JPH08239032A - 索条牽引懸垂車両 - Google Patents

索条牽引懸垂車両

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JPH08239032A
JPH08239032A JP6865595A JP6865595A JPH08239032A JP H08239032 A JPH08239032 A JP H08239032A JP 6865595 A JP6865595 A JP 6865595A JP 6865595 A JP6865595 A JP 6865595A JP H08239032 A JPH08239032 A JP H08239032A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 安定した走行で急勾配にも姿勢を維持できる
懸垂車両を提供する。 【構成】 走行台車10に懸垂機40を介して客車を懸
垂し、台車フレーム11に走行車輪、案内車輪21及び
浮上防止車輪22を具え、下方には握索機30を具え索
条を握索して牽引され運行する。懸垂機40は走行台車
に枢着懸垂した片持型を用いている。走行車輪の前後輪
の輪重の偏差が少なく安定した走行が可能で、また、曲
線区間の通過時においても左右輪重の偏差が少なく安定
な走行が可能である。索条を走行線路から滑車等に誘導
する場合には、懸垂機本体部が通過しない開放側から容
易に外部の滑車等に導くことができる。また、走行線路
が急勾配の場合も、懸垂機は常に垂直姿勢を維持して垂
下され、客車の床面は水平姿勢を維持することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は索条に牽引されて走行軌
条を転走して懸垂車両で輸送を行う索条牽引懸垂車両に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】索条に牽引されて懸垂車両を用いて輸送
を行う設備としては索道設備が最も知られ、主として山
岳傾斜地における輸送設備として著しく多用されてい
る。索道設備は索条牽引による地上固定動力駆動である
から車上に駆動装置をもたず、従って車両重量が軽量化
され、かつ、これを支持する地上構造物も軽量化され、
よって経済的に建設できること、また、粘着によらない
走行であるため急勾配線路の走行も可能という特徴をも
っている。
【0003】しかし、索道設備に曲線区間を設けるため
には比較的大掛かりな設備を要する点や、また、車両に
空調設備等を設けるための電源の引き込みが困難である
こと等の短所も有している。索道設備が、近時は都市、
地域交通用の設備としの利用も志向されるようになっ
て、これらの点の改善が求められている。
【0004】このような点を改善するものとして、懸垂
車両の支持に懸垂型モノレール等と同様に剛体の軌条を
用い、車両の走行移動に関しては索条の牽引による方法
が考えられが、このようなものとして、例えば、特開平
2−20467号公報「索条で牽引する懸垂型車両」で
提案されたもの等がある。ここには、剛体軌条に沿って
転走し索条に牽引される懸垂車両で輸送を行う設備が記
載され提案されている。かつ、ここでは2方式の懸垂車
両が開示されていて、その一は、走行軌条を走行する走
行装置の上方に牽引用の索条が架設されていてこれに対
応して走行装置の上方の握索機が索条を握索して走行す
る型式のものであり、他の一は、走行軌条の下方に牽引
索条が架設されていて、これに対応して走行装置の下方
にある握索機がこの索条を握索して走行する型式のもの
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この先行技術のものに
おいても、一定の走行性能を発揮できるものであるが、
なお、次のような更に改善を要する点も残されている。
【0006】即ち、その一は、牽引索条を走行車輪の水
準高となるべく高低偏差がないように設備しないと、索
条牽引に伴って走行車輪の前輪、後輪の輪重に不平衡を
生じ乗り心地を害する恐れがあるが、従来技術のうち特
に索条を上方に配設した構成のものにおいては、握索機
の位置は走行車輪位置を避けて十分上方に設けなければ
ならないために、索条位置と走行車輪位置との偏差が大
