JPH08239001A - 乗員保護補助装置用センサ - Google Patents

乗員保護補助装置用センサ

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JPH08239001A
JPH08239001A JP7047160A JP4716095A JPH08239001A JP H08239001 A JPH08239001 A JP H08239001A JP 7047160 A JP7047160 A JP 7047160A JP 4716095 A JP4716095 A JP 4716095A JP H08239001 A JPH08239001 A JP H08239001A
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JP
Japan
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sensor
ball
arm
airbag
occupant
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JP7047160A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Tamai
裕昭 玉井
Kanji Gotou
乾治 後藤
Katsutoshi Usui
克年 臼井
Tsutomu Muraoka
力 村岡
Tamio Harada
民夫 原田
Hisao Yamada
久男 山田
Yuji Tajiri
裕司 田尻
Teruyuki Minami
輝之 南
Noboru Ogura
登 小倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Rika Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エアバッグセンサ内の軸方向ガタに起因した
異音の発生を防止する。 【構成】 エアバッグセンサ10内には、車両急減速時
にボール50に押圧されて移動することでセンサを起動
させるアーム56が配設されている。このボール50
は、ネジ100によってアーム56の受け部56Cに固
定されている。従って、エアバッグセンサ10内の軸方
向ガタに起因した異音は発生しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に搭載された乗員
保護補助装置に用いられ、車両急減速時に乗員保護補助
装置を作動させる乗員保護補助装置用センサに関する。
【0002】
【従来の技術】乗員保護補助装置、例えばエアバッグ装
置では、車両急減速状態を感知するエアバッグセンサ
と、このエアバッグセンサが車両急減速状態を感知した
場合にガスを発生するインフレータと、このインフレー
タから噴出された大量のガスによって膨張する袋体と、
を含んで構成されている。この種のエアバッグ装置で用
いられるエアバッグセンサとしては、機械着火式のタイ
プと電気着火式のタイプとがある。
【0003】図9には、前者のタイプの一例である機械
着火式のエアバッグセンサ150の縦断面構造が示され
ている。この図に示されるように、エアバッグセンサ1
50は、略円柱形状のセンサボディー152を備えてい
る。センサボディー152内の軸方向略中間部にはシリ
ンダ154が配設されており、更にこのシリンダ154
内には車両急減速時に矢印A方向へ慣性移動するボール
156が収容されている。
【0004】また、センサボディー152内には、ボー
ル156の慣性移動方向と反対方向側に略円筒形状のフ
ァイアリングピン158が配設されている。ファイアリ
ングピン158の内方にはファイアリングスプリング1
60が収容されており、ファイアリングピン158を常
時慣性移動方向と反対方向へ押圧付勢している。なお、
ファイアリングピン158の移動軌跡上には、図示しな
い雷管が配設されている。
【0005】また、センサボディー152内の側方に
は、側面視で略L字形とされたアーム162が収容され
ている。アーム162の下端部は凹皿状とされており、
