JPH08232337A - 複合半pc版及び壁体又は床版の構築方法 - Google Patents

複合半pc版及び壁体又は床版の構築方法

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JPH08232337A
JPH08232337A JP4094495A JP4094495A JPH08232337A JP H08232337 A JPH08232337 A JP H08232337A JP 4094495 A JP4094495 A JP 4094495A JP 4094495 A JP4094495 A JP 4094495A JP H08232337 A JPH08232337 A JP H08232337A
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wall
floor
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rib
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JP4094495A
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Ikuo Hama
育雄 浜
Takahito Kishi
宇人 岸
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Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】型枠兼用の複合半PC版を大型化及び軽量化す
ると共に、経済性,施工性,安全性に優れた大型構造物
の床版や壁体の構築方法を提供する。 【構成】一定間隔に配設されたH形鋼の一方のフランジ
をPC版コンクリート9に埋設固定し、他方のフランジ
を当該PC版コンクリート9から長手方向に突出させて
鉄骨リブ柱6とし、同時にPC版コンクリート9内に
は,壁縦筋8及び壁横筋10を埋設固定して壁体構築用
複合半PC版1の剛性強度を高め、更に前記H型鋼から
なる鉄骨リブ柱6の貫通孔14には,予め壁横筋13を
挿通して配筋構造をユニット化しておき、これを現地で
壁体の両側に建込んで,その間に壁コンクリート7を打
設する。また、同様の構成の複合半PC版を床版構築に
使用する際には、前記鉄骨リブ柱の代わりに鉄骨リブ梁
を床上に向けて配設し、その上にコンクリートを打設す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は壁体や床版の構築に用い
られる複合半PC版及びその構築方法に関するものであ
り、特に原子力施設等のような大型構造物の比較的壁厚
・床厚の大きな壁体や床版の構築に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】PC版を用いた壁体や床版の構築方法
は、本出願人が先に提案した特開平4−194136号
公報を始めとして,種々に開発されており、前述のよう
に比較的壁厚・床厚の大きな壁体や床版を構築する際に
は、当該壁厚・床厚よりも薄い複合半PC版と称される
PC版を用い、これを壁体の両表面になるように配設し
てその間にコンクリートを打設するとか、或いは床版の
下表面(即ち床下端である)になるように配設してその
上方にコンクリートを打設する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、原子力
施設等のような大型構造物では,一般に階高が高く且つ
スパンも大きいため、工事の大半は現地作業において、
例えば壁縦筋組立,壁横筋組立,壁貫通スリーブの取付
け,壁貫通部補強筋組立,埋込板取付け,壁型枠組立,
壁コンクリート打設,壁型枠解体,床型枠組立,天井面
埋設金物取付け,床鉄筋組立,床埋込板取付け,床コン
クリート打設,床型枠解体といった作業手順を繰り返す
必要があり、前述のようなPC版は,壁体や床版の極一
部に型枠等の代用など、単に仮設材料として採用されて
いるに過ぎないという実情がある。従って、これらの仮
設工事の大半を現地作業で消化するために、各々の工事
が輻輳して工期が長期化する。また、こうした大型構造
物では、一般建築構造物に比較して,前記各作業工程に
おける資機材の搬入出用通路の確保,揚重設備の移動設
置,足場構築,鉄筋・型枠・埋設金物組立用の支持架台
構築といった仮設工事が多量に発生するため、現地作業
は更に煩雑となり、多数の異なる専門職の作業者を長期
にわたって必要とし、建設工期は更に長期化する。
【0004】このような問題を解決するために前記複合
半PC版を用いて壁体や床版を構築する際には、PC版
の数量をできるだけ少なくして,現地でのそれらの接合
箇所数を低減することで、現地工事を効率よく施工する
必要がある。即ち、各PC版の外形形状は,前記構造物
の壁体である1スパン×1階高又は床版である1スパン
×1スパン程度であることが望まれるが、前述のように
階高が高く且つスパンの大きい大型構造物の場合には,
当該PC版が超大型化して以下のような問題が発生す
る。
【0005】即ち、PC版は,一般に版の外形形状が大
