JPH1151138A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
トロイダル型無段変速機Info
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- JPH1151138A JPH1151138A JP22437297A JP22437297A JPH1151138A JP H1151138 A JPH1151138 A JP H1151138A JP 22437297 A JP22437297 A JP 22437297A JP 22437297 A JP22437297 A JP 22437297A JP H1151138 A JPH1151138 A JP H1151138A
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Abstract
する支持軸の傾きを抑制して,運転状態によらず安定し
た変速比を得るトロイダル型無段変速機を提供する。 【解決手段】 トラニオン4に対してパワーローラ2の
ローラ本体30を支持する支持軸5は,トラニオン4に
対して第1軸受40を介して支持された第1軸部36
と,第1軸部36と一体構造に形成され且つローラ本体
30を回転自在に支持する第2軸部37から成る。第1
軸受40を二列の軸受41から成る複列軸受としたの
で,支持軸5はトラニオン4に対して傾斜することが抑
制される。その結果,支持軸5の傾斜が原因となってロ
ーラ本体30の回転中心Cが傾転軸の軸方向に変位する
ことが回避され,変速比が安定する。
Description
有する入力ディスクと出力ディスクとの間にパワーロー
ラを傾転自在に配置して,入力ディスクの回転を無段階
に変速して出力ディスクへ伝達するトロイダル型無段変
速機に関する。
により駆動される入力ディスク,前記入力ディスクに対
向して配置され且つ出力軸に連結された出力ディスク,
及び両ディスクに摩擦接触するパワーローラからトロイ
ダル変速部を構成するものが知られている。このトロイ
ダル型無段変速機においては,パワーローラの傾転角度
を変えることによって,入力ディスクの回転は,無段階
に変速して出力ディスクに伝達される。
1は,概ね,図2に模式的に示されているように,エン
ジンEの出力が入力される入力軸21,入力軸21に対
して回転可能に支持された入力ディスク3,入力ディス
ク3に対向して配置されると共に入力軸21に対して回
転可能に支持され且つ出力軸24に連結された出力ディ
スク23,対向する入力ディスク3と出力ディスク23
の間に配置され且つ入力ディスク3から出力ディスク2
3へトルクを伝達する傾転可能な一対のパワーローラ
2,入力軸21に設けた一対のフランジ部25と入力デ
ィスク3との間に配置され且つ入力ディスク3に作用し
て入力トルクの大きさに応じてパワーローラ2の圧接力
を変化させるローディングカムのような押圧手段22を
有しており,パワーローラ2を傾転させることにより,
その傾転角度に応じて入力ディスク3の回転を出力ディ
スク23に無段階に変速して伝達するように構成されて
いる。パワーローラ2が図中に角度θで示すように傾転
すると,パワーローラ2の入力ディスク3に対する摩擦
接触位置が半径r1 の位置となり,出力ディスク23に
対する摩擦接触位置が半径r2 の位置となる。入出力デ
ィスク間の変速比はr1 /r2 となる。なお,符号4で
示す部材は,パワーローラ2を傾転可能に支持するトラ
ニオンであり,後に詳述する。上記のようなトロイダル
型無段変速機1では,パワーローラ2の傾転は後述する
コントローラによって制御される。
えば,特開平7−151219号公報に開示されてお
り,その変速制御のシステムについても同公報に開示さ
れている。図3には,トロイダル型無段変速機のかかる
制御システムが示されている。図示のように,一対のパ
