JPH08228700A - 酸性ゲル状デザートの製造方法 - Google Patents
酸性ゲル状デザートの製造方法Info
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- JPH08228700A JPH08228700A JP7063548A JP6354895A JPH08228700A JP H08228700 A JPH08228700 A JP H08228700A JP 7063548 A JP7063548 A JP 7063548A JP 6354895 A JP6354895 A JP 6354895A JP H08228700 A JPH08228700 A JP H08228700A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 爽快な酸味を有し、牛乳等と混和することに
より、速やかに軟らかく、なめらかで、かつ、風味がま
ろやかなゲルを形成し、しかも、高カロリーのエネルギ
ーを容易に摂取することができる酸性ゲル状デザートを
提供する。 【構成】 少なくとも低メトキシルペクチン、糖類、有
機酸、および有機酸塩からなり、必要に応じてこれらに
果実、果汁、液糖、着色料、色素等を加えたpH3.8
〜4.3のデザート組成物に中鎖脂肪酸のトリグリセラ
イドを加え、これを密封した状態で加熱処理し、その
後、これに牛乳等のカルシウムを含有する礎素材を添加
する酸性ゲル状デザートの製造方法。
より、速やかに軟らかく、なめらかで、かつ、風味がま
ろやかなゲルを形成し、しかも、高カロリーのエネルギ
ーを容易に摂取することができる酸性ゲル状デザートを
提供する。 【構成】 少なくとも低メトキシルペクチン、糖類、有
機酸、および有機酸塩からなり、必要に応じてこれらに
果実、果汁、液糖、着色料、色素等を加えたpH3.8
〜4.3のデザート組成物に中鎖脂肪酸のトリグリセラ
イドを加え、これを密封した状態で加熱処理し、その
後、これに牛乳等のカルシウムを含有する礎素材を添加
する酸性ゲル状デザートの製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸性ゲル状デザートに
中鎖脂肪酸のトリグリセライド〔MCT(Medium
Chain Triglyceride)〕を含有さ
せて、高カロリーのエネルギーを容易に摂取することが
できるようにした酸性ゲル状デザートに関するものであ
る。
中鎖脂肪酸のトリグリセライド〔MCT(Medium
Chain Triglyceride)〕を含有さ
せて、高カロリーのエネルギーを容易に摂取することが
できるようにした酸性ゲル状デザートに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、人間にとって必要とされるエネ
ルギー源を、咀嚼に労することなく即座に補給すること
ができる製品として、飲料形態のものが市場に多く流通
している。しかし、これらは、あくまで形態が液状のも
のであり、咀嚼することを全く必要としないため、人間
の空腹感を満足できる食品としては十分なものではなか
った。
ルギー源を、咀嚼に労することなく即座に補給すること
ができる製品として、飲料形態のものが市場に多く流通
している。しかし、これらは、あくまで形態が液状のも
のであり、咀嚼することを全く必要としないため、人間
の空腹感を満足できる食品としては十分なものではなか
った。
【0003】これに対して、低メトキシルペクチンを含
有する組成物に、牛乳等のカルシウムを含有する礎材を
加え、低メトキシルペクチンとカルシウムとの反応を利
用したゲル状食品は既に周知である。このようなゲル状
食品は、なめらかで、かつ、風味がまろやかなゲルを形
成し、労することなく、それでいて適度な咀嚼を必要と
する物性を有する食品であるため、人間の空腹感を十分
に満足できるエネルギー補給食品として、その利用価値
は非常に高いものであると考えられる。
有する組成物に、牛乳等のカルシウムを含有する礎材を
加え、低メトキシルペクチンとカルシウムとの反応を利
用したゲル状食品は既に周知である。このようなゲル状
