JPH08236503A - 酸化アルミニウム薄膜の選択エッチング方法 - Google Patents

酸化アルミニウム薄膜の選択エッチング方法

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JPH08236503A
JPH08236503A JP3821195A JP3821195A JPH08236503A JP H08236503 A JPH08236503 A JP H08236503A JP 3821195 A JP3821195 A JP 3821195A JP 3821195 A JP3821195 A JP 3821195A JP H08236503 A JPH08236503 A JP H08236503A
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JP
Japan
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gas
etching
aluminum oxide
film
thin film
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JP3821195A
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Jiyunichi Tonoya
純一 戸野谷
Shuichi Saito
秀一 齋藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化アルミニウム薄膜をアルミニウムやシリ
コンに対して高い選択比でエッチングすることが可能な
酸化アルミニウム薄膜の選択エッチング方法を提供しよ
うとするものである。 【構成】 エッチングガスの励起により主として生じた
反応性イオンでアルミニウム膜表面の酸化アルミニウム
薄膜を選択的にエッチングする方法において、前記エッ
チングガスは、三塩化ホウ素ガスとフッ素を含む飽和も
しくは不飽和炭化水素ガスとCOガスもしくはCO2
スとを含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化アルミニウム薄膜
の選択エッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置や液晶表示装置等のデバイス
においては、必要な特性を得るために種々の材料を用い
て微細な電子回路が形成されている。例えばTFT形液
晶表示装置においては、薄膜トランジスタのゲート電極
をモリブデンのような高融点金属に代わって、低コスト
で加工性に優れ、さらに低抵抗であるアルミニウムを使
用することが試みられている。しかしながら、アルミニ
ウムは酸化によりヒロックを発生するため、アルミニウ
ムからなるゲート電極上に絶縁膜を形成すると、前記絶
縁膜が破壊される恐れがある。このようなヒロックによ
る絶縁膜の破壊等を防止するためにアルミニウム薄膜の
形態またはゲート電極の形成後に陽極酸化を施して表面
に強固かつ安定な酸化膜を形成することが行われてい
る。
【0003】前述した薄膜トランジスタにおいては、配
線を前記ゲート電極に接続してゲート電極を外部に引き
出す必要がある。前記配線は、前記ゲート電極を含む領
域に被覆された絶縁膜上に形成され、前記絶縁膜に開口
したコンタクトホールを通して前記ゲート電極に接続さ
れる。このようなコンタクトホールは、前記絶縁膜上に
フォトリソグラフィ技術によりレジストパターンを形成
し、このレジストパターンをマスクとして前記絶縁膜を
エッチング除去することにより形成される。このエッチ
ング工程において、前記アルミニウムからなるゲート電
極表面には前述した陽極酸化によるアルミニウム酸化膜
(AlOx )が形成されているため、前記酸化膜も選択
的に除去することが必要である。したがって、前記酸化
膜のエッチングに際してはその下地であるゲート電極の
アルミニウムに対して十分大きなエッチング速度の比
(選択比)を有することが必要である。
【0004】ところで、アルミニウム酸化膜のエッチン
