JPH08230707A - パワーステアリング装置 - Google Patents

パワーステアリング装置

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JPH08230707A
JPH08230707A JP7067108A JP6710895A JPH08230707A JP H08230707 A JPH08230707 A JP H08230707A JP 7067108 A JP7067108 A JP 7067108A JP 6710895 A JP6710895 A JP 6710895A JP H08230707 A JPH08230707 A JP H08230707A
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steering
pump
angular velocity
speed
angle
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Tomoyasu Kada
友保 嘉田
Yoshinobu Hiyamizu
由信 冷水
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 電動アクチュエータにより駆動されるポンプ
からの圧油によって操舵補助力を発生させる。ステアリ
ングホイールの操舵角度が基準操舵角度以上になるか、
若しくはステアリングホイールの操舵角速度が基準操舵
角速度以上になる場合に、その電動アクチュエータを介
してポンプを増速する。 【効果】 エネルギーを無駄に消費することなく、操舵
が急速に行なわれた場合の操舵補助の遅れを防止でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電動アクチュエータに
より駆動されるポンプからの圧油によって操舵補助力を
発生させるパワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電動アクチュエータにより駆動されるポ
ンプと、そのポンプからの圧油により操舵補助力を発生
させる油圧アクチュエータとを備えるパワーステアリン
グ装置においては、そのポンプを常に操舵補助に必要な
速度に保持しようとすると、その電動アクチュエータの
電源となるバッテリーのエネルギーを無駄に消費するこ
とになる。
【0003】そこで、操舵時のみポンプを操舵補助に必
要な操舵補助速度にまで増速し、直進時すなわち舵角中
点近傍においては待機速度まで減速することで省エネル
ギー性を向上することが図られている。そのため、操舵
角度を検知する手段と、予め設定した基準操舵角度を記
憶する手段と、検知した操舵角度が基準操舵角度以上に
なった場合にのみ電動アクチュエータを介してポンプを
増速する手段とを備えるパワーステアリング装置が提案
されている(特開平5‐270424号公報)。
【0004】また、操舵角速度を検知する手段と、予め
設定した基準操舵角速度を記憶する手段と、検知した操
舵角速度が基準操舵角速度以上になった場合にのみ電動
アクチュエータを介してポンプを増速する手段とを備え
るパワーステアリング装置が提案されている(特開昭5
9‐11969号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】検知した操舵角度が基
準操舵角度以上になった場合にポンプを増速する従来例
では、操舵角度が基準操舵角度に達した後にポンプの増
速が開始される。そのため、操舵が急速に行なわれた場
合、ポンプを操舵補助速度にまで増速して操舵補助を行
なうのが遅れてしまう場合がある。
【0006】また、検知した操舵角速度が基準操舵角速
度以上になった場合にポンプを増速する従来例では、操
舵が急速に行なわれたことを検知すると同時にポンプの
増速を開始するため、操舵補助の遅れを低減できる。し
かし、この従来例においては、操舵を基準操舵角速度未
満の速さで行なった場合、いつまでもポンプが増速され
ないため操舵補助をできないという問題がある。この問
題を防止するために基準操舵角速度を小さくすると、ス
テアリングホイールは直進時でも遊びの範囲で多少は操
作されるため、不必要にポンプが増速されてエネルギー
が無駄に消費される場合がある。
