JPH08227520A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JPH08227520A
JPH08227520A JP33126995A JP33126995A JPH08227520A JP H08227520 A JPH08227520 A JP H08227520A JP 33126995 A JP33126995 A JP 33126995A JP 33126995 A JP33126995 A JP 33126995A JP H08227520 A JPH08227520 A JP H08227520A
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JP
Japan
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layer
recording medium
magnetic recording
magnetic
metal
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Application number
JP33126995A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Uwazumi
洋之 上住
Naoki Takizawa
直樹 滝澤
Noboru Kurata
昇 倉田
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体において、凹凸形成層と非磁性
基体との膜剥がれを有効的に防止しつつ、凹凸形成層の
上下層の膜材質の選定自由度を拡大でき、簡単な層構成
で量産性に向いた磁気記録媒体を提供。 【解決手段】 磁気記録媒体10においては、ガラス基
板11とCr等の非磁性金属バッファ層12からなる基
体1の表面に、窒素を含有するAl等の非磁性金属堆積
物の凹凸形成層8が形成されている。更に、凹凸形成層
8の上には、非磁性金属下地層2、磁性層3、及び保護
層4が順次積層形成されており、そして保護層4の表面
には液体潤滑剤の潤滑層5が塗布形成されている。凹凸
形成層8は、非磁性金属が局所的に凝集して離散的に分
布した結晶質相の島状凸部81と、これら島状凸部81
の間隙に浅く敷き詰められた非晶質相の凸部間連結層8
2とから成る。結晶質相の島状凸部81は面内方向に不
連続の島状膜で、非晶質相の凸部間連結層82は連続膜
となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定磁気ディスク
装置等に用いられる磁気記録媒体及びその製造方法に関
し、磁気記録媒体の最表面に微細な凹凸を形成すること
により磁気ヘッドの低浮上化を達成して磁気記録媒体の
高記録密度化を図る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】固定磁気ディスク装置(HDD)等に用
いられる磁気記録媒体(磁気ディスク)は、一般的に図
14に示すような層構造を有している。即ち、この磁気
記録媒体は、非磁性基体1の上に、非磁性の金属下地層
2、強磁性合金であるCoCrTaなどの磁性層3、ア
モルファスカーボンなどの保護層4を順次積層して成
り、保護層4の上に、液体潤滑剤からなる潤滑層5を設
けて磁気記録媒体を形成している。非磁性基体1として
は、例えば鏡面研磨を施したガラス基板や、Si,カー
ボン基板などが用いられる。
【0003】一般に、磁気ディスク装置においては、情
報の読み取り及び書き込み方式としてCSS(コンタク
ト・スタート・ストップ)方式が採用されており、稼働
時に磁気ヘッドが磁気記録媒体表面から僅かに浮上して
情報の読み取り動作又は書き込み動作が行われる。この
CSS方式は、停止時には磁気ヘッドと磁気記録媒体が
接触するため、磁気記録媒体表面が鏡面状態であると、
磁気ヘッドと磁気記録媒体表面との摩擦係数が大きく、
磁気ヘッドが磁気記録媒体表面に吸着してしまうことが
ある。また始動時に、磁気ヘッドが磁気記録媒体表面上
を摺動する際の大きな摩擦力によって、磁性層が磨耗し
てしまうことがある。そこで、一般に磁気記録媒体にお
いては、上記非磁性基体1の表面を何らかの方法で粗面
化(凹凸化)し、それによって磁気ヘッドと磁気記録媒
体表面との摩擦係数を低減させている。
【0004】一方、近年の磁気記録媒体の高記録密度
化,大容量化に対応するため、磁気ヘッドの媒体表面か
らの浮上高さを低減する必要があり、そのためには磁気
記録媒体表面の粗さをある程度までに抑える必要があ
る。したがって、磁気記録媒体表面粗さは、磁気ヘッド
との摩擦係数と、磁気ヘッドの浮上高さの両方の要求を
満足するように、精密に制御する必要がある。
【0005】このような要請から、非磁性基体の表面に
機械的凹凸溝を付与するテクスチャー加工を施したもの
や、また様々な方法で基体表面を粗面化する手段が提案
されている。
【0006】例えば特開平3−73419号公報には、
図15に示す如くの構造の磁気記録媒体が示されてい
る。即ち、この磁気記録媒体は、ガラス基板1aと、こ
の上にAl等の低融点金属からなり面内方向に不連続で
