JPH08228677A - フライ用油脂組成物 - Google Patents
フライ用油脂組成物Info
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- JPH08228677A JPH08228677A JP7042099A JP4209995A JPH08228677A JP H08228677 A JPH08228677 A JP H08228677A JP 7042099 A JP7042099 A JP 7042099A JP 4209995 A JP4209995 A JP 4209995A JP H08228677 A JPH08228677 A JP H08228677A
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Abstract
が生じないか、または固化する現象が大幅に遅延され、
かつ、加熱後の過酸化物価の上昇が抑制されたフライ用
油脂組成物を提供すること。 【構成】 温度が20℃での個体脂量が3〜20%の範
囲の植物脂に、HLBが2以下であって、構成脂肪酸が
炭素数が8〜22の飽和脂肪酸20〜80%と、炭素数
が16〜22の不飽和脂肪酸80〜20%とからなるシ
ョ糖脂肪酸エステルを、特定量配合した、室温付近での
固化する現象の改良されたフライ用油脂組成物。 【効果】 上記目的が達成される。
Description
関するものである。さらに詳しくは、室温で優れた流動
性を発揮し、室温では固化(結晶化または凝固とも言
う。)現象が生じないか、または固化現象が発生しにく
く、かつ、加熱後の過酸化物価の上昇が抑制されたフラ
イ用油脂組成物に関するものである。
し、常温で固形または半固形であるパーム油、やし油な
どを植物脂と区別し、その用途にも差異がある。例え
ば、植物油は常温で液体であると言う性質を生かした用
途、植物脂は常温で固体または半固体であると言う性質
を生かした用途である。しかし、植物油の中でも、月見
草種子油、ククナッツ種子油、タバコ種子油などの特殊
な植物油は、0℃の低温でも固化しない性質を持ってい
るが、供給量が少なく、価格も高いため多量には使用さ
れていない。
ドーナツ、コロッケ、天ぷらなどをフライ用に使用した
場合は、サク感に優れて、食感があっさりしているの
で、この用途に使用される。しかしながら、パームオレ
イン油または大豆硬化油などの植物脂は、その主な用途
はフライ食品用油脂でがあるが、常温で液体であって、
供給量も少なくなく、価格も高くないため、多量に使用
されてもよいのであるが、0℃ないし室温の温度範囲で
は、流動性が乏しくなり、固化する性質があり、使用し
難いという問題がある。
は、熱安定性に優れて、25℃の室温付近では液体であ
るので、フライ用に使用されている。しかし、冬季のほ
か保存環境の温度が低下した場合には、流動性が低下し
て容器から取出しにくいなどの欠点が指摘され、従来か
ら改良が要望されていたが、未だに適切な改良策が提案
されていない。
などによるフライ作業を終了した後、残りの油を放置し
て自然冷却させる場合には、温度が低下するに従い固化
し、フライ作業を再開するには加熱に時間を要するた
め、室温付近で固化しにくいものが要望されていたが、
未だに適切な改良策が提案されていない。
化物価が上昇する(変敗が進行する)ので、これを抑制
するするためトコフェロールなどの酸化防止剤が添加さ
れていても、添加効果が十分に発揮されていない。
化するのを遅延させるには、植物脂に、例えば、(1) オ
レイン酸などの不飽和脂肪酸を多く含む低融点の植物油
を添加する方法、(2) ラウリン酸を結合脂肪酸とするシ
ョ糖ラウリン酸エステルを添加する方法、などが知られ
ている。
品用の場合は、食感などの風味のために固体脂(結晶化
した油脂)を含んでいることが必要であるが、固体脂の
含有量が高い植物脂は上記(1) または(2) の従来の方法
によって、低温での固化を遅延させることが難しいばか
りでなく、製品の食品にラウリン臭が残り、これを気に
する場合は風味を損ない、好ましくない。
解消する技術として、特開平5−209187号公報、
特開平5−394977号公報などに記載の技術が提案
