることと等価である。すなわち前
述したように、面内記録では磁化転移点は不安定である
ため、重ね書きにより容易に情報の更新が可能である
が、垂直磁化記録では重ね書きによって以前の情報を消
し去るには本質的に大きいエネルギーが要求されるので
ある。
垂直磁化記録の場合においても、例えば磁気ヘッドの
ギャップ長を大きくしたり、媒体の磁性層厚を極端に薄
くすることで重ね書き特性を改善することは可能であ
る。しかし、垂直磁化記録は基本的に短波長記録を目指
しているものである以上、ヘッドのギャップ長を大きく
することは許されない。また、磁性層厚を極端に薄くす
ることは薄膜型媒体では容易であるが、塗布型媒体では
困難である。保磁力Hcを小さくすることも考えられる
が、旧情報,新情報共に深く媒体中に磁化浸透するだけ
で、最終的なOWMにはほとんど改善が見られないばかり
でなく、再生出力,記録密度等の特性を損なうという問
題がある。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、主として磁気記録媒体の磁性層膜面
に垂直方向の残留磁化を利用してディジタル記録を行な
う場合における上述した基本的な問題、すなわち旧情報
が新情報中に雑音として混入することを効果的に防ぐこ
とを可能とした磁気記録再生装置を提供することにあ
る。
〔発明の概要〕
本発明は上記目的を達成するため、主として磁気記録
媒体の磁性層膜面に垂直方向の残留磁化を利用してディ
ジタル記録を行なう磁気記録再生装置において、リング
形の記録ヘッドまたは記録再生ヘッドと、磁気録媒体上
で記録ヘッドまたは記録再生ヘッドより先行する位置に
配置され,記録ヘッドまたは記録再生ヘッドによる記録
に先だって既に記録されている旧情報を消去するリング
形の消去ヘッドとを備えたことを特徴とする。尚、記録
または記録再生ヘッドと消去ヘッドとは一体に構成され
ていてもよいし、別々に構成されていても構わない。
〔発明の効果〕
本発明によれば、記録に先立って既に記録されている
旧情報を消去することができるので、新たに記録した情
報中に旧情報が雑音として混入するのが防止され、品質
の良い記録が可能となる。
ディジタル記録の分野において、記録再生ヘッドより
先行する位置に、記録トラックの両側を挟むようにトン
ネルイレーズヘッドと称される消去ヘッドを配置する方
法が知られているが、これは隣接トラック間の相互干渉
を防止するためのものであり、トラック上の旧情報は単
に新情報が重ね書きされるだけであるため、重ね書き特
性の劣悪な垂直磁化記録の場合には、前述した通り旧情
報が雑音として新情報に混入してしまう問題がある。本
発明によれば、旧情報をほぼ完全に消去してから新たな
記録を行なうため、垂直磁化記録の重ね書き特性に関係
なく良好な記録が可能である。また、完全な垂直磁化記
録ではないが膜面に垂直な残留磁化を一部利用して記録
を行なう場合でも、面内記録に比較して重ね書き特性が
劣化するので、本発明は有効である。
以上のように、本発明の磁気記録再生装置によれば、
情報の更新の際に旧情報が事前にリング形の消去ヘッド
により消去されるため、新情報中に旧情報が混入される
ことがない。
また、リング形の消去ヘッドであるが故に閉ループが
形成され、このため漏洩磁界も小さくクロストークが低
減できる。
更に、リング形の消去ヘッドによる消去後の磁化パタ
ーンは、磁性層膜面に対して略斜め方向の内部エネルギ
ー状態が低い状態となるため、リング形の記録または記
録再生ヘッドによる情報の更新を低エネルギーで行うこ
とができる。従って、装置として高効率化が達成され、
また2次歪の影響も十分に低減できる。
〔発明の実施例〕
第1図は本発明の一実施例に係る磁気記録再生装置を
示すものである。図において、磁気記録媒体11はこの例
ではディスク状に形成されたもので、主として磁性層の
膜面に垂直方向に残留磁化が形成されるように、すなわ
ち膜面に垂直方向に磁化容易軸を有するように形成され
ている。磁性層は例えばバリウムフェライトを基体上に
塗布して形成されたものである。
磁気記録媒体11の磁性層に対向して磁気ヘッド12が配
置されている。磁気記録媒体11は磁気ヘッド12に対して
矢印方向に回転走行するものとする。13は記録トラック
である。磁気ヘッド12はリング形の記録再生ヘッド14と
リング形の消去ヘッド15を有し、消去ヘッド15が磁気記
録媒体11上で記録再生ヘッド14より先行する位置、すな
わち記録再生ヘッド14より磁気記録媒体11の回転方向の
後方側に位置するように配置されている。なお、図では
わかり易くするため磁気ヘッド12の磁気記録媒体11に対
向する面を上側から透視した形で示している。
第2図は磁気ヘッド12を詳細に示したもので、リング
形の記録再生ヘッド14とリング形の消去ヘッド15とが一
体的に構成されている。すなわち、記録再生ギャップ16
を有する磁気コア17と、消去ギャップ18を有する磁気コ
ア19とを非磁性材料からなるスペーサ20を挟んで接合し
