JP3520593B2 - トロイダル型無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

トロイダル型無段変速機の変速制御装置

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JP3520593B2
JP3520593B2 JP6345995A JP6345995A JP3520593B2 JP 3520593 B2 JP3520593 B2 JP 3520593B2 JP 6345995 A JP6345995 A JP 6345995A JP 6345995 A JP6345995 A JP 6345995A JP 3520593 B2 JP3520593 B2 JP 3520593B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,対向して配置さ
れた入力ディスクと出力ディスク,及び前記両ディスク
に対する傾転角度に応じて入力ディスクの回転を無段階
に変速して出力ディスクに伝達する一対のパワーローラ
から成る変速ユニットを備えたトロイダル型無段変速機
の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トロイダル型無段変速機は,一般に図4
及び図5に示すような変速ユニットを備えている。図4
は変速ユニットの側面図,及び図5は変速ユニットの平
面図である。トロイダル型無段変速機の変速ユニット1
は,対向して配置された入力ディスク3と出力ディスク
4,両ディスク3,4に対する傾転角度の変化に応じて
入力ディスク3の回転を無段階に変速して出力ディスク
4に伝達する一対のパワーローラ2,2,パワーローラ
2,2をそれぞれ回転自在に支持し且つ傾転軸6回りに
傾転可能な一対のトラニオン5から構成されている。
【0003】通常,トラニオン5は,ある変速比におい
て中立位置にある。トラニオン5は入力ディスク3及び
出力ディスク4の回転中心線A−Aとパワーローラ2の
回転中心線B−Bが交叉する位置即ち同一平面上となる
位置即ち中立位置にある。変速はトラニオン5を中立位
置から傾転軸方向に変位させることによって行われる。
トラニオン5が傾転軸方向に変位すると,それに伴って
トラニオン5はその変位方向と変位量yに応じた向きと
速さで傾転軸6回りに傾転し,入力ディスク3の半径r
1 と出力ディスク4の半径r2 との比が変化することに
よって変速が行われる。ここで,入力ディスク3及び出
力ディスク4の回転中心線A−Aに垂直な面とパワーロ
ーラ2の回転中心線B−Bとのなす角度φを傾転角とい
うことにする。
【0004】上記のようなトロイダル型無段変速機にお
いては,パワーローラ2の傾転は変速制御装置によって
行われる。変速制御装置は,種々のものが開発されてお
り,大きく分けて,次のような二つのタイプのものがあ
る。第一のタイプの変速制御装置は,例えば,図6に示
すように,中間スリーブ23内に摺動自在に挿通された
スプール24,トラニオン5の一方と一体に変位してス
プール24を軸方向に変位せしめるプリセスカム25,
スプール24と中間スリーブ23とが軸方向へ相対変位
することにより油圧が供給又は排出されてトラニオン5
を傾転軸方向に変位させる油圧シリンダ8,中間スリー
ブ23を軸方向に変位せしめるステッピングモータ2
6,ステッピングモータ26へ目標変速比に応じた信号
を送るコントローラ27などを備えたものである(例え
ば,実開昭62−199562号公報,特開平2−16
3562号公報参照)。
【0005】上記変速制御装置では,コントローラ27
はスッテッピングモータ26へ目標変速比に応じた信号
を送る。該変速制御装置は,図7のフローチャートに示
すように,変速情報から目標変速比e0 を算出し(S1
−1),算出した目標変速比e0 に応じてパルス数Np
を算出し(S1−2),パルス数Np信号をスッテッピ
ングモータ26へ出力する(S1−3)。これにより,
ステッピングモータ26はこの信号に基づいて中間スリ
ーブ23を変位させ,中間スリーブ23とスプール24
との相対位置が変化し,中間スリーブ23へ供給された
ライン圧Pは油圧シリンダ8の一方のシリンダ室へ供給