【0007】また、増速したポンプの減速は、操舵角度
が基準操舵角度未満になった後に設定時間が経過するこ
とで行なわれるのが一般的である。そのため、操舵角速
度が基準操舵角速度以上になった場合にポンプを増速す
る従来例において、操舵を行なうつもりなくステアリン
グホイールを回転させた時の操舵角速度が基準操舵角速
度以上になったような場合、不必要にポンプが増速さ
れ、しかも、その設定時間が経過するまではポンプが減
速されないため、無駄に消費されるエネルギーが増大し
てしまう。
【0008】さらに、検知した操舵角速度が基準操舵角
速度以上になった場合にポンプを増速する従来例では、
操舵の開始から操舵が急速に行なわれたことを検知する
までの間の遅れは解消できない。
【0009】また、ポンプを増速する場合に、そのポン
プの速度変化が必要以上に急激であると操舵フィーリン
グが低下するという問題がある。
【0010】本発明は、上記課題を解決することのでき
るパワーステアリング装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、電動アクチュ
エータにより駆動されるポンプからの圧油によって操舵
補助力を発生させる油圧アクチュエータを備えるパワー
ステアリング装置において、ステアリングホイールの操
舵角度を検知する手段と、ステアリングホイールの操舵
角速度を検知する手段と、検知した操舵角度が予め設定
した基準操舵角度以上および検知した操舵角速度が予め
設定した基準操舵角速度以上のいずれか一方の条件を満
たした場合に、その電動アクチュエータを介してポンプ
を増速する手段とを備えることを特徴とする。
【0012】その検知した操舵角速度が基準操舵角速度
以上の条件を満たしてポンプを増速した後であって、検
知した操舵角度が基準操舵角度以上になる前に、検知し
た操舵角速度が基準操舵角速度未満になった場合に、そ
の電動アクチュエータを介してポンプを減速する手段を
備えるのが好ましい。
【0013】また、車両の方向指示器の作動の有無を検
知する手段と、車両の方向指示器の作動を検知した場合
に、その電動アクチュエータを介してポンプを増速する
手段とを備えるのが好ましい。
【0014】さらに、その電動アクチュエータを介して
ポンプを増速する場合に、そのポンプ速度の変化速度
を、検知した操舵角速度に応じ変化させる手段を備える
のが好ましい。
【0015】
【発明の作用および効果】本発明の構成によれば、検知
した操舵角速度が基準操舵角速度以上になった場合にポ
ンプを待機速度から操舵補助速度まで増速することで、
操舵が急速に行なわれたことを検知すると同時にポンプ
の増速を開始できる。これにより、操舵が急速に行なわ
れた場合の操舵補助の遅れを防止できる。また、操舵を
基準操舵角速度未満の速さで行なった場合は、操舵角度
が基準操舵角度に達した後にポンプの増速を開始して操
舵補助をできる。この場合は、操舵は急速に行なわれな
いため、操舵補助の遅れが問題になることはなく、しか
も、不必要にポンプが増速されることはないためエネル
ギーが無駄に消費されるのを防止できる。
【0016】操舵角速度が基準操舵角速度以上になって
ポンプを増速した後に、操舵角度が基準操舵角度以上に
なる前に、操舵角速度が基準操舵角速度未満になった場
合にポンプを減速することで、操舵を行なうつもりなく
ステアリングホイールを回転させた時の操舵角速度が基
準操舵角速度以上になったような場合、一旦はポンプは
増速されるが、そのような場合は操舵角度が基準操舵角
度以上になる前に操舵角速度が基準操舵角速度未満にな
るため、ポンプを減速し、不必要にポンプが増速されて
いる時間を可及的に短くして無駄に消費されるエネルギ
ーが増大するのを防止できる。
【0017】また、車両の方向指示器の作動を検知した
場合にポンプを増速することで、操舵の開始前にポンプ
の増速を開始できるので、操舵補助の遅れを低減でき
る。
【0018】さらに、ポンプを増速する場合に、その回
転速度の変化速度を操舵角速度に応じ変化させること
で、操舵角速度が小さい場合はポンプの速度変化が必要
以上に急激になるのを防止して操舵フィーリングを円滑
なものにでき、且つ、操舵角速度が大きい場合はポンプ
を急速に増速して操舵補助の遅れが発生するのを防止で
きる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。
