JP3762449B2 - 索条牽引懸垂車両 - Google Patents

索条牽引懸垂車両 Download PDF

Info

Publication number
JP3762449B2
JP3762449B2 JP06865595A JP6865595A JP3762449B2 JP 3762449 B2 JP3762449 B2 JP 3762449B2 JP 06865595 A JP06865595 A JP 06865595A JP 6865595 A JP6865595 A JP 6865595A JP 3762449 B2 JP3762449 B2 JP 3762449B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
traveling
rope
wheel
suspension
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP06865595A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08239032A (ja
Inventor
隆智 井上
Original Assignee
日本ケーブル株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本ケーブル株式会社 filed Critical 日本ケーブル株式会社
Priority to JP06865595A priority Critical patent/JP3762449B2/ja
Publication of JPH08239032A publication Critical patent/JPH08239032A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3762449B2 publication Critical patent/JP3762449B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は索条に牽引されて走行軌条を転走して懸垂車両で輸送を行う索条牽引懸垂車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
索条に牽引されて懸垂車両を用いて輸送を行う設備としては索道設備が最も知られ、主として山岳傾斜地における輸送設備として著しく多用されている。索道設備は索条牽引による地上固定動力駆動であるから車上に駆動装置をもたず、従って車両重量が軽量化され、かつ、これを支持する地上構造物も軽量化され、よって経済的に建設できること、また、粘着によらない走行であるため急勾配線路の走行も可能という特徴をもっている。
【0003】
しかし、索道設備に曲線区間を設けるためには比較的大掛かりな設備を要する点や、また、車両に空調設備等を設けるための電源の引き込みが困難であること等の短所も有している。索道設備が、近時は都市、地域交通用の設備としの利用も志向されるようになって、これらの点の改善が求められている。
【0004】
このような点を改善するものとして、懸垂車両の支持に懸垂型モノレール等と同様に剛体の軌条を用い、車両の走行移動に関しては索条の牽引による方法が考えられが、このようなものとして、例えば、特開平2−20467号公報「索条で牽引する懸垂型車両」で提案されたもの等がある。ここには、剛体軌条に沿って転走し索条に牽引される懸垂車両で輸送を行う設備が記載され提案されている。かつ、ここでは2方式の懸垂車両が開示されていて、その一は、走行軌条を走行する走行装置の上方に牽引用の索条が架設されていてこれに対応して走行装置の上方の握索機が索条を握索して走行する型式のものであり、他の一は、走行軌条の下方に牽引索条が架設されていて、これに対応して走行装置の下方にある握索機がこの索条を握索して走行する型式のものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この先行技術のものにおいても、一定の走行性能を発揮できるものであるが、なお、次のような更に改善を要する点も残されている。
【0006】
即ち、その一は、牽引索条を走行車輪の水準高となるべく高低偏差がないように設備しないと、索条牽引に伴って走行車輪の前輪、後輪の輪重に不平衡を生じ乗り心地を害する恐れがあるが、従来技術のうち特に索条を上方に配設した構成のものにおいては、握索機の位置は走行車輪位置を避けて十分上方に設けなければならないために、索条位置と走行車輪位置との偏差が大きくなり、また握索機の支持構造が複雑となる点が挙げられる。その二は、走行線路の起点、終点等においては索条を駆動するために設けられる駆動滑車等の滑車等に索条を誘導する必要があるが、先行技術において索条を下方に配設した構成のものにおいては走行軌条を懸垂機が両側から抱え込んだ両持型構造のために索条を滑車に誘導するための出口が閉ざされており、この場合は索条を上方に屈折させながら退避させないと索条の誘導ができない。更に、走行台車と客車とは基本的には相互に一体の固定関係となっているので、走行線路の勾配に従って客車の床面も傾斜し、よって急勾配線路を走行する場合には床面が傾いて乗客の足元が不安定となる問題がある。索条牽引型の車両は、粘着による走行とは異なって急勾配の走行も可能な点に本来は特徴を有しているのであるが、このように床面の勾配によって許容の勾配制限を生ずると、本来具えてた特徴を十分に発揮できないという難点があった。