され,他方のシリンダ室の油圧はタンクTへドレーンさ
れ,両ピストン7a,7b間へ圧力差が生じ,トラニオ
ン5が傾転軸方向へ変位し,変速が開始される。スプー
ル24はプリセスカム25を通じてトラニオン5と連結
されているので,変速比eが目標変速比e0 に近づくに
つれ,スプール24と中間スリーブ23との相対位置が
中立状態に近づき,両ピストン7a,7b間の油圧差は
小さくなる。変速比eが目標変速比e0 に一致すると,
スプール24と中間スリーブ23は中立状態となって変
速が終了する。
【0006】これに対して,第二のタイプの変速制御装
置は,本願発明の基礎となった変速制御装置であって,
図8に示すように,トラニオン5を傾転軸方向に変位さ
せる油圧シリンダ8,該油圧シリンダ8の各シリンダ室
8a,8bを選択的に油圧源PとタンクTに連通させる
ソレノイド弁28a,28b,トラニオン5の傾転角を
検出する傾転角センサー14,トラニオン5の傾転軸方
向の変位量を検出するトラニオン変位センサー15,目
標変速比と各センサー14,15で検出した検出値から
算出した変速比との偏差に応じた制御信号をソレノイド
弁28a,28bへ出力するコントローラ29などを備
えたものである(例えば,特開昭61−31755号公
報参照)。
【0007】第二タイプの変速制御装置では,コントロ
ーラ29は両ソレノイド弁28a,28bへ目標変速比
と変速比の差に応じた信号を送る。該変速制御装置は,
図9のフローチャートに示すように,入力軸回転数から
目標変速比e0 を算出し(S2−1),傾転角センサー
14で傾転角φを検出し(S2−2),検出した傾転角
φから変速比eを算出し(S2−3),目標変速比e0
と変速比eとの偏差から目標変位量y0 を算出する(S
2−4)。トラニオン変位センサー15でトラニオン5
の傾転軸方向の現在の変位量yを検出し(S2−5),
duty(デューティ)を目標変位量y0 と変位量yの
差,即ち, duty=G(y0 −y) から算出すると共に,ソレノイド弁28aのdutyA
及びソレノイド弁28bのdutyBをそれぞれ次式か
ら算出する(S2−6)。 dutyA=50%+duty dutyB=50%−duty ここで,Gはフィードバックゲインとしての比例定数で
ある。コントローラ29は,dutyA及びdutyB
をそれぞれソレノイド弁28a及びソレノイド弁28b
へ出力する(S2−7)。両ソレノイド弁28a,28
bはこれらの信号に基づいてそれぞれ対応するシリンダ
室8a,8bへ油圧を供給する。これにより両ピストン
7a,7b間に圧力差が生じ,トラニオン5が傾転軸方
向へ変位し,変速が開始される。変速比eが目標変速比
0 に一致すると,変位量yはゼロになり,変速が終了
する(S2−8)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで,一般に,ト
ロイダル型無段変速機は,変速比が増速側になるほど,
又は入力側の回転数が高くなるほど,変速動作が速くな
り不安定となることが知られている。しかしながら,上
記第一タイプの変速制御装置では,増速側か減速側かに
関わらず,又は入力側の回転数の大小に関わらず,両ピ
ストンへ作用する油圧差は同じ大きさになるから,増速
側の時や高速回転時に変速比が安定するような設定にし
た場合,変速比が減速側になる時や低速回転時に変速動
作が遅くなるという問題がある。そこで,上記問題を解
決するため,変速比に応じてプリセスカムの傾斜角度を
変えたものが開発されているが,その場合,プリセスカ
ムの形状が複雑になるだけでなく,依然として回転数の
問題は解決されていない。
【0009】一方,上記第二タイプの変速制御装置は,
上記第一タイプの変速制御装置が有する問題を解決する
ものの,ソレノイド弁を介して油圧源から大きな油圧を
油圧シリンダへ直接供給するものであるから,ソレノイ
ド弁に大流量を流す必要があるので,ソレノイド弁が大
型のものになってしまい,レスポンスの点で問題があ
り,コストも高くなってしまうという問題がある。
【0010】そこで,ソレノイド弁の小型化を図るため
に,ソレノイド弁でスプール弁をパイロット制御するこ
とが考えられる。従来,ソレノイド弁でスプール弁をパ
