JPH08198129A - 車両の舵角中点決定装置およびパワーステアリング装置 - Google Patents

車両の舵角中点決定装置およびパワーステアリング装置

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JPH08198129A
JPH08198129A JP2877195A JP2877195A JPH08198129A JP H08198129 A JPH08198129 A JP H08198129A JP 2877195 A JP2877195 A JP 2877195A JP 2877195 A JP2877195 A JP 2877195A JP H08198129 A JPH08198129 A JP H08198129A
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JP
Japan
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rudder angle
steering angle
midpoint
virtual
steering
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Application number
JP2877195A
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English (en)
Inventor
Yoshinobu Hiyamizu
由信 冷水
Tomoyasu Kada
友保 嘉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 仮設定した原点を基準とする舵角データを設
定時間内に逐次検出し、その舵角データの変動幅を求め
て設定値と比較する。その変動幅が設定値よりも小さい
時に検出された舵角データから仮想舵角中点を決定す
る。時系列に求めた複数の仮想舵角中点から出現頻度に
基づいて舵角中点を決定する。 【効果】 トルクセンサを用いることなく、舵角データ
の出現頻度の統計的分布が正規分布になる程にデータ検
出数を多くすることなく、低コストで迅速に舵角中点を
正確に決定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の舵角中点決定装
置と、その舵角中点決定装置により決定される舵角中点
を基準として制御されるパワーステアリング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、電動アクチュエータにより駆動
されるポンプと、そのポンプからの圧油により操舵補助
力を発生させる油圧アクチュエータとを備えるパワース
テアリング装置において、その電動アクチュエータを、
操舵時のみ駆動して操舵補助力を付与し、直進操舵時す
なわち舵角中点近傍において作動停止させることで省エ
ネルギー性を向上させることが図られている。
【0003】また、舵角中点からの舵角の変化量に応じ
た操舵補助力を付与するパワーステアリング装置におい
ては、その制御を行なう上で設定し舵角中点と実際の舵
角中点とがズレた場合に補正を行なうことで、操舵特性
の変動防止を図っている。
【0004】そのような舵角中点を決定する装置とし
て、操舵トルクを検出するセンサと、舵角データを検出
するセンサとを備えたものが提案されている(特開平2
‐197465号公報参照)。この装置は、操舵トルク
は舵角中点において小さくなることを利用し、操舵トル
クが設定値よりも小さくなる時の舵角データに基づき舵
角中点を決定するものである。
【0005】また、走行中の車両における舵角データを
逐次検出する場合、その検出される舵角データの出現頻
度の統計的分布は舵角中点において最大になるような正
規分布になる。これを利用し、センサにより舵角データ
を逐次検出し、その検出した舵角データの出現頻度の統
計的分布に基づき、舵角データから舵角中点を決定する
ことが開示されている(特公平6‐43188号公報参
照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】舵角中点を決定するた
