JPH0824642A - 脱硝触媒の製造方法およびこれにより得られた触媒による脱硝方法 - Google Patents

脱硝触媒の製造方法およびこれにより得られた触媒による脱硝方法

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JPH0824642A
JPH0824642A JP6189831A JP18983194A JPH0824642A JP H0824642 A JPH0824642 A JP H0824642A JP 6189831 A JP6189831 A JP 6189831A JP 18983194 A JP18983194 A JP 18983194A JP H0824642 A JPH0824642 A JP H0824642A
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pore
catalyst
denitration
exhaust gas
alumina
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JP6189831A
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Takeshi Naganami
武 長南
Taiji Kanno
泰治 管野
Masao Wakabayashi
正男 若林
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 希薄空燃比の内燃機関の排気ガス中のNOx
を高いガス空間速度で効率よく除去することができる脱
硝触媒の製造方法とこれにより得られた触媒を使用して
の希薄空燃比の内燃機関の排気ガス中のNOxの脱硝方
法を提供する。 【構成】 アルミニウム塩水溶液とアルカリ水溶液の同
時滴下によりアルミナ水和物を生成させた後、乾燥、焼
成することにより、窒素ガス吸着法により測定された細
孔半径と細孔容積との関係が、細孔半径300オングス
トローム以下の細孔の占める細孔容積の合計値をAと
し、細孔半径50オングストローム以下の細孔の占める
細孔容積の合計値をBとし、細孔半径100〜300オ
ングストロームの範囲の細孔の占める細孔容積の合計値
をCとしたとき、BがAの30%以上であり、CがAの
15%以下であるような細孔分布を有する活性アルミナ
を得、該活性アルミナを担体とし、これに銀塩を担持さ
せた後、乾燥、焼成する脱硝触媒の製造方法と、得られ
た触媒を使用して内燃機関の排気ガスを該触媒層を通過
させるようにした該排気ガスの脱硝方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は排気ガス、特に自動車な
どの内燃機関の排気ガス中の窒素酸化物の浄化に用いら
れる排気ガス浄化用の脱硝触媒に関し、更に詳細には、
希薄空燃比の内燃機関の排気ガス中の窒素酸化物を高空
間速度で、且つ高効率で浄化することができるような脱
硝触媒の製造方法およびこれにより得られた脱硝触媒を
用いた脱硝方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジンなどの内燃機関から排
出される各種の燃焼排気ガス中には、燃焼生成物である
水や、二酸化炭素(CO)と共に一酸化窒素(NO)
や、二酸化窒素(NO)などの窒素酸化物(NOx)
が相当量含まれている。NOxは人体に影響し、呼吸器
疾患に対する罹患率を増加させるばかりでなく、地球環
境保全上から問題視される酸性雨の原因の1つにもなっ
ている。そのためこれら各種の排気ガスから効率よく窒
素酸化物を除去するための脱硝触媒の開発が望まれてい
る。
【0003】NOx中のNOの理想的な除去方法は、下
記(1)式の反応式で示されるようなNOの直接分解を
行う方法である。該(1)式は、反応平衡論的には右辺
の生成系が圧倒的優位な反応である。
【0004】 2NO=N+O (1) この反応に依存する脱硝技術として特開昭60−125
250号公報記載の方法が挙げられる。この脱硝技術
