JPH0823115B2 - セルロ−ス系繊維の染色加工方法 - Google Patents

セルロ−ス系繊維の染色加工方法

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JPH0823115B2
JPH0823115B2 JP62191943A JP19194387A JPH0823115B2 JP H0823115 B2 JPH0823115 B2 JP H0823115B2 JP 62191943 A JP62191943 A JP 62191943A JP 19194387 A JP19194387 A JP 19194387A JP H0823115 B2 JPH0823115 B2 JP H0823115B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、セルロース系繊維材料の堅牢な染色物を製
造する方法に関する。更に詳しくは、本発明はセルロー
ス系繊維を染色後、フィックス処理剤で仕上げ加工して
なる堅牢な染色物の製造方法に関する。
従来の技術 従来、セルロース系繊維の染色には、直接染料、硫化
染料、建染染料、ナフトール染料、反応染料等が用いら
れている。これらのうち、直接染料、硫化染料、ナフト
ール染料等は、堅牢性に問題があり使用分野が限定され
ること、また、硫化染料、建染染料、ナフトール染料は
染色操作が煩雑であること、建染染料は、堅牢性は良好
であるが、染色コストが高く経済性に問題があること、
等の問題があり、最近では広く反応染料が使用されてい
る。
発明が解決しようとする問題点 反応染料の中で、青色染料として金属ホルマザン化合
物である染料は、特開昭59−15451号公報に記載の化合
物等が知られている。これらの染料は通常の公知の工業
的染色方法によって良好な染着性を示し、染色堅牢度も
通常の使用に耐え得る堅牢性を有しているため、経済性
の優れた有用な染料として活用されている。しかし、こ
れらの染料は、共通して染色物の湿潤堅牢度や耐塩素堅
牢度、或いはその他の堅牢度を向上させるために施こさ
れるフィックス処理を行なった場合に、色相が著しく変
化するという欠点を有している。
反応染料による染色物のフィックス処理は、湿潤堅牢
度の向上や耐塩素性の向上、又は反応染料染色加工プロ
セスにおける洗浄作業の省力化工程として重要であり、
この加工を行なう前後の色相の安定性が実用上大変重要
である。近年の消費者の反応染料の堅牢度に対する更な
る向上要望や省エネルギーに対する更なる要望に答える
手段としてフィックス処理は増加しており、フィックス
処理により影響を受け難い反応染料が強く望まれてい
る。
問題点を解決するための手段 本発明者らは、セルロース系繊維のフィックス処理加
工製品として、色相変化のない、堅牢度の良好な染色物
を製造する方法について鋭意検討した結果、本発明に到
達したものである。
即ち、本発明は遊離酸の形で下記一般式(I) 〔式中、Aは置換もしくは未置換のフェニレン又はナフ
チレン残基、Bは直鎖状もしくは分枝状のアルキル又は
アルケニル基、フェニル基、ナフチル基並びに複素環残
基を表わし、これらのアルキル、アルケニル、フェニ
ル、ナフチルおよび複素環は置換基を有していてもよ
い。Meは原子番号が27〜29の金属イオン、Xは基−O−
又は基 Yは置換されていてもよい低級アルコキシもしくはフェ
ノキシ基、又は基−NR1R2(R1及びR2は各々水素原子又
は置換されていてもよい低級アルキル、フェニル、ナフ
チルもしくはベンジル基)、Zは水溶性を付与する基、
m,nは各々0又は1〜3の整数を表わすが、その和は1
〜3とする。Dは置換もしくは未置換のベンゼン又はナ
フタレン環、Qは基−SO2CH=CH2又は基−SO2CH2CH2Lを
表わし、Lはアルカリの作用で離脱する基を表わす。R
は水素原子又は置換もしくは未置換の低級アルキル基を
表わす。〕 で示される反応染料を用いてセルロース系繊維材料を染
色し、洗浄後得られた染色物にフィックス処理を施こす
ことを特徴とするセルロース系繊維材料の染色物を製造
する方法を提供する。
前記一般式(I)において、Aで表わされるフェニレ
ンまたはナフチレン残基の置換基としては、ハロゲン原
子、ニトロ基、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ
基、スルファモイル基、N−モノ−またはN,N−ジアル
キルスルファモイル基(アルキル基は各々C1〜C4)、C1
〜C4アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基など
が例示される。これらの中、Aとしては、塩素原子、臭
素原子、ニトロ基、メチル基、エチル基、メトキシ基、
エトキシ基、スルファモイル基およびN,N−ジメチルス
ルファモイル基から成る群より選ばれた置換基の1個ま
たは2個、好ましくは1個によって置換されていてもよ
いフェニレン残基が好ましい。
Bで表わされる直鎖状または分枝状のアルキルまたは
アルケニル基は各々炭素数1〜8および2〜8が好まし
く、これらの置換基としては、メチル基、エチル基、メ
トキシ基、エトキシ基、ハロゲン原子およびスルファモ
イル基から成る群より選ばれた置換基によって置換され
ていてもよいフェニル基が挙げられる。またBで表わさ
れるフェニル基またはナフチル基の置換基としては、ヒ
ドロキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜C4アルキル
基、C1〜C4アルコキシ基およびカルボC1〜C4アルコキシ
基などが例示される。更にBで表わされる複素環残基と
してはフラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、
インドール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、キノ
リン、ベンズイミダゾールなどの残基が例示され、これ
らの複素環を構成する芳香族炭素には、塩素原子、フェ
ニル基、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基
などが置換していてもよく、また複素環中の−NH−基の
水素原子はメチル基、エチル基またはベンジル基によっ
て置換されていてもよい。これらの中、Bとしては、塩
素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ
基、カルボメトキシ基、カルボエトキシ基およびニトロ
基から成る群より選ばれた置換基の1個または2個によ
って置換されていてもよいフェニル基が好ましい。
Meで表わされる原子番号27〜29の金属イオンの中好ま
しい金属イオンは銅イオンである。
Yが置換されていてもよい低級アルコキシ基として
は、酸素数1個ないし2個かつ炭素数2個ないし4個を
含有する基を挙げることができ、中でもiso−プロポキ
シ基、β−メトキシエトキシ基等を挙げることができ、
好ましい低級アルコキシ基はメトキシ基である。
Yが置換されていてもよいフェノキシ基としては、ス
ルホ基、メチル基、ニトロ基、ハロゲン原子から選ばれ
る一又は二置換フェノキシ基を挙げることができ、好ま
しくは、非置換のフェノキシ基である。
Yが基−NR1R2(R1,R2は前記の意味を有する。)であ
る時のR1及びR2は、それらが置換されていてもよい低級
アルキル基の例として、1〜4個の炭素原子を有するア
ルコキシ基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、
複素原子、フェニル基及びスルファート基の群から選ば
れる、1又は2個の置換基により置換されていてもよい
炭素数1〜4個を有する低級アルキル基を挙げることが
でき、置換されていてもよいフェニル基の例として、1
〜4個の炭素原子を有するアルキル基、1〜4個の炭素
原子を有するアルコキシ基、スルホ基、カルボキシ基及
び塩素原子の群から選らばれる、1又は2個の置換基に
より置換されていてもよいフェニル基を挙げることがで
き、置換されていてもよいナフチル基の例として、ヒド
ロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、1〜4個の炭素原
子を有するアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するア
ルコキシ基又は塩素原子の群から選ばれる、1、2又は
3個の置換基により置換されていてもよいナフチル基を
挙げることができ、さらに置換されていてもよいベンジ
ル基の例として、1〜4個の炭素原子を有するアルキル
基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、スルホ
基及び塩素原子の群から選ばれる、1又は2個の置換基
により置換されていてもよいベンジル基を挙げることが
できる。それらの内、好ましいYとして、−NR3R4(R3
は水素原子、メチル基、又はヒドロキシ基、スルホ基も
しくはカルボキシ基で置換されていてもよい低級アルキ
ル基、及びR4はR3とは独立に、R3に含まれる基であるか
又はカルボキシ基もしくはスルホ基で置換されていても
よいフェニル基もしくはナフチル基を表わす。)が挙げ
られる。
Zで表わされる水溶性を付与する基としては、スルホ
ン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基が例示され、これ
らはAおよびBで表わされるフェニレン残基、ナフチレ
ン残基、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、ナフ
チル基または複素環残基、あるいはそれらが有する置換
基の芳香族炭素または脂肪族炭素に置換されている。
Dで表わされるベンゼン環またはナフタレン環の置換
基としては、C1〜C4アルキル基(好ましくはメチル、エ
チル基)、C1〜C4アルコキシ基(好ましくはメトキシ、
エトキシ基)、ハロゲン原子(好ましくは塩素、臭
素)、ニトロ基、スルホン酸基、カルボン酸基などが例
示される。
Rで表わされる低級アルキル基としては、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、その
置換基としては、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸
基、カルバモイル基、シアノ基、メトキシカルボニル基
などが例示される。これらの中、Rとしては、メチル
基、エチル基、カルバモイルエチル基、ヒドロキシエチ
ル基、n−もしくはiso−プロピル基が好ましい。
Xとしてはカルボニルオキシ基 が好ましく、またmとnの和は1または2が好ましい。
また一般式(I)において、Qが基−SO2CH2CH2Lの場
合、アルカリの作用の離脱する基Lとしては、ハロゲン
原子例えば塩素及び臭素原子、有機カルボン酸及びスル
ホン酸のエステル基例えばアセチルオキシ残基のような
低級アルカノイルオキシ残基、ベンゾイルオキシ残基又
はベンゼンスルホニルオキシ残基、および遊離酸の形で
式−OPO3H2、−SSO3H、−OSO3Hで表わされる基が例示さ
れ、これらの中−OSO3Hが最も好ましく、したがってQ
としては−SO2CH2CH2OSO3Hが好ましいが、同時に−SO2C
