JPH08247243A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JPH08247243A
JPH08247243A JP8085995A JP8085995A JPH08247243A JP H08247243 A JPH08247243 A JP H08247243A JP 8085995 A JP8085995 A JP 8085995A JP 8085995 A JP8085995 A JP 8085995A JP H08247243 A JPH08247243 A JP H08247243A
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JP
Japan
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gear ratio
sleeve
solenoid valve
output
trunnion
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JP8085995A
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English (en)
Inventor
Eiji Inoue
英司 井上
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Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トロイダル型無段変速機において、作動油の
油温変化や構成部品の性能のバラツキ等に影響されずに
所定の変速比を確保する。 【構成】 コントローラ22はトロイダル変速部1の入
力軸27側の回転数と出力軸25側の回転数から実際の
変速比を算出し、目標変速比と実際の変速比との変速比
誤差を求める。コントローラ22には予め実験によって
求めた変速比誤差とソレノイド弁19への出力信号の補
正量との対応テーブルを記憶しておき、該対応テーブル
に基づいて、変速比誤差に応じたソレノイド弁への出力
信号の補正量を求める。この補正量により従来の出力信
号に補正を加えたものがソレノイド弁19へ出力され
る。これによりスリーブ11の制御される位置は作動油
の油温や構成部品の性能のバラツキ等に影響されなくな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、対向して配置された
入力ディスクと出力ディスクとに対するパワーローラの
傾転角度に応じて入力ディスクの回転を無段階に変速し
て出力ディスクに伝達するトロイダル変速部を備えたト
ロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トロイダル型無段変速機は、図3
に示すようなトロイダル変速部1を備えている。トロイ
ダル変速部1は、対向して配置された入力ディスク2と
出力ディスク3、両ディスク2,3に対する傾転角度の
変化に応じて入力ディスク2の回転を無段階に変速して
出力ディスク3に伝達する一対のパワーローラ4(一方
のみ図示)、及びパワーローラ4をそれぞれ回転自在に
支持し且つ傾転軸5の回りに傾転可能な一対のトラニオ
ン6(一方のみ図示)から構成されている。
【0003】通常、トラニオン6は、ある変速比におい
て中立位置にある。即ち、トラニオン6は入力ディスク
2及び出力ディスク3の回転中心線A−Aとパワーロー
ラ4の回転中心線B−Bが交叉する位置(=中立位置)
にある。変速はトラニオン6を中立位置から傾転軸5の
軸方向に変位させることによって行われる。トラニオン
6が傾転軸方向に変位すると、それに伴ってトラニオン
6はその変位方向と変位量に応じた向きと速さで傾転軸
5回りに傾転し、入力ディスク2とパワーローラ4との
接触点が描く半径と出力ディスク3とパワーローラ4と
の接触点が描く半径との比が変化することによって変速
が行われる。
【0004】上記トロイダル型無段変速機では、パワー
ローラ4の傾転は制御装置によって行われる。制御装置
として従来から種々のものが知られているが、例えば、
図3に示すように、弁ケース12に形成された空所内に
摺動自在に配置されたスリーブ11、スリーブ11内に
摺動自在に挿通されたスプール13、トラニオン6と一