型化すると、版厚も厚くなる傾向にあるため、版重量が
重くなる。従って、PC版の製作・運搬・保管・建方等
の作業に伴って大型揚重機等の大掛かりな仮設設備が必
要となり、経済性や安全性に問題が生じる。逆に、前述
のような超大型PC版の重量を制限すると、版の剛性不
足が生じる虞れがあり、そのPC版の取扱い時或いは現
地コンクリー打設時に変形等の品質上の問題が発生す
る。従って、これらの対策として、仮設鋼材や治具によ
る補強が必要となり、現地作業が増加するため,省力化
が阻害される。
【0006】また、隣合うPC版の現地接合作業は、当
該PC版が大型化すればするほど,時間と労力とを要
し、施工性や経済性に問題が生じる。本発明はこれらの
諸問題に鑑みて開発されたものであり、現地作業の簡素
化及び現地作業工数の低減化を実現して,現地作業者の
削減、建設工期の短縮により施工性や経済性や安全性に
優れた複合半PC版及び壁体又は床版の構築方法を提供
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の諸問題を解決する
ために、本発明のうち請求項1に係る複合半PC版は、
大型の型枠兼用の構造版であって、一定間隔に配設され
た鉄骨材の一部が,何れか一方の面からリブ状に突出す
るように当該鉄骨材と構造版とを一体化し、その鉄骨材
の突出部に鉄筋の通し孔を形成したことを特徴とするも
のである。
【0008】また、本発明のうち請求項2に係る複合半
PC版は、壁体構築用の構造版として用いられ、当該構
造版内には,縦筋及び横筋が予め埋設固定されてなるこ
とを特徴とするものである。また、本発明のうち請求項
3に係る複合半PC版は、床版構築用の構造版として用
いられ、当該構造版内には,床下端筋が予め埋設固定さ
れてなることを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の壁体又は床版の構築方法
は、前記複合半PC版の前記リブ状の鉄骨材の通し孔に
鉄筋を挿通して配筋し、その複合半PC版のうち,前記
リブ状の鉄骨材が突出していない面を、壁体又は床版の
表面となるように当該複合半PC版を配設し、その複合
半PC版の前記リブ状の鉄骨材が突出した面側にコンク
リートを打設することを特徴とするものである。
【0010】
【作用】而して、本発明の複合半PC版では、一定間隔
に配設された鉄骨材の一部が,何れか一方の面からリブ
状に突出するようにして構造版と一体化され、更に本発
明のうち請求項2に係る壁体構築用の複合半PC版にあ
っては,構造版の内部に縦筋及び横筋が、また本発明の
うち請求項3に係る床版構築用の複合半PC版にあって
は,構造版の内部に床下端筋が,夫々構造版自体の補強
筋として埋設固定されているため、各複合半PC版は十
分な剛性強度を有し、従って当該複合半PC版を,大型
構造物の壁体や床版構築のために当該壁体や床版の大き
さに合わせて大型化しても、版厚を厚くして剛性強度を
高める必要のないことから,当該版厚を薄くして軽量化
することができる。
【0011】また、このような複合半PC版を用いた本
発明の壁体又は床版の構築方法では、前記複合半PC版
自体が軽量で且つ十分な強度を有するため、大型揚重機
等の大掛かりな仮設設備を必要とせず、また変形等の品
質対策のために仮設鋼材や治具等による補強も必要とし
ないことから、現地作業が簡素化され、現地作業工数も
低減して経済性や安全性が向上する。また、前記複合半
PC版から突出するリブ状の鉄骨材の通し孔に予め鉄筋
を配筋しておけば、その複合半PC版のうち,前記リブ
状の鉄骨材が突出していない面を、壁体又は床版の表面
となるように当該複合半PC版を配設し、必要に応じて
各複合半PC版の接合処理を施した後、その複合半PC
版の前記リブ状の鉄骨材が突出した面側にコンクリート
を打設するだけで、当該複合半PC版が十分な剛性強度
を有する型枠として作用するため、現地作業としての仮
設作業が大幅に簡素化或いは削減され、現地作業工数が
低減化されて現地作業者の削減、建設工期の短縮等の施
工性や経済性を向上することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の複合半PC版を用いた壁体の
構築方法の一実施例について、図1乃至図6を用いて説
明する。まず、図1は本発明の壁体構築用複合半PC版
(以下,単に壁半PC版とも記す)1及びそれを用いた
壁体の構築方法を,前記原子力施設等の大型構造物に適
用した概略構成平面図であり、このうち,図示のY1通
り、Y2通り、X1通り及びX3通りが、特に本発明の
壁半PC版及びそれを用いた壁体の構築方法に該当す
る。この図1においては、Y1通りと,X1通り及びX
2通り及びX3通りとの各交点柱部には柱型PC版2が
立設され、またY2通りと,X1通り及びX2通り及び
X3通りとの各交点柱部には仮設鉄骨柱3が立設され、
またX2通りには,壁厚が比較的薄いためにPC版間に
壁コンクリートを打設しない,所謂壁(フル)PC版4
単体による壁体を構築し、またX1通りとX2通りとの
間にも,同じく壁厚が比較的薄い壁PC版4単体による
間仕切り壁体を構築する場合に、各壁半PC版1同志又
は各壁半PC版1と柱型PC版2又は仮設鉄骨柱3又は
