JPH08224476A - 脱硝触媒およびその製造方法並びにこれを用いた排気ガスの脱硝方法 - Google Patents

脱硝触媒およびその製造方法並びにこれを用いた排気ガスの脱硝方法

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JPH08224476A
JPH08224476A JP7054960A JP5496095A JPH08224476A JP H08224476 A JPH08224476 A JP H08224476A JP 7054960 A JP7054960 A JP 7054960A JP 5496095 A JP5496095 A JP 5496095A JP H08224476 A JPH08224476 A JP H08224476A
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Makoto Nagata
誠 永田
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幸雄 小崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 希薄空燃比の内燃機関の排気ガス中のNO
を充分高いガス空間速度で効率よく除去でき、併せて高
いストイキオ耐久性能を有する触媒とその製法の提供
と、この触媒を使用しての希薄空燃比の内燃機関排気ガ
スの脱硝方法を提供することを目的とする。 【構成】 比表面積が120m2 /g以上で、窒素ガス
吸着法により測定された細孔半径と細孔容積の関係が以
下の条件(1)を満たす活性アルミナと、酸化亜鉛と、
銀および/または酸化銀とを主成分とする触媒であり、
酸化亜鉛の割合が活性アルミナに対して0.5重量%以
上10重量%以下であり、銀の割合が1重量%以上10
重量%未満である脱硝触媒である。条件(1)は、細孔
半径300オングストローム以下の細孔の細孔容積の合
計値をAとし、細孔半径25オングストローム以上で1
00オングストローム未満の細孔の細孔容積の合計値を
Bとし、細孔半径100オングストローム以上で300
オングストローム以下の細孔の細孔容積の合計値をCと
したとき、BがAの70%以上であり、CがAの20%
以下であることである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は排気ガス、特に自動車な
どの内燃機関の排気ガス中の窒素酸化物の浄化に用いら
れる排気ガス浄化用触媒に関し、更に詳細には、希薄空
燃比の内燃機関の排気ガス中の窒素酸化物を高い空間速
度で、且つ高効率で浄化可能な脱硝触媒及びその触媒を
用いる脱硝方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンなどの内燃機関から排出
される各種の燃焼排気ガス中には、燃焼生成物である水
や二酸化炭素(CO2 )と共に一酸化窒素(NO)や二
酸化窒素(NO2 )などの窒素酸化物(NO)が含ま
れている。NOは人体に影響し、呼吸器疾患罹患率を
増加させるばかりでなく、地球環境保全の上から問題視
される酸性雨の原因の1つとなっている。そのため、こ
れら各種の排気ガスから効率よく窒素酸化物を除去する
脱硝技術の開発が望まれている。
【0003】他方において、地球温暖化防止の観点か
ら、近年希薄燃焼方式の内燃機関が注目されている。従
来の自動車用ガソリンエンジンは空燃比λ=1付近で制
御された化学量論比での燃焼であり、その排気ガス処理
に対しては排気ガス中の一酸化炭素(CO)、炭化水素
(HC)とNOとを、主として白金(Pt)、ロジウ
ム(Rh)、パラジウム(Pd)及びセリア(Ce
2 )を含むアルミナ触媒に接触させ有害三成分を同時
に除去する三元触媒方式が採用されてきた。
【0004】しかしこの三元触媒方式は、化学量論比で
運転されることが絶対条件であるため、希薄空燃比で運
転されるリ−ンバ−ンガソリンエンジンの排気ガス浄化
