JPH08233008A - ラバーブッシュ及びその製造方法 - Google Patents

ラバーブッシュ及びその製造方法

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JPH08233008A
JPH08233008A JP4274695A JP4274695A JPH08233008A JP H08233008 A JPH08233008 A JP H08233008A JP 4274695 A JP4274695 A JP 4274695A JP 4274695 A JP4274695 A JP 4274695A JP H08233008 A JPH08233008 A JP H08233008A
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JP
Japan
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peripheral surface
cylindrical body
press
rubber elastic
elastic body
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Pending
Application number
JP4274695A
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English (en)
Inventor
Akihiko Wake
昭彦 和気
Osamu Hashimoto
治 橋本
Keiichi Funakoshi
恵一 船越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurashiki Kako Co Ltd
Original Assignee
Kurashiki Kako Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高圧入率化による軸直角方向の高剛性化及び
ねじり方向の低剛性化という性能向上と、出入寸法精度
の維持・向上との両立を図る。 【構成】 内筒体用金属パイプをインサート材とする一
体加硫成形により内筒体1の外周面11に加硫接着され
た状態のゴム弾性体3を成形する。この際、ゴム弾性体
の肉厚を25〜35%の高圧入率となるように設定し、
外周面32の筒軸X方向中央位置に周方向全周に所定断
面形状の凹部5を形成する。一方、外筒体用金属パイプ
の内周面を切削加工してその内周面の筒軸方向中央位置
に周方向全周にわたり所定断面形状の凸部4を有する外
筒体2を形成する。この後、上記内筒体及びゴム弾性体
を外筒体の一端開口から圧入開始し、凸部が凹部に嵌合
した時点で圧入作業を停止して内筒体と外筒体との筒軸
X方向に対する所定の相対組付け位置に位置決めし、高
圧入率に伴う高圧縮復元力により位置固定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車のサスペ
ンション用ブッシュの如く筒軸に直交する方向の支持特
性を高剛性(硬)にし、かつ、筒軸回りのねじり方向の
支持特性を低剛性(軟)にするために用いられるラバー
ブッシュ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ラバーブッシュとしては、内
筒体と、外筒体と、両筒体間に配設され両筒体を互いに
連結するドーナッツ状のゴム弾性体とからなるものがよ
く知られている。
【0003】そして、実開昭53−115287号公報
には、ラバーブッシュの製造方法として、内筒体の外周
面に対しゴム弾性体を一体に接着し、この際、そのゴム
弾性体の外径を外筒体の内径よりも大とする一方、その
軸方向中央の外周面に環状溝の形成により窪みを形成し
ておき、その窪みを有するゴム弾性体を外筒体内に圧入
することが記載されている。そして、上記窪みの存在に
よって、内外筒体間のゴム弾性体を予圧状態にしつつ、
外筒体内への内筒体及びゴム弾性体の圧入組付けの容易
化を図るようにしている。
【0004】また、実開昭57−59235号公報に
は、内筒体の外周面に対し一体に接着したゴム弾性体の
軸方向両外側端部の周囲に環状凹溝を形成し、その環状
凹溝から外側端にかけてゴム弾性体の外径を徐々に縮径
する一方、両環状凹溝間のゴム弾性体の外径を外筒体の
内径より大とし、筒軸方向両外側端部に環状凸条を形成
した外筒体に対し上記内筒体及びゴム弾性体を圧入した
後、外筒体の両外側端を内方に絞り込むことが記載され
ている。そして、上記外筒体の両環状凸条間に挟まれた
ゴム弾性体の中間部位が圧縮されることにより、内外両
筒体間の筒軸方向に対するずれ移動を規制して抜け止め
効果を発揮させるとともに、上記筒軸方向に対するばね
定数を高めるようにしている。
【0005】一方、上述の如きサスペンション用ブッシ
ュにおいては、自動車の操縦安定性及び乗り心地の向上
を図る上で、ラバーブッシュの筒軸に直交する方向(以
下、軸直角方向という)の弾性支持特性をできるだけ硬
く、かつ、上記筒軸回りのねじり方向の弾性支持特性を
できるだけ軟らかいものにしたいという要求性能の実現
が求められている。そして、このような性能を実現させ
る方法として、内筒体の外周面に一体に接着したゴム弾
性体を外筒体に圧入させるに際し、できるだけ圧入率を
高くすることが一般に行われている。すなわち、圧入前
のゴム弾性体の厚みを内外筒体間の間隔よりもできるだ
け大として圧入率が高くなるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