イロット制御するようにした手段として,例えば,特開
昭56−138555号公報に開示されたものがある。
これは,Vベルト式無段変速機における入力側プーリを
制御するトルク比制御装置に上記手段を適用したもので
ある。このトルク比制御装置に使用されているスプール
弁は3方向弁であり,入力側プーリを一方向へ押す油圧
のみを制御するものである。ところで,Vベルト式無段
変速機の場合には,入力側プーリに加わる力は一方向で
あるから,これに対向する方向に油圧を加えれば位置制
御が可能なので,3方向弁であっても問題はないが,ト
ロイダル型無段変速機の場合には,ドライブ時とエンジ
ンブレーキ時,又はアップシフト時とダウンシフト時で
は,トラニオンを反対方向,即ち二方向に変位させる必
要があるので,3方向弁では制御できず,この手段を単
純にトロイダル型無段変速機に適用することはできな
い。
【0011】この発明の目的は,上記第二タイプの変速
制御装置における上記課題を解決し,ソレノイド弁でス
プール弁をパイロット制御することによりスプール弁を
介して油圧源から大きな油圧が油圧シリンダに供給され
るように構成したコンパクトで且つ低コストのトロイダ
ル型無段変速機の変速制御装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するため手段】この発明は,対向して配置
された入力ディスクと出力ディスク,前記両ディスクに
対する傾転角度の変化に応じて前記入力ディスクの回転
を無段階に変速して前記出力ディスクに伝達する一対の
パワーローラ,前記パワーローラをそれぞれ回転自在に
支持し且つ傾転軸方向に変位可能な一対のトラニオン,
二つのシリンダ室を有し且つ前記トラニオンを傾転軸方
向に変位させる油圧シリンダ,スプールが中立位置にあ
る状態で前記シリンダ室を遮断し且つ前記スプールが前
記中立位置から変位した状態で前記各シリンダ室を油圧
源とタンクとにそれぞれ選択的に連通させるスプール
弁,前記スプール弁のスプール位置を制御するソレノイ
ド弁,及び目標変速比と変速比との偏差に応じた制御信
号を前記ソレノイド弁へ出力するコントローラを有し,
前記スプール弁は,油圧源へ連通するPポート,一方の
シリンダ室へ連通するAポート,他方のシリンダ室へ連
通するBポート,タンクへ連通する2つのTポートを備
えた4方向弁から構成され,前記コントローラによって
前記ソレノイド弁が前記Aポート又は前記Bポートのう
ちの一方が前記Pポートと連通していることに応答して
他方が前記Tポートと連通するようにスプール位置が制
御されることを特徴とするトロイダル型無段変速機の変
速制御装置に関する。
【0013】また,この発明は,対向して配置された入
力ディスクと出力ディスク,前記両ディスクに対する傾
転角度の変化に応じて前記入力ディスクの回転を無段階
に変速して前記出力ディスクに伝達する一対のパワーロ
ーラ,前記パワーローラをそれぞれ回転自在に支持し且
つ傾転軸方向に変位可能な一対のトラニオン,二つのシ
リンダ室を有し且つ前記トラニオンを傾転軸方向に変位
させる油圧シリンダ,スプールが中立位置にある状態で
前記シリンダ室を遮断し且つ前記スプールが前記中立位
置から変位した状態で前記各シリンダ室を油圧源とタン
クとにそれぞれ選択的に連通させるスプール弁,前記ス
プール弁のスプール位置を制御するソレノイド弁,前記
トラニオンの傾転角を検出する傾転角センサー,前記ト
ラニオンの傾転軸方向の変位を検出するトラニオン変位
センサー,入力軸又は出力軸の回転数を検出する回転セ
ンサー,及び目標変速比と変速比との偏差に応じた制御
信号を前記ソレノイド弁へ出力するコントローラを有
し,前記コントローラは,変速情報に関する検出値を入
力して目標変速比を算出する目標変速比演算手段,前記
傾転角センサーの検出値を入力して変速比を算出する変
速比演算手段,前記回転センサーの検出値と前記目標変
速比と前記変速比を入力することによって目標変位量を
算出する目標変位量演算手段,前記トラニオン変位セン
サーの検出値と前記目標変位量からデューティを算出
して前記ソレノイド弁へ出力するデューティ演算手段を
有することを特徴とするトロイダル型無段変速機の変速
制御装置に関する
【0014】前記ソレノイド弁は,比例弁等,電気的に