グにはリン酸水溶液によるウェットエッチング方法が知
られている。しかしながら、この方法はアルミニウム酸
化膜よりアルミニウムの方が速くエッチングされ易いた
め、アルミニウム酸化膜を選択的にエッチングすること
ができない。
【0005】一方、還元性で質量が比較的大きなCCl
4 やBCl3 のような塩素系ガスを用いた反応性イオン
エッチング方法は、アルミニウム表面の自然酸化膜をエ
ッチングできることが知られている。しかしながら、こ
のエッチング時における自然酸化膜のエッチング速度は
アルミニウムのそれよりも遅いため、アルミニウム酸化
膜を選択的にエッチングすることができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、酸化
アルミニウム薄膜をアルミニウムやシリコンに対して高
い選択比でエッチングすることが可能な酸化アルミニウ
ム薄膜の選択エッチング方法を提供しようとするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本発明に係わ
る酸化アルミニウム薄膜の選択エッチング方法は、エッ
チングガスの励起により主として生じた反応性イオンで
アルミニウム膜表面の酸化アルミニウム薄膜を選択的に
エッチングする方法において、前記エッチングガスは、
三塩化ホウ素ガスとフッ素を含む飽和もしくは不飽和炭
化水素ガスとCOガスもしくはCO2 ガスとを含むこと
を特徴とするものである。このような本発明の方法によ
れば、アルミニウム膜表面の酸化アルミニウム薄膜を高
いエッチング選択比で除去することができる。
【0008】すなわち、三塩化ホウ素ガスとフッ素を含
む飽和もしくは不飽和炭化水素ガスとCOガスもしくは
CO2 ガスとを含むエッチングガスを励起すると、前記
三塩化ホウ素ガスの分解、活性化により酸化アルミニウ
ム等へのエッチングに主に寄与する反応性のCl+ やB
Cl+ ,BCl2 + 等が発生する。また、前記エッチン
グガスの励起によりフッ素を含む飽和もしくは不飽和炭
化水素ガスから活性化されたCおよびFが生成し、また
COガスもしくはCO2 から活性化されたCが供給され
てフロロカーボン系のフラグメントが生成される。その
結果、アルミニウムやシリコンからなる被エッチング面
にエッチングバリアとして作用するフロロカーボン膜が
堆積される。一方、酸化アルミニウムからなる被エッチ
ング面では前記エッチングガスの励起において生成され
たフロロカーボン系のフラグメントが前記被エッチング
面から放出された酸素により酸化されて、分子量が大き
くなる前に揮散されるため、前記フロロカーボン膜の堆
積が抑制される。したがって、前記エッチングガスを励
起させると、アルミニウム膜表面の酸化アルミニウム薄
膜表面は主に前記反応性塩素イオンによりエッチングが
進行する。このような酸化アルミニウム薄膜のエッチン
グの進行に伴って、その下地であるアルミニウム膜が露
出すると、前述したエッチングバリアとして作用するフ
ロロカーボン膜がその露出面に堆積されるため、アルミ
ニウム膜のエッチングが抑制ないし阻止され、結果とし
て酸化アルミニウムとアルミニウムとのエッチング選択
比を十分に向上でき、酸化アルミニウム薄膜を選択的に
エッチングできる。
【0009】前記フッ素を含む飽和もしくは不飽和炭化
水素としては、例えばCHF3 、C48 、C33
を挙げることができる。本発明に係わる別の酸化アルミ
ニウム薄膜の選択エッチング方法は、エッチングガスの
励起により主として生じた反応性イオンでアルミニウム
膜表面の酸化アルミニウム薄膜を選択的にエッチングす
る方法において、前記エッチングガスは、三塩化ホウ素
ガスと低級アルコール、炭素数1〜5の飽和もしくは不
飽和炭化水素から選ばれる少なくとも1種のガスとを含
むことを特徴とするものである。このような本発明の方
法によれば、アルミニウム膜表面の酸化アルミニウム薄
膜を高いエッチング選択比で除去することができる。
【0010】すなわち、三塩化ホウ素ガスと低級アルコ
ール、炭素数1〜5の飽和もしくは不飽和炭化水素から