ボール156が載置されている。また、アーム162の
長手方向中間部とセンサボディー152との間にはバイ
アススプリング164が介在されており、アーム162
を常時慣性移動方向と反対方向側へ押圧付勢している。
さらに、アーム162の上端部には、略コ字形のジョイ
ント部166が形成されている。
【0006】さらに、センサボディー152内には、フ
ァイアリングピン158とアーム162とに跨がる形で
トリガシャフト168が揺動可能に配設されている。ト
リガシャフト168は、略円柱形状の基部170と、こ
の基部170から略コ字形に突出する突出部172とを
備えている。このうち、基部170の軸方向中間部には
係止部174が形成されており、この係止部174がフ
ァイアリングピン158に係止されている。また、突出
部172は、アーム162のジョイント部166に係止
されている。
【0007】なお、上述した構成の他、エアバッグセン
サ150内の底部には、有底円筒形状のロックプレート
176、このロックプレート176を押圧付勢している
リターンスプリング178、ロックプレート176と連
結されセンサボディー152外に突出配置されたレリー
ズプレート180といった部品から成る安全装置が配設
されている。
【0008】上記構成によれば、図9図示状態から車両
急減速状態になると、ボール156が矢印A方向へ慣性
移動する。このため、アーム162は下端部を介してボ
ール156に押圧され、バイアススプリング164の付
勢力に抗してボール156と同方向へ移動する。従っ
て、トリガシャフト168が揺動して、その係止部17
4がファイアリングピン158から外れる。その結果、
ファイアリングピン158は、ファイアリングスプリン
グ160の付勢力によって移動し雷管を刺突してエアバ
ッグ装置を作動させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成によるエアバッグセンサ150による場合、各機能部
品の寸法公差が集積されることからある程度のクリアラ
ンスが意図的に設定されているため、通常の車両走行時
に車体振動に起因してガタが生じひいては断続的な異音
が発生するという不具合が生じる。
【0010】すなわち、センサボディー152における
ボール156との対向面とボール156の周面との間に
は、所定の隙間182が設定されており、この隙間18
2を設定したことにより前述した各機能部品の寸法公差
のセンサ軸方向への集積を吸収することができる。しか
し、その反面、ボール156は隙間182の間隙寸法分
だけ矢印A方向又は矢印A方向と反対方向へ移動可能と
なるため、ボール156にガタが生じる。従って、ボー
ル156(金属製)とアーム162の下端部(金属製)
との当接による異音、並びに、ボール156とセンサボ
ディー152(樹脂製)との当接による異音が生じるこ
とになる。換言すれば、エアバッグセンサ150内の軸
方向ガタに起因して断続的な異音が生じる。
【0011】本発明は上記事実を考慮し、エアバッグセ
ンサ内の軸方向ガタに起因した異音の発生を防止するこ
とができる乗員保護補助装置用センサを得ることが目的
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、センサボディ
ー内に収容され、車両急減速時に慣性移動する慣性体
と、この慣性体の慣性移動によって移動して車両に搭載
された乗員保護補助装置を作動させる移動部材と、を有
する乗員保護補助装置用センサであって、慣性体と移動
部材とを固定する固定手段を設けた、ことを特徴として
いる。
【0013】
【作用】本発明の作用は、以下の通りである。
【0014】車両走行状態となった後に車両急減速時に
なると、慣性体が慣性移動する。このため、移動部材が
移動して乗員保護補助装置が作動される。
【0015】ここで、上述した移動部材及び慣性体のセ
ンサボディーへの組付状態では、移動部材等の寸法公差
が集積されることから、センサ軸方向に多少のクリアラ
ンスを設定するのが適切である。この場合、従来構造で
あれば、通常の車両走行時に車体振動等によって慣性体
がセンサ軸方向へ微動し(慣性体に軸方向ガタが生
