JP3651156B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、トロイド曲面を有する入力ディスクと出力ディスクとの間にパワーローラを傾転自在に配置して、入力ディスクの回転を無段階に変速して出力ディスクへ伝達するトロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
トロイダル型無段変速機は、例えば、特開平7−151219号公報に開示されているように、入力ディスク、該入力ディスクに対向して配置される出力ディスク、及び両ディスクに摩擦接触するパワーローラからなるトロイダル変速部を備えており、パワーローラの傾転角度を変えることによって入力ディスクの回転を無段階に変速して出力ディスクに伝達する無段変速機である。上記トロイダル型無段変速機は、一つの上記トロイダル変速部から成るものもあるが、上記トロイダル変速部を同一軸上に2組配置したダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機も提案されている。
【0003】
ダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機を例に採って、従来のトロイダル型無段変速機について説明する。図2は、従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す断面図であり、図3は、図2に示すトロイダル型無段変速機の制御装置を含んだ全体構成を示す概略図である。図2に示したダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、2組のトロイダル変速部1,2を主軸3上に並べて配置して構成されている。トロイダル変速部1は、入力ディスク4と、入力ディスク4に対向して配置された出力ディスク5と、入力ディスク4と出力ディスク5との間に配置され、両ディスク4,5のトロイド曲面に摩擦係合するパワーローラ6から構成されている。トロイダル変速部2もトロイダル変速部1と同様に、入力ディスク7と、入力ディスク7に対向して配置された出力ディスク8と、入力ディスク7と出力ディスク8との間に配置され、両ディスク7,8のトロイド曲面に摩擦係合するパワーローラ9から構成されている。各トロイダル変速部1,2には、パワーローラ6,9がそれぞれ2つずつ設けられている。パワーローラ6,9は、それぞれ自己の回転軸線10の周りに回転自在であり、且つ回転軸線10に直交する傾転軸11の周りに傾転運動をする。なお、図示の例では、各トロイダル変速部1,2には一対のパワーローラを対向して配置しているが、各トロイダル変速部1,2には3個のパワーローラを三角形状に配置してもよい。
【0004】
トロイダル変速部1において、入力ディスク4は、ボールスプライン12を介して主軸3の一端に取り付けられており、主軸3の軸方向に移動可能で且つ主軸3と一体回転可能である。エンジンからの動力は、トルクコンバータ等を介して入力軸13に入力される。入力軸13は主軸3と同一軸線上に配置されている。入力軸13の先端部14は、主軸3の一端に形成された中心孔15に対して相対回転可能に嵌合し支持されている。また、入力軸13の先端に形成されたフランジ部16には爪17が設けられ、フランジ部16と対向して配置されたローディングカム18には爪19が設けられており、互いに噛み合った両爪17,19を介して入力軸13からローディングカム18へトルクが伝達される。
【0005】
トロイダル変速部2の入力ディスク7は、ボールスプライン28を介して主軸3の他端側に取り付けられている。入力ディスク4及び入力ディスク7は、ボールスプライン12,28を介して主軸3にそれぞれ連結されているので、主軸3のスラスト方向に摺動自在で且つ主軸3と一体回転することができる。動力は入力軸13からローディングカム18を介して入力ディスク4へ伝達され、入力ディスク4と一体回転する主軸3を介して入力ディスク7へも伝達される。このとき、ローディングカム18から入力ディスク4へ動力が伝達される際にカムローラ61の作用により伝達されるトルクに見合ったスラストが発生する。スラストは、トロイダル変速部1の入力ディスク4、パワーローラ6及び出力ディスク5に伝わり、これら回転要素間に摩擦接触を行わせる。また、カムローラ61の反作用として、主軸3を介してトロイダル変速部2の入力ディスク7、パワーローラ9及び出力ディスク8に伝わり、これら回転要素間に摩擦接触を行わせる。
