JPH08235539A - 磁気抵抗効果型素子及びこれを用いた磁気抵抗効果型磁気ヘッド、デプスセンサー - Google Patents

磁気抵抗効果型素子及びこれを用いた磁気抵抗効果型磁気ヘッド、デプスセンサー

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JPH08235539A
JPH08235539A JP4024995A JP4024995A JPH08235539A JP H08235539 A JPH08235539 A JP H08235539A JP 4024995 A JP4024995 A JP 4024995A JP 4024995 A JP4024995 A JP 4024995A JP H08235539 A JPH08235539 A JP H08235539A
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JP
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film
magnetic
rear end
magnetoresistive effect
magnetoresistive
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JP4024995A
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Yoshihiro Sugano
佳弘 菅野
Yukio Kondo
由喜雄 今藤
Tadao Suzuki
忠男 鈴木
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 絶縁性の非磁性膜を介して複数のMR薄膜が
積層されてなるMR膜の全体に均一に電流を印加し、抵
抗値変化に対する検出精度を安定化し、磁気的な安定性
も確保する。 【構成】 MR素子の絶縁性非磁性膜9を介して複数層
積層されるMR薄膜8a,8bに積層形成される先端電
極及び後端電極10を各MR薄膜8a,8bの端面8a
1 ,8b1 に接するようにする。なお、上記MR薄膜8
a,8bの端面8a1 ,8b1 により構成される面を傾
斜面とし、その傾斜面とMR薄膜8a,8bの膜面方向
とがなす角度θが90゜未満であることが好ましい。さ
らに、上記MR素子を用いて磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を構成しても良く、上記MR素子の先端部と後端部の電
極間の抵抗値を検出するようにして研磨量を検出するデ
プスセンサーを構成しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁性非磁性膜を介し
て複数積層された磁気抵抗効果薄膜の先端部及び後端部
に電極が積層形成されてなる磁気抵抗効果型素子及びこ
れを用いた磁気抵抗効果型磁気ヘッド、デプスセンサー
に関し、詳しくは複数層の磁気抵抗効果薄膜に対して均
一に電流を印加し、磁気抵抗効果型素子の磁気的な安定
性や抵抗の安定性を図ろうとしたものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、ハードディスクドライブ等の磁
気記録再生装置において再生用磁気ヘッドとして用いら
れている磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以下、MRヘッド
と称する。)は、媒体対向面に臨む間隙を有して配され
る一対の磁気シールドコア間に非磁性層を介して磁気抵
抗効果型素子(以下、MR素子と称する。)が挟み込ま
れてなるものである。
【0003】すなわち、上記MRヘッドにおいては、一
対の磁気シールドコアにより余分な外部磁界をシールド
して、目的とする外部磁界のみがMR素子に入るように
しており、上記外部磁界によりMR素子の抵抗が変化す
ることを利用して情報の再生を行う。このとき、上記M
R素子は感磁部となる磁気抵抗効果膜(以下、MR膜と
称する。)の先端部及び後端部に電極が形成されてなる
ものである。従って、情報の再生は、上記電極からMR
膜にセンス電流を流してMR膜を所定の方向に磁化して
おき、この磁化方向が外部磁界により変化するために起
きるMR膜の抵抗値の変化を電圧変化として検出して行
われる。
【0004】ところで、このようなMRヘッドを製造す
る際には、下部となる一方の磁気シールドコア上に非磁
性層を介してMR素子を積層形成し、再び非磁性層を介
して上部となる他方の磁気シールドコアを積層形成す
る。そして、上記MRヘッドの磁気記録媒体対向面に研
磨を施す。この研磨工程によって媒体への当たり特性及
びデプス長といったMRヘッドの重要な特性が決定され
る。特に、デプス長精度はMRヘッドの性能を確保する
上で非常に重要である。
【0005】そこで、上記のようなMRヘッドの製造に
おいては、デプス長を測定することの可能なデプスセン
サーを上記製造工程中において形成しておき、研磨時に
は該デプスセンサーによってデプス長を検出しながら加
工を行うようにしている。上記デプスセンサーとして
は、例えば図30に示されるようなものが挙げられる。
上記デプスセンサーは、例えば同様の形状の3個の電気
抵抗素子部101,102,103により構成されるも
のである。
【0006】なお、上記電気抵抗素子部101,10
2,103の後端部にはそれぞれ同様の形状の後端電極
部101a,102a,103aが形成され、先端部に
は同様の形状の先端電極部101b,102b,103
bがそれぞれ形成されている。さらに、先端電極部10
1b,102b間は導通部104により接続され、先端
電極部102b,103b間は導通部105により接続
されている。
【0007】すなわち、上記電気抵抗素子部101,1
02は先端電極部101b,102bを介して導通部1
04により接続され、電気抵抗素子部102,103は
先端電極部102b,103bを介して導通部105に
より接続されていることとなる。また、ここでは、便宜
上、電気抵抗素子部101,102,103、先端電極
部101b,102b,103b、導通部104,10
5と分けて称しているが、これらは一体に成形されてい
る。
【0008】言い換えれば、後端電極101a,102
a間に一体に成形された電気抵抗素子部101,先端電
極部101b,導通部104,先端電極部102b,電