油圧を制御できるものであればよく,2方向弁,3方向
弁等の方式は問わない。また,ソレノイド弁はスプール
弁の両端に油圧を供給できるものであればよい。従っ
て,スプール弁の各端部にそれぞれ1個ずつソレノイド
弁を設けるとよい。或いは,ソレノイド弁は1個でもよ
い。その場合には,1個のソレノイド弁をスプール弁の
一方の端部だけに連結し,スプール弁の他方の端部に一
定の油圧を加えるか,又は他方の端部にスプリングを設
けるようにしてもよい。その場合には,スプリング力は
大きく設定する必要がある。
【0015】このトロイダル型無段変速機の変速制御装
置は,上記のように構成されているので,コントローラ
が目標変速比と変速比との偏差に応じた制御信号を前記
ソレノイド弁へ出力するものであり,トラニオンの傾転
角を傾転角センサーで検出し,トラニオンの傾転軸方向
の変位量をトラニオン変位センサーで検出し,入力軸回
転数を回転センサーで検出し,これらの検出値をコント
ローラに入力して,コントローラは目標変速比,変速
比,目標変位量及び変位量を算出すると共に,これらの
算出値に応じた制御信号をソレノイド弁へ送るものであ
る。
【0016】ソレノイド弁は,コントローラからの制御
信号に応じた小さな油圧をスプール弁の両端へ作用さ
せ,それぞれ油圧差及びスプリング力と釣り合う位置へ
スプールを変位させる。スプールの変位に応じて油圧シ
リンダのシリンダ室へそれぞれ油圧が供給され,上記油
圧シリンダの両ピストン間の油圧差によりトラニオンが
傾転軸方向に変位する。トラニオンが変位すると,トラ
ニオンは傾転を開始し,変速比が変化する。変速比が目
標変速比に一致したところでコントローラから両ソレノ
イド弁へ同一の制御信号が送られ,両ピストンへ作用す
る圧力が等しくなり,変速が終了する。
【0017】このトロイダル型無段変速機の変速制御装
置は,上記のように,ソレノイド弁には小さな圧の油圧
即ちパイロット信号圧を流し,その信号圧によってスプ
ール弁のスプールを移動させ,該スプールの移動で油圧
源から大きな圧の作動圧が油圧シリンダに供給され,該
油圧シリンダが作動することによってトラニオン軸が傾
転軸方向に移動すように構成されているので,ソレノイ
ド弁は小型化することができ,レスポンスが向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照しながら,この
発明によるトロイダル型無段変速機の変速制御装置の実
施例について説明する。図1はこの発明による変速制御
装置の一実施例を示す概略図,図2は図1の変速制御装
置におけるコントローラの機能ブロック図,及び図3は
図1の変速制御装置における変速制御の手順を示すフロ
ーチャートである。この変速制御装置を示す図面では,
従来のトロイダル型無段変速機で示す部品とが同一の部
品には,同一の符号を付している。
【0019】このトロイダル型無段変速機の変速制御装
置は,図1に示すように,対向して配置された入力ディ
スク3と出力ディスク(図示省略),両ディスクに対す
る傾転角度の変化に応じて入力ディスク3の回転を無段
階に変速して出力ディスクに伝達する一対のパワーロー
ラ2(一方のみ図示),パワーローラ2をそれぞれ回転
自在に支持し且つ傾転軸6方向に変位可能な一対のトラ
ニオン5(一方のみ図示),二つのシリンダ室8a,8
bを有し且つトラニオン5を傾転軸方向に変位させる油
圧シリンダ8,スプール11が中立位置にある状態でシ
リンダ室8a,8bを遮断し且つスプール11が中立位
置から変位した状態で各シリンダ室8a,8bを油圧源
PとタンクTとにそれぞれ選択的に連通させるスプール
弁10,スプール弁10のスプール位置を制御するソレ
ノイド弁13a,13b,目標変速比と変速比との偏差
に応じた制御信号をソレノイド弁13a,13bへ出力
するコントローラ16を有するものである。
【0020】このトロイダル型無段変速機は,一対の変
速ユニット1を有する。各変速ユニット1を構成する一
対のパワーローラ2は,対向して配置された入力ディス
ク3と出力ディスクの間に挟まれるようにして対向して
配置され,それぞれトラニオン5と称する支持部材に回
転自在に支持されている。パワーローラ2はトラニオン