ある島状構造の凸部6と、凸部6上及び凸部間に一面に
覆って成膜されたTi膜等の酸素トラップ層7とを有
し、この酸素トラップ層7上に、Crの金属下地層2、
磁性層3、アモルファスカーボンなどの保護層4が順次
積層されている。Al等の低融点金属の島状構造の凸部
6による凹凸が媒体表面にまで反映された状態となるた
め、CSS時の摩擦低下に寄与している。基板1aの表
面は島状構造の凸部6の物質で全面に亘り覆われること
なく、散在的ないし離散的に被覆されているため、基板
1aの表面は部分的に露出している。このため、酸素ト
ラップ層7又はこれが非形成のときはCrの金属下地層
2が直接ガラス基板1aに接触して密着するので、酸素
トラップ層7又はこれが非形成のときはCrの金属下地
層2が島状構造の凸部6を包み込んで押さえ付けた状態
となっており、島状構造の凸部6の剥離は容易に生じる
ことはない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図15
に示す島状構造の凸部6を持つ凹凸形成層にあっては、
次のような問題点があった。
【0008】即ち、凹凸形成層を構成する島状の低融点
金属の堆積物6は、完全に離散的である(面内方向に不
連続である)ため、上層の酸素トラップ層7又はこれが
非形成のときはCrの金属下地層2が島状構造の凸部6
とガラス基板1aの露出表面の双方に付着するので、そ
の付着力を確保するには凹凸形成層の上下層の材質選定
が制限されてしまう。そのため、磁気記録媒体を作製す
るために複雑な層構成とする必要があり、製造コストの
増加を招く。
【0009】図15に示す構造においては、現実には、
酸素トラップ層7の代わりに、ガラス基板1a上に基板
温度を維持する蓄熱層として又はガラス基板内の有機物
の吹上を阻止するバリアメタルとしての非磁性金属層
(非磁性金属バッファ層)を形成する必要がある。この
非磁性金属層の金属と金属下地層2の金属を同じにすれ
ば、上下層の相互付着性が最も強固で島状構造の凸部6
の膜剥がれを効果的に防止できるところであるが、凸部
6は低融点金属であるが故に、非磁性金属層自体の蓄熱
層又はバリアメタルとしての機能が充分発揮できない。
【0010】そこで、以上の問題点に鑑み、本発明の課
題は、非磁性基体の上に金属堆積物の凹凸形成層を形成
した磁気記録媒体において、凹凸形成層の構造を改善す
ることにより、その凹凸形成層と非磁性基体との膜剥が
れを有効的に防止することを前提としつつ、凹凸形成層
の上下層の膜材質の選定自由度を拡大でき、簡単な層構
成で量産性に向いた磁気記録媒体及びその製造方法を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、非磁性基体の表面側に、凹凸形成層、非
磁性金属下地層、磁性層、及び保護層を順次積層して成
る磁気記録媒体において、上記凹凸形成層が窒素又は酸
素を含有する非磁性の金属堆積物であって、上記非磁性
基体の表面上に離散的に分布した結晶質相の島状凸部
と、上記島状凸部の間隙に浅く敷き詰められた非晶質相
の凸部間連結層とを有して成ることを特徴とする。非磁
性金属堆積物は、窒素を含有したものや酸素を含有した
ものは勿論のこと、窒素及び酸素の双方を含有したもの
でも構わない。ここで、上記金属堆積物としては、A
l,Ta,Ti,Ag,Cu,Pb,Si,B,Zr,
Crからなる群より選ばれた1種の金属又は2種以上の
合金であることが好ましい。また、上記非磁性基体とし
ては、ガラス等の非磁性基板とこの上に積層された非磁
性金属バッファ層とから成ることが好ましい。特に、上
記金属堆積物の金属がAlである場合には、上記島状凸
部の最大の直径は10nmから300nmまでの範囲に
あることが好ましい。
【0012】上記のように、離散的に分布した結晶質相
の島状凸部と非晶質相の凸部間連結層とから成る窒素を
含有する金属堆積物の凹凸形成層を有する磁気記録媒体
の製造方法としては、非磁性基体を所定の温度に加熱し
た状態で、Arガスと窒素ガスとからなる混合スパッタ
リングガス雰囲気下において、凹凸形成層をスパッタ形
成するスパッタリング工程を有することを特徴とする。
ここで、窒素を含有する金属堆積物の金属がAlである
場合には、上記非磁性基体の加熱温度は150°Cから
350°Cまでの範囲にあり,且つ、上記混合スパッタ
リングガスに占める窒素ガスの分圧比は2%から35%
までの範囲にあることが望ましい。
【0013】また、離散的に分布した結晶質相の島状凸
部と非晶質相の凸部間連結層とから成る酸素を含有する
金属堆積物の凹凸形成層を有する磁気記録媒体の製造方
法としては、非磁性基体を所定の温度に加熱した状態
で、Arガスと酸素ガスとからなる混合スパッタリング
ガス雰囲気下において、凹凸形成層をスパッタ形成する
スパッタリング工程を有することを特徴とする。ここ
で、酸素を含有する金属堆積物の金属がAlである場合
には、上記非磁性基体の加熱温度は150°Cから50
0°Cまでの範囲にあり,且つ、上記混合スパッタリン
グガスに占める酸素ガスの分圧比は0.5%から35%
までの範囲にあることが望ましい。
【0014】〔作用〕このように、本発明に係る磁気記
録媒体における凹凸形成層は窒素又は酸素を含有した金