【0006】
出力ディスク5,8は、一体回転できるように背面同士を出力軸22の両側に設けた筒状部22Aにスプライン嵌合等で連結されている。出力軸22は主軸3に嵌合された中空軸であって、該中空軸の中間部に出力歯車23が一体的に形成されている。出力ディスク5,8は、出力軸22を介してスラスト方向及びラジアル方向の荷重を支持するアンギュラボールベアリングの軸受24でケーシング25の壁26に支持されている。従って、出力ディスク5,8は、両出力ディスクの背面がケーシング25の壁26に軸方向に規制されている。出力ディスク5,8に伝達された動力は出力軸22から取り出される。
【0007】
主軸3の他端はケーシング25に軸受27を介して回転自在に支持されている。入力ディスク7の背面側には皿ばね29が設けられており、皿ばね29はスペーサ30を介在させてナット31を締め込むことによって圧縮状態で取り付けられている。皿ばね29の反発力は、一方では、トロイダル変速部2において、入力ディスク7をパワーローラ9を介して出力ディスク8に押し付けており、また、他方では、主軸3を図の右方へ付勢し、主軸3の一端側に設けられたフランジ部20と軸受60とを介してローディングカム18に作用し、トロイダル変速部1において、入力ディスク4をパワーローラ6を介して出力ディスク5に押し付けている。皿ばね29は、入力軸13から入力されるトルクが小さいときでも、入力ディスク4,7とパワーローラ6,9との間、及びパワーローラ6,9と出力ディスク5,8との間に所定の摩擦接触力を与えている。
【0008】
主軸3は軸方向に延びる油路32を有し、油路32は潤滑油の通路を構成している。油路32は、分岐して各トロイダル変速部1,2のトロイド曲面、ボールスプライン12、軸受24等に潤滑油を供給している。
【0009】
各トロイダル変速部1,2において、パワーローラ6,9は、傾転軸11の周りに傾転可能であり、入力ディスク4,7の回転は、それぞれパワーローラ6,9を介して出力ディスク5,8に無段階に変速されて伝達される。パワーローラ6,9は、それぞれ回転支軸34,38によってトラニオン33,37に回転自在に支持されている。トラニオン33,37は傾転軸11を有し、傾転軸11の軸方向に移動し、且つ傾転軸11を中心として回動できる。即ち、パワーローラ6,9が傾転すると、パワーローラ6,9の傾転角変位量θはそのままトラニオン33,37の傾転軸11を中心とした回動変位となる。
【0010】
トロイダル変速部1,2においては、入出力軸間の回転力伝達に伴ってローディングカム18が発生させるスラスト(主軸3の軸方向力)によって、入力ディスク4,7と出力ディスク5,8とはパワーローラ6,9に対して強く押し付けられ、両ディスク4,5,7,8とパワーローラ6,9との間に挟まれたオイルの剪断力に基づいて、動力伝達が行われる。
【0011】
入力ディスク4,7及び出力ディスク5,8は、スラストにより、主軸3の軸方向に弾性変形を生じる。トロイダル変速部1,2の軸方向の位置の基準は、出力ディスク5,8がアンギュラボールベアリング24によって支持されるケーシング25によって定まるので、この変形に基づいて、パワーローラ6,9は主軸3の軸方向に変位する。しかしながら、図3に示すように、パワーローラ6,9を回転自在に支持する回転支軸34,38を、それらの回転中心からオフセットした位置においてトラニオン33,37に回動自在に支持した偏心軸としたので、上記パワーローラ6,9の主軸3の軸方向への変位は、パワーローラ6,9が回転支軸34,38のトラニオン33,37への支持位置を中心として行う首振り運動によって吸収される。出力ディスク5,8のスラスト方向位置がケーシング25に対して決定されると、パワーローラ6,9の位置が決まり、更に両入力ディスク4,7のスラスト方向位置が決まる。
【0012】
