JP3233960B2 - 支索及び軌条走行併用の懸垂式輸送設備 - Google Patents

支索及び軌条走行併用の懸垂式輸送設備

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JP3233960B2 JP35169691A JP35169691A JP3233960B2 JP 3233960 B2 JP3233960 B2 JP 3233960B2 JP 35169691 A JP35169691 A JP 35169691A JP 35169691 A JP35169691 A JP 35169691A JP 3233960 B2 JP3233960 B2 JP 3233960B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高架に張架した支索区
間と、高架に懸架した軌条区間との併用よりなる運行線
路に搬器を運行して輸送を行う支索及び軌条走行併用の
懸垂式輸送設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高架位置に架設されたガイドウェイない
し運行線路に沿って懸垂型車両を運行して輸送を行う設
備としては、懸垂型モノレール方式や、索道方式の設備
等が知られておりそれぞれ特徴をもっている。
【0003】これらのうち、懸垂型モノレール方式の輸
送機関は、よく知られているように客車を懸垂した走行
機を剛体的な走行軌条に沿って電動力により自走転走さ
せて輸送を行うもので、運行線路は曲線または直線区間
を任意に組み合わせて自由に設定することが可能であ
り、また、転走面と走行車輪との粘着によって走行可能
な範囲内での勾配区間の設定も許容される。また、間欠
的に支持構造物を立設して地上よりやや高所に走行軌条
を架設し、既存の道路等の上空を利用して設備すること
ができるので、連続した路盤を形成しなければならない
一般の鉄道方式よりも経済的に建設できるものとして、
近時はしばしば都市交通又は地域交通用の中量輸送機関
として計画され、建設されている。
【0004】しかし、懸垂型モノレール方式において
は、剛体ビームの走行軌条を用いているのでこの剛体ビ
ームの強度の制約から一定限度以上の長径間を架設する
ことは困難であり、従って支持構造物の建設基数も多く
なって、一般の鉄道方式に比較すれば低コストであると
しても、なお、経済性には不満が残った。また、搬器は
個別に動力設備を保有して自走で走行するものであるか
ら、搬器の設備が複雑となり、この点からも設備が大掛
かりとなること、更に、車輪と軌条との摩擦ないし粘着
に依存する走行であるから、一定以上の急勾配を設ける
ことができないという欠点があった。
【0005】これに対して、支索と曳索とを用いる索道
方式の場合について述べれば、高架の位置に張架した静
止索としての支索と、該支索に沿って循環移動する曳索
とを用いて、支索によって搬器を支承誘導すると共に、
曳索には握索機を咬着させて曳索の移動と共に該搬器を
牽引して輸送を行うようにされている。かつ、これに用
いる支索、曳索等の索条は地上に立設した支柱に支索サ
ドルまたは受圧索装置を介して支持、誘導し運行線路を
形成するものであり、支柱と支柱との間隔は相当の長径
間に定めることも可能である。よって地表面には連続的
な路盤工事を必要とせず、地形の凹凸形状や障害物に左
右されずに非常に経済的に運行線路を定めることができ
るという大きな特徴を有している。搬器の推進は曳索の
牽引によって行われ、自走のための動力をもたないの
で、搬器の設備は簡単になり、この点からも経済的に有
利である。更に、粘着による走行ではないため、急勾配
区間にも運行できるという特徴も有している。このよう
な特徴を生かして、索道方式は山岳傾斜地においてスキ
ー場や観光地における輸送機関として多用されている。
しかしながら索道方式は、運行線路の途中に曲線を設
けたい場合には複雑な屈曲設備が必要であるという難点
があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、近時は、道路の
上空等を利用した低コストの、かつ、信頼性の高い都市
交通ないし地域交通用の輸送機関を求める志向が高まっ
ている。このような要求に対して、しばしば懸垂型のモ
ノレール方式の設備等が検討されるが、この設備は前記
の如く、充分に経済的に建設できないという難点があっ
て、計画を放棄せざるを得ない場合もあった。
【0007】他方、索道方式の輸送設備は、過去の建設