H=CH2が混在することもできる。
前記一般式(I)で示される反応染料の中、好ましい
ものはZがスルホ基、Meが銅イオン、Bが置換基を有し
ていてもよいフェニル基、Xが基 及びAが置換基を有していてもよいフエニレン残基であ
る前記一般式(I)で示される染料であり、中でも遊離
酸の形で下記一般式(II) 〔式中、R5,R6は各々水素原子、メチル基又はエチル
基、R7は水素原子、メチル基、エチル基、ニトロ基、ス
ルホ基又は塩素原子、Wは低級アルキレン基又はフェニ
レン基、Z′は水素原子、スルホ基又はカルボキシ基を
表わす。〕 で示される反応染料、更に特に、遊離酸の形で下記一般
式(II′) 〔式中、R8は水素原子、メチル基又はエチル基、Z″は
スルホ基又はカルボキシ基を表わす。〕 で示される反応染料が好ましい。
これらの反応染料は、アルカリ金属またはアルカリ土
類金属塩が好ましく、特にナトリウムまたはカリウム塩
が好ましい。
本発明の前記一般式(I)で示される反応染料は、下
記一般式(III) 〔式中、A,B,Me,X,Z,m及びnは前記した意味を有す
る。〕 で示される化合物、下記一般式(IV) 〔式中、R,D及びQは前記した意味を有する。〕 で示される芳香族アミン、及び下記一般式(V) H−Y (V) 〔式中、Yは前記の意味を有する。〕 で示される化合物を任意の順序で1,3,5−トリハロゲノ
−s−トリアジンと順次縮合することにより製造でき
る。
縮合反応においてはその順序は特に制限されるもので
はなく、また反応条件も特に制限されないが、一般的に
はpH2〜8、好ましくは3〜6で約0〜30℃の温度で実
施できる。
反応収率および得られる反応染料の品質を考慮して、
先ず前記一般式(III),(IV)および(V)で示され
る化合物のうち、1,3,5−トリハロゲノ−s−トリアジ
ンとの反応性の低い化合物を縮合させ、次いで残りの化
合物を縮合させるのが好ましい。この場合、最初の縮合
反応条件は出発原料と反応生成物の安定性に応じて適宜
決定することができるが、比較的低いpH域と温度を選ぶ
ことができ、例えばpH3〜4、温度−5゜〜10℃で行う
ことができる。
第二番目の縮合も、使用する原料と中間生成物及び最
終生成物の安定性に応じその反応条件を適宜決定できる
が、比較的高いpH域と温度、たとえばpH4〜6、温度30
〜40℃で行うことができる。
第三番目の縮合も、使用する原料と中間生成物及び最
終生成物の安定性に応じその反応条件を適宜決定できる
が、比較的高いpH域と温度、たとえばpH4〜6、温度50
〜80℃で行うことができる。
出発化合物として用いる前記一般式(III)で示され
る化合物は、たとえば下記一般式(VI) 〔式中、A,X,Z及びnは前記の意味を有する。〕 で示される芳香族アミンをジアゾ化し、対応するジアゾ
ニウム化合物から亜硫酸の塩を用いて生成するN−スル
ホン酸を鉱酸による加水分解を行い、得たヒドラジン誘
導体と下記一般式(VII) Zn−B−CHO (VII) 〔式中、B,Z及びnは前記の意味を有する。〕 で示されるアルデヒドを反応させヒドラゾン化合物とな
し、3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−アシルアミノベ
ンゼンスルホン酸のジアゾニウム化合物とカップリング
させ、その際、あるいはその後金属供与化合物、たとえ
ばその金属の硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、サリチル酸塩も
しくは酒石酸塩または塩化物を加え、錯体を形成せし
め、同時にあるいは引き続いて酸またはアルカリの作用
でアシルアミノ基を加水分解することによって製造でき
る。
一般式(III)で示される出発化合物を製造するため
に使用される一般式(VI)の芳香族アミンとして次の化
合物が例示される。
2−アミノフェノール、4−又は5−メチル−2−ア
ミノフェノール、4−又は5−スルホ−2−アミノフェ
ノール、4−スルホ−6−カルボキシ−2−アミノフェ
ノール、4−メトキシ−2−アミノフェノール、5−メ
チルスルホニル−2−アミノフェノール、4−ジメチル
アミノスルファモイル−2−アミノフェノール、5−ニ
トロ−2−アミノフェノール、4−ブロム−2−アミノ
フェノール、1−アミノ−2−ヒドロキシ−ナフタリン
−4,6−ジスルホン酸、1−アミノ−2−ヒドロキシ−
6−ニトロ−ナフタリン−4−スルホン酸、1−アミノ
−2−ヒドロキシ−6−クロル−ナフタリン−4−スル
ホン酸、2−アミノ−安息香酸、4−又は5−スルホ−
2−アミノ安息香酸、5−ニトロ−2−アミノ安息香
酸、5−クロル−2−アミノ−安息香酸又は5−メトキ
シ−2−アミノ安息香酸。
一般式(VII)のアルデヒドとしては、次の化合物が
例示される。
ベンズアルデヒド、2−,3−又は4−メチルベンズア
ルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド−3−スルホン
酸、2−,3−又は4−メトキシベンズアルデヒド、4−
メトキシ−3−クロルベンズアルデヒド、3−ニトロ−
ベンズアルデヒド、2−ヒドロキシベンズアルデヒド、
2−,3−又は4−クロル−ベンズアルデヒド、2,4−ジ
クロルベンズアルデヒド、2−クロルベンズアルデヒド
−5−スルホン酸、ベンズアルデヒド−2−スルホン
酸、ベンズアルデヒド−3−スルホン酸、ベンズアルデ
ヒド−4−スルホン酸、ベンズアルデヒド−2,4−ジス
ルホン酸、1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒ
ド、フラン−2−アルデヒド、チオフェン−2−アルデ
