JPH08231239A - ガラスリボンの割断方法およびそのための装置 - Google Patents

ガラスリボンの割断方法およびそのための装置

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JPH08231239A
JPH08231239A JP33187995A JP33187995A JPH08231239A JP H08231239 A JPH08231239 A JP H08231239A JP 33187995 A JP33187995 A JP 33187995A JP 33187995 A JP33187995 A JP 33187995A JP H08231239 A JPH08231239 A JP H08231239A
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JP
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line
cleaving
cutting
glass ribbon
glass
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JP33187995A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Komagata
和行 駒形
Toru Iseda
徹 伊勢田
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ガラス微粉の付着がきわめて少ないガラス切断
方法を得る。 【解決手段】ガラスリボン1の搬送方向と垂直方向に熱
応力切断した後に、ガラスリボン1の搬送方向と平行方
向に熱応力切断する。ガラスリボン1の搬送方向と平行
に割断線が進行させる際には、該割断線の進行中または
進行停止直後に応力切断した後に、曲げモーメントを加
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスの微粉を発
生しにくいガラスリボンの割断方法および装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラス板の切断には、超硬合金な
どからなる切断ホイールを一定荷重でガラス板に押し当
てながら切り線を入れたのちに、切り線の回りに折り曲
げて曲げモーメントを加え、割断する方法がとられてい
る。
【0003】このとき、割断線が割断予定線からはずれ
て折り損じを生じることがないように、切り線を入れる
際に充分大きな荷重を加える必要がある。そのため、切
り線によって、切断に本来必要なガラス板の厚み方向に
進行するメディアンクラックのほかに、ガラス板の表面
に略平行に進行するラテラルクラックがガラス表層部に
生じる。このクラックは、切り線形成時または割断後に
剥離するため、ガラス微粉の発生が避けられない。
【0004】このガラス微粉はガラスの載置台等に付着
してガラス表面に微細な傷を付ける原因となる。また、
ガラス表面に付着したガラス微粉が洗浄時にガラス表面
を傷つけたり、ガラス板の表面を研磨する際またはガラ
ス板を重ねた際などに、洗浄で除去できなかったガラス
微粉によりガラス板の表面が傷つくこともある。
【0005】ところで、比較的ガラス微粉の発生しにく
い割断方法として、炭酸ガスレーザにより熱応力を生じ
させてガラスを割断する方法(F.P.Gagliano & R.M.Lum
ley,Proc.of the IEEE,57(2),1969 )が知られており、
この方法を、ガラスを任意の形状に割断するために採用
することも知られている(特公平3−13040)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
では、わずかな距離ではあるが一部を残して割断が止ま
り、割断がガラス板の反対の端部まで到達しないという
問題がある。このとき、ガラス板を再度折り割った場
合、充分な寸法精度が得られない。
【0007】図4はこうした様子を示した割断線の斜視
図であり、ガラス板10の端部に形成された予備亀裂2
1を起点に割断線22が形成された様子を示す。23は
切り残し部を示す。
【0008】また、これらの方法によっても、ガラス板
を割断する際には、割断の起点になる予備亀裂をガラス
板の端部近傍に形成する必要があり、この予備亀裂を形
成する際にガラスの微粉が生ずるおそれがある。
【0009】さらに、フロート法などによって成形され