【0007】
本発明は、先行技術におけるこのような不満点を改善した索条牽引懸垂車両を提案し、提供することを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的に対応して本発明は、走行軌条の転送面を走行すべき前後の走行車輪と、案内面を転動すべき案内車輪と、他の案内面を転動すべき浮上防止車輪とを枢着した基幹部を有し前記走行軌条に沿って走行する走行台車と、前記基幹部の下方に具え牽引索条を握索すべき握索機と、前記基幹部の上方で前記前後の走行車輪の間で前記走行台車に枢着され前後の方向にピッチング揺動可能に懸垂され、かつ正面視一方が開放側をなして片持状に形成された懸垂機と、前記懸垂機にローリング揺動可能に懸垂された客車と、よりなり、かつ前記走行車輪及び前記懸垂機は前記基幹部の上部に枢着し、前記案内車輪及び前記浮上防止車輪は前記基幹部の下部に枢着してなる索条牽引懸垂車両、として構成したものである。
【0009】
【作用】
本発明の索条牽引懸垂車両は、走行台車に片持状の懸垂機を介して客車を懸垂してなっている。走行台車は台車フレームを基幹体として、これに走行車輪、案内車輪及び浮上防止車輪を具え、かつ、走行台車の下方には、ばね式の握索機を具えている。懸垂機は走行台車に枢着して懸垂した片持型の懸垂機であり、この懸垂機の下方には客車を懸垂している。
【0010】
このような構成において、該索条牽引懸垂車両は、握索機で索条を握索して、地上動力により循環する索条の移動と共にこれに牽引されて運行する。握索機の握索はばねの弾性力に起因する握索力によって行われる。走行台車の走行は、走行車輪が走行軌条の転走面を走行して行われ、案内車輪は走行軌条の案内面に導かれて転動して水平方向の横圧に基づく車両の左右の偏り、逸脱を防止し、曲線区間の走行を可能とする。また、浮上防止車輪は走行軌条の他の案内面に導かれて転動し、不平衡力による車両の浮き上がり等を防止する。
【0011】
本発明の索条牽引懸垂車両においては、車両の牽引力が作用する握索機は走行台車の下方に設けて、走行車輪との上下水準高の偏差を少なくするように構成しているので、車両の牽引力による走行車輪の前後輪の輪重の偏差が少なく安定した走行が可能である。また、同様の理由によって、曲線区間の通過時においても、左右輪重の偏差が少なく安定した曲線走行が可能である。
【0012】
懸垂機は走行台車に枢着して懸垂した片持型懸垂機を用いており、両側支持のいわゆる抱え込み式懸垂機ではないので、走行線路の起点、終点等で索条を走行線路から転向させて固定位置にある駆動滑車等に誘導する場合には、本発明の構成によれば懸垂機の開放側から索条と干渉なく容易に該索条を誘導退避させることが可能である。
【0013】
更に、本発明の索条牽引懸垂車両の場合には、走行機と懸垂機とは懸垂軸を介してピッチング揺動可能に枢着されており、走行線路が急勾配の場合でも、懸垂機は基本的には垂直姿勢を維持して垂下し、従って客車の床面は水平姿勢を維持するので、急勾配線路の設定が可能である。
【0014】
【実施例】
図1,図2及び図3は、本発明の実施例における索条牽引懸垂車両1を示したものである。索条牽引懸垂車両1は、走行台車10に懸垂機40を介して客車2を懸垂したものである。
【0015】
先づ、走行台車10は、全体としては図1〜図3に示されており、また部分の詳細は図4〜図5に示されているように、基幹体として台車フレーム11があって、これに走行車輪20,20…,案内車輪21,21…,及び浮上防止車輪22,22…を枢着すると共に、台車フレーム11の下方には握索機30を固着してそなえている。
【0016】
台車フレーム11は平面視において図3の如く、中央に基幹部12があって、この前後の位置においてそれぞれ左右に軸受部13,13及び13,13を設けて形成されている。
【0017】
図4は、図2または図3に示した走行台車10におけるア断面の詳細を示したものであるが、基幹部12から軸受部13,13が左右に突出している。この軸受部13,13…には走行車輪軸20aまたは20a…がそれぞれ固着され外方に向かって片持状に延出しており、かつ、該走行車輪軸20aまたは20a…にはそれぞれ走行車輪20または20…が枢着されている。この走行車輪20または20…は、後記の走行軌条51の転走面53または53を転走するためのものである。
【0018】
