JPH08233055A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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Publication number
JPH08233055A
JPH08233055A JP7061620A JP6162095A JPH08233055A JP H08233055 A JPH08233055 A JP H08233055A JP 7061620 A JP7061620 A JP 7061620A JP 6162095 A JP6162095 A JP 6162095A JP H08233055 A JPH08233055 A JP H08233055A
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JP
Japan
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sleeve
gear ratio
spool
type continuously
continuously variable
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Application number
JP7061620A
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English (en)
Inventor
Eiji Inoue
英司 井上
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Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Publication date
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Priority to DE69617289T priority patent/DE69617289T2/de
Priority to EP96301191A priority patent/EP0728965B1/en
Priority to DE0728965T priority patent/DE728965T1/de
Priority to EP01201288A priority patent/EP1114951A3/en
Priority to US08/605,502 priority patent/US5681236A/en
Publication of JPH08233055A publication Critical patent/JPH08233055A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W2552/00Input parameters relating to infrastructure
    • B60W2552/15Road slope

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、電気系統の故障が発生した場合に
低車速では減速側の変速比で固定し、車両が坂路で停車
した時や車両への積載状態が重い時でも、車両の発進が
可能になるトロイダル型無段変速機を提供する。 【構成】 スリーブ6は、スプール弁20にスプール軸
方向に供給圧とばね力でシフト可能に嵌合され、且つコ
ントローラ7の指令でアクチュエータ5によってスプー
ル軸方向位置が制御される。電気系統の故障でアクチュ
エータ5が無効状態になると、スリーブ位置変更手段2
6のシフト弁10が作動し、スリーブ6は低車速では減
速側の所定の変速比に固定させ、高速側では故障発生時
の変速比を保持するか、又は増速側の所定の変速比へ変
速し、エンジンブレーキが掛かることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、対向して配置された
入力ディスクと出力ディスクとに接触した状態で回転し
且つ傾転角度に応じて入力ディスクの回転を無段階に変
速して出力ディスクに伝達するパワーローラ及び該パワ
ーローラに支持されたトラニオンを有するトロイダル型
無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トロイダル型無段変速機として、
特開昭61−127965号公報に開示されたものがあ
る。該トロイダル型無段変速機は、制御弁に相当するコ
ントロールバルブの可動部材の一方を油圧を用いて動作
させて制御の簡素化をはかるため、コントロールバルブ