食品は、なめらかで、かつ、風味がまろやかなゲルを形
成し、労することなく、それでいて適度な咀嚼を必要と
する物性を有する食品であるため、人間の空腹感を十分
に満足できるエネルギー補給食品として、その利用価値
は非常に高いものであると考えられる。
【0004】また、一般に食品に用いられている長鎖脂
肪酸からなる油脂〔LCT(Long Chain T
riglyceride)〕に比べ、消化吸収性に優れ
たMCTを用いた食品が多種多様に開発されている。し
かし、MCTを食品(とりわけ液状、ペースト状等の食
品)に加える場合には、MCTと他の原料組成物とが容
易に分離するため、MCTを他の原料組成物中に均一に
分散させるためには、乳化剤を用いる等の煩雑な工程を
要した。
肪酸からなる油脂〔LCT(Long Chain T
riglyceride)〕に比べ、消化吸収性に優れ
たMCTを用いた食品が多種多様に開発されている。し
かし、MCTを食品(とりわけ液状、ペースト状等の食
品)に加える場合には、MCTと他の原料組成物とが容
易に分離するため、MCTを他の原料組成物中に均一に
分散させるためには、乳化剤を用いる等の煩雑な工程を
要した。
【0005】例えば、特開昭63−167748号公報
には、牛乳を加えて混合することによって容易に得るこ
とができるアイス食品用組成物に関し、甘味剤と食用油
脂としてMCT、乳化剤としてヘキサグリセリンモノス
テアレート、安定剤としてペクチンおよびα化澱粉を用
いた組成物が開示されているが、このアイス食品用組成
物においては、長期保存の条件とされる高温加熱殺菌を
行なうと、乳化状態が破壊され、油脂が変質して、良好
な食感および風味を有する製品を得ることができないと
いうことから、乳化剤としてヘキサグリセリンモノステ
アレートを用い、安定剤としてペクチンおよびα化澱粉
を用いることを必要としている。
には、牛乳を加えて混合することによって容易に得るこ
とができるアイス食品用組成物に関し、甘味剤と食用油
脂としてMCT、乳化剤としてヘキサグリセリンモノス
テアレート、安定剤としてペクチンおよびα化澱粉を用
いた組成物が開示されているが、このアイス食品用組成
物においては、長期保存の条件とされる高温加熱殺菌を
行なうと、乳化状態が破壊され、油脂が変質して、良好
な食感および風味を有する製品を得ることができないと
いうことから、乳化剤としてヘキサグリセリンモノステ
アレートを用い、安定剤としてペクチンおよびα化澱粉
を用いることを必要としている。
【0006】MCTを含有させた食品組成物として、特
開昭63−71153号公報には、MCTと糖質とを含
有することを必要条件とする食品組成物について開示さ
れているが、対象食品およびその組成等はなんら特定さ
れているものではなく、酸性ゲル状デザートについては
全く示されていない。
開昭63−71153号公報には、MCTと糖質とを含
有することを必要条件とする食品組成物について開示さ
れているが、対象食品およびその組成等はなんら特定さ
れているものではなく、酸性ゲル状デザートについては
全く示されていない。
【0007】酸性ゲル状デザートに関しては、本出願人
の出願に係る特公昭59−4104号公報に、酸性ゲル
状デザートの製造法に係る発明について開示されてい
る。該発明は、少なくとも低メトキシルペクチン、糖
類、有機酸、および有機酸塩からなり、必要に応じてこ
れらに果実、果汁、液糖、着色料、色素等を加えたデザ
ート組成物において、有機酸としてクエン酸、そして有
機酸塩としてクエン酸ナトリウムを使用すると共に、該
クエン酸ナトリウムの重量比を1対1〜1.5となし、
かつ、該デザート組成物のpHを3.8〜4.3に調整
した後、密封した状態で加熱処理し、その後、これに牛
乳等のカルシウムを含有する礎材を添加する酸性ゲル状
デザートの製造法である。
の出願に係る特公昭59−4104号公報に、酸性ゲル
状デザートの製造法に係る発明について開示されてい
る。該発明は、少なくとも低メトキシルペクチン、糖
類、有機酸、および有機酸塩からなり、必要に応じてこ
れらに果実、果汁、液糖、着色料、色素等を加えたデザ
ート組成物において、有機酸としてクエン酸、そして有