属堆積物であるが、散在的に分布した結晶質相の島状凸
部のみから構成されているのではなく、その外、島状凸
部の間隙に浅く敷き詰められた非晶質相の凸部間連結層
を有して成ることを特徴としている。浅く敷き詰められ
た非晶質相の凸部間連結層の中に結晶質相の島状凸部が
埋め込まれて離散的に分布した状態となっているので、
島状凸部の凸部間連結層から頭を出した突出部分が媒体
表面に凹凸を反映させる。非晶質相の凸部間連結層は連
続膜を形成してこれが離散的に分布した島状凸部を相互
に繋いでいるため、凹凸形成層の上下の層との密着性に
優れている。殊に、結晶質相の島状凸部とその上下層と
の密着力に比して非晶質相の凸部間連結層とその上下層
との密着力の方が強い。従って、凹凸形成層の膜剥がれ
を効果的に防止することができる。そして、全体として
連続膜の凹凸形成層によって非磁性基体の表面は完全に
被覆されているので、隔離層としての凹凸形成層の上層
と非磁性基体とが直接接触することはない。従って、凹
凸形成層の上下層の材質等の相性を選ばずに、磁気記録
媒体が構成できる。このため、非磁性基体上の非磁性金
属バッファ層には、非磁性金属下地層と同一の材料を使
用でき、生産性を向上できる。
【0015】なお、金属堆積物中に分布した結晶質相の
島状凸部により形成された凹凸は、磁気記録媒体の保護
層表面にまで反映されるので、表面粗さが小さく、磁気
ヘッドの低浮上距離化が可能となることに加えて、磁気
記録媒体と磁気ヘッドとの摩擦係数を低減することがで
き、摺動特性(耐CSS特性)の良好な磁気記録媒体を
提供することができる。従って、高記録密度化の際に用
いられる各種ヘッドに対応可能な磁気記録媒体を提供す
ることができる。
【0016】ここで、保護層の表面に形成される凹凸
は、金属堆積物の凹凸形成層の凹凸形状が反映されたも
のであるので、凹凸形成層の形状を制御することにより
保護層の表面粗さを所望の値とすることができる。即
ち、窒素を含有するAl堆積物の凹凸形成層中に離散的
に分布した結晶質相の島状凸部の最大の直径を10nm
から300nmまでの範囲となるようにした場合、保護
層表面の最大粗さRmaxを10nmから50nmまで
の範囲に制限することができ、磁気ヘッドの浮上距離を
0.6μinchから2.5μinchまでの範囲とす
ることが可能となり、且つ磁気ヘッドとのトライボロジ
ーも満足される。そして、かかる金属堆積物の構造及び
形状の制御方法としてはスパッタ成膜法を用いることが
できる。そして、窒素を含有するAl堆積物の凹凸形成
層を成膜する場合、非磁性基体の加熱温度を150°か
ら350°までの範囲とし、且つ、Arガスと窒素ガス
とからなる混合スパッタリングガスに占める窒素ガスの
分圧比を2%から35%までの範囲にすると、摩擦係数
μが0.3以下で、媒体表面の最大粗さRmaxも10
nm〜50nmとなり、摩擦特性および浮上特性が両立
し、優れた磁気記録媒体を実現できる。
【0017】また酸素を含有するAl金属堆積物の凹凸
形成層を成膜する場合、非磁性基体の加熱温度を150
°から500°までの範囲とし、且つ、Arガスと酸素
ガスとからなる混合スパッタリングガスに占める酸素ガ
スの分圧比を0.5%から35%までの範囲にすると、
同じく、摩擦係数μが0.3以下で、媒体表面の最大粗
さRmaxも10nm〜50nmとなり、摩擦特性およ
び浮上特性が両立し、優れた磁気記録媒体を実現でき
る。
【0018】
【発明の実施の形態】
【0019】
【実施例】次に、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0020】図1は、本発明の実施例に係る磁気記録媒
体の層構成を模式的に示す断面図である。本例の磁気記
録媒体(磁気ディスク)10においては、ガラス基板1
1とCr等の非磁性金属バッファ層12からなる非磁性
基体1の表面に、窒素又は酸素を含有するAl等の非磁
性金属堆積物の凹凸形成層8が形成されている。この凹
凸形成層8は非磁性金属バッファ層12の表面全体に均
一な膜厚を有して成膜されているのではなく、非磁性金
属が局所的に凝集して離散的に分布した結晶質相の島状
凸部81と、これら散在する島状凸部81の間隙に浅く
敷き詰められた非晶質相(アモルファス相)の凸部間連
結層82とを有している。結晶質相の島状凸部81は面
内方向に不連続の島状膜で、凸部間物質たる非晶質相の
凸部間連結層82は連続膜となっている。更に、この金
属堆積物の凹凸形成層8の上には、非磁性の金属下地層
2、磁性層3、及び保護層4が順次積層形成されてお
り、保護層4の表面には液体潤滑剤の潤滑層5が形成さ
れている。凹凸形成層8の表面凹凸は保護層4上に形成
された潤滑層5の表面にまで反映され、磁気記録媒体1
0の表面に微細な凹凸が形成されている。
【0021】〔実施例1〕次に、窒素を含有するAl堆
積物の凹凸形成層8を有する磁気記録媒体10の製造方
法を説明する。
【0022】まず、鏡面加工されたディスク状のガラス
基板11を精密洗浄し、ホルダーにセツトした後、イン
ライン式マグネトロンスパッタ装置の仕込み室に送り込
む。
【0023】そしてこの仕込み室を5×10-6Torr
以下の真空度まで排気し、ガラス基板11を加熱する。