めにトルク検出用センサと舵角データ検出用センサとを
用いる上記従来例は、2種類のセンサが必要であるため
コストが増大するという問題がある。
【0007】また、検出される舵角データの出現頻度の
統計的分布が正規分布になることに基づき舵角中点を決
定する場合、正確に舵角中点を決定するためには非常に
多くの舵角を検出する必要があるため、舵角中点を決定
するまでに長時間を要するという問題がある。
【0008】本発明は、上記課題を解決することのでき
る車両の舵角中点決定装置およびパワーステアリング装
置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本件第1発明による車両
の舵角中点決定装置は、仮設定した原点を基準とする舵
角データを検出する手段と、設定時間内に逐次検出され
る舵角データの変動幅を求めて設定値と比較する手段
と、その変動幅が設定値よりも小さい時に検出された舵
角データから仮想舵角中点を決定する手段と、時系列に
決定した複数の仮想舵角中点の出現頻度に基づいて、仮
想舵角中点から舵角中点を決定する手段とを備えること
を特徴とする。
【0010】本件第2発明による車両の舵角中点決定装
置は、仮設定した原点を基準とする舵角データを検出す
る手段と、設定時間内に逐次検出される舵角データの変
動幅を求めて第1設定値と比較する手段と、その変動幅
が第1設定値よりも小さい時に検出された舵角データか
ら仮想舵角中点を決定する手段と、その仮想舵角中点を
基準とする舵角データを求めて第2設定値と比較する手
段と、その仮想舵角中点を基準とする舵角データが第2
設定値よりも大きくなる前後の仮想舵角中点相互の差を
求めて第3設定値と比較する手段と、その差が第3設定
値よりも小さい時の仮想舵角中点から舵角中点を決定す
る手段とを備えることを特徴とする。
【0011】本件第3発明による車両の舵角中点決定装
置は、仮設定した原点を基準とする舵角データを検出す
る手段と、設定時間内に逐次検出される舵角データの変
動幅を求めて第1設定値と比較する手段と、その変動幅
が第1設定値よりも小さい時に検出された舵角データか
ら第1仮想舵角中点を決定する手段と、その第1仮想舵
角中点を基準とする舵角データを求めて第2設定値と比
較する手段と、その第1仮想舵角中点を基準とする舵角
データが第2設定値よりも大きくなる前後の第1仮想舵
角中点相互の差を求めて第3設定値と比較する手段と、
その差が第3設定値よりも小さい時の第1仮想舵角中点
から第2仮想舵角中点を決定する手段と、時系列に決定
した複数の第2仮想舵角中点の出現頻度に基づいて、第
2仮想舵角中点から舵角中点を決定する手段とを備える
ことを特徴とする。
【0012】本件第1〜第3発明の舵角中点決定装置に
おいて、車速を検知する手段を備え、車速が設定速度よ
りも大きい時に検出される舵角データから仮想舵角中点
を決定するのが好ましい。
【0013】本件発明によるパワーステアリング装置
は、電動アクチュエータにより駆動されるポンプと、そ
のポンプからの圧油により操舵補助力を発生させる油圧
アクチュエータとを備え、その電動アクチュエータを、
本件発明の舵角中点決定装置により決定される舵角中点
において作動停止させる手段を備えることを特徴とす
る。
【0014】
【作用】車両の運転時における舵角の一定時間内におけ
る変動幅は、直進時における方がコーナリング時におけ
るよりも通常は小さい。そこで、本件第1発明による車
両の舵角中点決定装置においては、仮設定した原点を基
準とする舵角データを設定時間内に逐次検出し、その検
出した舵角データの変動幅を設定値と比較することで、
その変動幅が直進運転時と同様に小さいか否かを判断
し、その変動幅が設定値よりも小さく直進操舵状態であ
ると判断された時に検出された舵角データから仮想舵角
中点を決定する。なお、その仮想舵角中点は、その時の
仮設定した原点からの舵角データの検出位置そのものと
してもよいし、その舵角データの平均値や中央値等に対
応する位置としてもよい。その仮想舵角中点は、例外的
に実際の舵角中点と異なる場合がある。例えば、一定曲
率のカーブをコーナリングする場合は、検出した舵角デ
ータの一定時間内における変動幅は直進時における場合
と同様になる。そこで、複数の仮想舵角中点を時系列に