きくなり、また握索機の支持構造が複雑となる点が挙げ
られる。その二は、走行線路の起点、終点等においては
索条を駆動するために設けられる駆動滑車等の滑車等に
索条を誘導する必要があるが、先行技術において索条を
下方に配設した構成のものにおいては走行軌条を懸垂機
が両側から抱え込んだ両持型構造のために索条を滑車に
誘導するための出口が閉ざされており、この場合は索条
を上方に屈折させながら退避させないと索条の誘導がで
きない。更に、走行台車と客車とは基本的には相互に一
体の固定関係となっているので、走行線路の勾配に従っ
て客車の床面も傾斜し、よって急勾配線路を走行する場
合には床面が傾いて乗客の足元が不安定となる問題があ
る。索条牽引型の車両は、粘着による走行とは異なって
急勾配の走行も可能な点に本来は特徴を有しているので
あるが、このように床面の勾配によって許容の勾配制限
を生ずると、本来具えてた特徴を十分に発揮できないと
いう難点があった。
【0007】本発明は、先行技術におけるこのような不
満点を改善した索条牽引懸垂車両を提案し、提供するこ
とを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的に対応して本発
明は、走行軌条の転走面を走行すべき走行車輪と、案内
面を転動すべき案内車輪と、他の案内面を転動すべき浮
上防止車輪とを枢着した走行台車と、前記走行台車の下
方に具え牽引索条を握索すべき握索機と、前記走行台車
に枢着され前後の方向にピッチング揺動可能に懸垂さ
れ、かつ正面視一方が開放側をなして片持状に形成され
た懸垂機と、前記懸垂機に懸垂された客車と、よりなる
索条牽引懸垂車両、として構成したものである。
【0009】
【作用】本発明の索条牽引懸垂車両は、走行台車に片持
状の懸垂機を介して客車を懸垂してなっている。走行台
車は台車フレームを基幹体として、これに走行車輪、案
内車輪及び浮上防止車輪を具え、かつ、走行台車の下方
には、ばね式の握索機を具えている。懸垂機は走行台車
に枢着して懸垂した片持型の懸垂機であり、この懸垂機
の下方には客車を懸垂している。
【0010】このような構成において、該索条牽引懸垂
車両は、握索機で索条を握索して、地上動力により循環
する索条の移動と共にこれに牽引されて運行する。握索
機の握索はばねの弾性力に起因する握索力によって行わ
れる。走行台車の走行は、走行車輪が走行軌条の転走面
を走行して行われ、案内車輪は走行軌条の案内面に導か
れて転動して水平方向の横圧に基づく車両の左右の偏
り、逸脱を防止し、曲線区間の走行を可能とする。ま
た、浮上防止車輪は走行軌条の他の案内面に導かれて転
動し、不平衡力による車両の浮き上がり等を防止する。
【0011】本発明の索条牽引懸垂車両においては、車
両の牽引力が作用する握索機は走行台車の下方に設け
て、走行車輪との上下水準高の偏差を少なくするように
構成しているので、車両の牽引力による走行車輪の前後
輪の輪重の偏差が少なく安定した走行が可能である。ま
た、同様の理由によって、曲線区間の通過時において
も、左右輪重の偏差が少なく安定した曲線走行が可能で
ある。
【0012】懸垂機は走行台車に枢着して懸垂した片持
型懸垂機を用いており、両側支持のいわゆる抱え込み式
懸垂機ではないので、走行線路の起点、終点等で索条を
走行線路から転向させて固定位置にある駆動滑車等に誘
導する場合には、本発明の構成によれば懸垂機の開放側
から索条と干渉なく容易に該索条を誘導退避させること
が可能である。
【0013】更に、本発明の索条牽引懸垂車両の場合に
は、走行機と懸垂機とは懸垂軸を介してピッチング揺動
可能に枢着されており、走行線路が急勾配の場合でも、
懸垂機は基本的には垂直姿勢を維持して垂下し、従って
客車の床面は水平姿勢を維持するので、急勾配線路の設
定が可能である。
【0014】
【実施例】図1,図2及び図3は、本発明の実施例にお
ける索条牽引懸垂車両1を示したものである。索条牽引
懸垂車両1は、走行台車10に懸垂機40を介して客車
2を懸垂したものである。
【0015】先づ、走行台車10は、全体としては図1
〜図3に示されており、また部分の詳細は図4〜図5に
示されているように、基幹体として台車フレーム11が