体に変位してスプール13を軸方向に変位せしめるプリ
セスカム18、スプール13とスリーブ11とが軸方向
へ相対変位することにより油圧が供給又は排出されてト
ラニオン6を傾転軸方向に変位させる油圧シリンダ8、
スリーブ11を軸方向に変位させる駆動手段19、駆動
手段19へ目標変速比に応じた制御信号を送るコントロ
ーラ20を備えたものが知られている(例えば、特開昭
61−184262号公報参照)。駆動手段19にも種
々のものがあるが、図3に示したものは、駆動手段19
として、ソレノイド弁19を使用しており、ソレノイド
弁19によってスリーブ11の端部に作用する油圧の大
きさが制御される。
【0005】ソレノイド弁19はコントローラ20から
の出力信号に基づいてスリーブ11の左端へ作用する圧
力Psの大きさを制御する。圧力Psの作用でスリーブ
11は図3において右方向へシフトする。スリーブ11
は左方向へリターンスプリング15によって付勢されて
いるから、ソレノイド弁19を介して油圧がスリーブ1
1の左端に作用すると、スリーブ11は油圧Psとリタ
ーンスプリング15の力が釣り合う位置まで移動する。
【0006】上記制御装置では、コントローラ20はソ
レノイド弁19へ目標変速比に応じた出力信号を送る。
即ち、図4のフローチャートに示すように、メインルー
チンで変速情報を基に目標変速比e0 が算出される(S
1−1)。目標変速比e0 が算出されると、コントロー
ラ20は算出した目標変速比e0 に応じたduty(デ
ューティ)を算出する(S1−2)。算出されたdut
yをソレノイド弁19へ出力する(S1−3)。再び、
制御処理はスタートに戻る。
【0007】次に、このトロイダル型無段変速機の変速
時の作動について説明する。以下、トロイダル変速部1
が減速側へ変速する場合を、図3を参照して説明する。 (1)コントローラ20からの信号によってソレノイド
弁19が作動し、圧力Psがスリーブ11の左端に作用
し、スリーブ11は図3の状態よりも右側へ移動する。
スリーブ11とスプール13との相対位置が変化し、P
d回路とPL回路との連通路が開いて油圧源から減速側
シリンダ室8bへライン圧PLが供給され、一方、Pu
回路とドレン回路との連通路が開いて増速側シリンダ室
8aの油圧はタンクへドレンされ、その結果、Pd>P
uとなり、トラニオン6は下向きにオフセットする。こ
の時、パワーローラ4はサイドスリップ力により傾転軸
5を中心に矢印downの方向へ傾転を開始する。 (2)パワーローラ4が傾転するに従って、スプール1
3はパワーローラ4の傾転軸方向変位と傾転角の合成値
分だけ図3において右側へシフトして、Pd回路とPL
回路との連通路、及びPu回路とドレン回路との連通路
が絞られていき、スリーブ11とスプール13との相対
位置が中立状態となったところで、Pd=Puとなる。 (3)この状態では依然としてパワーローラ4は傾転軸
方向にオフセットしたままであるから、サイドスリップ
力により傾転を続ける。その結果、スプール13はスリ
ーブ11との中立位置よりも右側へ移動し、逆にPd回
路とドレンとの連通路、及びPu回路とPL回路との連
通路が開き、Pd<Puとなり、トラニオン6は上向き
に変位し、パワーローラ4の傾転軸方向変位が小さくな
っていき、それに伴ってサイドスリップ力も弱まり、傾
転速度が低下する。 (4)トラニオン6が中立位置を中心に上下に往復運動
を繰り返しうちに、その振幅が小さくなり、パワーロー
ラ4の傾転軸方向変位がゼロでスプール13の位置がス
リーブ11に対して中立となったところで変速が終了す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スリーブ1
1の左端に作用する作動油の温度、即ち油温が変化する
のに伴って、該作動油の粘度は大きく変化する。上記ト
ロイダル型無段変速機では、この作動油の粘度の変化に
よって、ソレノイド弁19の出力圧特性が変化してしま
うので、コントローラ20が制御しようとしている位置
と異なった位置へスリーブ11を制御してしまうことと
なり、その結果、所定の変速比が得られないという問題
があった。
【0009】また、ソレノイド弁やリターンスプリング
等の構成部品は製造上のバラツキや経年変化によって性
能にバラツキがあり、このため、コントローラからソレ