【0020】図1に示すラックピニオン式パワーステア
リング装置1は、ステアリングホイールHに連結される
入力軸2と、この入力軸2にトーションバー3を介し連
結される出力軸4とを備えている。そのトーションバー
3はピン5を介し入力軸2に連結され、また、セレーシ
ョン6を介し出力軸4に連結されている。その出力軸4
にピニオン7が形成され、このピニオン7に噛み合うラ
ック8が操舵用車輪(図示省略)に連結されている。そ
の入力軸2はベアリング9を介しバルブハウジング10
aに支持され、また、ブッシュ11を介し出力軸4に支
持されている。その出力軸4はベアリング12、13を
介しラックハウジング10bに支持されている。これに
より、操舵による入力軸2の回転がトーションバー3を
介しピニオン7に伝達されてラック8が車両幅方向に移
動し、このラック8の移動により車輪が操舵される。な
お、その入出力軸2、4とバルブハウジング10aとの
間にオイルシール14、15が設けられている。また、
そのラック8を支持するサポートヨーク16が設けら
れ、このサポートヨーク16はバネ17の弾性力により
ラック8に押し付けられている。
【0021】操舵補助力を付与する油圧アクチュエータ
として油圧シリンダ18が設けられている。その油圧シ
リンダ18はラックハウジング10bにより構成される
シリンダチューブと、ラック8に一体に形成されたピス
トン20とを備え、そのピストン20により仕切られる
一対の油室21、22が形成されている。各油室21、
22にロータリー式油圧制御弁23が接続されている。
その制御弁23は、筒状の第1バルブ部材24と、この
第1バルブ部材24に相対回転可能に挿入される第2バ
ルブ部材25とを備えている。その第1バルブ部材24
は出力軸4にピン26を介し同行回転可能に取り付けら
れている。その第2バルブ部材25は入力軸2の外周に
一体に形成されている。
【0022】図2に示すように、第1バルブ部材24の
内周と第2バルブ部材25の外周とに軸方向に沿う複数
の凹部が周方向等間隔に形成されている。その第1バル
ブ部材側凹部は、互いに周方向等間隔に位置する4つの
右操舵用凹部27と、互いに周方向等間隔に位置する4
つの左操舵用凹部28とで構成される。その第2バルブ
部材側凹部は、互いに周方向等間隔に位置する4つの圧
油供給用凹部29と、互いに周方向等間隔に位置する4
つの圧油排出用凹部30とで構成される。各右操舵用凹
部27と各左操舵用凹部28とは周方向に交互に配置さ
れ、各圧油供給用凹部29と各圧油排出用凹部30とは
周方向に交互に配置される。各右操舵用凹部27は、第
1バルブ部材24に形成された第1流路31およびバル
ブハウジング10aに形成された第1ポート32を介
し、図1に示すように油圧シリンダ18の一方の油室2
1に通じ、各左操舵用凹部28は、第1バルブ部材24
に形成された第2流路33およびバルブハウジング10
aに形成された第2ポート34を介し油圧シリンダ18
の他方の油室22に通じる。各圧油供給用凹部29は、
第1バルブ部材24に形成された第3流路35およびバ
ルブハウジング10aに形成された入口ポート36を介
し、図1に示すようにポンプ37に通じる。そのポンプ
37は、モータ(電動アクチュエータ)50により駆動
され、例えば、回転速度に応じた流量の圧油を吐出する
ベーンポンプにより構成できる。各圧油排出用凹部30
は第2バルブ部材25に形成された第1排出路38、入
力軸2とトーションバー3の内外周間の通路47、図1
に示す入力軸2に形成された第2排出路39、及びバル
ブハウジング10aに形成された排出ポート40を介し
タンク41に通じる。これにより、そのポンプ37、タ
ンク41、及び油圧シリンダ18の各油室21、22が
第1バルブ部材24と第2バルブ部材25の内外周間の
弁間流路42を通じ連通する。その弁間流路42におけ
る第1バルブ部材側凹部と第2バルブ部材側凹部の間
は、両バルブ部材24、25の相対回転により開度が変
化する絞り部A、B、C、Dとされ、その絞り部A、
B、C、Dの開度変化により油圧シリンダ18に作用す
る油圧が制御される。
【0023】図2は、操舵が行なわれていない舵角中点
での両バルブ部材24、25の相対位置を示しており、
この状態においては各圧油供給用凹部29と各圧油排出