続いて、ガラス基板11のセットされたホルダーを成膜
室Aに搬送し、この成膜室Aを圧力が20mTorrの
ArガスとN2 ガスとからなる混合スパッタリングガス
雰囲気とし、ガラス基板11の表面にCrと窒素からな
り、膜厚が20nmの非磁性金属バッファ層12をスパ
ッタ形成して、基体1を作製する。この非磁性金属バッ
ファ層(非磁性金属層)12は、ガラス基板11自体が
強いヒートシンク性を有するため、後の成膜プロセスに
おいて基板温度を持続させる目的で熱容量のある蓄熱層
として機能すると共に、ガラス基板内の有機物ガスの吹
上を阻止するバリアメタルとして機能する。
【0024】この後、続いて非磁性金属のAlをターゲ
ットとしたスパッタ法により、非磁性基体1即ち非磁性
金属バッファ層12上に窒素を含有するAl堆積物たる
凹凸形成層8を形成する。なお、ここで凹凸形成層8を
形成する時点での基体温度をT°C、及び(Ar+
2 )ガスに占めるN2 ガスの分圧比をPnとするが、
これらについては後に詳述する。
【0025】次に、Al堆積物の凹凸形成層8が形成さ
れた基体1をセットしたホルダーを成膜室Bに移し、基
体1の温度を320°まで加熱した後、Crからなり膜
厚が100nmの非磁性金属下地層2、続いて、Co86
Cr12Ta2 合金からなり膜厚が20nmの強磁性合金
の磁性層3及びアモルファスカーボン等からなり膜厚が
20nmの保護層4を順次スパッタ法により成膜する。
そして保護層4の表面にパーフルオロポリエール系の液
体潤滑剤を塗布して膜厚約1.5nmの潤滑層5を形成
し、磁気記録媒体10を作製する。
【0026】図2(a)乃至図5(a)には非磁性金属
バッファ層12上に凹凸形成層8を形成した段階での表
面凹凸形状を原子間力顕微鏡(AMF)を用いて観察し
た結果を模写してあり、また図2(b)乃至図5(b)
にはその断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用して観
察した結果を模写してある。なお、図2〜図5は、Al
堆積物の凹凸形成層8の形成時に用いる(Ar+N2
ガスに占めるN2 ガスの分圧比Pnを変化させて形成し
たAl堆積物の形成状態を示したものであり、図2はP
n=3%の場合,図3はPn=20%の場合をそれぞれ
示し、比較として図4はPn=0%の場合,図5(d)
はPn=50%の場合を示してある。
【0027】これらの図において、窒素を含有するAl
堆積物たる凹凸形成層8は、連続膜をなす非晶質相の凸
部間連結層82中に結晶質相の島状凸部81が離散的に
分布して全体として表面凹凸を呈している。図2,図3
及び図5から明らかなように、(Ar+N2 )ガスに占
めるN2 ガスの分圧比Pnに比例して、結晶質相の島状
凸部81の直径(粒径)が増大していく傾向にあること
が判る。一方、図4に示すように、Al堆積物が窒素を
含有しない場合は、Al堆積物は単一の非晶質相の凸部
間連結層82のみからなる微細な凹凸構造となってお
り、保護層表面では殆ど平滑面として反映されてしま
い、低摩擦係数を満足させることができない。また図5
に示すように、Al堆積物中に窒素が多量に含有されて
いる場合には、Al堆積物たる凹凸形成層8は離散的に
分布する単一の結晶質相の島状凸部81のみからなり、
その凹凸構造が大きく、図11に示す従来の凹凸形成層
と同じ構造になってしまう。図2及び図3に示す凹凸形
成層8では、適度な粒径の結晶質相の島状凸部81と、
それら間隙に浅く敷き詰められた非晶質相の凸部間連結
層82とが形成されている。非晶質相の凸部間連結層8
2は連続膜を形成してこれが離散的な島状凸部81を相
互に繋いでいる。従って、凹凸形成層8の上下の層(バ
ッファ層12,非磁性金属層2)との膜密着性に優れて
いる。凹凸形成層8のうち結晶質相よりも非晶質相の部
分が上下層との密着性に富んでいる。このため、凹凸形
成層8の膜剥がれを効果的に防止することができる。そ
して本例においては、連続膜の凹凸形成層8によってバ
ッファ層12の表面が余すところ無く覆われているの
で、隔離膜としての意義を持ち、バッファ層12と非磁
性金属層2との直接接触はない。従って、凹凸形成層8
の上下層の材質等の相性を選ばずに、磁気記録媒体が構
成できる。このため、非磁性金属バッファ層12には、
非磁性金属下地層2と同一の材料(例えばCr)を使用
でき、成膜プロセスの簡略化により生産性が向上する。
【0028】次に、上記の窒素を含有するAl堆積物の
凹凸形成層8を持つ磁気記録媒体10に関し、結晶質相
の島状凸部81の最大の結晶粒径Dの変化に伴う磁気記
録媒体の特性について調査した結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1での調査項目は、保護層4の表面の最
大粗さRmaxと、薄膜磁気ヘッド(Al2 3 −Ti
Cスライダー)を用いてCSS動作を5万回行なった後
の摩擦係数μと、薄膜磁気ヘッドの1.5μinch浮
上試験を行い、ヘッドクラッシュの発生の有無について
調査した。
【0031】表1において、μの欄の○印はμ≦0.3
を、△印は0.3<μ≦0.7を、×印は、μ>0.7
をそれぞれ示す。また浮上特性の欄の○印はヘッドが媒