は、Cuをイオン交換法によりゼオライトに担持させた
触媒を用いるものであり、この触媒がNOの直接分解反
応を促進するとしている。しかしながら、この脱硝技術
では(1)式の反応によって生成した酸素が触媒活性点
に優先的に付着するために、脱硝効率が次第に低下して
しまうという問題があった。また、反応系内に過剰の酸
素が存在する条件(酸素過剰雰囲気) では、完全に
(1)式の反応が阻害されてしまうという欠点もあっ
た。
【0005】他方、地球温暖化防止の観点から近年希薄
燃焼方式の内燃機関が注目を集めている。従来の自動車
用ガソリンエンジンは、空燃比λ=1付近で制御された
化学量論的な燃焼を行うものであって、その排気ガス処
理に対しては排気ガス中の一酸化炭素(CO)、炭化水
素(HC)およびNOxを主として白金(Pt)、ロジ
ウム(Rh)、パラジウム(Pd)およびセリア(Ce
)を含むアルミナ触媒に接触させてこれらの有害成
分を同時に除去する三元触媒方式が採用されていた。し
かし、この三元触媒方式による方法では、希薄燃焼方式
のリーンバーンガソリンエンジンにおける排気ガスに対
する浄化には十分な効果が得られなかった。また、ディ
ーゼルエンジンは元来リーンバーンエンジンであるが、
最近その排気ガスについては、浮遊粒子状物質とNOx
の両者に対してかなり激しい規制が行われるようになっ
てきた。
【0006】従来、酸素過剰雰囲気下でNOxを還元除
去する方法としては、還元ガスとして僅かな量でも選択
的に触媒に吸着されるNHを使用して行う方法が既に
確立されており、いわゆる固定発生源であるボイラーや
ディーゼルエンジンからの排気ガスの脱硝触媒として工
業化されている。しかしこの方法においては、未反応の
還元剤の回収処理のために特別な装置を必要とし、これ
に臭気の強いアンモニアを用いることもあって、自動車
などの移動発生源からの排気ガスの脱硝技術には適用す
ることはできない。
【0007】近年、酸素過剰雰囲気の希薄燃焼ガス中に
残存する未燃炭化水素を還元剤としてNOxの還元反応
を進行させることができることが報告されて以来、該反
応を促進させるための触媒について種々の提案がなされ
ている。例えば、アルミナやアルミナに遷移金属を担持
させた触媒が、炭化水素を還元剤として用いたNOx還
元反応に有効であるとする数多くの報告がなされてい
る。また、特開平4−282848号公報には、0.1
〜4重量%のCu、Fe、Cr、Zn、Ni、V等を含
有するアルミナまたはシリカ−アルミナをNOx還元用
触媒として使用した例が記載されている。
【0008】またさらに、Ptをアルミナに担持させた
触媒を用いると、NOx還元反応を200〜300℃の
低温領域で進行させることができることが特開平4−2
67946号公報、特開平5−68855号公報および
特開平5−103949号公報に記載されている。しか
しながら、これらの貴金属担持触媒を用いた場合には還
元剤である炭化水素の燃焼反応が過度に促進され多量の
Oが生成し、このためにNOx還元反応の選択性が
乏しくなるという欠点があった。
【0009】さらに特開平5−15779号公報には、
アルミニウムアルコキシドと貴金属(Pt)塩およびア
ルカリ金属塩からなる混合溶液から調製する脱硝触媒の
製造方法が開示されている。しかし、該公報記載の脱硝
率では、実用的に不十分であり、且つ触媒活性成分とし
てPtを含有するために上記したPt含有触媒に特有な
問題点を抱えている。
【0010】本出願人は、先に酸素過剰雰囲気下で炭化
水素を還元剤として銀を含有する触媒を用いるとNOx
還元反応が選択的に優位に進行することを見出し、これ
について特許出願を行った(特開平4−281844
号)。その後においても、このように銀を用いた類似の
NOx還元触媒によるNOx除去技術について特開平4
−354536号公報や特開平5−92124号公報な
ど数多くの特許出願が見受けられ、さらに、アプライド
カタリシス B;エンビローンメンタル、(Appl
ied Catalysis B;Environme