図3に示すように、トラニオン33,37は、ケーシング25に回動可能で且つ軸方向に移動可能に支持されている。トラニオン33,37は傾転軸11を有し、傾転軸11の軸方向に移動し、且つ傾転軸11を中心として回動できる。トラニオン33,37の傾転軸11には、それぞれピストン41,44が設けられ、ピストン41,44はケーシング25に形成された油圧シリンダ42,45内を摺動可能に設けられている。油圧シリンダ42,45内には、それぞれピストン41,44によって区画された減速側シリンダ室43A,46Aと増速側シリンダ室43B,46Bとが形成されている。油圧シリンダ42,45のシリンダ室43Aとシリンダ室43Bとの間、及びシリンダ室46Aとシリンダ室46Bとの間に差圧が生じると、トラニオン33,37は、パワーローラ6,9と共に、傾転軸11の軸方向に移動する。増速側シリンダ室43B,46Bに油圧が供給されると、増速側に変速し、また、減速側シリンダ室43A,46Aに油圧が供給されると、減速側に変速する。
【0013】
油圧シリンダ42と油圧シリンダ45は、油路47A,47Bを介して相互に連通されている。油圧シリンダ42の増速側シリンダ室43Bは油路47Bを介して油圧シリンダ45の増速側シリンダ室46Bに連通され、油圧シリンダ42の減速側シリンダ室43Aは油路47Aを介して油圧シリンダ45の減速側シリンダ室46Aに連通されている。また、両増速側シリンダ室43B,46Bは油路47Bによってスプール弁48のBポートに連通し、両減速側シリンダ室43A,46Aは油路47Aによってスプール弁48のAポートに連通している。
【0014】
スプール弁48内にはスプール49が摺動自在に設けられており、スプール49は軸方向両端に配置されたスプリング50によって中立位置に保持されている。スプール弁48は一端にSAポートが形成され、他端にSBポートが形成されており、SAポートにはソレノイド弁51Aを介して油圧が供給され、SBポートにはソレノイド弁51Bを介して油圧が供給される。また、スプール弁48は、ライン圧(油圧源)へ連結されるPLポート、油路47Aを介して減速側シリンダ室43A,46Aへ連結されるAポート、油路47Bを介して増速側シリンダ室43B,46Bへ連結されるBポート、リザーバへ連結されるRポートを備えている。ソレノイド弁51A,51Bはコントローラ52から出力された制御信号に応じて作動するように構成されており、該制御信号を受けてソレノイド弁51A,51Bはスプール49を軸方向に変位させる。スプール弁48とソレノイド弁51A,51Bは、変速比を制御するため、コントローラ52からの制御信号を受けて油圧シリンダ42,45の油圧を調整する変速比制御弁を構成している。
【0015】
トロイダル変速部1の一方のトラニオン33の傾転軸11の先端にはプリセスカム53が連結されており、中央部を枢着されたレバー54の一端がこのプリセスカム53に当接し、レバー54の他端がポテンショメータ55に接続している。プリセスカム53は、トラニオン33の傾転軸方向変位量Yと傾転角変位量θとの合成変位量として検出する。ポテンショメータ55は、この合成変位量に対応した電圧値をコントローラ52に入力する。また、このトロイダル型無段変速機は、車速センサ56、エンジン回転数センサ57、スロットル開度センサ58等の各種センサを備えており、これらのセンサで検出された車速、エンジン回転数、スロットル開度等の変速情報信号がコントローラ52に入力されるように構成されている。コントローラ52は、これらの変速情報と上記合成変位量に対応した電圧値とに基づいて算出した制御信号をソレノイド弁51A,51Bに対して出力する。
【0016】
次に、このトロイダル型無段変速機の作動について説明する。エンジンの駆動に伴って、エンジンからの動力がトルクコンバータを介して入力軸13に入力され、入力軸13に入力されたトルクは、フランジ部16の爪17、ローディングカム18の爪19及びカムローラ61を介してトロイダル変速部1の入力ディスク4に伝達される。入力ディスク4の回転に伴ってパワーローラ6が回転し、その回転が出力ディスク5に伝達する。これと同時に、入力ディスク4に入力されたトルクはボールスプライン12を介して主軸3に伝達され、更に主軸3と一体回転するトロイダル変速部2の入力ディスク7へと伝達される。そして、入力ディスク7の回転はパワーローラ9を介して出力ディスク8に伝達される。
【0017】