実績と技術の蓄積により、輸送量も増加し、信頼性も向
上し、かつ経済的に設備できる点から、このような輸送
要請にも対応してしばしば計画検討されるようになって
きている。しかし、都市交通ないし地域交通用として索
道方式を用いる場合には、直線区間のみで構成された両
端停留場間の輸送のみでなく、経過する区間の大部分が
直線の区間であるとしても一部には曲線の区間を含んだ
運行線路を必要とする場合が多く、このような場合には
従来の索道方式の設備では対応することが困難であっ
た。
【0008】そこでこのような事情に対応して本発明
は、前記の両方式の特性を併用して、運行線路に支索区
間と軌条区間との何れかをを必要条件に応じて選択して
用い、曳索の牽引によって搬器の走行を行うようにし
て、経済的に設備できるものであると共に所要の機能を
満足し、更に、同一の搬器で乗客の乗り換えを要するこ
となく連通ないし直通運行できるようにした懸垂型輸送
設備の提供を目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的に対応して本発
明は、高架の位置に懸架された運行線路に曳索で牽引さ
れる搬器を運行して輸送を行う懸垂式の輸送設備であっ
て、前記運行線路は高架の位置に張架された並行する2
本の支索よりなる支索区間と、高架の位置に懸架された
並行する2本の走行軌条よりなる軌条区間との組み合わ
せより構成されてなると共に、前記支索区間と前記軌条
区間との間の遷移部において、支索は前記走行軌条に対
して搬器の通過径路の外側方の下方から接近しまたは外
側方の下方に退避するように誘導され、前記搬器は懸垂
台車ユニットに懸垂機を介して搬器本体を懸垂したもの
であり、前記懸垂台車ユニットは懸垂台車フレームと、
前記懸垂台車フレームに枢着され踏面が溝型をなして前
記支索区間と前記軌条区間との何れの区間も転送可能と
した走行車輪と、及び前記曳索を握索する握索機と、を
具えてなると共に、前記搬器は前記曳索に牽引されて、
前記支索区間においては前記支索を走行車輪で転走する
支索区間運行モードで運行し、前記軌条区間においては
前記走行軌条を走行車輪で転走する軌条区間運行モード
で運行するようになした、支索及び軌条走行併用の懸垂
式輸送設備、と構成したものである。
【0010】
【作用】本発明の、支索及び軌条走行併用の懸垂式輸送
設備の運行線路は、高架の位置に張架された支索を用い
た直線の区間よりなる支索区間と、高架の位置に懸架さ
れた走行軌条を用いて曲線または必要によっては直線の
区間よりなる軌条区間と、の2種類の区間の組み合わせ
よりなり、これらの支索区間と軌条区間との間は遷移部
を経て連通して構成したものである。また、搬器を曳行
牽引するための曳索は両端の滑車と滑車との間に巻き回
されて前記の運行線路の支索区間と及び軌条区間とに沿
って張架され循環運転されるようになっている。
【0011】搬器は、懸垂台車ユニットと、該懸垂台車
ユニットに枢着懸垂された懸垂機と、及び該懸垂機に連
結懸垂された客車ないし搬器本体とよりなっている。か
つ、この懸垂台車ユニットは、懸垂台車フレームに、走
行車輪と、かつ、曳索を握索するための握索機を具えて
いる。ここで、走行車輪は転走面ないし踏面が溝型をな
したもので、支索上と走行軌条上との両方に共用して転
走可能のものである。
【0012】運行線路の支索区間において、搬器は懸垂
台車ユニットに具えた握索機によって曳索を握索して曳
索に牽引され、かつ、走行車輪によって支索に導かれて
転走する支索区間運行モードによって運行する。また、
軌条区間においては、同じく握索機によって曳索を握索
して曳索に牽引され、かつ、走行車輪によって軌条に導
かれて転走する軌条区間運行モードによって運行する。
【0013】前記の運行線路のうち、支索区間は支柱な
いし支持構造物の配設間隔を長くして、支索及び曳索等
の索条を間欠的に支承した線路構成とすることができる
ので、設備ないし建設のコストを低減することが可能で
あり、運行線路のうち直線をなした区間に好適に用いる
ことができる。一方、軌条区間においては曲線をなす線
路の設定が自由であるから、このような必要のある箇所
に好適に用いることができる。
【0014】搬器は、このように支索区間を支索区間運
行モードで運行し、軌条区間を軌条区間運行モードで運
行し、これら2種類の運行モードの併用により運行線路
を直通ないし連通運行が可能となっている。
【0015】
【実施例】図1は、本発明の支索及び軌条走行併用の懸