求め、求めた中で出現頻度が大きい仮想舵角中点から舵
角中点を決定することで、例外的なコーナリング時にお
ける仮想舵角中点を除外している。なお、その舵角中点
は、その出現頻度が最大の仮想舵角中点そのものとして
もよいし、その出現頻度が大きい複数の仮想舵角中点の
平均値や中央値等としてもよい。
【0015】本件第2発明による車両の舵角中点決定装
置においては、本件第1発明と同様に、仮設定した原点
を基準とする舵角データを設定時間内に逐次検出し、そ
の検出した舵角データの変動幅を第1設定値と比較する
ことで、その変動幅が直進運転時と同様に小さいか否か
を判断し、その変動幅が第1設定値よりも小さく直進操
舵状態であると判断された時に検出された舵角データか
ら仮想舵角中点を決定する。その仮想舵角中点は、上記
のように一定曲率のカーブのコーナリング時においては
例外的に実際の舵角中点とは異なる。また、距離の長い
一定曲率のカーブのコーナリングを行なう場合に求めら
れる仮想舵角中点を除外するためには、上記本件第1発
明では求める仮想舵角中点の数を多くする必要がある。
そこで、本件第2発明による車両の舵角中点決定装置に
おいては、車両のコーナリング時は舵角中点からの操舵
角は大きくなり、コーナリングの前後において車両が直
進状態になることを利用し、例外的なコーナリング時に
おける仮想舵角中点を除外している。すなわち、仮想舵
角中点を基準とする舵角データを求めて第2設定値と比
較することで、仮想舵角中点の設定後にコーナリングが
なされたか否かを判断し、その差が第2設定値よりも大
きくコーナリングがなされたと判断される前後の仮想舵
角中点の差を求めて第3設定値と比較することで、コー
ナリングの前後において車両が直進状態であるか否かを
判断し、その差が第3設定値よりも小さくコーナリング
の前後において車両が直進状態であると判断された時の
仮想舵角中点から舵角中点を決定する。なお、その舵角
中点は、その差が第3設定値よりも小さな2つの仮想舵
角中点の何れか一方としてもよいし、双方の平均値等と
してもよい。
【0016】舵角データの検出開始直後に一定曲率のカ
ーブのコーナリングを行い、その後に逆方向に操舵した
後に、そのカーブと同一曲率のカーブのコーナリングを
行なう場合は、あたかも直進後にコーナリングを行なっ
た後に直進を行なった場合と同様の操舵が行なわれる。
そのような場合に、本件第2発明による舵角中点決定装
置により舵角中点を決定すると、各仮想舵角中点は例外
的に実際の舵角中点とは異なってしまう。そのような例
外的なコーナリング時における仮想舵角中点を万が一の
ために除外するため、本件第3発明による車両の舵角中
点決定装置においては、本件第2発明による車両の舵角
中点決定装置において求められた舵角中点を第2仮想舵
角中点とし、時系列に求めた複数の第2仮想舵角中点の
中で出現頻度が最大のものから舵角中点を求めている。
なお、その舵角中点は、その出現頻度が最大の第2仮想
舵角中点そのものとしてもよいし、その出現頻度が大き
い複数の第2仮想舵角中点の平均値や中央値等としても
よい。
【0017】車速が小さい時は車庫入れ等の通常走行時
とは異なる操舵が頻繁になされ、舵角中点を決定するの
に適した舵角データの検出が困難になり、舵角中点の決
定精度が低下する場合がある。よって、車速が設定速度
よりも大きい時に検出される舵角データに基づき仮想舵
角中点を決定することで、舵角中点の決定精度を向上で
きる。
【0018】本件発明によるパワーステアリング装置に
よれば、操舵補助力発生用の圧油を送り出すポンプを駆
動する電動アクチュエータを、上記本件発明の舵角中点
決定装置により決定される舵角中点において作動停止さ
せ、操舵時のみ駆動して操舵補助力を付与することがで
きる。なお、舵角中点が決定されるまでは電動アクチュ
エータは連続して駆動するのがよい。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。
【0020】図1に示すラックピニオン式パワーステア
リング装置1は、ステアリングホイール(図示省略)に
連結される入力軸2と、この入力軸2にトーションバー
3を介し連結される出力軸4とを備えている。そのトー
ションバー3はピン5を介し入力軸2に連結され、ま