選ばれる少なくとも1種のガスとを含むエッチングガス
を励起すると、前記三塩化ホウ素ガスの分解、活性化に
より酸化アルミニウム等へのエッチングに主に寄与する
反応性のCl+ やBCl+ ,BCl2 + 等が発生する。
また、前記エッチングガスの励起により前記低級アルコ
ール、炭素数1〜5の飽和もしくは不飽和炭化水素から
活性化されたCおよびHが生成され、これらの反応によ
りハイドロカーボン系のフラグメントが生成される。そ
の結果、アルミニウムやシリコンからなる被エッチング
面にエッチングバリアとして作用するハイドロカーボン
膜が堆積される。一方、前記酸化アルミニウムからなる
被エッチング面では前記エッチングガスの励起において
生成されたハイドロカーボン系のフラグメントが前記被
エッチング面から放出された酸素により酸化されて、分
子量が大きくなる前に揮散されるため、前記ハイドロカ
ーボン膜の堆積が抑制される。したがって、前記エッチ
ングガスを励起させると、アルミニウム膜表面の酸化ア
ルミニウム薄膜表面は主に前記反応性塩素イオンにより
エッチングが進行する。このような酸化アルミニウム薄
膜のエッチングの進行に伴って、その下地であるアルミ
ニウム膜が露出すると、前述したエッチングバリアとし
て作用するハイドロカーボン膜がその露出面に堆積され
るため、アルミニウム膜のエッチングが抑制ないし阻止
され、結果として酸化アルミニウムとアルミニウムとの
エッチング選択比を十分に向上でき、酸化アルミニウム
薄膜を選択的にエッチングできる。
【0011】前記低級アルコールとしては、例えばCH
3 OH、C25 OH等を挙げることができる。前記炭
素数1〜5の飽和もしくは不飽和炭化水素としては、例
えばCH4 、C24 、C22 、CH2 Cl2 等を挙
げることができる。
【0012】本発明に係わるさらに別の酸化アルミニウ
ム薄膜の選択エッチング方法は、表面が酸化アルミニウ
ム薄膜で覆われたアルミニウム膜を有する被エッチング
部材をチャンバ内の電極上に配置し、前記チャンバ内に
エッチングガスを導入すると共に、前記電極に高周波電
力を印加して前記エッチングガスを励起することにより
主として生じた反応性イオンで前記酸化アルミニウム薄
膜を選択的にエッチングする方法において、前記エッチ
ングガスは、三塩化ホウ素ガスと塩素ガスとを含み、か
つ前記電極に印加する高周波電力を600W以上、つま
り4W/cm2 以上にすることを特徴とするものであ
る。このような本発明の方法によれば、アルミニウム膜
表面の酸化アルミニウム薄膜を高いエッチング選択比で
除去することができる。これは、次のようなエッチング
挙動によるものと推測される。
【0013】すなわち、表面が酸化アルミニウム薄膜で
覆われたアルミニウム膜を有する被エッチング部材をチ
ャンバ内の電極上に配置し、前記チャンバ内に三塩化ホ
ウ素ガスと塩素ガスとを含むエッチングガスを導入する
と共に、前記電極に600W以上、つまり4W/cm2
以上の高周波電力を印加して前記エッチングガスを励起
すると、前記三塩化ホウ素ガスの分解および前記塩素ガ
スの解離により酸化アルミニウム等へのエッチングに主
に寄与する反応性塩素イオンが発生する。また、アルミ
ニウムやシリコンからなる被エッチング面には前記三塩
化ホウ素ガスの分解により生成したエッチングバリアと
して作用するホウ素の被膜が堆積される。特に、電極に
印加する高周波電力を700W以上にすることによって
前記ホウ素の生成量を増大できる。一方、酸化アルミニ
ウムからなる被エッチング面では前記エッチングガスの
励起において生成されたホウ素が前記被エッチング面か
ら放出された酸素と結合すること等によりホウ素の被膜
として堆積されない。したがって、表面が酸化アルミニ
ウム薄膜で覆われたアルミニウム膜を有する被エッチン
グ部材が載置された電極に所定の高周波電力を印加して
前記エッチングガスを励起すると、アルミニウム膜表面
の酸化アルミニウム薄膜表面は主に前記反応性塩素イオ
ンによりエッチングが進行する。このような酸化アルミ
ニウム薄膜のエッチングの進行に伴って、その下地であ
るアルミニウム膜が露出すると、前述したエッチングバ
