JPH0822753B2 - 紫外線用石英ガラスおよびその製造方法 - Google Patents
紫外線用石英ガラスおよびその製造方法Info
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- JPH0822753B2 JPH0822753B2 JP1188090A JP18809089A JPH0822753B2 JP H0822753 B2 JPH0822753 B2 JP H0822753B2 JP 1188090 A JP1188090 A JP 1188090A JP 18809089 A JP18809089 A JP 18809089A JP H0822753 B2 JPH0822753 B2 JP H0822753B2
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- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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- C03B19/12—Other methods of shaping glass by liquid-phase reaction processes
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- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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- C03B2201/02—Pure silica glass, e.g. pure fused quartz
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- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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- C03B2201/00—Type of glass produced
- C03B2201/02—Pure silica glass, e.g. pure fused quartz
- C03B2201/03—Impurity concentration specified
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は紫外線用石英ガラス、特には紫外線透過率が
すぐれていることからICフォトマスク用、光デイスク基
板、ステッパーなどの光学レンズ素材あるいは短波長光
導電波路材として有用とされる紫外線用石英ガラス、お
よびこの石英ガラスをゾル−ゲル法で製造する方法に関
するものである。
すぐれていることからICフォトマスク用、光デイスク基
板、ステッパーなどの光学レンズ素材あるいは短波長光
導電波路材として有用とされる紫外線用石英ガラス、お
よびこの石英ガラスをゾル−ゲル法で製造する方法に関
するものである。
(従来の技術) 合成石英ガラスの製造については各種の方法が知られ
ており、これは通常、例えば四塩化けい素などのような
揮発性けい素化合物を酸水素火炎中で熱分解、加水分解
させてガラス微粒子を作り、これを担体上に直接溶融ガ
ラス化して石英ガラスとするDQ法、このガラス微粒子を
スートとして担体上に堆積して多孔質ガラス母材とし、
これを溶融焼結して石英ガラスとするスート法、さらに
はアルコキシシランを酸、アルカリ触媒の存在下で加水
分解してシリカゾルを作り、乾燥してゲル化したのち、
焼結して石英ガラスとする、ゾル−ゲル法などによって
製造されており、このような方法で作られた合成石英ガ
ラスはフォトマスク、エキシマレーザー用窓材、光学レ
ンズなどの素材として使用されている。
ており、これは通常、例えば四塩化けい素などのような
揮発性けい素化合物を酸水素火炎中で熱分解、加水分解
させてガラス微粒子を作り、これを担体上に直接溶融ガ
ラス化して石英ガラスとするDQ法、このガラス微粒子を
スートとして担体上に堆積して多孔質ガラス母材とし、