た、セレーション6を介し出力軸4に連結されている。
その出力軸4にピニオン7が形成され、このピニオン7
に噛み合うラック8が操舵用車輪(図示省略)に連結さ
れている。その入力軸2はベアリング9を介しバルブハ
ウジング10aに支持され、また、ブッシュ11を介し
出力軸4に支持されている。その出力軸4はベアリング
12、13を介しラックハウジング10bに支持されて
いる。これにより、操舵による入力軸2の回転がトーシ
ョンバー3を介しピニオン7に伝達されてラック8が車
両幅方向に移動し、このラック8の移動により車輪が操
舵される。なお、その入出力軸2、4とバルブハウジン
グ10aとの間にオイルシール14、15が設けられて
いる。また、そのラック8を支持するサポートヨーク1
6が設けられ、このサポートヨーク16はバネ17の弾
性力によりラック8に押し付けられている。
【0021】操舵補助力を付与する油圧アクチュエータ
として油圧シリンダ18が設けられている。その油圧シ
リンダ18はラックハウジング10bにより構成される
シリンダチューブと、ラック8に一体に形成されたピス
トン20とを備え、そのピストン20により仕切られる
一対の油室21、22が形成されている。各油室21、
22にロータリー式油圧制御弁23が接続されている。
その制御弁23は、筒状の第1バルブ部材24と、この
第1バルブ部材24に相対回転可能に挿入される第2バ
ルブ部材25とを備えている。その第1バルブ部材24
は出力軸4にピン26を介し同行回転可能に取り付けら
れている。その第2バルブ部材25は入力軸2の外周に
一体に形成されている。
【0022】図2に示すように、第1バルブ部材24の
内周と第2バルブ部材25の外周とに軸方向に沿う複数
の凹部が周方向等間隔に形成されている。その第1バル
ブ部材側凹部は、互いに周方向等間隔に位置する4つの
右操舵用凹部27と、互いに周方向等間隔に位置する4
つの左操舵用凹部28とで構成される。その第2バルブ
部材側凹部は、互いに周方向等間隔に位置する4つの圧
油供給用凹部29と、互いに周方向等間隔に位置する4
つの圧油排出用凹部30とで構成される。各右操舵用凹
部27と各左操舵用凹部28とは周方向に交互に配置さ
れ、各圧油供給用凹部29と各圧油排出用凹部30とは
周方向に交互に配置される。各右操舵用凹部27は、第
1バルブ部材24に形成された第1流路31およびバル
ブハウジング10aに形成された第1ポート32を介
し、図1に示すように油圧シリンダ18の一方の油室2
1に通じ、各左操舵用凹部28は、第1バルブ部材24
に形成された第2流路33およびバルブハウジング10
aに形成された第2ポート34を介し油圧シリンダ18
の他方の油室22に通じる。各圧油供給用凹部29は、
第1バルブ部材24に形成された第3流路35およびバ
ルブハウジング10aに形成された入口ポート36を介
し、図1に示すようにポンプ37に通じ、そのポンプ3
7はモータ50(電動アクチュエータ)により駆動され
る。各圧油排出用凹部30は第2バルブ部材25に形成
された第1排出路38、入力軸2とトーションバー3の
内外周間の通路47、図1に示す入力軸2に形成された
第2排出路39、及びバルブハウジング10aに形成さ
れた排出ポート40を介しタンク41に通じる。これに
より、そのポンプ37、タンク41、及び油圧シリンダ
18の各油室21、22が第1バルブ部材24と第2バ
ルブ部材25の内外周間の弁間流路42を通じ連通す
る。その弁間流路42における第1バルブ部材側凹部と
第2バルブ部材側凹部の間は、両バルブ部材24、25
の相対回転により開度が変化する絞り部A、B、C、D
とされ、その絞り部A、B、C、Dの開度変化により油
圧シリンダ18に作用する油圧が制御される。
【0023】図2は、操舵が行なわれていない舵角中点
での両バルブ部材24、25の相対位置を示しており、
この状態においては各圧油供給用凹部29と各圧油排出
用凹部30とが全絞り部A、B、C、Dを介し連通する
ため、ポンプ37から供給された圧油は直接タンク41
へ還流し操舵補助力は発生しない。そのため、ポンプ3
7をモータ50により駆動する必要はない。舵角中点か
ら右方へ操舵すると、操舵トルクに応じトーションバー
3は捩じれ、両バルブ部材24、25は相対回転する。