リアとして作用するホウ素の被膜がその露出面に堆積さ
れるため、アルミニウム膜のエッチングが抑制ないし阻
止され、結果として酸化アルミニウムとアルミニウムと
のエッチング選択比を十分に向上でき、酸化アルミニウ
ム薄膜を選択的にエッチングできる。
【0014】前記電極に印加する高周波電力を規定した
のは、その高周波電力を600W未満にすると、酸化ア
ルミニウムとアルミニウムとのエッチング選択比を十分
に高めることができなくなる。
【0015】なお、エッチングガスの励起により主とし
て生じた反応性イオンでアルミニウムもくしくはアルミ
ニウム合金からなる薄膜をテーパエッチングするに際
し、前記エッチングガスとして三塩化ホウ素ガスとフッ
素を含む飽和もしくは不飽和炭化水素ガスとCOガスも
しくはCO2 ガスとを含み、前述した酸化アルミニウム
の選択エッチングに比べて三塩化ホウ素ガスの比率を高
くしたものを用いることにより、60゜未満の緩慢な角
度を有するテーパエッチングを実現することができる。
【0016】また、エッチングガスの励起により主とし
て生じた反応性イオンでアルミニウムもくしくはアルミ
ニウム合金からなる薄膜をテーパエッチングするに際
し、前記エッチングガスとして三塩化ホウ素ガスと四フ
ッ化炭素と水素ガスとを含むものを用いることにより、
60゜未満の緩慢な角度を有するテーパエッチングを実
現することができる。
【0017】さらに、エッチングガスの励起により主と
して生じた反応性イオンでアルミニウムもくしくはアル
ミニウム合金からなる薄膜をテーパエッチングするに際
し、前記エッチングガスとして三塩化ホウ素ガスとメタ
ンガスもしくは二塩化メチレンガスとを含むものを用い
ることにより、60゜未満の緩慢な角度を有するテーパ
エッチングを実現することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1を参照して詳細
に説明する。図1は、本発明の実施例で使用する反応性
イオンエッチング装置を示す概略図である。一方の電極
(上部電極)を兼ねる容器1内には、下部電極2が配置
されている。前記容器1は、グランドに接続されてい
る。前記下部電極2は、冷却水が循環する構造になって
いる。高周波電源3は、前記下部電極2にマッチングボ
ックス4を通して接続されている。ガス供給管5は、前
記容器1の上部側壁に連結されている。排気管6は、前
記容器1の供給管5の連結部と対向する側壁の下部付近
に連結されている。前記排気管6の他端には、図示しな
いターボ分子ポンプとドライポンプが連結されている。
永久磁石7は、前記容器1の上方に回転自在に配置され
ている。なお、図1中の8は前記下部電極2に載置され
る試料である。
【0019】(実施例1)まず、ガラス基板上に厚さ3
50nmのアルミニウム膜(Al膜)をスパッタ蒸着
し、このAl膜上に写真蝕刻法によりレジスト膜を選択
的に形成した後、レジスト膜を140℃、10分間のベ
ーキングを行った。前記ウェハを1cm×1.5cmの
寸法に切断してAl試料片を作製した。このAl試料片
を前述した図1に示す反応性イオンエッチング装置の容
器1内の下部電極2上に試料8として載置し、図示しな
いターボン分子ポンプおよびドライポンプを作動して前
記容器1内のガスを排気した。つづいて、BCl3
ス、CHF3 およびCOをガス供給管5を通して前記容
器1内に供給し、下部電極2に高周波電源3から300
Wの高周波電力を印加すると共に、永久磁石7を500
rpmの速度で回転させて前記試料8上方の容器1空間
に高密度のプラズマを形成することにより前記レジスト
膜(マスク)から露出したAl膜を3分間エッチングし
た。なお、前記BCl3 ガスは100sccmの流量で
前記容器1内に供給し、CHF3 ガスおよびCOガスは
流量比CHF3 :COを1:3に固定すると共にそれら
の総量が20〜200sccmになるように前記容器1
内に供給した。前記容器1内の圧力は1Paに、前記試
料温度は25℃にそれぞれ設定した。
【0020】また、ガラス基板上に厚さ400nmのア
ルミニウム膜(Al膜)をスパッタ蒸着し、さらに3.