ntal)2(1993)199−205には、γ−ア
ルミナに銀を担持させた脱硝触媒は、Co、Cu、V、
Crを担持させた触媒よりも水蒸気共存下での炭化水素
によるNOx還元性能において優れていることが報告さ
れている。
【0011】しかしながら、これら従来のアルミナ担体
を用いた銀担持触媒の水蒸気共存下での炭化水素による
NOx還元触媒としての性能は未だ不十分であった。
【0012】一方、従来よりアルミナを担体として用い
た触媒は空間速度依存性が大きいことが知られており、
例えばSV:1000〜10000hr−1程度の空間
速度においては十分にNOx還元性能を発揮するが、S
V:10000hr−1以上の空間速度においては、N
Oxの浄化性能は大きく低下することが報告されている
(「触媒」:33、61(1991)参照)ことからも
分かるように、このような現象は当業界では周知の事実
であった。例えば、特開平5−92124号公報に開示
されている排ガス処理方法において、排気ガスと触媒と
の接触時間を0. 03g.sec/cm以上、好まし
くは0.1g.sec/cm以上と限定しているのは
このためである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、希薄空
燃比で運転される代表的な内燃機関である自動車等の車
両用リーンバーンエンジンの排ガス処理において、実用
上欠くことのできない他の重要な要素は、触媒層ないし
は触媒で被覆された支持基質からなる構造体(以下、こ
れらを本明細書においては触媒含有層と称する)の所要
スペースと重量の両者である。即ち、エンジンの排気量
と仕事量とを勘案するときにエンジン排気量の数倍以上
の容量の触媒含有層を搭載することは実用的でなく、触
媒含有層の容量をエンジンの排気量以下にすることが望
ましいからである。
【0014】そしてこれは、実用性のある触媒含有層を
構成するには触媒含有層を通過する排気ガスの空間速度
を高くすること(これは接触時間が短かくなることを意
味する)、即ちガス空間速度を7000hr−1以上、
好ましくは10000hr 以上とすること、つまり
接触時間では0.03g.sec/cm未満、好まし
くは0.02g.sec/cm未満であることが要求
されることを意味するものである。しかし、従来のアル
ミナを担体として製造された銀担持アルミナ触媒はこの
ような高空間速度(短い接触時間)では、水蒸気共存排
気ガスに対する脱硝性能が今ひとつ不十分であった。
【0015】本発明は、上記した従来技術による問題点
を解決することを課題とするものであり、希薄空燃比の
内燃機関の排気ガス中のNOxを十分高いガス空間速度
(短い接触時間)で効率よく除去することができるよう
な脱硝触媒の製造方法およびそれにより得られた触媒を
使用した希薄空燃比の内燃機関の排気ガス中のNOxの
高効率で高信頼性を持った脱硝方法を提供することを目
的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水蒸気の
共存する酸素過剰雰囲気下においても、炭化水素による
NOx還元反応を高効率で進行させることのできるよう
なアルミナ担体の銀担持脱硝触媒の製造方法およびそれ
により得られた触媒を用いての脱硝方法について鋭意研
究を重ねた結果、触媒の調製方法として、アルミニウム
塩水溶液とアルカリ水溶液の同時滴下により生成するア
ルミナ水和物を乾燥、焼成することによって得られた特
定の細孔特性を有す活性アルミナを担体として使用し、
これに銀および/または酸化銀を担持させることにより
得られた脱硝触媒は、十分に上記の要望を達成させるこ
とができる性能を持たせることができることを見出し本
発明を完成するに至った。
【0017】即ち、本発明はアルミニウム塩水溶液とア
ルカリ水溶液の同時滴下によりアルミナ水和物を生成さ
せた後、乾燥、焼成することにより、窒素ガス吸着法に
より測定された細孔半径と細孔容積との関係が、細孔半
径300オングストローム以下の細孔の占める細孔容積
の合計値をAとし、細孔半径50オングストローム以下
