JPH09210165A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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Publication number
JPH09210165A
JPH09210165A JP3311596A JP3311596A JPH09210165A JP H09210165 A JPH09210165 A JP H09210165A JP 3311596 A JP3311596 A JP 3311596A JP 3311596 A JP3311596 A JP 3311596A JP H09210165 A JPH09210165 A JP H09210165A
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JP
Japan
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speed
hydraulic pressure
target
pressure
continuously variable
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Application number
JP3311596A
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English (en)
Inventor
Eiji Inoue
英司 井上
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Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トロイダル型無段変速機において、変速動作
を行う供給油圧を運転状況に対応する目標変速速度に応
答して変更し、目標変速速度に追従する実変速速度を得
る。 【解決手段】 コントローラ22は、増速側或いは減速
側等の車両の変速比に応じて目標変速速度を算出する。
コントローラ22からの目標変速速度に応じた制御信号
で制御される供給油圧制御ソレノイド弁29からのパイ
ロット油圧Pi 又はドレン圧が、リリーフ弁26のパイ
ロット弁28に作用する。従って、油圧ポンプ23の吐
出圧は、目標変速速度に応じた供給油圧PLに設定され
る。トロイダル型無段変速機の変速速度は、供給油圧P
Lに依存するので、目標変速速度に追従するように制御
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、対向して配置された
入力ディスクと出力ディスク、及び前記両ディスクに対
するパワーローラの傾転角度の変化に応じて入力ディス
クの回転を無段階に変速して出力ディスクに伝達するト
ロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車に搭載されるトロイダル型無段変
速機としては、トロイダル変速部が同一軸上に2つ配置
されたダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機が
一般的である。トロイダル型無段変速機は、図3に示す
ように、エンジン出力が入力される入力軸、該入力軸に
対して回転可能に支持された一対の入力ディスク3、入
力ディスク3のそれぞれに対向して配置され且つ入力軸
に対して回転可能に支持された一対の出力ディスク、対
向する一組の入力ディスク3と出力ディスクの間に配置
され且つ入力ディスク3から出力ディスクへトルクを伝
達する傾転可能なパワーローラ2、対向する一対の出力
ディスク同士を一体的に連結する連結部材、入力軸に設
けた一対のフランジ部と入力ディスク3間に配置され且
つ入力ディスク3のそれぞれに作用して入力トルクの大
きさに応じてパワーローラ2の圧接力を変化させる押圧
手段を有し、パワーローラ3を傾転させることにより、
その傾転角度に応じて入力ディスク3の回転を出力ディ
スクに無段階に変速して伝達するトロイダル変速部1に
構成されている。
【0003】上記のようなトロイダル型無段変速機で
は、パワーローラ2の傾転はトロイダル変速部1によっ