トラニオン33,37は、変速比が変動しておらず一定の値にあるときには、傾転軸方向変位量Yがゼロである中立位置にある。即ち、トラニオン33,37は入力ディスク4,7及び出力ディスク5,8の回転中心線とパワーローラ6,9の回転中心が交叉する位置即ち中立位置にある。変速はトラニオン33,37を中立位置から傾転軸11の軸方向に変位させることによって行われる。トルク伝達中に、トラニオン33,37が傾転軸方向に変位すると、それに伴ってパワーローラ6,9も傾転軸方向に変位し、その結果、パワーローラ6,9と入力ディスク4,7及び出力ディスク5,8との接触位置に基づいて、パワーローラ6,9の傾転軸11に沿った変位方向(即ち、Y>0又はY<0の方向)と変位量(Yの絶対値)に応じた向きと速さで傾転軸11周りに傾転を開始する。このような傾転が生じると、入力ディスク4,7とパワーローラ6,9との摩擦接触点が描く半径と出力ディスク5,8とパワーローラ6,9との摩擦接触点が描く半径との比が変化することによって無段変速が行われる。
【0018】
パワーローラ6,9の傾転制御は、次のようにして行われる。まず、コントローラ52には、プリセスカム53が検出したトラニオン33,37の傾転軸方向変位量Yと傾転角変位量θとの合成変位量に対応してポテンショメータ55が出力した電圧値Vが入力される。一方、コントローラ52は、車速センサ56、エンジン回転数センサ57、スロットル開度センサ58等の各種センサから入力される車速、エンジン回転数、スロットル開度等の変速情報信号に基づいて目標変速比e0 を求め、その目標変速比e0 に対応する目標電圧値V0 を予め定められた変換テーブル等の手段によって求める。コントローラ52は、更に、電圧値Vと目標電圧値V0 との偏差Ve に基づいてソレノイド弁51A,51Bへ制御信号を出力する。ソレノイド弁51A,51Bからスプール弁48の両端に供給される油圧SB,SAは、油圧SB,SAの差圧が電圧値の偏差Ve に比例するように制御されている。
【0019】
トラニオン33が中立位置にあるときに、目標電圧値V0 が電圧値Vよりも小、即ち現在の変速比が減速し過ぎであるので目標変速比e0 を増速側に設定したとすると、コントローラ52は、スプール弁48に供給される油圧SBと油圧SAの関係がSA<SBとなるようにソレノイド弁51に対して制御信号を出力する。その結果、スプール49は図3において左側へシフトし、油路47BはPLポートを介して圧力源へ連通し、油路47AはRポートを介してリザーバへ連通して、油路47Bの圧力Pupが油路47Aの圧力Pdownよりも大きくなる(Pup>Pdown)。圧力Pupと圧力Pdownの差圧は、スプール49の各ポートの弁開度によって制御される。シリンダ室43A,43Bの圧力差により、図3に示したトロイダル変速部1におけるトラニオン33は傾転軸方向変位量Yが負の方向(Y<0)、即ち、右側のトラニオン33は下方へ変位し、左側のトラニオン33は上方へ変位する。同様に、トロイダル変速部2における右側のトラニオン37は下方へ変位し、左側のトラニオン37は上方へ変位する。このとき、トラニオン33,37は、パワーローラ6の傾転特性によってパワーローラ6の傾転角変位量θが負(θ<0)の方向(増速側)へ、傾転軸11を中心としてその周りにそれぞれ傾転し、増速側へ変速動作が開始される。
【0020】
傾転軸方向変位量Y及び傾転角変位量θは共に減少していくので、電圧値Vも減少して目標電圧値V0 に近づいていき、その結果、スプール49の各ポートの弁開度も小さくなる。更に変速が続き、偏差Ve がゼロ、即ち電圧値V=目標電圧値V0 となるが、この時点ではYはゼロではないので傾転角は目標傾転角に達しておらず、パワーローラ6は更に傾転を続ける。しかし、偏差Ve の符号が反転するので、スプール49は各ポートをPupとPdownとの大小関係が逆転するように開き、その結果、トラニオン33,37の移動方向が逆転し、傾転軸方向変位量Yが正の方向(Y>0)へ移動を開始する。こうして、傾転角は目標傾転角に近づき、電圧値Vが目標電圧値V0 に近づくにつれて、各トラニオン33,37の傾転軸方向変位量Yはゼロに近づき、実際の変速比も目標変速比に近づいていく。電圧の偏差Ve の符号が反転する度に、上記の変速動作を繰り返して、実際の変速比が目標変速比に一致した時には、トラニオン33,37の傾転軸方向変位量Yと偏差Ve とは共にゼロとなって、パワーローラ6,9は中立位置に戻り、変速動作は終了する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図2及び図3に示されるような従来のトロイダル型無段変速機は、次のような問題点がある。