ヒド、ピロール−2−アルデヒド、イミダゾール−2−
アルデヒド、ピラゾール−5−アルデヒド、ピリジン−
2−アルデヒド、ピリジン−3−アルデヒド、ピリジン
−4−アルデヒド、ピリミジン−5−アルデヒド、キノ
リン−4−アルデヒド、ベンズイミダゾール−2−アル
デヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n
−ブチルアルデヒド、エナントアルデヒド、アクリルア
ルデヒド、クロトンアルデヒド、フェナセトアルデヒド
又はケイヒアルデヒド。
前記一般式(IV)で示される芳香族アミンの内、Rが
低級アルキル基である2級アミンは一般式(VIII) H2N−D−Q (VIII) 〔式中、D及びQは前記の意味を有する。〕 で示される1級芳香族アミンに後記のアルキル化剤を作
用させるか、その前駆体の一般式(IX) H2N−D−SO2CH2CH2OH (IX) 〔式中、Dは前記の意味を有する。〕 で示される化合物を同様にアルキル化し、次に常法によ
りエステル化あるいはハロゲン化することにより製造で
きる。
アルキル化剤としては、アルキルハライド、ジアルキ
ル硫酸、一置換エチレン及びオキサイドが挙げられ、前
記一般式(IV)におけるRの種類によって適宜選択でき
る。たとえば次が例示できる。
アルキルハライドの例 メチル、エチル、n−もしくはiso−プロピル、n−,
iso,sec−ブチルブロマイドまたはアイオダイド。
一置換エチレンの例 アクリロニトリル、アクリル酸、アクリル酸メチルも
しくはエチル、アクリルアマイド、ビニルスルホン酸。
ジアルキル硫酸の例 ジメチル硫酸、ジエチル硫酸。
オキサイドの例 エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、グリシ
ドール、トリメチレンオキサイド、β−ブチレンオキサ
イド、2−メチル−α−ブチレンオキサイド、2−エチ
ル−3−メチルエチレンオキサイド、メトキシエチレン
オキサイド、n−ブトキシエチレンオキサイド。
前記の2級アミンの原料として用いられる前記一般式
(VIII)で示される1級芳香族アミンとして、及びRが
水素である前記一般式(IV)で示される1級芳香族アミ
ンとしてたとえば次の化合物が例示される。
1−アミノベンゼン−2,3又は4−β−スルファトエ
チルスルホン、1−アミノベンゼン−3−β−ホスファ
トエチルスルホン、1−アミノ−4−メチルベンゼン−
3−β−スルファトエチルスルホン、1−アミノベンゼ
ン−3−β−クロルエチルスルホン、1−アミノ−4−
メトキシベンゼン−3−β−スルファトエチルスルホ
ン、1−アミノ−2,5−ジメトキシベンゼン−4−β−
スルファトエチルスルホン、1−アミノ−2−メトキシ
ベンゼン−4−β−スルファトエチルスルホン、1−ア
ミノ−2−クロルベンゼン−4−β−スルファトエチル
スルホン、1−アミノ−2−メトキシベンゼン−5−β
−スルファトエチルスルホン、2−アミノナフタリン−
8−β−スルファトエチルスルホン、2−アミノナフタ
リン−8−β−スルファトエチルスルホン−6−スルホ
ン酸、1−アミノ−2,5−ジメトキシベンゼン−4−ビ
ニルスルホン、1−アミノ−2−メトキシ−5−メチル
ベンゼン−4−β−スルファトエチルスルホン、2−ア
ミノナフタレン−4−、5−、6−または7−β−スル
ファートエチルスルホン、1−アミノ−2−ブロムベン
ゼン−4−β−スルファトエチルスルホン、1−アミノ
−2−ブロムベンゼン−4−ビニルスルホン、2−アミ
ノ−8−スルホナフタレン−6−β−スルファートエチ
ルスルホン、2−アミノナフタリン−8−β−ホスファ
トエチルスルホン−6−スルホン酸、2−アミノナフタ
リン−8−ビニルスルホン−6−スルホン酸、1−アミ
ノ−2−メトキシ−5−メチルベンゼン−4−β−クロ
ルエチルスルホン、1−アミノベンゼン−2−,−3−
または−4−ビニルスルホン、1−アミノ−2−ニトロ
ベンゼン−4−β−スルファートエチルスルホン、1−
アミノ−2−スルホ−4又は5−β−スルファートエチ
ルスルホン、1−アミノ−2−メトキシ−5−クロルベ
ンゼン−4−β−スルファートエチルスルホンおよび−
4−ビニルスルホン、1−アミノ−2−エトキシ−5−
クロルベンゼン−4−β−スルファートエチルスルホン
および−4−ビニルスルホン、2−アミノナフタリン−
6−β−スルファートエチルスルホン−1−スルホン
酸、5−クロルアニリン−2−β−スルファートエチル
スルフォン、5−スルホアニリン−2−β−スルファー
トエチルスルフォン、アニリン−2−β−チオスルファ
ートエチルスルフォン、5−クロルアニリン−2−β−
チオスルファートエチルスルフォン、5−スルホアニリ
ン−2−β−チオスルファートエチルスルホン、アニリ
ン−2−β−ホスファートエチルスルホン、5−クロル
アニリン−2−β−ホスファートエチルスルフォン、5
−スルホアニリン−2−β−ホスファートエチルスルフ
ォン、アニリン−2−ビニルスルフォン、5−クロルア
ニリン−2−ビニルスルフォン、5−スルホアニリン−
2−ビニルスルホン、アニリン−2−β−クロルエチル
スルフォン、5−クロルアニリン−2−β−クロルエチ
ルスルフォン、5−スルホアニリン−2−β−クロルエ
チルスルフォン。
前記一般式(V)で示される化合物は、たとえば次の
化合物が例示される。
アニリン、o、m又はp−トルイジン、1−アミノ−
3,4−又は−3,5−ジメチルベンゼン、1−アミノ−2
−,3−又は−4−エチルベンゼン、1−アミノ−2−,3
−又は−4−メトキシベンゼン、1−アミノ−4−エト
キシベンゼン、1−アミノ−2−,3−又は−4−クロル