次に、同じく図4において前記軸受部13または13のからそれぞれ下方に向かって、下方突出部14または14が突出して形成されている。かつ、この下方突出部14または14にはそれぞれ案内車輪軸21aまたは21aが固着されて片持状に下方に延出し、この案内車輪軸21aまたは21aにはそれぞれ案内車輪21または21が枢着されている。この案内車輪21または21…は後記の走行軌条51の案内面55または55に導かれて転動するためのものである。なお、図1においては、走行台車10の図の左方寄りに案内車輪21が図示されている。
【0019】
次に、図5は、台車フレーム11の図におけるイ断面の詳細を示したものであるが、基幹部12から左右には下方に向かって下方突出部15,15が突出している。この下方突出部15,15…にはそれぞれ浮上防止車輪軸22aまたは22a…がそれぞれ固着され外方に向かって片持状に延出しており、かつ、該浮上防止車輪軸22aまたは22a…にはそれぞれ浮上防止車輪22または22…が枢着されている。この浮上防止車輪22または22…は後記の走行軌条51の案内面54または54を転走するためのものである。なお図1においては、走行台車10の図の右方寄りに浮上防止車輪22が図示されている。
【0020】
次に、図1により、台車フレーム11の図におけるウ断面の詳細を説明する。ここでは台車フレーム11の基幹部12から上方にフランジ部材17と17が固着され上方に突出しておりこれらにはそれぞれ同芯状に孔17aまたは17aが穿孔されている。ここには懸垂軸23が内挿され後記の如く懸垂機40が枢着され支承される。また基幹部12の下方には取付面16が形成されており、ここには後記の握索機30が固着されるべき部位である。
【0021】
握索機30は図6に示した如く、握子部が下方に向けて開閉するばね式握索機を用いている。即ち、固定握子部材31は上方の取付基板31bによって前記の取付部16に当接させ例えばボルト等で固着している。一方、固定握子部材31は下垂延出して先端付近には鉤状の握子部31aが形成されている。一方、固定握子部材31の握子部31a上方付近にはおいてはピン32を介して可動握子部材33が枢着されている。可動握子部材33は、前記のピン32に枢着された部位付近の下方に握子部33aが突出形成され、一方、該可動握子部材33は図における右方やや上昇方向に蛇行状に延出してレバー部33bを形成し、更に端末付近にはピン部33cが形成されている。かつ、このピン部33cには、開閉ローラ34が枢着されている。
【0022】
次に、この可動握子部材33と、固定側にある固定握子部材31との間には握索力を発揮するための圧縮ばね37が介在している。即ち、可動握子部材33のレバー部33b中間付近にはピン36が固着されており、一方、固定握子部材31にはピン35が固着されていて、これらのピン35,36の間にはそれぞればね受部材35aまたは36aを介して圧縮ばね37が間挿されている。圧縮ばね37の弾性復元力ないし伸長力によって可動握子部材33はピン32を中心として矢印38a方向に回動し、よって握子部31aと握子部33aとが相互に近寄り移動して索条70を挟圧し握索する。また、握索を解く場合には後記のように開閉ローラ34を下方から押圧して、圧縮ばね37を圧縮して行うようにしている。
【0023】
次に、懸垂機40は、図1に示されているように、台車フレーム11の上方に枢着されて懸垂垂下された片持型の懸垂機である。即ち、懸垂機40は、上方において枢着基部41があり、これより屈曲して下方に垂下しかつ湾曲状に形成された本体部42があって、更に下端においては屈曲して形成された懸垂連結部43があり、これらが一体的に連なった構成となっている。上方における枢着基部41には孔41aが穿孔されて、懸垂軸23に回動ないし揺動可能に外挿、枢着されている。懸垂機40の下端の懸垂連結部43にはピン44を介して客車2をローリング揺動可能に枢着、懸垂している。
【0024】
前記の通り、懸垂機40は、正面視片持型であり、図1の通り走行軌条51の一方側、即ち、図1における図幅右側に本体部42があり、左側には開放側45が形成されている。また、客車2は図1においては図示は略示されているが、従来の索道設備等で用いられている搬器と基本的に均等の閉鎖型客車車両を用いている。
【0025】
以上のように構成された索条牽引懸垂車両1について、次に、動作、ないし作用について述べる。図1には走行線路50ないし走行軌条51と索条牽引懸垂車両1との相互の関係が図示されている。本実施例の場合、走行軌条51はほぼI型状をなした軌条部材52,52を互いに並行に配設し、これらを連結部材56等を用いて相互に一体関係に連結した形状としている。軌条部材52,52のそれぞれ上面は転走面53,53が形設されて、また、軌条部材52,52の互いに対向する内面側には案内面53または53がそれぞれ形設されている。また、前記の転走面53,53の裏面側には案内面54,54が形成されている。
【0026】