ノイド弁へ出力される出力信号に対して変速比がばらつ
いてしまい、所定の変速比に制御できないという問題も
あった。
【0010】この発明の目的は、上記の問題を解決する
ことであり、油温変化や構成部品の性能のバラツキに応
じてソレノイド弁への出力信号を補正することにより、
作動油の油温変化や構成部品の性能のバラツキ等に影響
されずに所定の変速比が得られるトロイダル型無段変速
機を提供することである。
【0011】
【課題を解決するため手段】この発明は、上記目的を達
成するため、次のように構成されている。即ち、この発
明は、入力軸に取り付けられた入力ディスク、該入力デ
ィスクに対向して配置され出力軸に取り付けられて出力
ディスク、前記両ディスクに対する傾転角度の変化に応
じて前記入力ディスクの回転を無段階に変速して前記出
力ディスクに伝達する一対のパワーローラ、該パワーロ
ーラをそれぞれ回転自在に支持する傾転軸方向に変位可
能なトラニオン、該トラニオンを傾転軸方向に変位せし
める油圧シリンダ、弁ケース内に摺動自在に設けられた
スリーブと該スリーブ内に摺動自在に挿通されたスプー
ルとから成り且つ前記スリーブと前記スプールとの相対
変位によって前記油圧シリンダへの油圧を制御する制御
弁、前記トラニオンと一体に変位して前記スプールを軸
方向に変位せしめるプリセスカム、前記スリーブを軸方
向に変位せしめる作動油を供給するソレノイド弁、及び
前記入力軸側の回転数と前記出力軸側の回転数とから実
際の変速比を算出し、目標変速比に対する実際の変速比
の変速比誤差を算出し、該変速比誤差に応じた前記ソレ
ノイド弁への出力信号の補正量を求め、該補正量により
目標変速比に応じた前記ソレノイド弁への出力信号に補
正を加え、補正した出力信号を前記ソレノイド弁へ出力
するコントローラ、を有するトロイダル型無段変速機に
関する。
【0012】動力伝達系にトルクコンバータを使用して
いる場合には、変速比のフィードバックはロックアップ
クラッチ作動時のみ実行する。また、変速比誤差の検出
に当たっては、トロイダル変速部の入力軸の回転数と出
力軸の回転数を検出してもよいし、或いは入出力軸とそ
れぞれ歯車等で連結されている部分の回転数を検出する
ようにしてもよい。変速比誤差を検出するための検出手
段の一例として、トランスミッションの出力軸回転セン
サーとエンジン回転センサーを使用することが考えられ
る。
【0013】
【作用】この発明によるトロイダル型無段変速機は、上
記のように構成されているので、次のように作用する。
即ち、このトロイダル型無段変速機では、トロイダル変
速部の入力軸側の回転数と出力軸側の回転数を検出し、
コントローラは両回転数から実際の変速比を算出し、目
標変速比と実際の変速比との変速比誤差を求める。コン
トローラには、例えば、予め実験によって求めた変速比
誤差とソレノイド弁への出力信号の補正量との対応テー
ブルを記憶しておき、該対応テーブルに基づいてソレノ
イド弁への出力信号の補正量を求める。このトロイダル
型無段変速機は、上記補正量により従来の出力信号に補
正を加え、ソレノイド弁へ出力信号を出力する。このよ
うに、変速比誤差をソレノイド弁への出力信号へフィー
ドバックして補正しているので、スリーブの制御される
位置は作動油の油温や構成部品の性能のバラツキ等に影
響されなくなり、目標とする変速比を得ることができ
る。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照しながら、この発明による
トロイダル型無段変速機の実施例について説明する。図
1はこの発明によるトロイダル型無段変速機の一実施例
を示す概略説明図、及び図2は図1のトロイダル型無段
変速機の作動を示すフローチャートである。図1では、
従来のトロイダル型無段変速機の部品と構造及び作用が
同一の部品には、同一の符号を付している。
【0015】このトロイダル型無段変速機のトロイダル
変速部1は、図1に示すように、対向して配置された入
力ディスク2と出力ディスク3、両ディスク2,3に対
する傾転角度の変化に応じて入力ディスク2の回転を無
段階に変速して出力ディスク3に伝達する一対のパワー
ローラ4(一方のみ図示)、及びパワーローラ4をそれ
ぞれ回転自在に支持し且つ傾転軸5方向に移動可能な一
対のトラニオン6(一方のみ図示)から構成されてい
る。
