JPH10274323A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JPH10274323A
JPH10274323A JP9134097A JP9134097A JPH10274323A JP H10274323 A JPH10274323 A JP H10274323A JP 9134097 A JP9134097 A JP 9134097A JP 9134097 A JP9134097 A JP 9134097A JP H10274323 A JPH10274323 A JP H10274323A
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JP
Japan
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spool
valve
toroidal
continuously variable
displacement amount
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Application number
JP9134097A
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English (en)
Inventor
Eiji Inoue
英司 井上
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Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トロイダル型無段変速機において、プリセス
カムが検出する合成変移量を機械的に変速比制御弁のス
プール弁のスプールに伝達する際に、スプールにるスリ
ーブの引きずりを防止して、変速比の制御を安定化す
る。 【解決手段】 トラニオン33の傾転軸11の軸方向変
位量Yと角変位量θとの合成変位量を検出するプリセス
カム53の出力は、レバー54、ロッド62を介して変
速比制御弁のスプール弁48のスプール51に伝達され
る。ロッド62は、弁ケース60にガイド63によって
摺動案内されている。レバー54がロッド62に対して
こじり力を作用させても、両者間の当接面62,64に
よる当接構造により、スプール51には軸方向の力F1
のみが作用し、目標変速比に相当して位置が定まるスリ
ーブ49を引きずって移動させることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、入力ディスクと
出力ディスクとの間にパワーローラを傾転自在に配置し
て、入力ディスクの回転を無段階に変速して出力ディス
クへ伝達するトロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、対向して配置された入力ディスク
と出力ディスク、及び両ディスクに摩擦接触するパワー
ローラからなるトロイダル変速部を備えたトロイダル型
無段変速機が知られている。このトロイダル型無段変速
機においては、パワーローラの傾転角度を変えることに
よって、入力ディスクの回転が無段階に変速されて出力
ディスクに伝達される。
【0003】トロイダル型無段変速機にはトロイダル変
速部を同一軸上に複数組配置するものがあり、特に二組
のトロイダル変速部を並置したものは、所謂、ダブルキ
ャビティ式トロイダル型無段変速機として知られてい
る。図2及び図3は、従来のダブルキャビティ式トロイ
ダル型無段変速機の一例を示す図である。図2は従来の
ダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機の模式図で
あり、図3は図2におけるダブルキャビティ式トロイダ
ル型無段変速機の各トロイダル変速部と変速比制御弁に
よる変速比制御機構を示す断面図である。
【0004】図2に示したダブルキャビティ式トロイダ
ル型無段変速機においては、2組のトロイダル変速部
1,2が主軸3上に並べて配置されている。トロイダル
変速部1は、入力ディスク4、入力ディスク4に対向し
て配置された出力ディスク5、及び入力ディスク4と出
力ディスク5との間に配置され且つ両ディスク4,5の
トロイド曲面に摩擦係合するパワーローラ6から構成さ
れている。トロイダル変速部2もトロイダル変速部1と
同様に、入力ディスク7、入力ディスク7に対向して配