垂式輸送設備1の搬器10の全体を斜視図で示したもの
である。
【0016】搬器10は、大別して懸垂台車ユニット1
1と、懸垂機12と、搬器本体15とよりなっている。
かつ、懸垂台車ユニット11の懸垂台車フレーム21に
は複数の走行車輪50,50,50,50と、握索機3
0,30とを具えてなっている。
【0017】図1は、搬器10が支索区間2を運行して
いる運行モードの場合を示し、曳索71に曳行されて、
走行車輪50,50,50,50が支索70,70上を
転走している。
【0018】先ず、懸垂台車ユニット11について、図
1,図2,図3及び図4を用いて説明する。図2は、支
索区間2または4の運行モードにおける懸垂台車ユニッ
ト11の正面図であり、図3は軌条区間3の運行モード
における懸垂台車ユニット11の正面図であり、図4は
懸垂台車ユニット11の側面図である。
【0019】懸垂台車ユニット11は、骨格部ないし主
構造体として懸垂台車フレーム21を用いている。懸垂
台車フレーム21は骨格を略図で示した図5の如く、左
右の構造枠体22,22を一の連結部材24で連結した
一体固着関係の構成となっている。一方の構造枠体22
は側面視において上方に凹の倒立台型状ないしほヾU字
状をなした枠状体を用い、水平部材23で連結して構成
したもので、また、他の一の構造枠体22も前記と均等
の構成となっている。これらの構造枠体22,22は下
方において連結部材24で相互に強固に連結して一体構
造として懸垂台車フレーム21を構成している。
【0020】この構造枠体22,22のうち一方の構造
枠体22について説明すると、上端部22a,22a付
近には走行車輪50または50が枢着されている。即
ち、構造枠体22の上端部22a,22a付近には水平
姿勢の軸51または51が固着され片持状外方側にそれ
ぞれ突出している。ここで、軸51,51には走行輪5
0または50が枢着されている。かつ、走行車輪50、
50は支索区間及び軌条区間の何れにも共用する。
【0021】他の一の構造枠体22に於いても同様に、
軸51,51を用いて走行車輪50または50が枢着さ
れている。これらの走行車輪50,50…には金属車輪
またはゴム等の弾性ソリッド車輪を用いる。
【0022】次に、本実施例の場合には2個の握索機3
0,30が並列に用いられている。握索機30は図6に
示す如く、握索部位31を上方に開口して曳索71を握
索するもので懸垂台車フレーム21の下方に装備されて
いる。即ち、連結部材24には固定握子33が固着され
ている。固定握子33は基幹部34と握子部33aとよ
りなっており、前記の連結部材24に基幹部34を固着
して上方に立ち上げ延出させ、この上端付近には鈎状を
なして握子部33aが形成されている。
【0023】一方、この固定握子33にはピン32で可
動握子35が枢着されている。該可動握子35は先端付
近が鈎状に形成された握子部35aと、及びこれより斜
め下方に屈折し更に斜め上方に屈折した形状をなして延
出したレバー部36とよりなり、更にレバー部36の後
端部にはローラー37が枢着されている。このレバー部
36の中間部付近にはピン38を具え、このピン38と
他方の連結部材24に具えたピン39との間には、ばね
40が内挿され介在している。固定握子33の握子部3
3aと、可動握子35の握子部35aとで構成される握
索部位31によって曳索71が握索されるようになって
いる。即ち、ばね40の弾性力によってレバー部36は
ピン32を中心に矢印41a方向に回動するよう付勢さ
れ、よって可動握子35の握子部35aは固定握子33
の握子部33aと共働して曳索71を挟圧して握索する
のである。
【0024】また、可動握子35のローラー37を、例
えば鎖線で示した如く外部から押圧ガイドレール42等
で圧下ないし押圧すると、可動握子35のレバー部36
はばね40の弾性力に抗してピン32を中心に矢印41
b方向に回動する。よって、握索部位31において握子
部35aは握子部33aから遠のき移動し、握索部位3
1は上方に開口し、曳索71の放索が行われる。
【0025】図2の如く支索区間走行モードの場合も、
図3の如く軌条区間走行モードの場合も握索機30,3
0は曳索71を握索してこれに牽引されて、懸垂台車ユ
ニット11ないし搬器10の運行が行われる。
【0026】次に、懸垂機12は、正面視左右一対のや
や長尺状の懸垂部材13,13を用い、下方においては
懸垂連結部材13aを用いて相互に一体の固着関係構成
となして形成されたもので、搬器本体連結部14,1