【0016】トラニオン6は変速機ケーシング(図示省
略)に回動可能で且つ軸方向に移動可能に支持されてい
る。即ち、トラニオン6は傾転軸5を有し、傾転軸5の
軸方向に移動し、パワーローラ4は傾転軸5を中心とし
て回動することができる。トラニオン6の傾転軸5に
は、ピストン7が固定され、ピストン7は変速機ケーシ
ングに形成された油圧シリンダ8内を摺動可能に設けら
れている。油圧シリンダ8内にはピストン7によって区
画された2つのシリンダ室、即ち増速側シリンダ室8a
と減速側シリンダ室8bが形成されている。増速側シリ
ンダ室8aに油圧が供給されると、トロイダル変速部1
が増速側に変速し、減速側シリンダ室8bに油圧が供給
されると、トロイダル変速部1が減速側に変速する。
【0017】油圧シリンダ8の各シリンダ室8a,8b
は管路9a,9bによって制御弁10に連通している。
制御弁10には増速側シリンダ室8aに管路9aを介し
て連通するPuポートと、減速側シリンダ室8bに管路
9bを介して連通するPdポートを有している。また、
制御弁10は油圧源に連通していてライン圧PLが供給
されるPLポートと、タンクに連通していて油圧がドレ
ンされる2つのTポートを有している。更に、制御弁1
0はスリーブ11の一端に油圧を供給するPsポートを
有している。
【0018】制御弁10は弁ケース12に形成した空所
内に摺動自在に配置されたスリーブ11とスリーブ11
内に摺動自在に配置されたスプール13とから成る。ス
リーブ11とスプール13との位置関係が図1に示す状
態のときに、両者は中立位置にある。即ち、スリーブ1
1とスプール13が中立位置にあるとき、Pd回路(=
管路9b)とPL回路との連通路、Pd回路とドレン回
路との連通路、Pu回路(=管路9a)とPL回路との
連通路、Pu回路とドレン回路との連通路が全て閉じて
いる。
【0019】弁ケース12には管路14が連通されてお
り、管路14を通じてスリーブ11の一端には油圧が供
給される。スリーブ11の他端と弁ケース12の孔壁面
との間にはリターンスプリング15が設けられ、スリー
ブ11は図1において左方向へ付勢されている。スリー
ブ11は、管路14を通じてスリーブ11の一端に作用
する油圧によってリターンスプリング15の力に抗して
右方向へ変位する。
【0020】スプール13はスリーブ11内に摺動自在
に配置され、スプリング16がスリーブ11の一端とス
プール13の一端との間に設けられている。スプリング
16によって、スプール13は図1における右方向へ付
勢されている。スプール13の他端には、中央部を枢着
されたレバー17の一端が当接し、レバー17の他端は
傾転軸5の先端に取り付けられたプリセスカム18に当
接している。このため、スプール13は、トラニオン6
が傾転軸5の軸方向に変位したり或いは傾転軸5の周り
に回動することによって、軸方向に変位する。
【0021】制御弁10に連通された管路14の途中に
はソレノイド弁19が設けられている。ソレノイド弁1
9はスリーブ11の一端に供給する油圧を制御する。即
ち、ソレノイド弁19はコントローラ22からの出力信
号に基づいてスリーブ11の左端へ作用する圧力Psの
大きさを調節する。圧力Psの作用でスリーブ11は図
1の中立位置から左右方向へシフトする。スリーブ11
はリターンスプリング15によって左方向へ付勢されて
いるから、ソレノイド弁19を介して油圧がスリーブ1
1の左端に作用すると、スリーブ11は油圧Psとリタ
ーンスプリング15の力が釣り合う位置まで移動する。
【0022】この制御装置は、車速センサー(図示省
略)、エンジン回転センサー23、スロットル開度セン
サー(図示省略)等の各種センサーを備えており、これ
らのセンサーで検出された車速、エンジン回転数、スロ
ットル開度等の変速情報信号がコントローラ22に入力
されるように構成されており、コントローラ22はこの
変速情報から目標変速比e0 を算出する。また、この制
御装置は、トランスミッションの出力軸回転センサー2
4を備えており、トランスミッションの出力軸回転セン
サー24によってトロイダル変速部1の出力ディスク3
に連結された出力軸25側の回転数が検出される。エン
ジン回転センサー23はエンジン26の回転数を検出す
るものであり、言い換えれば、トロイダル変速部1の入
力ディスク2に連結された入力軸27側の回転数を検出