の細孔の占める細孔容積の合計値をBとし、細孔半径1
00〜300オングストロームの範囲の細孔の占める細
孔容積の合計値をCとしたとき、BがAの30%以上で
あり、CがAの15%以下であるような細孔分布を有す
る活性アルミナを得、該活性アルミナを担体とし、これ
に銀塩を担持させた後、乾燥、焼成することを特徴とす
る脱硝触媒の製造方法と、希薄空燃比で運転される内燃
機関における排気ガスを脱硝触媒層を通過させるように
した該排気ガスの脱硝方法において、該脱硝触媒層を構
成する触媒に、上記の製造方法により得られた脱硝触媒
を使用し、且つ脱硝触媒層を通過する排気ガスが該脱硝
触媒層入口において400〜600℃の温度範囲である
ことを特徴とする脱硝方法である。
【0018】本発明における上記の方法によれば、脱硝
触媒層を通過する排気ガスの空間速度が10000hr
−1以上であっても十分に排気ガス中のNOxの浄化を
行うことが可能であるのみならず、水蒸気が共存する酸
素過剰雰囲気中においても、比較的低温において効果的
に排気ガス中のNOxの除去を行うことができる。
【0019】
【作用】以下に本発明の詳細およびその作用について説
明する。
【0020】本発明における脱硝触媒の製造方法は、例
えば硝酸塩、硫酸塩、または塩化物などの水溶性のアル
ミニウム塩の水溶液と、アンモニア、尿素、水酸化ナト
リウムなどのアルカリ水溶液とを同時に滴下することに
より生成したアルミナ水和物を濾過、乾燥した後、焼成
して活性アルミナを得、さらに、該活性アルミナに銀塩
を担持させて、乾燥、焼成するものである。乾燥は、通
常80〜120℃の範囲で行われ、また焼成は300〜
800℃、好ましくは400〜600℃で行われる。焼
成温度が800℃を超えると、アルミナが好ましくない
結晶構造形態に相変態するので好ましくない。
【0021】このようにして得られた本発明の活性アル
ミナ担体は、その内に存在する細孔を窒素ガス吸着法に
よって測定した場合に得られる細孔半径と細孔容積との
関係が、細孔半径300オングストローム以下の細孔の
占める細孔容積の合計値をAとし、細孔半径50オング
ストローム以下の細孔の占める細孔容積の合計値をBと
し、細孔半径100〜300オングストロームの範囲の
細孔の占める細孔容積の合計値をCとしたとき、BがA
の30%以上であり、CがAの15%以下であるような
細孔特性を有するものである。また該活性アルミナは、
結晶学的にはγ−型、η−型あるいはその混合型に分類
される結晶形態を示す。これらの活性アルミナは、一般
的には鉱物学的にベーマイト、擬ベーマイト、バイアラ
イトおよびノルストランダライトとして分類される水酸
化アルミニウムの粉末またはゲルを、空気中あるいは真
空中で加熱温度300〜800℃、好ましくは400〜
600℃で加熱脱水することによって得られるものであ
る。そして、焼成温度が800℃を越えるときは前述し
たように得られた活性アルミナがα−型等他の結晶構造
形態に相転移するので好ましくない。
【0022】即ち、触媒担体としての活性アルミナに他
の結晶構造形態を採るもの、例えばα−型アルミナを使
用すると、このα−型のアルミナは極端に比表面積が小
さくまた固体酸性にも乏しいので本発明の指向する脱硝
触媒担体としては不適当であり、またδ−型アルミナも
比表面積が100m/gと比較的小さいので、これも
脱硝触媒担体としては、γ−型アルミナやη−型アルミ
ナに及ばない。また、β−型アルミナやχ−型アルミナ
もほぼ同様の理由により、本発明の脱硝触媒担体として
不適当である。
【0023】本発明において、活性アルミナの細孔特性
が上記した本発明の範囲を外れるとき、即ち細孔半径5
0オングストローム以下の細孔の占める細孔容積の合計
値Bが、細孔半径300オングストローム以下の細孔の
占める細孔容積の合計値Aの30%以下であり、また細
孔半径100〜300オングストロームの細孔の占める
細孔容積の合計値Cが前記Aの値の15%以上であるよ
うな場合には、得られた触媒の水蒸気存在下での脱硝性
能が不十分となる。即ち、本発明の製造方法により得ら