68重量%濃度の酒石酸アンモニウム水溶液とエチレン
グリコールが容量で1:1の割合にて含む溶液を用いて
陽極酸化を施して表面に厚さ約200nmの酸化アルミ
ニウム膜(AlOx 膜)を形成した。前記AlOx 膜上
に写真蝕刻法によりレジスト膜を選択的に形成した後、
レジスト膜を140℃、10分間のベーキングを行っ
た。前記ガラス基板を1cm×1.5cmの寸法に切断
してAlOx 試料片を作製し、これを前述した図1に示
す反応性イオンエッチング装置の容器1内の下部電極2
上に載置し、Al試料片と同様な条件で露出したAlO
x 膜をエッチングした。
【0021】このようなエッチング処理を施したAl試
料片およびAlOx 試料片のレジスト膜を除去し、前記
レジスト膜が存在した箇所とエッチング面との段差を接
触式段差計により測定することによりエッチングガス中
に占めるCHF3 ガスおよびCOガスの総量を変えた時
のAl試料片によるAlのエッチング量、AlOx 試料
片によるAlOx のエッチング量を求めた。これらの結
果を図2に示す。なお、図2にはBCl3 のみからなる
エッチングガスを用いた場合のAlのエッチング量、A
lOx のエッチング量を併記した。
【0022】図2から明らかなようにBCl3 のみから
なるエッチングガスを用いた場合には、AlOx のエッ
チングレートは約35nm/min、Alのエッチング
レートは約70nm/minで、AlOx の対Al選択
比[(AlOx のエッチングレート)/(Alのエッチ
ングレート)]は約0.5である。
【0023】一方、BCl3 、CHF3 ガスおよびCO
ガスからなるエッチングガスを用いた場合、エッチング
ガスに占めるCHF3 ガスおよびCOガスの総量が増加
するに伴ってAlのエッチングレートが減少する。CH
3 ガスおよびCOガスの総量が67sccmではAl
x のエッチングレートは前記CHF3 ガスおよびCO
ガスを共存させない時と変化がないが、Alのエッチン
グレートが40nm/minに減少するため、AlOx
の対Al選択比は0.8である。さらに、エッチングガ
スに占めるCHF3 ガスおよびCOガスの総量を増加す
ると、AlOxおよびAlの両者のエッチングレートが
減少する。前記総量が120sccmを越えると、Al
のエッチングがほぼ零に近くなるためにAlOx とAl
のエッチングレートが逆転する。したがって、AlOx
をAlに対して選択的にエッチングできることがわか
る。
【0024】(実施例2)実施例1と同様なAl試料片
を前述した図1に示す反応性イオンエッチング装置の容
器1内の下部電極2上に試料8として載置し、図示しな
いターボ分子ポンプおよびドライポンプを作動して前記
容器1内のガスを排気した。つづいて、BCl3 ガス、
CHF3 およびCO2 をガス供給管5を通して前記容器
1内に供給し、下部電極2に高周波電源3から2.6k
Wの高周波電力を印加すると共に、永久磁石7を500
rpmの速度で回転させて前記試料8上方の容器1空間
に高密度のプラズマを形成することにより前記レジスト
膜(マスク)から露出したAl膜をエッチングした。な
お、前記BCl3 ガスを前記容器1内に供給し、一方C
HF3 ガスおよびCO2 ガスを流量比CHF3 :CO2
を1:3に固定して前記容器1内に供給した。前記容器
1内の圧力は1Paに、前記試料温度は20℃にそれぞ
れ設定した。
【0025】また、実施例1と同様なAlOx 試料片を
前述した図1に示す反応性イオンエッチング装置の容器
1内の下部電極2上に載置し、Al試料片と同様な条件
で露出したAlOx 膜をエッチングした。
【0026】このようなエッチング処理を施したAl試
料片およびAlOx 試料片のレジスト膜を除去し、前記
レジスト膜が存在した箇所とエッチング面との段差を接
触式段差計により測定することによりエッチングガスに
占めるCHF3 ガスおよびCO2 ガスの総量を変えた時
のAl試料片によるAlのエッチング量、AlOx 試料
片によるAlOx のエッチング量を求めた。これらの結
果を図3に示す。なお、図3にはBCl3 のみからなる
エッチングガスを用いた場合のAlのエッチング量、A
lOx のエッチング量を併記した。
【0027】図3から明らかなようにBCl3 のみから
なるエッチングガスを用いた場合には、Alのエッチン
グレートは約150nm/min、AlOx のエッチン
グレートは約10mm/minで、AlOx の対Al選
択比[(AlOx のエッチングレート)/(Alのエッ
チングレート)]は約0.066である。
【0028】一方、BCl3 、CHF3 ガスおよびCO