体上の突起に接触しなかったことを示し、×印は、ヘッ
ドが媒体上の突起に接触したことを示す。
【0032】表1から判るように、Rmaxに代表され
る磁気記録媒体の表面最大粗さは、結晶粒径Dが大きく
なるにつれて大きくなっている。従って結晶粒径Dの小
さい場合は媒体表面が平滑であるため、磁気ヘッドの浮
上特性は良好であるものの、摩擦特性は悪い。一方、結
晶粒径Dが大きい場合には、媒体表面が粗いため、摩擦
特性は良好だが、浮上特性は悪くなる。したがって、表
1から摩擦特性および浮上特性が両立する磁気記録媒体
を実現するには、表面最大粗さRmaxを10nmから
50nmの範囲とする必要があり,凹凸形成層8中の結
晶質相の島状凸部の最大の直径Dを10nmから300
nmの範囲にすることで達成できることが判る。
【0033】図6に凹凸形成層8の形成時に用いられる
(Ar+N2 )ガスに占めるN2 ガスの分圧比Pnの変
化に伴う磁気記録媒体の表面最大粗さRmaxおよびC
SS動作を5万回行った後の摩擦係数μの変移を示して
ある。
【0034】この図6から判るように、N2 ガスの分圧
比Pnが2〜35%の範囲内で凹凸形成層8が形成され
た場合には,摩擦係数μが0.3以下と良好な値を示
し、且つ媒体表面の最大粗さRmaxも10nm〜50
nmであり、表1から明らかなように、摩擦特性および
浮上特性が両立した優れた磁気記録媒体を実現できる。
【0035】一方、N2 ガスの分圧比が2%以下の場合
は、図4に示すように、凹凸形成層8は殆ど微細な非晶
質相の凸部間連結層82のみから成り、摩擦係数が大き
過ぎ、35%を超える場合には、図5に示すように、凹
凸形成層8は離散的に分布する単一の結晶質相の大きな
島状凸部81のみからなり、この場合にはCSS試験を
行った際に凹凸形成層8の上下の層間で膜剥がれが生
じ、ヘッドクラッシュを引き起こした。
【0036】図7に凹凸形成層8を形成する際の非磁性
基体1の温度Tの変化に伴う磁気記録媒体の最大粗さR
maxおよびCSS動作を5万回行った後の摩擦係数μ
の変移を示してある。
【0037】この図7から明らかなように、非磁性基体
1の温度Tが約150〜350°Cの範囲内で凹凸形成
層8が形成された場合には、摩擦係数μが0.3以下と
良好な値を示し、且つ媒体表面の最大粗さRmaxも1
0nm〜50nmであり、表1から明らかなように、摩
擦特性および浮上特性が両立し、優れた磁気記録媒体を
実現できることが判った。
【0038】〔実施例2〕以下に、酸素を含有するAl
堆積物の凹凸形成層8を有する磁気記録媒体10の製造
方法を説明する。
【0039】本例も実施例1と同様に、鏡面加工された
ディスク状のガラス基板11を精密洗浄し、ホルダーに
セツトした後、インライン式マグネトロンスパッタ装置
の仕込み室に送り込む。そしてこの仕込み室を5×10
-6Torr以下の真空度まで排気し、ガラス基板11を
加熱する。続いて、ガラス基板11のセットされたホル
ダーを成膜室Aに搬送し、この成膜室Aを圧力が10m
TorrのArとO2ガスとからなる混合スパッタリン
グガス雰囲気とし、ガラス基板11の表面にCrと酸素
からなり、膜厚が20nmの非磁性金属バッファ層12
をスパッタ形成して、基体1を作製する。この非磁性金
属バッファ層(非磁性金属層)12は、ガラス基板11
自体が強いヒートシンク性を有するため、後の成膜プロ
セスにおいて基板温度を持続させる目的で熱容量のある
蓄熱層として機能すると共に、ガラス基板内の有機物ガ
スの吹上を阻止するバリアメタルとして機能する。
【0040】この後、非磁性金属のAlをターゲットと
したスパッタ法により、非磁性基体1即ち非磁性金属バ
ッファ層12上に酸素を含有するAl金属堆積物たる凹
凸形成層8を形成する。なお、本例でも基体温度をT°
C、及び(Ar+O2 )ガスに占めるO2 ガスの分圧比
をPnとする。
【0041】次に、Al堆積物の凹凸形成層8が形成さ
れた基体1をセットしたホルダーを成膜室Bに移し、基
体1の温度を320°まで加熱した後、Crからなり膜
厚が100nmの非磁性金属下地層2、続いて、Co86
Cr12Ta2 合金からなり膜厚が20nmの強磁性合金
の磁性層3及びアモルファスカーボン等からなり膜厚が
20nmの保護層4を順次スパッタ法により成膜する。
そして保護層4の表面にパーフルオロポリエール系の液
体潤滑剤を塗布して膜厚約1.5nmの潤滑層5を形成
し、磁気記録媒体10を作製する。
【0042】図8(a)乃至図11(a)に本例におけ
る凹凸形成層8を形成した段階での表面凹凸形状を原子
間力顕微鏡(AMF)を用いて観察した結果を模写して
あり、また図8(b)乃至図11(b)にはその断面を
透過型電子顕微鏡(TEM)を用して観察した結果を模
写してある。なお、図8はO2 ガス分圧比Pn=3%の
場合,図9はPn=20%の場合をそれぞれ示し、比較
として図10はPn=0%の場合,図11(d)はPn
=50%の場合を示してある。
【0043】これらの図において、実施例1と同様に、
酸素を含有するAl堆積物たる凹凸形成層8は、連続膜
をなす非晶質相の凸部間連結層82中に結晶質相の島状
凸部81が離散的に分布して全体として表面凹凸を呈し
ている。図8,図9及び図11から明らかなように、