には適用できない。また、ディ−ゼルエンジンは本来リ
−ンバ−ンエンジンであるが、その排気ガスに対しては
浮遊粒子状物質とNOの両方に厳しい規制がかけられ
ようとしている。
【0005】従来、酸素過剰雰囲気下でNOを還元除
去する方法としては、還元ガスとしてNH3 を使用する
技術が既に確立されている。これはNH3 が、その量の
如何に関わらず触媒に選択的に吸着されるからである。
この技術は、いわゆる固定発生源であるボイラ−やディ
−ゼルエンジンからの排気ガス脱硝方法として工業化さ
れている。
【0006】しかし、この方法では未反応の還元剤の回
収処理のための特別な装置が必要であり、臭気が強く有
害なアンモニアを用いることもあり自動車などの移動発
生源からの排気ガス脱硝技術には危険で適用できない。
【0007】近年、酸素過剰雰囲気の希薄燃焼排気ガス
中に残存する未燃の炭化水素が還元剤となり、NO
元反応が進行することが報告されて以来、この反応を促
進する触媒が種々開発され、提案されている。例えば、
アルミナやアルミナに遷移金属を担持した触媒である。
この触媒については数多くの報告があり、いずれも炭化
水素を還元剤として用いるNO還元反応の促進に有効
であるとしている。
【0008】また、特開平4−284848号公報にお
いては、0.1〜4重量%のCu、Fe、Cr、Zn、
Ni、Vを含有するアルミナ、あるいはシリカ−アルミ
ナをNO還元触媒として使用した例が記載されてい
る。
【0009】更に、Ptをアルミナに担持した触媒を用
いると、NO還元反応が200〜300℃程度の低温
領域で進行することが特開平4−267946号公報、
特開平5−68855公報や特開平5−103949号
公報等に記載されている。しかしながら、これらの貴金
属担持触媒を用いた場合還元剤であるべき炭化水素の燃
焼反応が過度に促進されたり、酸性雨の元凶の1つと言
われている多量のN2Oが生成し、無害なN2 への還元
反応を選択的に進行させることが困難となるといった欠
点を有していた。
【0010】本出願人の一方は、先に、酸素過剰雰囲気
下で炭化水素を還元剤として銀を含有する触媒を用いる
とNO還元反応が選択的に進行することを見い出し、
この技術を特開平4−281844号公報に開示した。
しかし、実際の走行状態におけるリ−ンバ−ンエンジン
での空燃比は、走行条件によりストイキオ近傍から酸素
過剰のリ−ンバ−ン領域まで連続的に変化するが、前記
公報に開示した触媒ではストイキオ領域でのエージング
に対する耐久性能(以下「ストイキオ耐久性能」と云
う。)が不十分であったため、長期使用が困難であると
いう欠点を示した。
【0011】また、該公報開示の後、銀を含有する触媒
を用いる類似のNO還元除去技術が特開平4−354
536号公報や特開平5−92124号公報あるいは特
開平5−92125号公報に開示されるに至った。しか
し、これら従来のアルミナを担体に用いた銀担持アルミ
ナ触媒は、水蒸気共存下での脱硝性能が未だ不十分であ
った。
【0012】更に、従来よりアルミナを担体として用い
た触媒は、空間速度依存性が大きいことが知られてい
る。すなわちSV:1000〜10000h-1程度の低
空間速度では十分なNO還元性能を発揮するが、例え
ば「触媒」33,61(1991) に報告されているように、S
V:10000hr-1以上の高空間速度ではNO浄化
性能が大きく低下し、このような現象は当業界の常識で
もあった。
【0013】例えば、特開平5−92124に開示され
ている排気ガス処理方法において、排気ガスと触媒との
接触時間を0.03g・sec/cm3 以上、更に好ま
しくは0.1g・sec/cm3 以上と限定しているの
はこの理由からである。また特開平6−277454号
公報には亜鉛酸化物とアルミニウムの酸化物、あるいは
これと銀および/または銀酸化物とから構成され、触媒
中の亜鉛酸化物が10〜40重量%であり、銀が0.1
〜5重量%である触媒が開示されているが、これらの触
媒も、従来の触媒と同様に、3000hr-1前後の低空