ベンゼン、2−,3−又は4−アミノフェニルメタンスル
ホン酸、2−,3−又は4−アミノベンゼンスルホン酸、
3−又は4−メチルアミノベンゼンスルホン酸、3−又
は4−エチルアミノベンゼンスルホン酸、5−アミノベ
ンゼン−1,3−ジスルホン酸、2−アミノベンゼン−1,4
−ジスルホン酸、4−アミノベンゼン−1,3−ジスルホ
ン酸、2−,3−又は4−アミノ安息香酸、5−アミノベ
ンゼン−1,3−ジカルボン酸、5−アミノ−2−ヒドロ
キシベンゼンスルホン酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ
ベンゼンスルホン酸、5−アミノ−2−エトキシベンゼ
ンスルホン酸、N−メチルアミノベンゼン、N−エチル
アミノベンゼン、1−メチルアミノ−3−又は−4−メ
チルベンゼン、1−メチルアミノ−4−クロルベンゼ
ン、1−エチルアミノ−4−クロルベンゼン、1−エチ
ルアミノ−3−又は−4−メチルベンゼン、1−(2−
ヒドロキシエチル)−アミノ−3−メチルベンゼン、2
−,3−又は4−メチルアミノ安息香酸、2−,3−又は4
−メチルアミノベンゼンスルホン酸、2−,4−,5−,6
−,7−又は8−アミノナフタレン−1−スルホン酸、7
−メチル、エチル、プロピル、ブチル又はイソブチルア
ミノナフタレン−2−スルホン酸、1−,4−,5−,6−,7
−又は8−アミノナフタレン−2−スルホン酸、4−,5
−,6−,7−又は8−アミノナフタレン−1,3−ジスルホ
ン酸、2−,3−又は4−アミノナフタレン−1,5−ジス
ルホン酸、4−又は8−アミノナフタレン−1,6−ジス
ルホン酸、4−アミノナフタレン−1,7−ジスルホン
酸、3−又は4−アミノナフタレン−2,6−ジスルホン
酸、3−又は4−アミノナフタレン−2,7−ジスルホン
酸、6−又は7−アミノナフタレン−1,3,5−トリスル
ホン酸、4−,7−又は8−アミノナフタレン−1,3,6−
トリスルホン酸及び4−アミノナフタレン−1,3,7−ト
リスルホン酸の様な芳香族アミン、或いはアンモニア、
メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イ
ソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミ
ン、セカンダリ−ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエ
チルアミン、メチルエチルアミン、アリルアミン、2−
クロロエチルアミン、2−メトキシエチルアミン、2−
アミノエタノール、2−メチルアミノエタノール、ビス
−(2−ヒドロキシエチル)−アミン、2−アセチルア
ミノエチルアミン、1−アミノ−2−プロパノール、3
−メトキシプロピルアミン、1−アミノ−3−ジメチル
アミノプロパン、2−アミノエタンスルホン酸、アミノ
メタンスルホン酸、2−メチルアミノエタンスルホン
酸、3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、2−スルフ
ァトエチルアミン、アミノ酢酸、メチルアミノ酢酸、ε
−アミノカブロン酸、ベンジルアミン、2−、3−もし
くは4−クロロベンジルアミン、4−メチルベンジルア
ミン、N−メチルベンジルアミン、2−、3−もしくは
4−スルホベンジルアミン、2−フェニルエチルアミ
ン、1−フェニルエチルアミン、1−フェニル−2−プ
ロピルアミン、グリシン、β−アラニンの様な脂肪族ア
ミンをあげることができ、又低級アルコール、例えば、 メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等を、或
いは置換フェノール、例えば 3−又は4−スルホフェノール、2,4−又は3,5−ジス
ルホフェノール、2−ニトロ−4−スルホフェノール、
2−クロロ−4−スルホフェノール等をあげることがで
きる。
上記の出発化合物は、反応条件次第で酸および/また
は塩、特にアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の
形で使用される。
本発明の反応染料において所望の対イオンとするに
は、出発化合物の対イオンの種類、製造過程で酸と中和
に使用するアルカリ剤の種類あるいは必要に応じて塩析
単離する際の電解質の種類を選択すれば可能である。
本発明により製造した反応染料は、場合によっては無
機塩を除去し、必要に応じて安定剤もしくは染色性改良
剤の添加を行い液状品とすることもでき、あるいはこの
液状品または反応溶液を蒸発、たとえば噴霧乾燥により
粉体品とすることもでき、さらに一般に公知の方法によ
り電解質の添加による塩析分離を経て、液状品または粉
体品とすることもできる。
本発明において使用されるフィックス剤とは、例え
ば、反応染料のスルホン酸基の様な親水性基と結合する
ことにより、水難溶性の化合物形態に反応染料を変える
物質を言い、例えば、ポリアミン系化合物やジシアンジ
アミド系化合物、第4級アンモニウム塩系化合物が例示
される。
例えばポリアミン系化合物としては、特公昭60−7079
号公報、特公昭52−48221号公報、特公昭55−31234号公
報記載の化合物等が例示され、ジシアンジアミド系化合
物としては、特開昭48−39781号公報、特開昭57−47980
号公報、特公昭36−1736号公報記載の化合物等が例示さ
れ、第4級アンモニウム塩系化合物としては、特開昭58
−136889号公報、特開昭59−125986号公報記載の化合物
等が例示され、これらの少なくとも1種が用いられる。
また、フィックス剤としてはこれらに限定されるもので
はない。