その結果、各右操舵用凹部27と各圧油供給用凹部29
との間の絞り部Aの開度および各左操舵用凹部28と各
圧油排出用凹部30との間の絞り部Bの開度が大きくな
り、各左操舵用凹部28と各圧油供給用凹部29との間
の絞り部Cの開度および各右操舵用凹部27と各圧油排
出用凹部30との間の絞り部Dの開度が小さくなる。こ
れにより、ポンプ37から油圧シリンダ18の一方の油
室21へ圧油が供給され、油圧シリンダ18の他方の油
室22よりタンク41へ圧油が還流され、車両の右方へ
の操舵補助力がラック8に作用する。舵角中点から左方
へ操舵すると、各絞り部A、B、C、Dの開度は右方へ
操舵した場合と逆に変化するので、車両の左方への操舵
補助力がラック8に作用する。
【0024】図1に示すように、入力軸2の回転角を舵
角データとして検出する回転角センサ51がバルブハウ
ジング10aの内部に設けられている。その回転角セン
サ51は、前記特開平2‐197465号公報に開示さ
れたものと同様のもので、入力軸2の外周に取り付けら
れる磁石51aであって周方向に交互に配列されるN極
とS極とを有するものと、バルブハウジング10aの内
周に取り付けられるリードスイッチ51bとを備え、入
力軸2の回転角度に応じた信号を発する。なお、回転角
センサ51の種類は特に限定されず、例えばロータリー
エンコーダを用いてもよい。また、舵角データとして検
出するのは入力軸2の回転角に限定されず、例えばステ
アリングホイールの回転角を検出したり、ラック8の移
動量をポテンショメータにより検出してもよい。
【0025】その回転角センサ51は制御装置52に接
続され、その制御装置52に車速センサ53と前記ポン
プ駆動用モータ50とが接続される。その制御装置52
はコンピュータにより構成され、モータ50の制御プロ
グラムを記憶し、そのプログラムに従い舵角中点を決定
し、その決定される舵角中点においてモータ50を作動
停止させる。
【0026】図3のフローチャートを参照し、第1実施
例の制御装置52による舵角中点の決定手順を説明す
る。
【0027】まず、車両のエンジンの始動により制御が
開始されると、舵角データの基準となる原点を仮設定し
て記憶する(ステップ1)。その原点は任意に設定でき
る。次に、車速センサ53からの信号に基づく車速を設
定速度と比較する(ステップ2)。車速が設定速度以上
になると、回転角センサ51により逐次検出される舵角
データを読込んで記憶する(ステップ3)。車速が小さ
い時は車庫入れ等の通常走行時とは異なる操舵が頻繁に
なされ、舵角中点を決定するのに適した舵角データの検
出が困難になり、舵角中点の決定精度が低下する場合が
あることから、設定車速以上の車速において舵角データ
を読込むことで精度向上を図っている。その設定速度
は、舵角中点を決定するのに適した舵角データの検出が
できる値になるよう適宜設定する。
【0028】次に、設定時間が経過したか否かを判断し
(ステップ4)、設定時間が経過していなければステッ
プ2に戻り、設定時間が経過したならば読み込んだ検出
舵角データの変動幅を演算し(ステップ5)、その変動
幅を設定値と比較する(ステップ6)。図4の舵角と時
間との関係に示すように、通常の車両の運転時において
は、直進時における舵角の一定時間内における変動幅D
1は、コーナリング時における舵角の一定時間内におけ
る変動幅D2よりも小さい。そこで、その検出した舵角
データの変動幅を設定値と比較することで、その変動幅
が直進運転時と同様に小さいか否かを判断している。そ
の設定時間は、一定舵角での走行がなされているか否か
を判断するのに必要な数の舵角データを検出するのに要
する時間に応じ適宜定めればよい。その設定値は、直進
時における舵角の設定時間内における変動幅に応じ適宜
定めればよい。なお、その設定値は零であってもよい。
【0029】次に、その変動幅が設定値以下でなければ
ステップ2に戻り、その変動幅が設定値以下であれば、
その時に検出された舵角データから仮想舵角中点を決定
して記憶する(ステップ7)。例えば、その時の仮設定
した原点を基準とする舵角データがマイナス15度であ
れば、そのマイナス15度の位置を仮想舵角中点として
もよく、また、その舵角データが複数あって平均値ある