間速度でなければ脱硝率90%を達成できていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動車
等車両用リ−ンバ−ンエンジンの排気ガス処理において
の実用上欠くことのできない今一つの性能は、触媒層な
いしは触媒で被覆した支持基質からなる構造体(以下、
これらを本明細書では「触媒含有層」と云う)の所要ス
ペ−ス及び重量である。エンジンの排気量と仕事量とを
勘案するとエンジン排気量の数倍以上の容量の触媒含有
層を積載することは実用的でないからである。従って、
通常、触媒含有層の容量はエンジン排気量以下であるこ
とが好ましいとされる。
【0015】このことは実用性のある触媒含有層を構成
するには、触媒含有層を通過する排気ガスの空間速度が
高いこと、すなわち触媒と排気ガスとの接触時間が非常
に短いこと、具体的には7000hr-1以上、好ましく
は10000hr-1以上の空間速度が求められているこ
とを意味する。これを接触時間で読み代えれば、0.0
3g・sec/cm3 未満、好ましくは0.02g・s
ec/cm3 以下であることが求められていることにな
る。しかしながら、従来のアルミナを用いて製造した担
持アルミナ系触媒や酸化アルミニウム系触媒は、このよ
うな高い空間速度での排気ガスに対する脱硝性能が不十
分であった。
【0016】本発明は上記従来技術の欠点を解決すべく
なされたものであり、その目的とするところは、希薄空
燃比の内燃機関の排気ガス中のNOを充分高いガス空
間速度で効率よく除去でき、併せて高いストイキオ耐久
性能を有する触媒とその製法の提供と、この触媒を使用
しての希薄空燃比の内燃機関排気ガスの脱硝方法を提供
することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ストイキ
オ耐久性能を有する触媒及び該触媒を使用してのリ−ン
バ−ン領域での炭化水素によるNO還元反応が高効率
的に進行する触媒及び脱硝方法について鋭意研究を重ね
た結果、特定の細孔構造を有し、且つ特定値以上の比表
面積を持つ活性アルミナに、所定量の酸化亜鉛と銀とを
担持させて得た触媒を用いることにより上記の課題を解
決することができることを見出し本発明を完成するに至
った。
【0018】すなわち、上記課題を解決するため本発明
の第1の実施態様は、比表面積が120m2 /g以上
で、窒素ガス吸着法により測定された細孔半径と細孔容
積の関係が以下の条件(1)を満たす活性アルミナと、
酸化亜鉛と、銀および/または酸化銀とを主成分とする
触媒であり、酸化亜鉛の割合が活性アルミナに対して
0.5重量%以上10重量%以下であり、銀の割合が1
重量%以上10重量%未満である脱硝触媒である。
【0019】条件(1) 細孔半径300オングストローム以下の細孔の細孔容積
の合計値をAとし、細孔半径25オングストローム以上
で100オングストローム未満の細孔の細孔容積の合計
値をBとし、細孔半径100オングストローム以上で3
00オングストローム以下の細孔の細孔容積の合計値を
Cとしたとき、BがAの70%以上であり、CがAの2
0%以下であること。
【0020】そして、本発明の第2の実施態様に係る触
媒の製造方法は、鉱物学上ベーマイト、擬ベーマイト、
バイアライト、あるいはノルストランダライトに分類さ
れる水酸化アルミニウムの粉体やゲルをアルミナ前駆体
とし、アルミナ前駆体のアルミナ換算量に対して酸化亜
鉛として0.5〜10重量%になる量の亜鉛と、アルミ
ナに対して1〜10重量%となる銀とを含む溶液とを混
合し、次いで80〜120℃程度で乾燥し、次いで30
0〜800℃、好ましくは400〜700℃程度で焼成
するものである。
【0021】また、本発明の第3の実施態様は、リ−ン
バ−ン領域で運転される内燃機関の排気ガスを脱硝触媒
含有層と接触させ、還元剤として炭化水素を用い、排気
ガスのNOxを除去する方法において、該触媒含有層に
含まれる脱硝触媒が上記の本第1の発明により提供され
