JPH082295Y2

JPH082295Y2 - 部材取付け面の凹凸調整用スペーサー

Info

Publication number: JPH082295Y2
Application number: JP1989152895U
Authority: JP
Inventors: 明司北村
Original assignee: 日本理器株式会社
Priority date: 1989-12-27
Filing date: 1989-12-27
Publication date: 1996-01-24
Anticipated expiration: 2004-12-27
Also published as: JPH0389827U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、例えば、凹凸を備えた建築物のコンクリー
ト荒壁面に内装用化粧壁板等を歪みなく、真直ぐに取付
けるために使用する部材取付面の凹凸調整用スペーサー
の改良に関する。

（従来の技術）従来、この種の凹凸調整用スペーサーは、第４図に示
すように、２〜5mm程度の厚さを備えた小さな長方形状
のプラスチック平板ａの短巾側の一辺中間部から縦長の
切欠孔ｂを設けて構成されている。而して、その使用状
態の一例を説明すれば、凹凸部を備えた、例えばコンク
リート荒壁面に内、外装壁板の取付け用下地板を当接
し、該下地板を荒壁面に真直ぐに歪みなく装着するのに
支障を来たす該壁面の凹凸部のうちの所要凹部の位置に
おいて、下地板の表面からビス等の止着部材を途中まで
荒壁面に打込み、下地板の裏面と荒壁面との間の間隙部
に位置している止着部材の脚部に、所要枚数の上記スペ
ーサーＳを、その切欠孔ｂの開放口ｃから挿入して該間
隙部に介在させることにより、下地板をコンクリート荒
壁面に真直ぐに歪みなく装着した後、該下地板を介して
内、外装壁板を装設している。

（考案が解決しようとする課題）然るに、この種のスペーサーを使用して凹凸を調節す
る部材取付け面の形状、方向等は様々であって、特に部
材取付け面が平面部である場合は、取付け作業時の振動
等により、止着部材の脚部に挿入したスペーサーが回動
したり、妄動したりして切欠孔ｂの開放口ｃを経て止着
部材から離脱することが非常に多く、スペーサーとして
の所期の作用、効果を果し得ないと言った問題がある。

本考案は、上記の問題を解決することを課題として開
発されたもので、止着部材への挿入を円滑に行ない得る
と共に、作業時の条件のいかんに拘らず、一旦、挿入し
た後は止着部材から離脱するのを確実に防止できる部材
取付け面の凹凸調整用スペーサーを提供することを目的
とする。

（課題を解決するための手段）上記の課題を解決し、目的を達成するために、本考案
では、プラスチック、軽量金属、木材等から成る平板に
ボルト、釘等の止着部材を挿入する切欠孔を設け、該切
欠孔の開放口の両側口縁から孔内に向う突片を夫々突設
して該両突片の先端側を接近させて構成したことを特徴
とする部材取付け面の凹凸調整用スペーサーを開発し、
採用した。

（作用）上記のように構成され本考案に係るスペーサーによれ
ば、その切欠孔の開放口縁から孔内に向う突片が夫々突
設してあり、然も該両突片の先端側を接近させてあるの
で、該両突片は、スペーサーを止着部材に押入する際に
は、ガイド部材として円滑にスペーサーをガイド押入す
る作用がある。また、一旦、止着部材を切欠孔内に挿入
した後は、両突片の先端接近部が逆止機能を発揮し、ス
ペーサーが止着部材から離脱するのを防止する作用があ
る。

（実施例）以下に、本考案の実施例を添付図面に基づいて説明す
れば、１は２〜10mm程度の厚さを備え、且つ略小マッチ
箱〜煙草箱の大きさを備えた小さい長方形状の硬質プラ
スチック製平板２から成る部材取付け面の凹凸調整用ス
ペーサー本体であって、該平板２の短巾側の一辺中間部
から対向する短巾側の他辺に向って、ボルト、ビス、釘
等の止着部材Ａを挿入するための縦長の切欠孔３を設
け、且つ該切欠孔３の開放口４側の所要長を広巾孔3aで
形成すると共に、該切欠孔３の奥端部５側の所要長を若
干狭巾孔3bで形成してある。また、６、６は、切欠孔３
の開放口４の両側口縁から孔内の中間部に向って斜めに
夫々突設した斜状の反り突片であって、該両反り突片
６、６の先端側を次第に接近させて、両先端部6a、6a間
の間隙6bが、使用する止着部材Ａの脚部の径長よりも短
かくなるように寸法設計してあり、この両反り突片６、
６はプラスチックの特性から弾性的に復元可能に撓み得
るものである。