れる銀および/または酸化銀を担持するアルミナ触媒に
おいて担体として有効なアルミナは、BがAの30%以
上であり、且つCがAの15%以下であるような細孔分
布を有するγまたはη−型アルミナに限られるのであ
る。
【0024】本発明の触媒製造方法において銀および/
または酸化銀を活性アメミナに担持させる方法には特に
限定はなく、一般的な担持法、例えば吸着法、ポアフィ
リング法、インシピエントウエットネス法、蒸発乾固
法、スプレー法などのような含浸法や混練法、またはこ
れらを組み合わせる方法などを適宜採用すればよい。
【0025】また銀および/または酸化銀の担持率は、
本発明の活性アルミナに対し金属換算値で錫は1〜10
重量%の範囲であることが好ましい。銀の担持率が1重
量%未満であるときは満足し得る脱硝活性が得られず、
10重量%を超えると還元剤としての炭化水素の燃焼反
応が過度に進行し、触媒活性および反応選択性が却って
低下してしまう。
【0026】本発明の触媒の形状は粉状、球状、円筒
状、ハニカム状、螺旋状など特に限定されることなく任
意の形状を採ることができ、大きさも使用条件に応じて
適当に定めればよい。特に、自動車用エンジン等の排気
ガス浄化を目的とする場合には、ガス空間速度が高いの
で圧力損失を最小限に抑えるために排気ガスの流れ方向
に対して多数の貫通孔を有する耐火性一体構造の支持基
体におけるチャンネル表面に被覆させたものが使用上好
適である。
【0027】本発明の触媒は、排気ガス中のCO、HC
およびHといった還元性の成分をNOxおよびO
いった酸化性成分で完全に酸化するに要する化学量論よ
りも過剰の三酸素を含有する排気ガス、より具体的には
希薄空燃比の内燃機関からの排気ガス中のNOxの浄化
に適用される。
【0028】このような排気ガスを本発明の脱硝触媒と
接触させることによって、NOxはHC等の排気ガス中
に微量に存在する還元剤成分によって、N、CO
よびHOに還元されると同時にHC等の還元剤もCO
とHOに酸化される。ディーゼルエンジンの排気ガ
スのように、排気ガスそのもののHC/NOx比が低い
場合には、排気ガス中に還元剤成分としてメタン換算濃
度で数百〜数千ppm程度の燃料HCを追加して添加し
た後、本発明の触媒を接触させる方式を採用すればさら
に効果的にNOxの浄化を行うことができる。
【0029】本発明の製造方法によって得られた触媒を
用いて、このような高い空間速度で酸素過剰雰囲気下で
HCによる排気ガス中のNOxの浄化を効率的に行うた
めには、設置触媒層の入口温度を400℃〜600℃に
する必要がある。これは、本発明の製造法によって得ら
れた銀および/または酸化銀担持アルミナ触媒が、脱硝
性能を発揮するためには400℃以上の温度を必要と
し、これよりも低温であるときはHCが活性化されない
ためであると推定される。また、この場合触媒層の入口
温度が600℃を超える高温になる場合には、副反応で
あるHCの燃焼が優勢になるためにHCによるNOxの
還元活性が低下するので浄化能力が劣化してしまう。
【0030】
【実施例】以下に実施例および比較例に基づいて本発明
を更に詳細に説明する。但し、本発明は、これらの実施
例に限定されるものでない。 実施例1 硝酸アルミニウム167gを溶解した1,000ミリリ
ットル水溶液と2%アンモニア水1,000ミリリット
ルとを、それぞれ室温において6ミリリットル/min
のフィード速度で同時に滴下しつつ30分間撹拌を行っ
た。得られたアルミナ水和物を濾別し110℃の温度で
乾燥後600℃で3時間焼成してγ−型アルミナ(以
下、活性アルミナaと称する)粉末を得た。次に該活性
アルミナaについて窒素吸着法による細孔分布測定法を
利用したカルロエルバ社のソープトマチックを使用して
細孔分布の測定を行った結果、細孔半径が300オング
ストローム以下の細孔の細孔容積の合計値をAとし、細
孔半径が50オングストローム以下の細孔の細孔容積の
合計値をBとし、細孔半径100〜300オングストロ
ームの細孔の細孔容積の合計値をCとしたとき、BがA
の95.9%、CがAの1.3%であった。