本発明方法におけるセルロース繊維製品としては、木
綿、リネン、麻、ジュート、ラミー繊維、ビスコース等
の再成セルロース、或いはそれらと他の繊維との混交品
などが例示される。
本発明において一般式(I)で表わされる染料を用い
て染色する方法は、吸尽染色法の場合は、炭酸ソーダ、
第三リン酸ソーダ、苛性ソーダ等の酸結合剤の存在下に
芒硝または食塩等の無機塩を加えた染浴で常法により行
なわれる。
コールドバッチ染色の場合は、酸結合剤として苛性ソ
ーダ、ケイ酸ソーダ、炭酸ソーダ、リン酸ソーダ、アル
ミン酸ソーダ等を単独、または併用し、場合によっては
芒硝又は食塩等の無機塩を加え、必要に応じては、更に
尿素などの溶解剤、あるいは浸透剤の添加のもとに常温
で繊維上に付与し、一定時間放置して染色できる。
連続染色の場合は、予め繊維上に染料を付与した後、
苛性ソーダ、ケイ酸ソーダ、ソーダ灰、リン酸ソーダ等
の酸結合剤を付与し、水蒸気の存在下に熱処理を行なう
パッドスチーム法や、酸結合剤の熱溶液中で発色するア
ルカリシヨック法、染料と重炭酸ソーダ、炭酸ソーダ等
の酸結合剤を同時に付与し、乾熱処理を行なうベーキン
グ法等通常のパジング染色法により染色できる。
捺染の場合には、例えばアルギン酸ナトリウム、澱粉
エーテル等の糊剤、又は乳化糊料及び炭酸ソーダ、重炭
酸ソーダ、苛性ソーダ、第三リン酸ソーダ、トリクロル
酢酸ソーダ等酸結合剤と共に、必要に応じて、例えば、
尿素や界面活性剤等の捺染助剤の添加のもとに繊維上に
印捺し、水蒸気の存在下又は水蒸気の存在しない状態で
熱処理を行なうことにより染色できる。
本発明の方法に於いて、一般式(I)で表わされる染
料で染色したセルロース系繊維のフィックス処理方法
は、通常の工業的加工方法によって実施され、例えば、
フィックス剤を含む処理液に繊維を浸漬し処理し、次い
で水洗、乾燥して仕上げる方法、或いは、フィックス剤
を含む処理液に繊維を含浸し、圧搾絞りを行ない処理
し、次いで、乾燥して仕上げる方法が例示される。
フィックス剤を含む処理液に繊維を浸漬し処理する方
法としては、特に限定されることはなく、フィックス剤
濃度としては、通常、0.5〜10g/の濃度で、好ましく
は1〜5g/の濃度であり、液量については、通常、好
ましくは浴比4倍以上で行なわれる。処理温度について
は、5〜100℃の温度で、好ましくは25〜80℃の温度で
行なわれる。処理時間についても限定されることはな
く、通常5分以上、好ましくは10分以上である。
フィックス剤を含む処理液を繊維に含浸し、圧搾絞り
を行ない処理する方法としても、特に限定されることは
なく、フィックス剤濃度としては、通常1〜100g/の
濃度で、好ましくは5〜50g/の濃度であり、このフィ
ックス剤を含む処理液を繊維に含浸し、絞り率30〜200
%、好ましくは40〜120%程度に圧搾絞りを行なった後
乾燥して仕上げる方法が例示される。
また、フィックス剤を含む処理液を繊維に含浸し、圧
搾絞りを行ない処理する方法では、通常セルロース系繊
維材料に施こされる樹脂加工剤と併用して、通常の仕上
げ加工方法で処理することもできる。
本発明の方法により、従来から知られている反応染料
で実用上問題であったフィックス処理による色相の変化
がなくなり、安定した色相の染色物が恒に得られること
の工業的価値は極めて大きい。
以下実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。例
中、部は重量部を表わす。
実施例1 遊離の酸の形で式(1) で示される染料0.3部を200部の水に溶解し無水芒硝10部
を加え、シルケット加工木綿ブロード10部を加えて、60
℃に昇温した。次いで炭酸ソーダ4部を加えて同温度で
60分間染色し、染色終了後、水洗、ソーピングを行なっ
て、濃青色の濃度の高い染色物を得た。
この染色物を、ダンフィックス 505−RE(第4級アン
モニウム塩型カチオン系高分子:日東紡績製品)0.4部
及び200部の水からなる処理液中で、60℃で20分間処理
し、処理後、水洗を行ない次いで乾燥しフィックス処理
を終了した結果、濃青色染色物が、フィックス処理によ
る色相の変化のない耐光堅牢度、耐汗耐光堅牢度、耐塩
素堅牢度、耐洗濯堅牢度等の堅牢性に優れた染色仕上げ
物として得られた。
参考例1 〔実施例1の染料(1)の合成例〕 水100部中に、2−カルボキシフェニルヒドラジン−
5−スルホン酸23.2部及びベンズアルデヒド11.0部を入
れ、55℃で一晩撹拌してヒドラゾン化合物を得た。一
方、水50部、3−アセチルアミノ−2−ヒドロキシアニ
リン−5−スルホン酸24.6部、濃塩酸28.2部からなる溶
液を0〜10℃に冷却した後、亜硝酸ナトリウム7.1部を
水13部に溶かした液を注入、同温度で1〜2時間撹拌
し、そして過剰の亜硝酸を除去してジアゾ化合物を得、
これと前記ヒドラゾン化合物をソーダ灰の存在下で0〜
5℃にてジアゾ化合物が検出されなくなるまで撹拌す
る。この様にして形成された化合物を酢酸でpH5〜6と
し、結晶硫酸銅26.2部とともに40〜50℃にて約5時間撹
拌し、銅錯塩化合物に変え、塩化ナトリウムで塩析して
単離する。8%の苛性ソーダ水中で約1時間90℃に保ち
アセチルアミノ基を加水分解する。ついでpHを3〜4と
した後、塩化シアヌル16.6部を加えて0〜5℃で、20%
炭酸ナトリウム水溶液を用いてpHを3〜4に調整しなが
ら、3時間撹拌する。
ついでアニリン−3−スルホン酸15.6部を加え、20%
炭酸ナトリウム水溶液を用いてpHを5〜6に調整しなが
ら40℃に昇温し、同温度で5時間撹拌する。反応が終了
すれば、1−アミノベンゼン−3−β−スルファートエ
チルスルホン25.3部を加え、pH4〜5、70〜80℃で10時
