JP2811167B2 - 磁気ディスク用基板 - Google Patents

磁気ディスク用基板

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JP2811167B2
JP2811167B2 JP8082023A JP8202396A JP2811167B2 JP 2811167 B2 JP2811167 B2 JP 2811167B2 JP 8082023 A JP8082023 A JP 8082023A JP 8202396 A JP8202396 A JP 8202396A JP 2811167 B2 JP2811167 B2 JP 2811167B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス板などから
なる非磁性支持体を用いた磁気ディスク用基板に関し、
特に、磁気特性が良好で生産性の高い磁気ディスクを作
製することができる磁気ディスク用基板に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ガラス板は、その表面の平滑性
に優れ、硬く、変形抵抗が大きくかつ表面欠陥が少ない
などの理由から、高密度磁気ディスク用基板として注目
されている(例えば、特開昭49−122707号およ
び特開昭52−18002号)。
【0003】また、ガラス板を磁気ディスク用基板とし
て用いるに際し、物理的方法および/または化学的方法
でその表面をエッチングして凹凸を形成することによ
り、磁気ディスクと磁気ヘッドとの接触特性(CSS特
性、ヘッドスティック性)を向上させる方法が知られて
いる(例えば、特開昭63−160010号)。
【0004】また、有機金属化合物の溶液の微小な液滴
を噴霧する方法を用いてガラス板の表面に凹凸を形成す
ることにより、上記接触特性を改善する方法も知られて
いる(例えば、特開昭63−160014号)。
【0005】さらに、ガラス板上にAlからなる凹凸形
成層を形成することにより、上記接触特性を改善する方
法も知られている(特開昭62−256215号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
いくつかの方法のうちのいずれかによりその表面に凹凸
を形成したガラス板を磁気ディスク用基板として用いて
磁気ディスクを作製すると、上記接触特性の改善はみら
れるものの、期待される程の磁気特性が得られないとい
う問題があった。
【0007】また、上述のようにガラス板の表面をエッ
チングする方法では、表面に凹凸を形成するのが煩雑で
あり、また、ガラス板の強度を低下させたりその表面の
平滑性を阻害したりする問題があった。
【0008】さらに、上述のように有機金属化合物を用
いる方法では、エッチングを行なわないためにガラス板
の強度の低下や平滑性の低下が生じない利点を有するも
のの、磁気ディスクの磁気特性を低下させるガスが有機
金属化合物から発生し易いためにガラス板上に作製した
磁性層に性能低下部分が生じやすくて、磁気特性の低い
ものしか得られないという問題があった。
【0009】なお、上述のようなAlによるガラス板の
表面の凹凸は、被着金属(本文において、「金属」と
は、金属単体と合金の両方を含んでいる)であるAl原
子間の凝集エネルギーが高温状態にあるガラス板の表面
で大きいために生じるものである。そこで、ガラス板の
ような磁気ディスク用基板とAlのような被着金属との
付着力に注目すると、凹凸を形成し得る被着金属は、基
板−被着金属間の相互作用に比べて被着金属原子間の凝
集エネルギーが大きいために、基板との付着力が一般的
に強くない。したがって、Alをガラス板上に単純に被
着しただけでは、CSS試験の際に生じる強い摩擦力に
よって、Al/ガラス界面での膜の剥離が生じる。この
ことは、一般に問題とされるCSS試験時のヘッドと磁
気ディスクとの摩擦による摩擦係数を論ずる以前の問題
であって、磁気ディスクの信頼性という点で大きな問題
であった。
【0010】本発明の目的は、上述のような問題点を解
消することであって、磁気特性が良好で生産性の高い磁
気ディスクを作製することができる磁気ディスク用基板
を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、その表面上に
凹凸を形成するための凹凸形成用物質が被着された非磁
性支持体からなる磁気ディスク用基板において、前記凹
凸形成用物質は、Ag、Al、CuおよびAuからなる
群より選ばれた1種の金属単体であるか、または、2種
以上の金属単体からなる合金であり、前記凹凸形成用物
質により前記非磁性支持体の前記表面上にこの表面の面
方向において不連続である多数の島状構造が形成され、
前記非磁性支持体の前記表面上に被着された前記凹凸形