圧入率を高める製造方法においては、圧入率を単に高め
るだけでは、内筒体と外筒体との筒軸方向に対する相互
位置が決まり難く、その外筒体及び内筒体の筒軸方向に
対する相互間の寸法精度(出入寸法精度)の悪化を招く
上、圧入後に修正工程が必要になって工数の増大を招く
ことになる。すなわち、高圧入率となるようにゴム弾性
体の厚みを増大化させる程、より高い圧力が必要になっ
て圧入作業が困難になるため、所定位置で圧入を停止す
べきところを僅かに行き過ぎたり、逆に手前で停止させ
たりすることが発生し易く、出入寸法精度の悪化や、再
圧入・逆方向押圧等の修正作業が必要になり圧入工数の
増大を招くことなる。このため、ラバーブッシュ製造に
対するコストが増大化する上、所定の出入寸法精度を確
保し得るゴム弾性体の再設計が必要になる等の作業工数
が増大化する。
【0007】一方、上記の所定の出入寸法精度の維持,
向上を図ろうとすると、圧入率の増大には限度があり
(例えば、Max20%程度)、サスペンション用ブッ
シュとしての性能の向上が図り得ないことになる。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、高圧入率化に
よる軸直角方向の高剛性化及びねじり方向の低剛性化と
いう性能向上と、出入寸法精度の維持,向上との両立を
図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1〜請求項8記載の発明は、内筒体と、この
内筒体の外周面を囲むように上記内筒体の筒軸に平行に
配置された外筒体と、これら両筒体間に配設されて両筒
体を互いに連結するゴム弾性体とを備え、このゴム弾性
体の内周面が内筒体の外周面に対し一体に接着され、上
記ゴム弾性体の外周面が外筒体の内周面に対し上記内筒
体及びゴム弾性体の上記外筒体への筒軸方向に対する圧
入により上記ゴム弾性体が径方向に圧縮された状態で接
合されているラバーブッシュを前提とする。そして、こ
のものにおいて、請求項1記載の発明は、上記内筒体と
ゴム弾性体との接合面を構成する外筒体の内周面及びゴ
ム弾性体の外周面の内の一方の周面に筒軸方向中間位置
に上記筒軸に直交する方向に突出する凸部を形成し、他
方の周面に上記内筒体と外筒体との筒軸方向相対位置を
所定位置に位置付けるよう上記凸部と対応する筒軸方向
位置に上記筒軸に直交する方向に凹んで上記凸部が内嵌
する凹部を形成し、この凹部内に上記凸部が内嵌して内
筒体と外筒体との筒軸方向に対する相対位置が固定され
ているように構成するものである。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、内筒体と外筒体とを、共に円筒形に形成す
るとともに、互いに同軸に配置し、凸部を上記外筒体の
内周面の筒軸方向中央位置近傍において径方向内方に突
出して周方向全周にわたり連続して形成し、凹部をゴム
弾性体の外周面の筒軸方向中央位置近傍において径方向
内方に凹んで周方向全周にわたり連続して形成する。そ
して、上記凹部を上記外筒体への圧入前において上記凸
部より大きい断面形状を有するように形成するものであ
る。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、凸部を略三角形の横断面形状に形成し、凹
部を上記凸部の横断面形状に対応する略Vの字形断面形
状に形成し、かつ、上記凸部の頂部及び上記凹部の底部
を滑らかに屈曲する円弧状に形成するものである。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、凸部の突出高さを外筒体の内径寸法の0.
02倍から0.05倍の範囲に設定するするものであ
る。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項3記載の発
明において、凸部の筒軸方向形成範囲を凹部の筒軸方向
形成範囲と等しいか大とし、上記凸部の径方向突出高さ
を凹部の径方向深さよりも大とするものである。
【0014】請求項6記載の発明は、請求項1〜請求項
5のいずれか1に記載の発明において、内筒体の外周面
と外筒体の内周面との径方向間隔に対する、圧入前のゴ
ム弾性体の径方向肉厚から内筒体の外周面と外筒体の内
周面との径方向間隔を減じた寸法の比率である圧入率が
25%から35%の範囲の高圧入率になるようにゴム弾
性体を外筒体に対し圧入したものである。
【0015】また、請求項7記載の発明は、請求項6記
載の発明において、ゴム弾性体の肉厚を、16mmから
30mmの外径を有する内筒体に対し2mmから5mm
の範囲の薄肉のものとするものである。
【0016】さらに、請求項8記載の発明は、請求項6
記載の発明において、外筒体の側に設けた凸部の頂部位
置の内径を外筒体の内径とする場合における圧入率が最
大で60%以下になるように、上記凸部の突出高さを設
定するものである。
【0017】一方、請求項9〜請求項16に記載の発明
は、内筒体の外周面に対し、この内筒体の周囲を内筒体
と外筒体との間隙よりも分厚い所定厚みで覆うゴム弾性
体を一体に接着するゴム弾性体接着工程と、このゴム弾
性体接着工程により内筒体と一体に連結されたゴム弾性
体の外周面を外筒体の内周面に対し圧入する圧入工程と
を備えたラバーブッシュの製造方法を前提とする。そし
て、このものにおいて、請求項9記載の発明は、上記圧
入工程の前に、ゴム弾性体の外周面及び外筒体の内周面
の内の一方の周面の筒軸方向中間位置にその筒軸に直交
する方向に突出する凸部を形成するとともに、他方の周
面に上記内筒体と外筒体との筒軸方向相対位置を互いに
位置付けるよう上記凸部と対応する筒軸方向位置に上記
筒軸に直交する方向に凹んで上記凸部が内嵌し得る凹部