じ)、慣性体と移動部材とが断続的に当接する。しか
し、本発明によれば、慣性体と移動部材とを固定手段に
よって固定したので、慣性体と移動部材とは常時接触状
態にありかつ離間することはない。従って、両者の断続
的な当接による異音は生じない。
【0016】
【実施例】以下、図1〜図4を用いて、本発明の一実施
例について説明する。
【0017】図4には、本実施例に係る機械着火式のエ
アバッグセンサ10を備えた運転席用のエアバッグ装置
12の縦断面構造が示されている。この図に示されるよ
うに、エアバッグ装置12は、車両のステアリングホイ
ール14のハブに取り付けられている。エアバッグ装置
12は、所定の高強度部材である略箱体形状のベースプ
レート16を備えている。このベースプレート16の中
央部には大径の貫通孔が形成されており、この貫通孔内
へは偏平円柱形状のインフレータ18が裏面側(反乗員
側)から挿入されて固着されている。また、ベースプレ
ート16には、略箱体形状のエアバッグパッド20が取
り付けられている。エアバッグパッド20の所定部位に
は、所定荷重が作用することにより破断する薄肉部22
が形成されている。上記のエアバッグパッド20とベー
スプレート16との間には、車両急減速時に膨張する袋
体24が折り畳み状態で格納されている。なお、袋体2
4は開口部を有し、この開口部内へインフレータ18の
乗員側半分が収容された状態で配置されて、図示しない
リングプレートによってその周縁がベースプレート16
に固定されている。
【0018】上述したインフレータ18は、各々有底円
筒形状とされたアッパケース26とロアケース28とか
ら成り、これらの合わせ部が溶接されることにより両者
一体化されて偏平円柱形状とされている。このインフレ
ータ18のロアケース28の軸芯部には乗員側へ突出す
る膨出部が一体形成されており、この膨出部内に後述す
るエアバッグセンサ10が収容されている。なお、エア
バッグセンサ10がロアケース28の膨出部内に組付け
られた後に、サポートプレート30が螺合されてエアバ
ッグセンサ10が固定されるようになっている。
【0019】また、インフレータ18内には、エアバッ
グセンサ10の他にも種々の機能部品が収容されてい
る。すなわち、エアバッグセンサ10の直上には、雷管
32、エンハンサ(伝火剤)34が軸方向にこの順に配
設されている。さらに、エアバッグセンサ10の外周部
には、ガス発生剤36、クーラント38及びフィルタ4
0が径方向にこの順に配設されている。さらに、アッパ
ケース26の外周部には、内外部を連通するガス孔42
が形成されている。
【0020】さて、次に上述したエアバッグセンサ10
の構成について詳細に説明する。図3には、エアバッグ
センサ10の斜視図が示されている。また、図1には作
動可能状態におけるエアバッグセンサ10の縦断面図が
示されており、更に図2には作動状態におけるエアバッ
グセンサ10の縦断面図が示されている。
【0021】エアバッグセンサ10は、有底略円筒形状
のアッパボディー及びロアボディーを嵌合させることに
より略円柱形状とされた樹脂製のセンサボディー44を
備えている。なお、アッパボディーとロアボディーとが
嵌合された状態でカンカバー46が被嵌されてかしめら
れることにより、両者一体となりセンサボディー44を
構成する。
【0022】上記のセンサボディー44内の軸方向略中
間部には円筒形状のシリンダ48が配設されており、更
にこのシリンダ48内には車両急減速時に矢印A方向へ
慣性移動する金属製のボール50が収容されている。
【0023】また、センサボディー44内には、ボール
50の慣性移動方向と反対方向側に金属製のファイアリ
ングピン52が配設されている。ファイアリングピン5
2は、円筒形状の基部52Aとこの基部52Aの軸芯部
から乗員側へ向けて突出する刺突部52Bとから成る。
ファイアリングピン52の基部52Aの内方にはファイ
アリングスプリング54が収容されており、ファイアリ
ングピン52を常時慣性移動方向と反対方向へ押圧付勢
している。なお、ファイアリングピン52の移動軌跡上
には、前述した雷管32が配設されている。
