JPH10174886A - 排ガス浄化用触媒層、排ガス浄化用触媒被覆構造体および排ガス浄化方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒層、排ガス浄化用触媒被覆構造体および排ガス浄化方法

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JPH10174886A
JPH10174886A JP9135892A JP13589297A JPH10174886A JP H10174886 A JPH10174886 A JP H10174886A JP 9135892 A JP9135892 A JP 9135892A JP 13589297 A JP13589297 A JP 13589297A JP H10174886 A JPH10174886 A JP H10174886A
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exhaust gas
fine pore
catalyst layer
waste gas
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JP9135892A
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Takeshi Naganami
武 長南
Taiji Sugano
泰治 菅野
Atsushi Kagakui
敦 加岳井
Kunihide Kayano
邦秀 茅野
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
NE Chemcat Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
NE Chemcat Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 希薄燃焼排ガス中のNOxを効率よく除去す
ることができる排ガス浄化用触媒層および触媒被覆構造
体と、これらを使用しての希薄燃焼排ガス中のNOxを
高効率、高信頼性をもって浄化する排ガス浄化方法を提
供する。 【解決手段】 窒素ガス吸着法により測定された細孔半
径と細孔容積の関係が、細孔半径が300オングストロ
ーム以下の細孔の占める細孔容積の合計値をXとし、細
孔半径が25オングストローム以上で100オングスト
ローム未満の細孔の占める細孔容積の合計値をYとし、
細孔半径が100オングストローム以上で300オング
ストローム以下の細孔の占める細孔容積の合計値をΖと
したとき、YがXの70%以上であり、ZがXの20%
以下であるような細孔構造を有するアルミナ担体に、銀
と、0.0001〜1重量%のロジウムとを含有させて
なる排ガス浄化用触媒層。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃焼排ガス、特に自
動車、ボイラー、ガスエンジン、ガスタービン、船舶な
どの移動式および固定式内燃機関の燃焼排ガス中に含ま
れる窒素酸化物の浄化に用いられる排ガス浄化用触媒層
および排ガス浄化用触媒被覆構造体に関し、さらに詳細
には希薄燃焼領域で運転される内燃機関から排出される
排ガス中の窒素酸化物を高い空間速度で、かつ高効率で
浄化可能な排ガス浄化用触媒層および浄化用触媒被覆構
造体と、これらを使用しての排ガス浄化方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】自動車をはじめとする内燃機関から排出
される各種の燃焼排ガス中には、燃焼生成物である水や
二酸化炭素と共に、一酸化窒素や二酸化窒素などの窒素
酸化物(NOx)が含まれている。ΝOxは人体、特に
呼吸器系に悪影響を及ぼすばかりでなく、地球環境保全
の上からも問題視される酸性雨の原因の1つとなつてい
る。そのため、これら各種の排ガスから効率よく窒素酸
化物を除去する脱硝技術の開発が望まれている。
【0003】他方において、地球温暖化防止の観点から
近年希薄燃焼方式の内燃機関が注目されている。従来の
自動車用ガソリンエンジンは、空燃比(A/F)=1
4.7付近で制御された化学量論比での燃焼であり、そ
の排ガス処理に対しては排ガス中の一酸化炭素、炭化水
素とNOxとを、主として白金、ロジウム、パラジウム
およびセリアを含むアルミナ触媒に接触させて有害三成
分を同時に除去する三元触媒方式が採用されてきた。
【0004】しかしながら、この三元触媒方式は、エン
ジンが化学量論比で運転されることが絶対条件であるた
め、希薄空燃比で運転される希薄燃焼ガソリンエンジン
の排ガス浄化には適用することができない。また、ディ
ーゼルエンジンは本来希薄燃焼エンジンであるが、その
排ガスに対しては浮遊粒子状物質とNOxの両方に厳し
い規制がかけられようとしている。
【0005】従来、酸素過剰雰囲気下でNOxを還元除