を形成する位置決め部形成工程を行う。そして、上記圧
入工程を、上記内筒体及びゴム弾性体を外筒体に対し筒
軸方向一端側から圧入を開始し、上記凸部が凹部内に内
嵌した時点でその圧入を終了することにより行う構成と
するものである。
【0018】請求項10記載の発明は、請求項9記載の
発明において、ゴム弾性体接着工程において接着するゴ
ム弾性体を、そのゴム弾性体の外周面が内筒体の筒軸を
中心とする円周面となるように形成し、位置決め部形成
工程において、凸部を円形断面の外筒体の内周面の筒軸
方向中央位置近傍において径方向内方に突出して周方向
全周にわたり連続して形成し、凹部を上記外筒体の内周
面と同心円を構成するゴム弾性体の外周面に対しその筒
軸方向中央位置近傍において径方向内方に凹んで上記凸
部より大きい断面形状で周方向全周にわたり連続して形
成する。そして、圧入工程において、上記ゴム弾性体を
外筒体に対し上記内筒体の筒軸と同軸に圧入するもので
ある。
【0019】請求項11記載の発明は、請求項9または
請求項10記載の発明において、位置決め部形成工程に
おいて、凸部を横断面形状が略三角形になるように形成
する一方、凹部を横断面形状が上記凸部の横断面形状に
対応する略Vの字形になるように形成し、かつ、上記凸
部の頂部及び上記凹部の底部が滑らかに屈曲する円弧状
になるように形成するものである。
【0020】請求項12記載の発明は、請求項9または
請求項10記載の発明において、位置決め部形成工程に
おいて、凸部の突出高さを外筒体の内径寸法の0.02
倍から0.05倍の範囲に設定するものである。
【0021】請求項13記載の発明は、請求項9または
請求項10記載の発明において、位置決め部形成工程に
おいて、凸部と凹部とを、圧入工程による圧入により上
記凸部が凹部に内嵌する際にゴム弾性体の圧縮によって
凸部の筒軸方向幅が凹部の筒軸方向幅と等しいか大でか
つ凸部の径方向突出高さが凹部の径方向深さよりも大と
なるような断面形状に形成するものである。
【0022】請求項14記載の発明は、請求項9〜請求
項13のいずれか1に記載の発明において、圧入工程に
おいて、内筒体の外周面と外筒体の内周面との径方向間
隔に対する、圧入前のゴム弾性体の径方向肉厚から内筒
体の外周面と外筒体の内周面との径方向間隔を減じた寸
法の比率である圧入率を25%から35%の範囲の高圧
入率に設定したゴム弾性体を外筒体に対し圧入するもの
である。
【0023】また、請求項15記載の発明は、請求項1
4記載の発明において、ゴム弾性体の肉厚は、圧入後に
おいて、16mmから30mmの外径を有する内筒体に
対し2mmから5mmの範囲の薄肉のものとするもので
ある。
【0024】さらに、請求項16記載の発明は、請求項
14記載の発明において、位置決め部形成工程におい
て、圧入工程におけるゴム弾性体が外筒体の側に設けら
れた凸部の頂部位置を通過する際の圧入率が最大で60
%以下になるような突出高さに凸部を形成するものであ
る。
【0025】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
内筒体と、この内筒体の外周面に対し一体に接着された
ゴム弾性体とが、外筒体に対して圧入されてそのゴム弾
性体が径方向に圧縮された状態で上記外筒体に接合され
る際、その接合面を構成する外筒体の内周面及びゴム弾
性体の外周面の内の一方周面に形成された凸部が他方周
面に形成された凹部に内嵌した時点で圧入の進行を停止
することにより、内筒体と外筒体との筒軸方向に対する
相対組付け位置が確実に所定位置に位置付けられ、その
相対位置に固定される。そして、上記の所定の相対組付
け位置への位置付けが凸部と凹部との嵌合を基準として
容易かつ確実に行い得るため、軸直角方向の高剛性化か
つねじり方向の低剛性化という性能を向上させるための
ゴム弾性体の高圧入率化が可能になる。従って、出入寸
法精度の向上と、高圧入率化による性能向上との両立が
図られる。
【0026】請求項2または請求項10記載の発明で
は、内筒体と外筒体とが共に円筒形で互いに同軸に配置
され、筒軸方向中央位置近傍の内周面に凸部が全周にわ
たり形成された外筒体に対し、筒軸方向中央位置近傍に
凹部が全周にわたり形成されたゴム弾性体が圧入される
ことになる。そして、その圧入の際、上記凹部が圧入前
においては上記凸部より大きい断面形状を有するように
形成されているため、ゴム弾性体が圧入に伴い圧縮され
上記凹部の断面形状が凸部のそれに対応する形状に縮
み、凸部の凹部への内嵌による相対組付け位置の位置決
め及びその固定が確実になる。
【0027】請求項3または請求項11記載の発明で
は、凸部が略三角形断面に、凹部が略Vの字形断面に形
成されているため、上記の凸部の凹部への内嵌による相
対組付け位置の位置決め及びその固定がより一層確実に
なる。しかも、その内嵌までの圧入に際し、上記凸部の
頂部が滑らかに屈曲する円弧状に形成されているため、
その分、圧入の容易化が図られる上、上記凹部の底部が
滑らかに屈曲する円弧状に形成されているため、その凹
部を鋭角な切れ込み状に形成する場合と比べゴム弾性体
の凹部位置からの破損の防止が図られる。
【0028】請求項4または請求項12記載の発明で
は、凸部の突出高さが外筒体の内径寸法の0.02倍〜
0.05倍の範囲に設定されているため、上記の内嵌ま
での圧入に際する圧入容易化及び破損防止と、内嵌によ
る相対組付け位置の位置決め及び固定の確実化とがより
確実に図り得る形状寸法が具体化される。
【0029】請求項5または請求項13記載の発明で
は、凸部の筒軸方向形成範囲が凹部の筒軸方向形成範囲
と等しいか大とされている一方、上記凸部の突出高さが
凹部の径方向深さよりも大とされているため、凸部の凹