【0024】また、センサボディー44内の側方には、
側面視で略L字形とされた金属製のアーム56が収容さ
れている。なお、アーム56を金属製にしているのは、
樹脂製では高い精度が得られないからである。このアー
ム56は、上端部に形成された側面視で略コ字形のジョ
イント部56Aと、このジョイント部56Aの下端部か
らシリンダ48の軸線と平行に反乗員側へ延出された中
間部56Bと、この中間部56Bの下端部から屈曲され
てボール50の慣性移動方向側の周面下方へ延出された
凹皿状の受け部56Cと、から構成されている。このう
ち、ジョイント部56Aの下端部とセンサボディー44
の一部との間には、圧縮コイルスプリングであるバイア
ススプリング58が介在されている。このため、バイア
ススプリング58は、アーム56を常時慣性移動方向と
反対方向側へ押圧付勢している。
【0025】さらに、センサボディー44内には、ファ
イアリングピン52とアーム56とに跨がる形でトリガ
シャフト60が揺動可能に配設されている。トリガシャ
フト60は、略円柱形状の基部60Aと、この基部60
Aから略コ字形に突出する突出部60Bとを備えてい
る。基部60Aの両端部には同軸上に突出する支軸62
が形成されており、トリガシャフト60はこの支軸62
回りに揺動可能にセンサボディー44に支持されてい
る。また、基部60Aの軸方向中間部は所定角度で切り
欠かれており、これにより基部60Aの軸方向中間部に
はファイアリングピン52の基部60Aの段部への係止
用とされる係止部64が形成されている。一方、突出部
60Bは、アーム56のジョイント部56Aに係止され
ている。
【0026】また、センサボディー44内の底部には、
有底円筒形状のロックプレート66が配設されている。
ロックプレート66は、底壁部66A及び底壁部66A
の外周縁から乗員側へ屈曲された周壁部66Bから成
る。このうち、周壁部66Bはシリンダ48の反乗員側
端部を包囲する位置に配置されており、アーム56の中
間部56Bは周壁部66Bとシリンダ48との間に位置
されている。さらに、周壁部66Bの乗員側端部は外方
へ屈曲されており、この屈曲部とセンサボディー44の
底部との間に圧縮コイルスプリングであるリターンスプ
リング68が巻装されている。このため、リターンスプ
リング68は、ロックプレート66を常時乗員側へ押圧
付勢している。また、ロックプレート66の底壁部66
Aは、センサボディー44の外方に突出配置されたレリ
ーズプレート70とリベット軸72によって連結されて
いる。
【0027】このレリーズプレート70とセンサボディ
ー44の底面との間には図示しないフォーク状の解除ロ
ッドが挿入可能とされており、エアバッグ装置12のス
テアリングホイール14への組付前の状態では解除ロッ
ドは非挿入状態とされ、組付後に解除ロッドが挿入状態
とされる。これにより、前者の場合にはリターンスプリ
ング68の付勢力でロックプレート66が図1図示位置
よりも乗員側へ移動した位置に保持されてアーム56の
反乗員側(慣性移動方向側)への移動を阻止する安全装
置としての役目を果たし、後者の場合にはリターンスプ
リング68の付勢力に抗してロックプレート66が図1
図示位置に保持されてアーム56の反乗員側への移動を
許容するセンサ作動可能状態とする役目を果たしてい
る。
【0028】ここで、図1及び図2に示されるように、
上述したボール50は、ネジ100によってアーム56
の受け部56Cに固定されている。すなわち、アーム5
6の受け部56Cの中央部には所定径寸法の開口102
が形成されており、この開口102を通してネジ100
がボール50の軸線上に螺入されている。なお、ネジ1
00の頭部の径寸法は、開口102の径寸法よりも大径
とされている。これにより、ボール50の反乗員側の周
面は受け部56Cの開口102の周縁に密着され、この
状態でボール50とアーム56の受け部56Cとの固定
状態が維持されるようになっている。
【0029】なお、図1及び図2において、部品番号1
03で示されるのはOリングである。
【0030】以下に、本実施例の作用を説明する。エア
バッグ装置12のステアリングホイール14への組付前