ワーローラ2は,対向して配置された入力ディスク3と
出力ディスク23の間に挟まれるようにして対向して配
置され,それぞれトラニオン4と称する支持部材に対し
てピボット軸となっている支持軸5によって回転自在に
支持されている。また,それぞれのトラニオン4は変速
機ケーシング(図示省略)に回動可能で且つ軸方向に移
動可能に支持されている。各トラニオン4は傾転軸6を
有しており,傾転軸6の軸方向に移動可能であり,且つ
傾転軸6を中心として回動可能である。トラニオン4の
傾転軸6にはピストン7が固定され,ピストン7は変速
機ケーシングに形成された油圧シリンダ8内を摺動可能
に設けられている。油圧シリンダ8内にはピストン7に
よって区画された2つのシリンダ室,即ち増速側シリン
ダ室8aと減速側シリンダ室8bが形成されている。
は油路9a,9bによってスプール弁10に連通してい
る。スプール弁10内に摺動自在に配設されたスプール
11は,軸方向両端に配置されたスプリング12によっ
て中立位置に保持されている。スプール弁10は一端に
Saポートが形成され,他端にSbポートが形成され,
Saポートにはソレノイド弁13aを介して油圧Paが
供給され,Sbポートにはソレノイド弁13bを介して
油圧Pbが供給される。スプール弁10は,ライン圧
(油圧源)へ連通するPLポート,油路9aを介して増
速側シリンダ室8aへ連通するAポート,油路9bを介
して減速側シリンダ室8bへ連通するBポート,リザー
バへ連通する2つのRポートを備えている。ソレノイド
弁13a,13bは,コントローラ14から出力された
制御信号に応じて作動するように構成されている。スプ
ール弁10とソレノイド弁13a,13bは,トロイダ
ル型無段変速機の変速比制御弁を構成している。
5が連結され,中央部を枢着されたレバー16の一端が
プリセスカム15に当接し,レバー16の他端がポテン
ショメータ17に接続している。プリセスカム15は,
トラニオン4の傾転軸6の軸方向変位量Yに応じて変位
すると共に傾転角変位量θに応じても変位するので,両
変位量が存在する場合には両変位量の合成変位量を検出
することになる。ポテンショメータ17は,この合成変
位量に対応して電圧値Vを出力し,出力信号をコントロ
ーラ14に入力する。プリセスカム15,レバー16及
びポテンショメータ17は,コントローラ14が変速比
を前記目標変速比に一致させるように変速比制御弁を制
御するため,前記合成変位量に対応した電圧値を検出値
として与える検出手段を構成している。また,このコン
トローラは,その他にも出力軸回転数センサ18,エン
ジン回転数センサ19,アクセルペダル踏込み量センサ
20等の各種センサを備えており,これらのセンサで検
出された出力軸回転数,エンジン回転数,アクセルペダ
ル踏込み量等の変速情報信号がコントローラ14に入力
される。なお,出力軸回転数センサ18は車速センサで
あってもよく,アクセルペダル踏込み量センサ20はス
ロットル開度センサであってもよい。
4を中立位置からいずれか一方へ傾転軸方向(即ち,傾
転軸6の軸方向)に変位させると,パワーローラ2と入
力ディスク3及び出力ディスク23との接触位置が変化
することにより,傾転軸6の変位方向と変位量に応じた
向きと速さでトラニオン4が傾転軸6の回りで傾転する
という性質を利用して,該傾転を制御することにより変
速制御が行われる。
伝達するには,ローディングカム22の作用により,入
力ディスク3,出力ディスク23及びパワーローラ2の
各接触領域に大きな接触圧力を発生させることが必要で
ある。そのため,軸方向の基準位置をトロイダル型無段
変速機のどこに置いても,公差及び歪みに起因して,入
力ディスク3,出力ディスク23及びパワーローラ2
は,その基準位置から離れるにしたがって,ローデイン
グカム22による軸方向のカム作用力に応じて軸方向に
変位する。特に,トロイダル変速部を主軸(入力軸2
1,出力軸24)の軸方向に二組並べたダブルキャビテ