4,14,14の下方には、乗客の乗車すべき客車、な
いし搬器本体15が連結懸垂されている。かつ、前記の
懸垂部材13,13の上端付近においては、それぞれ懸
垂軸25または25を介して懸垂台車フレーム21の構
造枠体22または22に揺動可能に枢着されており、よ
って搬器本体15は該懸垂軸25,25を中心に前後の
方向にピッチング揺動可能となっている。
【0027】以上で搬器10に関する説明を終わり、次
には本発明の、支索及び軌条走行併用の懸垂式輸送設備
1の運行線路について説明する。
【0028】図7は運行線路の組み合わせ構成の一例を
示した平面図である。ここでは、軌条区間3(3A,3
B)と、その前後に支索区間2(2A,2B)と及び支
索区間4(4A,4B)とが連通している場合を示し
た。
【0029】直線の区間をなした支索区間2は往復両線
の支索区間2Aと2Bとよりなり、支索区間2A,2B
はそれぞれ支索70,70または70,70を相互に平
行に張架してなるものである。ここでは、図示は省略さ
れているが、これらの支索70、70または70,70
は地上に立設された支柱72,72…によって支持され
ている。
【0030】軌条区間3(3A,3B)は往復両線の軌
条区間3Aと3Bとよりなり、それぞれの軌条区間3
A,3Bは曲線ないし同心状の円弧をなして走行軌条8
0,80または80,80が併行して架設され、かつ、
図示は省略されているが、地上に立設構築された支持構
造物83,83…を用いて支持されたもので、前記の支
索区間2(2A,2B)とは遷移部5(5A,5B)を
経て連通している。
【0031】次に、直線をなした支索区間4(4A,4
B)は往復両線の支索区間4Aと4Bとよりなり、先記
の場合と同様に支索70,70または70,70を互い
に平行に張架したものであり、前記の軌条区間3(3
A,3B)とは遷移部6(6A,6B)を経て連通して
いる。
【0032】これらの支索区間2(2A,2B),4
(4A,4B)の前後は図示省略されているが、必要に
よっては更に次々に他の軌条区間、又は支索区間を連通
して運行線路を形成することができる。
【0033】次に、曳索71は、運行線路両端の滑車7
8と滑車79との間に無端状に巻き掛けられている。即
ち、一方の滑車、例えば滑車78は駆動装置を具えた原
動滑車であるとすれば、この滑車78に巻き掛けられた
曳索71は、矢印7Aの方向に繰り出されて支索区間2
Aの支索70と70との間の領域にに導入されて支索7
0,70に平行に誘導され、次いで軌条区間3Aの走行
軌条80と80との間の領域を曲線に沿って誘導され、
更に支索区間4Aを支索70と70との間の領域をこれ
と平行に誘導される。このようにして、曳索71は他端
の滑車79に導入され巻き掛けられ矢印7B方向に折り
返されて、前記と同様に復路の支索区間4B,軌条区間
3B及び支索区間2Bを経過し、再び滑車78に導か
れ、無端状に閉じたループを形成している。かつ、滑車
78の駆動によって該曳索71は矢印7Aと、かつ7B
の方向に循環運転される。
【0034】このような配設関係に於いて、例えば図示
の搬器10は、曳索71を握索して矢印7Aの方向に支
索区間2Aにおいて走行車輪50,50…で支索70,
70上を支索区間運行モードで運行し、遷移部5A付近
からは軌条区間3Aに進入し同じく走行車輪50,50
…で軌条80,80に沿って軌条区間運行モードで運行
し、更に遷移部6A付近においては支索区間4Aに進入
し走行車輪50,50…で支索70,70上を支索区間
運行モードで運行する。また、並行して架設されている
支索区間4Bから軌条区間3Bを経て支索区間2Bに到
る復路の運行線路についても同様に矢印7Bの方向に搬
器10の運行を行うのである。
【0035】次には、運行線路の遷移部、例えば5A
(5)について詳細を述べる。図8〜図16は遷移部5
A(5)の構成の説明図であり、図8は遷移部5A
(5)の構成の平面図、図9は同じく側面図であり、図
10ないし図16は遷移部5A(5)付近の経過点毎に
おける支索70,70または走行軌条80、80と走行
車輪50,50との関係を説明するための正面図であ
る。
【0036】先ず、図8、図9におけるP点は遷移部5
Aに到る前の支索区間2Aであり、、支索70,70は
空中に張架され、搬器10ないし懸垂台車ユニット11
の走行車輪50,50は図10の如く支索70,70に
導かれて転走している。
【0037】次に、搬器10は図8,図9のQ点付近か
らU点付近に到る遷移区間5Aに進入する。まず、Q点