索条70は軌条部材52と52とに挟まれた内側領域内に延架されていて、受索輪60,60…,圧索輪63,63…,または屈曲輪67a,67a…,または67b,67b…等によって所定の間隔ごとに支承、誘導されている。即ち、直線区間等の一般の区間においては軸61,61…に枢着された受索輪60,60…によって支承され、走行線路50を上方に凹の縦曲線をなして架設している箇所においては軸64,64…に枢着されている圧索輪63,63…が索条70を圧索支承している。また、走行線路50が曲線区間をなしている場合においては左曲線または右曲線に対応して軸68a,68a…に枢着された屈曲輪67a,67a…,または軸68b,68b…に枢着された屈曲輪67b,67b…によって索条70が屈折誘導されている。
【0027】
このような構成を有する走行軌条51は鎖線で示したように支柱アーム57によって走行線路50の延長方向に所要間隔ごとに下受支持されて高架の位置に架設されている。なお、前記の支柱アーム57は、図示は省略されているが図の左方において支柱に固着されて支持されたものである。
【0028】
次に、握索機30は図1において、台車フレーム11から下方に延出した構成で、握子部31a,33aは前記の受索輪60,60…,圧索輪63,63…,屈曲輪67a,67a…,67b,67b…等の何れにも干渉しないで通過可能に構成されている。握索機30の握索作用は圧縮ばね37の伸長力ないし弾性復元力に起因する握索力によって実現される。圧縮ばね37の弾性復元力によってピン36を押圧すると可動握子部材33はピン32を中心して矢印38aの方向に回動し、よって握子部31aと握子部33aとが相互に近寄り移動し、よって索条70は握子部31a,33aによって挟圧され握索が行われる。こうして索条70の移動と共に走行台車10が牽引されて走行し、索条牽引懸垂車両1の運行が行われる。
【0029】
停留場等において握索を解く場合には図6に示した如く固定位置に設けた放索案内軌条58を配設した区間に進入すると、開閉ローラ34は放索案内軌条58に導かれて転動しながら上向きに押圧され、可動握子部材33はピン32を中心に矢印38b方向に回動し、かつ、このときに圧縮ばね37は加圧、圧縮される。握子部31aと33aとは相互に遠退き移動して、この結果、索条70は鎖線で示した索条の位置71の如く矢印39方向に脱出し、放索が行われる。放索案内軌条58は図6において開閉ローラ34の周縁に当接していないが、該放索軌条58は索条牽引走行車両1の進行に伴ってしだいに上方の位置をとるように配設されて、開閉ローラ34を押し上げるようにされている。
【0030】
このような走行台車10の構成においては、一般に走行車輪20,20の水準高と索条70の水準高との偏差がなるべく少ない方が走行安定上有利である。図7は、走行車輪20,20の前輪20fと後輪20rと、索条70との間に偏差Dがある場合の作用力の関係を定性的に説明したものである。図示のごとく走行車輪20の水準高から索条70の位置、即ち握子部31a,33aの位置までの間の偏差Dがあるとき索条70の牽引による牽引力Fが作用すると、前輪20fには上方に向かう作用力Pfが作用し、後輪20rには下方に向かう作用力Prが作用し、車両の自重を勘案しても前輪20fの輪重は後輪20rの輪重と比較して小さくなる。この傾向は、偏差Dが大きいほど大きくなることは明らかである。
【0031】
また、曲線通過の場合にも同様の問題を生ずる。図8において左右の走行車輪20または20の水準高と索条70の水準高との間に偏差Dがある場合に、走行する線路が曲線区間の場合においては、索条70の屈曲による屈曲力Fcによって一方の車輪20には上向きの作用力Piが作用し、他方の車輪20には下向きの作用力Poが作用する。従ってこの場合にも、自重を勘案しても左右輪重の不平衡を生じている。
【0032】
何れの場合にも偏差Dが大きいほうが前後または左右の輪重の偏差を生じやすい。これに対して本発明の技術においては、索条70の位置を走行車輪2020…の水準高よりも下方に設けるように構成している、このようにすると、索条位置を走行車輪位置より上方に設けて握索機は走行車輪位置を避けて更に突出させる従来技術の構成の場合よりも偏差Dを小さくすることが可能で、よって前記のごとく走行安定性能を向上できる。
【0033】
次に、本発明の索条牽引車両1の懸垂機40は片持型の構造を用いており、懸垂機40の一方の側には開放側45が開口しているので、走行線路50から索条70を側方にそらせて誘導することが極めて容易である。即ち、走行線路の起、終点等の付近において索条70を固定位置にある原動滑車、緊張滑車等の滑車80に導入する場合に、図9の如く索条70を誘導車輪等を用いて軌条部材51,51から懸垂機40の開放側45の方に誘導し、滑車80に誘導することができる。即ち、索条70を誘導車輪等を用いて先ず矢印73の方向に下方に導いて索条の位置74に到達させ、次いで他の誘導車輪等を用いて索条70を矢印75方向に水平に誘導して索条の位置76に到達させると、このようにして原動または緊張用の滑車80の溝部に容易に到達させ、導入することができる。これは、両持型の閉じた懸垂機の場合には例えば索条を上方に導かなければ達成できないのに対して、開放側45を有する本発明の構成の大きな特徴の一つである。