機酸塩としてクエン酸ナトリウムを使用すると共に、該
クエン酸ナトリウムの重量比を1対1〜1.5となし、
かつ、該デザート組成物のpHを3.8〜4.3に調整
した後、密封した状態で加熱処理し、その後、これに牛
乳等のカルシウムを含有する礎材を添加する酸性ゲル状
デザートの製造法である。
【0008】上記方法は、ゲル状食品中に牛乳や粉乳そ
の他の動植物蛋白性物質を存在させ、さらに、爽快な酸
味を得るために酸性物質を共存させてゲル状食品のpH
を低く下げた場合、ゲル状食品中の蛋白質が酸凝固を起
こして組織が分離してくると共に、離水現象を起こして
脆いゲルとなり、爽快な酸味となめらかな食感を有する
ゲルを得ることができなかった点を改良したものであ
る。すなわち、デザート組成物において、有機酸として
クエン酸、また、有機酸塩としてクエン酸ナトリウムを
使用すると共に、該クエン酸と該クエン酸ナトリウムの
重量比を1対1〜1.5となし、かつ、該デザート組成
物のpHを3.8〜4.3に調整し、それを密封した状
態で加熱処理することによって、爽快な酸味となめらか
な食感を有するゲルを得ることができるようにしたもの
である。
の他の動植物蛋白性物質を存在させ、さらに、爽快な酸
味を得るために酸性物質を共存させてゲル状食品のpH
を低く下げた場合、ゲル状食品中の蛋白質が酸凝固を起
こして組織が分離してくると共に、離水現象を起こして
脆いゲルとなり、爽快な酸味となめらかな食感を有する
ゲルを得ることができなかった点を改良したものであ
る。すなわち、デザート組成物において、有機酸として
クエン酸、また、有機酸塩としてクエン酸ナトリウムを
使用すると共に、該クエン酸と該クエン酸ナトリウムの
重量比を1対1〜1.5となし、かつ、該デザート組成
物のpHを3.8〜4.3に調整し、それを密封した状
態で加熱処理することによって、爽快な酸味となめらか
な食感を有するゲルを得ることができるようにしたもの
である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、爽快な酸味
を有し、牛乳等と混和することにより、速やかに軟らか
く、なめらかで、かつ、風味がまろやかなゲルを形成
し、しかも、高カロリーのエネルギーを容易に摂取する
ことができる酸性ゲル状デザートを提供することを目的
とするものである。
を有し、牛乳等と混和することにより、速やかに軟らか
く、なめらかで、かつ、風味がまろやかなゲルを形成
し、しかも、高カロリーのエネルギーを容易に摂取する
ことができる酸性ゲル状デザートを提供することを目的
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記特公
昭59−4104号の酸性ゲル状デザートの製造法にお
いて、さらに高カロリーのエネルギーを容易に摂取でき
る酸性ゲル状デザートの製造法について検討を進めた結
果、酸性デザート組成物にMCTを加え、加熱処理した
後、これに牛乳等のカルシウムを含有する礎材を添加す
ると、乳化剤を使用しなくても、食品中にMCTを略均
一に分散、保持することができると共に、MCTによる
高カロリーのエネルギーを容易に摂取するこができるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
昭59−4104号の酸性ゲル状デザートの製造法にお
いて、さらに高カロリーのエネルギーを容易に摂取でき
る酸性ゲル状デザートの製造法について検討を進めた結
果、酸性デザート組成物にMCTを加え、加熱処理した
後、これに牛乳等のカルシウムを含有する礎材を添加す
ると、乳化剤を使用しなくても、食品中にMCTを略均
一に分散、保持することができると共に、MCTによる
高カロリーのエネルギーを容易に摂取するこができるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、少なくとも低メトキ
シルペクチン、糖類、有機酸、および有機酸塩からな
り、必要に応じてこれらに果実、果汁、液糖、着色料、
色素等を加えたpH3.8〜4.3のデザート組成物に
MCTを加え、これを密封した状態で加熱処理し、その
後、これに牛乳等のカルシウムを含有する礎材を添加す