置された出力ディスク8、及び入力ディスク7と出力デ
ィスク8との間に配置され且つ両ディスク7,8のトロ
イド曲面に摩擦係合するパワーローラ9から構成されて
いる。各トロイダル変速部1,2には、パワーローラ
6,9がそれぞれ2個設けられている。パワーローラ
6,9は、それぞれ自己の回転軸線10の周りに回転自
在であり、且つ回転軸線10に直交する傾転軸11(紙
面に垂直)の周りに傾転運動可能である。
【0005】トロイダル変速部1,2において、入力デ
ィスク4,7は、主軸3の軸方向に変位可能で且つ主軸
3と一体回転可能である。エンジンからの動力は、トル
クコンバータ12を介して主軸3と同一軸線上に配置さ
れている入力軸13に入力される。入力軸13の先端に
は、カムローラ15を備えたローディングカム14が配
設されており、ローディングカム14の回転によって入
力ディスク4と、更に主軸3を介して入力ディスク7と
が回転する。したがって、主軸3は、入力ディスク4,
7に対して入力軸として機能している。また、ローディ
ングカム14のカム作用によって、入力トルクの大きさ
に応じて、入力ディスク4,7をパワーローラ6,9に
押し付けるスラスト力(主軸3の軸方向力)が発生す
る。上記スラスト力は、入力ディスク4,7と出力ディ
スク5,8との間で伝達トルクの大きさに応じてパワー
ローラ6,9を挟み付ける。入力ディスク4,7の回転
は、オイルの剪断力に基づいて、パワーローラ6,9を
介して出力ディスク5,8に伝達される。
【0006】各トロイダル変速部1,2において、パワ
ーローラ6,9は傾転軸11の周りに傾転可能であり、
入力ディスク4,7の回転はパワーローラ6,9の傾転
角に応じて出力ディスク5,8に無段階に変速されて伝
達される。パワーローラ6,9は、トラニオン33,3
7(図3参照)に対して回転自在に且つ揺動自在に支持
されており、スラスト力に応じて生じる主軸3の軸方向
変位に対応することができる。
【0007】出力ディスク5,8は、一体回転できるよ
うに背面同士を連結軸16上にスプライン嵌合等で連結
されている。連結軸16は主軸3に相対回転可能に嵌合
された中空軸であって、該中空軸の中間部にスプロケッ
ト18が一体的に形成されている。出力ディスク5,8
は、連結軸16を介してスラスト方向及びラジアル方向
の荷重を支持する軸受(図示せず)によってケーシング
19に支持されている。出力ディスク5,8に伝達され
た動力は、第1伝動手段であるチェーン伝動装置17、
即ち、スプロケット18からチェーン20及び中間スプ
ロケット21を経て、一端側で中間スプロケット21が
取付けられたカウンタ軸22に取り出される。
【0008】次に、各トロイダル変速部1,2とその変
速制御を図3の記載に基づいて説明する。パワーローラ
6,9は、それぞれ回転支軸34,38によってトラニ
オン33,37に回転自在に支持されている。トラニオ
ン33,37は傾転軸11を有し、ケーシング19に対
して、傾転軸11の軸方向に移動し且つ傾転軸11を中
心として回動できる。即ち、パワーローラ6,9が傾転
すると、パワーローラ6,9の傾転角変位量θはそのま
まトラニオン33,37の傾転軸11を中心とした回動
変位となる。
【0009】入力ディスク4,7及び出力ディスク5,
8は、スラストにより、主軸3の軸方向に弾性変形を生
じる。トロイダル変速部1,2の軸方向の位置の基準
は、出力ディスク5,8が軸受(図示せず)によって支
持されるケーシング19によって定まるので、この変形
に基づいて、パワーローラ6,9は主軸3の軸方向に変
位する。パワーローラ6,9を端部36,40上で回転
自在に支持する回転支軸34,38は、トラニオン3
3,37に回動自在に支持された揺動支軸35,39に
対して偏心した偏心軸であるので、上記パワーローラ
6,9の主軸3の軸方向への変位は、パワーローラ6,
9が揺動支軸35,39周りにする首振り運動によって
吸収される。出力ディスク5,8のスラスト方向位置が
ケーシング19に対して決定されると、パワーローラ
6,9の位置が決まり、更に両入力ディスク4,7のス
ラスト方向位置が決まる。
【0010】トラニオン33,37を傾転軸方向に変位
させるための油圧シリンダ42,45の構造は、トラニ
オン33とトラニオン37について基本的に同じであっ
て同じ構成要素には同じ符号を付してある。トラニオン
33,37の傾転軸11には、それぞれピストン41,