去する方法としては、還元ガスとして僅かな量でも選択
的に触媒に吸着するNHを使用する技術が既に確立さ
れている。この技術は、いわゆる固定発生源であるボイ
ラーやディーゼルエンジンからの排ガス脱硝方法として
工業化されている。しかしながら、この方法においては
未反応の還元剤の回収処理のための特別な装置を必要と
し、さらに臭気が強く有害なアンモニアを用いるので、
特に自動車などの移動発生源からの排ガス脱硝技術とし
ては危険性があり、適用できない。
【0006】近年、酸素過剰雰囲気の希薄燃焼排ガス中
に残存する未燃の炭化水素を還元剤として用いることに
より、NOx還元反応を促進させることができるという
報告がなされて以来、この還元反応を促進するための触
媒が種々開発され報告されている。例えば、アルミナや
アルミナに遷移金属を担持した触媒が、炭化水素を還元
剤として用いるNOx還元反応に有効であるとする数多
くの報告がある。また、特開平4−284848号公報
には0.1〜4重量%のCu,Fe,Cr,Zn,N
i,Vを含有するアルミナあるいはシリカ−アルミナを
ΝOx還元触媒として使用した例が報告されている。
【0007】さらに、Ptをアルミナに担持した触媒を
用いると、NOx還元反応が200〜300℃程度の低
温領域で進行することが、特開平4−267946号公
報、特開平5−68855号公報や特開平5−1039
49号公報などに報告されている。しかしながら、これ
らの担持貴金属触媒を用いた場合、還元剤である炭化水
素の燃焼反応が過度に促進されたり、地球温暖化の原因
物質の1つと言われているΝOが多量に副生し、無害
なNへの還元反応を選択的に進行させることが困難と
なるといった欠点を有していた。
【0008】本出願人の一方は、先に酸素過剰雰囲気下
で炭化水素を還元剤として銀を含有する触媒を用いると
NOx還元反応が選択的に進行することを見出し、この
技術を特開平4−281844号公報に開示した。この
開示の後においてさえも、銀を含有する触媒を用いる類
似のΝOx還元除去技術が特開平4−354536号公
報、特開平5−92124号公報、特開平5−9212
5号公報および特開平6−277454号公報などに開
示されている。
【0009】
【発明の解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の公報に記載されたアルミナ担持銀触媒は、水蒸気
共存下での脱硝性能が実用的にまだ不十分であった。
【0010】本発明は、上記従来技術の欠点を解決すべ
くなされたものであり、その目的とするところは、希薄
燃焼排ガス中のNOxを効率よく除去することができる
排ガス浄化用触媒層および触媒被覆構造体と、これらを
使用しての希薄燃焼排ガス中のNOxを高効率、高信頼
性をもって浄化する排ガス浄化方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水蒸気が
共存する希薄燃焼領域において高い脱硝性能を有する排
ガス浄化用触媒層および触媒被覆構造体と、これらを使
用しての排ガス浄化方法について鋭意研究を重ねた結
果、特定の細孔構造を有するアルミナに、銀および特定
量のロジウム、所望に応じさらに錫を含有する触媒層を
使用することにより上記した問題点を解決できることを
見出し本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、上記課題を解決するための本発
明の第1の実施態様は、窒素ガス吸着法により測定され
た細孔半径と細孔容積の関係が、細孔半径300オング
ストローム以下の細孔の占める細孔容積の合計値をΧと
し、細孔半径25オングストローム以上で100オング
ストローム未満の細孔の占める細孔容積の合計値をYと
し、細孔半径100オングストローム以上で300オン
グストローム以下の細孔の占める細孔容積の合計値をΖ
としたとき、YがΧの70%以上であり、ΖがΧの20
%以下であるような細孔構造を有するアルミナ担体に、
銀と、0.0001〜1重量%のロジウム、または銀
と、0.0001〜1重量%のロジウムと、さらには錫
とを含有させてなる排ガス浄化用触媒層を特徴とするも
のである。該触媒層は、粉体または成型した状態で排ガ
スの流通空間に配置するのが好ましい。
【0013】また、本発明の第2の実施態様は、多数の
貫通孔を有する耐火性材料からなる一体構造の支持基質
と、該支持基質における少なくとも該貫通孔の内表面に
上記の触媒層を被覆した排ガス浄化用触媒被覆構造体を
特徴とするものである。
【0014】またさらに、本発明の第3の実施態様は希
薄空燃比で運転される内燃機関の燃焼排ガスを触媒含有
層と接触させることからなる炭化水素を還元剤とする排
ガス中のNOxを除去する方法において、該触媒含有層
に含まれる触媒は前記第1の実施態様における触媒層ま
たは第2の実施態様における触媒被覆構造体である排ガ
ス浄化方法を特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の態様】以下、本発明の詳細およびその作