5に偏心軸(図示省略)によって支持されている。ま
た,それぞれのトラニオン5は変速機ケーシング(図示
省略)に回動可能で且つ軸方向に移動可能に支持されて
いる。各トラニオン5は傾転軸6を有し,傾転軸6の軸
方向に移動し,且つこの傾転軸6を中心として回動する
ことができる。トラニオン5の軸方向の変位は油圧シリ
ンダ8を駆動することによって行われる。トラニオン5
の傾転軸6にはピストン7a,7bが固定され,ピスト
ン7a,7bはそれぞれ変速機ケーシングに形成された
油圧シリンダ8のシリンダ室8a,8b内を摺動可能に
設けられている。
【0021】油圧シリンダ8のシリンダ室8a,8bは
管路9a,9bによってスプール弁10に連通してい
る。スプール弁10内に配設されたスプール11は,軸
方向両端に配置されたスプリング12によって中立位置
に保持されている。スプール弁10は一端にSaポート
が形成され,他端にSbポートが形成され,Saポート
にはソレノイド弁13aを介してパイロット圧P0 が供
給され,Sbポートにはソレノイド弁13bを介してパ
イロット圧P0 が供給される。パイロット圧P0 は後述
のポンプ圧に比べて十分小さい。また,スプール弁10
はポンプ圧(油圧源)へ連通されるPポート,管路9a
を介してシリンダ室8aへ連通されるAポート,管路9
bを介してシリンダ室8bへ連通されるBポート,タン
クへ連通される2つのTポートを備えている。スプール
弁10は4方向弁であり,図1において,トラニオン5
を上下両方向へ変位させるように油圧を制御するもので
ある。即ち,ドライブ時とエンジンブレーキ時,又はア
ップシフト時とダウンシフト時では反対方向へトラニオ
ン5を変位させる必要があるので,4方向弁が使用され
ている。
【0022】傾転軸6の先端には傾転角センサー14及
びトラニオン変位センサー15が取り付けられている。
傾転角センサー14はパワーローラ2の傾転角φ(図5
参照)を電気的に検出するセンサーであり,トラニオン
変位センサー15はトラニオン5の傾転軸方向の変位量
y(図4参照)を電気的に検出するセンサーである。こ
れらのセンサー14,15によって検出された検出信号
はコントローラ16に入力される。また,コントローラ
16には回転センサー18で検出された入力軸17の回
転数も入力される。
【0023】コントローラ16は,図2に示すように,
変速情報に関する検出値,例えば,回転センサー18で
検出した入力軸17の回転数を入力して目標変速比e0
を算出する目標変速比演算手段19,傾転角センサー1
4の検出値を入力して変速比eを算出する変速比演算手
段20,回転センサー18の検出値と目標変速比e0
変速比eを入力することによって目標変位量y0 を算出
する目標変位量演算手段21,トラニオン変位センサー
15の検出値と目標変位量y0 とからデューティ(du
ty)を算出してソレノイド弁13a,13bへ制御信
号を出力するデューティ(duty演算手段22,言
い換えれば,ソレノイド弁13a,13bの開度を決定
するソレノイド弁開度演算手段を有するものである。こ
の実施例では,変速情報として,入力軸回転数を検出す
るようにしたが,車速やスロットル開度等の変速情報を
検出するようにしてもよい。
【0024】次に,このトロイダル型無段変速機の変速
制御装置の作動について,図3のフローチャートを参照
して説明する。この変速制御装置で変速動作が開始され
る状態では,トラニオン5は,パワーローラ2,2の回
転中心線と入力ディスク3及び出力ディスク4の回転中
心線が交叉する,いわゆる中立位置にある。エンジンが
始動すると,以降,エンジンが停止するまで,入力軸回
転数を検出し,検出値をコントローラ16に入力する。
コントローラ16は,検出した入力軸回転数を基に目標
変速比e0 を算出し,メインルーチンがスタートする
(S1)。次に,傾転角センサー14で傾転角φを検出
し(S2),検出した傾転角φから変速比eを算出する
(S3)。また,入力軸回転数N1を検出し(S4),
目標変速比と変速比との偏差(e0 −e)の関数と,変
速比e及び入力軸回転数N1の関数とに基づく次式によ
り,目標変位量y0 を算出する(S5)。 y0 =Gy(e0 −e)−g(e,N1) ここで,Gはフィードバックゲインとしての比例定数で