あって、これに走行車輪20,20…,案内車輪21,
21…,及び浮上防止車輪22,22…を枢着すると共
に、台車フレーム11の下方には握索機30を固着して
そなえている。
【0016】台車フレーム11は平面視において図3の
如く、中央に基幹部12があって、この前後の位置にお
いてそれぞれ左右に軸受部13,13及び13,13を
設けて形成されている。
【0017】図4は、図2または図3に示した走行台車
10におけるア断面の詳細を示したものであるが、基幹
部12から軸受部13,13が左右に突出している。こ
の軸受部13,13…には走行車輪軸20aまたは20
a…がそれぞれ固着され外方に向かって片持状に延出し
ており、かつ、該走行車輪軸20aまたは20a…には
それぞれ走行車輪20または20…が枢着されている。
この走行車輪20または20…は、後記の走行軌条51
の転走面53または53を転走するためのものである。
【0018】次に、同じく図4において前記軸受部13
または13のからそれぞれ下方に向かって、下方突出部
14または14が突出して形成されている。かつ、この
下方突出部14または14にはそれぞれ案内車輪軸21
aまたは21aが固着されて片持状に下方に延出し、こ
の案内車輪軸21aまたは21aにはそれぞれ案内車輪
21または21が枢着されている。この案内車輪21ま
たは21…は後記の走行軌条51の案内面55または5
5に導かれて転動するためのものである。なお、図1に
おいては、走行台車10の図の左方寄りに案内車輪21
が図示されている。
【0019】次に、図5は、台車フレーム11の図にお
けるイ断面の詳細を示したものであるが、基幹部12か
ら左右には下方に向かって下方突出部15,15が突出
している。この下方突出部15,15…にはそれぞれ浮
上防止車輪軸22aまたは22a…がそれぞれ固着され
外方に向かって片持状に延出しており、かつ、該浮上防
止車輪軸22aまたは22a…にはそれぞれ浮上防止車
輪22または22…が枢着されている。この浮上防止車
輪22または22…は後記の走行軌条51の案内面54
または54を転走するためのものである。なお図1にお
いては、走行台車10の図の右方寄りに浮上防止車輪2
2が図示されている。
【0020】次に、図1により、台車フレーム11の図
におけるウ断面の詳細を説明する。ここでは台車フレー
ム11の基幹部12から上方にフランジ部材17と17
が固着され上方に突出しておりこれらにはそれぞれ同芯
状に孔17aまたは17aが穿孔されている。ここには
懸垂軸23が内挿され後記の如く懸垂機40が枢着され
支承される。また基幹部12の下方には取付面16が形
成されており、ここには後記の握索機30が固着される
べき部位である。
【0021】握索機30は図6に示した如く、握子部が
下方に向けて開閉するばね式握索機を用いている。即
ち、固定握子部材31は上方の取付基板31bによって
前記の取付部16に当接させ例えばボルト等で固着して
いる。一方、固定握子部材31は下垂延出して先端付近
には鉤状の握子部31aが形成されている。一方、固定
握子部材31の握子部31a上方付近にはおいてはピン
32を介して可動握子部材33が枢着されている。可動
握子部材33は、前記のピン32に枢着された部位付近
の下方に握子部33aが突出形成され、一方、該可動握
子部材33は図における右方やや上昇方向に蛇行状に延
出してレバー部33bを形成し、更に端末付近にはピン
部33cが形成されている。かつ、このピン部33cに
は、開閉ローラ34が枢着されている。
【0022】次に、この可動握子部材33と、固定側に
ある固定握子部材31との間には握索力を発揮するため
の圧縮ばね37が介在している。即ち、可動握子部材3
3のレバー部33b中間付近にはピン36が固着されて
おり、一方、固定握子部材31にはピン35が固着され
ていて、これらのピン35,36の間にはそれぞればね
受部材35aまたは36aを介して圧縮ばね37が間挿
されている。圧縮ばね37の弾性復元力ないし伸長力に
よって可動握子部材33はピン32を中心として矢印3
8a方向に回動し、よって握子部31aと握子部33a
とが相互に近寄り移動して索条70を挟圧し握索する。
また、握索を解く場合には後記のように開閉ローラ34
を下方から押圧して、圧縮ばね37を圧縮して行うよう