の可動部材の一方を動作させるアクチュエータを、油圧
ピストンと該油圧ピストンの片側の室に収容され、油圧
ピストンを他方側へ付勢するスプリングと、変速比制御
装置からの信号により油圧ピストンの他方側の室への油
圧を制御するソレノイドバルブとで構成したものであ
る。
【0003】従来、自動車に搭載されるトロイダル型無
段変速機としては、図2に示すようなものが知られてい
る。該トロイダル型無段変速機は、エンジン出力が入力
される入力軸11、入力軸11に回転可能に支持された
入力ディスク12、入力ディスク12に対向して配置さ
れ且つ出力軸8に回転可能に支持された出力ディスク1
3、入力ディスク12と出力ディスク13との間に配置
され且つ入力ディスク12から出力ディスク13へトル
クを伝達する傾転可能なパワーローラ3、パワーローラ
3を支持するトラニオン4を有しており、パワーローラ
3を傾転させることにより、その傾転角度に応じて入力
ディスク12の回転を出力ディスク13に無段階に変速
して伝達するように構成されている。上記のようなトロ
イダル型無段変速機においては、パワーローラ3の傾転
は制御装置によって行われる。
【0004】変速ユニットにおけるパワーローラ3は、
対向して配置された入力ディスク12と出力ディスク1
3の間に挟まれるようにして対向して配置され、支持部
材のトラニオン4にそれぞれ回転自在に支持されてい
る。即ち、パワーローラ3はトラニオン4に偏心軸によ
って支持されている。また、トラニオン4は変速機ケー
シング(図示省略)に回動可能で且つ軸方向に移動可能
に支持されている。トラニオン4は傾転軸22を有して
おり、傾転軸22を中心として回動し、且つ傾転軸22
の軸方向に移動することができる。トラニオン4の傾転
軸22にはピストン14が固定され、ピストン14は変
速機ケーシングに形成された油圧シリンダ15内を摺動
可能に設けられている。油圧シリンダ15内にはピスト
ン14によって区画された2つのシリンダ室16,17
が形成されている。
【0005】油圧シリンダ15の各シリンダ室16,1
7は回路18,19によってスプール弁20に連通して
いる。スプール弁20内に配設されたスプール1は、軸
方向両端に配置されたスプリング21によって中立位置
に保持されている。また、スプール弁20は、ポンプ圧
(圧力源)へ連結されるポートP、回路18を介してシ
リンダ室16へ連結されるポートA、回路19を介して
シリンダ室17へ連結されるポートB、ドレンへ連結さ
れるドレンポートTを備えている。また、スプール弁2
0とスプール1との間には、それぞれのポートA,B,
P,Tに連通するポートを備えたスリーブ6が移動可能
に嵌入している。スリーブ6は、コントローラ7から出
力された制御信号に応じてアクチュエータ5によって作
動するように構成されている。
【0006】一方の傾転軸22の先端にはプリセスカム
2が連結されており、中央部を枢着された揺動レバー2
3の一端がプリセスカム2に当接し、揺動レバー23の
他端がスプール1に当接している。揺動レバー23は、
トラニオン4の傾転軸22の軸方向変位及び傾転角度を
合成変位量としてスプール1に伝達する。トロイダル型
無段変速機では、トラニオン4を中立位置(パワーロー
ラ3の回転中心軸が入力ディスク12及び出力ディスク
13の回転中心軸と交叉する位置)からいずれか一方へ
傾転軸方向(即ち傾転軸22の軸方向)に変位させる
と、その方向と変位量に応じた向きと速さでトラニオン
4が傾転軸22回りに傾転し、この傾転により変速が行
われるという性質を利用して、変速制御が行われる。ま
た、このトロイダル型無段変速機は、その他にも車速セ
ンサー、エンジン回転センサー、スロットル開度センサ
ー等の各種センサーを備えており、これらのセンサーで
検出された車速、エンジン回転数、スロットル開度等の
変速情報信号がコントローラ7に入力されるように構成
されている。
【0007】次に、上記トロイダル型無段変速機の作動
について説明すると、スプール弁のスプール1は、プリ
セスカム2を介してパワーローラ3を支持するトラニオ
ン4に連結され、トラニオン4の傾転角及び傾転軸22
の方向変位の合成値に対応した位置に保持される。アク
チュエータ5は、スリーブ6のスプール軸方向位置をコ
ントローラ7からの信号に応答して制御する。例えば、
スリーブ6が図2の状態よりも右側へ移動すると、スリ
ーブ6はスプール1との相対位置が変化し、回路19と
油圧ポートPが連通し、回路18とドレンポートTとが
連通する。そこで、回路19の油圧が回路18の油圧よ
り高くなり、ピストン14を介してトラニオン4が下向
きにオフセットする。この時、パワーローラ3は、サイ
ドスリップ力によって傾転軸22を中心に矢印DOWN
の方向に傾転を開始する。