気抵抗素子部102が順次配され、後端電極102a,
103a間に一体に成形された電気抵抗素子部102,
先端電極部102b,導通部105,先端電極部103
b,電気抵抗素子部103が順次配されていることとな
る。
【0009】そしてこのとき、上記導通部104,10
5は、下端となる側面104b,105bが同一線上に
配されている太さの異なる平行な導通部として形成され
ており、上記導通部104,105のそれぞれの上端と
なる側面104a,105a間に高さSの段差が形成さ
れることとなる。従って、電気抵抗素子部101,10
2の後端電極部101a,102a間に通電した場合の
後端電極部101a,102a間の抵抗と電気抵抗素子
部102,103の後端電極部102a,103a間に
通電した場合の後端電極部102a,103a間の抵抗
を比較すると、導通部104,105の長さが同じであ
れば、段差Sに相当する幅の差に対応する差が発生する
こととなる。
【0010】すなわち、上記デプスセンサーにおいて
は、上記の抵抗の差を利用してデプス長を検出するよう
にしている。先ず、後端電極部102a,103a間に
通電し、後端電極部102a,103a間の抵抗値を基
準抵抗値として測定しておく。そして、後端電極部10
1a,102a間に通電し、この間の抵抗値を測定しな
がら側面104a側より研磨を行うと、導通部104が
研磨されるにつれて導通部104の幅が小さくなる(距
離Sが小さくなる。)ため後端電極部101a,102
a間の抵抗値が上昇し、基準抵抗値に近づく。このと
き、基準抵抗値と抵抗値の差は、距離Sの変化に比例す
るため、上記抵抗値の差から研磨量が検出できる。
【0011】従って、上記デプスセンサーを導通部10
4がMRヘッドの磁気記録媒体対向面に臨み、導通部1
05の上端となる側面105aがデプス零の位置に相当
するようにMRヘッドに予め設けておけば、導通部10
4の上端である側面104aから導通部105の上端で
ある側面105aまでの距離Sが磁気ギャップのデプス
長となる。言い換えれば、抵抗値の差から検出される研
磨量が磁気ギャップの研磨量となるため、上記デプスセ
ンサーを使用すれば、抵抗値の差からMRヘッドのデプ
ス長を検出しながら研磨加工を行うことができる。
【0012】なお、上記のようなMRヘッドにおいて
は、このようなデプスセンサーをMR素子と同様に形成
している。すなわち、MR膜により電気抵抗素子部10
1,102,103を先端電極部101b,102b,
103b及び導通部104,105を一体に成形するよ
うにし、後端電極部101a,102a,103aもM
R素子の各電極と同様に形成するようにしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のMR
ヘッドにおいては、前述のデプス長精度或いはMR素子
の磁気的な安定性がMRヘッドの特性を確保する上で非
常に重要な特性となる。そして、デプス長精度を確保す
るためには、上述のMR素子と同様に形成されるデプス
センサーの抵抗値変化による研磨量検出精度を確保する
必要がある。しかしながら、上記デプスセンサーにおい
ては、抵抗値変化の検出精度があまり安定しておらず、
研磨量検出精度を十分に確保することが困難である。
【0014】上記デプスセンサーを構成するMR膜とし
ては、磁気抵抗効果薄膜(以下、MR薄膜と称する。)
が絶縁性の非磁性膜を介して複数層積層されてなるもの
が使用されている。そして、図31に示されるように、
デプスセンサーの例えば後端電極部101aは、例えば
2層のMR薄膜106a,106bが厚さ6nm程度の
絶縁性の非磁性膜107を介して積層されてなるMR膜
よりなる電気抵抗素子部101の上面とのみ接続してい
る。
【0015】なお、このようなMR膜においては、上記
非磁性膜107が非常に薄い膜であることから、上下の
MR薄膜106a,106bは電気的に導通しているも
のと考えられており、上記のように後端電極部101a
を上面とのみ接続すれば、MR薄膜106a,106b
に電流が均一に印加されるものと考えられている。しか
し、上記MR膜101においては、電流がMR膜101
のMR薄膜106a,106bの全体に均一に印加され
ていないものと思われ、抵抗値変化の検出精度があまり
安定しておらず、研磨量検出精度を十分に確保すること
が困難となっている。
【0016】一方、MR素子の磁気的な安定性を確保す
るためにも、MR素子において該MR素子を構成する絶
縁性の非磁性膜を介して積層される複数層のMR薄膜に
対して均一に電流を印加する必要があるが、これも上記
の理由から困難であり、MR素子の磁気的な安定性を確
保することも困難となっている。そこで本発明は従来の
実情に鑑みて提案されたものであり、絶縁性の非磁性膜
を介して複数のMR薄膜が積層されてなるMR膜の全体
に均一に電流を印加することが可能とされ、抵抗値変化
に対する検出精度が安定化され、磁気的な安定性も確保
されているMR素子を提供し、これを用い、研磨量検出
精度が十分に確保されるデプスセンサー及び磁気的な安
定性の良好なMRヘッドを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明者等は鋭意検討した結果、絶縁性の非磁性膜
を介して複数のMR薄膜が積層されてなるMR膜におい
ては、積層されるMR薄膜間の電気的な導通があまりな
されておらず、電極がMR膜の上面とのみ接続している
状態では、最上層のMR薄膜のみに十分な電流が印加さ
れており、他のMR薄膜には十分な電流が印加されてい
ないことを見い出した。
【0018】そして、上記課題を解決するためには、電
極を複数層のMR薄膜の端面に接するものとし、各MR
薄膜に均一に電流が印加されるようにすれば良いことを
見い出した。すなわち、本発明は、磁気抵抗効果薄膜が
絶縁性非磁性膜を介して複数層積層され、その先端部及
び後端部に電極が積層形成されてなる磁気抵抗効果型素
子において、上記各電極が各磁気抵抗効果薄膜の端面に
接していることを特徴とするものである。
【0019】なお、このとき、複数層の磁気抵抗効果薄
膜の端面により構成される面が傾斜面となされ、その傾
斜面と磁気抵抗効果薄膜の膜面方向とがなす角度θが9
0゜未満であることが好ましい。さらに、上記磁気抵抗
効果型素子を一対の磁気シールドコア間に配して磁気抵
抗効果型磁気ヘッドを構成しても良く、各電極を各磁気
抵抗効果薄膜の端面に接するものとしても良い。
【0020】また、上記磁気抵抗効果型素子の先端部と