これを溶融焼結して石英ガラスとするスート法、さらに
はアルコキシシランを酸、アルカリ触媒の存在下で加水
分解してシリカゾルを作り、乾燥してゲル化したのち、
焼結して石英ガラスとする、ゾル−ゲル法などによって
製造されており、このような方法で作られた合成石英ガ
ラスはフォトマスク、エキシマレーザー用窓材、光学レ
ンズなどの素材として使用されている。
しかし、半導体産業、とりわけ半導体デバイス技術に
ついては半導体の高集積化、高密度化の進展に伴なって
その加工方法もミクロンオーダーからサブミクロン時代
に移行してきており、したがって例えばこの露光法を光
源に使用される光の波長もg線(436nm)からi線(365
nm,)へと短波長化が進み、さらには次世代の光源とし
てはエキシマレーザーも注目されていてさらに短波長化
される方向にある。したがって、フォトマスク、光学レ
ンズ用としての石英ガラスにはより紫外線透過率のすぐ
れているものが求められている。
ついては半導体の高集積化、高密度化の進展に伴なって
その加工方法もミクロンオーダーからサブミクロン時代
に移行してきており、したがって例えばこの露光法を光
源に使用される光の波長もg線(436nm)からi線(365
nm,)へと短波長化が進み、さらには次世代の光源とし
てはエキシマレーザーも注目されていてさらに短波長化
される方向にある。したがって、フォトマスク、光学レ
ンズ用としての石英ガラスにはより紫外線透過率のすぐ
れているものが求められている。
(発明が解決しようとする課題) そのため、その紫外線透過率の向上については上記し
たゾル−ゲル法で作られる石英ガラス中におけるチタン
およびチタン化合物の含有量を0.05ppm以下とする方法
(特開昭62−256738号公報参照)、またアルコキシシラ
ンの加水分解で得られるシリカゾルを均質化して熱歪分
布、屈折率分布を調整する方法(特開昭63−291824号公
報参照)などが提案されているが、この前者の方法はチ
タンだけを対象とするものであるためにナトリウム、カ
リウムなどの存在は不問とされているが、実際的にはチ
タンを0.05ppmとしてもナトリウム、カリウムが0.5ppm
存在すればサンプル厚さ2.3mmで200nmの紫外線透過率は
90%以上とすることができないし、後者については屈折
率分布に関する具体的な数値が示されておらず、200nm
の紫外線の透過率吸光係数も示されていない。
たゾル−ゲル法で作られる石英ガラス中におけるチタン
およびチタン化合物の含有量を0.05ppm以下とする方法
(特開昭62−256738号公報参照)、またアルコキシシラ
ンの加水分解で得られるシリカゾルを均質化して熱歪分
布、屈折率分布を調整する方法(特開昭63−291824号公
報参照)などが提案されているが、この前者の方法はチ
タンだけを対象とするものであるためにナトリウム、カ
リウムなどの存在は不問とされているが、実際的にはチ
タンを0.05ppmとしてもナトリウム、カリウムが0.5ppm
存在すればサンプル厚さ2.3mmで200nmの紫外線透過率は
90%以上とすることができないし、後者については屈折
率分布に関する具体的な数値が示されておらず、200nm
の紫外線の透過率吸光係数も示されていない。
(課題を解決するための手段) 本発明はこのような不利を解決することのできる紫外
線用石英ガラスおよびその製造方法に関するもので、こ
れは波長200nmにおける吸光係数が0.01cm-1以下であ
り、金属不純物の含有量(PPb)がLi<100、Na<100、
K<100、Ca<200、Mg<200、Fe<200、Al<200、Ti<5
0である紫外線用石英ガラス、およびアルコキシシラン
をアルコール、水の存在下に加水分解してシリカゾルを
作り、これを乾燥して得たゲルを焼結して石英ガラスを
製造する方法において、このアルコキシシラン、アルコ
ール、水に含有されている金属不純物量(PPb)をLi<
1,Na<2,K<2,Ca<5,Mg<2,Fe<2,Al<2,Ti<1の範囲
とすることを特徴とする紫外線用石英ガラスの製造方法
に関するものである。
線用石英ガラスおよびその製造方法に関するもので、こ
れは波長200nmにおける吸光係数が0.01cm-1以下であ