壁PC版4との取合いの概要を示し、図1の平面図では
夫々の取合い部に接合部型枠5が配設されている。ま
た、この割付け例では前記X1通り−X2通り間のY2
通り及びY1通り内壁側の壁半PC版1が,前記間仕切
り壁体との取合いの関係から,当該X1通り−X2通り
間のスパンを2ピースで構成しているのを除いて、少な
くともその他の各壁半PC版1の幅は,各スパンと同等
又はほぼ同等としてあり、また実際の壁半PC版1の高
さは,各階高と同等又はほぼ同等としてある。なお、各
壁半PC版1には,後述する図2に明示されるようにH
形鋼からなる鉄骨リブ柱6が一体に設けられており、具
体的には当該H形鋼の一部を,PC版の一方の面から長
手方向に沿って突出させてリブ形状とし、特に,本実施
例にように壁体構築に用いる場合には、これらのリブ状
鉄骨リブ柱6が壁体内部で対抗するように二つの壁半P
C版1を配設し、二つの壁半PC版1の間に(接合部型
枠5内にも)壁コンクリート7を打設して各壁体を構築
する。
【0013】次に、図2には、前記図1で用いられる壁
半PC版1単体の現地建込み前の製作構造を示し、特に
同図2aには全体の展開図を,同図2bには部分的に拡
大された縦断面図を記す。また、図3には、前記図1の
壁半PC版1を用いた壁体において,当該壁断面方向の
内外両側に前記壁半PC版1を配設し、これらの壁半P
C版1間にコンクリート7を打設して一体化した複合構
造で構築された壁体の構造を示し、特に同図3aには当
該壁体の横断面図を,同図3bには縦断面図を記す。ま
た、図4には、前記図1の壁半PC版1を用いた壁体に
おける壁半PC版1の脚部の固定構造(又は接続構造)
を示し、特に同図4aにはその横断面図を,同図4bに
は展開図を記す。これらの各図から明らかなように、こ
の壁半PC版1は主構造材として,壁縦筋8と、例えば
1m間隔程度毎に当該壁縦筋8の代わりにその一部を補
うH形鋼とを有し、このH形鋼のうち,前述のように一
方のフランジ及びウエブの一部を構造版であるPC版コ
ンクリート9の内部に埋設するようにし且つ他方のフラ
ンジ及びウエブの残部を,PC版コンクリート9の一方
の面から長手方向に沿って突出させてリブ形状とし、こ
れを壁半PC版1の縦方向の剛性を高める鉄骨リブ柱6
としている。また、PC版コンクリート9内には、前記
壁縦筋8の固定及びクラック防止及び版の剛性保持の役
割を負担するためのPC版補強筋兼壁横筋10が内装さ
れている。また、前記鉄骨リブ柱6からは、版の強度保
持のためのシェアコネクタ11とスタッド12とが、共
にPC版コンクリート9内に向けて突設するように設け
られている。そして、これらの構成により、本実施例の
壁半PC版は十分な剛性強度を有するため、従来のPC
版に比して版厚を薄くすることができ、結果的に軽量化
が計れ、前述のように1スパン×1階高を1〜2ピース
とする大型形状とすることができるのである。
【0014】また、図2bに明示するように,前記H形
鋼から構成される鉄骨リブ柱6のPC版コンクリート9
から突出したウエブには、壁横筋13を挿通するための
横筋貫通孔14が所定間隔毎に形成されており、本実施
例では,同図2aに示すように、壁半PC版1を現地で
建込む以前に、当該横筋貫通孔14内に壁横筋を挿通し
てチドリ配筋することにより鉄筋をユニット化し、現地
での壁横筋組立作業を削減できるようにした。更に、本
実施例でユニット化された壁横筋は、壁半PC版1の現
地建込み後も,前記横筋貫通孔14内でスライドさせる
ことができるため、例えば従来のPC版の内部に内装固
定された構造鉄筋を現地で接合する場合に比較して,そ
の鉄筋継手作業を簡略化することができる。
【0015】なお、図示される壁半PC版1の上端部及
び下端部に一体に設けられた溝形鋼からなるPC版上下
端補剛材15,16は、壁半PC版1の幅方向に連通す
る,所謂通し材として表されているが、構造設計上,上
下階の水平材(床又は梁)等のコンクリート7との一体
化を阻害する場合には削除して、例えば壁半PC版1内
に内装固定される横筋等で代替え設計することも可能で
ある。また、前記鉄骨リブ柱6は、従来の壁型枠を構成
する縦端太材と、版移動並びに建方等の版取扱中のクラ
ック並びに変形防止策としての補剛材としての役割を負
担している。
【0016】また、図2及び図3で明らかなように、本
実施例の壁半PC版1の高さ(H)の半分位置には,当
該壁半PC版1の幅方向に連続するCT形鋼等からなる
PC版中央補剛材17が、予め前記鉄骨リブ柱6の突出
フランジ間を接続するようにして一連に設けられてお
り、鉄骨リブ柱6の突出フランジの横座屈を防止し、当
該壁半PC版1の幅方向の剛性強度を高めている。ま
た、本実施例では,図3から明らかなように前記対向し
て配設された壁半PC版1のうち,PC版中央補剛材1
7同志間及びPC版上端補剛材15同志間を,適宜間隔
毎にボルト止めされた幅止材18によって連結し、壁コ
ンクリート7打設時における壁半PC版1の剛性強度を
確保している。即ち、従来のようにPC版の脚部と頂部
とだけを幅止して,コンクリート打設時の側圧を負担さ
せると、PC版の剛性強度不足によってクラックや変形
が発生する虞れがあるため、PC版の版厚を厚くした