【0031】次に、該活性アルミナaの粉末50gを
2.45gの硝酸銀を含む500ミリリットル水溶液に
浸漬し、撹拌を行いながら100〜110℃の温度に加
熱して水分の蒸発を行った。さらに、空気中で500℃
の温度で3時間焼成を行いAg/Al触媒(1)
を得た。この触媒におけるAgの金属換算での担持率は
アルミナに対して3%であった。 実施例2 実施例1において、活性アルミナaに対するAgの金属
換算での担持率を1%とした以外は、実施例1と同様に
してAg/Al触媒(2)を得た。 比較例1 内容積2リットルの撹拌機付きステンレス製反応槽に、
水990ミリリットルと濃度50%のグルコン酸溶液
(和光純薬工業社製)4.08gを入れ、70℃まで加
熱し、撹拌しながらさらに硫酸アルミニウム水溶液19
0.8gとアルミン酸ナトリウム水溶液(住友化学工業
社製、NA−170)124.6gとを入れ、pH8.
8のアルミナ水和物スラリーを得た。次に、このスラリ
ーを30分間熟成した後、濾過し、洗浄してアルミナ水
和物ケーキを得た。該アルミナ水和物ケーキをニーダー
により混練した後、600℃で3時間焼成してγ−型ア
ルミナ(以下、活性アルミナbと称する)粉末を得た。
該活性アルミナbを実施例1と同様にして細孔分布の測
定を行ったところ、前記の細孔分類によるA、Bおよび
Cの関係においてBがAの14.0%であり、CがAの
45.9%であった。
【0032】次いで、このようにして得られた活性アル
ミナbを使用して、実施例1と同様にしてAg/Al
触媒(3)を調製した。 比較例2 実施例1において、アルミナaに対するAgの金属換算
での担持率を10%とした以外は、実施例1と同様にし
てAg/Al触媒(4)を得た。 比較例3 実施例1で得た活性アルミナa自体を触媒(5)として
脱硝性能評価試料に用いた。触媒の脱硝性能評価試験 a.評価試験1 実施例1、実施例2、比較例1、比較例2および比較例
3の各触媒粉末を所定の形状に加圧成型した後、粉砕し
て粒度が250〜500μmになるように整粒し、次い
でこれらの整粒物を内径12mmのステンレス製反応管
に充填して常圧固定床反応装置内に装着した。次に、こ
の各触媒層に対してモデル排気ガスとして、NO 1,
000ppm、C 1,300ppm、O
%、HO 8%残部Nからなる混合ガスを空間速度
15,000hr−1で通過させた。
【0033】反応管出口ガス組成について、NOとNO
の濃度は化学発光式NOx計を用い、NOの濃度は
ポラパックQカラムを装着したガスクロマトグラフィー
熱伝導度検出器を用いてそれぞれを測定した。触媒層入
口温度を300〜600℃の範囲の所定温度に設定し、
各所定温度毎に反応管出口ガス組成が安定した時点の値
を測定値とした。モデル排気ガスが触媒層を通過するこ
とにより、反応ガス中のNOはNO、NOおよび/
またはNに転化されるが、反応ガスが触媒層入口温度
300℃以上において本発明の触媒層を通過させた場合
にはNOは殆ど生成しないことが判明したので、本発
明では脱硝率(NO転化率)は以下の式で表される。
【0034】 表1に上記性能評価試験1における触媒層入口温度40
0℃から500℃の間での最大脱硝率Cmax(%)と
その時の温度Tmax(℃)とを示す。
【0035】表1の結果から、本発明の実施例の触媒
(1)および(2)は、比較例の触媒(3)、(4)お
よび(5)に比べて、より優れた脱硝率を示すことが分
かる。
【0036】
【表1】 ────────────────────────────────── 活 性 触媒性能 実施番号 触 媒 アルミナ Cmax (%) Tmax(℃) ────────────────────────────────── 実施例1 Ag/Al(1) a 74.8 500 実施例2 〃 (2) a 70.3 550 比較例1 〃 (3) b 61.0 550 比較例2 〃 (4) a 22.5 500 比較例3 〃 (5) a 7.3 600 ──────────────────────────────────b.評価試験2 次に、評価試験1における空間速度のみを50,000