ィ式トロイダル型無段変速機においては,少なくとも一
方のトロイダル変速部に設けられたパワーローラ2の位
置が軸方向基準位置から遠くなる傾向にあるので,その
パワーローラ2の軸方向変位が大きくなり易い。かかる
軸方向の変位に対処するため,パワーローラ2はトラニ
オン4に対して回転自在に且つ揺動自在に支持されてお
り,スラスト力に応じてパワーローラ2に生じる主軸の
軸方向変位は,パワーローラ2の支持軸5の回りの揺動
により吸収されている。なお,トロイダル型無段変速機
1におけるトラニオン4の位置を軸方向の基準位置とし
た場合には,トラニオン4がパワーローラ2を揺動自在
に支持する必要はない。
持の構造について,図4及び図5に基づいて説明する。
パワーローラ2は,ローラ本体30,バックプレート3
1,及びローラ本体30をパックプレート31に対して
スラスト力を受けながら回転自在に保持するスラスト軸
受32を備えている。ここでのスラスト力は,ローラ本
体30の回転軸の軸線方向に作用する力のことである。
パワーローラ2は,また,トラニオン4に対して回転自
在に支持する支持軸5を備えている。支持軸5は,トラ
ニオン4に対してニードル軸受から成る第1軸受34を
介して回動自在に支持される第1軸部36と,第1軸部
36と一体に構成(即ち,一体構造か又は別体に形成し
たときには一体的に連結)されており且つローラ本体3
0をニードル軸受から成る第2軸受35を介して回転自
在に支持する第2軸部37とから構成されている。図4
に示したパワーローラ2では,第2軸部37は,第1軸
部36に対して偏心している。バックプレート31は,
ローラ本体30との同軸度を確保するため,支持軸5の
第2軸部37に嵌合されている。更に,バックプレート
31は,入力ディスク3及び出力ディスク23からの押
付け力を受けるため,滑り軸受又はニードル軸受等から
成るスラスト軸受33を介してトラニオン4に支持され
ている。また,支持軸5は,ラジアルニードル軸受35
を介してトラニオン4に回転自在に支持されている。な
お,スラスト軸受32の転動体はボールであり,保持器
38によって,ローラ本体30とバックプレート31と
の間の所定の軌道溝間に保持されている。
ワーローラ2の構造では,小型化に対応するため,支持
軸5の第1軸部36のトラニオン4に対する第1軸受3
4,及び支持軸5の第1軸部36に対するローラ本体3
0の第2軸受35は,いずれもニードル軸受が採用され
ている。ニードル軸受34,35は,基本的にラジアル
方向に隙間が存在しており,且つニードルには端部に荷
重が集中するのを防止するためのクラウニングが施され
ているので,トラニオン4に対する支持軸5,及び支持
軸5に対するローラ本体2は,傾き易いという問題があ
る。
るため,支持軸5の第2軸部37とバックプレート31
との間の嵌め合いはすきま嵌めとなっており,また,バ
ックプレート31の厚みが薄いので,バックプレート3
1によって支持軸5の傾斜を抑制することができない。
このため,パワーローラ2のローラ本体30の回転中心
C−Cは,目標変速比が一定であっても,外乱等によっ
てトラニオン4に対して変動して一定しないことがあ
る。
ダル型無段変速機を通して伝達するトルクの大きさに変
動があった場合のように,入力ディスク3及び出力ディ
スク23からパワーローラ2のローラ本体30が受ける
接線方向の力の向きが変動すると,パワーローラ2のロ
ーラ本体30の回転中心C−Cが,傾転軸6の方向に移
動する。パワーローラ2に対する傾転力が釣り合うの
は,パワーローラ2の回転軸線と入力ディスク3及び出
力ディスク23の回転軸線が交差している状態であるの
で,パワーローラ2の位置がトラニオン4に対して傾転
軸6の方向に移動することは,パワーローラ2に対する
傾転力が釣り合う傾転軸方向位置も異なることになる。
図5は,パワーローラ2のローラ本体30が,傾転軸6
の方向(図の上方)に移動して,ローラ本体30の回転