されているが、未だ満足するに至っていない。
イン油または大豆硬化油などの植物脂は、室温付近で
は、流動性が乏しくなり、固化する性質があり、かつ、
加熱した後に過酸化物価が上昇するので、これらの性質
を改良すべく鋭意検討した結果、これら植物脂に特定組
成のショ糖脂肪酸エステルを特定割合で配合した組成物
とすると、上記性質を大幅に改良できることを見出し、
本発明を完成するに至ったものである。
め、請求項1の発明は、温度20℃における固体脂量が
3〜20重量%の範囲の油脂{以下(A)成分と言
う。}に、ショ糖脂肪酸エステル{以下(B)成分と言
う。}を含有させたフライ用油脂組成物において、
(B)成分の含有量が0.01〜5重量%の範囲であ
り、(B)成分を構成する脂肪酸が、炭素数が8〜22
の飽和脂肪酸{以下(b1)成分と言う。}と炭素数が
16〜22の不飽和脂肪酸{以下(b2)成分と言
う。}とが、重量比で80:20〜20:80の範囲で
混合されてなり、かつ、(B)成分のHLBが2以下で
あることを特徴とする。
係るフライ用油脂組成物は、温度20℃における固体脂
量が10重量%以下の油脂{(A)成分}と、ショ糖脂
肪酸エステル{(B)成分}とを含むことを必須とす
る。以下、各成分につき説明する。
度20℃における固体脂量が3〜20重量%の範囲の油
脂を言う。(A)成分は、フライ物の水分を脱水し、フ
ライ物の表面に浸透してサクサクした食感を発揮させる
機能を果たす。温度20℃における固体脂量が3重量%
未満では、固体脂量が少なすぎて、フライ品の食感があ
っさりしすぎ、好ましくない。また、固体脂量が20重
量%を越えると、固体脂量が多すぎて、低温にした場合
に固化しやすく、本発明の目的が達成されない。なお、
本発明において温度20℃における固体脂量は、油化
学、第33巻、第3号、33〜39頁(1984年)に
記載されているパルスNMR法により測定することがで
きる。
イン油、大豆硬化油、ナタネ硬化油、綿実硬化油、コー
ン硬化油、ゴマ硬化油、カカオ脂、月桂樹実油、ボルネ
オ脂ヤシ油などが挙げられる。中でも、パームオレイン
油、大豆硬化油が入手が容易であり好ましい。
酸エステルを構成する脂肪酸が、炭素数が8〜22の飽
和脂肪酸{(b1)成分}と炭素数が16〜22の不飽
和脂肪酸{(b2)成分}とを、特定割合で含有するも
のであり、(b1)成分と(b2)成分との合計量が
(B)成分全体の脂肪酸合計量に対して95重量%以上
を占めているショ糖脂肪酸エステルであることが好まし
い。(B)成分は、(A)成分に吸着されて、フライ用
油脂組成物を低温で長時間放置しても固化させないか、
固化するのを遅延させるように作用する。従って、
(B)成分は(A)成分に溶解する性質を有する必要が
ある。
を8〜22の範囲とするのは、一般に植物油脂の中に多
く存在し、入手が容易であるからであり、上記不飽和脂
肪酸の{(b2)成分}の炭素数を16〜22のとする
のも、一般に植物油脂の中に多く存在し、入手が容易で
あるからである。
分とは、(B)成分全体の脂肪酸合計量に対して95重
量%以上を占めているショ糖脂肪酸エステルが好まし
い。炭素数が8未満の短鎖の飽和脂肪酸、炭素数が16
未満の不飽和脂肪酸、および炭素数が22を越える長鎖
の飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸は、一般に入手が困難であ
り、これらの成分が(B)成分全体の脂肪酸合計量に対
して5重量%を越えた量を含むショ糖脂肪酸エステル
は、(A)成分に吸着されて室温付近での流動性を向上
させるという効果が著しく低下するので、好ましくな
い。
2)成分は重量比で、80:20〜20:80の範囲で
ある必要がある。これは、一方の重量比が80重量%を
越えると、その成分の性質が支配的になり、室温付近で
の流動性を向上させ、加熱後に過酸化物価の上昇を抑制
するという本発明の目的が達成されず、好ましくない。
がある。(B)成分のHLBが2を越えると、(A)成
分に対する溶解性が著しく低下するため均一な油脂組成
物が得られない。(B)成分の好ましいHLBは、0〜
1である。
肪酸)の具体例としては、ペラルゴン酸、カプリン酸、
ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン
酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、
ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、
リグノセリン酸などが挙げられる。これらは単独でも、
2種以上の混合物であってもよい。
和脂肪酸)の具体例としては、オレイン酸、リノール
酸、リノレン酸、エライジン酸、アラキドン酸、セトレ
イン酸、エルカ酸、プラシジン酸などが挙げられる。こ
れらは単独でも、2種以上の混合物であってもよい。
割合は、本発明者らの実験によれば、(B)成分の量が
少なすぎると、本発明の目的が達成されず、逆に多すぎ
ると、効果が頭打ちとなり使用量の増加に伴う効果を期
待し得ず、いずれも好ましくなく、(A)成分と(B)
成分との合計量に対して、0.01〜5重量%の範囲と
する必要があることが分かった。中でも好ましいのは、
0.05〜5重量%、とりわけ好ましいのは、0.1〜
3重量%の範囲である。
の通り、(A)成分と(B)成分とを含むことを必須と
するが、使用目的に応じて、これら成分の外に他の成分
が配合されていてもよい。配合できる他の成分は、
(A)成分に溶解する性質を有した香料、着色剤、ビタ
ミン剤、熱安定剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。こ
れら他の成分の配合量は、0.001〜10重量%の範
囲で選ぶことができる。
るには、上記(A)成分、(B)成分を所定量秤量し、
必要があれば他の成分も秤量し、これらを加熱下、攪拌
し、均一に混合すればよい。混合方法には、特に制限は
ない。フライ用油脂組成物は、ドラム缶、ガロン缶など
の容器に収納され、場合によってはさらに小わけして出
荷される。本発明に係るフライ用油脂組成物の主な用途
は、ドーナツなどの製菓フライ用、コロッケなどの惣菜
フライ用、天ぷら用などの油脂としての用途である。
ような有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は、極
めて大である。 1.本発明に係るフライ用油脂組成物は、25℃程度の
室温で固化しないか、または固化し難いので、室温での
流動性、透明性に優れ、フライ用油脂の用途に好適であ
る。 2.本発明に係るフライ用油脂組成物は、油脂をフライ
用に使用して放置し、自然冷却したあと固化しないか、
固化する迄の時間を大幅に遅延させることができるの
で、再加熱する際の加熱時間が長引かない。 3.本発明に係るフライ用油脂組成物は、酸化防止剤の
添加量を増量しなくても、過酸化物価の上昇が抑制さ
れ、油脂の変敗が低減される。
細に説明するが、本発明はその趣旨を越えない限り、以
下の記載例に限定されるものではない。なお、以下の例
において、「%」は「重量%」を意味し、油脂の物性、
ショ糖脂肪酸エステルの組成は、次に記載の方法で測
定、分析したものである。
年)に記載されているパルスNMR法により測定する方
法によった。
r) 実施例、比較例で得た混合油脂組成物を、攪拌下、65
℃に加熱して均一な混合組成物とし、引続き、温度15
℃に設定した恒温槽に移し、油脂が透明な状態から結晶
化して白色不透明になる迄の時間を目視観察した。結果
は時間(hr) で表示した。この時間が長時間であるほ
ど、耐寒性(耐凍性)が優れていることを意味する。
に設定した恒温槽に移し、1日放置した後の油脂の外観
を目視観察する方法で、結果は均一な液状で透明なもの
は「透明均一」と、全体が固化したものは「全体固化」
と、それぞれ表示した。
value) 温度180℃で5分間加熱した後の油脂につき、基準油
脂分析法2.4.12〜17に準拠して測定した。
り脂肪酸部分を抽出し、ガスクロマトグラム法により分
析し、分析チャート上の面積割合より組成とその割合を
算出する方法によった。
子団のそれぞれの基数を常法に従って測定し、次式、す
なわち、HLB=Σ{(親水性原子団の基数)+(疎水
性原子団の基数)}に基づき算出する方法によった。