用凹部30とが全絞り部A、B、C、Dを介し連通する
ため、ポンプ37から供給された圧油は直接タンク41
へ還流し操舵補助力は発生せず、そのため、ポンプ37
を操舵補助に必要な操舵補助速度で駆動する必要はな
い。舵角中点から右方へ操舵すると、操舵トルクに応じ
トーションバー3は捩じれ、両バルブ部材24、25は
相対回転する。その結果、各右操舵用凹部27と各圧油
供給用凹部29との間の絞り部Aの開度および各左操舵
用凹部28と各圧油排出用凹部30との間の絞り部Bの
開度が大きくなり、各左操舵用凹部28と各圧油供給用
凹部29との間の絞り部Cの開度および各右操舵用凹部
27と各圧油排出用凹部30との間の絞り部Dの開度が
小さくなる。これにより、ポンプ37から油圧シリンダ
18の一方の油室21へ圧油が供給され、油圧シリンダ
18の他方の油室22からタンク41へ圧油が還流さ
れ、車両の右方への操舵補助力がラック8に作用する。
舵角中点から左方へ操舵すると、各絞り部A、B、C、
Dの開度は右方へ操舵した場合と逆に変化するので、車
両の左方への操舵補助力がラック8に作用する。
【0024】図1に示すように、ステアリングホイール
Hの操舵角度を検出するセンサ51がコンピュータによ
り構成される制御装置52に接続されている。そのセン
サ51は、ステアリングホイールHの回転角度に応じた
信号を制御装置52に送るもので、例えばロータリーエ
ンコーダによりステアリングホイールHの回転角度に応
じたパルス信号を制御装置52に送るものや、ポテンシ
ョメータを介して得られるステアリングホイールHの回
転角度に応じた電気信号を、A/D変換器によりデジタ
ル信号に変換して制御装置52に送るものにより構成で
きる。なお、操舵角度は舵角中点を基準とする角度であ
るので、ロータリーエンコーダ等によってステアリング
ホイールHの回転角度に応じたパルス信号から操舵角度
を検知する場合は、制御装置52により舵角中点の決定
を行ない、その決定を行なうまではポンプ37を常に操
舵補助速度で駆動する。そのような舵角中点の決定のた
め、例えば特開平2‐197465号公報に開示されて
いるように、操舵トルクは舵角中点において小さくなる
ことを利用し、操舵トルクを検出するセンサを設け、操
舵トルクが設定値よりも小さくなる時を舵角中点と決定
することができる。また、特公平6‐43188号公報
に開示されているように、検出されるセンサからのパル
ス信号の出現頻度の統計的分布は舵角中点において最大
になるような正規分布になることを利用し、そのパルス
信号の出現頻度の統計的分布に基づき舵角中点を決定し
てもよく、その決定手段は特に限定されない。また、ポ
テンショメータを介して得られるステアリングホイール
Hの回転角度に応じた電気信号から操舵角度を検知する
場合は、パワーステアリング装置の組み立て時に舵角中
点に対応する電気信号の基準値を設定することで、その
基準値からの変化に応じて操舵角度を検知できる。
【0025】その制御装置52に、車速センサ53と、
車両の方向指示器の作動検知センサ54と、前記ポンプ
駆動用モータ50とが接続される。その制御装置52
は、モータ50の制御プログラムを記憶する。その制御
プログラムの一部として、予め設定した基準操舵角度と
基準操舵角速度とを記憶する。その基準操舵角度は、例
えば、ステアリングホイールHの舵角中点からの遊び角
度とされる。その基準操舵角速度は、例えば、操舵角度
が基準操舵角度に達してからポンプ37の増速を開始し
た場合に、操舵補助の遅れが問題にならない操舵角速度
に基づき設定できる。また、その制御装置52は制御プ
ログラムに従い、センサ51によって検知されるステア
リングホイールHの操舵角度を時系列に読み込み、その
操舵角度の変化に要する時間から操舵角速度を演算する
ことで、操舵角速度を検知する。
【0026】制御装置52は、検知した操舵角度が基準
操舵角度以上および検知した操舵角速度が基準操舵角速
度以上のいずれか一方の条件を満たした場合に、操舵補
助信号をモータ50にパワーアンプ(図示省略)を介し
て送り、これにより、モータ50を操舵補助信号に応じ
た制御電圧で駆動し、ポンプ37を待機速度から操舵補
助速度まで増速する。そのモータ50の駆動用電源とし
て、車両に搭載されるバッテリーが用いられる。図3の
操舵角度と時間との関係に示すように、破線Aで示す基