ることを特徴とする酸性ゲル状デザートの製造方法であ
る。
シルペクチン、糖類、有機酸、および有機酸塩からな
り、必要に応じてこれらに果実、果汁、液糖、着色料、
色素等を加えたpH3.8〜4.3のデザート組成物に
MCTを加え、これを密封した状態で加熱処理し、その
後、これに牛乳等のカルシウムを含有する礎材を添加す
ることを特徴とする酸性ゲル状デザートの製造方法であ
る。
【0012】本発明において低メトキシルペクチンは、
よく知られているように、カルシウムやマグネシウムの
ような2価の金属イオンとイオン結合して網状構造を作
りゲル化する性質を利用するために使用するものであ
る。本発明で使用される低メトキシルペクチンは、エス
テル化度が25〜40%のものである。一般には、低メ
トキシルペクチンはエステル化度が50%以下であり、
高メトキシルペクチンといわれるものと異なり、糖含量
やpHにかかわらずゲルを形成するといわれている。
よく知られているように、カルシウムやマグネシウムの
ような2価の金属イオンとイオン結合して網状構造を作
りゲル化する性質を利用するために使用するものであ
る。本発明で使用される低メトキシルペクチンは、エス
テル化度が25〜40%のものである。一般には、低メ
トキシルペクチンはエステル化度が50%以下であり、
高メトキシルペクチンといわれるものと異なり、糖含量
やpHにかかわらずゲルを形成するといわれている。
【0013】本発明において使用する糖類は、本発明の
デザートに好ましい甘味と組織を与えるためのもので、
単糖類、二糖類が好ましく、例えば、グラニュー糖、上
白糖、三温糖等を使用することができる。また、ブドウ
糖、デキストリン等を併用しても何らさしつかえない。
デザートに好ましい甘味と組織を与えるためのもので、
単糖類、二糖類が好ましく、例えば、グラニュー糖、上
白糖、三温糖等を使用することができる。また、ブドウ
糖、デキストリン等を併用しても何らさしつかえない。
【0014】本発明において必要に応じて使用する果実
としては、オレンジ、ストロベリー、ピーチ、パイン、
バナナ等が適当であり、各々単体で使用してもよく、ま
た、それらを併用してバラエティーに富んだ味を楽しむ
こともできる。なお、ここで留意しなければならない点
は、使用する果実の種類により、あるいは同一の種類で
あっても品種、グレード、産地等の差異により酸味、甘
味が異なるため、上記糖類で甘味を調整したり、また、
有機酸によってpH調整を行なう必要がある。この際、
本発明のデザートのように、糖、低メトキシルペクチ
ン、牛乳等の蛋白を含有する物質の三系の組成物におい
ては、pHによってゲルの固さ、なめらかさ、まろやか
さ等に差異を生ずるが、爽快な酸味と軟らかく、かつ、
まろやかな食感を得るためには、pH3.8〜4.3に
調整することが必要である。
としては、オレンジ、ストロベリー、ピーチ、パイン、
バナナ等が適当であり、各々単体で使用してもよく、ま
た、それらを併用してバラエティーに富んだ味を楽しむ
こともできる。なお、ここで留意しなければならない点
は、使用する果実の種類により、あるいは同一の種類で
あっても品種、グレード、産地等の差異により酸味、甘
味が異なるため、上記糖類で甘味を調整したり、また、
有機酸によってpH調整を行なう必要がある。この際、
本発明のデザートのように、糖、低メトキシルペクチ
ン、牛乳等の蛋白を含有する物質の三系の組成物におい
ては、pHによってゲルの固さ、なめらかさ、まろやか
さ等に差異を生ずるが、爽快な酸味と軟らかく、かつ、
まろやかな食感を得るためには、pH3.8〜4.3に
調整することが必要である。
【0015】このpHの調整に当たって、有機酸として
クエン酸、また、有機酸塩としてクエン酸ナトリウムを
使用すると共に、該クエン酸と該クエン酸ナトリウムの
比率を一定にし、かつ、pHを3.8〜4.3に調整す
ることが好ましい。
クエン酸、また、有機酸塩としてクエン酸ナトリウムを
使用すると共に、該クエン酸と該クエン酸ナトリウムの
比率を一定にし、かつ、pHを3.8〜4.3に調整す
ることが好ましい。
【0016】上記のようにpHを調整したデザート組成
物を密封した状態で加熱処理し、それを牛乳等のカルシ