付近においては、支索70,70は遷移サドル90,9
0の溝内に導かれ支承されている。ここでは図11の如
くに走行車輪50,50は遷移サドル90または90に
支承された支索70,70上を転走している。
【0038】搬器10が更に進行した図8、図9のR点
付近においては、図12の如くに、支索70,70は遷
移サドル90,90に支承されていると共に、ほぼ逆U
字状断面の遷移軌条91,91が支索70,70を跨い
で覆い掛けされており、走行車輪50または50は先の
Q点における支索70,70上から遷移軌条91,91
上に移行し、この遷移軌条91,91上を転走する。
【0039】搬器10が更に進行して図8,図9のS点
付近に達すると、図13の如くに、支索70,70は遷
移軌条91,91の内面の領域内で遷移サドル90,9
0によって次第に下方に誘導される。走行車輪50,5
0は遷移軌条91,91上を転走している。支索70,
70は次第に下方に導かれているので、支索70または
70と遷移軌条91または91の内面との間には間隙9
2または92が次第に増加し相互に離隔する。
【0040】次に、図8,図9のT点付近においては、
図14の如くに遷移軌条91または91と遷移サドル9
0または90とが更に離隔し間隙92または92が大き
くなり、このT点付近から支索70または70は遷移サ
ドル90または90にそれぞれ導かれて両側方ないし両
外方に方向を反らされ、遷移軌条91または91の側方
開口部93または93から外方に導かれている。遷移サ
ドル90または90はこのT点付近においては、支索7
0または70の転向屈折に伴う支索張力の合成作用力の
作用方向に対応して、L字型または逆L字型断面をなし
ている。かつ、ここでは走行車輪50または50は遷移
軌条91または91の上面に沿って転走している。
【0041】更に搬器10が進行すると図8,図9のU
点付近に到り、遷移軌条91,91の区間は終わり、図
15のように、走行軌条80または80に沿っての転走
に移る。遷移軌条91,91と走行軌条80,80とは
連通しているので、この間の走行車輪50,50の乗り
移りは円滑に行われる。また、このU点付近における支
索80,80は遷移サドル90または90に導かれて次
第に両側方に、かつ下方に向かって誘導され外側に離れ
て行くようになされている。図示は省略されているが、
支索70,70が充分に両外側に離れた退避誘導部70
a,70aが搬器10の通過経路と干渉しない位置に達
した後は、クランプ等を用いた公知の索条引留方法で支
索70,70の端末を引留固定することができる。
【0042】搬器10が更に進行すると、遷移部5Aを
経過し終わり、図8,図9のV点に到達し、支索区間3
Aに進入する。ここでは、図16の如く、搬器10の走
行車輪50,50は走行軌条80,80上を転走してお
り、この状態は図3,図18に示された走行状態と均等
である。
【0043】以上は遷移部5Aの場合について説明した
が、その他の遷移部5B,6A,6Bについても同様に
構成されている。
【0044】叙上のように構成された運行線路を運行す
る搬器10の動作の状態について次に説明する。
【0045】先ず、支索区間運行モードの場合は、図1
7に示された如くである。地上に立設した支柱72の上
部には支柱アーム73が固着支持されて両側に延出して
おり、該支柱アーム73の両端部付近にはそれぞれブラ
ケット74,74または74,74が固着され下垂して
いる。一方のブラケット74,74について記せば、こ
のブラケット74,74にはそれぞれサドル75または
75が固着されており、これによって支索70または7
0がそれぞれ支承されている。ブラケット74と74と
の中間には図示は省略されているが他のブラケットが支
柱アーム73に固着されて下垂しており、このブラケッ
トには受索輪77が枢着され、これによって曳索71が
移動可能に支承誘導されている。支柱アーム73の他端
側においても同様にブラケット74,74と、サドル7
5,75を用いて復路の支索70,70を支持し、ブラ
ケットと受索輪77とを用いて復路の曳索71を移動可
能に支承誘導している。搬器10における走行台車フレ
ーム21の握索機30,30は曳索70を握索してこれ
に牽引され、かつ、走行車輪50,50…で支索70,
70を転走する。
【0046】この模様の詳細は、図2に示された通りで
ある。即ち、ブラケット74,74にはそれぞれサドル
75または75を固着して具え、これによって支索70