後端部の電極間の抵抗値を検出するようにして研磨量を
検出するデプスセンサーを構成しても良く、各電極を各
磁気抵抗効果薄膜の端面に接するものとしても良い。な
お、本発明においては、磁気抵抗効果薄膜として、例え
ばパーマロイ(Ni−Fe)等の磁気抵抗効果を有する
金属膜等を使用することが可能であり、絶縁性非磁性膜
として、例えばTa,W等の高抵抗を有する材料よりな
る膜或いはAl23 やSiO2 等の絶縁材料よりなる
膜を使用することが可能である。
【0021】
【作用】本発明の磁気抵抗効果型素子においては、絶縁
性非磁性膜を介して複数層積層される磁気抵抗効果薄膜
の先端部及び後端部に積層形成される各電極が、各磁気
抵抗効果薄膜の端面に接するようになされていることか
ら、上記複数層の磁気抵抗効果薄膜に均一に電流が印加
される。
【0022】また、本発明の磁気抵抗効果型素子におい
て、複数層の磁気抵抗効果薄膜の端面により構成される
面が傾斜面となされ、その傾斜面と磁気抵抗効果薄膜の
膜面方向とがなす角度θが90゜未満とされていれば、
各電極と複数層の磁気抵抗効果薄膜の端面間の接続が容
易となる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。実施例1 ここでは、本発明の磁気抵抗効果型素子(MR素子)を
一対の磁気シールドコアにより挟み込んで構成した磁気
抵抗効果型磁気ヘッド(MRヘッド)の実施例と、上記
一対の磁気シールドコアのうちの一方の磁気シールドコ
ア上にさらに薄膜磁気コアを形成し、これらの間に記録
用コイルを形成したインダクティブヘッドよりなる複合
型磁気ヘッドについて説明する。
【0024】上記複合型磁気ヘッドは、図1に示すよう
に、媒体対向面1に臨む間隙部である再生用ギャップg
1 ,g2 を有するMRヘッドと、この媒体対向面1に記
録用磁気ギャップg3 を臨ませるインダクティブヘッド
をアルミナチタン酸カルシウム(Al23 −TiC)
基板等からなるスライダー2上に積層形成した、いわゆ
る2ギャップタイプの記録再生ヘッドとされている。
【0025】MRヘッドは、先端部及び後端部に図示し
ない定電流源からのセンス電流を通ずるための一対の電
極が積層された磁気抵抗効果素子3(以下、MR素子3
と称する。)と該MR素子3に所定の向きの磁化状態を
与えるバイアス導体17が非磁性層4a,4bを介して
軟磁性材料よりなる下層,上層磁気シールドコア5,6
によって挟み込まれて形成されている。なお、上記軟磁
性材料としては、パーマロイ(Ni−Fe)等が挙げら
れ、結晶,非結晶材料のいずれでも良い。
【0026】MR素子3の下側に設けられる下層磁気シ
ールドコア5は、上記スライダー2上にアルミナ膜等よ
りなる絶縁層7を介して上記媒体対向面1にその一端を
臨ませるようにしてこの媒体対向面1に対して略直交す
る方向に延在して設けられている。一方、これに対向し
て設けられる上層磁気シールドコア6は、先の下層磁気
シールドコア5と同様に上記媒体対向面1にその一端を
臨ませるようにしてこの媒体対向面1に対して略直交す
る方向に延在して設けられる。
【0027】そして、上記MR素子3は、インダクティ
ブヘッドの記録用磁気ギャップg3のトラック幅よりも
若干幅狭の平面長方形パターンとして形成され、その長
手方向が上記媒体対向面1に対して直交方向となるよう
に設けられるとともに、その一端縁が上記媒体対向面1
に臨むようになっている。また、上記MR素子3の後端
部には電極10(以下、後端電極10と称する。)が積
層形成されており、先端部には上層磁気シールドコア6
の一部が積層形成されており、その一部が先端電極とし
ても機能する。
【0028】さらに、本実施例においては、図2に示す
ように、上記MR素子3を、2層の磁気抵抗効果薄膜8
a,8b(以下、MR薄膜8a,8bと称する。)が絶
縁性非磁性膜9を介して積層されたものとしている。そ
して、本実施例においては特に、図2中に示されるよう
に、先端電極として機能する上層磁気シールドコア6の
一部及び後端電極10(図2中には後端電極10のみを
示す。)がMR素子3の上面だけでなく、その側面、言
い換えれば、MR薄膜8a,8bの端面8a1 ,8b1
にも接するように形成されている。
【0029】すなわち、本実施例においては、MRヘッ
ドのMR素子3のMR薄膜8a,8bに均一に電流が印
加される。また、本実施例においては、MR薄膜8a,
8bの端面8a1 ,8b1 により形成される面が傾斜面
とされ、その傾斜面とMR薄膜8a,8bの膜面方向と
がなす角度θが90゜未満であることが好ましい。
【0030】上記バイアス導体17は、平面長方形状の
細長い配線パターンとして形成され、上記MR素子3上
に絶縁層4bを介して所定の距離を隔てて積層されてい
る。また、このバイアス導体17は、上記MR素子3に
対して略直交する方向、つまりMR素子3を横切る形で
設けられている。そして、このバイアス導体17には長
手方向に直流電流であるバイアス電流が供給され、媒体
対向面1と直交する方向のバイアス磁界がMR素子3に
印加されることとなる。
【0031】一方、インダクティブヘッドにおいては、
上層磁気シールドコア6を閉磁路を構成する一方の薄膜
磁気コアとし、この上層磁気シールドコア6に対向して
積層される薄膜磁気コア11とによって上記媒体対向面
1に臨んでその前方端部間に記録用磁気ギャップg3
構成している。このとき、上記上層磁気シールドコア6
と薄膜磁気コア11間には記録用磁気ギャップg3 を構
成するギャップ膜16が配されている。なお、薄膜磁気
コア11は、後方端部で上記上層磁気シールドコア6に
磁気的に接触してバックギャップを構成するようになっ
ている。
【0032】そして、上記薄膜磁気コア11と上層磁気
シールドコア6の後方端部の接続部である磁気的結合部
12には、この磁気的結合部12を取り囲むようにして
スパイラル状の記録用コイル13が設けられている。記
録用コイル13は、薄膜磁気コア11及び上層磁気シー
ルドコア6との絶縁性を確保するために、絶縁層14に
よって埋め込まれている。なお、薄膜磁気コア11上に
もスライダー2上に積層されるMRヘッドとインダクテ
ィブヘッドを保護するための保護膜として機能する絶縁
層15が設けられている。
【0033】本実施例の複合型磁気ヘッドにおいては、
MRヘッドのMR素子3の先端電極として機能する上層
磁気シールドコア6の一部及び後端電極10が、MR素
子3を構成するMR薄膜8a,8bのそれぞれの端面8