て一体化した構成である。磁気コア17,19にはそれぞれ
巻線21,22が巻回されており、記録時には巻線21に記録
電流が供給され、巻線22に直流または交流の消去電流が
供給される。再生時には、記録再生ヘッド14の巻線21か
ら再生出力が取出される。
消去ギャップ18のギャップ幅W2(トラック幅方向の寸
法)は記録再生ギャップ16のギャップ幅W1以上に設定さ
れ、また消去ギャップ18のギャップ長G2(トラック長さ
方向の寸法)は記録再生ギャップ16のギャップ長G1より
十分に大きく設定されている。W2≧W1とする理由は言う
までもなく、トラックの両側に重ね書きの部分が生じて
OWMが増加するのを防止するためである。また、G2>G1
とするのは消去効果が十分に得られるようにするためで
あり、消去ヘッド15は記録再生上の制約がないため、こ
うしてG2を十分に大きくすることができるのである。ま
た、G1<G2であると、消去ギャップ18で検出した信号磁
束により、記録再生ヘッド14の磁気コア17にクロストー
クを生じることがあるが、G2》G1としておけばギャップ
ロスの効果でこのクロストークは十分に抑制できる。
以上のように、本発明は垂直磁化記録ないしはそれに
準ずる磁気記録においては本質的に重ね書き特性が劣悪
であるという実験的事実に立脚して、リング形の記録再
生ヘッドの媒体走行方向後方、すなわちリング形の記録
再生ヘッドより先行する位置にリング形の消去ヘッドを
配置することにより、良好な記録を可能としたものであ
る。実際、第3図に示した32,33の特性を有する磁気記
録媒体を用いて第1図に示すような構成の装置でディジ
タル記録および再生を行なったところ、いかなる状況に
おいても再生出力における旧情報の残留レベルを−50dB
以下に抑えることが可能であることが確認された。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その
要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施が可能である。例
えば実施例ではリング形の記録再生ヘッドとリング形の
消去ヘッドが一体的に構成されていたが、別々に構成さ
れていてもよい。また、記録ヘッドと再生ヘッドとが別
々に設けられていてもよい。その場合、消去ヘッドは記
録ヘッドに対して磁気記録媒体上で先行する位置にあれ
ばよく、再生ヘッドと消去ヘッドとの位置関係は特に限
定されない。また、本発明はバリウムフェライト磁性層
等による塗布型の磁気記録媒体を用いた場合に特に有効
であるが、勿論Co-Cr系合金薄膜等を磁性層とする薄膜
型の磁気記録媒体を用いた場合にも適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る磁気記録再生装置の概
略構成を示す図、第2図は同実施例における磁気ヘッド
部の詳細を示す図、第3図は本発明の基礎となった種々
の磁気記録媒体における重ね書き特性を示す図である。 11……磁気記録媒体、12……磁気ヘッド、13……記録ト
ラック、14……記録再生ヘッド、15……消去ヘッド、16
……記録再生ギャップ、17……磁気コア、18……消去ギ
ャップ、19……磁気コア、20……非磁性スペーサ、21,2
2……巻線。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主として磁気記録媒体の磁性層膜面に対し
    て垂直方向の残留磁化を利用してディジタル記録を行う
    磁気記録再生装置において、 リング形の記録ヘッドまたは記録再生ヘッドと、 前記磁気録媒体上で前記記録ヘッドまたは前記記録再生
    ヘッドより先行する位置に配置され,前記記録ヘッドま
    たは前記記録再生ヘッドによる記録に先だって既に記録
    されている旧情報を消去するリング形の消去ヘッドとを
    備えたことを特徴とする磁気記録再生装置。
  2. 【請求項2】記録ヘッドまたは記録再生ヘッドと消去ヘ
    ッドとが一体に構成されていることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の磁気記録再生装置。
  3. 【請求項3】消去ヘッドのギャップ幅が記録ヘッドまた
    は記録再生ヘッドのキャップ幅以上であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の磁気記録再生装置。
  4. 【請求項4】消去ヘッドのギャップ長が記録ヘッドまた
    は記録再生ヘッドのギャップ長より大きいことを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の磁気記録再生装置。
JP59160515A 1984-07-31 1984-07-31 磁気記録再生装置 Expired - Lifetime JPH0823925B2 (ja)

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