る脱硝触媒であり、且つ触媒含有層を通過する排気ガス
の空間速度が10000hr-1以上、好ましくは200
00hr-1以上とするものであり、排気ガスそのものの
HC/NO比(モル比)が3より低い場合には、HC
/NO比が3以上、好ましくは3〜25の範囲となる
ように排気ガス中にHCを追加添加した後、本発明の脱
硝触媒含有層と接触させると好ましい。
【0022】以上のような本発明の脱硝触媒及び脱硝方
法によれば、水蒸気が共存する酸素過剰雰囲気下で、且
つ高空間速度でも効果的にストイキオ耐久前後のリ−ン
バ−ン領域の排気ガス中のNOを除去することができ
る。
【0023】以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0024】
【作用】本発明の脱硝触媒の主成分の1つである活性ア
ルミナは、例えば、鉱物学上ベーマイト、擬ベーマイ
ト、バイアライト、あるいはノルストランダライトに分
類される水酸化アルミニウムの粉体やゲルを、空気中あ
るいは真空中で300〜800℃、好ましくは400〜
700℃で加熱脱水して得ることができるものである。
そして、結晶学的にγ−型、η−型あるいはその混合型
に分類される活性アルミナである。
【0025】本発明ではこのようにして得た担体の比表
面積が120m2 /g以上であり、窒素ガス吸着法によ
り測定された細孔半径が300オングストローム以下の
細孔の細孔容積の合計値をAとし、細孔半径25オング
ストローム以上で100オングストローム未満の細孔の
細孔容積の合計値をBとし、細孔半径100オングスト
ローム以上で300オングストローム以下の細孔の細孔
容積の合計値をCとしたとき、BがAの70%以上、C
がAの20%以下となる細孔構造を持つものを前記主成
分として使用するのである。
【0026】他の結晶構造をとるアルミナ、例えばα−
アルミナは極端に比表面積が小さく固体酸性にも乏しい
ので、本発明の触媒担体としては不適当である。また、
δ−アルミナも比表面積が100m2 /gと小さく、脱
硝触媒の担体としてはγ−アルミナやη−アルミナに及
ばない。その他β−アルミナやχ−アルミナも本発明の
脱硝触媒担体としては不適当である。
【0027】活性アルミナとして、上記細孔構造を持つ
ものを使用するのは、このような細孔構造を持つものと
所定量の酸化亜鉛と銀および/または酸化銀を使用する
ことにより初めて、水蒸気共存下で高い脱硝活性が得ら
れたからである。
【0028】酸化亜鉛の量を活性アルミナに対して0.
5〜10重量%とするのは、0.5重量%未満では、十
分な脱硝効果が得られず、10重量%を超えるとかえっ
て脱硝活性の低下を招くからである。
【0029】触媒中の銀および/または酸化銀の割合を
活性アルミナに対して1〜10重量%とするのは、1重
量%未満では銀の担持効果が十分に発揮されず、10重
量%を超えると還元剤としての炭化水素の燃焼反応が過
度に促進され、脱硝反応の活性及びN2 への選択性が低
下するからである。なお、銀は、反応条件下で酸化数が
変化するため特に限定されず酸化銀の使用も可能であ
る。
【0030】本発明の脱硝触媒を得るには、例えば前記
ベーマイト構造を採るアルミナ水和物と亜鉛と銀とを含
む溶液に浸漬し、80〜120℃程度で乾燥した後、3
00〜800℃、好ましくは400〜700℃程度で焼
成する。焼成温度が800℃を超えると、アルミナの相
変態が起こるので好ましくない。
【0031】亜鉛源として使用可能なものは、例えば、
硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛などの水溶性
亜鉛塩があり、銀源として使用可能なものには、硝酸
銀、酢酸銀などの水溶性銀塩がある。
【0032】本発明の触媒を得る方法としては、この他
に吸着法、ポアフィリング法、インシピエントウェット
ネス法、蒸発乾固法、スプレ−法などの含浸法や混練り
法及び物理混合法が適用可能である。
【0033】本発明の触媒の形状は、粉状、球状、円筒
状、ハニカム状、螺旋状、粒状など種々の形状を採用す