する。検出されたこれらの回転数はコントローラ22に
入力される。コントローラ22は入力軸27の回転数と
出力軸25の回転数から実際の変速比eを算出し、実際
の変速比eと目標変速比e0との誤差に応じたduty
(デューティ)を算出し、duty信号をソレノイド弁
19へ送ってソレノイド弁19の作動を制御する。ここ
で、dutyとはパルス幅変調制御におけるONとOF
Fの時間比率をいう。即ち、duty(%)は次式で与
えられる。duty=(一周期のソレノイドON時間/
ソレノイド作動周期)×100
【0023】トロイダル変速部1は図1に示した状態に
おいては中立位置にある。即ち、トラニオン6は入力デ
ィスク2及び出力ディスク3の回転中心線A−Aとパワ
ーローラ4の回転中心線B−Bが交叉する位置即ち両中
心線が同一平面上となる位置(=中立位置)にある。変
速はトラニオン6を中立位置から傾転軸方向に変位させ
ることによって行われる。トラニオン6が傾転軸方向に
変位すると、それに伴ってパワーローラ4はトラニオン
6の変位方向と変位量に応じた向きと速さで傾転軸回り
に傾転し、入力ディスク2とパワーローラ4との接触点
が描く半径と出力ディスク3とパワーローラ4との接触
点が描く半径との比が変化することによって変速が行わ
れる。また、入力ディスク2及び出力ディスク3の回転
中心線A−Aに垂直な面とパワーローラ4の回転中心線
B−Bとのなす角度を傾転角という。
【0024】次に、このトロイダル型無段変速機の変速
時の作動について説明する。まず、トロイダル変速部1
の減速側へ変速する場合について図1を参照して説明す
る。 (1)コントローラ22からの信号によってソレノイド
弁19が作動し、大きな圧力Psがスリーブ11の左端
に作用し、スリーブ11は中立位置から右側へ移動す
る。これにより、スリーブ11とスプール13との相対
位置が変化し、Pd回路とPL回路との連通路が開いて
減速側シリンダ室8bへ油圧が供給されると同時に、P
u回路とドレン回路との連通路が開いて増速側シリンダ
室8aから油圧がタンクへ排出され、Pd>Puとな
り、トラニオン6は下向きにオフセットする。この時、
パワーローラ4はサイドスリップ力により傾転軸5を中
心に矢印downの方向へ傾転を開始する。 (2)パワーローラ4が傾転するに従って、スプール1
3はパワーローラ4の傾転軸方向変位と傾転角の合成値
分だけ図1において右側へシフトして、Pd回路とPL
回路との連通路、及びPu回路とドレン回路との連通路
が絞られていき、スリーブ11とスプール13との相対
位置が中立状態となったところで、Pd=Puとなり、
トラニオン6の傾転軸方向変位が停止する。 (3)この状態では依然としてパワーローラ4は傾転軸
方向下方にオフセットしたままであるから、サイドスリ
ップ力によりパワーローラ4は傾転を続ける。その結
果、スプール13はスリーブ11との中立位置よりも更
に右方向へ移動し、逆にPd回路とドレンとの連通路、
及びPu回路とPL回路との連通路が開き、Pd<Pu
となり、トラニオン6は上向きに変位し、パワーローラ
4の傾転軸方向変位が小さくなっていき、それに伴って
サイドスリップ力も弱まり、傾転速度が低下する。この
時、トラニオン6は中立位置よりも少し上方へオーバー
シュート(行き過ぎ)する。 (4)このトラニオン6の上昇に伴って、スプール13
は左方向へ移動し始め、開いていた上記連通路が閉じて
くる。そして、スプール13が左方向へ移動し続けるう
ちに、再びPd回路とPL回路との連通路、及びPu回
路とドレン回路との連通路が開き、Pd>Puとなって
上方にオーバーシュート(行き過ぎ)していたトラニオ
ン6は再び下向きに変位し始める。 (5)このようにして、トラニオン6が中立位置を中心
として上下に往復運動を繰り返すうちにその振幅が小さ
くなっていき、パワーローラ4の傾転軸方向変位が零で
スプール13の位置がスリーブ11に対して中立となっ
たところで変速が終了する。
【0025】逆に、トロイダル変速部1が増速側へ変速
する場合は、次のように作動する。 (1)増速側へ変速するときには、スリーブ11の左端
に作用する圧力Psは小さいので、スリーブ11はリタ
ーンスプリング15の作用で、図1に示す位置よりも左
側へ移動する。これにより、スリーブ11とスプール1
3との相対位置が変化し、Pu回路とPL回路との連通