部への内嵌状態では凹部側のゴム弾性体から凸部に対し
圧縮力が作用するため、凸部と凹部との内嵌による相対
組付け位置の位置決めが確実になるとともに、その位置
への固定がより強固になる。
【0030】請求項6または請求項14記載の発明で
は、ゴム弾性体が25%〜35%の高圧入率で圧入され
内外両筒体間に高圧縮状態で介在されるため、軸直角方
向の高剛性化及びねじり方向の低剛性化という性能のよ
り一層の向上が図られる。
【0031】請求項7または請求項15記載の発明で
は、16mm〜30mmの範囲の外径を有する内筒体に
対し、ゴム弾性体が2mm〜5mmの範囲という薄肉厚
のものに特定されているため、軸直角方向のより一層の
高剛性化が図られる。
【0032】請求項8または請求項16記載の発明で
は、外筒体の側に設けられた凸部の頂部位置の内径を外
筒体の内径とする場合における圧入率が最大で60%以
下になるように、上記凸部の突出高さが設定されている
ため、ゴム弾性体が上記外筒体の凸部位置の最狭部を通
過する際の圧縮度合いが特定され、圧入作業が可能な限
度内での高圧入率化が具体的に図り得る。
【0033】一方、請求項9記載の発明では、圧入工程
の前に位置決め部形成工程とゴム弾性体接着工程とが行
われ、その位置決め形成工程において、ゴム弾性体の外
周面及び外筒体の内周面の内の一方の周面に凸部が形成
され、他方の周面に凹部が形成される。上記ゴム弾性体
接着工程が、内筒体をインサート材とするゴム弾性体の
一体加硫成形により内筒体の外周面に対しゴム弾性体を
加硫接着するものである場合には、ゴム弾性体の外周面
への凹部もしくは凸部を形成する位置決め部形成工程と
ゴム弾性体接着工程とは同工程により行われる。そし
て、圧入工程においては、上記の位置決め部形成工程に
より外周面に凹部もしくは凸部が形成されたゴム弾性体
と、ゴム弾性体接着工程によりこのゴム弾性体と一体に
接着された内筒体とが、同じく上記の位置決め部形成工
程により内周面に凸部もしくは凹部が形成された外筒体
内に筒軸方向一体側から圧入され、その後、上記の凸部
と凹部とが内嵌した時点でその圧入が終了される。
【0034】このような工程において、上記凸部と凹部
とは筒軸方向に対する内筒体と外筒体との相対位置が所
定位置になるように位置付けられているため、上記の内
嵌により内筒体と外筒体とが筒軸方向に対し確実に所定
の相対組付け位置に位置付けられ、ゴム弾性体の圧縮復
元力によってその位置に固定される。このように、上記
の凸部と凹部との内嵌時点で圧入の進行を停止すること
により出入寸法精度として所定のものが得られるため、
出入寸法精度面からの高圧入率化を抑制する障害が除去
され、圧入作業を行い得る限度までの高圧入率化が可能
になる。従って、出入寸法精度の向上と、高圧入率化に
よる性能向上との両立が図られる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。
【0036】図1及び図2は、本発明の実施例に係るラ
バーブッシュを示し、1は円筒形の内筒体、2はこの内
筒体1の筒軸Xと同軸に配置された円筒形の外筒体、3
はこれら内外両筒体1,2の間に介在して両筒体1,2
を互いに連結する略ドーナッツ形のゴム弾性体である。
【0037】上記内筒体1の外周面11と、ゴム弾性体
3の内周面31とは、そのゴム弾性体3の上記内筒体1
をインサート材とする一体加硫成形時に予め加硫接着さ
れた状態になっている。一方、上記ゴム弾性体3は上記
筒軸Xを中心とする径方向に所定の高圧縮状態で内外両
筒体1,2間に介装されており、これにより、上記ゴム
弾性体3の外周面32と、外筒体2の内周面21とは、
間に接着材を介して、もしくは接着材なしで、そのゴム
弾性体3の圧縮復元力により圧着した状態になってい
る。
【0038】上記ゴム弾性体3は、後述の如く所定の高
圧入率で外筒体2内に圧入され、これにより、軸直角方
向である径方向に対し高圧縮状態にされ、また、内筒体
1の外径に対し相対的に薄肉厚のものになるようにされ
ている。具体的には、例えば内筒体1の外径が16〜3
0mmであれば、ゴム弾性体3の肉厚は2〜5mmにな
るようにされている。これにより、上記ゴム弾性体3に
よる内筒体1と外筒体2との間の相対支持特性が、軸直
角方向の入力に対しては上記のゴム弾性体3の高圧縮状
態に基づいて極めて高い剛性を有する、すなわち、硬く
される一方、上記筒軸Xを中心とするねじり方向の入力
に対しては上記の圧縮の度合いが大きい程ゴム弾性体の
ねじり方向への弾性範囲内で許容し得るずれ量が大きく
なることに基づいて極めて低い剛性を有する、すなわ
ち、軟らかくなるようにされている。
【0039】上記の圧入率(見掛けの圧入率Pe )は、
図3に圧入前の状態を示すように、外筒体2の内径D
と、内筒体1の外径d1 と、内筒体1に加硫接着された
状態で圧入前の無負荷状態におけるゴム弾性体3の外径
d2 とに基づいて、次式により定義される。
【0040】 Pe =100{(d2 −d1 )−(D−d1 )}/(D−d1 )……(1) すなわち、上記圧入率Pe は、内外両筒体1,2間の間
隔(D−d1 )に対する、ゴム弾性体3の圧入前の径方
向肉厚から上記間隔分を減じた寸法の比率を百分率によ
り表したものである。つまり、圧入率Pe は圧入前のゴ
ム弾性体3の径方向肉厚が圧入後の肉厚(上記間隔に対
応)よりもどの程度分厚いかの度合いを表している。
【0041】そして、上記ゴム弾性体3は、圧入前の肉
厚が圧入率Pe において25〜35%程度の高圧入率に
なるように設定されており、これが外筒体2に圧入され
ることにより上記高圧入率に対応する高圧縮状態に圧縮
される。圧入率が20%程度以下の場合には、後述の凸