り,本実施例においては鉄骨リブ柱等の構造部材のサイ
ズを大きくしたり,或いは鉄骨リブ柱等の配置間隔を狭
めてその負担範囲を小さくしたりするなどの対策が必要
となるが、前述のように幅止材を配設することにより、
これらの剛性強度向上対策を回避して,結果的に版厚を
薄くしたり、或いは軽量化したりすることに貢献してい
る。また、これにより、壁半PC版1の単位重量の軽量
化による版外形形状の大型化を促したり、比較的壁厚の
薄い壁体への本構築方法の適用を広めたり、壁断面内の
埋設金物等との干渉を軽減したり回避したりすることも
できる。
【0017】また、本実施例では隣合う壁半PC版間や
壁体直交部等は、前述した図1のように作業区間として
500mm程度離間しており、図4から明らかなように,
この壁半PC版1の端部の前記鉄骨リブ柱6を利用し
て,当該壁半PC版1を下階の床梁コンクリート19に
対してボルト締めによって固定している。具体的に図4
では、壁半PC版1の幅方向端部の鉄骨リブ柱6の下端
部に,ベースプレート20が溶接等により一体に設けら
れており、一方、スタッド付き床埋込板21のスタッド
22を,現場打コンクリート7からなる下階のスラブ内
の床梁コンクリート19に埋設固定するようにして、当
該床埋込板21の表面を下階の床天端に一致させると共
に当該床埋込板21に一体化されたスタッドボルト23
を床天端から突出させておき、例えば前記壁半PC版1
のPC版下端補剛材16と床天端との間にモルタル詰め
のための適宜空間を形成するために、前記床埋込板21
の上に,適宜ライナプレート24を置いてから、その上
に,前記ベースプレート20を載せるようにして壁半P
C版1を設置し、更に前記ベースプレート20にスタッ
ドボルト23を貫通させ,その貫通部にナット25を螺
合締付けて両者を固定する。
【0018】次に、図5には、1ピースの壁半PC版1
の幅方向の長さが,例えば4mを越えるような大型のも
のである場合に、当該壁半PC版1の中間部分の前記鉄
骨リブ柱6を利用して,当該壁半PC版1の脚部を固定
する構造を示し、特に同図5aには横断面を,同図5b
には展開図を記す。この図5から明らかなように、壁半
PC版1の中間部分の鉄骨リブ柱6の下端部に溶接等に
より固定されたベースプレート20と下階の床梁コンク
リート19との接続構造は,基本的に前記図4の接続構
造と同様であり、具体的にはスタッド付き床埋込板21
のスタッド22を,現場打床梁コンクリート19からな
る下階のスラブ内に埋設固定するようにして、当該床埋
込板21の表面を下階の床天端に一致させると共に当該
床埋込板21に一体化された2本のスタッドボルト23
を床天端から突出させておき、例えば前記壁半PC版1
のPC版下端補剛材16と床天端との間にモルタル詰め
のための適宜空間を形成するために、前記床埋込板21
の上に,適宜ライナプレート24を置いてから、その上
に,前記ベースプレート20を載せるようにして壁半P
C版1を設置し、更に前記ベースプレート20にスタッ
ドボルト23を貫通させ,その貫通部にナット25を螺
合締付けて両者を固定する。そして、この一連の接続作
業を容易化するために,前記ベースプレート20近傍の
PC版コンクリート9は欠込まれており、この図5はそ
の形状を具体化したものである。
【0019】次に、図6には、前記図5と同様に,壁半
PC版1の中間部分の前記鉄骨リブ柱6を利用して,当
該壁半PC版1の脚部を固定する構造を示し、特に同図
6aには横断面を,同図6bには展開図を示す。この壁
半PC版1の脚部固定構造では、前記図5のようにボル
ト締めによる固定構造ではなく,スプライススリーブを
用いて当該壁半PC版1を下階の床コンクリート7に固
定している。即ち、具体的には予め壁半PC版1の脚部
にスプライススリーブ26を内装固定して、本実施例で
は当該壁半PC版1の内部に内装固定されている壁縦筋
8の下端部を,スプライススリーブの内孔の上端部に差
込んでおき、現地では下階の床梁コンクリート19から
突出している版固定用差筋27の上端部を,スプライス
スリーブ26の内孔の下端部から差込んで、当該スプラ
イススリーブ26と下階の版固定用差筋27とを,当該
スプライススリーブ26の内孔内に充填されたモルタル
によって固定するようにしている。
【0020】なお、前記壁半PC版1の壁縦筋8の現地
鉄筋継手構造のうち,本実施例の壁半PC版1の脚部で
は、図4,図5並びに図6に示すように下階の床梁工事
で施工された差筋28と,当該壁半PC版1に内装固定
されている壁縦筋8或いは前記H形鋼からなる鉄骨リブ
柱6とを重ね継手により接合している。また、本実施例
の壁半PC版1の頂部では、後述する図13に示す壁定
着用縦筋と,当該壁半PC版1に内装固定されている壁
縦筋8或いは前記H形鋼からなる鉄骨リブ柱6とを重ね
継手により接合している。
【0021】次に、図7及び図8には主として壁式構造
において隣接する壁半PC版間の壁横筋継手構造を示
し、特に図7a〜dでは,隣合う壁厚が同等又はほぼ同
等の厚さである場合を,図8a〜dでは,隣合う壁厚が
異なる厚さである場合を記し、更に同図7a,8aには
二つの壁体を仮設鉄骨柱周りに並べて突合わせする場合
を,同図7b,8bには二つの壁体を仮設鉄骨柱周りに