1 ,8b1 に接しているため、MR薄膜8a,8bに
均一に電流が印加され、MR素子3の磁気的な安定性が
確保され、MRヘッドの磁気的な安定性も良好となる。
【0034】次に、上記本実施例の複合型磁気ヘッドの
製造方法を工程順に示す。複合型磁気ヘッドを製造する
には、先ず、図3に示すように、アルミナチタン酸カル
シウム(Al23 −TiC)基板等よりなるスライダ
ー21上に、該スライダー21の絶縁性と表面性の改善
を目的としてアルミナ膜等の絶縁層22をスパッタリン
グ等の手法によって成膜する。
【0035】次に、スライダー21上に形成される絶縁
層22の上に下層磁気シールドコア23を形成する。こ
の下層磁気シールドコア23は、パーマロイ(Ni−F
e)等の金属磁性材料よりなる薄膜をスパッタリングや
メッキ等の手法により成膜した後、所定の形状に加工す
ることにより形成される。次に、図4に示すように、後
述のMR素子やバイアス導体に電流を供給するための所
定の配線パターンを有するリード電極24を、絶縁層2
2上の下層磁気シールドコア23と重ならない部分に形
成する。なお、リード電極24は、銅等のパターンメッ
キにより形成すれば良い。
【0036】その結果、図5に示すように、絶縁層22
上に所定形状を有する下層磁気シールドコア23と、こ
の下層磁気シールドコア23の回りに所定配線パターン
とされたリード電極24が形成される。次いで、下層磁
気シールドコア23とリード電極24を平坦化するため
に、図6に示すように、これらの上にAl2 3 等より
なる平坦化膜25をスパッタリング等により形成する。
【0037】次に、上記平坦化膜25の表面を図7に示
すように、下層磁気シールドコア23とリード電極24
が露出するまで研磨する。次に、図8に示すように、下
層磁気シールドコア23上にギャップ膜となる非磁性層
28を成膜する。非磁性層28には、下層磁気シールド
コア23とMR素子及びこれに接続される電極との絶縁
性を確保する機能と、ギャップ膜としての機能の両方を
持たせるため、例えばAl2 3 膜を用いることが望ま
しい。
【0038】次に、上記非磁性膜28にリード電極24
の電気的接続をとるためのコンタクトホール(図示は省
略する。)を形成する。そして、図9に示すように、上
記非磁性層28上にMR膜29を形成する。本実施例に
おいては、MR膜29を2層のMR薄膜を絶縁性非磁性
膜を介して積層したものとしていることから、MR膜2
9を形成するには、膜厚15〜40nmのパーマロイ
(Ni−Fe)膜、膜厚5〜40nmのAl23 膜、
膜厚15〜40nmのパーマロイ(Ni−Fe)膜、膜
厚20nmのAl23 膜をスパッタリングや蒸着等に
て順次積層形成し、これらをフォトリソグラフィー技術
(以下、PRと称する。)により所定の形状にパターニ
ングし、リアクティブイオンエッチング(以下、RIE
と称する。)やイオンエッチング(以下、IEと称す
る。)等のエッチング技術により不要な部分を除去して
所定形状に加工する。なお、図9以降、MR膜29近傍
部のみを拡大して示すものとする。
【0039】この結果、図10に示すように、MR膜2
9は下層磁気シールドコア23と同様の形状の非磁性層
28上にその長手方向が媒体対向面30と直交する方向
とされる平面長方形のパターンとして形成されることと
なる。次に、図11に示すように、MR膜29と次工程
で形成するバイアス導体との電気的絶縁を図るために形
成され、非磁性層の一部ともなる膜厚100nm程度の
SiO2 膜等よりなる第1の絶縁膜31をスパッタリン
グ等によりMR膜29上に成膜する。
【0040】次いで、図12に示すように、MR膜29
の後端部29aとリード電極24の端部に対応する位置
に、上記第1の絶縁膜31の一部を除去して電気的接続
をとるためのコンタクトホール32(リード電極用のコ
ンタクトホールは図示を省略する。)をPRやRIE等
の技術を用いて形成する。このとき、本実施例において
は、図13に示すように、コンタクトホール32をMR
膜29の後端部29aの全体が露呈するような開口部と
して形成し、MR膜29を構成する前述のパーマロイよ
りなるMR薄膜の三方の端面が露呈するようにする。
【0041】そして、図14に示すように、バイアス磁
界を発生させるためのバイアス導体33とMR膜29に
センス電流を流すための導体34(以下、これを後端電
極34と称する。)を形成する。このとき、図15に示
すように、上記バイアス導体33は、MR膜29と対向
する位置の第1の絶縁膜31上に設けられ、該MR膜2
9の長手方向に対して垂直に帯状のパターンとして形成
されている。一方、後端電極34は、MR膜29の後端
縁側においてその一部が第1の絶縁膜31上に積層して
設けられると共に、コンタクトホール32において当該
MR膜29と電気的に接続されている。また、バイアス
導体33と後端電極34はその一端において接続されて
いる。
【0042】そして、本実施例においては特に、上記の
ようにコンタクトホール32をMR膜29の後端部29
a全体が露呈するようにして設けていることから、図1
6に示すように、後端電極34はMR膜29の後端部2
9aの上面だけでなく側面においてもMR膜29に接続
し、MR膜29を構成するMR薄膜35a,35bの端
面にも接続することとなる。
【0043】これらバイアス導体33と後端電極34
は、上記第1の絶縁膜31と次工程で成膜される第2の
絶縁膜との密着性を考慮して、例えばTi/Cu/Ti
の順にスパッタリングした積層膜構造とすることが望ま
しい。そして、このようなバイアス導体33と後端電極
34は、上記のような積層膜をスパッタリングにより形
成した後に、PRにより所定の形状をパターニングし、
IEにより不要な部分を除去して所定形状に加工して形
成すれば良い。
【0044】次に、図17に示すように、上記バイアス
導体33及び後端電極34と後述の工程で形成する上層
磁気シールドコアとの絶縁を図るために形成され、非磁
性層の一部ともなる膜厚100nm程度のSiO2 膜等
よりなる第2の絶縁膜36をスパッタリング等の手法に
よりこれらバイアス導体33と後端電極34とを完全に
覆うようにして積層形成する。
【0045】次いで、図18に示すように、MR膜29
の先端部29b上に積層された絶縁膜31,36を除去
し、当該MR膜29の先端部29bを露出させるコンタ
クトホール37を形成する。なお、上記コンタクトホー
ル37は、PRにより所定の形状をパターニングした
後、RIEにより不要な部分を除去して所定形状に加工