用についてさらに具体的に説明する。 (触媒の構造およびその製法)本発明の排ガス浄化用触
媒層の主成分の1つであるアルミナは、例えば鉱物学上
べーマイト、擬ベーマイト、バイアライト、あるいはノ
ルストランダイトに分類される水酸化アルミニウムの粉
体やゲルを、空気中あるいは真空中300〜800℃、
好ましくは400〜900℃で加熱脱水することによっ
て、結晶学的にγ一型、η−型、δ−型、χ−型あるい
はその混合型に分類されるアルミナに相転移させたもの
が脱硝性能上好ましい。他の結晶構造をとるアルミナ、
例えばα−型のアルミナは極端に比表面積が小さく固体
酸性にも乏しいので本発明の触媒成分としては不適当で
ある。
【0016】また、該アルミナは窒素ガス吸着法により
測定された細孔半径が300オングストローム以下の細
孔の占める細孔容積の合計値をΧとし、細孔半径が25
オングストローム以上で100オングストローム未満の
細孔の占める細孔容積の合計値をYとし、細孔半径が1
00オングストローム以上で300オングストローム以
下の細孔の占める細孔容積の合計値をΖとしたとき、Y
がΧの70%以上であり、ΖがΧの20%以下であるよ
うな細孔構造を有するアルミナであることが必要であ
る。細孔構造が、上記した条件を満たさないアルミナを
本発明の触媒層における担体として用いた場合には、こ
れにより構成される排ガス浄化用触媒層は水蒸気共存下
での排ガスの脱硝性能が不十分であった。従って、本発
明の触媒成分として有効なアルミナは、上記した結晶構
造および細孔特性を有するものが適切であるといえる。
【0017】本発明の排ガス浄化用触媒層は、以下のよ
うな触媒である。本発明にかかる触媒層は、上記した結
晶構造および細孔特性を有するアルミナに、銀とロジウ
ム、または銀と、ロジウムと、さらに錫とを含有させて
なるものである。アルミナに含有される銀とロジウム
(および錫)の状態は特に限定されず、例えば金属状
態、酸化物状態、合金状態、複合酸化物状態およびこれ
らの混合状態などが挙げられる。特に、希薄燃焼ガソリ
ン自動車などの内燃機関の燃焼排ガス組成は運転状態に
よってその都度変化するため、触媒層は還元雰囲気およ
び酸化雰囲気に曝され、触媒層を構成する金属の状態は
雰囲気により変化することが想定される。銀とロジウム
(および錫)の出発原料は特に限定されないが、水可溶
性塩の使用が好ましい。
【0018】そして、本発明にかかる触媒層におけるア
ルミナに、銀とロジウム(および錫)を含有させる方法
は特に限定されず従来から行われている手法、例えば吸
着法、ポアフィリング法、インシピエントウェットネス
法、蒸発乾固法、スプレー法などの含浸法や混練法およ
び物理混合法およびこれらの組合わせ法など通常採用さ
れている公知の方法を任意に採用することができる。こ
の場合、アルミナあるいはアルミナ前駆体物質に銀とロ
ジウム(および錫)の塩を同時に担持させた後、乾燥、
焼成してもよいし、銀とロジウム(および錫)の塩を逐
次的に担持させた後、乾燥、焼成してもよいが、脱硝性
能の点でアルミナあるいはアルミナ前駆体物質に予め銀
塩を担持させて乾燥した後、ロジウム(および錫)塩を
担持させて乾燥、焼成するか、あるいは銀塩を担持させ
た後、乾燥、焼成し、さらにロジウム(および錫)塩を
担持して乾燥、焼成した方が好ましい。また、前記のよ
うな特定の細孔構造をとるアルミナまたはアルミナ担体
の製造時に活性金属種を含有させる触媒製造法、例えば
アルミニウムアルコキシドのアルコール溶液を、銀塩と
ロジウム(および錫)塩のアルコール溶液と混合した
後、加熱し加水分解させるアルコキシド法や、アルミニ
ウム塩と銀塩とロジウム(および錫)塩の混合水溶液に
アルカリを添加して沈殿させる共沈法も適用できる。
【0019】触媒全体に対する金属換算での銀の含有量
は、特に限定されないが0.l〜10重量%であること
が好ましい。また、触媒全体に対する金属換算でのロジ
ウムの含有量は、0.0001〜1重量%とする必要が
ある。ロジウムの含有量が1重量%を超えると、還元剤
である炭化水素の焼成反応が過度に促進され銀の性能が
発揮されず脱硝性能が低下する。一方、ロジウムの含有
量が0.0001重量%未満の場合、ロジウムの添加に
よる相乗効果が十分に発揮されないので上記範囲とする
必要がある。さらに、触媒全体に対する金属換算での錫
の含有量は特に限定されないが、0.001〜5重量%
であることが好ましい。
【0020】乾燥温度は、特に限定するものではなく通
常80〜120℃程度で乾燥する。また、焼成温度は3
00〜1000℃、好ましくは400〜900℃程度で
ある。焼成温度が1000℃を超えると、α−型アルミ
ナへの相変態が起こるので好ましくない。このときの雰
囲気は特に限定されないが、触媒組成に応じて空気中、
不活性ガス中、酸素中などの各雰囲気を適宜選択すれば
よい。また、各雰囲気を一定時間毎に交互に代えてもよ
い。
【0021】本発明の第1の実施態様において、排ガス