即ち、従来のトロイダル型無段変速機が一つのトロイダル変速部から成る場合には、2個又は3個のパワーローラを一組として有しており、トロイダル型無段変速機が、2つのトロイダル変速部とから成る場合にも、各トロイダル変速部は2個又は3個のパワーローラを一組として有しており、全体としては、4個又は6個のパワーローラを有しており、各パワーローラを支持するトラニオンに油圧シリンダが備わり、変速比制御弁により傾転軸方向にストロークできる様に構成されている。パワーローラに発生する傾転力が同一となるように、各トラニオンの全ストローク量、即ち、各トラニオンが傾転軸11の軸方向に変位することができる限界量は同一(一般に、±0.5mm〜±2.0mm)に設定されているが、製造誤差のバラツキ等で全ストローク量が大きなトラニオンが存在する場合がある。現在の変速比と目標変速比との差、即ち変速比幅が大きいと、変速比制御弁は、各油圧シリンダに生じる差圧を大きくし且つ継続させるようになるため、全ストローク量が小さいトラニオンがたとえその全ストローク量を変位してしまうようなことがあっても、全ストローク量が大きなトラニオンは更に変位することがある。パワーローラの傾転特性上、パワーローラの傾転力は、トラニオンの中立位置からの変位量が大きいほど大きくなるので、全ストローク量の大きなトラニオンに設けられているパワーローラは、他のトラニオンに設けられているパワーローラよりも速く傾転する。
【0022】
入力ディスクと出力ディスクとの間の変速比は一組を構成するトロイダル変速部1,2の各パワーローラに対して同じであるから、各パワーローラ間には各パワーローラの傾転角を同期させようとする自己同期機能が働く。各パワーローラの傾転角は、定常状態に落ちついたときには同期するものの、その過程で、全ストローク量の大きなトラニオンに設けられているパワーローラの傾転角と、他の全ストローク量の小さいトラニオンに設けられているパワーローラの傾転角との間の傾転角まで傾転する。つまり、図3に示すように、プリセスカム53が連結されてフィードバック制御のために検出される合成変位量を生じさせているトラニオン33の全ストローク量よりも、大きな全ストローク量Ka,Kbを有する他のトラニオン(例えば、トロイダル変速部2の右側のトラニオン37)が存在している場合、制御すべき変速比幅が大きなときには、その大きな全ストローク量Ka,Kbを有するトラニオン37に設けられているパワーローラ9は、プリセスカム53が連結されたトラニオン33に設けられているパワーローラ6よりも速く傾転してしまうので、変速比が収束するまでの過程において、プリセスカム53が設けられて制御の対象となっているトラニオン33のパワーローラ6の傾転量が本来の傾転量よりも大きくなるオーバーシュート量が発生する。即ち変速比のオーバーシュート量が大きくなってしまい、運転者に違和感を与えるという問題がある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
この発明の目的は、上記問題を解決し、プリセスカムが設けられたトラニオンに回転自在に支持されているパワーローラの傾転速度を他のトラニオンに回転自在に支持されているパワーローラの傾転速度よりも速くすることによって、変速比幅が大きい場合でも、プリセスカムが設けられているトラニオンに支持されたパワーローラに対して、他のトラニオンに支持されているパワーローラとの自己同期機能に基づいて、傾転速度を遅くするブレーキをかけ、変速比制御中の変速比の収束過程における傾転角のオーバーシュート量を低減し、且つトラニオンの全ストローク量を同一に設定するために必要としていた加工誤差の厳密な管理を緩和することを可能にするトロイダル型無段変速機を提供することである。
【0024】
この発明は、対向して配置された入力ディスクと出力ディスク、前記両ディスクに対する傾転角度の変化に応じて前記入力ディスクの回転を無段階に変速して前記出力ディスクに伝達する複数のパワーローラ、前記各パワーローラを回転自在に支持した傾転軸方向に変位可能なトラニオン、前記各トラニオンを傾転軸方向に変位させる二つのシリンダ室を有する油圧シリンダ、変速比を制御するため前記シリンダ室への油圧を調整する変速比制御弁、前記トラニオンに設けられており且つ前記トラニオンの傾転軸方向変位量と前記パワーローラの傾転角変位量との合成変位量を検出するプリセスカム、及び前記変速比を目標変速比へ制御するため前記目標変速比と前記合成変位量とに基づいて前記変速比制御弁を制御するコントローラを具備し、前記プリセスカムが設けられた前記トラニオンの傾転軸方向の変位の全ストローク量を前記プリセスカムが設けられていない前記トラニオンの傾転軸方向の変位の全ストローク量よりも大きくしたことから成るトロイダル型無段変速機に関する。
