JPH08231609A - 重合体スケールの付着防止方法 - Google Patents

重合体スケールの付着防止方法

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JPH08231609A
JPH08231609A JP5998695A JP5998695A JPH08231609A JP H08231609 A JPH08231609 A JP H08231609A JP 5998695 A JP5998695 A JP 5998695A JP 5998695 A JP5998695 A JP 5998695A JP H08231609 A JPH08231609 A JP H08231609A
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JP
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polymerization
condensate
monomer
aromatic
polymer
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JP5998695A
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Toshiya Aragaki
俊也 新垣
Tatsuya Fujimoto
達也 藤本
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/002Scale prevention in a polymerisation reactor or its auxiliary parts
    • C08F2/004Scale prevention in a polymerisation reactor or its auxiliary parts by a prior coating on the reactor walls

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  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 例えばスチレン、α−メチルスチレン、アク
リル酸エステル、アクリロニトリル等のエチレン性不飽
和二重結合を有する単量体の重合器内における重合にお
いて、重合器内壁面及び重合中に前記単量体が接触する
他の部分に、予め、まず(a)芳香族化合物の縮合物を
塗布し、次に得られた塗膜に(b)ポリアリルアミンを
塗布しておいて前記の重合を行う、重合体スケールの付
着防止方法。 【効果】 上に例示の単量体は一般にスケール防止剤か
らなる塗膜に対し高い溶解能を有するため、重合中のス
ケールの付着を防止することが困難であったが、この方
法によればスケールの重合器内壁面などへの付着を効果
的に防止することができる。したがって、スケール除去
のために重合器の使用を休止せずに重合器をより長期に
わたり繰り返し使用することができ、生産性が向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレン性不飽和二重
結合を有する単量体の重合による重合体の製造方法に関
し、エチレン性二重結合を有する単量体の重合における
重合器内壁面などに対する重合体スケールの付着防止方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】重合器内で単量体を重合して重合体を製
造する方法においては、重合体が重合器内壁面などにス
ケールとして付着する問題が知られている。重合体スケ
ールが重合器内壁面などに付着すると、重合体の収率、
重合器の冷却能力の低下や付着した重合体スケールが剥
離して製品に混入することによって製品重合体の品質低
下を招き、さらに重合体スケールの除去に多大な労力と
時間が必要となるなどの不利が生じる。
【0003】従来、重合器内壁面などへの重合体スケー
ルの付着を防止する方法として、例えば、極性化合物や
染料、顔料などを内壁面に塗布する方法(特公昭45−
30343号、同45−30835号)、芳香族アミン
化合物を塗布する方法(特開昭51−50887号)、
フェノール性化合物と芳香族アルデヒドとの反応生成物
を塗布する方法(特開昭55−54317号)等が提案
されている。これらの方法は、塩化ビニルなどのハロゲ
ン化ビニル単量体あるいは該単量体を主体とする単量体
混合物の重合においては重合体スケールの付着防止に有
効である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、重合に供され