【0008】パワーローラ3が傾転するに従ってスプー
ル1はパワーローラ3の傾転軸方向変位と傾転角の合成
値分だけ右側へシフトし、油圧ポートPと回路19との
連通状態及びドレンポートTと回路18との連通状態を
絞って、スリーブ6とスプール1との所定の相対位置が
中立状態になったところで、回路18と回路19との圧
が等しくなる。しかしながら、この状態では、依然とし
てパワーローラ3は傾転軸22方向にオフセットしたま
まであるので、サイドスリップ力により傾転を続け、ス
プール1はスリーブ6との中立位置よりも左側へ移動
し、回路19の油圧は回路18の油圧よりも小さくな
り、トラニオン4はピストン14を介して上向きに変位
し、パワーローラ3の傾転軸方向変位が小さくなるの
で、サイドスリップ力も弱まり、傾転速度が低下する。
上記トロイダル型無段変速機は、上記の作動を繰り返
し、パワーローラ3の傾転軸方向変位が零でスプール1
の位置がスリーブ6に対して中立となったところで変速
が終了する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ト
ロイダル型無段変速機では、電気的な故障が発生し、ア
クチュエータ5が失陥した場合に、スリーブ6の位置を
コントローラ7の指令で制御することができなくなるた
め、電気的な故障が発生した時に、スリーブ6の位置を
保持するか、又はスリーブ6を所定の位置に固定するの
で、変速機の変速比もスリーブ6の位置に応じた変速比
に固定される。そこで、トロイダル型無段変速機では、
この場合、車速が速い状態で電気的な故障が発生した
時、急激なエンジンブレーキが掛かるのを防止するた
め、固定される変速比が増速側に設定されている。とこ
ろが、トロイダル型無段変速機について、変速比が増速
側のままで車両が停車すると、駆動が不足し、車両の発
進性を著しく損ない危険な状態になり、最悪の場合に
は、坂路で停車した時や積載状態大きい時では、車両が
発進不能になるという問題がある。
【0010】この発明の目的は、上記の課題を解決し、
出力軸等の車速と連動する軸上に設けられたガバナ弁の
開閉で発生する信号圧に応答して、低車速ではスリーブ
の位置を減速側の所定の変速比の位置へシフトさせ、電
気系統の故障が発生した時に低車速では減速側へ変速
し、車両が坂路で停車した時や車両への積載状態が重い
時でも、車両の発進が可能になり、また、高車速ではス
リーブは従来通りに故障発生時の変速比を保持するか又
は増速側の所定の変速比へ変速するため、急激なエンジ
ンブレーキが掛かることがなく、車両の安全走行を確保
できるトロイダル型無段変速機を提供することである。
【0011】
【課題を解決するため手段】この発明は、上記目的を達
成するため、次のように構成されている。即ち、この発
明は、対向して配置された入力ディスクと出力ディス
ク、前記両ディスクに対する傾転角度の変化に応じて前
記入力ディスクの回転を無段階に変速して前記出力ディ
スクに伝達するパワーローラ、前記パワーローラを回転
自在に支持し且つ中立位置から傾転軸方向へ変位するこ
とによって前記パワーローラを傾転軸回りに傾転させる
トラニオン、二つのシリンダ室を有し且つ前記トラニオ
ンを傾転軸方向に変位させる油圧シリンダ、前記油圧シ
リンダへの油圧を調節するスプールを備えたスプール
弁、前記スプール弁にスプール軸方向にシフト可能に組
み込まれた変速比を所定値に設定するスリーブ、該スリ
ーブをアクチュエータによって移動させてスプール軸方
向位置を制御するコントローラ、及び前記アクチュエー
タの無効状態で車速に応答して低車速では前記スリーブ
の設定位置を減速側の所定の変速比に固定し且つ高車速
では故障発生時の変速比を保持するか又は増速側の所定
の変速比へ変速するスリーブ位置設定手段、を有するこ
とを特徴とするトロイダル型無段変速機に関する。
【0012】また、このトロイダル型無段変速機におい
て、前記スリーブに作用する圧力信号は前記出力軸上に
設けられた高速時に開放し且つ低速時に閉鎖するガバナ
弁によって決定されるものである。
【0013】また、このトロイダル型無段変速機におい
て、前記スリーブ位置設定手段は、低車速では前記スリ
ーブを減速側の所定の変速比に固定するため前記スリー
ブに信号圧を作用させる位置と高車速では前記スリーブ
に作用する信号圧を零にする位置とに切り換えられるシ
フト弁から構成されているものである。
【0014】また、このトロイダル型無段変速機におい
て、前記スプール弁は、前記スリーブの一端面に一方の
前記シリンダ室の油圧が作用し、前記スリーブの他端面
に他方の前記シリンダ室の油圧が作用するように構成さ
れている。
【0015】
【作用】この発明によるトロイダル型無段変速機は、上
記のように構成されているので、次のように作用する。