成用物質の平均粗さは2〜8nmであり、前記多数の島
状構造のそれぞれの高さは5〜150nmであり、前記
凹凸形成用物質により前記非磁性支持体の前記表面上に
形成された前記凹凸のピッチは0.05〜1μmであ
り、前記非磁性支持体の前記表面上で前記凹凸形成用物
質の上側または下側に酸素トラップ層が設けられている
ことを特徴としている。
【0012】本発明において用いられる非磁性支持体と
しては、例えば、ガラス板、セラミックス板、アルミニ
ウム板、チタニウム金属板が挙げられる。これらの中で
も、表面の平坦性の点からガラス板が好ましく、また、
ガラス板の中でも、フロート法で製造されたソーダライ
ム組成のガラス板は、最も安価に入手できるので特に好
ましい。
【0013】本発明において、非磁性支持体の表面上に
凹凸形成用物質により凹凸を形成する方法としては、ス
パッタリング式真空蒸着法などのような物理的蒸着法を
用いることができる。上述のようなAg、Al、Cuま
たはAuもしくはこれらの2種以上からなる合金は、真
空スパッタリング式真空蒸着法などのような物理的蒸着
法を用い、この際、非磁性支持体の温度を比較的高くし
て被着金属を非磁性支持体上で凝集し得るようにしなが
ら蒸着させると、その初期段階において、非磁性支持体
の表面を不規則的な凹凸を有する多数の島状構造で被覆
することができる。この場合、非磁性支持体の温度およ
び蒸着量を調整することにより、上記凹凸の形状を調整
することができ、通常は、多数の島状構造を有する凹凸
形状は非磁性支持体を100〜400℃の温度に加熱し
て形成することができる。そして、この非磁性支持体の
温度を高くすると、凹凸の高さが大きくなり、また、蒸
着量を増加させると、凹凸のピッチが減少する。
【0014】非磁性支持体の表面上の多数の島状構造が
形成された領域(すなわち、多数の島状構造とそれらの
間の網目状の不連続な部分との両方を含む領域)を凹凸
形成用物質により被覆する被覆率は、特にその値が制限
されるものではないが、10〜85%であるのが好まし
く、85%よりも大きいと、非磁性支持体側とこの非磁
性支持体上に形成される磁性層側との密着性が低下し、
また、10%よりも小さいと、凹凸形成用物質の平均粗
さが小さくなりすぎて所望の凹凸形状が得られにくくな
る。また、非磁性支持体の表面上に多数の島状構造を形
成している凹凸形成用物質の平均粗さは、2〜8nmで
ある必要があり、2〜6nmであるのが好ましく、8n
mよりも大きいと、ビットシフト量を小さく抑えること
ができず、また、2nmよりも小さいと、非磁性支持体
上に形成される磁性層側と磁気ヘッド側との間の機械的
な吸着現象が生じ易くなる。また、多数の島状構造にお
ける島の高さ(凸部の高さ)は、5〜150nmである
必要がある。また、多数の島状構造による凹凸形状(す
なわち、非磁性支持体上における凹凸形成用物質)の最
大粗さは、上記島の高さに相当するから150nm以下
である必要があるが、ヘッドの走行をスムーズにするた
めに、また、非磁性支持体の表面上に磁性層よりもさら
に上方の最上層として形成されることになる保護膜に好
ましい凹凸を与えるために、10〜50nmであるのが
好ましい。さらに、凹凸のピッチは、0.05〜1μm
である必要があるが、非磁性支持体の表面上の凹凸を上
記最上層に確実に与えるために、また、ヘッドの走行を
スムーズにするために、0.1〜0.5μmであるのが
好ましい。
【0015】本発明による磁気ディスク用基板を用いて
磁気ディスクを作製することができるが、このような磁
気ディスクは、上記非磁性支持体とこの非磁性支持体の
凹凸形成面上に形成された保護層との間に磁性層とこの
磁性層の結晶性を向上させるためにこの磁性層の下側に
形成された下地層とがそれぞれ設けられる。そして、本
発明においては、上記非磁性支持体と上記下地層との間
に酸素トラップ層が設けられる。
【0016】上記下地層は、磁性層としてCoNi系の
材料を用いる場合には、通常は、CrまたはCrを主成
分とする合金からなっていればよい。また、上記下地層
は磁気特性を飛躍的に向上させるが、この下地膜の下側
に上記酸素トラップ層を設けると、磁気特性はさらに向
上する。このような酸素トラップ層としては、Ti、Z
r、V、Nb、TaおよびYからなる群より選ばれた1
種の金属単体や2種以上の金属単体からなる合金を例示
することができる。そして、これらの中でも、Tiは非
磁性支持体との密着力が良好でかつ酸素を良くトラップ
するので、特に好ましい。このような酸素トラップ層
は、非磁性支持体からの酸素の上昇を防止して下地層の
結晶性を向上させることによって、磁気特性を向上させ
る。なお、上記酸素トラップ層は、多数の島状構造を形
成する凹凸形成用物質の上下いずれに設けられていて