る単量体がスチレン、α−メチルスチレン、アクリル酸
エステル及びアクリロニトリルを初めとする一般式:
(I) CH2 =CXY (I) 〔ここで、Xは水素原子又はメチル基であり、Yは水素
原子又は式:−Cn 2n+1 , −COOH , −C
OONa ,−COOCn 2n+1 , −CN , −
6 5 , −C6 4 Z,−OCOCn 2n+1、−O
n 2n+1もしくは−CH=CH2 (ここで、nは1以
上の整数であり、Zは水素原子、−OH、−CH3 もし
くは−CH=CH2 で表される基である)で表される基
である。〕で表されるエチレン性不飽和二重結合を有す
る単量体である場合には、これらの単量体が前記の方法
で形成されるスケール防止効果を有する塗膜に対して大
きい溶解能を有するため、塗膜の一部又は全部が溶解さ
れて失われる結果、重合体スケールの付着を効果的に防
止することができなかった。中でも、スチレン、α−メ
チルスチレン、アクリル酸エステル及びアクリロニトリ
ルはスケール防止剤からなる塗膜に対する溶解能が著し
く大きいため、所期のスケール防止効果を得ることがで
きなかった。また、特に、ステンレス製重合器を用いる
場合に重合体スケールの付着が起こり易いという問題が
あった。
【0005】そこで、本発明の目的は、前記の一般式
(I)で表される特定のエチレン性不飽和二重結合を有
する単量体の重合又は共重合において、重合器内壁面な
どへの重合体スケールの付着を効果的に防止することが
でき、品質の良好な重合体が得られる重合体の製造方法
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、重合器の
内壁面などに、2群の特定化合物を2段階で塗布するこ
とによって得られる二層構造の塗膜により上記目的を達
成し得ることを見出した。
【0007】すなわち、本発明は、一般式: CH2 =CXY 〔ここで、Xは水素原子又はメチル基であり、Yは水素
原子又は式:−Cn 2n+1 , −COOH , −C
OONa ,−COOCn 2n+1 , −CN , −
6 5 , −C6 4 Z,−OCOCn 2n+1、−O
n 2n+1もしくは−CH=CH2 (ここで、nは1以
上の整数であり、Zは水素原子、−OH、−CH3 もし
くは−CH=CH2 で表される基である)で表される基
である。〕で表されるエチレン性不飽和二重結合を有す
る単量体の重合器内における重合において重合体スケー
ルの付着を防止する方法であって、重合器内壁面及び重
合中に前記単量体が接触する他の部分に、予め、まず
(a)芳香族化合物の縮合物を塗布し、次に得られた塗
膜に(b)ポリアリルアミンを塗布しておいて前記の重
合を行う、重合体スケールの付着防止方法を提供するも
のである。
【0008】(a)の芳香族化合物の縮合物 本発明に用いられる(a)群の芳香族化合物の縮合物と
しては、例えば、次に挙げるものがある。 (i)特公昭60−30681号公報に記載された芳香
族アミン化合物と芳香族ニトロ化合物とを縮合触媒の存
在下100〜250℃の温度範囲で反応させて得られる
縮合物、又はこの縮合物をアルカリ金属塩もしくはアン
モニウム化合物によりベース化したもの:芳香族アミン
化合物としては、p−メチルアニリン、アニリン、p−
フェニレンジアミン、p−アミノジフェニルアミン、2
−クロロ−o−フェニレンジアミン、o−アミノフェノ
ール、m−アミノフェノール、4−アミノ−4’−ヒド
ロキシジフェニルアミン、4−アミノ−クロロフェノー
ル、p−クロロアニリン、m−フェニレンジアミン、o
−フェニレンジアミン等が例示される。
【0009】また、芳香族ニトロ化合物としては、ニト
ロベンゼン、o−ヒドロキシニトロベンゼン、p−ヒド
ロキシニトロベンゼン、p−ニトロフェネトール、o−
アミノニトロベンゼン、m−ニトロアニソール、o−ク
ロロニトロベンゼン、p−ニトロ安息香酸、p−ニトロ
ベンゼンスルホン酸、p−アミノニトロベンゼン、p−
クロロニトロベンゼン等が例示される。
【0010】上記例示された芳香族アミン化合物から選
択される1種以上の芳香族アミン化合物と上記例示され
た芳香族ニトロ化合物から選択される1種以上の芳香族
ニトロ化合物との芳香族アミン化合物/芳香族ニトロ化
合物縮合物が用いられる。縮合触媒としては、塩酸、硫
酸、リン酸等の鉱酸、塩化第2鉄、塩化銅、過マンガン
酸等が用いられる。
【0011】(ii)特公昭59−16561号公報及
び特公昭60−54323号公報に記載された芳香族ア
ミン化合物とフェノール系化合物とを縮合触媒の存在下
40℃〜300℃の温度範囲で反応させて得られる縮合
物:芳香族アミン化合物としては、m−フェニレンジア
ミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、トルエン−2,4−ジアミン等が例示される。
【0012】また、フェノール系化合物としては、レゾ
ルシノール、p−アミノフェノール、カテコール、フェ
ノール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、フロログル
シノール、ピロガロール等が例示される。
【0013】上記例示された芳香族アミン化合物から選
択される1種以上の芳香族アミン化合物と、上記例示さ
れたフェノール系化合物から選択される1種以上のフェ
ノール系化合物との芳香族アミン化合物/フェノール系
化合物縮合物が用いられる。縮合触媒としては、塩酸、
硫酸、リン酸等の鉱酸等が用いられる。
【0014】(iii)特公昭62−3841号公報に
記載された(1)2価もしくは3価の多価フェノールの
自己縮合生成物及び(2)多価ナフトールの自己縮合生
成物の群から選定された縮合生成物: (1)2価もしくは3価の多価フェノールとしては、カ
テコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロ
ール、フロログルシノール等が例示され、これら例示さ
れた多価フェノールの中から1種以上選択される多価フ
ェノールの縮合生成物である。
【0015】(2)多価ナフトールとしては、2,7−
ジヒドロキシナフタレン、3,7−ジヒドロキシナフタ
レン、2,6−ジヒドロキシナフタレン等が例示され、
これら例示された多価ナフトールの中から1種以上選択
される多価ナフトールの縮合生成物である。
【0016】これら(1)2価もしくは3価の多価フェ
ノールの自己縮合生成物及び(2)多価ナフトールの自
己縮合生成物は、多価フェノール又は多価ナフトールを
40℃〜300℃の温度範囲で反応させて得られる。こ
の反応において必要に応じて塩酸、硫酸、リン酸等の鉱
酸、水酸化ナトリウム等のアルカリ鉱水酸化物等を触媒
として添加してもよい。
【0017】(iv)特公昭60−59246号公報に
記載されたピロガロールとアルデヒドの縮合反応生成物 アルデヒドとしては、ホルマリン、アセトアルデヒド、
エチルアルデヒド、デシルアルデヒド等の脂肪族アルデ
ヒド、ベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、2−
ナフトアルデヒド、9−アントラアルデヒド等の芳香族
アルデヒドが挙げられる。
【0018】これらアルデヒド類の1種以上のアルデヒ
ドとピロガロールとの縮合反応生成物が得られる。ピロ
ガロールとアルデヒドと縮合反応生成物は、40℃〜1
50℃の温度範囲で反応させて得られる。この反応の
際、必要に応じて塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸、水酸化
ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物等を添加してもよ
い。
【0019】(v)特開昭57−192413号公報に
記載されたヒドロキシヒドロキノンと芳香族アルデヒド
との縮合物:芳香族アルデヒドとしては、ベンズアルデ
ヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズ
アルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、2−エチル
ベンズアルデヒド、3−エチルベンズアルデヒド、4−
エチルベンズアルデヒド、2−デシルベンズアルデヒ
ド、1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒド等が
例示され、これら例示された1種以上の芳香族アルデヒ
ドとヒドロキシヒドロキノンとを40℃〜150℃の温
度範囲で反応させて得られる。この反応の際必要に応じ
て塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸、水酸化ナトリウム等の
アルカリ金属水酸化物等を添加してもよい。
【0020】(vi)特開昭61−7309号公報に記
載された芳香族ジアミンと芳香族キノンとの縮合反応生
成物:芳香族ジアミンとしては、1,8−ジアミノナフ
タリン、1,5−ジアミノナフタリン、o−フェニレン
ジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジ
アミン等が例示され、芳香族キノンとしては、p−ベン
ゾキノン、β−ナフトキノン等が例示され、上記例示さ
れた芳香族ジアミンから選択される1種以上の芳香族ジ
アミンと上記例示された芳香族キノンから選択される1