にしている。
【0023】次に、懸垂機40は、図1に示されている
ように、台車フレーム11の上方に枢着されて懸垂垂下
された片持型の懸垂機である。即ち、懸垂機40は、上
方において枢着基部41があり、これより屈曲して下方
に垂下しかつ湾曲状に形成された本体部42があって、
更に下端においては屈曲して形成された懸垂連結部43
があり、これらが一体的に連なった構成となっている。
上方における枢着基部41には孔41aが穿孔されて、
懸垂軸23に回動ないし揺動可能に外挿、枢着されてい
る。懸垂機40の下端の懸垂連結部43にはピン44を
介して客車2をピッチング揺動可能に枢着、懸垂してい
る。
【0024】前記の通り、懸垂機40は、正面視片持型
であり、図1の通り走行軌条51の一方側、即ち、図1
における図幅右側に本体部42があり、左側には開放側
45が形成されている。また、客車2は図1においては
図示は略示されているが、従来の索道設備等で用いられ
ている搬器と基本的に均等の閉鎖型客車車両を用いてい
る。
【0025】以上のように構成された索条牽引懸垂車両
1について、次に、動作、ないし作用について述べる。
図1には走行線路50ないし走行軌条51と索条牽引懸
垂車両1との相互の関係が図示されている。本実施例の
場合、走行軌条51はほぼI型状をなした軌条部材5
2,52を互いに並行に配設し、これらを連結部材56
等を用いて相互に一体関係に連結した形状としている。
軌条部材52,52のそれぞれ上面は転走面53,53
が形設されて、また、軌条部材52,52の互いに対向
する内面側には案内面53または53がそれぞれ形設さ
れている。また、前記の転走面53,53の裏面側には
案内面54,54が形成されている。
【0026】索条70は軌条部材52と52とに挟まれ
た内側領域内に延架されていて、受索輪60,60…,
圧索輪63,63…,または屈曲輪67a,67a…,
または67b,67b…等によって所定の間隔ごとに支
承、誘導されている。即ち、直線区間等の一般の区間に
おいては軸61,61…に枢着された受索輪60,60
…によって支承され、走行線路50を上方に凹の縦曲線
をなして架設している箇所においては軸64,64…に
枢着されている圧索輪63,63…が索条70を圧索支
承している。また、走行線路50が曲線区間をなしてい
る場合においては左曲線または右曲線に対応して軸68
a,68a…に枢着された屈曲輪67a,67a…,ま
たは軸68b,68b…に枢着された屈曲輪67b,6
7b…によって索条70が屈折誘導されている。
【0027】このような構成を有する走行軌条51は鎖
線で示したように支柱アーム57によって走行線路50
の延長方向に所要間隔ごとに下受支持されて高架の位置
に架設されている。なお、前記の支柱アーム57は、図
示は省略されているが図の左方において支柱に固着され
て支持されたものである。
【0028】次に、握索機30は図1において、台車フ
レーム11から下方に延出した構成で、握子部31a,
33aは前記の受索輪60,60…,圧索輪63,63
…,屈曲輪67a,67a…,67b,67b…等の何
れにも干渉しないで通過可能に構成されている。握索機
30の握索作用は圧縮ばね37の伸長力ないし弾性復元
力に起因する握索力によって実現される。圧縮ばね37
の弾性復元力によってピン36を押圧すると可動握子部
材33はピン32を中心して矢印38aの方向に回動
し、よって握子部31aと握子部33aとが相互に近寄
り移動し、よって索条70は握子部31a,33aによ
って挟圧され握索が行われる。こうして索条70の移動
と共に走行台車10が牽引されて走行し、索条牽引懸垂
車両1の運行が行われる。
【0029】停留場等において握索を解く場合には図6
に示した如く固定位置に設けた放索案内軌条58を配設
した区間に進入すると、開閉ローラ34は放索案内軌条
58に導かれて転動しながら上向きに押圧され、可動握
子部材33はピン32を中心に矢印38b方向に回動
し、かつ、このときに圧縮ばね37は加圧、圧縮され
る。握子部31aと33aとは相互に遠退き移動して、
この結果、索条70は鎖線で示した索条の位置71の如
く矢印39方向に脱出し、放索が行われる。放索案内軌