温度調節器、温度計を装備した容量500ミリリットル
のフラスコに、パームオレイン油(融点25℃、20℃
での固体脂量7)を350ミリリットル秤量し、これに
表−2に示す物性値を持つショ糖脂肪酸エステルを1重
量%宛添加し、攪拌混合した。この混合物を攪拌下65
℃に加熱して、均一な油脂組成物とした。
方法で、「温度15℃放置における固化時間」、「温度
20℃1日放置後の状態」および「油脂の過酸化物価」
などの性質を測定した。測定した結果を、表−1に示
す。
ある。 (1) (A)成分の油脂に対する(B)成分のショ糖脂肪
酸エステルの量、(B)成分における(b1)成分と
(b2)成分との割合が、本発明の要件を満たすフライ
用油脂組成物は、15℃の低温において放置した場合の
固化する迄の時間が長く、固化し難く、また、高温で使
用した後に放置しても固化し難く、高温で使用しても変
敗し難い(実施例1〜実施例3参照)。 (2) これに対して、(A)成分のみのもの(比較例
1)、(A)成分の油脂に対する(B)成分のショ糖脂
肪酸エステルの量の要件を満たしても、(B)成分が
(b1)成分のみ(比較例2、比較例4)、(b1)成
分と(b2)成分を含むが、両者の割合が本発明の要件
を満たさない場合(比較例3)は、15℃の低温におい
て放置した場合の固化する迄の時間が短く、固化し易
く、また、高温で使用した後に放置した場合も固化する
までの時間が短く、高温で使用した場合には変敗し易
い。
Claims (3)
- 【請求項1】 温度20℃における固体脂量が3〜20
重量%の範囲の油脂{以下(A)成分と言う。}に、シ
ョ糖脂肪酸エステル{以下(B)成分と言う。}を含有
させたフライ用油脂組成物において、(B)成分の含有
量が0.01〜5重量%の範囲であり、(B)成分を構
成する脂肪酸が、炭素数が8〜22の飽和脂肪酸{以下
(b1)成分と言う。}と炭素数が16〜22の不飽和
脂肪酸{以下(b2)成分と言う。}とが、重量比で8
0:20〜20:80の範囲で混合された混合物であ
り、かつ、(B)成分のHLBが2以下であることを特
徴とするフライ用油脂組成物。 - 【請求項2】 (A)成分がパームオレイン油または大
豆硬化油を主成分とするものである、請求項1記載のフ
ライ用油脂組成物。 - 【請求項3】 (B)成分を構成する脂肪酸の全量に対
する(b1)成分と(b2)成分の合計量が、(B)成
分全体の脂肪酸合計量に対して95重量%以上である、
請求項1記載のフライ用油脂組成物。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP04209995A JP3569994B2 (ja) | 1995-03-01 | 1995-03-01 | フライ用油脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP04209995A JP3569994B2 (ja) | 1995-03-01 | 1995-03-01 | フライ用油脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08228677A true JPH08228677A (ja) | 1996-09-10 |
JP3569994B2 JP3569994B2 (ja) | 2004-09-29 |
Family
ID=12626551
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04209995A Expired - Lifetime JP3569994B2 (ja) | 1995-03-01 | 1995-03-01 | フライ用油脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3569994B2 (ja) |
-
1995
- 1995-03-01 JP JP04209995A patent/JP3569994B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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