直交方向に突合わせる場合を,同図7c,8cには三つ
の壁体を仮設鉄骨柱周りにT字型に突合わせる場合を,
同図7d,8dには四つの壁体を仮設鉄骨柱周りに十字
型に突合わせる場合を示している。このうち、図7aで
は突合わされて隣合う左右の壁半PC版の前記鉄骨リブ
柱の横筋貫通孔に挿通された壁横筋をスライドさせて,
互いに重ね継手により接合している。また、図7bでは
図示される右方下側の壁半PC版の前記鉄骨リブ柱の横
筋貫通孔に挿通された壁横筋を,図示される左方上側の
壁半PC版の壁横筋までスライドさせ、図示される右方
上側の壁半PC版の壁横筋と図示される左方上側の壁半
PC版の壁横筋との間に鉄筋を挿入し、図示される下方
左側の壁半PC版の壁横筋と図示される左方上側の壁半
PC版との間に鉄筋を挿入し、それらの各鉄筋を重ね継
手により接合している。また、図7cでは図示される左
右方向上側で突合わされた壁半PC版の前記鉄骨リブ柱
の横筋貫通孔に挿通された壁横筋をスライドさせ、左右
方向下側の壁半PC版の壁横筋間に鉄筋を挿入し、中央
寄りの下方左右側の壁半PC版の前記鉄骨リブ柱の横筋
貫通孔に挿通された壁横筋を前記左右方向上側の壁半P
C版の壁横筋までスライドさせ、それらの各鉄筋を重ね
継手により接合している。また、図7dでは図示される
左右方向の壁半PC版の壁横筋間には鉄筋を挿入し、図
示される上下方向の壁半PC版の前記鉄骨リブ柱の横筋
貫通孔に挿通された壁横筋をスライドさせ、それらの各
鉄筋を重ね継手により接合している。
【0022】また、図8aでは図示される左右方向上側
で突合わされた隣合う壁半PC版の前記鉄骨リブ柱の横
筋貫通孔に挿通された壁横筋を互いにスライドさせ、段
差のある左右方向下側の壁半PC版の壁横筋間には曲げ
られた鉄筋を挿入し、それらの各鉄筋を重ね継手により
接合している。また、図8bでは図示される右方上側の
壁半PC版の壁横筋と図示される下方左側の壁半PC版
の壁横筋との間に鉄筋を挿入し、前記右方上側の壁半P
C版の壁横筋と図示される下方左側の壁半PC版の壁横
筋との間には曲げられた鉄筋を挿入し、図示される右方
下側の壁半PC版の壁横筋と前記下方左側の壁半PC版
の壁横筋との間に鉄筋を挿入し、それらの各鉄筋を重ね
継手により接合している。また、図8cでは図示される
左右方向の上下側で隣合う壁半PC版の前記鉄骨リブ柱
の横筋貫通孔に挿通された壁横筋を互いにスライドさ
せ、図示される中央寄りの上下方向で左右共に隣合う壁
半PC版の前記鉄骨リブ柱の横筋貫通孔に挿通された壁
横筋を,図示される左右上方の壁半PC版の壁横筋まで
スライドさせ、それらの各鉄筋を重ね継手により接合し
ている。また、図8dでは図示される左右方向上下側の
壁半PC版の前記鉄骨リブ柱の横筋貫通孔に挿通された
壁横筋を互いにスライドさせ、図示される上方右側の壁
半PC版の前記鉄骨リブ柱の横筋貫通孔に挿通された壁
横筋を、前記右方下側の壁半PC版の壁横筋までスライ
ドさせ、図示される下方左側の壁半PC版の前記鉄骨リ
ブ柱の横筋貫通孔に挿通された壁横筋を、前記左方上側
の壁半PC版の壁横筋までスライドさせ、前記上方左側
の壁半PC版の壁横筋と、前記左方下側の壁半PC版の
壁横筋との間に鉄筋を挿入し、前記下方右側の壁半PC
版の壁横筋と、前記右方上側の壁半PC版の壁横筋との
間に鉄筋を挿入し、それらの各鉄筋を重ね継手により接
合している。なお、スライドされない壁横筋は固定され
ていると考えてよい。このように本実施例の壁半PC版
では,壁横筋をスライドさせて移動できるので、現地で
の継手作業が簡素化され、またその自由度も高く,作業
効率が向上する。
【0023】次に、図9及び図10には主としてラーメ
ン構造において隣接する壁半PC版間の壁横筋継手構造
を示し、特に図9a〜dでは,隣合う壁厚が同等又はほ
ぼ同等の厚さである場合を,図10a〜dでは,隣合う
壁厚が異なる厚さである場合を記し、更に同図9a,1
0aには二つの壁体を柱型PC版周りに並べて突合わせ
する場合を,同図9b,10bには二つの壁体を柱型P
C版周りに直交方向に突合わせる場合を,同図9c,1
0cには三つの壁体を柱型PC版周りにT字型に突合わ
せる場合を,同図9d,10dには四つの壁体を柱型P
C版周りに十字型に突合わせる場合を示している。この
うち、図9aでは図示される左右方向上側の壁半PC版
の壁横筋と柱型PC版に内装固定された壁横筋との間に
鉄筋を挿入して、当該鉄筋と柱型PC版の鉄筋とをガス
圧接継手により接合し且つ当該鉄筋と壁半PC版の壁横
筋とを重ね継手により接合し、図示される左右方向下側
の壁半PC版の前記鉄骨リブ柱の横筋貫通孔に挿通され
た壁横筋を,柱型PC版に内装固定された鉄筋までスラ
イドさせて、両者をガス圧接継手により接合している。
また、図9bでは図示される右方下側及び下方右側の壁
半PC版の壁横筋と,柱型PC版の鉄筋との間に鉄筋を
挿入して、当該鉄筋と柱型PC版の鉄筋とをガス圧接継
手により接合し且つ当該鉄筋と壁半PC版の壁横筋とを
重ね継手により接合し、図示される右方上側及び下方左
側の壁半PC版の前記鉄骨リブ柱の横筋貫通孔に挿通さ
れた壁横筋を,柱型PC版に内装固定された鉄筋までス
ライドさせて、両者をガス圧接継手により接合してい