hr−1および70,000hr−1に変えた以外は評
価試験1と同様の手順で実施例1の触媒(1)の性能評
価を行った。
【0037】表2に上記空間速度における触媒層入口温
度300から600℃の間の最大脱硝率Cmax(%)
とその時の温度Tmax(℃)とを示す。表2の結果に
より本発明の実施例1の触媒(1)は、水蒸気共存下の
より短い接触時間、即ちより高い空間速度においても優
れた脱硝率を示すことが分かる。
【0038】
【表2】 ──────────────────────────── 触 媒 性 能 空間速度(hr−1) Cmax(%) Tmax(℃) ──────────────────────────── 50,000 75.1 500 70,000 87.5 500 ────────────────────────────
【0039】
【発明の効果】以上述べたように本発明の製造方法によ
り得られた脱硝触媒を用い、本発明の脱硝方法により排
気ガスの脱硝を行うときは、水蒸気の共存する酸素過剰
雰囲気下で、且つ高空間速度において高い転化率で排気
ガス中の窒素化合物の還元浄化を行うことができるの
で、実用性が高い発明であると言える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 35/10 301 H // C01F 7/02 G 9439−4G B01D 53/36 104 A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム塩水溶液とアルカリ水溶液
    の同時滴下によりアルミナ水和物を生成させた後、乾
    燥、焼成することにより、窒素ガス吸着法により測定さ
    れた細孔半径と細孔容積との関係が、細孔半径300オ
    ングストローム以下の細孔の占める細孔容積の合計値を
    Aとし、細孔半径50オングストローム以下の細孔の占
    める細孔容積の合計値をBとし、細孔半径100〜30
    0オングストロームの範囲の細孔の占める細孔容積の合
    計値をCとしたとき、BがAの30%以上であり、Cが
    Aの15%以下であるような細孔分布を有する活性アル
    ミナを得、該活性アルミナを担体とし、これに銀塩を担
    持させた後、乾燥、焼成することを特徴とする脱硝触媒
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 希薄空燃比で運転される内燃機関におけ
    る排気ガスを脱硝触媒層を通過させるようにした該排気
    ガスの脱硝方法において、該脱硝触媒層を構成する触媒
    が請求項1記載の製造方法により得られた脱硝触媒であ
    り、且つ脱硝触媒層を通過する排気ガスが該脱硝触媒層
    入口において400〜600℃の温度範囲であることを
    特徴とする脱硝方法。
  3. 【請求項3】 前記脱硝触媒層を通過する排気ガスの空
    間速度が10000hr−1以上であることを特徴とす
    る請求項2記載の脱硝方法。
JP6189831A 1994-07-20 1994-07-20 脱硝触媒の製造方法およびこれにより得られた触媒による脱硝方法 Pending JPH0824642A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000044231A (ja) * 1998-06-25 2000-02-15 Inst Fr Petrole 新規アルミナ、その調製方法および触媒、触媒の担体または吸着剤としてのその使用
CN109935279A (zh) * 2018-12-29 2019-06-25 国电环境保护研究院有限公司 一种电厂scr脱硝催化剂体积设计计算方法
CN112604696A (zh) * 2020-11-20 2021-04-06 沪东重机有限公司 一种用于船舶柴油机尾气净化的脱硝催化剂及其制备方法

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