て行われる。トロイダル型無段変速機としては、従来か
ら種々のものが知られている(例えば、特開昭61−8
2065号公報、特開昭63−203957号公報参
照)。トロイダル型無段変速機は、例えば、図3に示す
ようなものがある。図3では、トロイダル型無段変速機
は、説明を簡単化するために、一個のトロイダル変速部
1について示したが、ダブルキャビティ式のトロイダル
型無段変速機の場合には、トロイダル変速部1が一対設
けられた構成を有している。
【0004】図3に示すように、トロイダル変速部1に
おける一対のパワーローラ2は、対向して配置された入
力ディスク3と出力ディスク(図示省略)の間に挟まれ
るようにして対向して配置され、トラニオン4と称する
支持部材に回転自在にそれぞれ支持されている。パワー
ローラ2は、トラニオン4に偏心軸5によって支持され
ている。また、それぞれのトラニオン4は変速機ケーシ
ングに回動可能で且つ軸方向に移動可能に支持されてい
る。各トラニオン4は傾転軸6を有し、傾転軸6の軸方
向に移動し、傾転軸6を中心として回動することができ
る。トラニオン4の傾転軸6にはピストン7が固定さ
れ、ピストン7は変速機ケーシングに形成された油圧シ
リンダ8内を摺動可能に設けられている。油圧シリンダ
8内にはピストン7によって区画された2つのシリンダ
室8a,8bが形成されている。
【0005】油圧シリンダ8の各シリンダ室8a,8b
は管路9a,9bによってスプール弁10に連通してい
る。スプール弁10内に配設されたスプール11は、軸
方向両端に配置されたスプリング12によって中立位置
に保持されている。スプール弁10は一端にSaポート
が形成され、他端にSbポートが形成され、Saポート
にはソレノイド弁13aを介してパイロット圧が供給さ
れ、Sbポートにはソレノイド弁13bを介してパイロ
ット圧が供給される。また、スプール弁10は、パイロ
ット圧へ連結されるPポート、管路9aを介してシリン
ダ室8aへ連結されるAポート、管路9bを介してシリ
ンダ室8bへ連結されるBポート、ドレーンへ連結され
るTポートを備えている。ソレノイド弁13a,13b
はコントローラ14から出力された制御信号に応じて作
動するように構成されている。
【0006】一方の傾転軸6の先端にはプリセスカム1
5が連結され、中央部を枢着したレバー16の一端がプ
リセスカム15に当接し、レバー16の他端がポテンシ
ョメータ17に接続している。ポテンショメータ17
は、トラニオン4の傾転軸6の軸方向変位及び傾転角度
を合成変位量として検出し、検出信号をコントローラ1
4に入力する。このトロイダル型無段変速機は、その他
にも車速センサー18、エンジン回転センサー19、ス
ロットル開度センサー20等の各種センサーを備えてお
り、これらのセンサーで検出された車速、エンジン回転
数、スロットル開度等の変速情報信号がコントローラ1
4に入力される。
【0007】トロイダル型無段変速機では、トラニオン
4を中立位置(パワーローラ2の回転中心軸が入力ディ
スク3及び出力ディスクの回転中心軸と交叉する位置)
からいずれか一方へ傾転軸方向(即ち傾転軸の軸方向)
に変位させると、その方向と変位量に応じた向きと速さ
でトラニオン4が傾転軸6回りに傾転し、それぞれの傾
転により変速が行われるという性質を利用して、変速制
御が行われる。コントローラ14は、油圧Sa,Sbの
差圧が目標変速比と実際の変速比との偏差に比例するよ
うに、ソレノイド弁13a,13bへの出力信号を制御
している。
【0008】次に、このトロイダル型無段変速機の作動
について説明すると、コントローラ14は、上記各種の
センサーで検出された各種情報に関する検出値に基づい
て、目標変速比を算出する。コントローラ14は、プリ
セスカム15とポテンショメータ17で検出したトラニ
オン4の傾転角と傾転軸方向との合成変位量から現在の
実変速比を算出し、目標変速比と実変速比の偏差を算出
する。パワーローラ2が中立位置にあり且つ変速比が1
である場合のポテンショメータ17の合成変位量を基準
としているので、パワーローラ2が中立位置にある時の
傾転角度から変速比を算出することができる。更に、コ
ントローラ14は、実変速比と目標変速比との偏差に応
じてトラニオン4の目標変位を設定し、ソレノイド弁1