る。また、図9cでは図示される左右方向上側及び中央
寄り下方左側の壁半PC版の壁横筋と,柱型PC版の鉄
筋との間に鉄筋を挿入して、当該鉄筋と柱型PC版の鉄
筋とをガス圧接継手により接合し且つ当該鉄筋と壁半P
C版の壁横筋とを重ね継手により接合し、図示される左
右方向下側及び中央寄り下方右側の壁半PC版の前記鉄
骨リブ柱の横筋貫通孔に挿通された壁横筋を,柱型PC
版に内装固定された鉄筋までスライドさせて、両者をガ
ス圧接継手により接合している。また、図9dでは図示
される左右方向上側及び中央寄り上下方向左側の壁半P
C版の壁横筋と,柱型PC版の鉄筋との間に鉄筋を挿入
して、当該鉄筋と柱型PC版の鉄筋とをガス圧接継手に
より接合し且つ当該鉄筋と壁半PC版の壁横筋とを重ね
継手により接合し、図示される左右方向下側及び中央寄
り上下方向左側の壁半PC版の前記鉄骨リブ柱の横筋貫
通孔に挿通された壁横筋を,柱型PC版に内装固定され
た鉄筋までスライドさせて、両者をガス圧接継手により
接合している。
【0024】また、図10aでは図示される左右方向上
側の壁半PC版の前記鉄骨リブ柱の横筋貫通孔に挿通さ
れた壁横筋を,柱型PC版に内装固定された鉄筋までス
ライドさせて、両者をガス圧接継手により接合し、図示
される左右方向下側で段差のある壁半PC版の壁横筋
と,柱型PC版に内装固定され且つ予め曲げられた鉄筋
との間に鉄筋を挿入して、当該鉄筋と柱型PC版の鉄筋
とをガス圧接継手により接合し且つ当該鉄筋と壁半PC
版の壁横筋とを重ね継手により接合している。また、図
10bでは図示される右方上側及び下方左側の前記鉄骨
リブ柱の横筋貫通孔に挿通された壁横筋を,柱型PC版
に内装固定された鉄筋までスライドさせて、両者をガス
圧接継手により接合し、図示される右方下側及び下方右
側の壁半PC版の壁横筋と,柱型PC版に内装固定され
た鉄筋との間に鉄筋を挿入して、当該鉄筋と柱型PC版
の鉄筋とをガス圧接継手により接合し且つ当該鉄筋と壁
半PC版の壁横筋とを重ね継手により接合している。ま
た、図10cでは図示される左右方向上側及び中央寄り
下方右側の壁半PC版の前記鉄骨リブ柱の横筋貫通孔に
挿通された壁横筋を,柱型PC版に内装固定された鉄筋
までスライドさせて、両者をガス圧接継手により接合
し、図示される左右方向下側及び中央寄り下方左側の壁
半PC版の壁横筋と,柱型PC版に内装固定された鉄筋
との間に鉄筋を挿入して、当該鉄筋と柱型PC版の鉄筋
とをガス圧接継手により接合し且つ当該鉄筋と壁半PC
版の壁横筋とを重ね継手により接合している。また、図
10dでは図示される左右方向下側及び中央寄り上下方
向左側の壁半PC版の壁横筋と,柱型PC版に内装固定
された鉄筋との間に鉄筋を挿入して、当該鉄筋と柱型P
C版の鉄筋とをガス圧接継手により接合し且つ当該鉄筋
と壁半PC版の壁横筋とを重ね継手により接合し、図示
される左右方向上側の壁半PC版の前記鉄骨リブ柱の横
筋貫通孔に挿通された壁横筋を,柱型PC版に内装固定
された鉄筋までスライドさせて、両者をガス圧接継手に
より接合し、中央寄り上下方向右側の壁半PC版の前記
鉄骨リブ柱の横筋貫通孔に挿通された壁横筋を,柱型P
C版に内装固定され且つ予め曲げられた鉄筋までスライ
ドさせて、両者をガス圧接継手により接合している。な
お、スライドされない壁横筋は固定されたままであると
考えてよい。このように本実施例の壁半PC版では,前
記図7のものと同様に壁横筋をスライドさせて移動でき
るので、現地での継手作業が簡素化され、またその自由
度も高く,作業効率が向上するばかりでなく、前述した
ガス圧接継手に変えて機械的継手等を適用することもで
きるため、汎用性が広がり且つ現地作業効率が更に向上
する。
【0025】次に、本発明の複合半PC版を用いた床版
の構築方法の一実施例について、図11乃至図14を用
いて説明する。まず、図11は本発明の床版構築用複合
半PC版(以下,単に床半PC版とも記す)31及びそ
れを用いた床版の構築方法を,前記原子力施設等の大型
構造物に適用した概略構成を示し、特に同図11aは平
面図を,同図11bは同図11aのA−A断面図を,同
図11cは同図11aのB−B断面図を記す。同図では
基本的に,前記図1の壁体構築方法で構築された四辺を
壁又は梁で囲まれた範囲に床版を構築する。従って、図
示される前記X1通りの壁体と比較的薄い間仕切り壁体
との間の床版は,同図11aの上下方向に縦長であり、
当該比較的薄い間仕切り壁体とX2通りの比較的薄い壁
体との間の床版も,同図11aの上下方向に縦長であ
り、当該X2通りの比較的薄い壁体とX3通りの壁体と
の間の床版は,同図11aの左右方向に縦長であり、本
実施例では,各床版に相当する床半PC版31を1ピー
スで構成する。なお、柱型PC版2や仮設鉄骨柱3の立
設条件等は前記図1と同様又はほぼ同様である。また、
各床半PC版31には,後述する図12に明示されるよ
うにH形鋼からなる鉄骨リブ梁32が一体に設けられて
おり、具体的には当該H形鋼の一部を,PC版コンクリ
ート33の一方の面から長手方向に沿って突出させてリ
ブ形状とし、特に,本実施例にように床版構築に用いる
場合には、これらのリブ状鉄骨リブ梁32が床版内部に
位置するように,即ち当該鉄骨リブ梁32が上方になる