も、ほゞ同様の効果が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施例1 良く洗浄されたソーダライムガラス基板(円盤状に加工
され化学強化された物)を真空中で200℃に加熱し、
Arガスを用いたDCマグネトロンスパッタ法によりこ
の基板上にAgを成膜した。成膜条件は、通常100〜
200nm厚のAg膜を成膜する条件から換算して約2
5nm厚のAg膜が成膜される条件で行なった。
【0018】このようにして作製された凹凸形成用Ag
膜を電子顕微鏡を用いて観察すると、このAg膜は、図
1に示すように、高さ約25nm、横方向の巾約100
nm程度の大きさの多数の山脈状凸部が不規則に分離し
た多数の島状構造となっていた。また、このときのAg
膜の被覆率は84%あった。
【0019】上記方法で凹凸形成用Ag膜2が形成され
た磁気ディスク用基板1上に、図2に示すように、同じ
くArガスを用いたDCマグネトロンスパッタ法により
酸素トラップ金属層としてのTi膜3を約40nm厚で
被覆し、この基板1を200℃まで加熱した後に、下地
層としてのCr膜4、磁性層としてのCo0.70Nio.30
膜5およびカーボンからなる保護膜6をそれぞれ150
nm厚、60nm厚および30nm厚で順次被覆した。
【0020】このとき、Ti膜3の被覆から保護膜6の
被覆までは、インライン型のスパッタリング装置によ
り、真空状態を破ることなく連続的に行なった。
【0021】このようにして作製された磁気ディスクの
保磁力を測定したところ、1,500〔Oe〕程度の値
であった。また、この磁気ディスク上に潤滑剤を塗布し
た後にCSS試験(コンタクト・スタート・ストップ試
験)を実施したところ、3万回CSSを行なっても摩擦
係数は0.2以下であった。
【0022】上記実施例1においては、Cr下地膜4の
下側に酸素トラップ金属層としてTi膜3を設けている
が、このTi膜3は、基板1側からのガスの発生を防止
してCr下地膜4の結晶性を向上させることにより、磁
気特性を良好にする効果を有する。事実、Ti膜3を設
けなかった以外はこの実施例1と同様の操作で作製した
別の磁気ディスクの保磁力は1,300〔Oe〕と低
く、また、この別の磁気ディスクについてX線回折法に
より求めたCr下地膜4の110面の回折強度の半値幅
は、上記実施例1により作製した磁気ディスクにおける
Ti膜3上のCr下地膜4のそれよりも広がっていた。
【0023】上記実施例1においては、Ag膜の被覆状
態の確認を行なうためにAg膜の形成を磁性層(CoN
i膜)5の形成工程と切りはなして実施しているが、こ
のAg膜の形成は、磁性層5の形成の前段として実施す
ることもできる。また、上記実施例1においては、凹凸
形成用の被着金属の蒸着方法としてDCマグネトロンス
パッタ法を用いているが、この蒸着方法は、DCマグネ
トロンスパッタ法に限らず、RFスパッタ法、真空蒸着
法などであってもよい。
【0024】実施例2 洗浄後のソーダライムガラス基板(円盤状に加工され化
学強化された物)を真空中で260℃に加熱し、Arガ
スを用いたDCマグネトロンスパッタ法によりこの基板
上にAl膜を形成した。このAl膜の凹凸形状の表面粗
さを触針計(小坂研究所製、model AY−31)で測定
したところ、その平均粗さRaは6nmで、その最大粗
さは60nmであった。この凹凸形状を図3(a)に示
す。
【0025】このときのAlは、多数の島状構造になっ
ているために、基板表面の一部は露出している。このと
きの基板表面上の多数の島状構造が形成された領域のA
l被覆率は、約57%であった。ここで、「Al被覆
率」とは、電子顕微鏡で撮影した写真に対角線を引き、
各対角線と交わるAl粒子の長さをすべて積算した値を
分子とし、各対角線の長さを分母として算出した平均値
である。
【0026】上記方法で作製された磁気ディスク用基板
1に、前記実施例1の場合と同様に、Arガスを用いた
DCマグネトロンスパッタ法によりTi膜3を約40n
m厚で被覆し、この基板1を200℃まで加熱した後
に、Cr下地膜4、Co0.70Nio.30膜5およびカーボ
ン膜6をそれぞれ150nm厚、60nm厚および30
nm厚で順次被覆した。
【0027】このとき、Ti膜3の被覆から保護膜6の
被覆までは、インライン型のスパッタリング装置によ
り、真空状態を破ることなく連続的に行なった。
【0028】また、上記Al被覆率が70%、80%お
よび93%と3種類の異なる磁気ディスク用基板1を作
製した。これら3種類の基板1の多数の島状構造をそれ
ぞれ図3(b)〜(d)に示す。また、平均粗さRa
は、それぞれ、5.4nm、5.2nmおよび4.9n
mであった。
【0029】これらの基板1上にTi膜、Cr下地膜、
CoNiCr合金膜およびカーボン保護膜を同一成膜条