して形成すれば良い。
【0046】そしてこのとき、本実施例においては、上
記コンタクトホール37を前述のコンタクトホール32
と同様にMR膜29の先端部29bの全体が露呈するよ
うな開口部として形成し、MR膜29を構成する前述の
パーマロイよりなるMR薄膜の三方の端面が露呈するよ
うにする。続いて、図19に示すように、絶縁膜36上
に上層磁気シールドコア38を形成する。上層磁気シー
ルドコア38は、下層磁気シールドコア23と同様に、
パーマロイ(Ni−Fe)等の金属磁性材料薄膜をスパ
ッタリングやメッキ等の手法により成膜した後、所定の
形状に加工することにより形成される。なお、このと
き、下地膜としてTi膜を形成することが好ましい。
【0047】ただし、本実施例においては、上記上層磁
気シールドコア38を先端電極として兼用しているた
め、該上層磁気シールドコア38をコンタクトホール3
7に臨むMR膜29の先端部29b上にも積層するよう
に形成する。そして、本実施例においては特に、上記の
ようにコンタクトホール37をMR膜29の先端部29
b全体が露呈するようにして設けていることから、先端
電極として機能する上層磁気シールドコア38の一部は
MR膜29の先端部29bの上面だけでなく側面におい
ても接続し、MR膜29を構成するMR薄膜35a,3
5bの端面にも接続することとなる。
【0048】この結果、図20に示すように上層磁気シ
ールドコア38がMR素子等を覆うようにして形成され
る。次に、上記MRヘッド上に記録用のインダクティブ
ヘッドの形成を行う。インダクティブヘッドを形成する
には、先ず、図1中に示すように上層磁気シールドコア
6上にAl2 3 膜等よりなるギャップ膜16をスパッ
タリング等の手法により形成する。そしてこのとき、上
記ギャップ膜16の一部を除去して後述する記録用の薄
膜磁気コアと上層磁気シールドコア6との磁気的結合を
図るためのコンタクトホールを形成しておく。
【0049】次に、上層磁気シールドコア6と後述の記
録用コイルとの絶縁を図ると共に、平坦なコイル形成面
を得るために、有機材料よりなり絶縁層を形成する第1
の絶縁層14aをギャップ膜16上に形成する。続い
て、上記第1の絶縁層14a上にCuのパターンメッキ
により記録用コイル13をコンタクトホールを取り囲む
ようにしてスパイラル状に形成する。
【0050】次に、上記記録用コイル13上に該記録用
コイル13と後述の記録用の薄膜磁気コアとの絶縁を図
ると共に、平坦な磁気コア形成面を得るために、有機材
料よりなり絶縁層を形成する第2の絶縁層14bを第1
の絶縁層14a及び記録用コイル13上に形成する。次
いで、上記第2の絶縁層14b上に、記録用の薄膜磁気
コア11をパーマロイ(Ni−Fe)等の金属磁性材料
をメッキ又はスパッタリングした後、PR及びIE等の
技術により所定形状に加工することによって、インダク
ティブヘッドを完成する。
【0051】そして、上記記録用の薄膜磁気コア11上
に、素子の保護のためにAl2 3等よりなる絶縁層1
5を形成する。実施例2 本実施例においては、本発明の磁気抵抗効果型素子(M
R素子)を使用したデプスセンサーの実施例について説
明する。
【0052】本実施例のデプスセンサーは、図21に示
すように、同様の形状の3個の電気抵抗素子部41,4
2,43により構成されるものである。なお、上記電気
抵抗素子部41,42,43の後端部にはそれぞれ同様
の形状の後端電極部44,45,46が形成され、先端
部には同様の形状の先端電極部47,48,49がそれ
ぞれ形成されている。さらに、先端電極部47,48間
は導通部50により接続され、先端電極部48,49間
は導通部51により接続されている。
【0053】すなわち、上記電気抵抗素子部41,42
は先端電極部47,48を介して導通部50により接続
され、電気抵抗素子部42,43は先端電極部48,4
9を介して導通部51により接続されていることとな
る。また、ここでは、便宜上、電気抵抗素子部41,4
2,43、先端電極部47,48,49、導通部50,
51と分けて称しているが、これらはMR膜により一体
に成形されている。
【0054】言い換えれば、後端電極44,45間にM
R膜により一体成形された電気抵抗素子部41,先端電
極部47,導通部50,先端電極部48,電気抵抗素子
部42が順次配されていわばMR素子を構成している。
また、後端電極45,46間にもMR膜により一体成形
された電気抵抗素子部42,先端電極部48,導通部5
1,先端電極部49,電気抵抗素子部43が順次配され
ていわばMR素子を構成している。
【0055】そしてこのとき、上記導通部50,51
は、下端となる側面50b,51bが同一線上に配され
ている太さの異なる平行な導通部として形成されてお
り、上記導通部50,51のそれぞれの上端となる側面
50a,51a間に高さDの段差が形成されることとな
る。従って、電気抵抗素子部41,42の後端電極部4
4,45間に通電した場合の後端電極部44,45間の
抵抗と電気抵抗素子部42,43の後端電極部45,4
6間に通電した場合の後端電極部45,46間の抵抗を
比較すると、導通部50,51の長さが同じであれば、
段差Dに相当する幅の差に対応する差が発生することと
なる。
【0056】このとき、本実施例のデプスセンサーにお
いては、電気抵抗素子部41,42,43を含むMR膜
を、図22に示すように(図22中には電気抵抗素子部
43のみを示す。)、2層の磁気抵抗効果薄膜58a,
58b(以下、MR薄膜58a,58bと称する。)が
絶縁性非磁性膜59を介して積層されたものとしてい
る。
【0057】そして、本実施例においては特に、図22
中に示されるように、後端電極部46が電気抵抗素子部
43の上面だけでなく、その側面、言い換えれば、MR
薄膜58a,58bの端面58a1 ,58b1 にも接す
るように形成されている。すなわち、本実施例において
は、電気抵抗素子部43のMR薄膜58a,58bに均
一に電流が印加される。
【0058】また、本実施例においては、後端電極部4
6と端面58a1 ,58b1 の接続が容易となるよう
に、MR薄膜58a,58bの端面58a1 ,58b1
により形成される面が傾斜面とされており、その傾斜面
とMR薄膜58a,58bの膜面方向とがなす角度θが
90゜未満とされている。そして、本実施例のデプスセ
ンサーにおいては、上記の抵抗の差を利用してデプス長
を検出する。
【0059】先ず、後端電極部45,46間に通電し、
後端電極部45,46間の抵抗値を基準抵抗値として測