中心がC’−C’に移動した状態を示している。このこ
とは,トラニオン4の傾転軸6方向への位置が変わらな
いにもかかわらず実際のローラ本体30と入力ディスク
3及び出力ディスク23との接触点が傾転軸6方向で変
位していることを意味している。したがって,目標変速
比が変わらないにもかかわらず,ローラ本体30の回転
中心がC−CからC’−C’へオフセットするのに応じ
て,トロイダル型無段変速機1が変速を開始してしま
う。
び出力ディスク23より受ける力は,パワーローラ2の
回転軸線方向のスラスト力と,トルクを伝達する際に受
けるトルク反力(接線力)があり,接線力はトルクが伝
達されているドライブ時と惰性走行しているコースト時
とでは互いに反対方向に生じる。したがって,支持軸5
がトラニオン4に対して傾斜が生じる状況では,パワー
ローラ2の回転中心C−Cの傾転軸方向位置がドライブ
時とコースト時とでは異なるため,パワーローラ2に生
じる傾転力が釣り合う傾転軸方向位置が異なり,その結
果,目標変速比が同じあっても,変速比が異なることに
なる。
常に小さく,トラニオン4に対するパワーローラ2の回
転軸線の位置が定まり難い。また,車両の運転状態がド
ライブ状態とコースト状態との間で切り換わる時のよう
に,伝達トルクに対するトルク変動幅が大きい場合に,
同じ目標変速比に対して変速比が振動的に変化して運転
者に著しい不快感を与えるという問題点もある。更に,
ダブルキャビティトロイダル型無段変速機では,二組の
トロイダル変速部の変速比が過渡的に異なるため,比較
的早い周期で変速比が変動したり,内部循環トルクによ
って大きなトルクが変速機内部に発生して,トラクショ
ンドライブ部の滑りなどの変速機の故障を引き起こす可
能性があるという問題点もある。
問題を解決することであって,支持軸の傾きを抑制して
パワーローラのローラ本体の回転中心の変動量を支持軸
のニードル軸受のラジアル隙間程度に抑制することによ
り,トロイダル型無段変速機の変速運転状態によらず,
安定して所定の変速比を維持することができるトロイダ
ル型無段変速機を提供することである。
ディスク,前記入力ディスクに対向して配置され且つ出
力軸に連結された出力ディスク,前記入力ディスクと前
記出力ディスクとの間に配置され前記入力ディスクの回
転を無段階に変速して前記出力ディスクに伝達する傾転
可能なパワーローラ,前記パワーローラを回転自在に支
持し且つ前記パワーローラの傾転軸方向に変位可能なト
ラニオン,及び前記トラニオンを前記傾転軸方向に変位
させるアクチュエータを具備し,前記パワーローラは,
前記入力ディスクの回転を前記出力ディスクに伝達する
ローラ本体,及び第1軸受を介して前記トラニオンに回
動可能に支持されると共に前記ローラ本体を回転自在に
支持する支持軸から成り,前記第1軸受及び前記第2軸
受の少なくとも一方が複列軸受であることから成るトロ
イダル型無段変速機に関する。
は,上記のように構成されているので,次のように作動
する。即ち,パワーローラを構成する支持軸に関して,
第1軸受及び第2軸受のうち少なくとも一方は,複列軸
受であり,複列軸受は,軸部の軸線に沿う方向で見て2
箇所で回転体(第1軸部又は第2軸部)を支持している
ことになり,軸部の傾斜を抑制する。即ち,支持軸をト
ラニオンに対して回動自在に支持する第1軸受を複列軸
受に構成した場合には,支持軸がトラニオンに対して傾
斜することが抑制され,その結果,ローラ本体の回転中
心の傾転軸方向への変位量は,第1及び第2軸受のラジ
アル方向に存在する隙間程度に抑制される。また,ロー
ラ本体を支持軸に対して回転自在に支持する第2軸受を
複列軸受とした場合には,ローラ本体がバックプレート
に対してスラスト軸受を介して殆ど傾斜することなく支
持されているので,支持軸がローラ本体側から複列軸受
によって傾きを抑制される。支持軸が単列でトラニオン
に支持されていても,ローラ本体の回転中心の傾転軸方