ることができる。よって、形状、大きさなどは使用条件
に応じて任意に選択するればよい。特に、自動車のエン
ジンの排気ガス浄化の目的で用いる場合には、圧力損失
を最小限とするために、排気ガスの流れ方向に対して多
数の貫通孔を有する耐火性一体構造の支持基体の表面に
粉状の触媒を被覆して触媒層を形成したものが使用され
る。
【0034】本発明の触媒は、排気ガス中のCO、炭化
水素(HC)及びH2 といった還元性成分をNO及び
2 といった酸化性成分で完全酸化するに要する化学量
論量よりも過剰の酸素を含有する排気ガス、より具体的
には希薄空燃比の内燃機関排気ガス中のNOの浄化に
適用される。
【0035】このような排気ガスを本発明の触媒と接触
させることによって、NOは還元成分に依って、
2 、CO2 およびH2 Oにまで還元分解されると同時
にHC等の還元剤もCO2 とH2 Oに酸化される。ディ
−ゼルエンジンの排気ガスのように、排気ガスそのもの
のHC/NO比(モル比)が3より低い場合には、H
C/NO比が3以上、好ましくは3〜25の範囲とな
るように排気ガス中にHCを追加添加した後、本発明の
触媒と接触させるシステムを採用するようにすれば充分
なNO除去率を達成できる。
【0036】本発明による触媒を用いて、このような高
い空間速度で酸素過剰雰囲気下HCによるNOの浄化
を効率良く進めるためには、触媒含有層入口温度を40
0℃〜600℃未満にする必要がある。これは、本発明
の方法によって得られた活性アルミナ、酸化亜鉛及び銀
とから成る触媒が脱硝性能を発揮するには400℃以上
必要であり、これより低温ではHCが活性化されないた
めと推定される。また、触媒含有層入口温度が600℃
以上の高温になると副反応であるHCの燃焼が優勢にな
りNO還元活性が低下する。
【0037】
【実施例】以下に実施例及び比較例により、本発明を更
に詳細に説明する。
【0038】但し、本発明は下記実施例に限定されるも
のでない。 (1) アルミナの選定 種々のアルミナ水和物を700℃で焼成し、表1に示す
比表面積と細孔分布を示すγ−アルミナA、B、C、
D、EおよびFを得た。
【0039】
【表1】 アルミナ 比表面積 細 孔 分 布 水和物 m /g (%) (オンク゛ストロ-ム ) (オンク゛ストロ-ム ) 25〜100 100 〜300 A 222 83.0 4.4 B 200 86.8 5.9 C 155 88.1 12.8 D 262 50.8 47.9 E 248 67.1 22.5 F 158 68.1 6.6 表1においてアルミナA、BおよびCは本発明の範囲に
入るアルミナであり、D、E、およびFは本発明の範囲
外のアルミナである。なお、A、B、C、D、Eおよび
Fはいずれもγアルミナであり、細孔分布はカルロエル
バ社製のソ−プトマチックにより測定した。 (2) 触媒の調製 表1のγ−アルミナ(A)となる前駆体物質であるアル
ミナ水和物117.6gを、硝酸銀5.7g及び硝酸亜
鉛22.6gの1000ml水溶液に浸漬し、24時間
後攪拌しながら100〜110℃に加熱し水分を蒸発さ
せた。次に、110℃で通風乾燥後、空気中700℃で
3時間焼成し触媒1(実施例1)を得た。
【0040】なお、Ag及びZnOの担持率は、γ−ア
ルミナに対してそれぞれ3.5%、5.8%である。
【0041】次に表1に示すγ−アルミナ(B)〜
(F)の前駆体物質であるアルミナ水和物の各々を用い
る以外は実施例1と同様にして、それぞれ触媒2(実施
例2)、触媒3(実施例3)、触媒4(比較例1)、触
媒5(比較例2)及び触媒6(比較例3)を得た。
【0042】次に、実施例1において、ZnOの担持率
を2.9%、9%及び0.5%とした以外は実施例1と
同様にして、それぞれ触媒7(実施例4)、触媒8(実
施例5)、触媒9(実施例6)を得た。
【0043】次に、実施例1において、ZnOの担持率
を13%及び0%とした以外は実施例1と同様の方法に
て、それぞれ触媒10(比較例4)、触媒11(比較例5)