または70が支持され、また受索輪77によっては曳索
71が図幅の表裏の方向に移動可能に支承誘導されてい
る。懸垂台車フレーム21の軸51,51に枢着された
走行車輪50,50は一方の支索70上を転走し、同様
に懸垂台車フレーム21の他方の軸51,51に枢着さ
れた走行車輪50,50は他方の支索70上を転走す
る。また、懸垂台車フレーム21に具えた握索機30,
30はその握索部位31または31において曳索71を
握索し、これによって曳索71の移動と共に懸垂台車フ
レーム21ないし搬器10が移動する。
【0047】図18は、軌条区間運行モードの場合を示
したものである。ここでは、例えば、門型をなした支持
構造物を用いた場合を示したもので、地上に立設したし
支持構造物83,83,83の上部には支持ビーム84
が水平に渡設され、この支持ビーム84にはブラケット
85,85及び85,85が固着されて下垂しており、
走行軌条80,80または80,80を支持している。
また、走行軌条80,80または80,80の下方に
は、他のブラケットを用いてこれに枢着された受索輪7
7によって曳索71が移動可能に支承誘導されている。
【0048】この、軌条区間運行モードにおける走行軌
条80,80と、懸垂台車ユニット11との関係の詳細
は図3に示されている。即ち、ブラケット85,85の
下方で、かつ、左右の方向にはそれぞれ走行軌条80,
80が固着されている。ここで一方の走行軌条80につ
いて説明すれば、該走行軌条80は角型管材等よりなる
長尺状の軌条ビーム82の上面に沿って軌条頭部81を
固着してなるものであって、該軌条頭部81は走行車輪
50,50のための転走面となっている。他の一の走行
軌条80についても正面視、前記と対称の構成となって
いる。
【0049】一方、懸垂台車ユニット11における懸垂
台車フレーム21の構造枠体22,22に固着され外方
片持状に延出した軸51,51または51,51にはそ
れぞれ一の走行車輪50又は50…が回動自在に枢着さ
れており、これらの走行車輪50,50…はそれぞれ走
行軌条80,80の軌条頭部81または81を転動する
ようになっている。
【0050】前記したように、これらの支索区間2(2
A,2B),4(4A,4B)及び軌条区間3(3A,
3B)を通して曳索71が循環しており、搬器10は何
れの区間においてもこの曳索71に牽引ないし曳行され
て運行が行われる。
【0051】
【発明の効果】懸垂式輸送機関は道路等の上空に架設し
て、地表面の障害物等の在否に左右されずに、かつ連続
的な路盤の整地工事を要しないで比較的低廉なコストで
建設できるものとして、都市交通ないし地域交通の輸送
手段としてしばしば計画、検討にとりあげられる。この
うち、剛体軌条を用いる懸垂モノレール方式のものは、
曲線、直線区間の何れにも好適に用いることができ、か
つ、個別の搬器の運転制御が容易に行えるという利点が
あるが、剛体軌条を比較的短径間毎の多数の支持構造物
で支持しなければならないので、建設コストが充分に低
廉でないという難点がある。また、搬器には自走の運転
設備をもつので構成が複雑であり、また、急勾配区間を
走行できないという難点もあった。
【0052】一方、索道方式は建設コストが低廉な利点
があるが、曲線区間の設定が困難であるという難点があ
った。
【0053】本発明の装置は、これらの両方式の利点を
享受する懸垂式輸送機関の提供を企図したもので、剛体
軌条を用いた区間と索道方式による区間とを組み合わせ
た運行線路を設定し、これらの両方式の区間を支索区間
運行モードと軌条区間運行モードの何れかで直通ないし
連通可能の搬器を運行するようにし、かつ全線を通して
曳索に曳行されて搬器運転を行うようにしたものであ
る。これによって、走行線路のうち通常は多くの部分を
占める直線の区間には支索区間を用いるようにして建設
コスト低減のメリットを最大限に享受し、かつ、特に曲
線を必要とする一部の箇所等にのみ軌条区間を用いるよ
うにして、所要の機能を満足すると共に、総合的には建
設コストの低廉な懸垂式輸送機関を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】支索及び軌条走行併用懸垂式輸送設備の搬器の
全体を示した斜視図である。
【図2】支索区間運行モードにおける懸垂台車ユニット
を示す正面図である。
【図3】軌条区間運行モードにおける懸垂台車ユニット
を示す正面図である。
【図4】懸垂台車ユニットを示す側面図である。
【図5】懸垂台車フレームの骨格を略図で示した斜視図