44が設けられ、ピストン41はケーシング19に形成
された油圧シリンダ42内を摺動可能に設けられてい
る。油圧シリンダ42内には、それぞれピストン41に
よって区画された減速側シリンダ室43Aと増速側シリ
ンダ室43Bとが形成されている。油圧シリンダ42の
減速側シリンダ室43Aと増速側シリンダ室43Bとの
間に差圧が生じると、トラニオン33,37は、パワー
ローラ6と共に、傾転軸方向に移動する。増速側シリン
ダ室43Bに油圧が供給されると、増速側に変速し、ま
た、減速側シリンダ室43Aに油圧が供給されると、減
速側に変速する。油路47A,47Bは、トロイダル変
速部2においても、トロイダル変速部1の場合と同様
に、対応する減速側シリンダ室46A、増速側シリンダ
室46B及びピストン44を有する油圧シリンダ45に
連通されている。
【0011】スプール弁48の本体(弁ケース)内には
スリーブ49が摺動自在に設けられている。スリーブ4
9の両端に当接する第1ばね50が、スリーブ49を中
立位置に保持する方向に付勢している。スリーブ49内
にはスプール51が摺動自在に設けられている。スプー
ル51は一端に配置された第2ばね52によって図3で
右方向に付勢されており、スプール51の他端はレバー
54を介してプリセスカム53が当接している。また、
スプール弁48は一端にSAポートが形成され、他端に
SBポートが形成されており、SAポートにはソレノイ
ド弁55Aを通じて制御油圧PAが供給され、SBポー
トにはソレノイド弁55Bを通じて制御油圧PBが供給
される。また、スプール弁48は、ライン圧(油圧源)
へ連結されるPLポート、油路47Aを介して減速側シ
リンダ室43Aへ連通されるAポート、油路47Bを介
して増速側シリンダ室43Bへ連通されるBポート、リ
ザーバへ連通されるRポートを備えている。
【0012】また、このトロイダル型無段変速機は、車
速センサ56、アクセル踏込み量センサ57等の各種セ
ンサを備えており、これらのセンサで検出された車速v
及びアクセル踏込み量Acc等の変速情報がコントロー
ラ58に入力される。コントローラ58は、これらの変
速情報に基づいて算出した目標変速比に応じた制御信号
をソレノイド弁55A,55Bに対して出力し、ソレノ
イド弁55A,55Bは、その制御信号に応じた制御油
圧PA,PBをスプール弁48のSAポート及びSBポ
ートに出力する。ソレノイド弁55A,55Bは、各ポ
ートの開度、或いはduty制御の場合は各ポートの平
均的な開度を制御することにより、制御油圧源(パイロ
ット油圧源)の油圧PP I L O T 、ドレン油圧、又はそ
の中間の制御油圧をSAポート及びSBポートに出力
し、スリーブ49を目標変速比に応じて軸方向に移動さ
せる。スリーブ49には、PL,R,A及びBの各ポー
トに対応した連通孔が形成されており、スプール51は
スリーブ49に対する位置に応じて、ポートPL,Rを
ポートA又はポートBに切り換えている。
【0013】トロイダル変速部1の一方のトラニオン3
3の傾転軸11の先端にはプリセスカム53が連結され
ており、中央部を枢着されたレバー54の一端がこのプ
リセスカム53に当接し、レバー54の他端がスプール
弁48のスプール51の他端に当接している。レバー5
4は、支軸54cの周りに回動可能であり、一方のレバ
ー端部54aがスプール端部61に当接し、他方のレバ
ー端部54bがプリセスカム53に当接している。プリ
セスカム53は、トラニオン33の傾転軸方向変位量Y
と傾転角変位量θとの合成変位量を出力する。スプール
弁48のスプール51は、この合成変位量に対応して移
動する。スプール弁48とソレノイド弁55A,55B
とは、変速比を制御するため、コントローラ58からの
目標変速比に関する制御信号と、プリセスカム53から
の合成変位量についての信号とを受けて油圧シリンダ4
2,45の油圧を調整する変速比制御弁を構成してい
る。
【0014】トラニオン33,37は、傾転軸方向変位
量Yがゼロである中立位置にある状態では、パワーロー
ラ6,9の傾転角はその時の状態を維持しており、変速
比はその時の一定の値を保持している。即ち、この中立
位置では、トラニオン33,37は、入力ディスク4,
7及び出力ディスク5,8の回転中心線とパワーローラ
6,9の回転軸線10とが交叉するような傾転軸方向の
位置にある。この位置では、パワーローラ6,9はその
変速比に対応した傾転角変位量で回動している。また、