を得た。 [性能評価1]実施例1の触媒を加圧成型した後、粉砕
して粒度を250〜500μmに整粒した触媒を内径2
1mmのステンレス製反応管に充填し、常圧固定床反応
装置に装着した。この触媒含有層にモデル排気ガスとし
て、NO1000ppm、C36 1000ppm、
2 5%、H2 O 10%、残部N2 からなる混合ガ
スを空間速度30000h-1で通過させた。
【0044】反応管出口ガス組成についてNOとNO2
の濃度については化学発光式NO計で測定し、N2
濃度はポラパック Qカラムを装着した島津製作所製の
ガスクロマトグラフィ−熱伝導度検出器を用いて測定し
た。触媒含有層入口温度を400〜600℃の範囲の所
定温度に設定し、各所定温度毎に反応管出口ガス組成が
安定した時点の値を用いた。モデル排気ガスが触媒を通
過することにより反応ガス中のNOはNO2 、N2 O及
び/またはN2 に転化されるが、本発明の触媒を通過し
た場合N2 Oは殆ど生成しないことが判明したので、本
発明の明細書では脱硝率を以下の式で定義した。
【0045】 実施例2〜6及び比較例1〜5の触媒についても同様に
モデル排気ガス評価を行った。表2に、触媒1〜11の各
々についての最高脱硝率Cmax(℃)とそのときの温
度Tmax(℃)を示す。本発明の実施例の触媒1〜6
及び比較例の触媒11は、比較例の触媒4〜6及び10の触
媒に比べ優れた脱硝性能を示した。
【0046】
【表2】 [性能評価2]実施例の触媒1(実施例7)、7(実施
例8)及び9(実施例9)、比較例の触媒4(比較例
6)、6(比較例7)及び11(比較例8)の各触媒に
ついて、下記の表3に示す条件で処理した後(ストイキ
オ耐久後)に、性能評価1と同一条件で性能評価を行っ
た(但し、性能評価1のモデル排気ガスにSO2 50
ppmを追加した)。
【0047】表4に、各触媒の最高脱硝率Cmax
(%)とそのときの温度Tmax(℃)を示す。本発明
の実施例の触媒1、7及び9は、比較例の触媒4、6及
び11の銀アルミナ触媒に比べ優れた脱硝性能を示し
た。
【0048】
【表3】 NO:2000ppm SO2 :50ppm C3 6 :1000ppm H2 O:10% O2 :0.9%、 残部N2 2 :1% SV:30000hr-1 700℃×3hr
【0049】
【表4】 触 媒 触 媒 性 能 性能評価2の脱硝率 備 考 Cmax(%) Tmax(%) 1 91.7 500 実施例7 7 89.7 510 実施例8 9 80.1 520 実施例9 4 62.3 570 比較例6 6 60.1 570 比較例7 11 58.7 540 比較例8 [性能評価3]空間速度60000hr-1とした以外
は、性能評価例1と同様にして実施例1の触媒1の性能
を評価した。
【0050】表5に触媒1上記空間速度における最高脱
硝率Cmax(%)とその時の温度Tmax(℃)を示
す。本発明の実施例の触媒1は、より高い空間速度でも
優れた脱硝性能を示した。
【0051】
【表5】 触 媒 性 能 空間速度(hr-1) 性能評価3の脱硝率 Cmax(%) Tmax(℃) 60000 91.0 510
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明の脱硝触媒を用い
れば、水蒸気が共存するリ−ンバ−ン領域からストイキ
オ耐久後における高空間速度において、高い転化率でN
を窒素ガスに還元することができる。そして、本発
明の方法によれば簡単に本発明の触媒を製造することが
可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 35/10 301 B01D 53/36 102B (72)発明者 池田 浩幸 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 (72)発明者 若林 正男 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 (72)発明者 永田 誠 千葉県市川市中国分3−11−1 メゾン・ ド・グレース203 (72)発明者 小崎 幸雄 千葉県市川市新田3−6−14 エクセル2 番館303 (72)発明者 伊藤 賢 千葉県市川市南大野204−B507