【0034】
次に本発明の車両においては、走行台車10と懸垂機40との間に懸垂軸23が介在した枢着懸垂となっているので、走行台車の勾配走行に関係なく懸垂機及び客車は基本的に垂直に懸垂された状態となっている。走行台車と、客車が固定懸垂式となっているものにおいては客車の床面は走行線路の勾配に依存して傾斜するが、本発明の索条牽引懸垂車両においては走行線路の勾配に関係なく、客車の床面は基本的に水平となり、従って、索条牽引推進の特徴である急勾配線路の設定が可能である。
【0035】
【発明の効果】
索条に牽引されて懸垂車両を用いて輸送を行う輸送設備は経済的に建設できること、また、粘着によらない走行であるため急勾配線路の走行も可能という特徴をもっており、また、懸垂車両の支持に剛体軌条を用いる方式は曲線通過や、剛体軌条に添架した給電線から行うことが容易であること等から、近時は地域交通用の設備等としての利用も志向されている。しかし、この種の施設は従来から提案はされていたが、未だ、不満な点も多く残されていた。
【0036】
本発明の構成においては、次のような効果ないし特徴を有している。
【0037】
まず、握索機の索条握索位置をを走行車輪より下方の位置となるようにしているので、走行車輪と索条との間の偏差Dを小さく定めることが可能であり、これによって前後輪重の不平衡を小さくし、安定な走行を行わせることができる。また、同様の理由のよって、曲線通過時においても左右走行車輪の輪重の不平衡が軽減され、搬器に加わる横圧が少なく安定した走行を行わせることが可能である。
【0038】
次に、本発明の構成においては、客車は懸垂機で懸垂軸を介して前後揺動可能に懸垂されているので、走行軌条の勾配に関係なく客車の床面は常に水平姿勢を常に維持できる構造となっている、従って、走行軌条の勾配に依存して客車床面も傾斜する従来の同種設備の場合には乗客の足元が不安定となるので、急勾配線路を走行させることができなかったが、本発明の構成においては急勾配線路の走行が制限なく可能である。索条牽引車両の粘着によらない牽引走行で急勾配の制限がないという特徴がこれによって十分に発揮される。
【0039】
更に、本発明の索条牽引車両の懸垂機は片持型の構造を用い、懸垂機の一方側に開放側が開口しているので、走行線路から索条を側方にそらせて誘導することが極めて容易である。よって、停留場等において索条を滑車に誘導する設備の構成が極めて簡単に経済的に達成することができる。
【0040】
このように本発明の索条牽引懸垂車両の構成は、従来の同種のものと比較して安定な走行が行われ、かつ、構成が経済的に成立する特徴を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 索条牽引懸垂車両を示す正面図である。
【図2】 索条牽引懸垂車両の走行台車を示す側面図である。
【図3】 索条牽引懸垂車両の走行台車を示す側面図である。
【図4】 走行台車のア部の詳細を断面図で示した正面図である。
【図5】 走行台車のイ部の詳細を断面図で示した正面図である。
【図6】 握索機の構成を示した正面図である。
【図7】 走行車輪の前後輪重の不平衡を略図で示した説明図である。
【図8】 曲線通過時において走行車輪の左右輪重の不平衡を略図で示した説明図である。
【図9】 懸垂機の開放側と索条との関係を略図で示した正面図である。
【符号の説明】
1 索条牽引懸垂車両
2 客車
3 構体
4 窓
10 走行台車
11 台車フレーム
12 基幹部
13 軸受部
14 下方突出部
15 下方突出部
16 取付部
17 フランジ部材
17a 孔
20 走行車輪
20a 走行車輪軸
20f 前輪
20r 後輪
21 案内車輪
21a 案内車輪軸
22 浮上防止車輪
22a 浮上防止車輪軸
23 懸垂軸
30 握索機
31 固定握子部材
31a 握子部
31b 取付基板
32 ピン
33 可動握子部材
33a 握子部
33b レバー部
33c ピン部
34 開閉ローラ
35 ピン
35a ばね受部材
36 ピン
36a ばね受部材
37 圧縮ばね
38a,38b 矢印
39 矢印
40 懸垂機
41 枢着基部
42 本体部
43 懸垂連結部
44 ピン
45 開放側
50 走行線路
51 走行軌条
52 軌条部材
53 転走面
54 案内面
55 案内面
56 連結部材
57 支柱アーム
58 放索案内軌条
60 受索輪
61 軸
62 軸受
63 圧索輪
64 軸
65 ブラケット
67a,67b 屈曲輪
68a,68b 軸
70 索条
71 索条の位置
72 矢印
73 矢印
74 索条の位置
75 矢印
76 索条の位置
80 滑車
ア、イ、ウ 断面の位置を示す記号
D 偏差
F 牽引力
Pf,Pr 作用力
Fc 屈曲力
Pi,Po 作用力