即ち、このトロイダル型無段変速機は、スプール弁の弁
本体とスプールとの間でスプール軸方向にシフト可能に
嵌合され且つ中立位置に向けて常時ばね力で付勢されて
いる変速比を所定値に設定するスリーブを、コントロー
ラの指令で作動させるアクチュエータが無効になった時
に、車速に応答して低車速では前記スリーブの設定位置
を減速側の所定の変速比に固定させるスリーブ位置変更
手段を有するので、電気系統が正常な時は前記スリーブ
は前記コントローラの指令で前記アクチュエータで制御
され、電気系統が故障すると、前記アクチュエータは無
効になって前記スリーブは前記スリーブ位置変更手段に
よって低車速では前記スリーブの設定位置を減速側の所
定の変速比に固定され、また、高車速では前記スリーブ
位置変更手段はリターンスプリングで復帰して故障発生
時の変速比を保持するか、又は増速側の所定の変速比へ
変速され、急激なエンジンブレーキが掛かることはな
い。
【0016】
【実施例】以下、図1を参照して、この発明によるトロ
イダル型無段変速機の一実施例について説明する。図1
はこの発明によるトロイダル型無段変速機の一実施例を
示す説明図である。図1に示したこのトロイダル型無段
変速機は、図2に示した従来のトロイダル型無段変速機
と比較して、スリーブを作動するスリーブ位置変更手段
を設けている以外は、概ね同一の構造を有するので、同
一部品には同一符号を付している。
【0017】このトロイダル型無段変速機において、入
力ディスク12と出力ディスク13は対向して配置され
ており、入出力ディスク12,13の間に一対のパワー
ローラ3が配置されている。各パワーローラ3は両ディ
スクに接触した状態で回転し、且つ傾転可能であって傾
転角度に応じて入力ディスク12の回転を無段階に変速
して出力ディスク13に伝達するものである。各パワー
ローラ3は偏心軸によってトラニオン4に回転自在に支
持されている。パワーローラ3の下部には油圧シリンダ
15が配置されている。油圧シリンダ15は、トラニオ
ン4に一体に設けられたピストン14によって区画され
た二つのシリンダ室16,17を有し、いずれか一方の
シリンダ室16,17にスプール弁20を介して油圧が
供給された時に、トラニオン4は中立位置から傾転軸2
2の軸方向に変位する。また、トラニオン4の傾転軸方
向の変位に伴ってトラニオン4は傾転軸22の回りに傾
転するように構成されている。即ち、パワーローラ3は
偏心軸によって回転自在にトラニオン4に支持されてい
るので、トラニオン4が中立位置から傾転軸方向に変位
すると、パワーローラ3は入力ディスク12及び出力デ
ィスク13から速度ベクトルの方向に力を受け、トラニ
オン4と一緒に傾転軸回りに傾転する。
【0018】油圧シリンダ15の各シリンダ室16,1
7は回路18,19によってスプール弁20に連通して
いる。スプール弁20は、油圧源即ちポンプ圧Pへ連結
されるポートP、回路18を介してシリンダ室16へ連
結されるポートA、回路19を介してシリンダ室17へ
連結されるポートB、ドレンへ連結されるポートTを備
えている。スプール弁20は、概ね、弁本体であるケー
ス24、ケース24内に摺動自在に収納されたスプール
1、及びケース24とスプール1の間に摺動自在に嵌合
された円筒状のスリーブ6から構成されている。スリー
ブ6の一端部にはリターンスプリング25が配設され、
リターンスプリング25のばね力によってスリーブ6は
所定の変速比の初期位置に復帰される。
【0019】このトロイダル型無段変速機は、特に、次
の構成に特徴を有している。このトロイダル型無段変速
機は、スプール弁20にスプール軸方向にシフト可能に
組み込まれた変速比を所定値に設定するスリーブ6、ス
リーブ6をアクチュエータ5によって移動させてスプー
ル軸方向位置を制御するコントローラ7、及びアクチュ
エータ5が無効になった時に車速に応答して低車速では
スリーブ6の設定位置を減速側の所定の変速比に固定し
且つ高車速では故障発生時の変速比を保持するか又は増
速側の所定の変速比へ変速するスリーブ位置設定手段2
6を有していることである。スリーブ6は、弁本体24
とスプール1との間でスプール軸方向にシフト可能に嵌
合され且つ中立位置に向けてリターンスプリング25の
ばね力で常時付勢されているものである。スリーブ位置
設定手段26は、スリーブ6を所定の設定位置に維持す
るため、スリーブ6の端部に信号圧PP を作用させる位
置と、スリーブ6に作用する信号圧を零にする位置とに
切り換えられるシフト弁10から構成されている。
【0020】このトロイダル型無段変速機において、ス
リーブ6に信号圧を作用させる端部には段部28が形成
されている。シフト弁10は、その一端に油圧源等の圧
力源36からの信号圧PP が絞り部34を備えた回路2