たガラスリボンを、オンラインで熱応力切断する方法に
ついては知られていない。
【0010】本発明の目的は、従来の技術が有する前述
の欠点を解消するとともに、フロート法、ダウンドロー
法などによって成形され、搬送中のガラスリボンを割断
するのに適した方法および装置を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガラスリボン
を割断して矩形状ガラス板を得るガラスリボンの割断方
法であって、ガラスリボン周縁部の近傍に、搬送方向に
略垂直な第1の割断予定線に沿って、第1の予備亀裂を
形成する工程、第1の予備亀裂の端部近傍に局所的な加
熱を加え、その加熱点を第1の割断予定線上で移動させ
ることにより、第1の予備亀裂の割断進行方向端部を始
点として、第1の割断予定線上に割断線を進行させる工
程、第1の割断予定線の回りに曲げモーメントを加えて
ガラス板をガラスリボンの搬送方向と略垂直な方向に割
断してガラス板を得る工程、得られたガラス板の端部
に、ガラスリボンの搬送方向に略平行な第2の割断予定
線に沿って、第2の予備亀裂を形成する工程、第2の予
備亀裂の端部近傍に局所的な加熱を加え、その加熱点を
第2の割断線上で移動させることにより、第2の予備亀
裂の割断進行方向端部を始点として、第2の割断予定線
上に割断線を進行させるとともに、該割断線の進行中ま
たは進行停止直後に第2の割断予定線の回りに曲げモー
メントを加えてガラス板をガラスリボンの搬送方向と略
平行な方向に割断する工程、を含むことを特徴とするガ
ラスリボンの割断方法である。
【0012】また、ガラスリボンの割断装置であって、
ガラスリボンの搬送方向に略垂直な第1の割断予定線に
沿ってガラスリボンを割断する垂直割断装置と、垂直割
断装置に対して搬送方向下流側に設けられ、該垂直割断
装置によって割断、形成されたガラス板を搬送方向に略
平行な第2の割断予定線に沿って割断する平行割断装置
とを備えるとともに、該垂直割断装置は、ガラスリボン
周縁部近傍に第1の予備亀裂を第1の割断予定線に沿っ
て形成する第1の切断工具と、第1の割断線の進行方向
端部近傍に局所的な加熱を加える第1の加熱手段と、第
1の割断予定線に沿って第1の加熱手段の加熱点とガラ
ス板とを相対移動させる第1の加熱点移動手段と、を備
え、該平行割断装置は、ガラスリボンを搬送方向と略垂
直方向に割断して得られたガラス板の端部に第2の予備
亀裂を第2の割断予定線に沿って形成する第2の切断工
具と、第2の割断線の進行方向端部近傍に局所的な加熱
を加える第2の加熱手段と、第2の割断予定線に沿って
第2の加熱手段の加熱点とガラス板とを相対移動させる
第2の加熱点移動手段と、ガラス板の第2の割断線の回
りに曲げモーメントを与える曲げモーメント付勢手段と
を備えている、ことを特徴とするガラスリボンの割断装
置である。
【0013】本発明においては、ガラスリボンの搬送方
向に平行な方向に割断線を進行させるに際して、その進
行中または進行停止直後に割断線のまわりに曲げモーメ
ントを加えるため、終端部での切り残しが生じない。
【0014】また、ガラスリボンの搬送方向に垂直な方
向の割断を、平行な方向の割断に先行させるため、ガラ
スリボンの側部に生じる可能性のある切り残しを粗く破
断しても、後に廃棄される部位になるため、問題となら
ない。
【0015】さらに、ガラスリボンの搬送方向に垂直な
方向の割断において、熱応力による割断の起点となる予
備亀裂形成を、ガラス微粉が生ずるような通常の方法で
行っても問題にならない。すなわち、予備亀裂を形成す
る部位はガラスリボンの端部であって、後に廃棄される
部位であり、かつ予備亀裂の長さは短いために、ガラス
の微粉のガラスへの付着および搬送ロールへの付着はき
わめて少ない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
従って説明する。図1は本発明の装置の基本的構成を示
す斜視図であり、ガラスリボン1が速度vで矢印方向に
搬送されている。ガラスリボン1を最初に割断する垂直
割断装置7は加熱手段4と、加熱伝達手段5を備えてい
る。また続いて、ガラスリボン1を割断する平行割断装
置9は加熱手段6と加熱伝達手段5とを備えており、垂
直割断装置7の下流側に配置されている。2は垂直割断
装置7により形成された割断線、3は平行割断装置9に
より形成された割断線である。2a、3aはガラス板端
部の割断予定線上に形成された予備亀裂である。
【0017】加熱手段4、6については、レーザ光、加
熱空気、燃焼炎などを単独または複合で使用できる。高