(Ar+O2 )ガスに占めるO2 ガスの分圧比Pnに比
例して、結晶質相の島状凸部81の直径(粒径)が増大
していく傾向にあることが判る。一方、図10に示すよ
うに、Al堆積物が酸素を含有しない場合は、Al堆積
物は単一の非晶質相の凸部間連結層82のみからなる微
細な凹凸構造となっており、また図11に示すように、
Al堆積物中に酸素が多量に含有されている場合には、
Al堆積物たる凹凸形成層8は離散的に分布する単一の
結晶質相の島状凸部81のみからなり、その凹凸構造が
大きく、図15に示す従来の凹凸形成層と同じ構造にな
ってしまう。図8及び図9に示す凹凸形成層8では、適
度な粒径の結晶質相の島状凸部81と、それら間隙に浅
く敷き詰められた非晶質相の凸部間連結層82とが形成
されている。非晶質相の凸部間連結層82は連続膜を形
成してこれが離散的な島状凸部81を相互に繋いでい
る。従って、凹凸形成層8の上下の層(バッファ層1
2,非磁性金属層2)との膜密着性に優れている。
【0044】凹凸形成層8のうち結晶質相よりも非晶質
相の部分が上下層との密着性に富んでいる。このため、
凹凸形成層8の膜剥がれを効果的に防止することができ
る。そして本例においては、連続膜の凹凸形成層8によ
ってバッファ層12の表面が余すところ無く覆われてい
るので、隔離膜としての意義を持ち、バッファ層12と
非磁性金属層2との直接接触はない。従って、凹凸形成
層8の上下層の材質等の相性を選ばずに、磁気記録媒体
が構成できる。このため、非磁性金属バッファ層12に
は、非磁性金属下地層2と同一の材料(例えばCr)を
使用でき、成膜プロセスの簡略化により生産性が向上す
る。
【0045】次に、上記の酸素を含有するAl堆積物の
凹凸形成層8を持つ磁気記録媒体10に関し、結晶質相
の島状凸部81の最大の結晶粒径Dの変化に伴う磁気記
録媒体の特性について調査した結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】なお、表2での調査項目は、表1と同様で
ある。
【0048】表2から判るように、Rmaxに代表され
る磁気記録媒体の表面最大粗さは、結晶粒径Dが大きく
なるにつれて大きくなっている。従って結晶粒径Dの小
さい場合は媒体表面が平滑であるため、磁気ヘッドの浮
上特性は良好であるものの、摩擦特性は悪い。一方、結
晶粒径Dが大きい場合には、媒体表面が粗いため、摩擦
特性は良好だが、浮上特性は悪くなる。したがって、表
2から摩擦特性および浮上特性が両立する磁気記録媒体
を実現するには、表面最大粗さRmaxを実質的に10
nmから48(50)nmの範囲とする必要があり,凹
凸形成層8中の結晶質相の島状凸部の最大の直径Dを1
0nmから300nmの範囲にすることで達成できるこ
とが判る。
【0049】図12に凹凸形成層8の形成時に用いられ
る(Ar+O2 )ガスに占めるO2ガスの分圧比Pnの
変化に伴う磁気記録媒体の表面最大粗さRmaxおよび
CSS動作を5万回行った後の摩擦係数μの変移を示し
てある。
【0050】この図12から判るように、O2 ガスの分
圧比Pnが約0.5〜35%の範囲内で凹凸形成層8が
形成された場合には,摩擦係数μが0.3以下と良好な
値を示し、且つ媒体表面の最大粗さRmaxも約10n
m〜50nmであり、表2から明らかなように、摩擦特
性および浮上特性が両立した優れた磁気記録媒体を実現
できる。一方、O2 ガスの分圧比が0.5%以下の場合
は、図10に示すように、凹凸形成層8は殆ど微細な非
晶質相の凸部間連結層82のみから成り、摩擦係数が大
き過ぎ、35%を超える場合には、図11に示すよう
に、凹凸形成層8は離散的に分布する単一の結晶質相の
大きな島状凸部81のみからなり、この場合にはCSS
試験を行った際に凹凸形成層8の上下の層間で膜剥がれ
が生じ、ヘッドクラッシュを引き起こした。なお、実施
例1の場合に比べ、O2 ガスの分圧比Pnが0.5以上
2%以下でも遜色のない磁気記録媒体が得られる。
【0051】図13に凹凸形成層8を形成する際の非磁
性基体1の温度Tの変化に伴う磁気記録媒体の最大粗さ
RmaxおよびCSS動作を5万回行った後の摩擦係数
μの変移を示してある。
【0052】この図13から明らかなように、非磁性基
体1の温度Tが約150〜500°Cの範囲内で凹凸形
成層8が形成された場合には、摩擦係数μが0.3以下
と良好な値を示し、且つ媒体表面の最大粗さRmaxも
約10nm〜50nmであり、表2から明らかなよう
に、摩擦特性および浮上特性が両立し、優れた磁気記録
媒体を実現できることが判った。図13では基体温度が
約130°C程度でも構わないことが判る。本例は実施
例1の場合に比べ、適正温度範囲が広く、温度制御が容
易となっている。
【0053】なお、上記各実施例では、金属堆積物の凹
凸形成層8を構成する非磁性金属としてAlを用いてあ
るが、低融点金属に限らず、Alも含めて、Ta,T
i,Ag,Cu,Pb,Si,B,Zr,Crからなる
群より選ばれた1種の金属又は2種以上の合金であって
も良い。また非磁性基体の支持体としてガラス基板を用
いてあるが、この他のセラミックやTi,C,Siおよ