準操舵角速度よりも実線Bで示すように操舵角速度が小
さい場合は、操舵角度が一点鎖線で示す基準操舵角度θ
aに達した時点(Ta)で、ポンプ37の増速を開始す
る。また、基準操舵角速度よりも実線Cで示すように操
舵角速度が大きい場合は、その操舵角速度が基準操舵角
速度よりも大きいことを制御装置52が検知した時点
(Tb)で、操舵角度が基準操舵角度θaに達する時点
(Tc)よりも早く、ポンプ37の増速を開始する。
【0027】また、制御装置52は、方向指示器の作動
検知信号がセンサ54から入力されると、操舵補助信号
をモータ50にパワーアンプ(図示省略)を介して送
り、これにより、モータ50を操舵補助信号に応じた制
御電圧で駆動し、ポンプ37を待機速度から操舵補助速
度まで増速する。図4の(1)の操舵角度と時間との関
係に示すように、方向指示器を作動する時点(Tw)
は、通常は操舵を開始する時点(To)および操舵角速
度が基準操舵角速度よりも大きいことを検知する時点
(Tb)よりも前である。よって、方向指示器が作動し
た場合は、図4の(2)に示すように、その操舵を開始
する時点(To)および操舵角速度が基準操舵角速度よ
りも大きいことを検知する時点(Tb)よりも前に、ポ
ンプ37の増速を開始することができる。
【0028】制御装置52は、モータ50によりポンプ
37を増速する場合、そのポンプ37の回転速度の変化
速度を、検知した操舵角速度に応じ変化させる。すなわ
ち、図5の(1)は、操舵角速度とポンプ37の待機速
度から操舵補助速度までの速度変化時間との関係を示す
もので、操舵角速度が予め設定した上限値vb以上の場
合、その速度変化時間は零に設定され、操舵角速度が予
め設定した下限値va以下の場合、その速度変化時間は
最大値Δtaに設定され、その上限値vbと下限値va
との間では、その速度変化時間は図中実線Eで示すよう
に操舵角速度の増加に応じてリニアに減少するものとさ
れている。すなわち、図5の(2)に示すように、ポン
プ37の回転速度に対応するモータ50の制御電圧が、
増速開始時点の電圧Eaから増速完了時点の電圧Ebに
変化するまでの時間は、操舵角速度が上限値vb以上の
場合は図中破線Fで示すように略零であり、操舵角速度
が上限値vbと下限値vaとの間では図中2点鎖線Gで
示すように中間値Δtcとなり、下限値va以下では図
中実線Hで示すように最大値Δtaになる。
【0029】また、制御装置52は、車速センサ53に
より検知される車速に応じ、操舵補助時のモータ50の
制御電圧と操舵補助を解除した待機時のモータ50の制
御電圧とを変化させる。すなわち、操舵補助時における
モータ50の制御電圧に対応するポンプ37の操舵補助
速度は、図6において実線Kで示すように車速に比例し
て減少し、車速が零において最大値Nmaxとされ、予
め設定した車速Va以上では待機速度と等しい最小値N
minとされる。これにより、低車速では操舵補助力を
大きくして車両の旋回性能を向上し、高速では操舵補助
力を小さくして車両の走行安定性を向上している。ま
た、待機時におけるモータ50の制御電圧に対応するポ
ンプ37の待機速度は、図6において一点鎖線Lで示す
ように車速に比例して減少し、車速が零において前記最
大値Nmaxと最小値Nminとの間の中間値Ncとさ
れ、前記予め設定した車速Vaよりも低速の予め設定し
た車速Vb以上では最小値Nminとされる。これによ
り、車速の小さい領域で、操舵補助時と操舵補助解除時
とのモータ50の回転速度の差を小さくし、モータ50
の立ち上げ遅れをモータ50を大型化することなく防止
し、操舵補助の遅れを防止している。なお、そのポンプ
37の回転速度の最小値Nminすなわち待機速度は零
であってもよい。
【0030】制御装置52は、操舵角度が基準操舵角度
θa未満になった後に設定時間が経過すると、モータ5
0に送る操舵補助信号を解除し、ポンプ37を操舵補助
速度から待機速度まで減速する。その設定時間は、無駄
なポンプ37の増速を可及的に少なくできるように経験
的に判断して設定できる。
【0031】また、制御装置52は、検知した操舵角速
度が基準操舵角速度以上の条件を満たしてポンプ37を
増速した後であって、検知した操舵角度が基準操舵角度
θa以上になる前に、検知した操舵角速度が基準操舵角
速度未満になった場合に、操舵補助信号を解除してポン