い割断精度を得るためには、エキシマレーザ、YAGレ
ーザ、炭酸ガスレーザまたは一酸化炭素レーザなどのレ
ーザ光または燃焼炎を使用することが望ましい。特に、
エネルギー吸収効率および経済的な理由から、炭酸ガス
レーザまたは燃焼炎を使用することが望ましい。
【0018】本発明では、割断予定線からずれないよう
に割断線を進行させるために、割断線の進行方向端部近
傍を局所加熱することが必要である。局所加熱のために
は、加熱源を加熱伝達手段を用いて所定の場所に導いて
行うことが望ましい。加熱手段4、6としては具体的に
は以下のようなものを使用できる。
【0019】レーザ光を用いた場合は、加熱伝達手段5
としては、結晶ファイバー導光路、中空細管導光路、レ
ンズ・ミラーからなる光学系を採用できる。また、加熱
手段として加熱空気を用いる場合は耐熱チューブなどを
採用できる。さらに、燃焼炎を用いる場合は燃焼ノズル
とゴムチューブなどを加熱伝達手段として採用できる。
本形態においては、加熱手段4、6として炭酸ガスレー
ザを用い、加熱伝達手段5として炭酸ガスレーザ中空細
管導光路を用いた。
【0020】図2は垂直割断装置7をガラスリボン搬送
方向からみた正面図である。13は切断工具であり、1
2は切断工具13を支持し、必要に応じてガラス板に押
しつける切断工具押圧手段である。切断工具支持押圧手
段12はロッド12aとエアシリンダ12bとからな
り、ロッド12aの先端に取り付けられた切断工具13
がエアシリンダ12bの作用によって上下する。
【0021】切断工具押圧手段12は予備亀裂の形成時
には切断工具13を下降させて切断工具13をガラスリ
ボン1に押圧し、予備亀裂形成が終了すると切断工具1
3を上昇させる。ガラス末端部の割断性を改善させる目
的で、末端付近で再び切断工具13を下降させて亀裂を
形成させてもよい。これらの上下機構は一例であって、
これらに限定されない。
【0022】図には示していないが、垂直割断装置7の
下流側のガラスリボン1の裏側に曲げモーメント付与手
段を設ける。たとえば、ローラの段差などである。
【0023】40は切断工具および加熱伝達手段を水平
に移動する移動機構を示す。移動機構40はガイドレー
ル11とそれに沿ってスライドするスライド板32とか
らなり、切断工具支持押圧手段12と加熱伝達手段5と
がスライド板32に固定されている。したがって、スラ
イド板32がラックアンドピニオンなどの機構によって
ガイドレール11に沿って移動すれば、それに応じて、
切断工具13および局所加熱点が移動する。
【0024】切断工具13については、通常のガラス板
割断における予備亀裂形成と同様に超硬合金のホイー
ル、ダイヤモンドブレードなどが使用できる。
【0025】14は、ガラス板1を搬送する搬送ロール
を示す。ロール軸14bの回りに、ロール14aが回転
することにより、ガラスリボン1およびこれから切り出
されたガラス板10が搬送される。
【0026】図3は平行割断装置9の側面図であり、1
6は切断工具、15は切断工具16を支持し、必要に応
じてガラス板に押しつける切断工具押圧手段である。切
断工具押圧手段15はロッド15aとエアシリンダ15
bとからなり、ロッド15aの先端に取り付けられた切
断工具16がエアシリンダ15bの作用によって、上下
する。
【0027】切断工具押圧手段15は予備亀裂の形成時
には切断工具16を下降させ、形成が終了すると上昇さ
せる。これらの上下機構は一例であって、これらに限定
されないことは垂直割断装置の場合と同様である。
【0028】34は支持板で、切断工具押圧手段15と
加熱伝達手段5が固定されている。支持板34は基台3
3に固定されている。本実施例では、切断工具16と加
熱伝達手段5との水平位置関係は固定されている。
【0029】そして、ガラスリボンから切り出されたガ
ラス板10が前述の搬送ロール14で水平移動すること
により、ガラスリボンの搬送方向にガラス板10と切断
工具16および加熱伝達手段5とが相対移動することに
なる。すなわち、本発明では、搬送ロール14は、ガラ
スリボンの搬送機構であると同時に、加熱点をガラス板
10に対して移動する加熱点移動手段となっている。
【0030】17、18および19はガラス板1に曲げ
モーメントを加えるためのローラ(曲げモーメント付勢
手段)を示す。ローラ17、18は図示しない駆動手段
によって、形成しようとする割断線直下の裏面から表面
にガラス板1を押し上げるように動き、ローラ19は、
やはり図示しない駆動手段によって、形成しようとする
割断線の脇を図の上方から下方にガラス板10を押し下