2 ガスからなるエッチングガスを用いた場合、エッチン
グガスに占めるCHF3 ガスおよびCO2 ガスの総量が
増加するに伴ってAlのエッチングレートが減少する。
エッチングガスに占めるCHF3 ガスおよびCO2 ガス
の総量が80%を越えると、AlOx とAlのエッチン
グレートが逆転する。したがって、AlOx をAlに対
して選択的にエッチングできることがわかる。
【0029】(実施例3)実施例1と同様なAl試料片
を前述した図1に示す反応性イオンエッチング装置の容
器1内の下部電極2上に試料8として載置し、図示しな
いターボン分子ポンプおよびドライポンプを作動して前
記容器1内のガスを排気した。つづいて、BCl3 およ
びCH3 OHからなる混合系ガスをガス供給管5を通し
て前記容器1内に供給し、下部電極2に高周波電源3か
ら200Wの高周波電力を印加すると共に、永久磁石7
を500rpmの速度で回転させて前記試料8上方の容
器1空間に高密度のプラズマを形成することにより前記
レジスト膜(マスク)から露出したAl膜をエッチング
した。なお、前記BCl3 は20sccmの流量で、前
記CH3 OHは10sccmの流量で前記容器1内にそ
れぞれ供給し、かつ前記容器1内の圧力は2Paに、前
記試料温度は25℃にそれぞれ設定した。
【0030】また、実施例1と同様なAlOx 試料片を
前述した図1に示す反応性イオンエッチング装置の容器
1内の下部電極2上に載置し、Al試料片と同様な条件
で露出したAlOx 膜をエッチングした。
【0031】このようなエッチング処理を施したAl試
料片およびAlOx 試料片のレジスト膜を除去し、前記
レジスト膜が存在した箇所とエッチング面との段差を接
触式段差計により測定することによりAlおよびAlO
x のエッチング量を測定した。これらの結果を図4に示
す。
【0032】(比較例)実施例1と同様なAl試料片を
前述した図1に示す反応性イオンエッチング装置の容器
1内の下部電極2上に試料8として載置し、図示しない
ターボ分子ポンプおよびドライポンプを作動して前記容
器1内のガスを排気した。つづいて、BCl3 ガスのみ
をガス供給管5を通して100sccmの流量で前記容
器1内に供給し、下部電極2に高周波電源3から300
Wの高周波電力を印加すると共に、永久磁石7を500
rpmの速度で回転させて前記試料8上方の容器1空間
に高密度のプラズマを形成することにより前記レジスト
膜(マスク)から露出したAl膜を3分間エッチングし
た。なお、前記容器1内の圧力は1Paに、前記試料温
度は25℃にそれぞれ設定した。
【0033】また、AlOx 膜の厚さが210nmであ
る以外実施例1と同様なAlOx 試料片を前述した図1
に示す反応性イオンエッチング装置の容器1内の下部電
極2上に載置し、Al試料片と同様な条件で露出したA
lOx 膜をエッチングした。
【0034】このようなエッチング処理を施したAl試
料片およびAlOx 試料片のレジスト膜を除去し、前記
レジスト膜が存在した箇所とエッチング面との段差を接
触式段差計により測定することによりAlおよびAlO
x のエッチング量を測定した。これらの結果を図5に示
す。
【0035】図5から明らかなようにBCl3 のみから
なるエッチングガスを用いた比較例の場合には、AlO
x のエッチングレートは約35nm/min、Alのエ
ッチングレートは約70nm/minで、AlOx の対
Al選択比[(AlOx のエッチングレート)/(Al
のエッチングレート)]は約0.5である。
【0036】これに対し、BCl3 およびCH3 OHか
らなる混合系のエッチングガスを用いた実施例3では、
図4に示すようにAlOx が29.7nm/minの速
度でエッチングが進み、約10分でAlOx がエッチン
グ除去されて下地であるAl膜が露出する。その後、A
l膜では15.3nm/minの速度でエッチングが進
む。つまり、AlではAlOx より遅い速度でエッチン
グが進行する。したがって、AlOx ;29.7nm/
min、Al;15.3nm/minのエッチング速度
となるため、AlOx の対Al選択比は1.9になり、
AlOx をAlに対して選択的にエッチングできること
がわかる。
【0037】(実施例4)実施例1と同様なAl試料片
を前述した図1に示す反応性イオンエッチング装置の容
器1内の下部電極2上に試料8として載置し、図示しな
いターボ分子ポンプおよびドライポンプを作動して前記
容器1内のガスを排気した。つづいて、BCl3 および
Cl2 からなる混合系ガス(BCl3 /Cl2 =100
sccm/10sccm)をガス供給管5を通して前記
容器1内に供給し、下部電極2に高周波電源3から高周