スプール51は、目標変速比に対応してシフトしている
スリーブ49に追従して移動して、Aポート及びBポー
トを閉じている状態にある。
【0015】ソレノイド弁55A,55Bは、電磁コイ
ルを励磁するパルス電流のデューティ比を変更すること
により、弁体が採る弁作動位置の時間比率が変更可能な
デューティソレノイド弁とすることができる。ソレノイ
ド弁55A,55Bは同タイプのソレノイド弁であるの
で、ソレノイド弁55Aとソレノイド弁55Bへの各デ
ューティは、一例として100%に対して互いに相補的
な値を取るように制御される。
【0016】ソレノイド弁55A,55Bは、それぞれ
のdutyで励磁されるので、パイロット油圧源P
P I L O T からソレノイド弁55A,55Bを通じてス
プール弁48の両端のポートSB,SAに供給される制
御油圧PA,PBの差圧が第1ばね50のばね力と釣り
合うようにスリーブ49が移動し、スリーブ49の移動
した位置は、上記のとおり、目標変速比を表すことにな
る。
【0017】変速比の変更はトラニオン33,37を中
立位置から傾転軸11の軸方向に変位させることによっ
て行われる。即ち、両ディスクの回転中に目標変速比が
変更されてスリーブ49が更に別の位置へシフトする
と、スリーブ49とスプール51との間に相対移動が生
じ、その移動量に対応して、Aポート又はBポートが、
ライン圧に連通するPLポートに導通して、トラニオン
33,37が傾転軸方向に変位する。トラニオン33,
37の傾転軸方向の変位に応じてパワーローラ6,9も
傾転軸方向に変位し、パワーローラ6,9と入力ディス
ク4,7及び出力ディスク5,8との接触位置が、上記
中立位置における接触位置から変位する。その結果、パ
ワーローラ6,9は、両ディスクから傾転力を受け、パ
ワーローラ6,9は、傾転軸11に沿った変位方向(即
ち、Y>0又はY<0の方向)と変位量(Yの絶対値)
に応じた向きと速さで傾転軸11周りに傾転を開始す
る。両ディスクとパワーローラとの接触点が変わること
により無段変速が行われる。
【0018】一方、プリセスカム53が検出したトラニ
オン33,37の傾転軸方向変位量Yと傾転角変位量θ
との合成変位量は、レバー54を介してスプール弁48
のスプール51の他端に作用し、スプール51の一端側
に作用する第2ばね52のばね力に抗してスプール51
を移動させる。したがって、目標変速比として与えられ
るスリーブ49の位置と、プリセスカム53によって与
えられるスプール51の位置との関係によって、油路4
7A,47Bに接続するAポート及びBポートをPLポ
ート又はRポートに切り換えることにより、油路47
A,47BをPLポート又はRポートに接続して油路4
7Bの作動油圧Pupと油路47Aの作動油圧Pdow
nとに差圧を生じさせる。シリンダ室43A,43Bの
各作動油圧の圧力差により、トロイダル変速部1におけ
るトラニオン33,37は傾転軸方向に変位して、変速
動作を開始する。傾転角が目標傾転角に近づき、各トラ
ニオン33,37の傾転軸方向変位量Yがゼロに近づく
と、プリセスカム53によって与えられる目標変速比に
対応したスプール49の位置は、スリーブ49の位置に
接近し、次第に収束して変速動作が終了する。
【0019】このように、パワーローラ6,9の傾転角
制御は、コントローラ58によって設定された目標変速
比に対応した位置を占めるスリーブ49に対してスプー
ル51が追従するように行なわれる。スプール51の追
従完了までの間は、開いた各ポートを介して油圧シリン
ダ42,45への作動油圧が制御され、トラニオン3
3,37を傾転軸方向に変位させる。トラニオン33,
37の傾転軸方向変位Yがゼロとなり、パワーローラ
6,9が目標の傾転角まで傾転されると、そのときには
スプール51のスリーブ49に対する追従が完了した状
態となる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の各技術
は、以下のような問題点がある。即ち、図3に示したよ
うに、従来のトロイダル型無段変速機においては、パワ
ーローラ6の傾転角変位量θと傾転軸方向変位量Yとの
合成変位量をスプール弁48へフィードバックするた
め、プリセスカム53はレバー54を介してスプール5
1をその軸方向に移動させている。レバー54は支軸5
4cを中心に回動するため、スプール51は、レバー端
部54aとスプール端部61との当接面において、レバ