定しておく。そして、後端電極部44,45間に通電
し、この間の抵抗値を測定しながら側面50a側より研
磨を行うと、導通部50が研磨されるにつれて導通部5
0の幅が小さくなる(距離Dが小さくなる。)ため後端
電極部44,45間の抵抗値が上昇し、基準抵抗値に近
づく。このとき、基準抵抗値と抵抗値の差は、距離Dの
変化に比例するため、上記抵抗値の差から研磨量が検出
できる。
【0060】従って、上記デプスセンサーを導通部50
がMRヘッドの磁気記録媒体対向面に臨み、導通部51
の上端となる側面51aがデプス零の位置に相当するよ
うにMRヘッドに予め設けておけば、導通部50の上端
である側面50aから導通部51の上端である側面51
aまでの距離Dが磁気ギャップのデプス長となる。言い
換えれば、抵抗値の差から検出される研磨量が磁気ギャ
ップの研磨量となるため、上記デプスセンサーを使用す
れば、抵抗値の差からMRヘッドのデプス長を検出しな
がら研磨加工を行うことができる。
【0061】このとき、本実施例のデプスセンサーにお
いては、上述のように、電気抵抗素子部41,42,4
3の後端電極部44,45,46を電気抵抗素子部4
1,42,43の上面だけでなく、その側面、言い換え
れば、各電気抵抗素子部41,42,43を構成するM
R膜中のMR薄膜の端面にも接するようにしているた
め、MR薄膜に均一に電流が印加される。従って、抵抗
値が変化した場合の抵抗値変化の検出精度が安定し、研
磨量検出精度が十分に確保される。
【0062】次に、本実施例のデプスセンサーの製造方
法を工程順に説明する。なお、本実施例においては、デ
プスセンサーの製造工程を実施例1で述べたMRヘッド
の製造工程中に組み込んだ例について説明する。従っ
て、実施例1で述べた製造方法と重複する部分の説明は
省略する。すなわち、実施例1で述べたMRヘッドの製
造工程中、MR素子を構成するMR膜を形成する工程に
おいて、MR膜を形成すると同時に、図23に示すよう
に、下層ギャップ膜28上にデプスセンサーを構成する
MR膜69を所定の形状に形成する。
【0063】次に、図24に示すように、実施例1で述
べた製造工程中のMR膜とバイアス導体との電気的絶縁
を図る第1の絶縁膜31を形成する工程においてMR膜
69上にも第1の絶縁膜31をスパッタリング等により
成膜する。次いで、図25に示すように、実施例1で述
べた製造工程中のMR膜の後端電極部用のコンタクトホ
ールを形成する工程において、MR膜69の後端部に上
記絶縁膜31の一部を除去して電気的接続をとるための
コンタクトホール52を形成する。
【0064】このとき、本実施例においては、コンタク
トホール52をMR膜69の後端部69aの全体が露呈
するような開口部として形成し、MR膜69を構成する
MR薄膜の三方の端面が露呈するようにする。次に、図
26に示すように、実施例1で述べた製造工程中のバイ
アス導体と後端電極の製造工程において、MR膜69の
後端部69aに接続する後端電極部70を形成する。
【0065】そして、本実施例においては特に、上記の
ようにコンタクトホール52をMR膜69の後端部69
a全体が露呈するようにして設けていることから、後端
電極部70はMR膜69の後端部69aの上面だけでな
く側面においてもMR膜69に接続しており、MR膜6
9を構成するMR薄膜の端面に接続することとなる。次
に、図27に示すように、実施例1で述べた製造工程中
のバイアス導体,後端電極と上層磁気シールドコアとの
絶縁を図る絶縁膜を形成する工程において、上記後端電
極70上にも絶縁膜36を積層形成し、図21に示すよ
うな本実施例のデプスセンサーを完成する。
【0066】次に、本発明の効果を確認するべく、以下
のような実験を行った。先ず、絶縁性の非磁性膜である
Al23 膜を介してMR薄膜であるパーマロイ(Ni
−Fe)膜が2層積層されてなるMR膜を用いたデプス
センサーを用意した。そしてこのとき、図28に示すよ
うに電極101aのMR膜101への接続状態を従来の
デプスセンサーのようにMR膜101の上面とのみ接続
するものとしたサンプル1と、図29に示すように電極
101aのMR膜101への接続をMR膜101の上面
と側面で行い、後端電極がMR膜101を構成するMR
薄膜106a,106bの一端面と接するようにしたサ
ンプル2を用意した。
【0067】次に、上記サンプル1,2を100個ずつ
用意し、これらの抵抗値を測定した。なお、上記サンプ
ル1,2における理論上の抵抗値は280Ωである。実
験の結果、サンプル1においては、280Ω〜560Ω
を示すものがあり、抵抗値のばらつきが大きいことがわ
かった。また、上記のように560Ωを示すものについ
ては、2層のMR膜のうち1層にしか電流が印加されて
いなかったものと考えられる。
【0068】一方、サンプル2においては、殆どが28
0Ωを示し、抵抗値のばらつきが非常に小さいことがわ
かった。従って、これらの結果から、絶縁性の非磁性膜
を介して複数のMR薄膜が積層されてなるMR膜におい
ては、積層されるMR薄膜間の電気的な導通があまりな
されておらず、サンプル1のように電極がMR膜の上面
とのみ接続している状態では、最上層のMR薄膜のみに
十分な電流が印加されており、他のMR薄膜には十分な
電流が印加されておらず、抵抗値がばらつくが、サンプ
ル2のように電極を積層されるMR薄膜の端面に接する
ようにすれば、全部のMR薄膜に十分に電流が印加さ
れ、抵抗値のばらつきが小さくなることが確認された。
【0069】すなわち、本発明の磁気抵抗効果型素子の
ように、絶縁性非磁性膜を介して複数積層される磁気抵
抗効果薄膜の先端部及び後端部に積層形成される各電極
が、複数層の磁気抵抗効果薄膜の端面に接するようにな
されていれば、上記複数層の磁気抵抗効果薄膜に均一に
電流が印加され、抵抗値が変化した場合の検出精度が安
定することが確認された。また、このことから、本発明
の磁気抵抗効果型素子においては、磁気的な安定性も確
保されるものと思われる。
【0070】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の磁気抵抗効果型素子においては、絶縁性非磁性膜を
介して複数層積層される磁気抵抗効果薄膜の先端部及び
後端部に積層形成される各電極が、各磁気抵抗効果薄膜
の端面に接するようになされていることから、上記複数
層の磁気抵抗効果薄膜に均一に電流が印加される。
【0071】従って、上記磁気抵抗効果型素子を使用し