波電力を可変しながら印加すると共に、永久磁石7を5
00rpmの速度で回転させて前記試料8上方の容器1
空間に高密度のプラズマを形成することにより前記レジ
スト膜(マスク)から露出したAl膜をエッチングし
た。なお、前記容器1内の圧力は5Paに、前記試料温
度は25℃にそれぞれ設定した。
【0038】また、実施例1と同様なAlOx 試料片を
前述した図1に示す反応性イオンエッチング装置の容器
1内の下部電極2上に載置し、Al試料片と同様な条件
で露出したAlOx 膜をエッチングした。
【0039】このようなエッチング処理を施したAl試
料片およびAlOx 試料片のレジスト膜を除去し、前記
レジスト膜が存在した箇所とエッチング面との段差を接
触式段差計により測定することにより高周波電力を変え
た時のAlおよびAlOx のエッチング速度を測定し
た。これらの結果を図6に示す。
【0040】図6から明らかなようにBCl3 およびC
2 からなるエッチングガスを用いたAlとAlOx
エッングに際し、印加する高周波電力を高めるのに伴っ
てAlのエッチングレートが減少し、AlOx のエッチ
ングレートが増大する。600Wを越える高周波電力を
印加すると、AlOx とAlのエッチングレートが逆転
する。したがって、BCl3 およびCl2 からなり、そ
れらが所望の比率で混合されたエッチングガスを用いる
と共に、高周波電力を所望の値に制御することによりA
lOx をAlに対して選択的にエッチングできることが
わかる。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係わる酸
化アルミニウム薄膜の選択エッチング方法によれば酸化
アルミニウム薄膜をアルミニウムやシリコンに対して高
いエッチング選択比で除去すことができ、ひいては半導
体装置や液晶表示装置の酸化アルミニウム薄膜のパター
ニングに有効に利用できる等顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で使用する反応性イオンエッチ
ング装置を示す概略図。
【図2】エッチングガス中に占めるCHF3 ガスおよび
COガスの総量を変えた時のAlおよびAlOx のエッ
チング量を示す特性図。
【図3】エッチングガス中に占めるCHF3 ガスおよび
CO2 ガスの総量を変えた時のAlおよびAlOx のエ
ッチング速度を示す特性図。
【図4】本発明の実施例3におけるエッチング時間に対
するAlおよびAlOx のエッチング量を示す特性図。
【図5】比較例におけるエッチング時間に対するAlお
よびAlOx のエッチング量を示す特性図。
【図6】高周波出力を変えた時のAlおよびAlOx
エッチング速度を示す特性図。
【符号の説明】
1…容器、2…下部電極、3…高周波電源、5…ガス供
給管、7…永久磁石、8…試料。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エッチングガスの励起により主として生
    じた反応性イオンでアルミニウム膜表面の酸化アルミニ
    ウム薄膜を選択的にエッチングする方法において、 前記エッチングガスは、三塩化ホウ素ガスとフッ素を含
    む飽和もしくは不飽和炭化水素ガスとCOガスもしくは
    CO2 ガスとを含むことを特徴とする酸化アルミニウム
    薄膜の選択エッチング方法。
  2. 【請求項2】 エッチングガスの励起により主として生
    じた反応性イオンでアルミニウム膜表面の酸化アルミニ
    ウム薄膜を選択的にエッチングする方法において、 前記エッチングガスは、三塩化ホウ素ガスと低級アルコ
    ール、炭素数1〜5の飽和もしくは不飽和炭化水素から
    選ばれる少なくとも1種のガスとを含むことを特徴とす
    る酸化アルミニウム薄膜の選択エッチング方法。
  3. 【請求項3】 表面が酸化アルミニウム薄膜で覆われた
    アルミニウム膜を有する被エッチング部材をチャンバ内
    の電極上に配置し、前記チャンバ内にエッチングガスを
    導入すると共に、前記電極に高周波電力を印加して前記
    エッチングガスを励起することにより主として生じた反
    応性イオンで前記酸化アルミニウム薄膜を選択的にエッ
    チングする方法において、 前記エッチングガスは、三塩化ホウ素ガスと塩素ガスと
    を含み、かつ前記電極に印加する高周波電力を600W
    以上にすることを特徴とする酸化アルミニウム薄膜の選
    択エッチング方法。
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