7を通じて作用し、他端にリターンスプリング30のば
ね力が作用している。また、シフト弁10の信号圧PP
が作用する端部には、回路31を通じてガバナ弁9に連
通している。シフト弁10の端部に信号圧PP が作用す
ると、シフト弁10は図1の右方向に移動し、シフト弁
10によってスリーブ6の段部28に作用する回路29
はドレンポート37への連通状態から圧力源36に通じ
る絞り部38を備えた回路39への連通状態に切り換え
られる。スリーブ6の段部28に圧力源36からの信号
圧PP が作用すると、スリーブ6は図1の右側へ移動す
る。ところで、出力軸8が高速になってガバナ弁9が遠
心力によってスプリング35のばね力に抗して回路31
を外部に開放すると、回路31の信号圧は零になり、シ
フト弁10の端部には信号圧PP が作用しなくなる。シ
フト弁10の端部に信号圧PP が作用しないと、シフト
弁10はリターンスプリング30のばね力で図1の左方
向に移動する。シフト弁10がリターンスプリング30
で初期状態に復帰すると、回路29は回路39との連通
状態が遮断され、ドレンポート37に通じることにな
る。回路29がドレンポート37に通じると、スリーブ
6はリターンスプリング25によって図1の左方向に移
動し、スリーブ6は初期の変速比即ちアクチュエータ5
で設定されている変速比に固定される。
【0021】スプール弁20のスプール1は、スリーブ
6内を移動して三つの位置、即ち、一方のシリンダ室1
6をポートPに連通し、他方のシリンダ室17をドレン
ポートTに連通する第一位置、一方のシリンダ室16を
ドレンポートTに連通し、他方のシリンダ室17をポー
トPに連通する第二位置、シリンダ室16,17を両方
ともポートP及びドレンポートTから遮断する中立位置
の3つの位置のうち、いずれか一つの位置に選択的に切
り換えることができる。上記切換制御は、コントローラ
7の指令でアクチュエータ5によって行われる。スプー
ル弁20の回路18のポートAは、回路18によって一
方のシリンダ室16に連結されている。このため、ポー
トAから油圧シリンダ15へ油圧が供給されている時に
は、ポートAの圧力は一方のシリンダ室16に作用す
る。また、スプール弁20のポートBは、回路19によ
って他方のシリンダ室17に連結されている。このた
め、ポートBから油圧シリンダ15へ油圧が供給されて
いる時には、ポートBの圧力は他方のシリンダ室17に
作用する。
【0022】スリーブ6は円筒部に5つの貫通孔即ちポ
ートを有しており、スリーブ6が中立位置にある時に
は、各ポートの位置は、弁本体24に穿孔されたポート
A、ポートB、ポートP、及び2つのドレンポートTの
位置にそれぞれ対応している。スリーブ6は、二つのシ
リンダ室16,17の圧力差によって軸方向にシフトす
ることができる。二つのシリンダ室16,17の圧力差
はスリーブ6の両端面32,33にも加わるので、その
圧力差とリターンスプリング25のスプリング力に応じ
て中立位置からのスリーブ6のシフト量が決まる。
【0023】次に、この発明によるトロイダル型無段変
速機の作動について説明する。スプール弁20のスプー
ル1は、プリセスカム2を介してパワーローラ3を支持
するトラニオン4に連結され、トラニオン4の傾転角及
び傾転軸方向変位の合成値に対応した位置に保持され
る。アクチュエータ5はコントローラ7の指令でスリー
ブ6を図1の右側即ち減速側方向へ押してスリーブ6の
スプール軸方向位置を制御するが、スリーブ6の図1の
左側即ち増速側方向への移動はリターンスプリング25
のばね力で初期位置へ移動するように構成されている。
また、出力軸8に設けられたガバナ弁9は、出力軸8の
回転数が低い場合にはスプリング35のばね力で閉鎖し
て回路31を密封する。従って、回路31内に信号圧即
ち供給圧の出力信号は回路31への圧力源36からの信
号圧PP に維持される。従って、シフト弁10はリター
ンスプリング30のばね力に抗して右方向に移動し、回
路29はドレンポート37から離れて圧力源36の回路
39と導通し、回路29に信号圧の出力信号が入り、ス
リーブ6の端部の段部28に信号圧が作用し、所定の変
速比に設定される。また、出力軸8の回転数が高い場合
には、ガバナ弁9に作用する遠心力がスプリング35の
ばね力に抗してガバナ弁9を開放し、回路31はドレン
される。シフト弁10はリターンスプリング30のばね
力によって左方向に移動し、回路29は圧力源36の回
路39から離れてドレンポート37と導通し、回路29
への信号圧は零信号になり、スリーブ6の端部の段部2
8には信号圧が作用せず、初期の変速比即ちアクチュエ
ータ5で設定されている変速比に固定される。
【0024】このトロイダル型無段変速機の作動は、例
えば、車速が速い状態で電気系統に故障が発生し、アク