て磁気抵抗効果型磁気ヘッドを構成すれば、該磁気抵抗
効果型素子の磁気的な安定性が確保されていることから
磁気特性の安定性の良好な磁気抵抗効果型磁気ヘッドが
得られる。また、上記磁気抵抗効果型素子を使用してデ
プスセンサーを形成すれば、該磁気抵抗効果型素子にお
ける抵抗値が変化した場合の検出精度が安定しているこ
とから、研磨量検出精度が十分に確保されるデプスセン
サーが得られる。
【0072】さらに、本発明の磁気抵抗効果型素子にお
いて、複数層の磁気抵抗効果薄膜の端面により構成され
る面が傾斜面となされ、その傾斜面と複数層の磁気抵抗
効果薄膜の積層方向とがなす角度θが90゜未満とされ
ていれば、各電極と複数層の磁気抵抗効果薄膜の端面間
の接続が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用し
た複合型磁気ヘッドを示す要部概略断面図である。
【図2】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用し
た複合型磁気ヘッドの後端電極近傍部を模式的に示す斜
視図である。
【図3】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用し
た複合型磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すものであ
り、下層磁気シールドコアを形成する工程を示す断面図
である。
【図4】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用し
た複合型磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すものであ
り、リード電極を形成する工程を示す断面図である。
【図5】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用し
た複合型磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すものであ
り、下層磁気シールドコアとリード電極が形成された状
態を示す平面図である。
【図6】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用し
た複合型磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すものであ
り、平坦化膜を形成する工程を示す断面図である。
【図7】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用し
た複合型磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すものであ
り、平坦化膜を研磨する工程を示す断面図である。
【図8】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用し
た複合型磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すものであ
り、非磁性層を形成する工程を示す断面図である。
【図9】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用し
た複合型磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すものであ
り、MR膜を形成する工程を示す断面図である。
【図10】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用
した複合型磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すもので
あり、MR膜が形成された状態を示す平面図である。
【図11】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用
した複合型磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すもので
あり、絶縁膜を形成する工程を示す断面図である。
【図12】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用
した複合型磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すもので
あり、絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程を示す
断面図である。
【図13】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用
した複合型磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すもので
あり、絶縁膜にコンタクトホールが形成された状態を示
す平面図である。
【図14】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用
した複合型磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すもので
あり、バイアス導体及び後端電極を形成する工程を示す
断面図である。
【図15】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用
した複合型磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すもので
あり、バイアス導体及び後端電極が形成された状態を示
す平面図である。
【図16】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用
した複合型磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すもので
あり、後端電極が形成された状態を拡大して示す断面図
である。
【図17】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用
した複合型磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すもので
あり、再度絶縁膜を形成する工程を示す断面図である。
【図18】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用