部4と凹部5との内嵌による位置決めを行わなくても圧
入作業性及び出入寸法精度の確保にそれ程の困難性はな
く、一方、圧入率が40%程度以上の場合には、圧入後
のゴム弾性体3を上記の如き薄肉厚にするには圧入自体
が困難になる。
【0042】加えて、上記外筒体2の内周面21の筒軸
X方向中央位置において径方向内方に突出する凸部4が
周方向全周にわたり連続して形成されている一方、上記
ゴム弾性体3の外周面32の筒軸X方向中央位置におい
て径方向内方に凹む凹部5が周方向全周にわたり連続し
て形成されており、上記凸部4が凹部5に密着して内嵌
した状態で上記ゴム弾性体3の外周面32は外筒体2の
内周面21に圧着している。
【0043】上記凸部4及び凹部5の形状,寸法は、内
筒体1に加硫接着されたゴム弾性体3が外筒体2内に圧
入することができ、かつ、上記凸部4が凹部5に内嵌す
ることにより内筒体1と外筒体2との筒軸X方向の相対
組付け位置を位置決めしかつその位置を固定し得るよう
に定められている。図例のものにおいては、上記凸部4
は、略三角形であって、その頂部が滑らかに屈曲する円
弧状にされた断面形状を有するように形成され、一方、
上記凹部5は、上記凸部4の断面形状に対応する略Vの
字形であって、その底部が滑らかに屈曲する円弧状にさ
れた断面形状を有するように形成されている。
【0044】そして、上記凸部4の径方向の突出高さh
1 は、一般的なサスペンション用ラバーブッシュにおい
て用いられる外筒体2に対し、その内径Dの0.02〜
0.05倍となるように定められる。具体的には、例え
ば、上記のサスペンション用ラバーブッシュの外筒体2
としては、内径Dが50mm以下で、筒軸X方向長さが
50mm以下のものが用いられ、このようなサイズの外
筒体2に対し凸部4は頂部位置で1〜2.5mmの突出
高さh1 を有し筒軸X方向に3〜5mmの幅b1 となる
ように形成される。
【0045】また、上記凸部4の突出高さh1 は、ゴム
弾性体3との関係において、外筒体2の最狭部位置とな
るその凸部4位置を上記内筒体1に加硫接着されたゴム
弾性体3が圧入し得る限度内に設定され、その凸部4の
頂部位置における内径D′を外筒体2の内径Dの代わり
に上記(1)式に代入した場合の圧入率Pe ′が最大で
も60%になるように定められる。つまり、上記凸部4
の突出高さh1 は内筒体1及び外筒体2の相対組付け位
置の位置決め及び位置固定を行う上で大である程好まし
いが、ゴム弾性体3の外周面32が外筒体2の上記凸部
4位置を通過する際の圧入率Pe ′が60%以下になる
ように制限を与えて、上記の高圧入率での圧入作業を可
能としている。
【0046】上記の凸部4は図例においては、外筒体2
を構成する金属パイプの内周面を削り出すことにより所
定形状に形成しているが、この他に、外周面側からの絞
りによって内周面を内方に突出させるようにしてもよ
い。
【0047】一方、上記凹部5は、圧入前においては、
凸部4の断面形状よりも大きい断面形状になるように形
成され、すなわち、上記凸部4の筒軸X方向幅b1 より
も大きい幅b2 を有し、その径方向深さh2 が上記凸部
4の突出高さh1 よりも大きい寸法に設定されている。
加えて、圧入されて上記凹部5に凸部4が内嵌した状態
においては、上記凹部5はゴム弾性体3の圧縮に伴い、
凸部4の断面形状よりも小さい断面形状になるように形
成され、すなわち、上記凸部4の筒軸X方向幅b1 と等
しいか小さい幅で、上記凸部4の突出高さh1 よりも小
さい径方向深さになるように設定されている。
【0048】つまり、ゴム弾性体3の外筒体2への圧入
に伴い圧縮されて上記凹部5が幅方向に縮み気味になる
とともに、径方向にも縮み気味になることを考慮し、ま
た、圧入により凸部4が凹部5に内嵌する際においては
その凹部5の断面形状よりも金属製の凸部4の断面形状
の方が大である方が内筒体1と外筒体2との相対組付け
位置の位置決めが決まり易く、かつ、その位置固定が強
固になることを考慮したものである。
【0049】次に、上記構成のラバーブッシュの製造方
法について説明する。
【0050】上記のラバーブッシュを製造するには、ま
ず、内筒体用金属パイプと、外筒体用金属パイプとを準
備した後、その内筒体用金属パイプをインサート材とす
る一体加硫成形により内筒体1に一体化されたゴム弾性
体3を成形する一体加硫成形工程と、上記外筒体用金属
パイプの内周面を切削加工してその内周面の所定位置に
上記の如き所定断面形状の凸部4を有する外筒体2を形
成する外筒体成形工程とを互いに個別に行う。この後、
上記内筒体1及びこれと一体化されたゴム弾性体3を上
記外筒体2内に圧入する圧入工程を行って終了する。
【0051】以下、各工程を詳細に説明すると、上記一
体加硫成形工程では、成形金型のキャビティ内面に凹部
5を形成するための凸条部が形成されており、この成形
金型に注入された未加硫ゴムを加硫することにより、外
周面32に所定断面形状の凹部5が形成されたゴム弾性
体3が内筒体1の外周面11に加硫接着された状態で形
成される。従って、この一体加硫成形工程によって、内
筒体1の外周面11にゴム弾性体3の内周面31を接着
するゴム弾性体接着工程と、このゴム弾性体3の外周面
32に凹部5を形成する位置決め部形成工程とが同時に
行われる。この一体加硫成形工程において形成されるゴ
ム弾性体3の径方向肉厚は、上記外筒体2の内径Dとの
関係で圧入率が25〜35%の高圧入率となり、かつ、
上記外筒体成形工程において形成される凸部4の突出高
さh1 との関係で最狭部位置(内径D′位置)における
圧入率が60%以下になるように定められる。
【0052】また、上記外筒体成形工程によって、外筒
体2の内周面21に凸部4を形成する位置決め部形成工