3a,13bへスプール弁の中立位置に応じた制御信号
と偏差に応じた制御信号との和信号を出力する。
【0009】これに伴って、ソレノイド弁13a,13
bからスプール弁10の両端に油圧Sa,Sbが供給さ
れる。スプール弁10は、ソレノイド弁13a,13b
から供給される油圧Sa,Sbとスプリング12との力
が釣り合う位置へ変位する。その際、スプール弁10に
供給される油圧Saと油圧Sbの関係がSa>Sbであ
る場合、スプール11は図3の左側へシフトし、管路9
aはPポートを介して圧力源Pへ連通し、管路9bはT
ポートを介してドレーンへ連通して、管路9aの圧力P
aが管路9bの圧力Pbよりも大きくなる(Pa>P
b)。その結果、シリンダ室8a,8bの圧力差によ
り、ピストン7が移動し、図3の左側のトラニオン4は
傾転軸方向下方へ変位し、右側のトラニオン4は傾転軸
方向上方へ変位する。これらの変位に伴って、トラニオ
ン4は傾転軸6回りにそれぞれ傾転し、パワーローラ2
は入力ディスク3及び出力ディスクから速度ベクトル方
向に力を受けて傾転し始めて、変速動作が開始される。
【0010】実変速比が目標変速比に近づくように、コ
ントローラ14によってフィードバック制御が行われ
る。実変速比が目標変速比に近づくにつれ、トラニオン
4の目標変位はゼロに近づき、実変速比が目標変速比に
一致した時には、トラニオン4の目標変位はゼロとなっ
て、スプール弁10は閉じられ、油圧シリンダ8への油
圧の供給は停止して変速動作が終了する。この時、2つ
のシリンダ室8の油圧は一致しないものの、トラニオン
4が入力ディスク3及び出力ディスクから受ける接線力
と油圧差が相殺するので、トラニオン4は中立位置に維
持され、再び変速を開始することはない。
【0011】上記従来のトロイダル型無段変速機によれ
ば、実変速比が目標変速比に一致し、トラニオン4の目
標変位がゼロの状態では、スプール弁10の両端にかか
る圧力は等しくなり(Sa=Sb)、スプール弁10の
スプール11は中立位置に戻って、二つのシリンダ室8
a,8bの圧力は等しくなる(Pa=Pb)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、トロイダル型無段変速機を大型車両の走行駆動系に
用いた場合等には、車両の減速時、即ち制動時には、交
通安全上、急速に減速されることが多くあり、トロイダ
ル型無段変速機としては、速く変速しないと車両の大き
な速度変化に追いつかず、最悪時にはエンジンが停止し
てしまうエンストが発生する。また、車両の増速時には
ある程度ゆっくり車速を変化させないと、車両の速度変
化に比べてエンジン回転数の変化が激しくなり、変速時
のフィーリングが悪化するという問題がある。
【0013】そこで、トロイダル型無段変速機におい
て、上記問題を解決するには、トロイダル変速部の出力
軸回転数の減速時、或いは増速時等の運転状況に応じて
異なる目標値が期待される変速速度に応じて、実際の変
速速度を変化させればよいことになる。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
の課題を解決し、目標変速速度に応じてトロイダル変速
部の実際の変速速度を変化させることによって、減速時
即ち制動時には、トロイダル変速部の変速速度を大きく
して車両の大きな速度変化に追いつき、また、増速時に
はゆっくり車速を変化させて、エンジン回転数の変化の
急激な状態を抑えて変速時のフィーリングを良好にする
トロイダル型無段変速機を提供することである。
【0015】この発明は、対向して配置された入力ディ
スクと出力ディスク、前記両ディスクに対する傾転角度
の変化に応じて前記入力ディスクの回転を無段階に変速
して前記出力ディスクに伝達する一対のパワーローラ、
前記パワーローラをそれぞれ回転自在に支持し且つ中立
位置から傾転軸回りに傾転する一対のトラニオン、二つ
のシリンダ室を有し且つ前記トラニオンを傾転軸方向に
変位させる油圧シリンダ、スプールが中立位置にある状
態で前記シリンダ室を遮断し且つ前記中立位置から変位
した状態で前記各シリンダ室を油圧源とタンクとにそれ
ぞれ選択的に連通させるスプール弁、前記スプール弁の
スプール位置を制御するソレノイド弁、及び目標変速比