種以上の芳香族キノンとを40℃〜150℃の温度範囲
で反応させて得られる。
【0021】この反応において必要に応じて塩酸、硫
酸、リン酸、等の鉱酸、塩化第2鉄、塩化銅、過マンガ
ン酸を添加してもよい。これらは1種単独でも2種以上
を組み合わせても用いられる。
【0022】上に例示した縮合物の中でも好ましいもの
は、アニリンとニトロベンゼンの縮合物、アニリン及び
/又はp−フェニレンジアミンとニトロベンゼンの縮合
物、アニリン及び/又はm−アミノフェノールとp−ニ
トロフェネトールとの縮合物、m−PDAとレゾルシノ
ールの縮合物、p−PDAとカテコールの縮合物、m−
PDAとハイドロキノンの縮合物、レゾルシノールの自
己縮合生成物、ピロガロールとベンズアルデヒドとの縮
合物、ヒドロキシハイドロキノンとベンズアルデヒドの
縮合物、1,8−ジアミノナフタレンとp−ベンゾキノ
ンの縮合物、1,5−ジアミノナフタレンとp−ベンゾ
キノンの縮合物、m−フェニレンジアミンとpベンゾキ
ノンの縮合物である。さらに、特に好ましいものはアニ
リンとニトロベンゼンの縮合物、m−PDAとレゾルシ
ノールの縮合物、ピロガロールとベンズアルデヒドの縮
合物、1,5−ジアミノナフタレンとp−ベンゾキノン
の縮合物である。
【0023】(b)のポリアリルアミン 本発明に用いられる(b)群のポリアリルアミンは、下
記一般式: -[-CH2 CH (CH2 NH2 )-] n - (式中、nは80〜9,000の整数、好ましくは17
0〜1,800の整数を表し、アミノ基NH2 は全部又
は一部が塩酸塩を形成していてもよい):で示される単
位で構成され、その分子量は5,000〜520,00
0で、好ましくは9,000〜120,000である。
【0024】これらは1種単独でも2種以上を組み合わ
せても用いられるが、塩酸塩を形成しないフリーのポリ
アリルアミンの単独使用が好ましい。
【0025】塗膜の形成 塗膜は少なくとも重合器の内壁面の形成されるが、この
重合中に単量体が接触する部位にはすべて形成すること
が望ましい。そのような部位としては、例えば、攪拌
軸、攪拌翼、バッフル、並びに重合器内へ仕込まれるモ
ノマー、重合開始剤、その他添加剤の仕込用配管内等が
挙げられる。
【0026】重合器内壁面などに塗膜を形成するため
に、まず前記(a)群の芳香族化合物の縮合物の1種又
は2種以上を重合器内壁面などに塗布し、下層を形成す
る。この下層の形成には、芳香族化合物の縮合物の1種
又は2種以上を適当な溶媒に溶解して塗布液を調製し、
この塗布液を重合器内壁などに塗布し、ついで室温ない
し100℃程度の温度で乾燥すればよい。
【0027】芳香族化合物の縮合物を溶解するための溶
媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパ
ノール、2−メチル−2−プロパノール、3−メチル−
1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、2−ペ
ンタノール等のアルコール系溶剤;n−ヘキサン、n−
ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶剤;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;塩化メチレ
ン、1−クロロブタン、塩化アミル、ジ塩化エチレン、
1,1,2−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素
系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン等のケトン系溶剤;ギ酸メチル、ギ酸エチ
ル、酢酸メチル、アセト酢酸メチル等のエステル系溶
剤;4−メチルジオキソラン、エチレングリコールジエ
チルエーテル等のエーテル系溶剤;フラン類;非プロト
ン系溶剤及び水などが例示され、これらは適宜単独で又
は2種以上の混合溶媒として使用される。
【0028】塗布液における芳香族化合物の縮合物の濃
度は、後述する塗布量が得られる限り特に制限されない
が、通常、0.001〜5重量%が好ましい。また、得
られる塗膜の乾燥塗布量は通常、0.001〜5g/m
2 が好ましい。
【0029】次に、こうして形成された(a)群の芳香
族化合物の縮合物からなる下層の上に、前記(b)群の
ポリアリルアミンからなる上層を形成する。その形成
は、例えば、所要のポリアリルアミンの1種又は2種以
上を適当な溶媒にに溶解して塗布液を調製し、この塗布
液を前記芳香族化合物の縮合物の塗膜面に塗布し、つい
で室温ないし100℃程度の温度で乾燥すればよい。こ
の塗布液の濃度も後述の塗布量が得られる限り限定され
ず、例えば、約0.01〜5.0重量%でよい。塗布後