である。
【図6】握索機の構成を略図で示した正面図である。
【図7】運行線路の構成の一例を示す平面図である。
【図8】遷移部の構成を略図で示した平面図である。
【図9】遷移部の構成を略図で示した側面図である。
【図10】遷移部付近のP点の状態を略図で示した正面
図である。
【図11】遷移部のQ点の状態を略図で示した正面図で
ある。
【図12】遷移部のR点の状態を略図で示した正面図で
ある。
【図13】遷移部のS点の状態を略図で示した正面図で
ある。
【図14】遷移部のT点の状態を略図で示した正面図で
ある。
【図15】遷移部のU点の状態を略図で示した正面図で
ある。
【図16】遷移部付近のV点の状態を略図で示した正面
図である。
【図17】支索区間運行モードにおける搬器と支柱を示
す正面図である。
【図18】軌条区間運行モードにおける搬器と支持構造
物を示す正面図である。
【符号の説明】
1 支索及び軌条走行併用の懸垂式輸送設備 2 支索区間 2A,2B 支索区間 3 軌条区間 3A,3B 軌条区間 4 支索区間 4A,4B 支索区間 5 遷移部 5A,5B 遷移部 6 遷移部 6A,6B 遷移部 7A,7B 矢印 10 搬器 11 懸垂台車ユニット 11P,11V 状態 12 懸垂機 13 懸垂部材 13a 懸垂連結部材 14 搬器本体連結部 15 搬器本体 21 懸垂台車フレーム 22 構造枠体 22a 上端部 23 水平部材 24 連結部材 25 懸垂軸 30 握索機 31 握索部位 32 ピン 33 固定握子 33a,握子部 34 基幹部 35 可動握子 35a 握子部 36 レバー部 37 ローラー 38 ピン 39 ピン 40 ばね 41a,41b 矢印 42 押圧ガイドレール 50 走行車輪 51 軸 70 支索 70a 退避誘導部 71 曳索 72 支柱 73 支柱アーム 74 ブラケット 75 サドル 77 受索輪 77a 圧索輪 78 滑車 79 滑車 80 走行軌条 81 軌条頭部 82 軌条ビーム 83 支持構造物 84 支持ビーム 90 遷移サドル 91 遷移軌条 92 間隙 93 側方開口部 P,Q,R,S,T,U,V 点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61B 12/02 B61B 9/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高架の位置に懸架された運行線路に曳索で
    牽引される搬器を運行して輸送を行う懸垂式の輸送設備
    であって、前記運行線路は高架の位置に張架された並行
    する2本の支索よりなる支索区間と、高架の位置に懸架
    された並行する2本の走行軌条よりなる軌条区間との組
    み合わせより構成されてなると共に、前記支索区間と前
    記軌条区間との間の遷移部において、 支索は前記走行軌条に対して搬器の通過径路の外側方の
    下方から接近しまたは外側方の下方に退避するように誘
    導され、 前記搬器は懸垂台車ユニットに懸垂機を介して
    搬器本体を懸垂したものであり、 前記懸垂台車ユニットは懸垂台車フレームと、前記懸垂
    台車フレームに枢着され踏面が溝型をなして前記支索区
    間と前記軌条区間との何れの区間も転送可能とした走行
    車輪と、及び前記曳索を握索する握索機と、を具えてな
    ると共に、 前記搬器は前記曳索に牽引されて、前記支索区間におい
    ては前記支索を走行車輪で転走する支索区間運行モード
    で運行し、前記軌条区間においては前記走行軌条を走行
    車輪で転走する軌条区間運行モードで運行するようにな
    した、支索及び軌条走行併用の懸垂式輸送設備。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20210245787A1 (en) * 2017-11-14 2021-08-12 Holmes Solutions Limited Partnership Trolley System and Associated Rails and Tracks

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JP4616825B2 (ja) * 2006-12-28 2011-01-19 株式会社丸彰 空中ケーブルカー玩具
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