ウムを含有するものと混合した時に、牛乳中の蛋白が低
メトキシルペクチンとカルシウムとのゲル化反応によく
適合した状態となり、所望のゲルが得られる。密封した
状態で加熱処理を行なう際に使用する密封容器として
は、耐熱性のもので、かつ、熱伝達の良いものならば、
合成樹脂製の袋、金属製罐あるいはガラス容器等が使用
される。加熱の方法としては、スチームタンク内で加熱
してもよく、また、温水に浸漬したり、熱水を噴霧する
という方法を採用してもよい。この場合、密封容器内の
品温は75〜100℃が適当であり、加熱時間は10〜
60分が好ましい。
物を密封した状態で加熱処理し、それを牛乳等のカルシ
ウムを含有するものと混合した時に、牛乳中の蛋白が低
メトキシルペクチンとカルシウムとのゲル化反応によく
適合した状態となり、所望のゲルが得られる。密封した
状態で加熱処理を行なう際に使用する密封容器として
は、耐熱性のもので、かつ、熱伝達の良いものならば、
合成樹脂製の袋、金属製罐あるいはガラス容器等が使用
される。加熱の方法としては、スチームタンク内で加熱
してもよく、また、温水に浸漬したり、熱水を噴霧する
という方法を採用してもよい。この場合、密封容器内の
品温は75〜100℃が適当であり、加熱時間は10〜
60分が好ましい。
【0017】次に、カルシウムを含有する礎材として
は、まず牛乳が挙げられるが、牛乳の他にもゲル化に必
要なカルシウムを含有していれば、豆乳、練乳、粉乳等
でも使用することができる。
は、まず牛乳が挙げられるが、牛乳の他にもゲル化に必
要なカルシウムを含有していれば、豆乳、練乳、粉乳等
でも使用することができる。
【0018】本発明においては、必要に応じて果実、果
汁、液糖、着色料、色素等を使用するが、果汁は果実の
風味をさらに強調したり、あるいは補助するために使用
される。液糖は本発明のデザートに甘味をつけるために
補助的に使用するためのものであり、また、着色料およ
び色素は好みに合った香り、色をつけるために必要に応
じて使用する。
汁、液糖、着色料、色素等を使用するが、果汁は果実の
風味をさらに強調したり、あるいは補助するために使用
される。液糖は本発明のデザートに甘味をつけるために
補助的に使用するためのものであり、また、着色料およ
び色素は好みに合った香り、色をつけるために必要に応
じて使用する。
【0019】本発明において使用するMCTは、その構
成脂肪酸がC6 〜C10からなっており、ラウリン酸(C
12)以上の脂肪酸からるLCTと異なり、飽和脂肪酸の
みから構成されているにもかかわらず、常温においては
液体である。そして、大豆油やオリーブ油のような天然
油脂と比較して、MCTは酸素に対する安定性が非常に
よく、そのために保存性が極めて優れている。しかし、
MCTの特徴は、その消化吸収経路が通常のLCTと比
べて全く違っている点である。すなわち、MCTはリン
パ管を経由することなく糖類等の他の栄養素と同様に、
腸上皮細胞から門脈を経て肝臓に運ばれて、そこで直ち
に酸化分解されてエネルギーに変換される。この際、M
CT1g当たり8.3カロリーのエネルギーが生成す
る。LCT1gから9.3カロリーのエネルギーが生じ
るのと比較すると、それはほとんど同じ値を示してい
る。一方、蛋白質および炭水化物は1g当たり4カロリ
ーが発生する。このため、MCTは吸収容易な高カロリ
ーのエネルギー源である。
成脂肪酸がC6 〜C10からなっており、ラウリン酸(C
12)以上の脂肪酸からるLCTと異なり、飽和脂肪酸の
みから構成されているにもかかわらず、常温においては
液体である。そして、大豆油やオリーブ油のような天然
油脂と比較して、MCTは酸素に対する安定性が非常に
よく、そのために保存性が極めて優れている。しかし、
MCTの特徴は、その消化吸収経路が通常のLCTと比
べて全く違っている点である。すなわち、MCTはリン
パ管を経由することなく糖類等の他の栄養素と同様に、
腸上皮細胞から門脈を経て肝臓に運ばれて、そこで直ち
に酸化分解されてエネルギーに変換される。この際、M
CT1g当たり8.3カロリーのエネルギーが生成す
る。LCT1gから9.3カロリーのエネルギーが生じ