向への変位量は,やはり第1及び第2軸受のラジアル方
向に存在する隙間程度に抑制される。更に,支持軸をト
ラニオンに対して回動自在に支持する第1軸受とローラ
本体を支持軸に対して回転自在に支持する第2軸受とを
共に複列軸受とした場合には,上記の作用によって,支
持軸はトラニオン側からもローラ本体側からも複列軸受
によって,ローラ本体の回転中心の傾転軸方向への変位
量が抑制される。
て,前記第1軸受及び前記第2軸受は,ニードル軸受で
ある。ニードル軸受には,ニードルの端部が軌道に対し
て高い面圧を生じないようにクラウニングが施されてい
るので,支持軸の傾斜の原因となっている。しかしなが
ら,この発明によるトロイダル型無段変速機によれば,
第1軸受及び前記第2軸受の少なくとも一方のニードル
軸受を複列軸受にすることにより,かかる原因による支
持軸の傾斜を可及的に抑制することができる。
によるトロイダル型無段変速機の実施例について説明す
る。図1は,この発明によるトロイダル型無段変速機の
一実施例において用いられるパワーローラのトラニオン
に対する支持構造を示す断面図である。トロイダル型無
段変速機それ自体の構造は,図2及び図3に示した構造
のものと同等であってよく,その構造及び作動の再度の
説明を省略する。
4に対する支持構造についても,基本的な構造について
は,図4に示した従来の支持構造と変わるところがない
ので,同じ構成要素には同じ符号を付し,それらの構造
とその構造に基づくパワーローラ2及びトラニオン4の
作動についての説明を省略する。この支持構造において
は,支持軸5の第1軸部36をトラニオン4に対して回
動自在に支持する第1軸受40が複列,即ち,転動体の
列数を二列にした軸受として構成されている。各列の軸
受41,41は,ニードル軸受で構成されている。
変速機の運転状態にかかわらず,支持軸5の軸方向に強
いスラスト力を受けており,スラスト軸受33を介して
トラニオン4に押し付けられているので,傾くことがな
い。支持軸5の第1軸部36は,複列軸受としての第1
軸受40によってトラニオン4に回動自在に支持されて
いるので,軸方向に2点で支持されることになる。第1
軸受40のラジアル方向には隙間,即ち,ガタが存在し
ているが,二列の軸受41,41による支点間の距離
は,この隙間と比較して充分に大きいので,支持軸5は
殆ど傾くことがない。一方,パワーローラ2のローラ本
体30を回転自在に支持する第2軸受35は,ニードル
軸受であって,第1軸受40の場合と同様にラジアル方
向に隙間が存在している。結局,支持軸軸5についての
第1軸受40及び第2軸受35が原因となるパワーロー
ラ2のローラ本体30の回転中心C−Cの変化量は,第
1軸受40及び第2軸受35のラジアル方向の隙間程度
(20μ程度)となり,非常に小さなものとなる。
と滑走状態にあるコースト時とで,同じ目標変速比に対
して,傾転力が釣り合うトラニオンの傾転軸方向の変位
量に殆ど差が生じないので,従来生じていたような変速
比が異なる事態にならない。また,軽負荷運転時,又は
ドライブ状態からコースト状態への切換え時のようなト
ルク負荷が変動する場合に,変速比が不安定に変動する
こともない。
軸受の少なくとも一方を複列軸受として説明したが,転
動体の列数を3列以上とした多列軸受としても,同様
に,支持軸の第1軸部と第2軸部との傾きを抑制するこ
とが可能である。第1軸受及び第2軸受は,ニードル軸
受として説明したが,棒状ころ円筒ころ等のころを用い
たころ軸受,或いは転動体として玉を用いた玉軸受であ
ってもよい。また,図1に示されたパワーローラ2の支
持構造は,トロイダル変速部の軸方向基準位置にないパ
ワーローラ2のトラニオン4に対する支持構造の例を示
している。そのため,ローラ本体30を回転自在に支持
する第2軸部37は,トラニオン4に回動自在に支持さ
れた第1軸部36に対して偏心している。パワーローラ
2の回転中心C−Cの傾転軸方向への変位は第1軸部と