ようにして床半PC版31を床下端に配設し、この床半
PC版31の上方に床コンクリート19を打設して各床
版を構築する。
【0026】次に、図12には、前記図11で用いられ
る床半PC版31単体の現地建込み前の製作構造を示
し、特に同図12aには全体の展開図を,同図12bに
はその側面図を,同図12cには部分的に拡大された縦
断面図を記す。また、図13には、前記図11の床半P
C版31を用いた床版において,当該床版の床下端に前
記床半PC版31を配設し、必要に応じて,この床半P
C版31の床上に適宜配筋処理を施し、前記床半PC版
31上に床コンクリート19を打設して一体化した複合
構造で構築された床版の構造を示し、特に同図13aに
は当該壁体の横断面図を,同図12bには同図12aの
A部詳細図を,同図12cには同図12bのA−A断面
図を記す。また、図14には、前記図12の床半PC版
31における鉄骨リブ梁32取合い構造(又は接続構
造)縦断面図を記す。これらの各図から明らかなよう
に、この床半PC版31は主構造材として,床下端主筋
34と、例えば2m間隔程度毎に当該床下端主筋34の
代わりにその一部を補うH形鋼とを有し、このH形鋼の
うち,前述のように一方のフランジ及びウエブの一部を
構造版であるPC版の内部に埋設するようにし且つ他方
のフランジ及びウエブの残部を,PC版の一方の面から
長手方向に沿って突出させてリブ形状とし、これを床半
PC版31の主方向の剛性を高める鉄骨リブ梁32とし
ている。また、PC版コンクリート33内には、前記床
下端主筋34の固定及びクラック防止及び版の剛性保持
の役割を負担するために,当該床下端主筋34と直交す
るPC版補強筋兼床下端配力筋35が内装されている。
また、前記鉄骨リブ梁32からは、版の強度保持のため
の必要に応じて図示されないシェアコネクタやスタッド
37等が、共にPC版コンクリート33内に向けて突設
するように設けられている。そして、これらの構成によ
り、本実施例の床半PC版31は十分な剛性強度を有す
るため、従来のPC版に比して版厚を薄くすることがで
き、結果的に軽量化が計れ、前述のように1スパン×1
スパンを1〜2ピースとする大型形状とすることができ
るのである。なお、図12に示す実施例では,前記H形
鋼からなる鉄骨リブ梁32の埋設側フランジの外側端面
を,PC版の床下端面に一致させている。
【0027】また、図12bに明示するように,前記H
形鋼から構成される鉄骨リブ梁32のPC版コンクリー
ト33から突出したウエブには、床下端配力筋38を挿
通するための配力筋貫通孔39が所定間隔毎に形成され
ており、本実施例では,同図12aに示すように、床半
PC版31を現地で建込む以前に、当該配力筋貫通孔3
9内に床下端配力筋38を挿通してチドリ配筋すること
により鉄筋をユニット化し、現地での配力筋組立作業を
削減できるようにした。更に、本実施例でユニット化さ
れた床下端配力筋38は、床半PC版31の現地建込み
後も,前記配力筋貫通孔39内でスライドさせることが
できるため、例えば従来のPC版の内部に内装固定され
た構造鉄筋を現地で接合する場合に比較して,その鉄筋
継手作業を簡略化することができる。
【0028】なお、前記鉄骨リブ梁32は、床コンクリ
ート19打設時の荷重を負担する他にも、その端部を壁
コンクリート天端上に載せかけて,PC版を固定する治
具としての機能や、或いは版移動並びに版吊り込み等の
版取扱中のクラック並びに変形防止策機能なども負担し
ている。また、図中に示す床下端筋(定着用鉄筋)40
は、床PC版固定後,添筋方式で取付け、PC版に内装
固定された床下端主筋34と重ね継手で接合した。
【0029】また、前記図12では、壁体に前記床半P
C版31を固定するにあたり、PC版コンクリート33
の床下端部に設けられたコーナーアングル41を,前述
した壁半PC版1の天端部に設けられた溝形鋼からなる
PC版上端補剛材15の隅部に一致させるようにして、
当該PC版上端補剛材15上に,前記H形鋼からなる鉄
骨リブ梁32の埋設側フランジ外側端面を直接載せか
け、更に前記PC版上端補剛材15から壁体内側方に設
けられた床PC版支持形鋼42から,前記床半PC版3
1の鉄骨リブ梁32の埋設側フランジにボルト43を貫
通し、その貫通部にナット44を螺合締付けて両者を固
定している。
【0030】一方、前記図13では、前記床半PC版3
1のH形鋼からなる鉄骨リブ梁32の一方のフランジの
外側端面からスタッド37を突設し、このスタッド37
のみをPC版コンクリート33内に埋設固定するように
して、当該スタット37が突設されている前記一方のフ
ランジの外側端面は,PC版コンクリート33の上側端
面に一致されている。また、この図13では、前述した
壁半PC版1の天端部に設けられた溝形鋼からなるPC
版上端補剛材15の天端部から、前記床半PC版31の
PC版コンクリート33厚に等しい幅の溝形鋼からなる
床PC版支持形鋼42が突設固定されている。従って、
この図13の実施例では,壁体に前記床半PC版31を
固定するにあたり、PC版コンクリート33の床下端部
に設けられたコーナーアングル41を,前記壁半PC版
1のPC版上端補剛材15の隅部に一致させるようにし
て、当該PC版上端補剛材15上に床半PC版31を載