程が行われる。
【0053】そして、上記圧入工程では、内筒体1及び
ゴム弾性体3を外筒体2の筒軸X方向一端から圧入を開
始し、外筒体2の凸部4にゴム弾性体3の凹部5が相互
に嵌合した時点で圧入作業を停止する。上記の嵌合によ
り、内筒体1と外筒体2との相対組付け位置が所定位置
に位置決めされ、その位置で圧入が停止されることによ
りゴム弾性体3の圧縮復元力が作用して位置固定され
る。このため、内筒体1と外筒体2との筒軸X方向に対
する相対関係を規定する出入寸法S(図1参照)を確実
に所定寸法にすることができ、その出入寸法精度の維
持,向上を図ることができる。このため、出入寸法精度
面からの高圧入率化を抑制する障害が除去され、圧入作
業を行い得る限度までの高圧入率化が可能になる。従っ
て、出入寸法精度の向上と、高圧入率化による性能向上
との両立を図ることができる。なお、上記の圧入に先だ
って、ゴム弾性体3の外周面32及び外筒体2の内周面
21のいずれか一方もしくは双方に接着材を塗布し、こ
の塗布した状態で圧入を行うことにより、ゴム弾性体3
の外周面32と外筒体2の内周面21との接合が上記の
圧縮復元力と接着材による接着とによってより強固に行
うことができる。
【0054】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、その他種々の変形例を包含するものであ
る。すなわち、上記実施例では、外筒体2側に凸部4
を、ゴム弾性体側に凹部5を形成しているが、これに限
らず、例えば逆に配置してもよい。すなわち、外筒体の
内周面に径方向外方に凹む凹部を形成し、この凹部に内
嵌する凸部をゴム弾性体の外周面に径方向外方に突出す
るように形成する。
【0055】上記実施例では、凸部4及び凹部5をそれ
ぞれ筒軸X方向中央位置に形成したものを示したが、こ
れに限らず、その形成位置は筒軸方向の中間位置であれ
ばよい。
【0056】上記実施例では、ゴム弾性体3の外周面3
2及び外筒体2の内周面21が円周面、すなわち、円形
断面である場合を示したが、これに限らず、例えば角形
断面のものに適用してもよい。
【0057】また、上記実施例では、凸部4及び凹部5
を周方向の全周にわたり連続して形成したものを示した
が、これに限らず、例えば、それぞれ周方向の一部に形
成してもよい。また、凹部を周方向全周に形成し、凸部
を周方向一部に形成するようにしてもよい。
【0058】さらに、外筒体を円形断面にする場合、外
筒体の内周面とゴム弾性体の外周面とは同心円状にする
必要があるが、内筒体は上記外筒体に対し必ずしも同軸
位置に配置する必要はない。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明におけるラバーブッシュによれば、内筒体と、この内
筒体の外周面に対し一体に接着されたゴム弾性体とを、
外筒体に対して圧入してゴム弾性体を径方向に圧縮した
状態で上記外筒体に接合させる際に、その接合面を構成
する外筒体の内周面及びゴム弾性体の外周面の内の一方
周面に形成した凸部を他方周面に形成された凹部に内嵌
した状態になるようにしているため、その内嵌によっ
て、内筒体と外筒体との筒軸方向に対する相対組付け位
置を確実に所定位置に位置付けることができ、かつ、そ
の相対位置に固定させることができる。そして、上記の
所定の相対組付け位置への位置付けが凸部と凹部との嵌
合を基準として容易かつ確実に行い得るため、軸直角方
向の高剛性化かつねじり方向の低剛性化という性能を向
上させるためのゴム弾性体の圧入率の増大化を実現する
ことができる。従って、出入寸法精度の向上と、高圧入
率化による性能向上との両立を図ることができる。
【0060】請求項2または請求項10記載の発明によ
れば、筒軸方向中央位置近傍の内周面に凸部を全周にわ
たり連続して形成した円筒形の外筒体に対し、筒軸方向
中央位置近傍に凹部を全周にわたり連続して形成したゴ
ム弾性体及び内筒体を同軸に圧入し、その圧入の際、上
記凹部を圧入前においては上記凸部より大きい断面形状
を有するように形成しているため、ゴム弾性体が圧入に
伴い圧縮され上記凹部の断面形状が凸部のそれに対応す
る形状に縮んだ状態になり、その凹部部分から凸部に作
用する圧縮復元力によって、凸部の凹部への内嵌による
相対組付け位置の位置決め及びその固定を確実に行うこ
とができる。
【0061】請求項3または請求項11記載の発明によ
れば、凸部を略三角形断面に、凹部を略Vの字形断面に
形成しているため、上記の凸部の凹部への内嵌による相
対組付け位置の位置決め及びその固定をより一層確実に
行うことができる。しかも、その内嵌までの圧入に際
し、上記凸部の頂部を滑らかに屈曲する円弧状に形成し
ているため、その分、圧入の容易化を図ることができる
上、上記凹部の底部を滑らかに屈曲する円弧状に形成し
ているため、その凹部を鋭角な切れ込み状に形成する場
合と比べゴム弾性体の凹部位置からの破損の防止を図る
ことができる。
【0062】請求項4または請求項12記載の発明によ
れば、凸部の突出高さを外筒体の内径寸法の0.02倍
〜0.05倍の範囲に設定しているため、上記の内嵌ま
での圧入に際する圧入容易化及び破損防止と、内嵌によ
る相対組付け位置の位置決め及び固定の確実化とをより
具体的に図ることができる。
【0063】請求項5または請求項13記載の発明によ
れば、凸部の筒軸方向形成範囲を凹部の筒軸方向形成範
囲と等しいか大とする一方、上記凸部の突出高さを凹部
の径方向深さよりも大としているため、凸部の凹部への
内嵌状態では凹部側のゴム弾性体から凸部に対し圧縮力
が作用するため、凸部と凹部との内嵌による相対組付け
位置の位置決めを確実に行うことができるとともに、そ