間撹拌する。反応終了後、塩化ナトリウムを加え結晶を
析出させ、吸引過し、洗浄した後、60℃で乾燥して、
目的とする染料(1)を得た。
比較例1 遊離酸の形で式(2) で示される染料を用いて、実施例1と同一の条件で染色
を行なった結果、濃青色の濃度の高い染色物を得た。
この染色物に実施例1と同一の条件でフィックス処理
を行なった結果、加工により色調は著しく赤味に変色し
た。
実施例2 遊離の酸の形で式(3) で示される染料0.3部を150部の水に溶解し無水芒硝10部
を加え、未シルケット木綿ニットを加えて、60℃に昇温
した。次いで炭酸ソーダ3部を加えて同温度で60分間染
色し、染色終了後、水洗、ソーピングを行なって、濃青
色の濃度の高い染色物を得た。
この染色物を、サンフィックス 555(ポリアミン系水
溶性カチオン樹脂:三洋化成製品)1部及び200部の水
からなる処理液中で、60℃で20時間処理し、処理後、水
洗を行ない次いで乾燥しフィックス処理を終了した結
果、濃青色染色物がフィックス処理による色相の変化の
ない耐光堅牢度、耐汗耐光堅牢度、耐塩素堅牢度、耐洗
濯堅牢度等の堅牢性に優れた染色仕上げ物として得られ
た。
比較例2 遊離酸の形で式(4) で示される染料を用いて、実施例2と同一の条件で染色
を行なった結果、濃青色の濃度の高い染色物を得た。
この染色物に実施例2と同一の条件でフィックス処理
を行なった結果、加工により色調は著しく赤味に変色し
た。
実施例3 遊離酸の形で式(5) で示される染料を0.6部を200部の水に溶解し無水芒硝15
部を加えシルケット加工綿ニットを加えて、60℃に昇温
した。次いで炭酸ソーダ4部を加えて同温度で60分間染
色し、染色終了後、水洗、ソーピングを行なって、濃青
色の濃度の高い染色物を得た。
この染色物を、スープラフィックスWF(ジシアンジア
ミド系:日本染化製品)15部及び1000部の水からなる処
理浴に浸漬し、絞り率60%で圧搾絞りを行ない次いで乾
燥し、フィックス処理を終了した結果、濃青色物がフィ
ックス処理による色相の変化のない耐光堅牢度、耐汗耐
光堅牢度、耐塩素堅牢度、耐洗濯堅牢度等の堅牢性に優
れた染色仕上げ物として得られた。
比較例3 遊離酸の形で式(6) で示される染料を用いて、実施例3と同一の条件で染色
を行なった結果、濃青色の濃度の高い染色物を得た。
この染色物に実施例3と同一の条件でフィックス処理
を行なった結果、加工により色調は著しく赤味に変色し
た。
実施例4 実施例1に於いて、染料(1)の代わりに下記の表に
示した(7)〜(26)の染料を用い他は同様にして染色
した結果、濃青色の濃度の高い染色物を得た。
これらの染色物に実施例1と同一の条件でフィックス
処理を行なった結果、濃青色染色物がフィックス処理に
よる色相の変化のない耐光堅牢度、耐汗耐光堅牢度、耐
塩素堅牢度、耐洗濯堅牢度等の堅牢性に優れた染色仕上
げ物として得られた。
下表には、参考例1に於いて合成した中間生成物、即
ち、N−(2−カルボキシ−5−スルホフェニル)−N
−(2′−ヒドロキシ−3′−アミノ−5′−スルホフ
ェニル)−ms−フェニルホルマザン銅錯体の代りに、下
表第I欄の化合物を、参考例1で用いたアニリン−3−
スルホン酸の代りに第II欄の化合物を、及び1−アミノ
ベンゼン−3−β−スルファートエチルスルホンの代り
に第III欄の化合物を用いて同様の方法で得られた染料
が示されている。
実施例5 遊離酸の形で式(27) で示される染料0.3部を200部の水に溶解し、無水芒硝10
部を加え、未シルケット綿ニット10部を加えて60℃に昇
温した。次いで炭酸ソーダ4部を加えて同温度で60分間
染色し、染色終了後、水洗ソーピングを行なって、濃青
色の濃度の高い染色物を得た。
この染色物を、ネオフィックス R−250(特殊高分
子第4級アンモニウム塩:日華化学製品)0.5部及び200
部の水からなる処理液中で、60℃で20分間処理し、処理
後、水洗を行ない、次いで乾燥し、フィックス処理を終
了した結果、濃青色染色物が、フィックス処理による色
相の変化のない耐光堅牢度、耐汗耐光堅牢度、耐塩素堅
牢度、耐洗濯堅牢度等の堅牢性に優れた染色仕上げ物と
して得られた。
参考例2 〔実施例5の染料(27)の合成例〕 3−アセチルアミノ−2−ヒドロキシアニリン−5−
スルホン酸24.6部のナトリウム塩の中性溶液を常法によ
りジアゾ化して得たジアゾ化合物を、2−メトキシ−5
−スルホフェニルヒドラジンとベンズアルデヒドから作
ったヒドラゾン30.6部の水溶液にpH12〜13で加え、そし
てこのカップリング混合物のpH値を苛性ソーダを加えて
12〜13に保つ。カップリングした後に生成したオキシ−
メトキシ−ホルマザンの溶液に、結晶硫酸銅25部と酒石
酸カリウムナトリウム・四水和物33.5部と40%苛性ソー
ダ液63部を水250部に溶かした液を注ぐ。次に100℃にで
5時間還流させ、脱メチル化の下で錯銅化およびアセチ
ルアミノ基の加水分解を同時に行う。
これに食塩と塩化カリウムをそれぞれ10容量%づつ加
え、冷却し、濃塩酸を滴下してpH0.5に調整し、析出し
たアミノホルマザン化合物を別する。
この過物を水中で懸濁させ、苛性ソーダを加えてpH
7に調整し0℃とし塩化シアヌル18.5部を加える。20%
炭酸ナトリウム水溶液を用いてpH5〜6に保ち、次にア
ニリン−2−スルホン酸17.8部を加え、20%炭酸ナトリ
ウム水溶液を用いてpHを5〜6に調整しながら50℃に昇
温し、6時間撹拌する。反応が終了すれば、1−アミノ
ベンゼン−3−β−スルファートエチルスルホン28.3部
を加え、pH4〜5、70〜80℃で10時間撹拌する。反応終