件にてそれぞれ被覆した。
【0030】このようにして作製されたAl被覆率の異
なる磁気ディスク上にパーフロロアルキルポリエーテル
(商品名:Fomblin AM2001、潤滑剤)を塗布した後に、
CSS試験を実施した。その結果を前記実施例1により
作製した磁気ディスクと併せて図4に示す。
【0031】この図4において、前記Al被覆率が93
%、すなわち、連続膜に近い膜構造を有する磁気ディス
クにおいては、2,000回のCSSを行なった時点で
膜のはがれを生じて、摩擦係数μの測定が不可能となっ
た。また、前記Al被覆率が84%以下のものについて
は、16,000回のCSSを行なっても摩擦係数μが
0.5以下と良好であった。さらに、前記Al被覆率が
10%以下になると、Al粒子が作る凹凸の平均粗さが
2nm以下になるために、磁気ヘッドと磁気ディスクと
の間の機械的な吸着現象が発生した。
【0032】実施例3 前記実施例2と同様にして、ガラス基板上に凹凸形成用
のAl膜を形成した。この実施例3では、Al膜により
形成される凹凸形状を変えるために基板の温度を変化さ
せて、1nmから7nmまでの平均粗さRaを有する基
板を9枚作製した。なお、これら9枚の基板のうちの3
枚は、平均粗さRaが2nmよりも小さいので、単なる
参考例である。
【0033】これら9枚の基板上に前記実施例2と同一
の被覆条件でTi膜、Cr下地膜、CoNiCr合金膜
およびカーボンからなる保護膜をそれぞれ形成した。各
ディスクの保磁力は、1,470±50〔Oe〕の範囲
内であった。
【0034】これらのディスクにパーフルオロアルキル
エーテルを塗布した後に、ディスク評価機(Guzik RWA-
201B)を用い、薄膜ヘッド(3370型、テーパフラッ
トスライダ)によりビットシフト測定を行なった。ビッ
トシフト量は、16進法表示のABCDおよびFFFF
パターンの書き込みを行なって測定した。図5は、各デ
ィスクの平均粗さRaとビットシフト量との関係を示し
たものである。この図5から、ディスクの表面粗さが平
均粗さRaで8nmを越えると、ビットシフト量が急激
に増大する。このようにビットシフト量が増大すると、
ディスクに記録した信号の読み取りエラーが生じること
になるために、磁気ディスクの品質上問題である。した
がって、ヘッド飛行高さが75nm付近の場合には、デ
ィスク表面の凹凸の平均粗さRaは、2〜5nmである
のがより好ましい。
【0035】比較例 凹凸形成用のAlの被覆をおこなうときに小さい被覆ス
ピードでAlを被覆して、ガラス基板上に平均粗さが
5.3nmで厚みが70nmのAlの連続膜からなる凹
凸形成層を形成した以外は、前記実施例2と同様にして
磁気ディスクを作製した。この磁気ディスクの凹凸形成
用物質は前記被覆率が100%であり、CSS試験をお
こなったところ、1,000回転でAlの連続膜とガラ
ス支持体との界面で剥離が生じた。
【0036】
【発明の効果】本発明は、物理的方法および/または化
学的方法で非磁性支持体の表面をエッチングする必要が
なくて、成膜技術だけで非磁性支持体の表面上に凹凸を
形成することができるから、非磁性支持体の表面上に凹
凸を形成する操作が簡単で生産性が高く、また、歩留り
を飛躍的に改善することができ、しかも、非磁性支持体
の強度を低下させたりその表面の平滑性を阻害したりす
ることもない。
【0037】また、凹凸形成用物質により非磁性支持体
の表面上にこの表面の面方向において不連続である多数
の島状構造を形成し、これら多数の島状構造のそれぞれ
の高さを5〜150nmとし、凹凸形成用物質により非
磁性支持体の表面上に形成した凹凸のピッチを0.05
〜1μmとしたから、非磁性支持体側と、凹凸形成用物
質のすぐ上側に形成されることになる磁性層用の下地
層、酸素トラップ層、磁性層などの上側層とをこれら多
数の島状構造の不連続な部分においてきわめて効果的に
網目状に付着させることができ、このために、この上側
層の剥離や凹凸形成用物質の非磁性支持体側からの剥離
きわめて効果的に防止することができる。
【0038】また、凹凸形成用物質は、有機金属化合物
ではなくて、Ag、Al、CuおよびAuからなる群か
ら選ばれた1種の金属単体であるか、または、2種以上
の金属単体からなる合金であるから、磁気ディスクの磁
気特性を低下させるガスが凹凸形成用物質から発生せ
ず、このために、磁気特性が良好な磁気ディスクを作製
することができ、また、凹凸形成用物質の金属原子間の
凝集エネルギーがきわめて大きいために非磁性支持体の
表面上にきわめて効果的に凝集して多数の島状構造をき
わめて簡単に形成することができる。
【0039】さらに、凹凸形成用物質は、Ag、Al、
CuおよびAuから成る群より選ばれた1種の金属単体
であるか、または、2種以上の金属単体からなる合金で