Claims (1)

  1. 走行軌条の転送面を走行すべき前後の走行車輪と、案内面を転動すべき案内車輪と、他の案内面を転動すべき浮上防止車輪とを枢着した基幹部を有し前記走行軌条に沿って走行する走行台車と、前記基幹部の下方に具え牽引索条を握索すべき握索機と、前記基幹部の上方で前記前後の走行車輪の間で前記走行台車に枢着され前後の方向にピッチング揺動可能に懸垂され、かつ正面視一方が開放側をなして片持状に形成された懸垂機と、前記懸垂機にローリング揺動可能に懸垂された客車と、よりなり、かつ前記走行車輪及び前記懸垂機は前記基幹部の上部に枢着し、前記案内車輪及び前記浮上防止車輪は前記基幹部の下部に枢着してなる索条牽引懸垂車両。
JP06865595A 1995-03-02 1995-03-02 索条牽引懸垂車両 Expired - Fee Related JP3762449B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06865595A JP3762449B2 (ja) 1995-03-02 1995-03-02 索条牽引懸垂車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06865595A JP3762449B2 (ja) 1995-03-02 1995-03-02 索条牽引懸垂車両

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08239032A JPH08239032A (ja) 1996-09-17
JP3762449B2 true JP3762449B2 (ja) 2006-04-05