いは中央値がマイナス14.8度であれば、そのマイナ
ス14.8度の位置を仮想舵角中点としてもよい。
【0030】次に、既定数(3以上)の仮想舵角中点を
決定したか否か判断し(ステップ8)、決定していなけ
ればステップ2に戻り、決定していれば舵角中点を決定
して記憶する(ステップ9)。その仮想舵角中点は、例
外的に実際の舵角中点と異なる場合がある。例えば、図
5の舵角と時間との関係に示すように、一定曲率のカー
ブのコーナリング時においては、検出した舵角データの
一定時間内における変動幅D1′は直進時における場合
と同様になる。そこで、複数の仮想舵角中点を時系列に
求め、求めた中で出現頻度が大きい仮想舵角中点から舵
角中点を決定することで、例外的なコーナリング時にお
ける仮想舵角中点を除外している。なお、その舵角中点
は、出現頻度が最大の仮想舵角中点そのものとしてもよ
いし、出現頻度が大きい複数の仮想舵角中点の平均値や
中央値等としてもよい。なお、決定する仮想舵角中点の
数は、例外的なコーナリング時におけるものを除外でき
るように適宜設定する。
【0031】舵角中点が決定されると、制御装置52は
ポンプ駆動用モータ50を制御する。その舵角中点が決
定されるまでは、車両のエンジンの始動スイッチのオン
によりモータ50は連続駆動される。図6のフローチャ
ートを参照し、その制御装置52によるモータ50の制
御手順を説明する。
【0032】まず、決定された舵角中点を舵角データの
基準となる原点として設定し(ステップ1)、回転角セ
ンサ51により逐次検出される舵角データを読込む(ス
テップ2)。次に、その読み込んだ舵角データを設定値
と比較する(ステップ3)。その設定値は、車両が直進
運転時における舵角データに応じ適宜定めればよい。な
お、その設定値は零であってもよい。その舵角データが
設定値以下であればモータ50を停止させ(ステップ
4)、設定値よりも大きければモータ50の停止を解除
する(ステップ5)。次に、車両が停車しているか否か
を例えば車両のエンジンの始動スイッチのオン、オフか
ら判断し(ステップ6)、停車していなければステップ
2に戻り、停車していれば制御を終了する。
【0033】図7、図8のフローチャートを参照し、第
2実施例による舵角中点の決定手順を説明する。
【0034】第2実施例においては、ステップ1〜7に
より仮想舵角中点を決定するまでは上記第1実施例と同
様である。なお、第2実施例における第1設定値は上記
第1実施例における設定値に対応する。
【0035】その仮想舵角中点は、上記のように一定曲
率のカーブのコーナリング時においては例外的に実際の
舵角中点とは異なる。また、距離の長い一定曲率のカー
ブのコーナリングを行なう場合に求められる仮想舵角中
点を除外するためには、上記第1実施例では求める仮想
舵角中点の数を多くする必要がある。そこで、本件第2
実施例においては、図9に示すように、車両のコーナリ
ング時は舵角中点からの操舵角Pは大きくなり、コーナ
リングの前後において車両が直進状態になることを利用
し、例外的なコーナリング時における仮想舵角中点を除
外している。
【0036】すなわち、ステップ1〜7により仮想舵角
中点を設定したならば、2つの仮想舵角中点を決定した
か否かを判断する(ステップ8)。2つの仮想舵角中点
を決定していなければ、仮設定した原点を基準とする舵
角データを読込み(ステップ9)、その舵角データを仮
想舵角中点を基準とする舵角データ(P)に変換する演
算を行ない(ステップ10)、その舵角データ(P)が
第2設定値よりも大きいか否かを比較することで(ステ
ップ11)、仮想舵角中点の設定後にコーナリングがな
されたか否かを判断する。その仮想舵角中点を基準とす
る舵角データ(P)が第2設定値以上になるまで、すな
わち仮想舵角中点の設定後にコーナリングがなされるま
でステップ9〜11を繰り返し、第2設定値よりも大き
くなればステップ1〜7により2つ目の仮想舵角中点を
決定する。その第2設定値は、コーナリングを明らかに
行なっている場合の舵角中点からの操舵角に基づいて適
宜設定すればよい。
【0037】ステップ8において2つの仮想舵角中点を
設定していれば、すなわちコーナリングの前後において
仮想舵角中点を設定していれば、両仮想舵角中点相互の