あって、比較的低融点ではあるがそれほど極端には低融
点ではなく、また、非磁性支持体の表面上に被着された
凹凸形成用物質の平均粗さを2〜8nmにし、多数の島
状構造のそれぞれの高さを5〜150nmにし、凹凸形
成用物質により非磁性支持体の表面上に形成された凹凸
のピッチを0.05〜1μmにしたから、凹凸形成用物
質の金属原子間の凝集エネルギーが大きいために非磁性
支持体の表面上に凝集し易くて多数の島状構造を簡単に
形成し得るだけでなく、非磁性支持体からの凹凸形成用
物質の剥離を効果的に防止することができ、しかも、非
磁性支持体上に形成されることになる磁性層側と磁気ヘ
ッド側との間の機械的な吸着現象が生じにくく、また、
ビットシフト量を小さく抑えることができ、このため
に、磁気ディスクに記録した信号の読み取りエラーが生
じにくい。しかも、非磁性支持体の表面上で凹凸形成用
物質の上側または下側に酸素トップ層を設けたから、非
磁性支持体から発生する酸素を酸素トップ層によりきわ
めて効果的にトラップすることができ、このために、凹
凸形成用物質や酸素トラップ層の上側に形成されること
になる磁性層用の下地層、磁性層などの上側層の結晶性
をきわめて良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1により作製した凹凸形成用A
g膜の電子顕微鏡写真から表面の凹凸状態を模式的に示
す図である。
【図2】本発明の実施例1により作製した磁気ディスク
の概略を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例2により作製した凹凸形成用A
l膜の電子顕微鏡写真から表面の凹凸状態を模式的に示
す図である。
【図4】本発明の実施例1および実施例2により作製し
た磁気ディスクのCSS試験結果を示す図である。
【図5】本発明の実施例3により作製した磁気ディスク
におけるディスク表面の平均粗さRaとビットシフト量
との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ソーダライムガラス基板(非磁性支持体) 2 凹凸形成用Ag膜 3 Ti膜(酸素トラップ金属層) 4 Cr下地層 5 Co0.70Ni0.30膜(磁性層) 6 カーボン膜(保護層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 慎也 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11 号 日本板硝子株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−240429(JP,A) 特開 昭63−231724(JP,A) 特開 昭59−157833(JP,A) 特開 昭59−171024(JP,A) 特開 昭64−8511(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/82 G11B 5/62 - 5/66 G11B 5/704

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】その表面上に凹凸を形成するための凹凸形
    成用物質が被着された非磁性支持体からなる磁気ディス
    ク用基板において、 前記凹凸形成用物質は、Ag、Al、CuおよびAuか
    らなる群より選ばれた1種の金属単体であるか、また
    は、2種以上の金属単体からなる合金であり、 前記凹凸形成用物質により前記非磁性支持体の前記表面
    上にこの表面の面方向において不連続である多数の島状
    構造が形成され、 前記非磁性支持体の前記表面上に被着された前記凹凸形
    成用物質の平均粗さは2〜8nmであり、 前記多数の島状構造のそれぞれの高さは5〜150nm
    であり、 前記凹凸形成用物質により前記非磁性支持体の前記表面
    上に形成された前記凹凸のピッチは0.05〜1μmで
    あり、 前記非磁性支持体の前記表面上で前記凹凸形成用物質の
    上側または下側に酸素トラップ層が設けられている こと
    を特徴とする磁気ディスク用基板。
  2. 【請求項2】前記凹凸形成用物質は、前記非磁性支持体
    の前記表面上の前記多数の島状構造が形成された領域を
    10〜85%の被覆率で被覆していることを特徴とする
    請求項1に記載の磁気ディスク用基板。
  3. 【請求項3】前記非磁性支持体は、ソーダライム組成の
    フロートガラス板であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の磁気ディスク用基板。
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