第2軸部とが同心であっても生じる現象であるので,パ
ワーローラ2がトロイダル変速部の軸方向基準位置に配
置されている場合にも,このパワーローラの支持構造が
適用できる。この場合には,ローラ本体30はトラニオ
ン4に回動自在に支持された第1軸部36と同心の第2
軸部37に回転支持されることになり,パワーローラ2
は振り運動をすることがない。
は,上記のように,パワーローラを,入力ディスクと出
力ディスクとに係合するローラ本体,第1軸受を介して
トラニオンに回動可能に支持される第1軸部,及び第1
軸部と一体構造に形成され且つローラ本体を回転自在に
支持する第2軸部から構成し,第1軸受及び第2軸受の
少なくとも一方を複列軸受としたので,複列軸受は,軸
部の軸線に沿う方向で見て2箇所で支持していることに
なり,第1軸部又は第2軸部の傾斜を抑制する。したが
って,ローラ本体の回転中心の傾転軸方向への変位量
は,第1及び第2軸受のラジアル方向に存在する隙間程
度に抑制される。その結果,トルクが静的に異なるドラ
イブ運転状態とコースト運転状態とにおいて,パワーロ
ーラの回転中心はトラニオンの傾転軸方向へ殆ど変位せ
ず,目標変速比からの変化も少ない。更に,トルクが動
的に変化する軽負荷運転時やドライブ運転とコースト運
転との間の運転状態の切り換え時において,変速比が不
安定となって運転者に違和感を与えることがなく,所定
の変速比を安定して維持することができる。
施例において用いられるパワーローラのトラニオンへの
支持構造を示す断面図である。
部断面図である。
機構の一例を示す断面図である。
ローラのトラニオンに対する支持構造の一例を示す断面
図である。
支持構造において,支持軸が傾斜した状態を示す断面図
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 入力軸により駆動される入力ディスク,
前記入力ディスクに対向して配置され且つ出力軸に連結
された出力ディスク,前記入力ディスクと前記出力ディ
スクとの間に配置され前記入力ディスクの回転を無段階
に変速して前記出力ディスクに伝達する傾転可能なパワ
ーローラ,前記パワーローラを回転自在に支持し且つ前
記パワーローラの傾転軸方向に変位可能なトラニオン,
及び前記トラニオンを前記傾転軸方向に変位させるアク
チュエータを具備し,前記パワーローラは,前記入力デ
ィスクの回転を前記出力ディスクに伝達するローラ本
体,及び第1軸受を介して前記トラニオンに回動可能に
支持されると共に前記ローラ本体を第2軸受を介して回
転自在に支持する支持軸から成り,前記第1軸受及び前
記第2軸受の少なくとも一方が複列軸受であることから
成るトロイダル型無段変速機。 - 【請求項2】 前記第1軸受及び前記第2軸受は,ニー
ドル軸受であることから成る請求項1に記載のトロイダ
ル型無段変速機。
Priority Applications (5)
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---|---|---|---|
JP22437297A JP3747583B2 (ja) | 1997-08-05 | 1997-08-05 | トロイダル型無段変速機 |
DE69826433T DE69826433T2 (de) | 1997-08-05 | 1998-08-03 | Stufenloses toroidgetriebe |
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EP98935325A EP0930448B1 (en) | 1997-08-05 | 1998-08-03 | Toroidal type continuously variable transmission |
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