【0025】
この発明によるトロイダル型無段変速機は、上記のように構成されているので、次のように作動する。即ち、トロイダル型無段変速機の変速比制御は、プリセスカムが設けられたトラニオンの傾転軸方向変位量とそのトラニオンに回転自在に支持されパワーローラの傾転角変位量との合成変位量に対応する電圧値が制御情報となって行われる。現在の変速比と目標変速比との間の変速比幅が大であるような状態では、プリセスカムが検出した合成変位量も大となるため、コントローラによる変速比制御弁の制御においては、シリンダ室へ供給される調整された油圧は、トラニオンの傾転軸方向の変位を大きくするような値となる。この場合、プリセスカムが設けられたトラニオンの傾転軸方向の変位の全ストローク量は、プリセスカムが設けられていないトラニオンの傾転軸方向の変位の全ストローク量よりも大きく設定されているので、プリセスカムが設けられていないトラニオンの傾転軸方向の変位がその全ストローク量で制限されるのに対して、プリセスカムが設けられたトラニオンの傾転軸方向の変位は、より大きな全ストローク量に対応する軸方向位置まで変位する。
【0026】
プリセスカムが設けられたトラニオンの傾転軸方向の全ストローク量が、上記のように、プリセスカムが設けられていないトラニオンの傾転軸方向の全ストローク量よりも大きく設定されているので、プリセスカムが設けられたトラニオンに回転自在に支持されたパワーローラは、プリセスカムが設けられていないトラニオンに回転自在に支持されたパワーローラよりも、大きな傾転力を受けて速く傾転しようとする。入力ディスクと出力ディスクとの間の変速比は、一組のトロイダル変速部に含まれる各パワーローラに対して同じであるから、変速比が収束するまでの過程において、プリセスカムが設けられたトラニオンに回転自在に支持されたパワーローラの速い傾転は、プリセスカムが設けられていないトラニオンに回転自在に支持されたパワーローラの遅い傾転によって、ブレーキがかかることを意味している。したがって、プリセスカムが設けられたトラニオンに回転自在に支持されたパワーローラの傾転角、即ち収束途上の変速比のオーバーシュート量が低減されることになる。
【0027】
また、上記トロイダル型無段変速機において、前記変速比制御弁はスプールが中立位置にある状態でシリンダ室を遮断し且つスプールが中立位置から変位した状態で各シリンダ室を油圧源とリザーバとにそれぞれ選択的に連通させるスプール弁を備え、スプールの位置が前記コントローラによって制御されている。この場合、コントローラは、プリセスカムが検出した合成変位量を、スプールの位置の制御に変換できるものであれば、機械的な手段、電気的な手段、又は両者の複合的な手段のいずれであってもよい。
【0028】
また、上記トロイダル型無段変速機において、前記コントローラは、合成変位量を対応する電圧値に変換するポテンショメータを備え、電圧値と目標変速比に対応する目標電圧値との偏差に応答して変速比制御弁を制御するものである。
【0029】
更に、上記トロイダル型無段変速機において、前記変速比制御弁は、前記ポテンショメータが変換した電圧値と目標変速比に対応する目標電圧値との偏差に応答して前記スプールの両端に作用する油圧を調整するソレノイド弁を有するものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明によるトロイダル型無段変速機の実施例について説明する。図1は、この発明によるトロイダル型無段変速機の一実施例を示す断面図である。図1に示すトロイダル型無段変速機において、プリセスカムが設けられたトラニオンを傾転軸方向に移動させる油圧シリンダの構造以外の、トロイダル変速部及び変速制御に関する基本的な構成は、図2及び図3に示した従来のトロイダル型無段変速機における構成と変わるところがないので、同じ構成要素には同じ符号を付し、その基本的な構成とその構成に基づく変速比の制御動作とについての再度の説明を省略する。
【0031】