げるように動く。こうして予備亀裂が形成された面が凸
面となるように局所的な曲げモーメントがガラス板10
に加わることになる。
【0031】平行割断装置9における切断工具16は超
硬合金ホイールなどでも使用できるが、ラテラルクラッ
クが発生しにくいという理由から先端を尖らせた単結晶
ダイヤモンドまたは焼結ダイヤモンドなどのカッタの使
用がより望ましい。
【0032】次に、本実施形態における装置の動作につ
いて説明する。ガラスリボン1は搬送ロール14によっ
て、一定速度vで搬送されている。
【0033】上流の垂直割断装置7における予備亀裂形
成は以下のように行われる。予備亀裂を加える切断工具
は、スライド板32をガイドレール11に沿って移動さ
せることによって、一定速度vで移動するガラスリボン
の搬送方向に対して角度θを成す直線に沿って一定の速
度w=v/cosθで移動する。こうすると、切断工具
13は、搬送方向に略垂直な割断予定線上を動くことに
なる。
【0034】同時に切断工具13の刃部分を切断工具支
持押圧手段12によってガラス板1に押しつけ、ガラス
板1の周縁部近傍の割断予定線上に割断線の始点となる
予備亀裂を形成する。
【0035】この場合の予備亀裂は、ガラスリボン1の
端部ではなく、端部から若干離れた位置に形成されるこ
とが望ましい。こうすると、割断線の進行時に割断線の
両端が分離しておらず、固定されているので、割断され
る二つの部位が接触してガラス粉が発生することを防止
できる。
【0036】次に、進行する割断線の先端近傍を局所加
熱し、スライド板32をガイドレール11に沿って移動
させることによって、加熱手段4の加熱点を割断予定線
に沿って移動させる。こうして、割断予定線上に割断線
と熱とによって応力集中を生じさせ、割断線を割断予定
線上に進行させる。
【0037】この時点では、予備亀裂の形成によって若
干のクラックが発生したり、熱応力切断特有の切り残し
が生じる場合がある。切り残しについては、前述の切り
始め部分での切り残しも含めて、曲げモーメントを付加
するなどによって、粗く破断してよい。後段の平行割断
装置9によって切り落とされるからである。ただし、破
断した二つの部分が衝突して、ガラス粉を生じないよう
に、引張応力をかけることが好ましい。こうして、ガラ
スリボン1からガラス板10が切り離される。
【0038】次に、下流の平行割断装置9での割断が行
われる。まず、ローラ17、18によってガラス板10
を上方に押し上げることによってガラス板10を押し下
げ、ガラス板10に曲げモーメントを加えながら、切断
工具16の刃部分を切断工具押圧手段15によってガラ
ス板10に押しつけ、ガラス板10の端部の割断予定線
上に割断線の始点となる予備亀裂を形成する。
【0039】切断工具16は支持板34を介して基台3
3に固定されているので、予備亀裂は、ガラス板1の搬
送方向に平行に形成される。ガラスリボンの搬送方向を
考慮すると予備亀裂はガラス板10の搬送方向下流側端
部またはその近傍に形成されるのがよい。
【0040】曲げモーメントの付加は予備亀裂の形成直
後に行うこともできるが、割断に要する時間を短縮する
ために、予備亀裂の形成と同時に行う方がより好まし
い。
【0041】本実施態様では、曲げモーメントの付加に
より、低荷重での予備亀裂形成でも充分な深さの予備亀
裂に成長させることができ、確実な熱応力割断を可能に
しているが、別の方法もとりうる。たとえば、予備亀裂
を形成する面を、この後、割断線を進行させる際に加熱
する面と反対の面にすることによっても、低荷重での予
備亀裂形成ができる。
【0042】本発明によれば、搬送と平行方向に予備亀
裂を形成する場合、切断工具16による予備亀裂の形成
は、20〜200gf程度の弱い荷重で行いうる。こう
した低荷重で予備亀裂形成を行うことは、ガラスの微粉
生成を避ける意味できわめて好ましい。
【0043】次に、加熱手段6によって、割断線先端近
傍を局所加熱する。こうして、割断予定線上に割断線と
熱とによって応力集中を生じさせ、割断線を割断予定線
上に進行させる。この際、ガラス板10が搬送されてい
るため、特に加熱点を移動しなくとも、加熱点とガラス
板10とは相対移動する。そして、少なくとも、割断が
停止する直前から直後にかけてのいずれかの時点で、ロ
ーラ17、18、19によって、ガラス板10に曲げモ
ーメントを加えることによって、切り残しなく、搬送方
向と平行な方向に割断が行われる。
【0044】曲げモーメントを加えるタイミングは、少
なくとも割断の終了間際であることが好ましいが、割断
線の進行停止直後であってもよい。このようにすると割