路が開いて増速側シリンダ室8aへ油圧が供給されると
同時に、Pd回路とドレン回路との連通路が開いて減速
側シリンダ室8dから油圧がタンクへ排出され、Pd<
Puとなり、トラニオン6は上向きにオフセットする。
この時、パワーローラ4はサイドスリップ力により傾転
軸5を中心に矢印upの方向へ傾転を開始する。 (2)パワーローラ4が傾転するに従って、スプール1
3はパワーローラ4の傾転軸方向変位と傾転角の合成値
分だけ図1において左側へシフトして、Pu回路とPL
回路との連通路、及びPd回路とドレン回路との連通路
が絞られていき、スリーブ11とスプール13との相対
位置が中立状態となったところで、Pd=Puとなり、
トラニオン6の傾転軸方向変位が停止する。 (3)しかし、この状態では依然としてパワーローラ4
は傾転軸方向上方にオフセットしたままであるから、サ
イドスリップ力によりパワーローラ4は傾転を続ける。
その結果、スプール13はスリーブ11との中立位置よ
りも更に左方向へ移動し、逆にPu回路とドレンとの連
通路、及びPd回路とPL回路との連通路が開き、Pd
>Puとなり、トラニオン6は下向きに変位し、パワー
ローラ4の傾転軸方向変位が小さくなっていき、それに
伴ってサイドスリップ力も弱まり、傾転速度が低下す
る。このとき、トラニオン6は中立位置よりも少し下方
にオーバーシュートする。 (4)トラニオン6の下降に伴って、スプリング16に
付勢されているスプール13は右方向へ移動し、開いて
いた上記連通路が閉じてくる。そして、スプール13が
右方向へ移動し続けるうちに、再びPu回路とPL回路
との連通路、及びPd回路とドレン回路との連通路が開
き、Pd<Puとなって、中立位置よりも下方に変位し
ていたトラニオン6は上向きに変位し始める。 (5)このようにトラニオン6が中立位置を中心に上下
に往復運動を繰り返すうちにその振幅が徐々に小さくな
っていき、トラニオン6の傾転軸方向変位が零でスプー
ル13の位置がスリーブ11に対して中立となったとこ
ろで変速が終了する。
【0026】次に、このトロイダル型無段変速機の作動
について、図2に示すフローチャートを参照して説明す
る。この制御装置においては、コントローラ22はソレ
ノイド弁19へ目標変速比に応じた出力信号及び変速比
誤差に応じた出力信号を送る。即ち、図2のフローチャ
ートに示すように、まず、制御処理がスタートし、メイ
ンルーチンにおいて、各種センサーで検出した変速情報
を基に、目標変速比e0 が算出される(S1)。次に、
エンジン回転センサー23によって入力軸27の入力回
転数N1 を検出すると共に、トランスミッションの出力
軸回転センサー24によって出力軸25の出力回転数N
2 を検出し、コントローラ22に入力する(S2)。コ
ントローラ22は検出した両回転数N1 ,N2 から実際
の変速比eを算出する(S3)。予め実験によって、変
速比誤差(目標変速比e0 に対する変速比の誤差)に応
じたソレノイド弁19への出力信号の補正量を求めてお
き、これを対応テーブルとしてコントローラ22の記憶
部に記憶しておく。コントローラ22は従来と同様に目
標変速比e0 に応じたソレノイド弁19への出力信号を
算出するとともに、実際の変速比eと目標変速比e0
から変速比誤差を算出し、記憶部に記憶しておいた対応
テーブルをもとに、変速比誤差に対応するソレノイド弁
への補正量を求める。この補正量によって従来の出力信
号に補正を加えてソレノイド弁19への出力信号、即ち
duty(デューティ)を算出する(S4)。コントロ
ーラ22は算出したdutyをソレノイド弁へ出力する
(S5)。再び、制御処理はメインルーチンのスタート
へ戻る。
【0027】変速制御中に、スリーブ11の一端に作用
する作動油の油温が変化し、これに伴って作動油の粘性
が変化したとしても、或いは、ソレノイド弁やリターン
スプリング等の構成部品について製造上のバラツキや経
年変化に起因して性能のバラツキが生じたとしても、上
記のとおり、変速比誤差に応じてソレノイド弁19への
出力信号を補正するようにしたので、作動油の温度変化
や構成部品の性能のバラツキに影響されずに所定の変速
比が得られる。
【0028】上記実施例では、説明を簡単にするため
に、1組のトロイダル変速部1に関する制御装置につい
て説明したが、ダブルキャビティ式のトロイダル型無段
変速機、即ち二組のトロイダル変速部1を同軸上に配置