においては、図示しない解除ロッドが挿入されていない
ので、ロックプレート66はリターンスプリング68の
付勢力によって乗員側へ押圧されて移動した状態で保持
される。このため、ロックプレート66の底壁部66A
がアーム56の受け部56Cの直下に位置されるので、
アーム56は反乗員側へ移動することはない。従って、
エアバッグ装置12は、非作動状態を維持する。
【0031】エアバッグ装置12のステアリングホイー
ル14への組付が完了すると、図示しない解除ロッドが
レリーズプレート70とセンサボディー44の底面との
間に挿入される。このため、レリーズプレート70はリ
ターンスプリング68の付勢力に抗して反乗員側へ押圧
されて図1図示状態に保持される。このため、ロックプ
レート66の底壁部66Aはアーム56の受け部56C
から離間するので、アーム56の移動ストロークが確保
される。すなわち、エアバッグ装置12は作動可能状態
とされる。
【0032】その後、通常の車両走行時になった後に車
両急減速時になると、ボール50が慣性移動方向(矢印
A方向)側へ移動する。このため、アーム56の受け部
56Cがボール50によって押圧されるので、アーム5
6はボール50と共にバイアススプリング58の付勢力
に抗して慣性移動方向側へスライドする。従って、アー
ム56のジョイント部56Aも同量だけ慣性移動方向側
へスライドするので、トリガシャフト60が支軸62回
りに揺動される。このため、トリガシャフト60の係止
部64がファイアリングピン52の基部52Aの段部か
ら外れる。従って、ファイアリングピン52は、ファイ
アリングスプリング54の付勢力によって乗員側へ移動
して雷管32を刺突する。これにより、雷管32が発火
して、その火炎がエンハンサ34によってガス発生剤3
6に伝播される。この結果、ガス発生剤36は燃焼して
大量のガスを発生し、このガスがインフレータ18のガ
ス孔42から袋体24内へ流入される。このため、袋体
24が膨張してエアバッグパッド20をその薄肉部22
から破断させ展開させる。これにより、袋体24が乗員
側へ膨出される。
【0033】ここで、上記構成のエアバッグセンサ10
においては、内部に配設される各機能部品の寸法公差が
集積されることから、ある程度のクリアランスが意図的
に設定されている。
【0034】すなわち、センサボディー44におけるボ
ール50との対向面とボール50の乗員側の周面との間
には、センサ軸方向に所定の間隙寸法とされた隙間78
が設定されている。この隙間78によって、前述した各
機能部品の寸法公差のセンサ軸方向への集積を吸収して
いる。しかし、その反面、ボール50は隙間78の間隙
寸法分だけセンサ軸方向へ移動可能となるため、車両走
行時における車体振動等によってボール50に軸方向ガ
タが生じることになる。ところが、本実施例では、ボー
ル50とアーム56の受け部56Cとをネジ100によ
って固定したので、ボール50と受け部56Cとは常時
接触した状態にある。つまり、ボール50と受け部56
Cとが離間することはない。従って、共に金属製である
ボール50と受け部56Cとが断続的に当接することは
なく、又ボール50が樹脂製であるセンサボディー44
に当接することもない。
【0035】以上により、本実施例によれば、センサボ
ディー44内に各機能部品の寸法公差の集積を吸収する
ためのセンサ軸方向へのクリアランスを設定しても、ボ
ール50の軸方向ガタに起因した断続的な当接音(異
音)が生じるのを防止することができる。
【0036】なお、本実施例では、ボール50とアーム
56の受け部56Cとを固定する固定手段としてネジ1
00を用いたが、これに限らず、両者を固定することが
できる構成であればすべて適用可能である。例えば、図
5に示される例では、アーム56の受け部56Cの乗員
側の周面とボール50の反乗員側の周面とが接着剤10
4によって接着されている。従って、この例によって
も、前述した実施例と同様の作用、効果が得られる。ま
た、この例によれば、ネジ100等の締結具が不要とな
るので、部品点数が削減されるメリットもある。総じて
いえば、固定手段としては、ネジやリベット等の締結具
による「機械的結合手段」や、接着や溶着といった「化