差(Q)を演算し(ステップ12)。その差(Q)を第
3設定値と比較することで(ステップ13)、コーナリ
ングの前後において車両が直進状態であるか否かを判断
する。すなわち、その差(Q)が第3設定値以下であれ
ば、コーナリングの前後において車両が直進状態である
と判断し、その時の仮想舵角中点から舵角中点を決定し
て記憶する(ステップ14)。その舵角中点は、その差
が第3設定値以下である2つの仮想舵角中点の何れか一
方としてもよいし、双方の平均値等としてもよい。な
お、その第3設定値は、コーナリング前後の各直進時に
おける舵角中点を基準とする舵角の差に基づき適宜設定
すればよく、零であってもよい。ステップ13におい
て、その差(Q)が第3設定値以下でなければステップ
2に戻る。舵角中点を求めた後のモータ50の制御は第
1実施例と同様に行なうことができる。
【0038】図10、図11のフローチャートを参照
し、第3実施例による舵角中点の決定手順を説明する。
【0039】第3実施例においては、ステップ1〜13
によりコーナリングの前後のおける仮想舵角中点相互の
差(Q)を第3設定値と比較するまでは上記第2実施例
と同様である。なお、第3実施例における第1仮想舵角
中点は上記第2実施例の仮想舵角中点に対応し、第3実
施例の第2仮想舵角中点は第2実施例の舵角中点に対応
する。
【0040】舵角データの検出開始直後に一定曲率のカ
ーブのコーナリングを行い、その後に逆方向に操舵した
後に、そのカーブと同一曲率のカーブのコーナリングを
行なう場合は、あたかも直進後にコーナリングを行なっ
た後に直進を行なった場合と同様の操舵が行なわれる。
そのような場合に、第2実施例による舵角中点決定装置
により舵角中点を決定すると、各仮想舵角中点は例外的
に実際の舵角中点とは異なってしまう。そのような例外
的なコーナリング時における仮想舵角中点を万が一のた
めに除外するため、第3実施例においては、第2実施例
による車両の舵角中点決定装置において求められた舵角
中点を第2仮想舵角中点とし、時系列に求めた複数の第
2仮想舵角中点の中で出現頻度が最大のものから舵角中
点を求めている。
【0041】すなわち、第2仮想舵角中点を決定したな
らば、既定数(3以上)の第2仮想舵角中点を決定した
か否か判断し(ステップ15)、決定していなければス
テップ2に戻り、決定していれば舵角中点を決定して記
憶する(ステップ16)。その求めた複数の第2仮想舵
角中点の中で出現頻度が大きい第2仮想舵角中点から舵
角中点を決定する。例えば、その出現頻度が最大の第2
仮想舵角中点そのものを舵角中点としてもよいし、その
出現頻度が大きい複数の第2仮想舵角中点の平均値や中
央値等を舵角中点としてもよい。舵角中点を求めた後の
モータ50の制御は第1実施例と同様に行なうことがで
きる。なお、決定する第2仮想舵角中点の数は、例外的
なコーナリング時におけるものを除外できるように適宜
設定する。
【0042】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではない。例えば、上記実施例では、本発明をラック
ピニオン式パワーステアリング装置に適用したが、ボー
ルスクリュー式パワーステアリング装置にも適用でき
る。
【0043】
【発明の効果】本発明による舵角中点決定装置によれ
ば、トルクセンサを用いることなく、舵角データの出現
頻度の統計的分布が正規分布になる程にデータ検出数を
多くすることなく、低コストで迅速に舵角中点を正確に
決定することができる。本発明によるパワーステアリン
グ装置によれば、操舵補助力を発生させるための油圧を
無駄に発生させることなく省エネルギー性を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の油圧パワーステアリング装置
の縦断面図
【図2】図1のII‐II線断面図
【図3】第1実施例の舵角決定手順を示すフローチャー
【図4】第1実施例の舵角と時間との関係を示す図
【図5】第1実施例の舵角と時間との関係を示す図
【図6】本発明の実施例のモータの制御手順を示すフロ
ーチャート
【図7】第2実施例の舵角決定手順を示すフローチャー
【図8】第2実施例の舵角決定手順を示すフローチャー
【図9】第2実施例の舵角と時間との関係を示す図