り、金属不純物の含有量(PPb)がLi<100、Na<100、
K<100、Ca<200、Mg<200、Fe<200、Al<200、Ti<5
0である紫外線用石英ガラス、およびアルコキシシラン
をアルコール、水の存在下に加水分解してシリカゾルを
作り、これを乾燥して得たゲルを焼結して石英ガラスを
製造する方法において、このアルコキシシラン、アルコ
ール、水に含有されている金属不純物量(PPb)をLi<
1,Na<2,K<2,Ca<5,Mg<2,Fe<2,Al<2,Ti<1の範囲
とすることを特徴とする紫外線用石英ガラスの製造方法
に関するものである。
すなわち、本発明者らは特に紫外線の透過率の高い石
英ガラスの製造について種々検討した結果、アルコキシ
シランの加水分解で生成したシリカゾルを乾燥してゲル
とし、これを焼結して石英ガラスとするゾル−ゲル法に
よる石英ガラスの製造方法において、アルコキシシラン
の加水分解において使用される基材を純度の高いものと
すること、例えばここに使用される始発材としてのアル
コキシシラン、このアルコキシシランの加水分解に使用
されるアルコール、水の金属不純物量(PPb)をLi<1,N
a<2,K<2,Ca<5,Mg<2,Fe<2,Al<2,Ti<1の範囲と
し、ここに使用される酸、アルカリ触媒も市販の電子工
業グレートのものとすれば、上記したゾル−ゲル法で得
られる石英ガラス中に含まれる金属不純物(PPb)がLi
<100,Na<100,K<100,Ca<200,Mg<200,Fe<200,Al<2
00,Ti<50の範囲以下のものとなることを見出すと共
に、このようにして作られた石英ガラスは200nmの紫外
線透過率が試料厚さ10mmにおいて88.8%以上となるこ
と、換言すれば吸光係数が0.01cm-1以下になることを確
認して本発明を完成させた。
英ガラスの製造について種々検討した結果、アルコキシ
シランの加水分解で生成したシリカゾルを乾燥してゲル
とし、これを焼結して石英ガラスとするゾル−ゲル法に
よる石英ガラスの製造方法において、アルコキシシラン
の加水分解において使用される基材を純度の高いものと
すること、例えばここに使用される始発材としてのアル
コキシシラン、このアルコキシシランの加水分解に使用
されるアルコール、水の金属不純物量(PPb)をLi<1,N
a<2,K<2,Ca<5,Mg<2,Fe<2,Al<2,Ti<1の範囲と
し、ここに使用される酸、アルカリ触媒も市販の電子工
業グレートのものとすれば、上記したゾル−ゲル法で得
られる石英ガラス中に含まれる金属不純物(PPb)がLi
<100,Na<100,K<100,Ca<200,Mg<200,Fe<200,Al<2
00,Ti<50の範囲以下のものとなることを見出すと共
に、このようにして作られた石英ガラスは200nmの紫外
線透過率が試料厚さ10mmにおいて88.8%以上となるこ
と、換言すれば吸光係数が0.01cm-1以下になることを確
認して本発明を完成させた。
以下にこれをさらに詳述する。
(作用) 本発明は紫外線用石英ガラスおよびその製造方法に関
するものであり、これは波長200nmにおける吸光係数が
0.01cm-1以下であり、金属不純物の含有量(PPb)がLi
<100、Na<100、K<100、Ca<200、Mg<200、Fe<20
0、Al<200、Ti<50であることを特徴とする紫外線用石
英ガラスおよびゾル−ゲル法による石英ガラスの製造に
あたり、これに使用されるアルコキシシラン、メタノー
ル、水の金属不純物量を前記した範囲内とするというも
のである。
するものであり、これは波長200nmにおける吸光係数が
0.01cm-1以下であり、金属不純物の含有量(PPb)がLi
<100、Na<100、K<100、Ca<200、Mg<200、Fe<20
0、Al<200、Ti<50であることを特徴とする紫外線用石
英ガラスおよびゾル−ゲル法による石英ガラスの製造に
あたり、これに使用されるアルコキシシラン、メタノー
ル、水の金属不純物量を前記した範囲内とするというも
のである。
このゾル−ゲル法はアルコキシシランを塩酸、硫酸の
ような酸触媒またはアンモニア水などのアルカリ触媒の
存在下にメタノール、エタノールのようなアルコールと
水の混合液に滴下して加水分解してシリカゾルを作り、