チュエータ5が無効状態になると、出力軸8の回転数が
高いため、ガバナ弁9は遠心力で開放しており、回路3
1は開放され、シフト弁10はリターンスプリング30
のばね力で初期位置に移動し、回路29がドレンポート
37に開放する。従って、スリーブ6は、回路29から
の信号圧が作用せず、初期位置即ち故障発生時の変速比
に移動して保持され、従来の電気的故障発生時と同様に
制御される状態になる。
【0025】また、車速が遅い状態で電気系統に故障が
発生し、アクチュエータ5が無効状態になると、出力軸
8の回転数が低いため、ガバナ弁9は閉鎖しており、回
路31は密封されて信号圧が維持され、シフト弁10は
リターンスプリング30のばね力に抗してその位置を維
持し、回路29は圧力源36への連通状態を維持する。
従って、スリーブ6は、回路29からの信号圧が作用
し、スリーブ6の設定された位置を維持する。従って、
このトロイダル型無段変速機は、車速が遅い状態で電気
系統に故障が発生した場合では、スリーブ6はその段部
に作用する信号圧の出力信号で減速側(右側)に力を受
け、リターンスプリング25と釣り合う位置へシフト
し、変速比は減速側の所定の変速比に固定される。な
お、この時、スリーブ6によって固定される変速比は、
ガバナ弁9が閉じる車速における正常動作時の変速比よ
りは増速側の変速比で設定されるように構成されてい
る。
【0026】このトロイダル型無段変速機は、電気系統
の故障が発生せず、コントローラ7の指令でアクチュエ
ータ5がスリーブ6を制御し、システムが正常に制御さ
れている場合には、車速が速い状態では、回路31が開
放され、シフト弁10はリターンスプリング30で初期
位置に復帰し、回路29がドレンポート29に開放され
るので、スリーブ6にはアクチュエータ5以外の圧力が
作用せず、従来と同様に、スリーブ6の変速比の設定は
コントローラ7の指令でアクチュエータ5で制御され
る。また、車速が遅い状態では、回路31が閉鎖され、
シフト弁10はリターンスプリング30に抗して信号圧
とバランスし、回路29が回路39と導通して圧力源3
6の供給圧がスリーブ6に作用し、スリーブ6は減速側
(右側)へ移動する。しかしながら、スリーブ6に回路
29の信号圧が作用する車速では、正常動作時の変速比
は更に減速側に設定されているので、スリーブ6が回路
29の信号圧で押し込まれた量よりも更に減速側へアク
チュエータ5により押されることになり、正常時の制御
への影響は全く無い。結局、スリーブ6は、正常動作時
には、コントローラ7の指令でアクチュエータ5のみに
よって移動して変速比の制御が行われ、電気系統の故障
時にはアクチュエータ5が無効になってスリーブ6は車
速に応答して減速側と増速側との変速比の2系統に制御
されることになる。
【0027】
【発明の効果】この発明によるトロイダル型無段変速機
は、上記のように構成されているので、次のような効果
を有する。このトロイダル型無段変速機は、出力軸等の
車速と連動する軸上に設けられた高車速で開放し且つ低
車速で閉鎖するガバナ弁によって発生する信号圧に応答
して、低車速ではスリーブの位置を減速側の所定の位置
へシフトさせ、電気系統の故障が発生した場合でも低車
速では減速側へ固定し、車両が坂路で停車した時や車両
への積載状態が重い時でも、車両の発進が可能になり、
また、所定の車速より速い状態での変速比で停車した時
でも従来通りに故障発生時の変速比を保持するか、増速
側の所定の変速比へ変速するため、急激なエンジンブレ
ーキが掛かることがなく、車両の安全走行を確保でき
る。即ち、このトロイダル型無段変速機は、正常動作時
には、コントローラの指令でアクチュエータのみによっ
てスリーブが移動して変速比の制御が行われ、電気系統
の故障時に前記アクチュエータが無効になって前記スリ
ーブは車速に応答して減速側と増速側とのいずれかの変
速比の2系統に設定されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるトロイダル型無段変速機の一実
施例を示す説明図である。
【図2】従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 スプール 3 パワーローラ 4 トラニオン 5 アクチュエータ 6 スリーブ 7 コントローラ 9 ガバナ弁 10 シフト弁 12 入力ディスク 13 出力ディスク 15 油圧シリンダ 16,17 シリンダ室 18,19,29,31,39 回路 20 スプール弁 25,30 リターンスプリング 22 傾転軸 24,25 ポート 26 スリーブ位置設定手段 32,33 端面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向して配置された入力ディスクと出力