びNi−Pメッキを施したAl基板等でも良い。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る磁気
記録媒体においては、凹凸形成層は窒素又は酸素を含有
する金属堆積物であるが、結晶質相の島状凸部のみから
構成されているのではなく、島状凸部の間隙に浅く敷き
詰められた非晶質相の凸部間連結層を有して成ることを
特徴としており、従って、次の効果を奏する。
【0055】 非晶質相の凸部間連結層は連続膜を形
成してこれが離散的に分布した島状凸部を相互に繋いで
いるため、この上下の層との密着性に優れている。殊
に、結晶質相の島状凸部とその上下層との密着力に比し
て非晶質相とその上下層との密着力の方が強い。従っ
て、凹凸形成層の膜剥がれを効果的に防止することがで
きる。そして、全体として連続膜の凹凸形成層によって
非磁性基体の表面は完全に被覆されているので、隔離膜
としての意義を持ち、凹凸形成層の上層と非磁性基体と
が直接接触することはない。従って、凹凸形成層の上下
層の材質等の相性を選ばずに、磁気記録媒体が構成でき
る。このため、非磁性基体上の非磁性金属バッファ層に
は、非磁性金属下地層と同一の材料を使用でき、製造プ
ロセスの簡易化により生産性を向上できる。
【0056】 金属堆積物がAlの場合、結晶質相の
島状凸部の最大の直径を10nmから300nmまでの
範囲となるようにしたときは、保護層表面の最大粗さR
maxを実質的に10nmから50nmまでの範囲に制
限することができ、摩擦特性および浮上特性が両立し、
優れた磁気記録媒体を実現できる。
【0057】 窒素を含有するAl堆積物の凹凸形成
層をスパッタ成膜で形成する場合、非磁性基体の加熱温
度を150°から350°までの範囲とし、且つ、Ar
ガスと窒素ガスとからなる混合スパッタリングガスに占
める窒素ガスの分圧比を2%から35%までの範囲にす
ると、摩擦係数μが0.3以下で、媒体表面の最大粗さ
Rmaxも実質的に10nm〜50nmであり、摩擦特
性および浮上特性が両立し、優れた磁気記録媒体を実現
できる。
【0058】 酸素を含有するAl堆積物の凹凸形成
層をスパッタ成膜で形成する場合、非磁性基体の加熱温
度を150°から500°までの範囲とし、且つ、Ar
ガスと酸素ガスとからなる混合スパッタリングガスに占
める酸素ガスの分圧比を0.5%から35%までの範囲
にすると、摩擦係数μが0.3以下で、媒体表面の最大
粗さRmaxも実質的に10nm〜50nmであり、摩
擦特性および浮上特性が両立し、優れた磁気記録媒体を
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る磁気記録媒体の構成を模
式的に示す断面図である。
【図2】(a)は実施例1において凹凸形成層をN2
スの分圧比Pn=3%で形成した段階での表面凹凸形状
を原子間力顕微鏡(AMF)を用いて観察した結果を示
す模写図、(b)はその断面を透過型電子顕微鏡(TE
M)を用して観察した結果を示す模写図である。
【図3】(a)は実施例1において凹凸形成層をN2
スの分圧比Pn=20%で形成した段階での表面凹凸形
状を原子間力顕微鏡(AMF)を用いて観察した結果を
示す模写図、(b)はその断面を透過型電子顕微鏡(T
EM)を用して観察した結果を示す模写図である。
【図4】(a)は実施例1において凹凸形成層をN2
スの分圧比Pn=0%で形成した段階での表面凹凸形状
を原子間力顕微鏡(AMF)を用いて観察した結果を示
す模写図、(b)はその断面を透過型電子顕微鏡(TE
M)を用して観察した結果を示す模写図である。
【図5】(a)は実施例1において凹凸形成層をN2
スの分圧比Pn=50%で形成した段階での表面凹凸形
状を原子間力顕微鏡(AMF)を用いて観察した結果を
示す模写図、(b)はその断面を透過型電子顕微鏡(T
EM)を用して観察した結果を示す模写図である。
【図6】実施例1において凹凸形成層の形成時に用いら
れる(Ar+N2 )ガスに占めるN2 ガスの分圧比Pn
の変化に伴う磁気記録媒体の最大粗さRmaxおよびC
SS動作を5万回行った後の摩擦係数μの変移を示すグ
ラフである。
【図7】実施例1において凹凸形成層を形成する際のガ
ラス基体の温度Tの変化に伴う磁気記録媒体の最大粗さ
RmaxおよびCSS動作を5万回行った後の摩擦係数
μの変移を示すグラフである。
【図8】(a)は実施例2において凹凸形成層をO2
スの分圧比Pn=3%で形成した段階での表面凹凸形状
を原子間力顕微鏡(AMF)を用いて観察した結果を示
す模写図、(b)はその断面を透過型電子顕微鏡(TE
M)を用して観察した結果を示す模写図である。
【図9】(a)は実施例2において凹凸形成層をO2
スの分圧比Pn=20%で形成した段階での表面凹凸形
状を原子間力顕微鏡(AMF)を用いて観察した結果を
示す模写図、(b)はその断面を透過型電子顕微鏡(T
EM)を用して観察した結果を示す模写図である。
【図10】(a)は実施例2において凹凸形成層をO2
ガスの分圧比Pn=0%で形成した段階での表面凹凸形
状を原子間力顕微鏡(AMF)を用いて観察した結果を
示す模写図、(b)はその断面を透過型電子顕微鏡(T
EM)を用して観察した結果を示す模写図である。
【図11】(a)は実施例2において凹凸形成層をO2
ガスの分圧比Pn=50%で形成した段階での表面凹凸
形状を原子間力顕微鏡(AMF)を用いて観察した結果
を示す模写図、(b)はその断面を透過型電子顕微鏡
(TEM)を用して観察した結果を示す模写図である。
【図12】実施例2において凹凸形成層の形成時に用い
られる(Ar+O2 )ガスに占めるO2 ガスの分圧比P
nの変化に伴う磁気記録媒体の最大粗さRmaxおよび
CSS動作を5万回行った後の摩擦係数μの変移を示す
グラフである。
【図13】実施例2において凹凸形成層を形成する際の
ガラス基体の温度Tの変化に伴う磁気記録媒体の最大粗
さRmaxおよびCSS動作を5万回行った後の摩擦係
数μの変移を示すグラフである。
【図14】従来の磁気記録媒体の層構造を模式的に示す
断面図である。
【図15】特開平3−73419号公報に開示の磁気記
録媒体の層構造を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1…非磁性基体 1a…ガラス基板 2…非磁性金属下地層 3…磁性層 4…保護層 5…潤滑層 6…非磁性金属層 7…酸素トラップ層 8…非磁性の金属堆積物の凹凸形成層 81…結晶質相の島状凸部 82…非晶質相の凸部間連結層。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基体の表面側に、凹凸形成層、非
    磁性金属下地層、磁性層、及び保護層を順次積層して成
    る磁気記録媒体において、 前記凹凸形成層は、窒素又は酸素を含有する非磁性の金
    属堆積物であって、前記非磁性基体の表面上に離散的に
    分布した結晶質相の島状凸部と、前記島状凸部の間隙に
    浅く敷き詰められた非晶質相の凸部間連結層とを有して
    成ることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気記録媒体におい
    て、前記金属堆積物は、Al,Ta,Ti,Ag,C
    u,Pb,Si,B,Zr,Crから成る群より選ばれ
    た1種の金属又は2種以上の合金であることを特徴とす
    る磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の磁気記録
    媒体において、前記非磁性基体は非磁性基板とこの上に
    積層された非磁性金属バッファ層とから成ることを特徴
    とする磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3に記載の磁気記録
    媒体において、前記金属堆積物の金属はAlであって、
    前記島状凸部の最大の直径が10nmから300nmま
    での範囲にあることを特徴とする磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に
    規定する磁気記録媒体の製造方法であって、前記非磁性
    基体を所定の温度に加熱した状態で、Arガスと窒素ガ
    スとからなる混合スパッタリングガス雰囲気下におい
    て、前記凹凸形成層をスパッタ形成するスパッタリング
    工程を有することを特徴とする磁気記録媒体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の磁気記録媒体の製造方
    法において、前記金属堆積物の金属はAlであって、前
    記非磁性基体の加熱温度が150°Cから350°Cま
    での範囲にあり、且つ、前記混合スパッタリングガスに
    占める前記窒素ガスの分圧比が2%から35%までの範
    囲にあることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に
    規定する磁気記録媒体の製造方法であって、前記非磁性
    基体を所定の温度に加熱した状態で、Arガスと酸素ガ
    スとからなる混合スパッタリングガス雰囲気下におい
    て、前記凹凸形成層をスパッタ形成するスパッタリング
    工程を有することを特徴とする磁気記録媒体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の磁気記録媒体の製造方
    法において、前記金属堆積物の金属はAlであって、前
    記非磁性基体の加熱温度が150°Cから500°Cま
    での範囲にあり、且つ、前記混合スパッタリングガスに
    占める前記酸素ガスの分圧比が0.5%から35%まで
    の範囲にあることを特徴とする磁気記録媒体の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999066350A1 (fr) * 1998-06-18 1999-12-23 Hamamatsu Photonics K.K. Panneau de scintillateur et capteur d'image radiologique
CN100380453C (zh) * 2004-03-25 2008-04-09 Tdk股份有限公司 信息记录媒体

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