了後、塩化ナトリウムを加え結晶を析出させ、吸引過
し、洗浄した後、60℃で乾燥して、目的とする染料(2
7)を得た。
比較例4 遊離酸の形で式(28) で示される染料を用いて、実施例5と同一の条件で染色
を行なった結果、濃青色の濃度の高い染色物を得た。
この染色物に実施例5と同一の条件でフィックス処理
を行なった結果、加工により色調は著しく赤味に変色し
た。
実施例6 参考例2に於いて合成した化合物の代りに、下表第I
欄の化合物を、参考例2で用いたアニリン−2−スルホ
ン酸の代りに第II欄の化合物を、及び1−アミノベンゼ
ン−3−β−スルファートエチルスルホンの代りに第II
I欄の化合物を用いて同様の方法で各々対応する(29)
〜(40)の染料を得た。
これらの(29)〜(40)の染料に対して、その65部を
熱湯で溶解し、25℃に冷却した。これに32.5%の苛性ソ
ーダ水溶液15部および50度ボーメの水ガラス150部を加
え、更に水を加えて全量を1000部とした。この染料液を
パジング液として用い、シルケット加工綿織物をパジン
グした。パジングした綿織物を巻き上げポリエチレンフ
ィルムで密閉して20℃の室内で20時間放置後、水洗、ソ
ーピングを行なって、濃青色の濃度の高い染色物を得
た。
これらの染色物を、ダンフィックス1000(第4級アン
モニウム塩型カチオン系高分子:日東紡績製品)20部及
び1000部の水からなる処理浴に浸漬し、絞り率60%で圧
搾絞りを行ない、次いで乾燥し、フィックス処理を終了
した結果、濃青色染色物がフィッスク処理による色相の
変化のない耐光堅牢度、耐汗耐光堅牢度、耐塩素堅牢
度、耐洗濯堅牢度等の堅牢性に優れた染色仕上げ物とし
て得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−213568(JP,A) 特開 昭63−168465(JP,A) 特開 昭64−77689(JP,A) 特開 昭62−43465(JP,A) 特公 平6−104778(JP,B2)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遊離酸の形で下記一般式(I) 〔式中、Aは置換もしくは未置換のフェニレン又はナフ
    チレン残基、Bは直鎖状もしくは分枝状のアルキル又は
    アルケニル基、フェニル基、ナフチル基並びに複素環残
    基を表わし、これらのアルキル、アルケニル、フェニ
    ル、ナフチルおよび複素環は置換基を有していてもよ
    い。Meは原子番号が27〜29の金属イオン、Xは基−O−
    又は基 Yは置換されていてもよい低級アルコキシもしくはフェ
    ノキシ基、又は基−NR1R2(R1及びR2は各々水素原子又
    は置換されていてもよい低級アルキル、フェニル、ナフ
    チルもしくはベンジル基)、Zは水溶性を付与する基、
    m,nは各々0又は1〜3の整数を表わすが、その和は1
    〜3とする。Dは置換もしくは未置換のベンゼン又はナ
    フタレン環、Qは基−SO2CH=CH2又は基−SO2CH2CH2Lを
    表わし、Lはアルカリの作用で離脱する基を表わす。R
    は水素原子又は置換もしくは未置換の低級アルキル基を
    表わす。〕 で示される反応染料を用いてセルロース系繊維材料を染
    色し、洗浄後得られた染色物にフィックス処理を施こす
    ことを特徴とするセルロース系繊維材料の染色加工方
    法。
  2. 【請求項2】一般式(I)におけるZがスルホ基、Meが
    銅イオン、Bが置換基を有していてもよいフェニル基、
    Xが基 及びAが置換基を有していてもよいフェニレン残基であ
    る反応染料を用いる特許請求の範囲第1項に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】一般式(I)におけるYが−NR3R4(R3
    水素原子、メチル基、又はヒドロキシ基、スルホ基もし
    くはカルボキシ基で置換されていてもよい低級アルキル
    基、及びR4はR3とは独立に、R3に含まれる基であるか又
    はカルボキシ基もしくはスルホ基で置換されていてもよ
    いフェニル基もしくはナフチル基を表わす。)である反
    応染料を用いる特許請求の範囲第1項又は第2項に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】遊離酸の形で下記一般式(II) 〔式中、R5,R6は各々水素原子、メチル基又はエチル
    基、R7は水素原子、メチル基、エチル基、ニトロ基、ス
    ルホ基又は塩素原子、Wは低級アルキレン基又はフェニ
    レン基、Z′は水素原子、スルホ基又はカルボキシ基を
    表わす。〕 で示される反応染料を用いる特許請求の範囲第1項〜第
    3項のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】遊離酸の形で下記一般式(II′) 〔式中、R8は水素原子、メチル基又はエチル基、Z″は
    スルホ基又はカルボキシ基を表わす。〕 で示される反応染料を用いる特許請求の範囲第1項〜第
    4項のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】フィックス剤がポリアミン系化合物、ジシ
    アンジアミド系化合物、第4級アンモニウム塩系化合物
    からなる群より選ばれる少なくとも1種である特許請求
    の範囲第1項〜第5項のいずれかに記載の方法。
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