次に、上記のように構成されたスペーサーの使用状態
の一例を第２図及び第３図に基づいて説明する。同図に
おいて、Ｂは建築物のコンクリート製垂直壁であって、
凹凸部を備えた該荒壁面Ｂ′に内装用化粧壁板Ｃを施設
するための下地板Ｄを真直ぐに歪みなく装着するため
に、荒壁面Ｂ′の凹凸部のうちの所要の凹部の位置にお
いて、該荒壁面Ｂ′に下地板Ｄの表面側から止着部材Ａ
を途中まで打込み、下地板Ｄの裏面と荒壁面Ｂ′との間
の間隙部に位置している止着部材Ａの脚部に、下地板Ｄ
が荒壁面Ｂ′に真直ぐに歪みなく当接されるのに必要な
枚数のスペーサーを、その切欠孔３の開放口４から挿入
して間隙部に介在させることにより、該下地板Ｄを荒壁
面Ｂ′に真直ぐに歪みなく装着した後、該下地板Ｄを介
して内装用化粧壁板Ｃを取付ければ、該化粧壁板Ｃは歪
みのない垂直状態で正しく装設される。

而して、上記スペーサーの取付けに際して、その切欠
孔３の開放口４の両側に設けた両反り突片６、６を止着
部材Ａの脚部の上部に当てがって押込むと、山形状に傾
斜されている両反り突片６、６によりスペーサーは該突
片６、６の先端6a、6a側に自然に下降案内されると共
に、両先端部6a、6a間の間隙6bは止着部材Ａにより押し
開かれ、該止着部材Ａを切欠孔３内に嵌入して、第３図
に示すように、切欠孔３の奥端部５が止着部材Ａ上に当
接載置された状態になる。

また、上記のように、一旦、止着部材Ａが切欠孔３内
に嵌入されると、両反り突片６、６の両先端部6a、6a間
の間隙6bは止着部材Ａの脚部の径長よりも短寸法に形成
されているため、作業中にスペーサーが妄動したり、回
動したりすることがあっても、スペーサーが止着部材Ａ
から離脱するおそれは全くなく、その装設位置を確実に
保持してスペーサーとしての所期の作用、効果を確実に
奏し得るものである。

なお、この実施例においては、スペーサーの切欠孔３
の開放口４側を広巾孔3aで形成したが、これは両反り突
片６、６の屈曲拡開を円滑確実に行なうためであって、
本考案における必須要件ではない。また、このスペーサ
ーは垂直面における凹凸調整のためのみに使用されるも
のではなく、平面及び傾斜面等の凹凸調整用としても当
然適用されるものであり、且つ部材の取付け面は建築物
の壁面のみでなく、所要の部材を歪みなく真直ぐに取付
ける必要がある建築物、構築物の種々の面に適用される
ものである。

以上、本考案の一実施例について説明したが、材質、
構造及び形状等を含めて、本考案は上記実施例に限定さ
れるものではなく、本考案の所期の目的を達成でき、且
つ要旨を逸脱しない範囲内であれば、種々の設計変更が
可能であることは当然である。

（考案の効果）本考案は、プラスチック、軽量金属、木材等から成る
平板にボルト、釘等の止着部材を挿入する切欠孔を設
け、該切欠孔の開放口の両側口縁から孔内に向う突片を
夫々突設して該両突片の先端側を接近させて構成したこ
とを特徴とする部材取付け面の凹凸調整用スペーサーに
係り、上記のようにして使用されるものであるから、止
着部材に対するスペーサーの嵌合を両突片のガイド作用
により円滑確実に行ない得ると共に、一旦、止着部材に
嵌合されたスペーサーは、両突片の先端が接近されてい
ることにより、開放口から離脱するおそれが全くなく、
設備作業中に、振動、他物との接触等により、スペーサ
ーが回動したり、妄動したりすることがあっても、その
設定位置を確実に保持し得て、この種のスペーサーとし
ての機能を支障なく発揮できる多大な特長がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は正面側か
ら見た斜視図、第２図は垂直方向の荒壁面の凹凸調整に
適用した場合の説明図、第３図は一部を切欠した使用状
態の正面図、第４図は従来品の正面図である。（符号の説明）１……スペーサー本体、２……平板、３……切欠孔、４
……開放口、６、６……両突片、6a、6a……両突片の接
近先端部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】プラスチック、軽量金属、木材等から成る
平板にボルト、釘等の止着部材を挿入する切欠孔を設
け、該切欠孔の開放口の両側口縁から孔内に向う突片を
夫々突設して該両突片の先端側を接近させて構成したこ
とを特徴とする部材取付け面の凹凸調整用スペーサー。