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比表面積が120m2 /g以上で窒素ガ
    ス吸着法により測定された細孔半径と細孔容積の関係が
    以下の条件(1)を満たす活性アルミナと、酸化亜鉛
    と、銀または酸化銀のうち少なくとも1種とを主成分と
    することを特徴とする脱硝触媒。 条件(1) 細孔半径300オングストローム以下の細孔の細孔容積
    の合計値をAとし、細孔半径25オングストローム以上
    で100オングストローム未満の細孔の細孔容積の合計
    値をBとし、細孔半径100オングストローム以上で3
    00オングストローム以下の細孔の細孔容積の合計値を
    Cとしたとき、BがAの70%以上であり、CがAの2
    0%以下であること。
  2. 【請求項2】 酸化亜鉛の含有割合が活性アルミナに対
    して0.5〜10重量%であり、銀の含有割合が1〜1
    0重量%であることを特徴とする請求項1記載の脱硝触
    媒。
  3. 【請求項3】 300〜800℃にて焼成されることに
    より比表面積が120m2 /g以上であり、かつ請求項
    1記載の条件(1)を満たす活性アルミナを生ずるアル
    ミナ前駆体と、このアルミナ前駆体のアルミナ換算量に
    対して酸化亜鉛として0.5〜10重量%になるに相当
    する量の亜鉛と、前記アルミナ換算量に対して1〜10
    重量%となる銀とを含む溶液とを混合し、次いで80〜
    120℃程度で乾燥し、次いで300〜800℃で焼成
    することを特徴とする請求項1記載の脱硝触媒の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 乾燥後の焼成温度を400〜700℃と
    することを特徴とする請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 アルミナ前駆体が鉱物学上ベーマイト、
    擬ベーマイト、バイアライト、あるいはノルストランダ
    ライトに分類される水酸化アルミニウムの粉体またはゲ
    ルである請求項3または4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 亜鉛源として硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、硫酸
    亜鉛、または塩化亜鉛の水溶性亜鉛塩を用い、銀源とし
    て硝酸銀、または酢酸銀の水溶性銀塩を用いることを特
    徴とする請求項3〜5記載のいずれか1項記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 リ−ンバ−ン領域で運転される内燃機関
    の排気ガスを脱硝触媒含有層と接触させ、還元剤として
    炭化水素を用い、排気ガスのNOを除去する方法にお
    いて、該触媒含有層に含まれる脱硝触媒を請求項1また
    は2記載の脱硝触媒とし、且つ触媒含有層を通過する排
    気ガスの空間速度を10000hr-1以上とすることを
    特徴とする排気ガスの脱硝方法。
  8. 【請求項8】 触媒含有層を通過する排気ガスの空間速
    度を20000hr-1以上とすることを特徴とする請求
    項7記載の脱硝方法。
  9. 【請求項9】 前記排気ガス中にHC/NO比が3以
    上となるようにHCを追加添加した後、脱硝触媒含有層
    と接触させることを特徴とする請求項7記載の脱硝方
    法。
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