した複合型磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すもので
あり、2層の絶縁膜を除去してコンタクトホールを形成
する工程を示す断面図である。
【図19】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用
した複合型磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すもので
あり、上層磁気シールドコアを形成する工程を示す断面
図である。
【図20】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用
した複合型磁気ヘッドの製造方法を工程順に示すもので
あり、上層磁気シールドコアが形成された状態を示す平
面図である。
【図21】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用
したデプスセンサーを示す要部概略平面図である。
【図22】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用
したデプスセンサーの後端電極近傍部を模式的に示す断
面図である。
【図23】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用
したデプスセンサーの製造方法を工程順に示すものであ
り、MR膜を形成する工程を示す断面図である。
【図24】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用
したデプスセンサーの製造方法を工程順に示すものであ
り、絶縁膜を形成する工程を示す断面図である。
【図25】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用
したデプスセンサーの製造方法を工程順に示すものであ
り、絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程を示す断
面図である。
【図26】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用
したデプスセンサーの製造方法を工程順に示すものであ
り、後端電極部を形成する工程を示す断面図である。
【図27】本発明を適用した磁気抵抗効果型素子を使用
したデプスセンサーの製造方法を工程順に示すものであ
り、再度絶縁膜を形成する工程を示す断面図である。
【図28】従来のデプスセンサーの一例の後端電極近傍
部を模式的に示す断面図である。
【図29】デプスセンサーの一例の後端電極近傍部を模
式的に示す断面図である。
【図30】従来のデプスセンサーの一例を示す要部概略
平面図である。
【図31】従来のデプスセンサーの一例の後端電極近傍
部を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
3・・・MR素子 4a,4b・・・非磁性層 5・・・下層磁気シールドコア 6・・・上層磁気シールドコア 8a,8b,58a,58b・・・MR薄膜 8a1 ,8b1 ,58a1 ,58b1 ・・・端面 9,59・・・非磁性膜 10・・・後端電極 41,42,43・・・電気抵抗素子部 44,45,46・・・後端電極部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗効果薄膜が絶縁性非磁性膜を介
    して複数層積層され、その先端部及び後端部に電極が積
    層形成されてなる磁気抵抗効果型素子において、 上記各電極が各磁気抵抗効果薄膜の端面に接しているこ
    とを特徴とする磁気抵抗効果型素子。
  2. 【請求項2】 複数層の磁気抵抗効果薄膜の端面により
    構成される面が傾斜面となされ、その傾斜面と磁気抵抗
    効果薄膜の膜面方向とがなす角度θが90゜未満である
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果型素子。
  3. 【請求項3】 磁気抵抗効果薄膜が絶縁性非磁性膜を介
    して複数層積層され、その先端部及び後端部に電極が積
    層形成されてなる磁気抵抗効果型素子が一対の磁気シー
    ルドコア間に配されてなる磁気抵抗効果型磁気ヘッドに
    おいて、 上記各電極が各磁気抵抗効果薄膜の端面に接しているこ
    とを特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 磁気抵抗効果薄膜が絶縁性非磁性膜を介
    して複数層積層され、その先端部及び後端部に電極が積
    層形成されてなる磁気抵抗効果型素子の先端部と後端部
    の電極間の抵抗値を検出して研磨量を検出するデプスセ
    ンサーにおいて、 上記各電極が各磁気抵抗効果薄膜の端面に接しているこ
    とを特徴とするデプスセンサー。
JP4024995A 1995-02-28 1995-02-28 磁気抵抗効果型素子及びこれを用いた磁気抵抗効果型磁気ヘッド、デプスセンサー Withdrawn JPH08235539A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6496333B1 (en) * 1996-10-25 2002-12-17 Headway Technologies, Inc. Dual stripe magnetoresistive (DSMR) head with co-extensive magnetoresistive (MR)/dielectric/magnetoresistive (MR) stack layer edges

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US6496333B1 (en) * 1996-10-25 2002-12-17 Headway Technologies, Inc. Dual stripe magnetoresistive (DSMR) head with co-extensive magnetoresistive (MR)/dielectric/magnetoresistive (MR) stack layer edges

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