プ37を減速する。すなわち、方向指示器が作動しない
場合、図7の(1)の操舵角度と時間との関係において
実線Pで示すように、操舵角速度が基準操舵角速度より
も大きいことが検知された時点(Tb)で、図7の
(2)に示すように操舵補助信号がモータ50に送られ
て増速が開始される。その後に、操舵角度が基準操舵角
度θa以上になる前に、操舵角速度が基準操舵角速度未
満になったことが検知された時点(Td)で、図7の
(2)に示すように操舵補助信号が解除され、ポンプ3
7が減速される。これにより、操舵角度が基準操舵角度
θa未満になった後に設定時間が経過した時点(Te)
でポンプ37が減速される場合に比べ、図7の(2)に
2点鎖線のハッチングで示す時間だけポンプ37が無駄
に増速されるのを防止できる。
【0032】図8のフローチャートを参照し、ポンプ3
7の制御手順を説明する。なお、舵角中点は定まってい
るものとする。
【0033】まず、方向指示器が作動したか否かを判断
する(ステップ1)。方向指示器が作動していれば、時
系列に検知した操舵角度から操舵角速度を検知し(ステ
ップ2)、車速を検知し(ステップ3)、その検知した
操舵角速度に応じた変化速度で、その検知した車速に応
じた操舵補助速度にポンプ37を待機速度から増速し、
操舵補助を行なう(ステップ4)。次に、操舵角度を検
知し(ステップ5)、その検知した操舵角度が基準操舵
角度であるステアリングホイールHの遊び角度以上か否
かを判断する(ステップ6)。遊び角度以上であればス
テップ2に戻り、遊び角度未満であればフラグが立って
いるか否かを判断する(ステップ7)。フラグが立って
いなければ、ステップ6において操舵角度が遊び角度未
満であると判断された時から設定時間が経過したか否か
を判断する(ステップ8)。なお、その設定時間が経過
したか否かを判断する計時の進行途中に、ステップ6に
おいて操舵角度が遊び角度以上と判断された場合は、そ
の計時の進行はキャンセルされ、再度ステップ6におい
て操舵角度が遊び角度未満であると判断されてから新た
に計時が進行する。その設定時間が経過していなければ
ステップ2に戻り、設定時間が経過していればポンプ3
7を待機速度に減速し(ステップ9)、ステップ1に戻
る。
【0034】ステップ1において方向指示器が作動して
いなければ、操舵角度を検知し(ステップ10)、検知
した操舵角度がステアリングホイールHの遊び角度以上
か否かを判断する(ステップ11)。遊び角度以上であ
れば操舵補助をするためステップ2に戻り、遊び角度未
満であれば時系列に検知した操舵角度から操舵角速度を
検知し(ステップ12)、その検知した操舵角速度が設
定した基準操舵角速度以上か否かを判断する(ステップ
13)。基準操舵角速度以上でなければステップ1に戻
り、基準操舵角速度以上であればフラグを立て(ステッ
プ14)、操舵補助をするためステップ2に戻る。ステ
ップ7においてフラグが立っていれば、時系列に検知し
た操舵角度から操舵角速度を検知し(ステップ15)、
その検知した操舵角速度が設定した基準操舵角速度以上
か否かを判断する(ステップ16)。基準操舵角速度以
上であればステップ2に戻り、基準操舵角速度以上でな
ければフラグを解除し(ステップ17)、ステップ9に
戻って操舵補助を解除する。
【0035】上記構成によれば、検知した操舵角速度が
基準操舵角速度以上になった場合にポンプ37を待機速
度から操舵補助速度まで増速することで、操舵が急速に
行なわれたことを検知すると同時にポンプ37の増速を
開始できる。これにより、操舵が急速に行なわれた場合
の操舵補助の遅れを防止できる。また、操舵を基準操舵
角速度未満の速さで行なった場合は、操舵角度が基準操
舵角度θaに達した後にポンプ37の増速を開始して操
舵補助をできる。この場合は、操舵は急速に行なわれな
いため、操舵補助の遅れが問題になることはなく、しか
も、不必要にポンプ37が増速されることはないためエ
ネルギーが無駄に消費されるのを防止できる。また、操
舵角速度が基準操舵角速度以上になってポンプを増速し
た後に、操舵角度が基準操舵角度θa以上になる前に、
操舵角速度が基準操舵角速度未満になった場合にポンプ
を減速することで、操舵を行なうつもりなくステアリン
グホイールHを回転させた時の操舵角速度が基準操舵角