と実変速比との偏差に応じた制御信号に応答して目標変
速速度が速いほど前記油圧源の供給油圧を高い値に設定
する制御を行うコントローラ、から成るトロイダル型無
段変速機に関する。
【0016】この発明は、上記のように構成されている
ので、スロットル開度が変更されたり、ブレーキペダル
等の制動操作が行われた場合に、目標変速比が変化す
る。前記目標変速比と実変速比との間に偏差が生じるこ
とになるから、コントローラは、変速が必要であると判
断して、従来のトロイダル型無段変速機と同様にして、
変速動作が行われる。
【0017】このトロイダル型無段変速機では、前記コ
ントローラは、減速側の変速である時には前記目標変速
速度を高い値に設定し、増速側の変速である時には前記
目標変速速度を低い値に設定する制御を行うものであ
り、変速動作の際に、運転状況(加速又は減速)、前記
偏差の大きさ等により、マップ(テーブル)或いは演算
により目標変速速度が決定される。油圧源の供給油圧は
目標変速速度が速い程高い値に設定されているので、速
い変速速度が目標となっているときには、油圧源の供給
油圧は高い圧力となり、スプール弁のスプールは速く移
動すると共に油圧シリンダには高い油圧が供給されてト
ラニオンの傾転速度が速くなる。従って、トロイダル型
無段変速機は、目標変速速度に合わせるように速く行わ
れる。目標変速速度が比較的遅い目標速度となっている
ときには、油圧源の供給油圧は低い圧力となり、スプー
ル弁のスプールは比較的ゆっくりと移動すると共に油圧
シリンダには低い油圧が供給されてトラニオンの傾転速
度が遅くなり、トロイダル変速部の変速速度は目標変速
速度に合わせるように遅く行われる。
【0018】また、このトロイダル型無段変速機は、前
記目標変速速度が急激な減速時には高い値に設定され、
急激な加速時には比較的低い値に設定されているので、
強力な制動を加えて急激な減速を行うときには、トロイ
ダル変速部の変速速度が速くなり、急激な減速に追いつ
いた素早い変速動作が得られ、また、スロットル開度を
急激に増加して急加速を行おうとしても、トロイダル変
速部の変速速度が比較的遅くなり、エンジン回転数が急
激に上昇することがない。
【0019】このトロイダル型無段変速機では、前記供
給油圧の制御は、前記油圧源と前記スプール弁とを接続
した供給油圧用の油路から前記タンクへ分岐する分岐路
に設けられるリリーフ弁のリリーフ圧を変更することに
より行われ、前記リリーフ圧の変更は、前記コントロー
ラからの前記制御信号によって付勢するソレノイドを備
えた供給油圧制御ソレノイド弁が前記リリーフ弁へのパ
イロット油圧の大きさを変更することによって制御され
るものである。
【0020】このトロイダル型無段変速機は、上記のよ
うに構成した場合には、目標変速速度についての制御信
号は供給圧制御ソレノイド弁に出力される。供給圧制御
ソレノイド弁は、前記制御信号を受けて、前記制御信号
に応じたパイロット油圧をリリーフ弁に出力し、リリー
フ弁の設定リリーフ圧を決定する。油圧源のスプール弁
への供給圧は、前記リリーフ弁のリリーフ圧によって規
定されることになるので、スプール弁のスプールの変位
速度、即ち、トロイダル型無段変速機の変速速度を制御
することができる。
【0021】ここで、前記コントローラは、エンジンの
回転数を検出するエンジン回転センサー、スロットルの
開度を検出するスロットル開度センサー、車速を検出す
る車速センサー等のセンサーからの信号を受けて、スプ
ール弁の両端に供給する油圧を制御するソレノイド弁へ
制御信号を出力する。また、前記コントローラは、前記
供給油圧制御ソレノイド弁のソレノイドに出力する制御
信号と、前記スプール弁への供給圧によるトロイダル変
速部の実変速速度との関係を、前記リリーフ弁に供給さ
れるパイロット油圧と、前記パイロット油圧によって設
定されるリリーフ圧との関係を含めて予め求めておき、
これをコントローラにマップ即ちテーブルとして記憶し
ておき、テーブルを使用したり、演算して求めてもよ
い。また、前記スプール弁のスプール位置を制御するソ
レノイド弁は、duty制御等で制御できるものであれ
ばよく、スプールやスリーブに油圧を付勢できるもので
あればよい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
によるトロイダル型無段変速機の実施例について説明す
る。図1はこの発明によるトロイダル型無段変速機の一
実施例を示す概略説明図である。また、この発明のトロ
イダル型無段変速機の変速制御装置は、コントローラに
関する構成を除いて、概ね、図3のものと同一構成を備
えているので、同一部品には同一符号を付し、重複する
説明を省略する。
【0023】図1において、変速情報検出器33は、車
速を検出する車速センサー18、エンジンの回転数を検
出するエンジン回転センサー19、スロットル開度を検
出するスロットル開度センサー20等のセンサーを示
し、これらのセンサーからの変速に必要な情報がコント
ローラ22に入力される。コントローラ22は、これら
の情報に基づいて、目標変速比と目標変速速度を算出す
る。目標変速比については、コントローラ22は、プリ
セスカム15とポテンショメータ17で検出したトラニ
オン4の傾転角と傾転軸方向との合成変位量から算出し
た実際の変速比との偏差に基づいて、ソレノイド弁13
a,13bからスプール弁10の両端に油圧Sa,Sb
を供給し、上記偏差をゼロにするように制御する点で、
従来のトロイダル変速部1のコントローラ14と同様で
ある。
【0024】油圧シリンダ8a,8bを作動するための
スプール弁10への供給油圧P0 は、油圧源としての油
圧ポンプ23から供給される。油圧ポンプ23の供給油
圧PLは、油圧ポンプ23からスプール弁10のポート
PLに至る油路24から分岐した油路25に設けられた
リリーフ弁26によって制限される。リリーフ弁26の
リリーフ圧は、ばね27とパイロット28に作用するパ
イロット油圧Pi によって設定される。リリーフ弁26
のパイロット28に対するパイロット油圧Piは、コン
トローラ22からの制御信号で作動する供給油圧制御ソ
レノイド弁29によって決定される。供給油圧制御ソレ
ノイド弁29は、コントローラ22からの制御信号でソ
レノイド30が操作されて、位置31と位置32との間
を切り換え可能である。供給油圧制御ソレノイド弁29
が位置31を占めているときは、パイロット油圧Pi が
リリーフ弁26のパイロット28に作用し、リリーフ弁
26のリリーフ圧は高い圧力に設定されている。従っ
て、油圧ポンプ23の供給油圧PLは高い圧力になる。
供給油圧制御ソレノイド弁29が位置32を占めている
ときは、パイロット28に作用する油圧はドレンされる
ので、リリーフ弁26のリリーフ圧を低い圧力に設定し
ている。従って、油圧ポンプ23の供給油圧PLはその
低い設定圧力以上に高くなることができない。供給油圧
制御ソレノイド弁29として多段又は無段の減圧弁を用
いれば、リリーフ弁のリリーフ圧を多段又は無段に変更
することができるようにしてもよい。
【0025】供給油圧制御ソレノイド弁29のソレノイ
ド30に出力するコントローラ22の制御信号と、スプ
ール弁10への供給油圧によるトロイダル変速部1の実
際の変速速度との関係は、リリーフ弁10に供給される
パイロット油圧Pi と、パイロット油圧Pi によって設
定されるリリーフ圧との関係を含めて、予めマップとし
てコントローラ22に記憶されている。従って、コント
ローラ22が供給油圧制御ソレノイド弁29のソレノイ
ド30に出力すべき制御信号は、コントローラ22が演
算した目標変速速度に対応した変速速度が得られる値に
決定される。
【0026】このトロイダル型無段変速機が車両に用い
られている場合、車両が急ブレーキをかけたときに、車
両の急激な減速に対してトロイダル型無段変速機の変速
動作が追いつくように、目標変速速度が大きな値として
算出される。この算出された目標変速速度に合致するよ
うに、コントローラ22が供給油圧制御ソレノイド弁2
9のソレノイド30に出力する制御信号は、供給油圧制
御ソレノイド弁29が位置31を占めるような信号とさ
れる。従って、パイロット油圧Pi がリリーフ弁26の
パイロット28に作用し、リリーフ弁26のリリーフ圧
は高い圧力に設定されて、油圧ポンプ23の供給油圧P
Lは高い圧力になる。コントローラ22からソレノイド
弁13a,13bへの変速制御信号によって減速に伴う
通常の変速動作が行われるが、この際におけるトロイダ
ル変速部1の変速速度は速くなり、急激な減速に追従し
た素早い変速動作が得られる。
【0027】一方、車両のアクセルを大きく踏み込ん
で、急加速をしようとするときは、スロットル開度が大
きくなるが、コントローラ22は加速中であるという運
転状況を判断して、目標変速速度を抑えた値として算出
する。この算出された目標変速速度に合致するように、
コントローラ22が供給油圧制御ソレノイド弁29のソ
レノイド30に出力する制御信号は、供給油圧制御ソレ
ノイド弁29が位置32を占めるような信号とされる。
従って、パイロット油圧Pi は遮断され、リリーフ弁2
6のパイロット28に作用していた圧力はドレンされ
る。リリーフ弁26のリリーフ圧は低い圧力に設定され
るので、油圧ポンプ23の供給油圧PLは低い圧力にな
る。コントローラ22からソレノイド弁13a,13b
への変速制御信号によって加速に伴う通常の変速動作が
行われるが、この際におけるトロイダル変速部1の変速
速度は遅くなり、エンジン回転数の急激な上昇が回避さ
れ、変速時のフィーリングの悪化が防止される。
【0028】次に、このトロイダル型無段変速機は、次
のようにして目標変速比に対応する目標変速速度になる
供給油圧を得るための変速制御を、図2の処理フロー図
を参照して説明する。変速動作が開始される前には、ト
ラニオン4は、パワーローラ2の回転中心軸と入力ディ
スク3及び出力ディスクの回転中心軸とが交差する傾転
軸が中立位置にある。
【0029】メインルーチンから、車速、スロットル開
度、エンジン回転数等から成る変速情報検出器33によ
って目標変速比e0 が決まる。目標変速比e0 が車速の
増速側又は減速側であるかによって、目標変速速度が決
定され、該目標変速速度に応じた供給油圧の制御につい
てのサブルーチンに開始する。変速情報検出器33でエ
ンジン回転数、スロットル開度、車速等の変速情報が検
出されるが、検出されたこれらの変速情報を基づいて、
コントローラ22は、運転状況に応じた目標変速速度を
算出し、これを目標変速速度f0 として設定する(ステ
ップ1)。
【0030】目標変速比e0 が所定の変速比eS より車
両の増速側にあるか又は減速側にあるかを判断し(ステ
ップ2)、目標変速速度f0 が基準となる変速速度fs
よりも速いか否かを判定する。例えば、強い制動をかけ
たためにトロイダル型無段変速機の出力軸が車両の減速
に追いつこうとして目標変速速度f0 が変速速度fs
りも速い値に算出された場合には、ステップ3の処理へ
移行する。急な加速ではあるが、エンジン回転数の急激
な増加を回避しようとして、算出された目標変速速度f
0 が変速速度fs よりも遅いときは、ステップ4の処理
へ移行する。
【0031】目標変速比e0 が所定の変速比eS より減
速側にある場合には、算出された目標変速速度f0 が変
速速度fs よりも速い時であり、油圧シリンダ8へ供給
される目標供給油圧PL0 は、高い値PLH I G H に設
定される(ステップ3)。また、目標変速比e0 が所定
の変速比eS より増速側にある場合には、算出された目
標変速速度f0 が変速速度fs よりも遅い時であり、油
圧シリンダ8へ供給される目標供給油圧PL0 は、低い
値PLL O W に設定される(ステップ4)。
【0032】ステップ3又はステップ4で求められた目
標供給油圧PL0 の関数として、供給油圧制御ソレノイ
ド弁29のソレノイド30に出力するdutyPLを演
算し、出力信号として設定する(ステップ5)。演算し
て得られたdutyPLで供給油圧制御ソレノイド弁2
9へ出力されると、供給油圧制御ソレノイド弁29がそ
のdutyPLに応じて作動して、高い目標供給油圧P
H I G H 又は低い目標供給油圧PLL O W が得られ、
それを出力する(ステップ6)。目標変速速度に応じた
供給油圧の制御についてのサブルーチンを終了し、再び
目標変速比e0に応じたメインルーチンのフローに戻る
(ステップ7)。
【0033】
【発明の効果】この発明によるトロイダル型無段変速機
は、上記のように構成されているので、目標変速速度に
合わせてトロイダル変速部の変速速度を追従させること
ができる。即ち、目標変速速度が速いときは油圧源のス
プール弁への供給油圧が高くなる。従って、油圧シリン
ダは、トラニオンを素早く移動させることになり、パワ
ーローラの傾転角も素早く変化して、トロイダル変速部
の実変速速度を目標変速速度に素早く追従させることが
できる。
【0034】また、このトロイダル型無段変速機では、
目標変速速度を、急激な減速時には高い値に設定し、急
激な加速時には比較的低い値に設定した場合、減速時、
即ち交通安全等のために強力な制動を作動させた時に
は、トロイダル変速部の変速速度を大きくして車両の大
きな速度変化に追いつき、また、増速時には変速速度を
ゆっくりと変化させてエンジン回転数の変化が急激状態
になるのを抑えるので、変速時のフィーリングを良好に
することができる。
【0035】更に、このトロイダル型無段変速機は、供
給油圧の設定を油圧源と前記スプール弁とを接続した供
給油圧用の油路から前記タンクへ分岐する分岐路に設け
られるリリーフ弁のリリーフ圧を変更することにより行
われる。また、このトロイダル型無段変速機におけるリ
リーフ圧の変更は、コントローラからの目標変速速度に
応じた制御信号を受けて作動するソレノイドを備える供
給油圧制御ソレノイド弁がリリーフ弁へのパイロット油
圧の大きさを変更することにより行うので、油圧源に対
してリリーフ弁と供給油圧制御ソレノイド弁とを組み合
わせることのみによって、実変速速度を目標変速速度に
簡単に追従させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるトロイダル型無段変速機の一実
施例を示す概略説明図である。
【図2】図1のトロイダル型無段変速機の目標変速速度
に応じた目標供給油圧を得るための変速制御を示す処理
フロー図である。
【図3】従来のトロイダル型無段変速機を示す概略説明
図である。
【符号の説明】
1 トロイダル変速部 2 パワーローラ 3 入力ディスク 4 トラニオン 6 傾転軸 8 油圧シリンダ 8a,8b シリンダ室 10 スプール弁 11 スプール 13a,13b ソレノイド弁 22 コントローラ 23 油圧ポンプ(油圧源) 24 油路 26 リリーフ弁 29 供給油圧制御ソレノイド弁 30 ソレノイド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向して配置された入力ディスクと出力
    ディスク、前記両ディスクに対する傾転角度の変化に応
    じて前記入力ディスクの回転を無段階に変速して前記出
    力ディスクに伝達する一対のパワーローラ、前記パワー
    ローラをそれぞれ回転自在に支持し且つ中立位置から傾
    転軸回りに傾転する一対のトラニオン、二つのシリンダ
    室を有し且つ前記トラニオンを傾転軸方向に変位させる
    油圧シリンダ、スプールが中立位置にある状態で前記シ
    リンダ室を遮断し且つ前記中立位置から変位した状態で
    前記各シリンダ室を油圧源とタンクとにそれぞれ選択的
    に連通させるスプール弁、前記スプール弁のスプール位
    置を制御するソレノイド弁、及び目標変速比と実変速比
    との偏差に応じた制御信号に応答して目標変速速度が速
    いほど前記油圧源の供給油圧を高い値に設定する制御を
    行うコントローラ、から成るトロイダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 前記コントローラは、減速側の変速であ
    る時には前記目標変速速度を高い値に設定し、増速側の
    変速である時には前記目標変速速度を低い値に設定する
    制御を行う請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 前記供給油圧の制御は、前記油圧源と前
    記スプール弁とを接続した供給油圧用の油路から前記タ
    ンクへ分岐する分岐路に設けられるリリーフ弁のリリー
    フ圧を変更することにより行われ、前記リリーフ圧の変
    更は、前記コントローラからの前記制御信号によって付
    勢するソレノイドを備えた供給油圧制御ソレノイド弁が
    前記リリーフ弁へのパイロット油圧の大きさを変更する
    ことによって制御される請求項1又は2に記載のトロイ
    ダル型無段変速機。
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