るのと比較すると、それはほとんど同じ値を示してい
る。一方、蛋白質および炭水化物は1g当たり4カロリ
ーが発生する。このため、MCTは吸収容易な高カロリ
ーのエネルギー源である。
【0020】本発明においてMCTは、酸性ゲル状デザ
ートの物性、風味、一度に摂取したいカロリー等を考慮
して、適宜デザート組成物に加えることができる。しか
し、喫食開始時においては、一食当たりに含まれるMC
Tの量を8.5gまでの範囲にとどめ、該範囲を喫食回
数の増加に伴い漸増するようにすることが、高浸透圧に
起因する下痢、腹部膨満等の副作用を招かないという点
で好ましい。
ートの物性、風味、一度に摂取したいカロリー等を考慮
して、適宜デザート組成物に加えることができる。しか
し、喫食開始時においては、一食当たりに含まれるMC
Tの量を8.5gまでの範囲にとどめ、該範囲を喫食回
数の増加に伴い漸増するようにすることが、高浸透圧に
起因する下痢、腹部膨満等の副作用を招かないという点
で好ましい。
【0021】また、MCTを密封容器に充填するに際し
ては、MCTとこれを除く他のデザート組成物原料とを
予め混合することなく、別々に充填するようにするのが
好ましい。すなわち、このようにすることによって、両
者を常に一定の割合で密封容器に充填することを容易に
行なうことができる。しかし、両者を予め混合した場合
には、これらは乳化することなく容易に分離してしまう
ため、常に一定の割合で充填するのが難しい。
ては、MCTとこれを除く他のデザート組成物原料とを
予め混合することなく、別々に充填するようにするのが
好ましい。すなわち、このようにすることによって、両
者を常に一定の割合で密封容器に充填することを容易に
行なうことができる。しかし、両者を予め混合した場合
には、これらは乳化することなく容易に分離してしまう
ため、常に一定の割合で充填するのが難しい。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の実施例および比較例を挙げ
て説明する。 (実施例1)低メトキシルペクチン13重量部、クエン
酸5重量部、クエン酸ナトリウム6重量部、乳酸カルシ
ウム0.02重量部、砂糖111重量部、食塩1重量部
を予備混合し、これに液糖40重量部、水474.28
重量部、着色料0.7重量部、いちご177重量部を加
え、70℃になるまで加熱しながら混合、溶解し、pH
4.0のデザート組成物を調製した。
て説明する。 (実施例1)低メトキシルペクチン13重量部、クエン
酸5重量部、クエン酸ナトリウム6重量部、乳酸カルシ
ウム0.02重量部、砂糖111重量部、食塩1重量部
を予備混合し、これに液糖40重量部、水474.28
重量部、着色料0.7重量部、いちご177重量部を加
え、70℃になるまで加熱しながら混合、溶解し、pH
4.0のデザート組成物を調製した。
【0023】これをレトルトパウチに充填した後、MC
T170重量部を充填し、密封して90℃で10分間加
熱処理した。このMCTを含有するデザート組成物に、
牛乳1000重量部を加え、これをかき混ぜて、本発明
の酸性ゲル状デザートを得た。得られた酸性ゲル状デザ
ートは、爽快な酸味を有し、また、なめらかで、かつ、
まろやかな風味と果実の新鮮な食味が良好に感じられる
ものであった。
T170重量部を充填し、密封して90℃で10分間加
熱処理した。このMCTを含有するデザート組成物に、
牛乳1000重量部を加え、これをかき混ぜて、本発明
の酸性ゲル状デザートを得た。得られた酸性ゲル状デザ
ートは、爽快な酸味を有し、また、なめらかで、かつ、
まろやかな風味と果実の新鮮な食味が良好に感じられる
ものであった。
【0024】(実施例2)低メトキシルペクチン2.6
重量部、クエン酸1重量部、クエン酸ナトリウム1.1
重量部、グラニュー糖25重量部、食塩0.1重量部を
予備混合し、これに果汁2重量部、オレンジ30重量
部、水80重量部を加え、70℃になるまで加熱しなが
ら混合、溶解し、pH4.0の酸性デザート組成物を調
製した。これをレトルトパウチに充填した後、MCT3
2重量部を充填し、密封して90℃で10分間加熱処理
した。この酸性デザート組成物に、牛乳173.8重量