学的結合手段」を適用することが可能である。
【0037】また、本実施例及び変形例では、運転席用
のエアバッグ装置12に本発明を適用したが、これに限
らず、助手席用のエアバッグ装置に本発明を適用しても
よいし、更には、車両急減速時にウエビング巻取装置の
巻取軸を急速にウエビング巻取方向回転させたり、或い
は、車両急減速時にバックル装置を急速に引き込むプリ
テンショナーに本発明を適用することも可能である。
【0038】次に、請求項1記載の本発明には含まれな
いが、上述した実施例及び変形例と同じ目的を達成する
ことができる構成をいくつか開示しておく。
【0039】図6に示される例では、上述したアーム5
6の受け部56C並びに中間部56Bに、軟質樹脂材料
による被覆体74が設けられている。以下、説明の便宜
上、受け部56C側の被覆体を第1被覆体74Aと称
し、中間部56B側の被覆体を第2被覆体74Bと称
す。第1被覆体74Aは、ボール50の反乗員側の周面
と密着するように凹面形状に成形されており、被覆層の
厚さは所定厚さに設定されている。一方、第2被覆体7
4Bの被覆層の厚さは、ロックプレート66の周壁部6
6Bの内周面とシリンダ48の外周面との間の距離に略
一致する厚さに設定されている。
【0040】さらに、センサボディー44におけるボー
ル50の乗員側の周面との対向部位には、ウレタン、ゴ
ム等の弾性材料を円板形状に成形することにより設けら
れたクッション材76が嵌着されている。なお、このク
ッション材76は、シリンダ48とセンサボディー44
との間をシールするOリングとしての機能も有する。ま
た、クッション材76は、ボール50によって押圧され
て所定量撓んだ状態でセットされるようになっている。
【0041】上記構成によれば、アーム56の受け部5
6Cに軟質樹脂材料より成る第1被覆体74Aを設けた
ため、共に金属製であるボール50とアーム56の受け
部56Cとが直接当接することはない。また、センサボ
ディー44におけるボール50の乗員側の周面との対向
部位にウレタン、ゴム等の弾性材料より成るクッション
材76を設けたため、金属製であるボール50と樹脂製
であるセンサボディー44とが直接当接することもな
い。
【0042】以上の説明では主としてセンサ軸方向のガ
タに起因した断続的な異音の発生を問題としていたが、
上記構成によればセンサ径方向のガタに起因した断続的
な異音の発生をも防止することができる。すなわち、ア
ーム56の中間部56Bの反乗員側部分とロックプレー
ト66の周壁部66Bとの間、並びに、センサボディー
44におけるアーム56の中間部56Bとの対向面とア
ーム56の中間部56Bとの間には、センサ径方向に所
定の間隙寸法とされた隙間80、82が設定されてい
る。これらの隙間80、82によって、前述した各機能
部品の寸法公差のセンサ径方向への集積を吸収してい
る。しかし、その反面、アーム56はその受け部56C
がボール50から押圧力を受けることによりジョイント
部56A回りに隙間80、82の範囲内で若干揺動可能
となるため、車両走行時における車体振動等によってア
ーム56に径方向ガタが生じることになる。ところが、
上記構成では、アーム56の中間部56Bに軟質樹脂材
料より成る第2被覆体74Bを設けているため、共に金
属製であるアーム56の中間部56Bとロックプレート
66の周壁部66Bとが直接当接することはない。さら
に、金属製であるアーム56の中間部56Bと樹脂製で
あるセンサボディー44とが直接当接することもない。
【0043】以上により、上記構成によれば、センサボ
ディー44内に各機能部品の寸法公差の集積を吸収する
ためのセンサ径方向及びセンサ軸方向へのクリアランス
を設定しても、ボール50の軸方向ガタ及びアーム56
の径方向ガタに起因した断続的な当接音(異音)が生じ
るのを防止することができる。
【0044】また、この例では、アーム56の所定部位
に軟質樹脂材料より成る被覆体74を設ける構成である
ので、部品点数の増加を招くことがなく構造の簡素化を
図ることができる。さらに、この例によれば、同様の理
由から、被覆体74の被覆層の材質や厚さ更には形状を