これを乾燥して乾燥ゲルとしたのち、1,000〜1,400℃程
度の温度で焼結して石英ガラスを得るというものである
が、本発明において使用されるアルコキシシラン、アル
コール、水は上記したようにその金属不純物量(PPb)
がLi<1,Na<2,K<2,Ca<5,Mg<2,Fe<2,Al<2,Ti<1
の範囲のものとする必要があるので、このアルコキシシ
ラン、アルコールは市販品をさらに蒸留精製する必要が
あり、水は超純水製造装置で作られたものとすることが
必要とされるし、ここに使用される酸触媒、アルカリ触
媒は市販の電子工業グレードのものとする必要がある。
このアルコキシシランの加水分解、乾燥、焼結の条件は
公知のゾル−ゲル法と同じでよいが、アルコキシシラン
の加水分解を行なう反応容器はポリエチレン、ポリプロ
ピレン、テフロンなどのように金属汚染のないプラスチ
ック製のもの、特にはテフロン製のものとすることが好
ましく、このシリカゾルの乾燥は時間が短いとゲル内部
にクラックの発生することがあり、長すぎるとその後の
工程に不利を与えるおそれはないものの経済的でなくな
るので、室温で2日程度、密閉状態に放置したのち、蓋
に1mmφ程度のピンホールを設けたゲル容器内で50〜70
℃で乾燥してドライゲルとすればよいが、これは0.2μ
m程度のメンブランフイルターを通過した清浄な空気が
導入されている乾燥機で乾燥してもよい。
ような酸触媒またはアンモニア水などのアルカリ触媒の
存在下にメタノール、エタノールのようなアルコールと
水の混合液に滴下して加水分解してシリカゾルを作り、
これを乾燥して乾燥ゲルとしたのち、1,000〜1,400℃程
度の温度で焼結して石英ガラスを得るというものである
が、本発明において使用されるアルコキシシラン、アル
コール、水は上記したようにその金属不純物量(PPb)
がLi<1,Na<2,K<2,Ca<5,Mg<2,Fe<2,Al<2,Ti<1
の範囲のものとする必要があるので、このアルコキシシ
ラン、アルコールは市販品をさらに蒸留精製する必要が
あり、水は超純水製造装置で作られたものとすることが
必要とされるし、ここに使用される酸触媒、アルカリ触
媒は市販の電子工業グレードのものとする必要がある。
このアルコキシシランの加水分解、乾燥、焼結の条件は
公知のゾル−ゲル法と同じでよいが、アルコキシシラン
の加水分解を行なう反応容器はポリエチレン、ポリプロ
ピレン、テフロンなどのように金属汚染のないプラスチ
ック製のもの、特にはテフロン製のものとすることが好
ましく、このシリカゾルの乾燥は時間が短いとゲル内部
にクラックの発生することがあり、長すぎるとその後の
工程に不利を与えるおそれはないものの経済的でなくな
るので、室温で2日程度、密閉状態に放置したのち、蓋
に1mmφ程度のピンホールを設けたゲル容器内で50〜70
℃で乾燥してドライゲルとすればよいが、これは0.2μ
m程度のメンブランフイルターを通過した清浄な空気が
導入されている乾燥機で乾燥してもよい。
このようにして得られたドライゲルはついで焼結して
石英ガラスとするのであるあが、これは清浄な空気また
は酸素ガスが導入されている管状炉あるいは空気炉中で
1,000〜1,400℃程度に加熱して焼結、透明ガラス化すれ
ばよい。
石英ガラスとするのであるあが、これは清浄な空気また
は酸素ガスが導入されている管状炉あるいは空気炉中で
1,000〜1,400℃程度に加熱して焼結、透明ガラス化すれ
ばよい。
なお、この方法は当然清浄な室内で行なう必要がある
が、少なくともこの加水分解工程から乾燥ゲルを得る工
程まではクラス100以下のクリーンルームで行なうこと
が望ましい。
が、少なくともこの加水分解工程から乾燥ゲルを得る工
程まではクラス100以下のクリーンルームで行なうこと
が望ましい。
このようにして製造された本発明の紫外線用石英ガラ
スは紫外線透過率が高く、波長200nmにおける吸光係数
が0.01cm-1以下であり、金属不純物の含有量(ppb)がL
i<100、Na<100、K<100、Ca<200、Mg<200、Fe<20
0、Al<200、Ti<50であるものとされる。これを説明す
ると石英ガラスの光学的性質に関する紫外線の透過率D