部を加えてかき混ぜたところ、速やかに軟らかく、なめ
らかなゲル状デザートを形成した。
重量部、クエン酸1重量部、クエン酸ナトリウム1.1
重量部、グラニュー糖25重量部、食塩0.1重量部を
予備混合し、これに果汁2重量部、オレンジ30重量
部、水80重量部を加え、70℃になるまで加熱しなが
ら混合、溶解し、pH4.0の酸性デザート組成物を調
製した。これをレトルトパウチに充填した後、MCT3
2重量部を充填し、密封して90℃で10分間加熱処理
した。この酸性デザート組成物に、牛乳173.8重量
部を加えてかき混ぜたところ、速やかに軟らかく、なめ
らかなゲル状デザートを形成した。
【0025】(比較例1)低メトキシルペクチン2.7
重量部、クエン酸1重量部、クエン酸ナトリウム1.1
重量部、グラニュー糖25重量部、食塩0.1重量部を
予備混合し、これに果汁2重量部、オレンジ30重量
部、水110重量部を加え、70℃になるまで加熱しな
がら混合、溶解し、pH4.0のデザート組成物を調製
した。これをレトルトパウチに充填、密封して90℃で
10分間加熱処理した。この酸性デザート組成物に、牛
乳171.9重量部を加えてかき混ぜたところ、速やか
に軟らかく、なめらかなゲル状デザートを形成した。
重量部、クエン酸1重量部、クエン酸ナトリウム1.1
重量部、グラニュー糖25重量部、食塩0.1重量部を
予備混合し、これに果汁2重量部、オレンジ30重量
部、水110重量部を加え、70℃になるまで加熱しな
がら混合、溶解し、pH4.0のデザート組成物を調製
した。これをレトルトパウチに充填、密封して90℃で
10分間加熱処理した。この酸性デザート組成物に、牛
乳171.9重量部を加えてかき混ぜたところ、速やか
に軟らかく、なめらかなゲル状デザートを形成した。
【0026】(官能評価試験)実施例2および比較例1
で得られた酸性ゲル状デザートについて、以下の基準に
より、10名のパネルによる官能評価を行った。その結
果を表1に示した。 (評価基準) 5・・・実施例2の方が強く感じる。 4・・・実施例2の方が感じる。 3・・・実施例2、比較例1とも変わらない。 2・・・比較例1の方が感じる。 1・・・比較例1の方が強く感じる。
で得られた酸性ゲル状デザートについて、以下の基準に
より、10名のパネルによる官能評価を行った。その結
果を表1に示した。 (評価基準) 5・・・実施例2の方が強く感じる。 4・・・実施例2の方が感じる。 3・・・実施例2、比較例1とも変わらない。 2・・・比較例1の方が感じる。 1・・・比較例1の方が強く感じる。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、乳化剤を用いることな
く、牛乳等を加えてかき混ぜるだけで、酸性ゲル状デザ
ート中にMCTを略均一に分散、保持することができる
ため、酸性ゲル状デザートの物性、風味を均一に保つこ
とができる。そして、高カロリーのエネルギーを効率的
に摂取することができ、しかも、爽快な酸味を抑制する
することなく、それでいて風味のコクを強化することが
できると共に、缶詰のフルーツを使用する場合には、缶
詰のフルーツに特有の金属臭が効果的に抑制される。
く、牛乳等を加えてかき混ぜるだけで、酸性ゲル状デザ
ート中にMCTを略均一に分散、保持することができる
ため、酸性ゲル状デザートの物性、風味を均一に保つこ
とができる。そして、高カロリーのエネルギーを効率的
に摂取することができ、しかも、爽快な酸味を抑制する
することなく、それでいて風味のコクを強化することが
できると共に、缶詰のフルーツを使用する場合には、缶
詰のフルーツに特有の金属臭が効果的に抑制される。
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくとも低メトキシルペクチン、糖
類、有機酸、および有機酸塩からなり、必要に応じてこ
れらに果実、果汁、液糖、着色料、色素等を加えたpH
3.8〜4.3のデザート組成物に中鎖脂肪酸のトリグ
リセライドを加え、これを密封した状態で加熱処理し、
その後、これに牛乳等のカルシウムを含有する礎材を添
加することを特徴とする酸性ゲル状デザートの製造方
法。 - 【請求項2】 中鎖脂肪酸のトリグリセライドとこれを