条58は図6において開閉ローラ34の周縁に当接して
いないが、該放索軌条58は索条牽引走行車両1の進行
に伴ってしだいに上方の位置をとるように配設されて、
開閉ローラ34を押し上げるようにされている。
【0030】このような走行台車10の構成において
は、一般に走行車輪20,20の水準高と索条70の水
準高との偏差がなるべく少ない方が走行安定上有利であ
る。図7は、走行車輪20,20の前輪20fと後輪2
0rと、索条70との間に偏差Dがある場合の作用力の
関係を定性的に説明したものである。図示のごとく走行
車輪20の水準高から索条70の位置、即ち握子部31
a,33aの位置までの間の偏差Dがあるとき索条70
の牽引による牽引力Fが作用すると、前輪20fには上
方に向かう作用力Pfが作用し、後輪20rには下方に
向かう作用力Prが作用し、車両の自重を勘案しても前
輪20fの輪重は後輪20rの輪重と比較して小さくな
る。この傾向は、偏差Dが大きいほど大きくなることは
明らかである。
【0031】また、曲線通過の場合にも同様の問題を生
ずる。図8において左右の走行車輪20または20の水
準高と索条70の水準高との間に偏差Dがある場合に、
走行する線路が曲線区間の場合においては、索条70の
屈曲による屈曲力Fcによって一方の車輪20には上向
きの作用力Piが作用し、他方の車輪20には下向きの
作用力Poが作用する。従ってこの場合にも、自重を勘
案しても左右輪重の不平衡を生じている。
【0032】何れの場合にも偏差Dが大きいほうが前後
または左右の輪重の偏差を生じやすい。これに対して本
発明の技術においては、索条70の位置を走行車輪20
20…の水準高よりも下方に設けるように構成してい
る、このようにすると、索条位置を走行車輪位置より上
方に設けて握索機は走行車輪位置を避けて更に突出させ
る従来技術の構成の場合よりも偏差Dを小さくすること
が可能で、よって前記のごとく走行安定性能を向上でき
る。
【0033】次に、本発明の索条牽引車両1の懸垂機4
0は片持型の構造を用いており、懸垂機40の一方の側
には開放側45が開口しているので、走行線路50から
索条70を側方にそらせて誘導することが極めて容易で
ある。即ち、走行線路の起、終点等の付近において索条
70を固定位置にある原動滑車、緊張滑車等の滑車80
に導入する場合に、図9の如く索条70を誘導車輪等を
用いて軌条部材51,51から懸垂機40の開放側45
の方に誘導し、滑車80に誘導することができる。即
ち、索条70を誘導車輪等を用いて先ず矢印73の方向
に下方に導いて索条の位置74に到達させ、次いで他の
誘導車輪等を用いて索条70を矢印75方向に水平に誘
導して索条の位置76に到達させると、このようにして
原動または緊張用の滑車80の溝部に容易に到達させ、
導入することができる。これは、両持型の閉じた懸垂機
の場合には例えば索条を上方に導かなければ達成できな
いのに対して、開放側45を有する本発明の構成の大き
な特徴の一つである。
【0034】次に本発明の車両においては、走行台車1
0と懸垂機40との間に懸垂軸23が介在した枢着懸垂
となっているので、走行台車の勾配走行に関係なく懸垂
機及び客車は基本的に垂直に懸垂された状態となってい
る。走行台車と、客車が固定懸垂式となっているものに
おいては客車の床面は走行線路の勾配に依存して傾斜す
るが、本発明の索条牽引懸垂車両においては走行線路の
勾配に関係なく、客車の床面は基本的に水平となり、従
って、索条牽引推進の特徴である急勾配線路の設定が可
能である。
【0035】
【発明の効果】索条に牽引されて懸垂車両を用いて輸送
を行う輸送設備は経済的に建設できること、また、粘着
によらない走行であるため急勾配線路の走行も可能とい
う特徴をもっており、また、懸垂車両の支持に剛体軌条
を用いる方式は曲線通過や、剛体軌条に添架した給電線
から行うことが容易であること等から、近時は地域交通
用の設備等としての利用も志向されている。しかし、こ
の種の施設は従来から提案はされていたが、未だ、不満
な点も多く残されていた。
【0036】本発明の構成においては、次のような効果
ないし特徴を有している。
【0037】まず、握索機の索条握索位置をを走行車輪
より下方の位置となるようにしているので、走行車輪と