ある。
【0025】次に,トラニオン変位センサー15でトラ
ニオン5の傾転軸方向の変位量yを検出し(S6),目
標変位量y0 と現在の変位量yとの差からduty(デ
ューティ)を次式により算出する。 duty=G(y0 −y) そして,ソレノイド弁13aのdutyA及びソレノイ
ド弁13bのdutyBをそれぞれ次式により算出する
(S7)。 dutyA=50%+duty dutyB=50%−duty 算出したdutyA,Bをそれぞれソレノイド弁13
a,13bへ出力する(S8)。なお,duty(%)
は次式で与えられる。duty=(一周期のソレノイド
ON時間/ソレノイド作動周期)×100
【0026】このトロイダル型無段変速機の変速制御装
置は,以下のように作動する。まず,コントローラ16
は,上記のフローチャートに示すような手順でデューテ
ィ(dutyA,Bを算出し,それぞれのソレノイド
弁13a,13bへ制御信号を出力する。これに伴っ
て,ソレノイド弁13a,13bからスプール弁10の
両端のSaポート及びSbポートへパイロット圧即ち信
号圧が供給される。その際,スプール弁10に供給され
るSaポートとSbポートとの信号圧Sa,Sbの関係
が,例えば,Sa>Sbである場合に,スプール11は
図1において右側へシフトし,管路9aはPポートを介
して圧力源Pへ連通し,管路9bはTポートを介してタ
ンクへ連通して,管路9aの圧力Paが管路9bの圧力
Pbよりも大きくなる(Pa>Pb)。その結果,シリ
ンダ室8aと8bの圧力差により,図1においてトラニ
オン5は下方へ変位し,図示を省略した他方のトラニオ
ンは上方へ変位する。この変位に伴って,パワーローラ
2は入力ディスク3及び出力ディスクからの速度ベクト
ル方向へ力を受け,トラニオン5はそれぞれ傾転軸6回
りに傾転し,変速動作が開始される。そして,変速比e
が目標変速比e0 に近づくように,コントローラ16に
よってフィードバック制御が行われる。変速比eが目標
変速比e0 に近づくにつれ,トラニオン5の変位はゼロ
に近づき,変速比eが目標変速比e0 に一致した時に
は,トラニオン5の変位はゼロとなって,変速動作は終
了する。次いで,変速制御装置の制御処理は,メインル
ーチンの最初に戻って繰り返される(S9)。
【0027】なお,上記実施例においては,回転センサ
ー18は入力軸回転数を検出するものについて説明した
が,出力軸の回転数を検出するようにしてもよい。ま
た,傾転角センサー14は直接傾転角を検出するものに
ついて説明したが,入力軸回転数を検出して代用しても
よい。
【0028】
【発明の効果】このトロイダル型無段変速機の変速制御
装置は,上記のように,ソレノイド弁に小さな圧の信号
圧を流し,該信号圧によってスプール弁を作動させ,該
スプール弁を介して油圧源から大きな油圧を油圧シリン
ダへ供給するように構成したので,ソレノイド弁を介し
て油圧源から大きな油圧を油圧シリンダへ直接供給する
ように構成した従来のものに比べて,ソレノイド弁を小
型化することができる。このため,このトロイダル型無
段変速機の変速制御装置は,変速比,入力軸回転数等の
条件によらず,安定でレスポンスのよい低コストのもの
を提供することができる。
【0029】また,このトロイダル型無段変速機の変速
制御装置は,フィードバックゲインに比例要素だけでな
く,微分要素や積分要素も加えるなど高度な制御を容易
に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるトロイダル型無段変速機の変速
制御装置の概略図である。
【図2】図1の変速制御装置におけるコントローラの機
能ブロック図である。
【図3】図1の変速制御装置における変速制御の手順を
示すフローチャートである。
【図4】従来のトロイダル型無段変速機における変速ユ
ニットを示す側面図である。
【図5】図4の変速ユニットを示す平面図である。
【図6】従来の第一タイプのトロイダル型無段変速機の
変速制御装置を示す概略図である。
【図7】図6の変速制御装置における変速制御の手順を
示すフローチャートである。
【図8】従来の第二タイプのトロイダル型無段変速機の
変速制御装置を示す概略図である。
【図9】図8の変速制御装置における変速制御の手順を