    ディスク、前記両ディスクに対する傾転角度の変化に応
    じて前記入力ディスクの回転を無段階に変速して前記出
    力ディスクに伝達するパワーローラ、前記パワーローラ
    を回転自在に支持し且つ中立位置から傾転軸方向へ変位
    することによって前記パワーローラを傾転軸回りに傾転
    させるトラニオン、二つのシリンダ室を有し且つ前記ト
    ラニオンを傾転軸方向に変位させる油圧シリンダ、前記
    油圧シリンダへの油圧を調節するスプールを備えたスプ
    ール弁、前記スプール弁にスプール軸方向にシフト可能
    に組み込まれた変速比を所定値に設定するスリーブ、該
    スリーブをアクチュエータによって移動させてスプール
    軸方向位置を制御するコントローラ、及び前記アクチュ
    エータの無効状態で車速に応答して低車速では前記スリ
    ーブの設定位置を減速側の所定の変速比に固定し且つ高
    車速では故障発生時の変速比を保持するか又は増速側の
    所定の変速比へ変速するスリーブ位置設定手段、を有す
    ることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 前記スリーブに作用する圧力信号は前記
    出力軸上に設けられた高速時に開放し且つ低速時に閉鎖
    するガバナ弁によって決定されることを特徴とする請求
    項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 前記スリーブ位置設定手段は、低車速で
    は前記スリーブを減速側の所定の変速比に固定するため
    前記スリーブに信号圧を作用させる位置と高車速では前
    記スリーブに作用する信号圧を零にする位置とに切り換
    えられるシフト弁から構成されていることを特徴とする
    請求項1又は2に記載のトロイダル型無段変速機。
  4. 【請求項4】 前記スプール弁は、前記スリーブの一端
    面に一方の前記シリンダ室の油圧が作用し、前記スリー
    ブの他端面に他方の前記シリンダ室の油圧が作用するよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載のトロイダル型無段変速機。
JP7061620A 1995-02-27 1995-02-27 トロイダル型無段変速機 Pending JPH08233055A (ja)

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DE69617289T DE69617289T2 (de) 1995-02-27 1996-02-22 Stufenloses Toroidgetriebe
EP96301191A EP0728965B1 (en) 1995-02-27 1996-02-22 Continously variable toroidal transmission
DE0728965T DE728965T1 (de) 1995-02-27 1996-02-22 Stufenloses Toroidgetriebe
EP01201288A EP1114951A3 (en) 1995-02-27 1996-02-22 Toroidal continuous variable transmission
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0890762A3 (en) * 1997-07-09 2000-11-08 Nissan Motor Company, Limited Electronic transmission control system with fail-safe system for automotive vehicle with continuously variable automatic transmission
JP2002533630A (ja) * 1998-12-18 2002-10-08 ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト 自動変速機を有する自動車の駆動システムの電子油圧制御装置
JP2009144865A (ja) * 2007-12-17 2009-07-02 Equos Research Co Ltd トロイダル式無段変速装置の油圧制御装置
JP2010255692A (ja) * 2009-04-22 2010-11-11 Toyota Motor Corp トロイダル式無段変速機

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