Family

ID=13379942

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06865595A Expired - Fee Related JP3762449B2 (ja) 1995-03-02 1995-03-02 索条牽引懸垂車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3762449B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT514815B1 (de) * 2013-09-26 2016-05-15 Innova Patent Gmbh Seilbahnanlage zur Beförderung von Personen bzw. Gütern
JP2015123781A (ja) * 2013-12-25 2015-07-06 米山工業株式会社 懸垂型単軌条運搬装置
CN108482391B (zh) * 2018-01-19 2019-08-13 成都天府轨谷科技有限公司 一种磁悬浮空轨列车
CN109017856A (zh) * 2018-09-30 2018-12-18 中车资阳机车有限公司 一种悬挂式空轨列车转向架导向系统
CN109435972A (zh) * 2018-12-05 2019-03-08 云南电网有限责任公司红河供电局 单轨道机器人行走装置
CN110509945B (zh) * 2019-09-27 2024-01-26 西南交通大学 永磁直驱电机驱动的悬挂式单轨车辆单轴转向架

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08239032A (ja) 1996-09-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4794865A (en) Amusement ride vehicle
JP3437272B2 (ja) ロープウェーのグリップ案内装置
CA2960074C (fr) Funiculaire entraine par un cable en boucle fermee a deux troncons tracteurs et procede de commande d'un tel funiculaire
JP3762449B2 (ja) 索条牽引懸垂車両
US6178891B1 (en) Suspension monorail with climbing trolley
US5819668A (en) System for the transportation of persons and/or goods
JP3716130B2 (ja) 牽引駆動式交通システム
JPH09240466A (ja) 自動循環式索道の屈曲運行方法
JP2544549B2 (ja) 帯板の横型ル―パ―
JP3846372B2 (ja) エレベータ扉の開閉装置
JP4097730B2 (ja) リフトカーの非常止め装置
JP3135963B2 (ja) 支索走行及び軌条走行併用懸垂式輸送設備
JP4526009B2 (ja) 索条牽引式輸送設備の台車牽引構造
JP2694158B2 (ja) 索道の屈曲設備
JPH05131920A (ja) 軌条走行併用ハイブリツド型循環式索道
JP3135962B2 (ja) 支索及び軌条走行併用懸垂式輸送設備
JP4097728B2 (ja) リフトカーのロープ破断検出制動装置
JP3233959B2 (ja) 支索と軌条走行併用懸垂輸送設備の索条張架配設方法
US5121695A (en) Overhead cableway
JP3233960B2 (ja) 支索及び軌条走行併用の懸垂式輸送設備
JPH06298079A (ja) 索道の椅子式搬器の座板揺動装置
JP2567249Y2 (ja) スキーリフトの風防開閉操作装置
JP3276450B2 (ja) 放索位置における安全装置
JP2567250Y2 (ja) 索道のガイドレールの可動構造
JPH0776470B2 (ja) 開閉式屋根の安全装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050524

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050725

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060113

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090120

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100120

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100120

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110120

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110120

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120120

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130120

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees