JP3309632B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JP3309632B2
JP3309632B2 JP6162195A JP6162195A JP3309632B2 JP 3309632 B2 JP3309632 B2 JP 3309632B2 JP 6162195 A JP6162195 A JP 6162195A JP 6162195 A JP6162195 A JP 6162195A JP 3309632 B2 JP3309632 B2 JP 3309632B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,対向して配置さ
れた入力ディスクと出力ディスク,及び前記両ディスク
に接触した状態で回転し,且つ傾転角度に応じて入力デ
ィスクの回転を無段階に変速して出力ディスクに伝達す
る一対のパワーローラからなる変速ユニットを備えたト
ロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車に搭載されるトロイダル型無段変
速機としては、上記変速ユニットが同一軸上に2つ配置
されたダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機が
一般的である。このトロイダル型無段変速機は、概ね、
エンジン出力が入力される入力軸、該入力軸に対して回
転可能に支持された一対の入力ディスク、該入力ディス
クのそれぞれに対向して配置され且つ入力軸に対して回
転可能に支持された一対の出力ディスク、対向する一組
の入力ディスクと出力ディスクの間に配置され且つ入力
ディスクから出力ディスクへトルクを伝達する傾転可能
なパワーローラ、対向する一対の出力ディスク同士を一
体的に連結する連結部材、入力軸に設けた一対のフラン
ジ部と入力ディスク間に配置され且つ入力ディスクのそ
れぞれに作用して入力トルクの大きさに応じてパワーロ
ーラの圧接力を変化させる押圧手段を有しており、パワ
ーローラを傾転させることにより、その傾転角度に応じ
て入力ディスクの回転を出力ディスクに無段階に変速し
て伝達するように構成されている。
【0003】上記のようなトロイダル型無段変速機にお
いては、パワーローラの傾転は変速制御装置によって行
われる。変速制御装置としては従来から種々のもの(特
開昭61−184262号公報、特開昭61−8206
5号公報、特開昭62−46060号公報参照)が知ら
れており、例えば、図3に示すような変速制御装置があ
る。なお、図3には、説明を簡単化するために、1つの
変速ユニットに関する変速制御装置を示したが、ダブル
キャビティ式のトロイダル型無段変速機の場合には、油
圧がもう1つの変速ユニットの油圧シリンダにも供給で
きるように構成すればよいだけであるから、説明は省略
する。
【0004】図3に示すように、変速ユニット1におけ
る一対のパワーローラ2,2は、対向して配置された入
力ディスク3と出力ディスク(図示省略)の間に挟まれ
るようにして対向して配置され、それぞれトラニオン
4,4と称する支持部材に回転自在に支持されている。
即ち、パワーローラ2,2はトラニオン4,4に偏心軸
5,5によって支持されている。また、それぞれのトラ
ニオン4,4は、入力ディスク3及び出力ディスクのト
ロイド面を構成する円弧(パワーローラ2,2の回転軸
線と両ディスクの回転軸線とから構成される平面内での
両ディスクの円弧)の中心を軸として、変速機ケーシン
グ(図示省略)に回動可能で且つ軸方向に移動可能に支
持されている。即ち、各トラニオン4,4は傾転軸6,
6を有しており、この傾転軸6,6を中心として回動
し、且つこの傾転軸6,6の軸方向に移動することがで
きる。トラニオン4,4の傾転軸6,6にはピストン
7,7が固定されており、このピストン7,7は変速機
ケーシングに形成された油圧シリンダ8,8内を摺動可
能に設けられている。油圧シリンダ8,8内にはピスト
ン7,7によって区画された2つのシリンダ室8a,8
bが形成されている。
【0005】油圧シリンダ8,8の各シリンダ室8a,
8bは管路9a,9bによってスプール弁10に連通し
ている。スプール弁10内に配設されたスプール11
は、軸方向両端に配置されたスプリング12によって中
立位置に保持されている。スプール弁10は一端にSa
ポートが形成され、他端にSbポートが形成されてお
り、Saポートにはソレノイド弁13aを介してパイロ
ット圧が供給され、Sbポートにはソレノイド弁13b
を介してパイロット圧が供給される。また、スプール弁
10は、ポンプ圧(圧力源)へ連結されるPポート、管
路9aを介してシリンダ室8aへ連結されるAポート、
管路9bを介してシリンダ室8bへ連結されるBポー
ト、ドレーンへ連結されるTポートを備えている。ソレ
ノイド弁13a,13bはコントローラ14から出力さ
れた制御信号に応じて作動するように構成されている。
【0006】一方の傾転軸6の先端にはプリセスカム1
5が連結されており、中央部を枢着されたレバー16の
一端がこのプリセスカム15に当接し、レバー16の他
端がポテンショメータ17に接続している。ポテンショ
メータ17は、トラニオン4の傾転軸6の軸方向変位及
び傾転角度を合成変位量として検出し、検出信号をコン
トローラ14に入力するものである。また、この変速制
御装置は、その他にも車速センサー18、エンジン回転
センサー19、スロットル開度センサー(TPS)20
等の各種センサーを備えており、これらのセンサーで検
出された車速、エンジン回転数、スロットル開度等の変
速情報信号がコントローラ14に入力されるように構成
されている。
【0007】トロイダル型無段変速機では、トラニオン
4,4を中立位置(パワーローラ2,2の回転中心軸が
入力ディスク3及び出力ディスクの回転中心軸と交叉す
る位置)からいずれか一方へ傾転軸方向(即ち傾転軸の
軸方向)に変位させると、その方向と変位量に応じた向
きと速さでトラニオン4,4が傾転軸6,6回りに傾転
し、この傾転により変速が行われるという性質を利用し
て、変速制御が行われる。
【0008】次に、この変速制御装置の作動について説
明すると、まず、コントローラ14はポテンショメータ
17で検出したトラニオン4,4の合成変位量から実際
の変速比を算出し、その変速比と目標変速比との偏差に
応じてトラニオン4,4の目標変位を設定し、ソレノイ
ド13a,13bへ制御信号を出力する。これに伴っ
て、ソレノイド弁13a,13bからスプール弁10の
両端に油圧Sa,Sbが供給される。その際、スプール
弁10に供給される油圧(SaポートとSbポートの油
圧SaとSb)の関係がSa>Sbである場合、スプー
ル11は図3において左側へシフトし、管路9aはPポ
ートを介して圧力源Pへ連通し、管路9bはTポートを
介してドレーンへ連通して、管路9aの圧力Paが管路
9bの圧力Pbよりも大きくなる(Pa>Pb)。その
結果、シリンダ室8a,8bの圧力差により、図3にお
いて左側のトラニオン4は下方へ変位し、右側のトラニ
オン4は上方へ変位する。この変位に伴って、トラニオ
ン4,4はそれぞれ傾転軸6,6回りに傾転し、変速動
作が開始される。そして、実際の変速比が目標変速比に
近づくように、コントローラ14によってフィードバッ
ク制御が行われる。実際の変速比が目標変速比に近づく
につれ、トラニオン4,4の目標変位はゼロに近づき、
実際の変速比が目標変速比に一致した時には、トラニオ
ン4,4の目標変位はゼロとなって、変速動作は終了す
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の変速制御装
置によれば、実際の変速比が目標変速比に一致し、トラ
ニオン4,4の目標変位がゼロの状態では、スプール弁
10の両端にかかる圧力は等しくなり(Sa=Sb)、
スプール弁10のスプール11は中立位置に戻って、二
つのシリンダ室8a,8bの圧力は等しくなる(Pa=
Pb)。
【0010】しかしながら、上記従来の変速制御装置に
おいては、一方の油圧シリンダ8のシリンダ室8aと他
方の油圧シリンダ8のシリンダ室8aとは、Aポートか
ら伸びる管路9aからそれぞれ分岐した配管により接続
されているから、油圧回路的に相互に直接連結されてい
るものである。また、一方の油圧シリンダ8のシリンダ
室8bと他方の油圧シリンダ8のシリンダ室8bも、B
ポートから伸びる管路9bからそれぞれ分岐した配管に
より接続されているから、油圧回路的に相互に直接連結
されているものである。したがって、実際の変速比と目
標変速比との偏差が小さくてスプール弁10のスプール
11が中立位置またはその付近にある状態にあって、管
路9aのAポートと管路9bのBポートとがスプール1
1の各ランド部で閉じられている場合には、入力ディス
ク3のトルク変動等を原因として左側のトラニオン4に
例えば図面下側に向かう急激な力が加わると、左側の油
圧シリンダ8のシリンダ室8b内において急激に上昇し
て高圧となった圧力Pblは、右側の油圧シリンダ8に
も伝わり、そのシリンダ室8b内の圧力Pbrも急激に
上昇して高圧となる。この場合、右側のトラニオン4に
は、左側のトラニオン4に加わる力とは大きさが同じで
反対方向の力(例えば図面上側に向かう力)が通常作用
するものであり、この力と右側の油圧シリンダ8のシリ
ンダ室8b内に伝わった圧力Pbrとが釣り合うので、
結果的にはトラニオン4,4はともにほとんど変位する
ことがない。
【0011】ところが、入力ディスク3が回転変動を伴
っている場合などに、入力ディスク3とパワーローラ
2,2との接触転での押し付け力に一時的に差が生じる
場合がある。この場合、パワーローラ2,2は入力ディ
スク3及び出力ディスクから図3に示す矢印F方向に受
ける接線力Fの大きさに相違が生じ、瞬間的には左右の
油圧シリンダ8,8の各シリンダ室8a,8bに生じる
圧力とは釣り合わず、その結果、トラニオン4,4に加
わる大きさにも差が生じることになる。例えば、右側の
パワーローラ2における入力ディスク3からの押し付け
力が、左側のパワーローラ2における入力ディスク3か
らの押し付け力よりも小さい場合には、右側のトラニオ
ン4に加わる上向きの力は、左側のトラニオン4に加わ
る下向きの力に比べて小さくなる。したがって、左側の
トラニオン4においては、大きな下向きの力によって下
方へ変位する一方、右側の油圧シリンダ8のシリンダ室
8b内の圧力Pbrは、左側の油圧シリンダ8のシリン
ダ室8bから作用する圧力Pblと同じ大きさの圧力で
あって、右側の油圧シリンダ8のシリンダ室8a内の圧
力Parよりも大きいから、右側のトラニオン4も下方
へ変位してしまう。このような状態になると、パワーロ
ーラ2,2と入力ディスク3との接触転において滑り
が、またその結果として摩擦熱が発生し、変速装置とし
ての耐久性や効率の低下を招くという問題があった。ま
た、このような入力が特定の周期で繰り返されると、ト
ラニオン4,4が同相で振動して不安定となり、変速制
御が効かなくなるという問題があった。
【0012】そこで、スプール弁が中立位置付近にある
場合に、各パワーローラに大きさの異なる接線力Fが作
用した場合であっても、一方のトラニオンから他方のト
ラニオンに対して油圧回路を介して油圧的に影響が及ぶ
ことがないようにするために、各トラニオンの油圧シリ
ンダへの油圧回路に独立性を備えるようにすることが課
題となっていた。
【0013】この発明の目的は、上記課題を解決し、ス
プール弁が中立位置付近にある場合に、各パワーローラ
に大きさの異なる接線力が作用したときに、パワーロー
ラを支持するトラニオンが同相で変位せず、安定した変
速比を高効率で得ることができ、発熱を低減したトロイ
ダル型無段変速機を提供することである。
【0014】
【課題を解決するため手段】この発明は、上記目的を達
成するため、次のように構成されている。即ち、この発
明は、対向して配置された入力ディスクと出力ディス
ク、前記両ディスクに対する傾転角度の変化に応じて前
記入力ディスクの回転を無段階に変速して前記出力ディ
スクに伝達する一対のパワーローラ、前記パワーローラ
をそれぞれ回転自在に支持し且つ中立位置から傾転軸方
向へ変位することによって前記パワーローラを傾転軸回
りに傾転させる一対のトラニオン、前記トラニオンを傾
転軸方向に変位させる二つのシリンダ室を有する油圧シ
リンダ、及び弁本体内で中立位置の状態で前記シリンダ
室を個別に遮断し且つ中立位置から変位した状態で前記
シリンダ室を油圧源とタンクとにそれぞれ連通させるス
プールを備えたスプール弁、から構成したことを特徴と
するトロイダル型無段変速機に関する。
【0015】また、このトロイダル型無段変速機におい
て、前記スプール弁はコントローラによって前記トラニ
オンの傾転軸方向への変位及び傾転角度を検出して算出
した変速比と変速情報を検出して算出した目標変速比と
の偏差に応答して制御されるものである。
【0016】また、このトロイダル型無段変速機におい
て、一方の前記トラニオンの前記油圧シリンダの前記各
シリンダ室は、他方の前記トラニオンの前記油圧シリン
ダのそれぞれの前記シリンダ室に対して、前記スプール
の軸線方向の同一位置に形成されたランド部により同時
に開閉されるポートを介して互いに連通可能に構成され
ている。
【0017】この発明によるトロイダル型無段変速機で
は,スプール弁は,トラニオンの傾転軸方向への変位及
び傾転角度を検出して算出した現実の変速比と,車速セ
ンサー,エンジン回転センサー及びスロットル開度セン
サー等の各種センサーからの変速情報とから算出した目
標変速比との偏差に応答してコントローラによって制御
される。スプールが中立位置から第一位置又は第二位置
に切り換えられると,油圧シリンダの一方のシリンダ室
に油圧が供給され,他方のシリンダ室はドレーンに連通
する。これによってピストンが移動し,トラニオンは中
立位置から傾転軸の軸方向即ち傾転軸方向に変位する。
トラニオンが中立位置から傾転軸に軸方向に変位する
と,これに伴って,パワーローラは傾転軸回りに傾転
し,変速動作が開始される。そして,実際の変速比が目
標変速比に近づくようにフィードバック制御が行われ,
実際の変速比が目標変速比に一致した時には,スプール
弁は閉じられて油圧シリンダへの油圧の供給が停止さ
れ,変速動作が終了する。その時,トラニオンは中立位
置に戻っている。
【0018】スプール弁が中立位置にあるときには、各
トラニオンの油圧シリンダのそれぞれのシリンダ室はス
プールにより互いに個別に遮断されている。この状態
で、入力ディスクのトルク変動等によって、パワーロー
ラが入力ディスク及び出力ディスクから接線力を受けて
各トラニオンに急激な軸方向力が作用し、その結果、ト
ラニオンの油圧シリンダ内の作動油に急激な加圧或いは
減圧が生じることがあっても、そのような一方のトラニ
オンの油圧シリンダに生じた急激な圧力変化は、スプー
ルによって遮断されているので、相手方のトラニオンの
油圧シリンダに伝わらない。従って、各トラニオンは、
他のトラニオンの影響で軸方向に変位することはなく、
また、スプールに入出力する他の油圧回路へも影響しな
い。
【0019】また、このトロイダル型無段変速機におい
て、一方のトラニオンの前記油圧シリンダの各シリンダ
室が、他方のトラニオンの前記油圧シリンダのそれぞれ
のシリンダ室に対して、スプールの軸線方向同一位置に
形成されたランド部により同時に開閉されるポートを介
して互いに連通可能に構成されている場合には、両トラ
ニオン間にシリンダ室同士を結ぶ二つの系の油圧管路が
形成され、それぞれの系は、スプール弁の移動に伴っ
て、各油圧シリンダのそれぞれの二つのシリンダ室に至
る4つのポートが2つのランド部によって同時に開閉さ
れて、中立位置からの変位方向に応じて油圧源とタンク
とに交互に連通される。即ち、スプール弁が中立位置の
状態では、各系の油圧回路は途中でスプール弁によって
油圧源とタンクとに対して遮断されるとともに、それぞ
れのシリンダ室間も個別に遮断され、各トラニオンの両
軸方向の移動に対して油圧シリンダのピストンを油圧的
に拘束することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照しながら,この
発明によるトロイダル型無段変速機実施例について説明
する。図1はこの発明によるトロイダル型無段変速機の
一実施例を示す断面図,及び図2は図1のトロイダル型
無段変速機におけるスプール弁の構造を示す線Z−Zに
おける断面図である。また,図1に示したトロイダル型
無段変速機は,図3に示した従来のトロイダル型無段変
速機と比較して,スプール弁の構造と各油圧シリンダへ
の油圧回路の構成が相違する以外は,概ね同一の構造を
備えているので,同一部品には同一符号を付し,スプー
ル弁と油圧回路以外の構造についての説明は省略する。
【0021】入力ディスク3と出力ディスクは対向して
配置されており、これらの入出力ディスクの間に一対の
パワーローラ2,2が配置されている。各パワーローラ
2,2は両ディスクに接触した状態で回転し、且つ傾転
可能であって、傾転角度に応じて入力ディスク3の回転
を無段階に変速して出力ディスクに伝達するものであ
る。各パワーローラ2,2は偏心軸5,5によってトラ
ニオン4,4に回転自在に支持されている。パワーロー
ラ2,2の下部には油圧シリンダ8,8が配置されてい
る。
【0022】油圧シリンダ8,8は,トラニオン4,4
に一体に設けられたピストン7によって区画された二つ
のシリンダ室8a,8bを有しており,いずれか一方の
シリンダ室8a,8bにスプール弁30を介して油圧が
供給された時に,トラニオン4,4は中立位置から傾転
軸6,6の軸方向に変位する。また,トラニオン4,4
の傾転軸方向に変位することに伴ってパワーローラ2,
2は傾転軸回りに傾転するように構成されている。即
ち,パワーローラ2,2は偏心軸5,5によって回転自
在にトラニオン4,4に支持されているので,トラニオ
ン4,4が中立位置から傾転軸方向に変位すると,パワ
ーローラ2,2は入力ディスク3及び出力ディスクから
速度ベクトルの方向に力を受け,トラニオン4,4の変
位に伴って傾転軸回りに傾転する。
【0023】油圧シリンダ8,8のシリンダ室8a,8
aはそれぞれ管路29a,29aによってスプール弁3
0に連通しており、シリンダ室8b,8bはそれぞれ管
路29b,29bによってスプール弁30に連通してい
る。スプール弁30は一端にSaポートが形成され、他
端にSbポートが形成されており、Saポートにはソレ
ノイド弁13aを介してパイロット圧Saが供給され、
Sbポートにはソレノイド弁13bを介してパイロット
圧Sbが供給される。また、スプール弁30は、油圧源
即ちポンプ圧Pへ連結されるPポート、それぞれ管路2
9a,29aを介してシリンダ室8a,8aへ連結され
るA1ポート及びA2ポート、それぞれ管路29b,2
9bを介してシリンダ室8b,8bへ連結されるB1ポ
ート及びB2ポート、そしてドレーンへ連結されるTポ
ートを備えている。ソレノイド弁13a,13bはコン
トローラ14から出力された制御信号に基づいて作動す
るように構成されている。スプール弁30のスプール1
1の両端部にはそれぞれスプリング12,12が配設さ
れており、このスプリング12,12の付勢力によって
スプール11は中立位置に保持されている。
【0024】図2に示したスプール弁30の断面構造か
らわかるように、A1ポートとA2ポートとは、スプー
ル11の軸線方向で見て同じ位置に設けてあり、スプー
ル11の大径部のランド部11aによって同時に遮断又
は開口する。A1ポートとA2ポートとは、周方向で見
て位相が異なる位置に設けられており、図3に示した構
造では、A1ポートとA2ポートとの周方向の位相位置
は、互いに180°異なる位置であるが、スプール弁の
中立位置で互いに連通しないのであればこれに限らな
い。同様にして、B1ポートとB2ポートとは、スプー
ル11の軸線方向で見て同じ位置(A1ポートとA2ポ
ートとが設けられた位置とからは軸方向に離れた別の位
置)に設けてあり、スプール11の大径部のランド部1
1bによって同時に遮断又は開口する。B1ポートとB
2ポートとの周方向の位相位置については、A1ポート
とA2ポートと同じ関係にあり、詳細な説明を省略す
る。Pポートは、通常はランド部11aとランド部11
bとの間においてスプール弁30に開口している。ま
た、Tポートは、通常はランド11aとランド部11b
との軸方向外側においてスプール弁30に開口してい
る。
【0025】スプール弁30のスプール11は、軸方向
に移動して三つの位置、即ち、一方のシリンダ室8a,
8aをそれぞれ管路29a,29a及びA1ポート,A
2ポートとを介してPポートに連通し、他方のシリンダ
室8b,8bをそれぞれ管路29b,29bとB1ポー
ト,B2ポートとを介してTポートに連通する第一位
置、同様に管路とポートとを介して、一方のシリンダ室
8a,8aをTポートに連通し、他方のシリンダ室8
b,8bをPポートに連通する第二位置、及び一方のシ
リンダ室8a,8aと他方のシリンダ室8b,8bとの
両方ともPポート及びTポートから遮断する中立位置の
三つの位置のうち、いずれか一つの位置に選択的に切り
換えることができる。この切換は上記Saポート及びS
bポートからスプール弁30に供給された油圧によって
行われる。
【0026】次に、この発明によるトロイダル型無段変
速機の変速制御即ち変速作動について説明する。まず、
コントローラ14はポテンショメータ17で検出したト
ラニオン4,4の傾転軸方向変位及び傾転角度の合成変
位量から実際の変速比を算出する。一方、車速センサー
18、エンジン回転センサー19、スロットル開度セン
サー20等の各種センサーで検出した検出値から目標変
速比を算出する。そして、コントローラ14は実際の変
速比と目標変速比との偏差に応じて目標変位を設定し、
ソレノイド弁13a,13bに制御信号を出力する。制
御信号が入力されたソレノイド弁13a,13bはスプ
ール弁30の両端に油圧Sa,Sbを供給し、それらの
圧力の関係が、例えば、Sa>Sbである場合、スプー
ル11は図2において左側へシフトし、管路29a,2
9aはPポートを介して油圧源へ連通し、管路29b,
29bはTポートを介してドレーンへ連通して、管路2
9a,29aの圧力Paが管路29b,29bの圧力P
bよりも大きくなる(Pa>Pb)。
【0027】上記のようにして、二つのシリンダ室8
a,8bに圧力差(Pa>Pb)が生じると、図1にお
いて左側のトラニオン4は中立位置から傾転軸方向下方
へ変位し、右側のトラニオン4は中立位置から傾転軸方
向上方へ変位する。この傾転軸方向の変位に伴って、各
トラニオン4,4は同期して傾転軸6,6回りに傾転
し、変速が開始される。そして、実際の変速比が目標変
速比に近づくにつれ、トラニオン4,4の変位量がゼロ
に近づき、実際の変速比が目標変速比に一致した時に、
コントローラ14からの制御信号によってソレノイド弁
13a及び13bは閉じ、これにより、スプール11の
両端に作用する圧力Sa,Sbは等しくなるので、スプ
ール11は中立位置に戻り、スプール弁30のA1ポー
トとA2ポートとはスプール11のランド11aによっ
て同時に閉じ、そしてB1ポートとB2ポートとはスプ
ール11のランド11bによって同時に閉じる。この
時、二つのシリンダ室8a,8bの圧力Pa,Pbは等
しくなる。即ち、ピストン7の上下面にかかる圧力は等
しくなる(Pa=Pb)。このようにして、変速動作は
終了する。このとき、管路29a,29aはA1ポート
とA2ポートとが閉じられているので互いに連通してお
らず、また、管路29b,29bもB1ポートとB2ポ
ートとが閉じられているので互いに連通していないの
で、一方のトラニオン4のシリンダ室8aと他方のトラ
ニオン4のシリンダ室8aとは流体的に遮断されて独立
のものとなる。
【0028】スプール弁30が中立位置にあるとき、入
力ディスク3のトルク変動等により、入力ディスク3と
パワーローラ2,2との接触転での押し付け力に一時的
に差が生じると、トラニオン4,4を変位させようとす
る大きさに差のある急激な力が生じる傾向があるが、上
記のとおり、スプール弁30が中立位置にある場合に
は、一方のトラニオン4側のシリンダ室8a,8bと、
他方のトラニオン4側のシリンダ室8a,8bとは互い
にブロックされて流体的に独立となっているので、各側
のトラニオン4において油圧シリンダ8のピストン7
は、各シリンダ室8a,8bと関連する各管路29a,
29bとの内部に閉塞された作動油により流体的に拘束
された状態となる。したがって、各側のトラニオン4,
4はその軸方向に変位することがない。また、スプール
弁30に関する図示しない油圧回路にも影響はない。
【0029】
【発明の効果】この発明によトロイダル型無段変速機
は、上記のように構成されているので、次のような効果
を有する。このトロイダル型無段変速機は、スプール弁
が中立位置にある場合には、各トラニオンの油圧シリン
ダのシリンダ室はスプールにより互いに独立に遮断され
る。その結果、この状態下において、入力ディスクのト
ルク変動等によって、入力ディスクとパワーローラとの
接触転での押し付け力に一時的に差が生じてトラニオン
の油圧シリンダ内の作動油に急激な加圧或いは減圧を生
じても、そのような一方のトラニオンの油圧シリンダに
生じた急激な圧力変化は、スプールによって遮断されて
相手方のトラニオンの油圧シリンダのシリンダ室に伝わ
らない。
【0030】従って、各トラニオンは軸方向に変位する
ことはなく、また、スプールに入出力する他の油圧回路
への影響がなくなると共に、従来のトロイダル型無断変
速機のように、トラニオンの軸方向への変位による入力
ディスクとパワーローラとの接触転での滑りによる発熱
や、トラニオンの軸方向への変位が周期的に繰り返され
たときのトラニオンの同相振動の発生を回避することが
でき、安定で、効率が高く、且つ耐久性が優れたトロイ
ダル型無段変速機を提供することが可能になる。即ち、
このトロイダル型無段変速機は、各油圧シリンダのピス
トンは流体的に拘束される状態となり、トラニオンはそ
の軸線方向に変位せず、摩擦接触転での滑りを防止し
て、発熱を回避し、安定で効率が高く且つ耐久性が優れ
たものである。
【0031】各油圧シリンダにおいて、一方のトラニオ
ンの前記油圧シリンダの各シリンダ室が、他方のトラニ
オンの前記油圧シリンダのそれぞれのシリンダ室に対し
て、スプールの軸線方向同一位置に形成されたランド部
により同時に開閉されるポートを介して互いに連通可能
に構成されている場合には、両トラニオン間にシリンダ
室同士を結ぶように形成される二つの系の油圧管路は、
スプール弁の移動に伴って、各油圧シリンダのそれぞれ
の二つのシリンダ室に至る4つのポートが2つのランド
部によって同時に開閉されることになるので、スプール
のランド部の構成が簡単になる。
【0032】また、このトロイダル型無段変速機は、特
別のセンサーや処理能力の高いコントローラを用いず
に、スプール弁と管路の配置構造とを工夫ししただけの
簡単な構造の油圧回路を採用したものであるから、全体
的に構造が簡単で安価なトロイダル型無段変速機を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるトロイダル型無段変速機の一実
施例を示す断面図である。
【図2】図1の変速制御装置に使用されるスプール弁の
構造を示す図1の線Z−Zにおける断面図である。
【図3】従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 変速ユニット 2 パワーローラ 3 入力ディスク 4 トラニオン 6 傾転軸 7 ピストン 8 油圧シリンダ 8a,8b シリンダ室 11 スプール 11a,11b ランド部 14 コントローラ 29a,29b 管路 30 スプール弁
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−54262(JP,A) 特開 昭60−109651(JP,A) 特開 昭61−31755(JP,A) 特開 昭61−127965(JP,A) 特開 昭62−289440(JP,A) 特開 平6−42618(JP,A) 特開 平6−58397(JP,A) 特開 平7−293656(JP,A) 米国特許5681236(US,A) 欧州特許728965(EP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 15/38 F16H 37/02 F16H 61/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向して配置された入力ディスクと出力
    ディスク、前記両ディスクに対する傾転角度の変化に応
    じて前記入力ディスクの回転を無段階に変速して前記出
    力ディスクに伝達する一対のパワーローラ、前記パワー
    ローラをそれぞれ回転自在に支持し且つ中立位置から傾
    転軸方向へ変位することによって前記パワーローラを傾
    転軸回りに傾転させる一対のトラニオン、前記トラニオ
    ンを傾転軸方向に変位させる二つのシリンダ室を有する
    油圧シリンダ、及び弁本体内で中立位置の状態で前記シ
    リンダ室を個別に遮断し且つ中立位置から変位した状態
    で前記シリンダ室を油圧源とタンクとにそれぞれ連通さ
    せるスプールを備えたスプール弁、から構成したことを
    特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 前記スプール弁はコントローラによって
    前記トラニオンの傾転軸方向への変位及び傾転角度を検
    出して算出した変速比と変速情報を検出して算出した目
    標変速比との偏差に応答して制御されることを特徴とす
    る請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 一方の前記トラニオンの前記油圧シリン
    ダの前記各シリンダ室は、他方の前記トラニオンの前記
    油圧シリンダのそれぞれの前記シリンダ室に対して、前
    記スプールの軸線方向の同一位置に形成されたランド部
    により同時に開閉されるポートを介して互いに連通可能
    に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記
    載のトロイダル型無段変速機。
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