ー端部54aから斜め方向の力F2を受けている。
【0021】この斜め方向の力F2は、スプール51の
軸方向の力成分FLがスプール51を実際に軸方向に変
位させる力であり、スプール51の軸に対して直交する
方向の力成分FRはこじりとして作用する。このこじり
力は、スプール51のランド部周面とスリーブ49の内
面との間に摩擦力として作用するので、スプール51の
移動に伴い、スリーブ49の位置自体が変化してしまう
ことがある。その結果、スプール弁48のAポート及び
Bポートに出力される作動油圧Pup,Pdownの大
きさが変化し、目標変速比への収束が悪化したり、一定
の変速比を安定して維持することが困難になるという問
題点がある。
【0022】作動油圧を出力する変速比制御弁を構成す
るスプール弁がスリーブとスリーブ内を摺動するスプー
ルとから成るトロイダル型無段変速機において、プリセ
スカムの出力がスプールの軸方向移動に変換されるが、
図3に示した従来のトロイダル型無段変速機のように、
スプールの端部に何ら拘束又は支持することなく自由端
部としたものが実開昭64−27563号公報に開示さ
れている。また、スリーブとスプールとを有する変速比
制御弁のプリセスカムから操作力が入力されるスプール
の端部を変速比制御弁の弁ケースに対してスペーサを介
して摺動自在に支持させたものがある(特開平7−27
213号公報参照)。更に、変速比制御弁ではないが、
トロイダル型無段変速機の前後進制御状態切換えバルブ
装置として、スリーブを有してはいないが、操作力が入
力されるスプールの端部を非円形としてバルブケースに
相対移動可能に嵌め合わせた構造を開示したものがある
(特開平6−307515号公報参照)。
【0023】しかしながら、特開平7−27213号公
報や特開平6−307515号公報に記載のスプール弁
のスプールは一体構造であって、その一部が弁ケースに
摺動自在に支持されるという構造であり、スプールの移
動を案内するスリーブの摺動内面、及びスリーブとスプ
ールとの間、スプールとバルブボディとの間には、同心
度や同軸度等の加工精度上のバラツキによりスプールが
スリーブやバルブボディの径方向に押し付けられ、当初
の目的が達成できないことがあるという問題点がある。
【0024】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
問題を解決し、スリーブを有する形式の変速比制御弁の
スプールを、スプール本体とプリセスカムの出力がレバ
ーを介して操作力として与えられるロッドに分割して別
の部材とすることにより、スプール本体には軸方向の力
のみを作用させて、スリーブに対してこじりによる移動
を生じさせないようにして所定の変速比を確実に得るこ
とを可能にするトロイダル型無段変速機を提供すること
である。
【0025】この発明は、対向して配置された入力ディ
スクと出力ディスク、前両ディスク間に配置され且つ前
記両ディスクに対する傾転角度に応じて前記入力ディス
クの回転を無段階に変速して前記出力ディスクに伝達す
るパワーローラ、前記パワーローラを回転自在に支持し
且つ傾転軸方向に変位可能なトラニオン、前記各トラニ
オンを前記傾転軸方向に変位させるシリンダ室を有する
油圧シリンダ、前記トラニオンに設けられており且つ前
記トラニオンの傾転軸方向変位量と前記パワーローラの
傾転角変位量との合成変位量を出力するプリセスカム、
及び変速比を制御するため目標変速比と前記合成変位量
とに基づいて前記シリンダ室への作動油圧を制御する変
速比制御弁を具備し、前記変速比制御弁は前記シリンダ
室への前記作動油圧を出力するスプール弁と前記スプー
ル弁を作動させるための制御油圧を出力するソレノイド
弁とから成り、前記スプール弁は、弁ケース、前記目標
変速比に応じて前記弁ケース内で摺動自在に制御される
スリーブ、及び前記合成変位量に応じて前記スリーブ内
で摺動自在に制御されるスプールとから成り、前記スプ
ールには前記プリセスカムの出力が前記弁ケースに対し
て摺動可能に支持されたロッドを介して伝達されること
から成るトロイダル型無段変速機に関する。
【0026】この発明によるトロイダル型無段変速機
は、上記のように構成されているので、次のように作動
する。即ち、スプール弁は、弁ケース、目標変速比に応
じて弁ケース内で摺動自在に制御されるスリーブ、及び
合成変位量に応じてスリーブ内で摺動自在に制御される
スプールとから成っており、スプールにはプリセスカム