断線の進行の慣性を利用できるため、切り残し部分の割
断線が曲がることがない。予備亀裂がガラス板の搬送方
向下流側端部に形成される場合は、曲げモーメントの印
加は割断線の先端がガラス板の搬送上流側端部に近付い
たときがよい。
【0045】なお、ガラス板1に曲げモーメントを発生
させるための方法としては本実施形態の方法に限定され
ず公知の種々の公知の方法が採用できる。
【0046】割断は、具体的には以下のように行われ
た。フロート法ガラス板の製造ラインの末端に近い、ガ
ラス板の温度がほぼ室温まで冷却された箇所に図1〜図
3に示す割断装置を設置してガラス板を切断した。
【0047】ガラスリボン1は厚さ0.7mmのソーダ
石灰ガラスで、幅は3m、搬送速度は50mm/秒であ
る。垂直割断装置7の加熱手段の搬送装置は、ガラスリ
ボンの搬送方向に対して60°傾けて設置し、100m
m/秒の速度で移動しながら、切断工具13(超硬ホイ
ール)にてガラスリボン端部から10mm内側に入った
位置に1.5kgの荷重で長さ100mmの切り線を入
れ、同ホイールを上昇させるとともに、切り線の終端部
から同じ速度で炭酸ガスレーザビーム光を通過させるこ
とにより切り線部の亀裂を伸展させた。
【0048】ガラスリボンの末端から110mmの位置
でレーザ光を遮り、切断工具13を再び下降させて長さ
100mmの切り線を入れた。炭酸ガスレーザのガラス
表面における強度は100ワットとした。ガラスリボン
の両側部に長さ10mmの切り残しが生じたが、搬送ロ
ール14間の段差により破断した。
【0049】次に、この割断によって形成されたガラス
板10の割断部が平行割断装置を速度50mm/秒で通
過する際、切断工具16(ダイヤモンドカッタ)を上下
させて、荷重40gで表面に切り線を入れた。切り線は
ガラス板の搬送方向下流側端部から約1mm内側から長
さ5mmにわたって形成した。
【0050】この切り線の形成直後、ガラス板の裏面の
切り線の裏面、および、ガラス板表面の切り線から50
mm隔てた切り線の両側の位置を合計3個のプラスチッ
ク製ロール17、18、19で抑えることにより、ガラ
ス板を撓ませて切り線を深くした。
【0051】ガラス板の連続的な搬送により切り線部を
50ワットの強度を有する炭酸ガスレーザビームが通過
し、切り線を起点とした割断が行われた。ガラス板の末
端部の20mm手前から再び3個のロール17、18、
19によりガラス板が押さえられて破断した。
【0052】平行割断装置9は、ガラス板の両端部から
300mm内側に各1台、これらからガラス板の幅方向
内側に800mm隔てた位置に2台の合計4台を設置
し、垂直割断線は1000mm間隔で形成したので、8
00×1000mmのガラス基板が得られた。これらの
基板を暗室中にて20万ルクスの光源下で観察したが、
ガラスの微粉の付着は認められず、また、切断の寸法精
度は起点・末端部を含む全周について±0.1mm以内
であった。
【0053】
【発明の効果】本発明により、ガラス微粉の付着がきわ
めて少ないガラス基板が特別の洗浄を行うことなしに得
られる。そのため、ガラス基板の研磨工程で発生する傷
が減少し、研磨加工時間が短縮できる。また、搬送ロー
ルへのガラス微粉の付着が著しく減少するため、ガラス
板裏面の傷発生がほとんどなくなり、製品の歩留りが向
上する。
【0054】また、研削油などが付着しないためガラス
板の洗浄が容易である。さらには、切り線が入れにくか
った0.2mm以下の薄いガラス板についてもガラスを
破損することなく歩留りよく切断できる。
【0055】本発明は、特に、液晶表示素子(LCD)
用の基板を製造する場合に用いると、きわめて有効であ
る。すなわち、割断時にほとんどガラス微粉が生じない
ため、液晶表示素子基板の上に、異物が残り、電気的な
短絡や、液晶層厚みの基板内変動をによる色むらが発生
する事態を防止できる。
【0056】また、第1の予備亀裂を形成する工程にお
いて、予備亀裂を、ガラスリボンの端部からから離れた
箇所に形成することにより、割断される二つの部位の衝
突を防ぎ、さらに、ガラス微粉が生じるおそれを減らせ
る。さらに、この場合は、比較的厚い、ガラスリボンの
両側部を熱応力で割断する必要がないので、局所加熱源
の容量を小さくできる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る装置全体の斜視図
【図2】垂直割断装置の正面図
【図3】平行割断装置の側面図
【図4】従来の割断線の斜視図
【符号の説明】