図1に示すように、プリセスカム53が設けられているトロイダル変速部1のトラニオン63に関して、油圧シリンダ72のピストン71に油圧を作用させる減速側シリンダ室73Aと増速側シリンダ室73Bの傾転軸方向の中立位置(傾転力が発生しない位置,即ちY=0の位置)からの両方向への全ストローク量La,Lb(中立位置では、La=Lb)は、他のトラニオン33,37における油圧シリンダ42,45のピストン41,44の全ストローク量よりも大きく設定されている。
【0032】
このため、変速比幅が大きな変速時には、目標電圧値V0 と検出された電圧値Vとの偏差Ve も大きいから、それに応じてソレノイド弁51A,51Bへのデューティの差、圧力Pup及びPdounの差圧、そして油圧ピストン41,44,71に作用する傾転軸11の軸方向の力は大きく且つ継続するようになる。上記のとおり、油圧シリンダ72のピストン71の全ストローク量La,Lbが、油圧シリンダ42,45のピストン41,44の全ストローク量よりも大きいから、プリセスカム53が設けられたトラニオン63は、他の3つのトラニオン33,37よりも傾転軸方向変位量Yが大きくなり、入力ディスク4及び出力ディスク5からパワーローラ66が受ける傾転力が大きくなって、他のパワーローラ6,9よりも速く傾転する。
【0033】
フィードバック制御の対象となっているトラニオン63に回転自在に支持されているパワーローラ66は、常に一番速く傾転し、他のトラニオン33,37に回転自在に支持されているパワーローラ6,9がこれに遅れて追従する。即ち、変速比幅が大きい変速時には、トラニオン63のパワーローラ66は、他のトラニオン33,37のパワーローラ6,9よりも速く目標傾転角に近づくが、この場合、パワーローラ6,9の傾転角との間に差が生じることによって自己同期作用が働く。この場合の自己同期作用は、パワーローラ66の傾転に対してはブレーキをかける方向に作用する(他のパワーローラ6,9に対しては傾転を促進させる方向に作用する)。このように、フィードバック制御の対象となっているトラニオン63のパワーローラ66は、目標変速比への収束の過程で、従来のパワーローラのように他のトラニオン33,37のパワーローラ6,9との間で働く自己同期作用によって傾転を速められるようなことは無い。
【0034】
この発明によるトロイダル型無段変速機によれば、変速比幅が大きい変速比制御を行う場合、既に説明したように、傾転軸方向変位量Yと傾転角変位量θとの合成変位量の検出に基づいて変速比を制御しており、変速比はオーバーシュートを繰り返しながら収束する傾向がある。変速比の収束過程における自己同期作用は、プリセスカム53が設けられたトラニオン63に回転自在に支持されたパワーローラ66の傾転に対して常にブレーキをかける方向に作用し、パワーローラ66の傾転角は、他のトラニオン33,37のパワーローラ6,9の傾転角との間に存在する傾転角であって、自己同期作用で定まる傾転角になろうとする。その結果、変速比のオーバーシュート量が従来に比べて低減され、変速比の収束を速することにもなり、車両の運転者に変速時の違和感を与えることがない。
【0035】
上記実施例では、コントローラ52は、プリセスカム53が検出した合成変位量を、対応する電圧値に変換するポテンショメータ55を備えるものとして、また、変速比制御弁であるスプール弁48はソレノイド弁51からの油圧によって制御されるものとして説明したが、コントローラ52による変速比制御弁の制御は、この実施例における制御態様に限らず、他の態様も考えられる。例えば、プリセスカムが検出した合成変位量を変速比制御弁の直接的な機械的制御(例えば、リンク機構を用いる)に変換して用いてもよい。また、偏差を電圧値として得た場合においても、例えば、電圧値に基づいてモータの回転を制御し、そのモータの出力により変速比制御弁の弁操作を制御する態様等も考えられる。
【0036】
【発明の効果】
この発明によるトロイダル型無段変速機は、上記のように、プリセスカムが設けられたトラニオンの傾転軸方向の変位の全ストローク量をプリセスカムが設けられていないトラニオンの傾転軸方向の変位の全ストローク量よりも大きくしたものであるので、トラニオンに関連する部品の製造誤差によって、トラニオンの傾転軸方向の全ストローク量にバラツキが生じることがあっても、そのようなバラツキを充分吸収する程度に、プリセスカムが設けられたトラニオンの傾転軸方向の変位の全ストローク量は相対的に大きく設定されることになる。
【0037】