索条との間の偏差Dを小さく定めることが可能であり、
これによって前後輪重の不平衡を小さくし、安定な走行
を行わせることができる。また、同様の理由のよって、
曲線通過時においても左右走行車輪の輪重の不平衡が軽
減され、搬器に加わる横圧が少なく安定した走行を行わ
せることが可能である。
【0038】次に、本発明の構成においては、客車は懸
垂機で懸垂軸を介して前後揺動可能に懸垂されているの
で、走行軌条の勾配に関係なく客車の床面は常に水平姿
勢を常に維持できる構造となっている、従って、走行軌
条の勾配に依存して客車床面も傾斜する従来の同種設備
の場合には乗客の足元が不安定となるので、急勾配線路
を走行させることができなかったが、本発明の構成にお
いては急勾配線路の走行が制限なく可能である。索条牽
引車両の粘着によらない牽引走行で急勾配の制限がない
という特徴がこれによって十分に発揮される。
【0039】更に、本発明の索条牽引車両の懸垂機は片
持型の構造を用い、懸垂機の一方側に開放側が開口して
いるので、走行線路から索条を側方にそらせて誘導する
ことが極めて容易である。よって、停留場等において索
条を滑車に誘導する設備の構成が極めて簡単に経済的に
達成することができる。
【0040】このように本発明の索条牽引懸垂車両の構
成は、従来の同種のものと比較して安定な走行が行わ
れ、かつ、構成が経済的に成立する特徴を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 索条牽引懸垂車両を示す正面図である。
【図2】 索条牽引懸垂車両の走行台車を示す側面図で
ある。
【図3】 索条牽引懸垂車両の走行台車を示す側面図で
ある。
【図4】 走行台車のア部の詳細を断面図で示した正面
図である。
【図5】 走行台車のイ部の詳細を断面図で示した正面
図である。
【図6】 握索機の構成を示した正面図である。
【図7】 走行車輪の前後輪重の不平衡を略図で示した
説明図である。
【図8】 曲線通過時において走行車輪の左右輪重の不
平衡を略図で示した説明図である。
【図9】 懸垂機の開放側と索条との関係を略図で示し
た正面図である。
【符号の説明】
1 索条牽引懸垂車両 2 客車 3 構体 4 窓 10 走行台車 11 台車フレーム 12 基幹部 13 軸受部 14 下方突出部 15 下方突出部 16 取付部 17 フランジ部材 17a 孔 20 走行車輪 20a 走行車輪軸 20f 前輪 20r 後輪 21 案内車輪 21a 案内車輪軸 22 浮上防止車輪 22a 浮上防止車輪軸 23 懸垂軸 30 握索機 31 固定握子部材 31a 握子部 31b 取付基板 32 ピン 33 可動握子部材 33a 握子部 33b レバー部 33c ピン部 34 開閉ローラ 35 ピン 35a ばね受部材 36 ピン 36a ばね受部材 37 圧縮ばね 38a,38b 矢印 39 矢印 40 懸垂機 41 枢着基部 42 本体部 43 懸垂連結部 44 ピン 45 開放側 50 走行線路 51 走行軌条 52 軌条部材 53 転走面 54 案内面 55 案内面 56 連結部材 57 支柱アーム 58 放索案内軌条 60 受索輪 61 軸 62 軸受 63 圧索輪 64 軸 65 ブラケット 67a,67b 屈曲輪 68a,68b 軸 70 索条 71 索条の位置 72 矢印 73 矢印 74 索条の位置 75 矢印 76 索条の位置 80 滑車 ア、イ、ウ 断面の位置を示す記号 D 偏差 F 牽引力 Pf,Pr 作用力 Fc 屈曲力 Pi,Po 作用力

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行軌条の転走面を走行すべき走行車輪
    と、案内面を転動すべき案内車輪と、他の案内面を転動
    すべき浮上防止車輪とを枢着した走行台車と、前記走行
    台車の下方に具え牽引索条を握索すべき握索機と、前記
    走行台車に枢着され前後の方向にピッチング揺動可能に
    懸垂され、かつ正面視一方が開放側をなして片持状に形
    成された懸垂機と、前記懸垂機に懸垂された客車と、よ
    りなる索条牽引懸垂車両。
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