するとともに両トロイダル変速部1の出力ディスク3同
士を連結したトロイダル型無段変速機に適用する場合に
は、管路9a,9bの途中から別の管路を分岐させ、分
岐した管路をもう1組のトロイダル変速部の油圧シリン
ダに連通させればよい。
【0029】
【発明の効果】この発明によるトロイダル型無段変速機
の制御装置は、上記のように構成されているので、次の
ような効果を有する。即ち、このトロイダル型無段変速
機の制御装置は、入力軸側の回転数と出力軸側の回転数
とから実際の変速比を算出し、目標変速比に対する実際
の変速比の変速比誤差を算出し、該変速比誤差に応じた
前記ソレノイド弁への出力信号の補正量を求め、該補正
量により目標変速比に応じた前記ソレノイド弁への出力
信号に補正を加え、補正した出力信号を前記ソレノイド
弁へ出力するコントローラを備えているので、スリーブ
の一端に作用する作動油の粘性が油温変化によって変化
したり、或いはソレノイド弁やリターンスプリング等の
構成部品の性能にバラツキが生じても、スリーブの位置
は適正に補正されて変化せず、目標とする変速比が得ら
れる。
【0030】また、このトロイダル型無段変速機は、入
力軸側の回転数と出力軸側の回転数を検出するための回
転センサーを使用するだけで済み、スリーブの位置を検
出するためのセンサーやソレノイド弁の出力圧を検出す
るためのセンサー等、他の高価なセンサーを使用しなく
ても、油温の変化や構成部品の性能のバラツキに影響さ
れずに所定の変速比を得ることができるので、安価なト
ロイダル型無段変速機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるトロイダル型無段変速機の一実
施例を示す概略説明図である。
【図2】図1のトロイダル型無段変速機の作動を示すフ
ローチャートである。
【図3】従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す概
略説明図である。
【図4】図3のトロイダル型無段変速機の作動を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1 トロイダル変速部 2 入力ディスク 3 出力ディスク 4 パワーローラ 5 傾転軸 6 トラニオン 8 油圧シリンダ 11 スリーブ 13 スプール 19 ソレノイド弁 22 コントローラ 23 エンジン回転センサー 24 トランスミッションの出力軸回転センサー 25 出力軸 27 入力軸

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸に取り付けられた入力ディスク、
    該入力ディスクに対向して配置され出力軸に取り付けら
    れて出力ディスク、前記両ディスクに対する傾転角度の
    変化に応じて前記入力ディスクの回転を無段階に変速し
    て前記出力ディスクに伝達する一対のパワーローラ、該
    パワーローラをそれぞれ回転自在に支持する傾転軸方向
    に変位可能なトラニオン、該トラニオンを傾転軸方向に
    変位させる油圧シリンダ、弁ケース内に摺動自在に設け
    られたスリーブと該スリーブ内に摺動自在に挿通された
    スプールとから成り且つ前記スリーブと前記スプールと
    の相対変位によって前記油圧シリンダへの油圧を制御す
    る制御弁、前記トラニオンと一体に変位して前記スプー
    ルを軸方向に変位せしめるプリセスカム、前記スリーブ
    を軸方向に変位せしめる作動油を供給するソレノイド
    弁、及び前記入力軸側の回転数と前記出力軸側の回転数
    とから実際の変速比を算出し、目標変速比に対する実際
    の変速比の変速比誤差を算出し、該変速比誤差に応じた
    前記ソレノイド弁への出力信号の補正量を求め、該補正
    量により目標変速比に応じた前記ソレノイド弁への出力
    信号に補正を加え、補正した出力信号を前記ソレノイド
    弁へ出力するコントローラ、を有するトロイダル型無段
    変速機。
JP8085995A 1995-03-14 1995-03-14 トロイダル型無段変速機 Pending JPH08247243A (ja)

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