【図10】第3実施例の舵角決定手順を示すフローチャ
ート
【図11】第3実施例の舵角決定手順を示すフローチャ
ート
【符号の説明】
1 パワーステアリング装置 18 油圧シリンダ 37 ポンプ 50 ポンプ駆動用モータ 51 回転角センサ 52 制御装置 53 車速センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仮設定した原点を基準とする舵角データ
    を検出する手段と、設定時間内に逐次検出される舵角デ
    ータの変動幅を求めて設定値と比較する手段と、その変
    動幅が設定値よりも小さい時に検出された舵角データか
    ら仮想舵角中点を決定する手段と、時系列に決定した複
    数の仮想舵角中点の出現頻度に基づいて、仮想舵角中点
    から舵角中点を決定する手段とを備えることを特徴とす
    る車両の舵角中点決定装置。
  2. 【請求項2】 仮設定した原点を基準とする舵角データ
    を検出する手段と、設定時間内に逐次検出される舵角デ
    ータの変動幅を求めて第1設定値と比較する手段と、そ
    の変動幅が第1設定値よりも小さい時に検出された舵角
    データから仮想舵角中点を決定する手段と、その仮想舵
    角中点を基準とする舵角データを求めて第2設定値と比
    較する手段と、その仮想舵角中点を基準とする舵角デー
    タが第2設定値よりも大きくなる前後の仮想舵角中点相
    互の差を求めて第3設定値と比較する手段と、その差が
    第3設定値よりも小さい時の仮想舵角中点から舵角中点
    を決定する手段とを備えることを特徴とする車両の舵角
    中点決定装置。
  3. 【請求項3】 仮設定した原点を基準とする舵角データ
    を検出する手段と、設定時間内に逐次検出される舵角デ
    ータの変動幅を求めて第1設定値と比較する手段と、そ
    の変動幅が第1設定値よりも小さい時に検出された舵角
    データから第1仮想舵角中点を決定する手段と、その第
    1仮想舵角中点を基準とする舵角データを求めて第2設
    定値と比較する手段と、その第1仮想舵角中点を基準と
    する舵角データが第2設定値よりも大きくなる前後の第
    1仮想舵角中点相互の差を求めて第3設定値と比較する
    手段と、その差が第3設定値よりも小さい時の第1仮想
    舵角中点から第2仮想舵角中点を決定する手段と、時系
    列に決定した複数の第2仮想舵角中点の出現頻度に基づ
    いて、第2仮想舵角中点から舵角中点を決定する手段と
    を備えることを特徴とする車両の舵角中点決定装置。
  4. 【請求項4】 車速を検知する手段を備え、車速が設定
    速度よりも大きい時に検出される舵角データから仮想舵
    角中点を決定する請求項1〜3の何れかに記載の車両の
    舵角中点決定装置。
  5. 【請求項5】 電動アクチュエータにより駆動されるポ
    ンプと、そのポンプからの圧油により操舵補助力を発生
    させる油圧アクチュエータとを備えるパワーステアリン
    グ装置において、その電動アクチュエータを、請求項1
    〜4の何れかに記載の舵角中点決定装置により決定され
    る舵角中点において作動停止させる手段を備えることを
    特徴とするパワーステアリング装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999016655A1 (fr) 1997-09-26 1999-04-08 Koyo Seiko Co., Ltd. Dispositif de direction assistee
EP0978441A2 (en) 1998-08-03 2000-02-09 Koyo Seiko Co., Ltd. Steering angle middle point detecting device and power steering apparatus
JP2012081866A (ja) * 2010-10-12 2012-04-26 Denso Corp 基準舵角検出装置

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