はランバート・ベールの法則により D=(1−R)210-kd ……(1) [ここにDは透過率、Rは反射率で垂直入射の場合は (nはガラス体と空気との屈折率の比)、kは吸光係数
(cm-1)、dは試料厚さ(cm)]で示されるが、この
(1)式は光の透過、吸収、反射の3つの現象を含んだ
ものとされており、この式における(1−R)2は入射
光の光量を1とした場合にはガラス外表面での反射損失
を考慮に含めた係数で表わされる。しかし、この透過率
は通常ガラス体の純度に依存する吸収などによる影響は
ないものとされているので、この透過率をD0と呼ぶこと
にすると D0=(1−R)2 ……(2) で示され、反射率Rは と定義とされ、nは空気の屈折率を1とした場合の合成
ガラスの屈折率とされるので、200nmの屈折率は第1図
から1.551となる。
スは紫外線透過率が高く、波長200nmにおける吸光係数
が0.01cm-1以下であり、金属不純物の含有量(ppb)がL
i<100、Na<100、K<100、Ca<200、Mg<200、Fe<20
0、Al<200、Ti<50であるものとされる。これを説明す
ると石英ガラスの光学的性質に関する紫外線の透過率D
はランバート・ベールの法則により D=(1−R)210-kd ……(1) [ここにDは透過率、Rは反射率で垂直入射の場合は (nはガラス体と空気との屈折率の比)、kは吸光係数
(cm-1)、dは試料厚さ(cm)]で示されるが、この
(1)式は光の透過、吸収、反射の3つの現象を含んだ
ものとされており、この式における(1−R)2は入射
光の光量を1とした場合にはガラス外表面での反射損失
を考慮に含めた係数で表わされる。しかし、この透過率
は通常ガラス体の純度に依存する吸収などによる影響は
ないものとされているので、この透過率をD0と呼ぶこと
にすると D0=(1−R)2 ……(2) で示され、反射率Rは と定義とされ、nは空気の屈折率を1とした場合の合成
ガラスの屈折率とされるので、200nmの屈折率は第1図
から1.551となる。
したがって、合成石英ガラスの200nmにおける透過率D
0は となるが、これはガラス体表面での反射のために90.89
%を越えることはない。
0は となるが、これはガラス体表面での反射のために90.89
%を越えることはない。
また、前記した式(1)から D/D0=10-kd ……(3) とされるし、このD/D0は純透過率Tまたは透明係数と呼
ばれているが、これは反射を考慮を入れない場合の透過
率であり、このkは一定の波長に関する定数で吸光係数
と呼ばれているもので、媒体の吸収特性を示すものであ
るとされており、このk値が小さい程合成石英ガラス中
の化学的純度は高くなると考えられている。第2図はこ
のk値と内部透過率との関係を示したものであるが、合
成石英ガラスの200nmにおける透過率Dは D=90.89 10-kd とされるので90.89%を越えることはないし、このとき
のk値は として計算され、このk値は単一合成ガラスであれば化
学的純度に対して、かつ一定波長に対して定数となり、
試料の厚さdによらず一定であるので、我々は合成石英
中の化学的純度を透過率Dではなく、この吸光係数kで
規定することとし、本発明の石英ガラスについてはこの
吸光係数kが0.01cm-1以下のものであることとした。
ばれているが、これは反射を考慮を入れない場合の透過
率であり、このkは一定の波長に関する定数で吸光係数
と呼ばれているもので、媒体の吸収特性を示すものであ
るとされており、このk値が小さい程合成石英ガラス中
の化学的純度は高くなると考えられている。第2図はこ
のk値と内部透過率との関係を示したものであるが、合
成石英ガラスの200nmにおける透過率Dは D=90.89 10-kd とされるので90.89%を越えることはないし、このとき
のk値は として計算され、このk値は単一合成ガラスであれば化
学的純度に対して、かつ一定波長に対して定数となり、
試料の厚さdによらず一定であるので、我々は合成石英
中の化学的純度を透過率Dではなく、この吸光係数kで
規定することとし、本発明の石英ガラスについてはこの
吸光係数kが0.01cm-1以下のものであることとした。
しかして、本発明者らは合成石英ガラスの200nmにお
ける吸光係数Kを0.01cm-1以下であり、金属不純物の含
有量(ppb)がLi<100、Na<100、K<100、Ca<200、M