の位置への固定をより強固に行うことができる。
【0064】請求項6または請求項14記載の発明によ
れば、ゴム弾性体を25%〜35%の高圧入率で圧入さ
せ内外両筒体間に高圧縮状態で介在させているため、軸
直角方向の高剛性化及びねじり方向の低剛性化という性
能のより一層の向上を図ることができる。
【0065】請求項7または請求項15記載の発明によ
れば、16mm〜30mmの範囲の外径を有する内筒体
に対し、ゴム弾性体として2mm〜5mmの範囲という
薄肉厚のものに特定しているため、軸直角方向のより一
層の高剛性化を図ることができる。
【0066】請求項8または請求項16記載の発明によ
れば、外筒体の側に設けられた凸部の頂部位置の内径を
外筒体の内径とする場合における圧入率が最大で60%
以下になるように、上記凸部の突出高さを設定している
ため、ゴム弾性体が上記外筒体の凸部位置の最狭部を通
過する際の圧縮度合いが特定され、圧入作業が可能な限
度内での高圧入率化を具体的に図ることができる。
【0067】一方、請求項9記載の発明のラバーブッシ
ュの製造方法によれば、位置決め部形成工程において形
成する凸部と凹部とを筒軸方向に対する内筒体と外筒体
との相対位置が所定位置になるように位置付けているた
め、圧入工程における凸部と凹部との内嵌により内筒体
と外筒体とを筒軸方向に対し確実に所定の相対組付け位
置に位置付けることができ、ゴム弾性体の圧縮復元力に
よってその位置に固定することができる。このように、
上記の凸部と凹部との内嵌時点で圧入の進行を停止する
ことにより出入寸法精度の維持,向上を図ることができ
るため、出入寸法精度面からの高圧入率化を抑制する障
害が除去され、圧入作業を行い得る限度までの圧入率の
増大化を実現することができる。従って、ラバーブッシ
ュの製造において、出入寸法精度の向上と、高圧入率化
によるラバーブッシュの性能向上との両立を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るラバーブッシュの縦断面
図である。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3】図1のラバーブッシュの圧入前の分解状態を示
す縦断面図である。
【符号の説明】
1 内筒体 2 外筒体 3 ゴム弾性体 4 凸部 5 凹部 11 内筒体の外周面 21 外筒体の内周面 31 ゴム弾性体の内周面 32 ゴム弾性体の外周面 h1 凸部の径方向突出高さ h2 凹部の径方向深さ X 筒軸

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内筒体と、この内筒体の外周面を囲むよ
    うに上記内筒体の筒軸に平行に配置された外筒体と、こ
    れら両筒体間に配設されて両筒体を互いに連結するゴム
    弾性体とを備え、このゴム弾性体の内周面が内筒体の外
    周面に対し一体に接着され、上記ゴム弾性体の外周面が
    外筒体の内周面に対し上記内筒体及びゴム弾性体の上記
    外筒体への筒軸方向に対する圧入により上記ゴム弾性体
    が径方向に圧縮された状態で接合されているラバーブッ
    シュにおいて、 上記内筒体とゴム弾性体との接合面を構成する外筒体の
    内周面及びゴム弾性体の外周面の内の一方の周面には筒
    軸方向中間位置に上記筒軸に直交する方向に突出する凸
    部が形成され、他方の周面には上記内筒体と外筒体との
    筒軸方向相対位置を所定位置に位置付けるよう上記凸部
    と対応する筒軸方向位置に上記筒軸に直交する方向に凹
    んで上記凸部が内嵌する凹部が形成され、この凹部内に
    上記凸部が内嵌して内筒体と外筒体との筒軸方向に対す
    る相対位置が固定されていることを特徴とするラバーブ
    ッシュ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 内筒体と外筒体とは、共に円筒形に形成されているとと
    もに、互いに同軸に配置され、 凸部は上記外筒体の内周面の筒軸方向中央位置近傍にお
    いて径方向内方に突出して周方向全周にわたり連続して
    形成され、凹部はゴム弾性体の外周面の筒軸方向中央位
    置近傍において径方向内方に凹んで周方向全周にわたり
    連続して形成され、 上記凹部は上記外筒体への圧入前において上記凸部より
    大きい断面形状を有するように形成されていることを特
    徴とするラバーブッシュ。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 凸部は略三角形の横断面形状に形成され、凹部は上記凸
    部の横断面形状に対応する略Vの字形断面形状に形成さ
    れており、かつ、上記凸部の頂部及び上記凹部の底部が
    滑らかに屈曲する円弧状に形成されていることを特徴と
    するラバーブッシュ。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 凸部の突出高さが外筒体の内径寸法の0.02倍から
    0.05倍の範囲に設定されていることを特徴とするラ
    バーブッシュ。
  5. 【請求項5】 請求項3において、 凸部の筒軸方向形成範囲が凹部の筒軸方向形成範囲と等
    しいか大とされ、上記凸部の径方向突出高さが凹部の径
    方向深さよりも大とされていることを特徴とするラバー
    ブッシュ。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5までのいずれか1
    において、 内筒体の外周面と外筒体の内周面との径方向間隔に対す
    る、圧入前のゴム弾性体の径方向肉厚から内筒体の外周