の乾燥は十分に行う必要である。塗布の際の重合器内壁
等の温度(塗布温度)は室温〜100℃程度である。
【0030】ポリアリルアミンを溶解するための溶媒と
しては、水及び水と容易に混合可能な有機溶媒、例えば
アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤等が
挙げられ、それらの具体例としては芳香族化合物の縮合
物(a)の溶媒として例示したものが挙げられる。これ
らは適宜、1種単独で又は2種以上の混合溶媒として使
用される。
【0031】こうして得られる(b)群のポリアリルア
ミンからなる上層の乾燥塗布量は、通常、0.001〜
5g/m2 が好ましい。重合 このようにして、重合器内壁など二層構造の塗膜が形成
された後は、この重合器に常法にしたがって、エチレン
性不飽和二重結合を有する単量体、重合開始剤、その他
必要とされる重合媒体、添加剤、例えば単量体の分散助
剤を仕込んで重合させればよい。
【0032】本発明の方法が適用されるエチレン性不飽
和二重結合を有する単量体としては、例えば、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル;アクリ
ル酸、メタクリル酸あるいはそれらのエステル又は塩;
マレイン酸、フマル酸、及びそれらのエステル又は無水
物;ブタジエン、クロロプレン、イソプレンのようなジ
エン系単量体;さらにスチレン、アクリロニトリル、ハ
ロゲン化ビニリデン、ビニルエーテルなどがあげられ
る。
【0033】また、本発明の方法が適用される重合の形
式は特に限定されず、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、
塊状重合等のいずれの重合形式においても有効である。
したがって、重合系に添加される添加物質も通常用いら
れものは何ら制約なく使用することができる。即ち、例
えば、部分けん化ポリビニルアルコール、メチルセルロ
ース、ポリアクリレートなどの懸濁剤、リン酸カルシウ
ム、ヒドロキシアパタイトなどの固体分散剤、ラウリル
硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのアニオ
ン性乳化剤、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテルなどのノニオン性乳化剤、炭酸
カルシウム、酸化チタンなどの充填剤、三塩基性硫酸
鉛、ステアリン酸カルシウム、ジブチルすずジラウレー
ト、ジオクチルすずメルカプチドなどの安定剤、ライス
ワックス、ステアリン酸などの滑剤、DOP、DBPな
どの可塑剤、トリクロロエチレン、メルカプタン類など
の連鎖移動剤、pH調節剤、ジイソプロピルパーオキシ
ジカーボネート、α,α’−アゾビス−2,4−ジメチ
ルバレロニトリル、ラウロイルパーオキサイド、過硫酸
カリウム、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタ
ンハイドロパ−オキサイドのような重合触媒などが存在
する重合系においても、本発明の方法は重合体スケール
の付着を効果的に防止することができる。
【0034】本発明の方法が特に好適に実施される重合
は、ステンレス製重合器におけるポリスチレン、ポリメ
チルメタクリレート、ポリアクリロニトリルなどの重合
体のビーズ、ラテックスの製造を行う懸濁重合あるいは
乳化重合である。SBR、NBR、CR、IR、IIR
などの合成ゴムの製造(これらの合成ゴムは、通常、乳
化重合によって製造される)、ABS樹脂の製造を行う
重合にとっても好適である。
【0035】
【実施例】次に、本発明の方法を実施例及び比較例によ
り説明する。なお、以下の各表において*印を付した実
験No. は比較例であり、それ以外の実験No. は本発明の
実施例である。
【0036】芳香族化合物の縮合物の製造例 (1)縮合物No. 1の製造 アニリン1.00モル、塩酸0.310モル、ニトロベ
ンゼン0.227モル及び塩化第二鉄0.103モルか
らなる混合物を60℃で六時間加熱後、180〜185
℃に昇温して水を留去させながら、温度を保って15時
間反応させた。反応の間に水とともに、アニリン及びニ
トロベンゼンが留出した。留出したアニリン及びニトロ
ベンゼンを回収し、反応器中へ戻した。次に、反応器の
内温を200℃に昇温し、この温度で5時間加熱した。
【0037】得られた反応混合物(溶融物)を希硫酸中
に投入し、60℃で3時間加熱した後、熱い間に濾過
し、未反応のアニリンを除去した。次に5〜6回水洗し
て塩酸を除去後、乾燥して縮合物を得た。
【0038】(2)縮合物No. 2の製造 m−フェニレンジアミン1.00モル、塩酸1.00モ