せると,前記床半PC版31のH形鋼からなる鉄骨リブ
梁32の一方のフランジの外側端面が前記壁半PC版1
の床PC版支持形鋼42の上側端面に当接する。そし
て、この状態で,前記壁半PC版1の床PC版支持形鋼
42から,前記床半PC版31の鉄骨リブ梁32の当接
側フランジにボルト43を貫通し、その貫通部にナット
44を螺合締付けて両者を固定している。このような壁
体との固定構造の使い分けは、設計床版厚或いは床コン
クリートの現地打設荷重等の施工条件によって選択すれ
ばよい。
【0031】また、図14から明らかなように、前記H
形鋼からなる鉄骨リブ梁32のウエブには,予めPC版
内に内装固定されるPC版補強筋兼床下端配力筋35を
挿通する配力筋貫通孔45を形成しておき、この配力筋
貫通孔45内に,当該床下端配力筋35を挿通して所定
の配筋施工を施した後、PC版コンクリート33を打設
すればよい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明の複合半PC
版及び壁体又は床版の構築方法によれば、大型構造物の
壁体や床版の大きさに合わせて複合半PC版を大型化し
たり、版厚を薄くして軽量化したりすることができるた
め、現地作業が簡素化され、現地作業工数も低減して経
済性や安全性が向上する。また、前記複合半PC版に予
め鉄筋を配筋しておけば、当該複合半PC版が十分な剛
性強度を有する型枠として作用するため、現地作業とし
ての仮設作業が大幅に簡素化或いは削減され、現地作業
工数が低減化されて現地作業者の削減、建設工期の短縮
等の施工性や経済性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合半PC版及び壁体又は床版の構築
方法の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】図1で用いられる壁半PC版単体の現地建込み
前の製作構造の説明図である。
【図3】図2の壁半PC版を用いた壁体構造の説明図で
ある。
【図4】図1の壁体に用いられた壁半PC版の幅方向端
部における脚部固定構造の説明図である。
【図5】図1の壁体に用いられた壁半PC版の中間部分
の脚部固定構造の一例を示す説明図である。
【図6】図1の壁体に用いられた壁半PC版の中間部分
の脚部固定構造の他例を示す説明図である。
【図7】壁式構造において壁厚が同厚の隣接する壁半P
C版間の壁横筋継手構造の説明図である。
【図8】壁式構造において壁厚の異なる隣接する壁半P
C版間の壁横筋継手構造の説明図である。
【図9】ラーメン構造において壁厚が同厚の隣接する壁
半PC版間の壁横筋継手構造の説明図である。
【図10】ラーメン構造において壁厚の異なる隣接する
壁半PC版間の壁横筋継手構造の説明図である。
【図11】本発明の複合半PC版及び壁体又は床版の構
築方法の他の実施例を示す概略構成図である。
【図12】図9で用いられる床半PC版単体の現地建込
み前の製作構造の説明図である。
【図13】図10の壁半PC版を用いた壁体構造の説明
図である。
【図14】図10の壁半PC版における床下端配力筋の
配筋説明図である。
【符号の説明】
1は壁半PC版(壁体構築用複合半PC版) 2は柱型PC版 3は仮設鉄骨柱 4は壁PC版 5は接合部型枠 6は鉄骨リブ柱 7は壁コンクリート 8は壁縦筋 9はPC版コンクリート 10は壁横筋 13は壁横筋(鉄筋) 14は壁横筋貫通孔(通し孔) 19は床コンクリート 31は床半PC版(床版構築用複合半PC版) 32は鉄骨リブ梁 33はPC版コンクリート 34は床下端筋 35は床下端筋 38は床下端配力筋(鉄筋) 39は配力筋貫通孔(通し孔)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大型の型枠兼用の構造版であって、一定
    間隔に配設された鉄骨材の一部が,何れか一方の面から
    リブ状に突出するように当該鉄骨材と構造版とを一体化
    し、その鉄骨材の突出部に鉄筋の通し孔を形成したこと
    を特徴とする複合半PC版。
  2. 【請求項2】 壁体構築用の構造版として用いられ、当
    該構造版内には,縦筋及び横筋が予め埋設固定されてな
    ることを特徴とする請求項1に記載の複合半PC版。
  3. 【請求項3】 床版構築用の構造版として用いられ、当
    該構造版内には,床下端筋が予め埋設固定されてなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の複合半PC版。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載される複
    合半PC版の前記リブ状の鉄骨材の通し孔に鉄筋を挿通
    して配筋し、その複合半PC版のうち,前記リブ状の鉄
    骨材が突出していない面を、壁体又は床版の表面となる
    ように当該複合半PC版を配設し、その複合半PC版の
    前記リブ状の鉄骨材が突出した面側にコンクリートを打
    設することを特徴とする壁体又は床版の構築方法。
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