任意に設定することができるので、適用の自由度を高め
ることができる。
【0045】また、上記構成によれば、アーム56に被
覆体74を設けるだけでなく、センサボディー44にお
けるボール50の乗員側の周面との対向部位にウレタ
ン、ゴム等の弾性材料より成るクッション材76を設け
ているが、このクッション材76を設けた効果は、更に
以下の如く敷衍される。
【0046】図7には、上述したクッション材76を備
えていない従来構造におけるボールストロークに対する
トリガシャフトへの作用荷重を示すグラフが概略的に示
されている。このグラフに示される区間Iがボール50
の空走範囲であり、区間IIがボール50の空走後の移動
による各機能部品のガタ吸収範囲(ボール50の中走範
囲)であり、区間III がトリガシャフト60を実際に揺
動させる区間である。従って、区間I及び区間IIが、軸
方向ガタ及び径方向ガタ(特には、軸方向ガタ)の発生
原因となる区間である。ここで、この例ではクッション
材76をボール50の乗員側の周面とセンサボディー4
4との間に介在させることにより区間Iに相当する隙間
78を詰め、かつ、区間IIの半分程度に相当する撓み量
だけクッション材76を初期状態で撓ませるようにした
ので、区間I及び区間IIの半分程度に起因したガタを無
くすことができる。つまり、クッション材76をボール
50の乗員側の周面とセンサボディー44との間に介在
させれば、それだけで、たとえボール50に多少のガタ
が存在してもボール50とセンサボディー44との当接
音は発生しなくなるが、更にボール50のガタ自体をも
極力抑えることにより、起動時間の短縮化を図ることが
できる。
【0047】なお、上記構成において、センサ軸方向の
ガタに起因した異音の発生を防止することのみを目的と
する場合には、第2被覆体74Bを省略すればよい。
【0048】また、別の例として、図8に示される例で
は、センサボディー44におけるボール50の乗員側の
周面と対向する部位が、前述した実施例よりも厚肉化さ
れている(以下、この部位を「厚肉部106」と称
す)。これにより、ボール50の乗員側の周面とセンサ
ボディー44との間の隙間78が所定寸法だけ詰められ
ている。この例によれば、ボール50の軸方向ガタに起
因した異音を解消することができる訳ではないが、隙間
78が狭くなった分だけ異音の発生を低減することがで
きる。なお、この隙間78を詰める量(センサボディー
44の厚肉部106の肉厚増加量)は、前述した図7に
示される区間I及び区間IIの半分程度に相当する量に設
定されている。
【0049】なお、請求項1記載の本発明を一例として
下記の如く減縮した場合にも、同様の作用、効果が得ら
れる。「センサボディー内に収容され、車両急減速時に
慣性移動する慣性体と、所定の方向への付勢力を受けた
状態で配置され、この付勢力によって移動することによ
り車両に搭載された乗員保護補助装置を作動させる着火
部材(ファイアリングピン52がこれに相当)と、この
着火部材への係止状態で配置され、所定量揺動すること
により着火部材への係止状態を解除するトリガ部材(ト
リガシャフト60がこれに相当)と、一端部(ジョイン
ト部56Aがこれに相当)がトリガ部材に係合されると
共に他端部(受け部56Cがこれに相当)が慣性体の移
動方向側に配置され、慣性体が慣性移動することにより
所定量移動してトリガ部材を揺動させる移動部材(アー
ム56がこれに相当)と、を有する乗員保護補助装置用
センサであって、慣性体の慣性移動方向側の周面と移動
部材の他端部とを固定する固定手段を設けた、ことを特
徴とする乗員保護補助装置用センサ。」上記の如く減縮
した場合の作用は、以下の通りである。
【0050】車両走行状態となった後に車両急減速時に
なると、慣性体が慣性移動する。このため、移動部材の
他端部が慣性体に押圧される。従って、移動部材は所定
量移動してトリガ部材を所定量揺動させる。これによ
り、トリガ部材と着火部材との係止状態が解除され、着
火部材は付勢力で移動する。この結果、車両に搭載され
た乗員保護補助装置が作動される。
【0051】ここで、上述した各部材等のセンサボディ
ーへの組付状態では、各部材等の寸法公差が集積される