変速比幅が大きい場合の変速制御において、プリセスカムが設けられたトラニオンに回転自在に支持されるパワーローラの傾転速度が、プリセスカムが設けられていないトラニオンに回転自在に支持されるパワーローラの傾転速度よりも、大きくなる。目標変速比への収束の過程において、プリセスカムが設けられたトラニオンのパワーローラの傾転には、その他のトラニオンのパワーローラから、自己同期機能に基づいてブレーキがかかり、従来のトロイダル型無段変速機に見られたようなプリセスカムが設けられたトラニオンのパワーローラの傾転角のオーバーシュート量が意図せずに大きくなるという事態を防ぐことができる。プリセスカムが設けられたトラニオンのパワーローラの傾転角のオーバーシュート量が少なくなれば、プリセスカムが検出する合成変位量、即ち変速比制御の制御情報となる電圧値は目標電圧値により近いものとなり、変速比の収束を速めることにもなる。また、プリセスカムが設けられないトラニオンの傾転軸方向の変位の全ストローク量は、プリセスカムが設けられたトラニオンの傾転軸方向の変位の全ストローク量以下であればよく、全てのトラニオンの傾転軸方向の変位の全ストローク量を揃える必要はなく、製造誤差加工精度が緩和される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるトロイダル型無段変速機の一実施例を示す断面図である。
【図2】従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す断面図である。
【図3】図2に示すトロイダル型無段変速機の制御装置を含んだ全体構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1,2 トロイダル変速部
3 主軸
4,7 入力ディスク
5,8 出力ディスク
6,9,66 パワーローラ
11 傾転軸
13 入力軸
22 出力軸
33,37,63 トラニオン
34,38 回転支軸
41,44,71 ピストン
42,45,72 油圧シリンダ
43A,43B,46A,46B,73A,73B シリンダ室
48 スプール弁
49 スプール
51A,51B ソレノイド弁
52 コントローラ
53 プリセスカム
55 ポテンショメータ
Y 傾転軸方向変位量
θ 傾転角変位量
V 電圧値
V0 目標電圧値
Ve 偏差
e0 目標変速比
Claims (4)
- 対向して配置された入力ディスクと出力ディスク、前記両ディスクに対する傾転角度の変化に応じて前記入力ディスクの回転を無段階に変速して前記出力ディスクに伝達する複数のパワーローラ、前記各パワーローラを回転自在に支持した傾転軸方向に変位可能なトラニオン、前記各トラニオンを傾転軸方向に変位させる二つのシリンダ室を有する油圧シリンダ、変速比を制御するため前記シリンダ室への油圧を調整する変速比制御弁、前記トラニオンに設けられており且つ前記トラニオンの傾転軸方向変位量と前記パワーローラの傾転角変位量との合成変位量を検出するプリセスカム、及び前記変速比を目標変速比へ制御するため前記目標変速比と前記合成変位量とに基づいて前記変速比制御弁を制御するコントローラを具備し、前記プリセスカムが設けられた前記トラニオンの傾転軸方向の変位の全ストローク量を前記プリセスカムが設けられていない前記トラニオンの傾転軸方向の変位の全ストローク量よりも大きくしたことから成るトロイダル型無段変速機。
- 前記変速比制御弁はスプールが中立位置にある状態で前記シリンダ室を遮断し且つ前記スプールが前記中立位置から変位した状態で前記各シリンダ室を油圧源とリザーバとにそれぞれ選択的に連通させるスプール弁を備え、前記スプールの位置が前記コントローラによって制御される請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
- 前記コントローラは、前記合成変位量を対応する電圧値に変換するポテンショメータを備え、前記電圧値と前記目標変速比に対応する目標電圧値との偏差に応答して前記変速比制御弁を制御する請求項1又は2に記載のトロイダル型無段変速機。
- 前記変速比制御弁は、前記偏差に応答して前記スプールの両端に作用する油圧を調整するソレノイド弁を有する請求項3に記載のトロイダル型無段変速機。
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