ル及びレゾルシノール0.83モルからなる混合物を、
60℃で1時間加熱後、2時間かけて発生するアンモニ
アを除去しながら300℃に昇温した。温度が300℃
に達した時点で、冷却を開始して、1時間で室温に戻し
て、固形の縮合物を得た。
【0039】(3)縮合物No. 3の製造 ピロガロール3モルを水2lに溶解し、ベンズアルデヒ
ド2モル及びリン酸6モルを添加して、100℃で4時
間反応させた。得られた反応混合物を濾過した後、熱水
で5〜6回洗浄して過剰のリン酸を除去し、乾燥して縮
合物を得た。
【0040】実施例1 内容積1000Lの攪拌機付ステンレス製重合器を用い
て次のようにして重合を行った。各実験において、ま
ず、上記製造例で製造された縮合物をメタノールに、濃
度0.5重量%に溶解して塗布液〔塗布液A〕を調製
し、これを重合器内壁その他重合中に単量体が接触する
部分に塗布し、50℃で15分間放置して乾燥後水洗し
た。次に、ポリアリルアミン及びその塩酸塩を水に溶解
して調製した塗布液〔塗布液B〕を塗布し、乾燥後、水
洗した。各実験で用いた縮合物、ポリアリルアミンの分
子量、塩の形成状態、並びに塗布液Bの濃度、塗布及び
乾燥の条件を表1に示す。ただし、実験No. 1〜4は塗
布液を塗布しないか、又は塗布液AもしくはBのみを塗
布した比較例である。
【0041】その後、このように塗布処理された重合器
中に水400kg、スチレン260kg、アクリロニト
リル140kg、ポリアクリルアミド部分ケン化物40
0g及びα,α’−アゾビスイソブチロニトリル1.2
kgを仕込み、攪拌しながら90℃で5時間重合した。
重合終了後、重合器内壁面に付着した重合体スケールの
量を測定した。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】実施例2 実施例1と同様にして塗膜の形成、原料等の仕込み及び
重合を50バッチ繰り返し行った。即ち、毎バッチ塗布
により塗膜形成作業を行った後に重合を繰り返す操作を
50回繰り返した。その後、重合器内壁に付着した重合
体スケールの量を測定した。結果を表2に示す。ただし
実験No. 25〜26はポリアリルアミンの代わりにポリ
ビニルアミン、又はポリビニルピロリドンを使用した比
較例である。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明の方法によると、従来困難であっ
た、ハロゲン化ビニル以外のエチレン性不飽和二重結合
を有する単量体の重合における重合体スケールの重合器
内壁面などへの付着を効果的に防止することができる。
特に、重合体スケール防止性塗膜への溶解能の高い単量
体、例えばスチレン、α−メチルスチレン、アクリル酸
エステル、アクリロニトリル等を含む重合系の重合の場
合でも重合体スケールの付着を効果的に防止することが
できる。したがって、スケール除去のために重合器の使
用を休止せずに重合器をより長期にわたり繰り返し使用
することができ、生産性が向上する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: CH2 =CXY 〔ここで、Xは水素原子又はメチル基であり、Yは水素
    原子又は式:−Cn 2n+1 , −COOH , −C
    OONa ,−COOCn 2n+1 , −CN , −
    6 5 , −C6 4 Z,−OCOCn 2n+1、−O
    n 2n+1もしくは−CH=CH2 (ここで、nは1以
    上の整数であり、Zは水素原子、−OH、−CH3 もし
    くは−CH=CH2 で表される基である)で表される基
    である。〕で表されるエチレン性不飽和二重結合を有す
    る単量体の重合器内における重合において重合体スケー
    ルの付着を防止する方法であって、重合器内壁面及び重
    合中に前記単量体が接触する他の部分に、予め、まず
    (a)芳香族化合物の縮合物を塗布し、次に得られた塗
    膜に(b)ポリアリルアミンを塗布しておいて前記の重
    合を行う、重合体スケールの付着防止方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、前記ポ
    リアミンが塩を形成しない状態、又はそれが有するアミ
    ノ基の一部又は全部が塩酸塩の状態にある方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021107314A (ja) * 2019-12-29 2021-07-29 Oatアグリオ株式会社 潅水チューブ目詰まり防止剤及び肥料

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