g<200、Fe<200、Al<200、Ti<50であるものとする方
法について種々検討した結果、これについてはゾル−ゲ
ル法で使用されるアルコキシシラン、アルコールおよび
水に含有されている金属不純物量(PPb)を前記したよ
うにLi<1,Na<2,K<2,Ca<5,Mg<2,Fe<2,Al<2,Ti<
1の範囲以下、好ましくはLi<1,Na<1,K<1,Ca<1,Mg
<1,Fe<1,Al<1,Ti<0.5の範囲とすることが必要であ
り、またアルコキシシランを加水分解し、ゲル化乾燥し
て乾燥ゲルとするまでの工程はクラス100以下のクリー
ンルームで行なう必要のあることを見出し、これによれ
ばこのゾル−ゲル法で得られる石英ガラス中における金
属不純物の量(PPb)をLi<100,Na<100,K<100,Ca<20
0,Mg<200,Fe<200,Al<200,Ti<50の範囲以下、好まし
くはLi<50,Na<50,K<50,Ca<100,Mg<100,Fe<100,Al
<100,Ti<20の範囲以下とすることができるので、200n
mにおける吸光係数が0.01cm-1以下のものを容易に得る
ことができることを確認して本発明を完成させたわけで
ある。
ける吸光係数Kを0.01cm-1以下であり、金属不純物の含
有量(ppb)がLi<100、Na<100、K<100、Ca<200、M
g<200、Fe<200、Al<200、Ti<50であるものとする方
法について種々検討した結果、これについてはゾル−ゲ
ル法で使用されるアルコキシシラン、アルコールおよび
水に含有されている金属不純物量(PPb)を前記したよ
うにLi<1,Na<2,K<2,Ca<5,Mg<2,Fe<2,Al<2,Ti<
1の範囲以下、好ましくはLi<1,Na<1,K<1,Ca<1,Mg
<1,Fe<1,Al<1,Ti<0.5の範囲とすることが必要であ
り、またアルコキシシランを加水分解し、ゲル化乾燥し
て乾燥ゲルとするまでの工程はクラス100以下のクリー
ンルームで行なう必要のあることを見出し、これによれ
ばこのゾル−ゲル法で得られる石英ガラス中における金
属不純物の量(PPb)をLi<100,Na<100,K<100,Ca<20
0,Mg<200,Fe<200,Al<200,Ti<50の範囲以下、好まし
くはLi<50,Na<50,K<50,Ca<100,Mg<100,Fe<100,Al
<100,Ti<20の範囲以下とすることができるので、200n
mにおける吸光係数が0.01cm-1以下のものを容易に得る
ことができることを確認して本発明を完成させたわけで
ある。
(実施例) つぎに本発明の実施例、比較例をあげる。
実施例、比較例1〜2 後記する第1表に示したような純度をもつ精製テトラ
メトキシシラン1モル、市販の電子工業グレードの29%
アンモニア水と超純水とから調整したpH=11のアンモニ
ア水溶液4モルおよび精製メタノール4モルを混合して
加水分解させ、このようにして得た加水分解ゾルを40mm
φ×50mmφLのテフロン容器に高さ20mmになるように入
れ、密閉して70℃でゲル化させ、そのまま2日間放置し
た。
メトキシシラン1モル、市販の電子工業グレードの29%
アンモニア水と超純水とから調整したpH=11のアンモニ
ア水溶液4モルおよび精製メタノール4モルを混合して
加水分解させ、このようにして得た加水分解ゾルを40mm
φ×50mmφLのテフロン容器に高さ20mmになるように入
れ、密閉して70℃でゲル化させ、そのまま2日間放置し
た。
ついで、この蓋にピンホールを5〜6個空け、70℃で
10日間乾燥してドライゲルを作ったが、これまでの工程
はクラス100のクリーンルーム中で行なった。
10日間乾燥してドライゲルを作ったが、これまでの工程
はクラス100のクリーンルーム中で行なった。
つぎに、このドライゲルを0.2μmのメンブランフイ
ルターを通過させた空気で500℃まで徐々に加熱し、1,2
50℃まで昇温して透明石英ガラスとしたところ、この石
英ガラス中の金属不純物含有量は第2表に示したとおり
であり、この石英ガラスを研磨後、その紫外線透過率を
測定したところ10mmm厚さのものは90.5%で(1)式に
したがってその吸光係数kを算出したところ、これは0.