ことから、センサ軸方向に多少のクリアランスを設定す
るのが適切である。この場合、従来構造であれば、通常
の車両走行時に車体振動等によって慣性体がセンサ軸方
向へ微動し(慣性体に軸方向ガタが生じ)、慣性体と移
動部材の他端部とが断続的に当接する。しかし、本発明
によれば、慣性体の慣性移動方向側の周面と移動部材の
他端部とを固定手段によって固定したので、慣性体の慣
性移動方向側の周面と移動部材の他端部とは常時接触状
態にありかつ離間することはない。従って、両者の断続
的な当接による異音は生じない。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る乗員保
護補助装置用センサは、エアバッグセンサ内の軸方向ガ
タに起因した異音の発生を防止することができるという
優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るエアバッグセンサの作動前の状
態を示す縦断面図である。
【図2】図1に示されるエアバッグセンサの作動後の状
態を示す縦断面図である。
【図3】図1に示されるエアバッグセンサの斜視図であ
る。
【図4】図3に示されるエアバッグセンサを備えたエア
バッグ装置を示す縦断面図である。
【図5】変形例に係るエアバッグセンサを示す図1に対
応する縦断面図である。
【図6】一つ目の開示例に係るエアバッグセンサを示す
図1に対応する縦断面図である。
【図7】図6に示される例が有する効果を説明するため
のグラフである。
【図8】二つ目の開示例に係るエアバッグセンサを示す
図6に対応する縦断面図である。
【図9】従来構造に係るエアバッグセンサを示す図1に
対応する縦断面図である。
【符号の説明】
10 エアバッグセンサ(乗員保護補助装置用セン
サ) 12 エアバッグ装置(乗員保護補助装置) 44 センサボディー 50 ボール(慣性体) 56 アーム(移動部材) 100 ネジ(固定手段) 104 接着剤(固定手段)
フロントページの続き (72)発明者 臼井 克年 愛知県丹羽郡大口町大字豊田字野田1番地 株式会社東海理化電機製作所内 (72)発明者 村岡 力 愛知県丹羽郡大口町大字豊田字野田1番地 株式会社東海理化電機製作所内 (72)発明者 原田 民夫 愛知県丹羽郡大口町大字豊田字野田1番地 株式会社東海理化電機製作所内 (72)発明者 山田 久男 愛知県丹羽郡大口町大字豊田字野田1番地 株式会社東海理化電機製作所内 (72)発明者 田尻 裕司 愛知県丹羽郡大口町大字豊田字野田1番地 株式会社東海理化電機製作所内 (72)発明者 南 輝之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小倉 登 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センサボディー内に収容され、車両急減
    速時に慣性移動する慣性体と、 この慣性体の慣性移動によって移動して車両に搭載され
    た乗員保護補助装置を作動させる移動部材と、 を有する乗員保護補助装置用センサであって、 慣性体と移動部材とを固定する固定手段を設けた、 ことを特徴とする乗員保護補助装置用センサ。
JP7047160A 1995-03-07 1995-03-07 乗員保護補助装置用センサ Pending JPH08239001A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110057490A (zh) * 2019-04-18 2019-07-26 嘉兴勤慎智能技术有限公司 一种压力传感器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110057490A (zh) * 2019-04-18 2019-07-26 嘉兴勤慎智能技术有限公司 一种压力传感器
CN110057490B (zh) * 2019-04-18 2021-02-19 深圳市华众自动化工程有限公司 一种压力传感器

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