    面と外筒体の内周面との径方向間隔を減じた寸法の比率
    である圧入率が25%から35%の範囲の高圧入率にな
    るようにゴム弾性体が外筒体に対し圧入されていること
    を特徴とするラバーブッシュ。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 ゴム弾性体の肉厚は、16mmから30mmの外径を有
    する内筒体に対し2mmから5mmの範囲の薄肉のもの
    であることを特徴とするラバーブッシュ。
  8. 【請求項8】 請求項6において、 外筒体の側に設けられた凸部の頂部位置の内径を外筒体
    の内径とする場合における圧入率が最大で60%以下に
    なるように、上記凸部の突出高さが設定されていること
    を特徴とするラバーブッシュ。
  9. 【請求項9】 内筒体の外周面に対し、この内筒体の周
    囲を内筒体と外筒体との間隙よりも分厚い所定厚みで覆
    うゴム弾性体を一体に接着するゴム弾性体接着工程と、
    このゴム弾性体接着工程により内筒体と一体に連結され
    たゴム弾性体の外周面を外筒体の内周面に対し圧入する
    圧入工程とを備えたラバーブッシュの製造方法におい
    て、 上記圧入工程の前に、ゴム弾性体の外周面及び外筒体の
    内周面の内の一方の周面の筒軸方向中間位置にその筒軸
    に直交する方向に突出する凸部を形成するとともに、他
    方の周面に上記内筒体と外筒体との筒軸方向相対位置を
    互いに位置付けるよう上記凸部と対応する筒軸方向位置
    に上記筒軸に直交する方向に凹んで上記凸部が内嵌し得
    る凹部を形成する位置決め部形成工程を行い、 上記圧入工程を、上記内筒体及びゴム弾性体を外筒体に
    対し筒軸方向一端側から圧入を開始し、上記凸部が凹部
    内に内嵌した時点でその圧入を終了することにより行う
    ことを特徴とするラバーブッシュの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 ゴム弾性体接着工程において接着するゴム弾性体を、そ
    のゴム弾性体の外周面が内筒体の筒軸を中心とする円周
    面となるように形成し、 位置決め部形成工程において、凸部を円形断面の外筒体
    の内周面の筒軸方向中央位置近傍において径方向内方に
    突出して周方向全周にわたり連続して形成し、凹部を上
    記外筒体の内周面と同心円を構成するゴム弾性体の外周
    面に対しその筒軸方向中央位置近傍において径方向内方
    に凹んで上記凸部より大きい断面形状で周方向全周にわ
    たり連続して形成し、 圧入工程において、上記ゴム弾性体を外筒体に対し上記
    内筒体の筒軸と同軸に圧入することを特徴とするラバー
    ブッシュの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項9または請求項10において、 位置決め部形成工程において、凸部を横断面形状が略三
    角形になるように形成する一方、凹部を横断面形状が上
    記凸部の横断面形状に対応する略Vの字形になるように
    形成し、かつ、上記凸部の頂部及び上記凹部の底部が滑
    らかに屈曲する円弧状になるように形成することを特徴
    とするラバーブッシュの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項9または請求項10において、 位置決め部形成工程において、凸部の突出高さを外筒体
    の内径寸法の0.02倍から0.05倍の範囲に設定す
    ることを特徴とするラバーブッシュの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項9または請求項10において、 位置決め部形成工程において、凸部と凹部とを、圧入工
    程による圧入により上記凸部が凹部に内嵌する際にゴム
    弾性体の圧縮によって凸部の筒軸方向幅が凹部の筒軸方
    向幅と等しいか大でかつ凸部の径方向突出高さが凹部の
    径方向深さよりも大となるような断面形状に形成するこ
    とを特徴とするラバーブッシュの製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項9から請求項13までのいずれ
    か1において、 圧入工程において、内筒体の外周面と外筒体の内周面と
    の径方向間隔に対する、圧入前のゴム弾性体の径方向肉
    厚から内筒体の外周面と外筒体の内周面との径方向間隔
    を減じた寸法の比率である圧入率を25%から35%の
    範囲の高圧入率に設定したゴム弾性体を外筒体に対し圧
    入することを特徴とするラバーブッシュの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14において、 ゴム弾性体の肉厚は、圧入後において、16mmから3
    0mmの外径を有する内筒体に対し2mmから5mmの
    範囲の薄肉のものとすることを特徴とするラバーブッシ
    ュの製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項14において、 位置決め部形成工程において、圧入工程におけるゴム弾
    性体が外筒体の側に設けられた凸部の頂部位置を通過す
    る際の圧入率が最大で60%以下になるような突出高さ
    に凸部を形成することを特徴とするラバーブッシュの製
    造方法。
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