示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 変速ユニット 2 パワーローラ 3 入力ディスク 4 出力ディスク 5 トラニオン 6 傾転軸 8 油圧シリンダ 8a,8b シリンダ室 10 スプール弁 11 スプール 13a,13b ソレノイド弁 14 傾転角センサー 15 トラニオン変位センサー 16 コントローラ 17 入力軸 18 回転センサー 19 目標変速比演算手段 20 変速比演算手段 21 目標変位量演算手段 22 デューティ演算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 63/48 F16H 15/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向して配置された入力ディスクと出力
    ディスク,前記両ディスクに対する傾転角度の変化に応
    じて前記入力ディスクの回転を無段階に変速して前記出
    力ディスクに伝達する一対のパワーローラ,前記パワー
    ローラをそれぞれ回転自在に支持し且つ傾転軸方向に変
    位可能な一対のトラニオン,二つのシリンダ室を有し且
    つ前記トラニオンを傾転軸方向に変位させる油圧シリン
    ダ,スプールが中立位置にある状態で前記シリンダ室を
    遮断し且つ前記スプールが前記中立位置から変位した状
    態で前記各シリンダ室を油圧源とタンクとにそれぞれ選
    択的に連通させるスプール弁,前記スプール弁のスプー
    ル位置を制御するソレノイド弁,及び目標変速比と変速
    比との偏差に応じた制御信号を前記ソレノイド弁へ出力
    するコントローラを有し, 前記スプール弁は,油圧源へ連通するPポート,一方の
    シリンダ室へ連通するAポート,他方のシリンダ室へ連
    通するBポート,タンクへ連通する2つのTポートを備
    えた4方向弁から構成され,前記コントローラによって
    前記ソレノイド弁が前記Aポート又は前記Bポートのう
    ちの一方が前記Pポートと連通していることに応答して
    他方が前記Tポートと連通するようにスプール位置が制
    御される ことを特徴とするトロイダル型無段変速機の変
    速制御装置。
  2. 【請求項2】 対向して配置された入力ディスクと出力
    ディスク,前記両ディスクに対する傾転角度の変化に応
    じて前記入力ディスクの回転を無段階に変速して前記出
    力ディスクに伝達する一対のパワーローラ,前記パワー
    ローラをそれぞれ回転自在に支持し且つ傾転軸方向に変
    位可能な一対のトラニオン,二つのシリンダ室を有し且
    つ前記トラニオンを傾転軸方向に変位させる油圧シリン
    ダ,スプールが中立位置にある状態で前記シリンダ室を
    遮断し且つ前記スプールが前記中立位置から変位した状
    態で前記各シリンダ室を油圧源とタンクとにそれぞれ選
    択的に連通させるスプール弁,前記スプール弁のスプー
    ル位置を制御するソレノイド弁,前記トラニオンの傾転
    角を検出する傾転角センサー,前記トラニオンの傾転軸
    方向の変位を検出するトラニオン変位センサー,入力軸
    又は出力軸の回転数を検出する回転センサー,及び目標
    変速比と変速比との偏差に応じた制御信号を前記ソレノ
    イド弁へ出力するコントローラを有し, 前記コントローラは,変速情報に関する検出値を入力し
    て目標変速比を算出する目標変速比演算手段,前記傾転
    角センサーの検出値を入力して変速比を算出する変速比
    演算手段,前記回転センサーの検出値と前記目標変速比
    と前記変速比を入力することによって目標変位量を算出
    する目標変位量演算手段,前記トラニオン変位センサー
    の検出値と前記目標変位量からデューティを算出して
    前記ソレノイド弁へ出力するデューティ演算手段を有す
    ることを特徴とするトロイダル型無段変速機の変速制御
    装置。
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