の出力が弁ケースに対して摺動可能に支持されたロッド
を介して伝達される。スプールを操作するためにプリセ
スカムからロッドに作用する働く力にスプールの軸線の
径方向の力がたとえ含まれていたとしても、そのような
力は、ロッドから弁ケースに支持されて、スプールに対
しては及ばないので、スプールに対しては軸線方向のみ
の力が作用する。したがって、変速比制御弁のスリーブ
には、スプールから径方向の力が及ぶことはなく、スプ
ールの移動に伴って摩擦力で引きずられて弁ケース内で
の位置を変えることがない。
【0027】また、上記トロイダル型無段変速機におい
て、ロッドは、弁ケースに設けられた案内部材によって
摺動可能に支持されている。案内部材は、ロッドの摺動
性を良くする材料に選択可能であり、摺動案内の長さ等
についても適宜に対応することができる。
【0028】また、上記トロイダル型無段変速機におい
て、スプールの一端がばねによって付勢されており、プ
リセスカムの出力は、ばねの力に対抗してスプールの他
端に作用している。スプールの一端がばねによって付勢
されているので、スプールはロッドを介してプリセスカ
ムに常に当接していることになり、プリセスカムの出力
はロッドを介してガタツキなくスプールに伝達される。
【0029】また、上記トロイダル型無段変速機におい
て、プリセスカムの出力はレバーを介してロッドに伝達
され、ロッドはレバーとスプールとに当接している。レ
バーの運動は回動運動となり、レバーとロッドとの当接
面には軸方向の力の他に、径方向に所謂、こじり力が作
用する。しかし、レバーからロッドに与えられるこじり
力は、ケースに対して吸収され、スプールにまでは及ば
ない。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
によるトロイダル型無段変速機の実施例について説明す
る。図1は、この発明によるトロイダル型無段変速機の
一実施例を示す断面図である。図1に示したトロイダル
型無段変速機は、スプール弁とレバーとの間のプリセス
カムの出力伝達構造で相違する他は、図3に示した従来
のトロイダル型無段変速機の構造と同じであるので、同
じ構成要素には同じ符号を付し、それらの構造と同じ構
造に基づく変速比の基本的な制御動作とについての再度
の説明を省略する。
【0031】図1に示したトロイダル型無段変速機にお
いて、ソレノイド弁55A,55Bと共に変速比制御弁
を構成するスプール弁48は、スリーブ49とスプール
51とを備えている。スプール51と、プリセスカム5
3が出力する合成変位量を変換するレバー54との間に
は、ロッド62が配置されている。ロッド62は、スプ
ール51とは別の部材であり、ガイド63によって弁ケ
ース60に摺動自在に支持されている。ロッド62は、
一端においてスプール51とは当接面64,65で当接
し、他端においてレバー54の端部54aと当接してい
る。スプール51は、第2ばね52で図1の右側に付勢
されているので、スプール51、ロッド62、レバー5
4及びプリセスカム53は互いに順に当接している。そ
のため、プリセスカム53の合成変位量としての出力
は、ガタツキなくスプール51に伝達される。
【0032】レバー54は、支軸54cによって回動可
能であるため、レバー端部54aとロッド62との間に
は、ロッドの軸線の径方向にこじりが生じる可能性があ
るが、そのようなこじり力は、ガイド63が受けて弁ケ
ース60に支持されるので、ロッド62からスプール5
1に伝達されることはない。したがって、スプール51
はその軸方向の力F1のみが伝達され、スリーブ49を
径方向に押し付けることがない。プリセスカム53が出
力する合成変位量に応じてスプール51が軸線方向に移
動しても、スリーブ49を摩擦力によって引きずってス
リーブ位置を変更してしまうことがない。その結果、ス
リーブ位置は所定の位置に制御されるので、変速比は所
定の変速比へと確実に制御され、また一定の変速比にあ
るときにはその変速比に維持されることになる。
【0033】
【発明の効果】この発明によるトロイダル型無段変速機
は、上記のように構成されているので、次のような効果
を奏する。即ち、スプール弁のスプールにはプリセスカ
ムの出力が弁ケースに対して摺動可能に支持されたロッ
ドを介して伝達されるので、ロッドに対して作用する操
作力に径方向のこじり力が含まれていても、こじり力
は、ロッドから弁ケースに支持されるのでスプールに対