002cm-1であり、このものの分光光度計による透過率チ
ヤートは第3図に示したとおりのものであった。
ルターを通過させた空気で500℃まで徐々に加熱し、1,2
50℃まで昇温して透明石英ガラスとしたところ、この石
英ガラス中の金属不純物含有量は第2表に示したとおり
であり、この石英ガラスを研磨後、その紫外線透過率を
測定したところ10mmm厚さのものは90.5%で(1)式に
したがってその吸光係数kを算出したところ、これは0.
002cm-1であり、このものの分光光度計による透過率チ
ヤートは第3図に示したとおりのものであった。
しかし、比較のために上記の実施例で使用した充分に
精製されたテトラメトキシシラン、電子工業用グレード
のアンモニア水、精製メタノールをすべて市販の試薬特
級品を使用したほかは実施例と同様に処理して石英ガラ
スを製造したところ、得られた石英ガラス中の金属不純
物含有量は第2表に併記したようにかなり増加してお
り、200nmの透過率、吸光係数は低下した(比較例
1)。また、同じく比較のため上記の比較例1における
ドライゲル合成までの工程をクリーンルームでない一般
室で行ない、熱処理時に使用した空気を0.2μmのメン
ブランフイルターを通過させないものとしたほかは比較
例1と同じ方法で石英ガラスを製造したところ、得られ
た石英ガラス中の金属不純物含有量は第2表に併記した
ようにさらに増加し、200nmの透過率、吸光係数はさら
に低下した(比較例2)。
精製されたテトラメトキシシラン、電子工業用グレード
のアンモニア水、精製メタノールをすべて市販の試薬特
級品を使用したほかは実施例と同様に処理して石英ガラ
スを製造したところ、得られた石英ガラス中の金属不純
物含有量は第2表に併記したようにかなり増加してお
り、200nmの透過率、吸光係数は低下した(比較例
1)。また、同じく比較のため上記の比較例1における
ドライゲル合成までの工程をクリーンルームでない一般
室で行ない、熱処理時に使用した空気を0.2μmのメン
ブランフイルターを通過させないものとしたほかは比較
例1と同じ方法で石英ガラスを製造したところ、得られ
た石英ガラス中の金属不純物含有量は第2表に併記した
ようにさらに増加し、200nmの透過率、吸光係数はさら
に低下した(比較例2)。
(発明の効果) 本発明は紫外線用石英ガラスおよびその製造方法に関
するものであり、これは前記したように波長200nmにお
ける吸光係数が0.01cm-1以下であり、金属不純物の含有
量(ppb)がLi<100、Na<100、K<100、Ca<200、Mg
<200、Fe<200、Al<200、Ti<50である紫外線用石英
ガラス、およびゾル−ゲル法で使用されるアルコキシシ
ラン、アルコール、水を特定値以下の金属不純物量しか
含有しないものとすることによってこのような紫外線用
石英ガラスを製造する方法に関するものであり、このよ
うな方法で作られた石英ガラスは純度が高く、200nm紫
外線透過率が例えば90.5%となるので、ICフオトマスク
用、光デイスク基板、ステッパーなどの光学レンズ素材
として、さらには短波長光導電波路材用として有用とさ
れるという有利性が付与される。
するものであり、これは前記したように波長200nmにお
ける吸光係数が0.01cm-1以下であり、金属不純物の含有
量(ppb)がLi<100、Na<100、K<100、Ca<200、Mg
<200、Fe<200、Al<200、Ti<50である紫外線用石英
ガラス、およびゾル−ゲル法で使用されるアルコキシシ
ラン、アルコール、水を特定値以下の金属不純物量しか
含有しないものとすることによってこのような紫外線用
石英ガラスを製造する方法に関するものであり、このよ
うな方法で作られた石英ガラスは純度が高く、200nm紫
外線透過率が例えば90.5%となるので、ICフオトマスク
用、光デイスク基板、ステッパーなどの光学レンズ素材
として、さらには短波長光導電波路材用として有用とさ
れるという有利性が付与される。
第1図は紫外線の波長(μm)と合英ガラスの屈折率
(n)との関係グラフ、第2図は厚さ1cmの石英ガラス
における吸光係数(k)と内部透過率(D/D0)との関係
グラフを示したものであり、第3図は実施例により得ら
れた合成石英ガラスの分光光度計による透過率チヤート
を示したものである。
(n)との関係グラフ、第2図は厚さ1cmの石英ガラス
における吸光係数(k)と内部透過率(D/D0)との関係
グラフを示したものであり、第3図は実施例により得ら
れた合成石英ガラスの分光光度計による透過率チヤート