1:ガラスリボン 2:割断線 3:割断線 4、6:加熱手段 5:加熱伝達手段 7:垂直割断装置 9:平行割断装置 12:切断工具支持押圧手段 13:切断工具 14:搬送ロール 15:切断工具支持押圧手段 16:切断工具 17、18、19:ローラ 21:予備亀裂 22:割断線 23:切り残し部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラスリボンを割断して矩形状ガラス板を
    得るガラスリボンの割断方法であって、 ガラスリボン周縁部の近傍に、搬送方向に略垂直な第1
    の割断予定線に沿って、第1の予備亀裂を形成する工
    程、 第1の予備亀裂の端部近傍に局所的な加熱を加え、その
    加熱点を第1の割断予定線上で移動させることにより、
    第1の予備亀裂の割断進行方向端部を始点として、第1
    の割断予定線上に割断線を進行させる工程、 第1の割断予定線の回りに曲げモーメントを加えてガラ
    ス板をガラスリボンの搬送方向と略垂直な方向に割断し
    てガラス板を得る工程、 得られたガラス板の端部に、ガラスリボンの搬送方向に
    略平行な第2の割断予定線に沿って、第2の予備亀裂を
    形成する工程、 第2の予備亀裂の端部近傍に局所的な加熱を加え、その
    加熱点を第2の割断線上で移動させることにより、第2
    の予備亀裂の割断進行方向端部を始点として、第2の割
    断予定線上に割断線を進行させるとともに、該割断線の
    進行中または進行停止直後に第2の割断予定線の回りに
    曲げモーメントを加えてガラス板をガラスリボンの搬送
    方向と略平行な方向に割断する工程、を含むことを特徴
    とするガラスリボンの割断方法。
  2. 【請求項2】第2の予備亀裂を形成する工程において、
    さらに、第2の予備亀裂形成と同時または形成直後に第
    2の割断予定線の回りに曲げモーメントを加えることを
    特徴とする請求項1記載のガラスリボンの割断方法。
  3. 【請求項3】第2の予備亀裂を形成する工程において、
    第2の予備亀裂を加熱される面の裏面側に設けることを
    特徴とする請求項1記載のガラスリボンの割断方法。
  4. 【請求項4】第1の予備亀裂を形成する工程において、
    予備亀裂を、ガラスリボンの端部からからわずかに離れ
    た箇所に形成することを特徴とする請求項1記載のガラ
    スリボンの割断方法。
  5. 【請求項5】局所的な加熱を加えるための加熱手段とし
    て、炭酸ガスレーザまたは燃焼炎を使用することを特徴
    とする請求項1記載のガラスリボンの割断方法。
  6. 【請求項6】第2の予備亀裂を形成する工程において、
    割断の始点となる短い予備亀裂の形成を、200gf以
    下の荷重で切り線を入れることにより行うことを特徴と
    する請求項1記載のガラスリボンの割断方法。
  7. 【請求項7】ガラスリボンの割断装置であって、 ガラスリボンの搬送方向に略垂直な第1の割断予定線に
    沿ってガラスリボンを割断する垂直割断装置と、垂直割
    断装置に対して搬送方向下流側に設けられ、該垂直割断
    装置によって割断、形成されたガラス板を搬送方向に略
    平行な第2の割断予定線に沿って割断する平行割断装置
    とを備えるとともに、 該垂直割断装置は、 ガラスリボン周縁部近傍に第1の予備亀裂を第1の割断
    予定線に沿って形成する第1の切断工具と、 第1の割断線の進行方向端部近傍に局所的な加熱を加え
    る第1の加熱手段と、 第1の割断予定線に沿って第1の加熱手段の加熱点とガ
    ラス板とを相対移動させる第1の加熱点移動手段と、 を備え、 該平行割断装置は、 ガラスリボンを搬送方向と略垂直方向に割断して得られ
    たガラス板の端部に第2の予備亀裂を第2の割断予定線
    に沿って形成する第2の切断工具と、 第2の割断線の進行方向端部近傍に局所的な加熱を加え
    る第2の加熱手段と、 第2の割断予定線に沿って第2の加熱手段の加熱点とガ
    ラス板とを相対移動させる第2の加熱点移動手段と、 ガラス板の第2の割断線の回りに曲げモーメントを与え
    る曲げモーメント付勢手段とを備えている、 ことを特徴とするガラスリボンの割断装置。
  8. 【請求項8】曲げモーメント付勢手段は加圧ロールから
    なることを特徴とする請求項7記載のガラスリボンの割
    断装置。
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