速度以上になったような場合、一旦はポンプ37は増速
されるが、そのような場合は操舵角度が基準操舵角度θ
a以上になる前に操舵角速度が基準操舵角速度未満にな
るため、ポンプ37を減速し、不必要にポンプ37が増
速されている時間を可及的に短くして無駄に消費される
エネルギーが増大するのを防止できる。また、車両の方
向指示器の作動を検知した場合にポンプ37を増速する
ことで、操舵の開始前にポンプ37の増速を開始できる
ので、操舵補助の遅れを低減できる。さらに、ポンプ3
7を増速する場合に、その回転速度の変化速度を操舵角
速度に応じ変化させることで、操舵角速度が小さい場合
はポンプ37の速度変化が必要以上に急激になるのを防
止して操舵フィーリングを円滑なものにでき、且つ、操
舵角速度が大きい場合はポンプ37を急速に増速して操
舵補助の遅れが発生するのを防止できる。
【0036】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではない。例えば、上記実施例では、本発明をラック
ピニオン式パワーステアリング装置に適用したが、ボー
ルスクリュー式パワーステアリング装置にも適用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の油圧パワーステアリング装置
の縦断面図
【図2】図1のII‐II線断面図
【図3】実施例のパワーステアリング装置の操舵角度と
時間との関係を示す図
【図4】実施例のパワーステアリング装置の(1)は操
舵角度と時間との関係を示す図、(2)は操舵補助信号
と時間との関係を示す図
【図5】実施例のパワーステアリング装置の(1)は操
舵角速度とポンプの速度変化時間との関係を示す図、
(2)はポンプ駆動用モータの制御電圧と時間との関係
を示す図
【図6】実施例のパワーステアリング装置のポンプ速度
と車速との関係を示す図
【図7】実施例のパワーステアリング装置の(1)は操
舵角度と時間との関係を示す図、(2)は操舵補助信号
と時間との関係を示す図
【図8】実施例のパワーステアリング装置のポンプの制
御手順を示すフローチャート
【符号の説明】
1 パワーステアリング装置 18 油圧シリンダ 37 ポンプ 50 ポンプ駆動用モータ 51 舵角センサ 52 制御装置 53 車速センサ 54 方向指示器の作動検知センサ H ステアリングホイール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動アクチュエータにより駆動されるポ
    ンプからの圧油によって操舵補助力を発生させる油圧ア
    クチュエータを備えるパワーステアリング装置におい
    て、ステアリングホイールの操舵角度を検知する手段
    と、ステアリングホイールの操舵角速度を検知する手段
    と、検知した操舵角度が予め設定した基準操舵角度以上
    および検知した操舵角速度が予め設定した基準操舵角速
    度以上のいずれか一方の条件を満たした場合に、その電
    動アクチュエータを介してポンプを増速する手段とを備
    えるパワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 検知した操舵角速度が基準操舵角速度以
    上の条件を満たしてポンプを増速した後であって、検知
    した操舵角度が基準操舵角度以上になる前に、検知した
    操舵角速度が基準操舵角速度未満になった場合に、その
    電動アクチュエータを介してポンプを減速する手段を備
    える請求項1に記載のパワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 車両の方向指示器の作動の有無を検知す
    る手段と、車両の方向指示器の作動を検知した場合に、
    その電動アクチュエータを介してポンプを増速する手段
    とを備える請求項1または2に記載のパワーステアリン
    グ装置。
  4. 【請求項4】 その電動アクチュエータを介してポンプ
    を増速する場合に、そのポンプ速度の変化速度を、検知
    した操舵角速度に応じ変化させる手段を備える請求項1
    〜3の何れかに記載のパワーステアリング装置。
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