を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝田 政俊 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (56)参考文献 特開 昭62−256738(JP,A) 特開 昭54−37388(JP,A) 作花済夫ら編、「ガラスハンドブッ ク」、(昭和50年)、朝倉書店、p.836 −837
Claims (3)
- 【請求項1】波長200nmにおける吸光係数が0.01cm-1以
下であり、金属不純物の含有量(PPb)がLi<100、Na<
100、K<100、Ca<200、Mg<200、Fe<200、Al<200、
Ti<50であることを特徴とするゾル−ゲル法で合成され
た紫外線用石英ガラス。 - 【請求項2】アルコキシシランをアルコール、水の存在
下に加水分解してシリカゾルを作り、これを乾燥して得
たゲルを焼結して石英ガラスを製造する方法において、
アルコキシシラン、アルコール、水に含有されている金
属不純物量(PPb)をLi<1、Na<2、K<2、Ca<
5、Mg<2、Fe<2、Al<2、Ti<1の範囲とすること
を特徴とする紫外線用石英ガラスの製造方法。 - 【請求項3】石英ガラスの製造の際、少なくともアルコ
キシシランを加水分解してシリカゾルを作り、これを乾
燥してゲルを得る工程をクラス100以下のクリーンルー
ム内で行なう請求項2に記載の紫外線用石英ガラスの製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1188090A JPH0822753B2 (ja) | 1989-07-20 | 1989-07-20 | 紫外線用石英ガラスおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1188090A JPH0822753B2 (ja) | 1989-07-20 | 1989-07-20 | 紫外線用石英ガラスおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0354123A JPH0354123A (ja) | 1991-03-08 |
JPH0822753B2 true JPH0822753B2 (ja) | 1996-03-06 |
Family
ID=16217529
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1188090A Expired - Lifetime JPH0822753B2 (ja) | 1989-07-20 | 1989-07-20 | 紫外線用石英ガラスおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0822753B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009001592A1 (ja) | 2007-06-25 | 2008-12-31 | Ryobi Ltd. | 電動工具 |
JP4929245B2 (ja) * | 2008-07-31 | 2012-05-09 | 株式会社ベッセル工業 | 工具類のグリップ |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6126524A (ja) * | 1984-07-16 | 1986-02-05 | Seiko Epson Corp | 石英ガラスの製造方法 |
JPS62256738A (ja) * | 1986-04-26 | 1987-11-09 | Seiko Epson Corp | 石英ガラスの製造方法 |
JPS62278135A (ja) * | 1986-05-27 | 1987-12-03 | Seiko Epson Corp | ガラスの製造方法 |
-
1989
- 1989-07-20 JP JP1188090A patent/JPH0822753B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
作花済夫ら編、「ガラスハンドブック」、(昭和50年)、朝倉書店、p.836−837 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0354123A (ja) | 1991-03-08 |
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