しては及ばず、スプールに対しては軸線方向のみの力が
作用する。変速比制御弁のスリーブには、スプールから
径方向の力が及ぶことはなく、スプールの移動に伴って
弁ケース内での位置を変えることがない。したがって、
変速比制御弁が出力する作動油圧は本来の油圧に制御さ
れ、変速比の制御が確実になり、変速比を所定の変速比
に維持する場合も安定して維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるトロイダル型無段変速機の一実
施例を示す断面図である。
【図2】従来のトロイダル型無段変速機の概略図であ
る。
【図3】図2に示す従来のトロイダル型無段変速機の断
面図である。
【符号の説明】
1,2 トロイダル変速部 3 主軸 4,7 入力ディスク 5,8 出力ディスク 6,9 パワーローラ 11 傾転軸 13 入力軸 16 連結軸 33,37 トラニオン 42,45 油圧シリンダ 43A,43B,46A,46B シリンダ室 48 スプール弁 49 スリーブ 50 第1ばね 51 スプール 52 第2ばね 53 プリセスカム 54 レバー 55A,55B ソレノイド弁 58 コントローラ 60 弁ケース 62 ロッド 63 ガイド 64,65 当接面 PA,PB 制御油圧 Pup,Pdown 作動油圧 Y 傾転軸方向変位量 θ 傾転角変位量

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向して配置された入力ディスクと出力
    ディスク、前両ディスク間に配置され且つ前記両ディス
    クに対する傾転角度に応じて前記入力ディスクの回転を
    無段階に変速して前記出力ディスクに伝達するパワーロ
    ーラ、前記パワーローラを回転自在に支持し且つ傾転軸
    方向に変位可能なトラニオン、前記各トラニオンを前記
    傾転軸方向に変位させるシリンダ室を有する油圧シリン
    ダ、前記トラニオンに設けられており且つ前記トラニオ
    ンの傾転軸方向変位量と前記パワーローラの傾転角変位
    量との合成変位量を出力するプリセスカム、及び変速比
    を制御するため目標変速比と前記合成変位量とに基づい
    て前記シリンダ室への作動油圧を制御する変速比制御弁
    を具備し、前記変速比制御弁は前記シリンダ室への前記
    作動油圧を出力するスプール弁と前記スプール弁を作動
    させるための制御油圧を出力するソレノイド弁とから成
    り、前記スプール弁は、弁ケース、前記目標変速比に応
    じて前記弁ケース内で摺動自在に制御されるスリーブ、
    及び前記合成変位量に応じて前記スリーブ内で摺動自在
    に制御されるスプールとから成り、前記スプールには前
    記プリセスカムの出力が前記弁ケースに対して摺動可能
    に支持されたロッドを介して伝達されることから成るト
    ロイダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 前記ロッドは、前記弁ケースに設けられ
    た案内部材によって摺動可能に支持されていることから
    成る請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 前記スプールの一端がばねによって付勢
    されており、前記プリセスカムの出力は前記ばねの力に
    対抗して前記スプールの他端に作用していることから成
    る請求項1又は2に記載のトロイダル型無段変速機。
  4. 【請求項4】 前記プリセスカムの前記出力はレバーを
    介して前記ロッドに伝達され、前記ロッドは前記レバー
    と前記スプールとに当接していることから成る請求項3
    に記載のトロイダル型無段変速機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2196932A1 (es) * 1999-11-09 2003-12-16 Samsung Electronics Co Ltd Unidad interior de un aparato acondicionador de aire
JP2014169716A (ja) * 2013-03-01 2014-09-18 Nsk Ltd 無段変速機の変速制御装置

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