除く他のデザート組成物原料とを、予め混合することな
く加熱処理を施す容器に充填し、これを密封状態とする
ことを特徴とする請求項1記載の酸性ゲル状デザートの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7063548A JPH08228700A (ja) | 1995-02-28 | 1995-02-28 | 酸性ゲル状デザートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7063548A JPH08228700A (ja) | 1995-02-28 | 1995-02-28 | 酸性ゲル状デザートの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08228700A true JPH08228700A (ja) | 1996-09-10 |
Family
ID=13232402
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7063548A Pending JPH08228700A (ja) | 1995-02-28 | 1995-02-28 | 酸性ゲル状デザートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08228700A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000041594A (ja) * | 1998-07-31 | 2000-02-15 | Ina Food Ind Co Ltd | 増粘用添加液 |
US6171633B1 (en) | 1998-08-14 | 2001-01-09 | Natura, Inc. | Milk-based drink |
JP2006166928A (ja) * | 2006-03-13 | 2006-06-29 | Ina Food Ind Co Ltd | 増粘用添加液 |
JP2009261252A (ja) * | 2008-04-21 | 2009-11-12 | Pokka Corp | 業務用デザートベース |
JP2012115168A (ja) * | 2010-11-29 | 2012-06-21 | House Foods Corp | 植物原料を含む食品の製造方法 |
JP2012231701A (ja) * | 2011-04-28 | 2012-11-29 | House Foods Corp | 酸性ゲル状食品調製用キット |
JP2024053220A (ja) * | 2022-10-03 | 2024-04-15 | 株式会社Nkホールディングス | ホエイ蛋白含有食品を利用したゲルデザートの製造方法 |
-
1995
- 1995-02-28 JP JP7063548A patent/JPH08228700A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2006166928A (ja) * | 2006-03-13 | 2006-06-29 | Ina Food Ind Co Ltd | 増粘用添加液 |
JP2009261252A (ja) * | 2008-04-21 | 2009-11-12 | Pokka Corp | 業務用デザートベース |
JP2012115168A (ja) * | 2010-11-29 | 2012-06-21 | House Foods Corp | 植物原料を含む食品の製造方法 |
JP2012231701A (ja) * | 2011-04-28 | 2012-11-29 | House Foods Corp | 酸性ゲル状食品調製用キット |
JP2024053220A (ja) * | 2022-10-03 | 2024-04-15 | 株式会社Nkホールディングス | ホエイ蛋白含有食品を利用したゲルデザートの製造方法 |
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