浄化用の触媒層を形成するに際し、該触媒層は上記した
触媒を所定の形状に成型または粉末状態のまま目的とす
る排ガスが流通する一定の空間内に充填する。触媒層を
成型体とするに際して、その形状は特に制限されず、例
えば球状、円筒状、ハニカム状、螺旋状、粒状、ペレッ
ト状、リング状など種々の形状を採用することができ
る。これらの形状、大きさなどは使用条件に応じて任意
に選択すればよい。
【0022】次に、本発明の第2の実施態様の排ガス浄
化用触媒被覆構造体について説明する。ここでいう触媒
被覆構造体とは、多数の貫通孔を有する耐火性材料で構
成された一体構造の支持基質の少なくとも貫通孔の内表
面に触媒層を被覆した構造を有するものである。
【0023】該支持基質には、多数の貫通孔が排ガスの
流通方向に沿って設けられるが、その流通方向に垂直な
断面において、通常、開孔率60〜90%、好ましくは
70〜90%であって、その数は1平方インチ(5.0
6cm)当り30〜700個、好ましくは200〜6
00個である。触媒層は、少なくとも該貫通孔の内表面
に被覆されるが、その支持基質の端面や側面に被覆され
ていてもよい。
【0024】該耐火性支持基質の材質としては、α−型
アルミナ、ムライト、コージェライト、シリコンカーバ
イトなどのセラミックスやオーステナイト系、フェライ
ト系のステンレス鋼などの金属などが使用される。形状
もハニカムやフォームなどの慣用のものが使用できる
が、好ましいものは、コージェライト製やステンレス鋼
製のハニカム状の支持基質である。
【0025】該支持基質への触媒層の被覆方法として
は、−定の粒度に整粒した本発明の触媒をバインダーと
共に、またはバインダーを用いないで前記支持基質の少
なくとも貫通孔の内表面に被覆する、いわゆる通常のウ
ォッシュコート法やゾル−ゲル法が適用できる。また、
上記の支持基質に予めアルミナを被覆しておいて、これ
に本発明の触媒活性物質の担持処理を行って触媒被覆層
を形成してもよい。支持基質への触媒層の被覆量は限定
されないが、支持基質単位体積当り50〜250g/リ
ットル程度が好ましく、100〜200g/リットル程
度とすることがより好ましい。
【0026】次に、本発明の第3の実施態様の排ガス浄
化方法について説明する。本発明の第3の実施態様は、
第1の実施態様の触媒層や第2の実施態様の触媒被覆構
造体を使用して、これと排ガス中のCO、ΗCおよびΗ
といった還元性成分をNOxおよびOといった酸化
性成分で完全酸化するに要する化学量論量近傍から過剰
の酸素を含有する排ガスとを接触させることによって、
NOxはNとΗOにまで還元分解させると同時にΗ
Cなどの還元剤もCΟとΗOに酸化されるものであ
る。
【0027】ディーゼルエンジンの排ガスのように、排
ガスそのもののΗC/NOx比が低い場合には、排ガス
中にメタン換算濃度で数百〜数千ppm程度の燃料ΗC
を追加添加した後、本発明の触媒層と接触させるシステ
ムを採用すれば充分に高いNOx除去率を達成できる。
尚、ここでいうΗCとは、パラフィン系炭化水素、オレ
フィン系炭化水素および芳香族系炭化水素、アルコー
ル、アルデヒド、ケトン、エーテルなどの含酸素有機化
合物、ガソリン、灯油、軽油、A重油などを含んだもの
を意味する。
【0028】本発明による触媒層を用いて希薄空燃比の
領域で運転される内燃機関の燃焼排ガスを浄化する際の
ガス空間速度(SV)は特に限定されるものではない
が、SV5,000h−1以上で200,000h−1
以下とすることが好ましい。
【0029】そして、ガス組成を一定とした場合の脱硝
率は触媒の種類とΗCの種類に依存するが、本発明の触
媒層を用いた場合は、例えばC〜Cのパラフィン、
オレフィンおよびC〜Cの芳香族ΗCに対しては4
50〜600℃、C〜Cのパラフインおよびオレフ
ィンに対しては350〜550℃、C10〜C25のパ
ラフィンおよびオレフィンに対しては250〜500℃
で高い脱硝率を示すため触媒層入口温度を100℃以上
で700℃以下、好ましくは200℃以上で600℃以
下にすることが必要である。
【0030】
【実施例】以下に実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例に限
定されるものでない。 (1)アルミナの選定 使用アルミナ担体の選定のために、表1に示すような比
表面積と細孔分布を有する種々のγ−型アルミナにおい
て、a〜cが本発明の範囲に入るアルミナであり、d〜
gが本発明の範囲外のアルミナである。尚、a〜gのア
ルミナの細孔分布は、カルロエルバ社製のソープトマチ
ックにより測定した。
【0031】
【表1】 ──────────────────────────────── アルミナ 比表面積 細 孔 分 布 (m/g) Y/Χ(%) Ζ/Χ(%) ──────────────────────────────── a 241 83.2 2.4 b 219 87.0 3.9 c 174 88.4 4.4 d 199 47.0 0.7 e 177 68.5 4.9 f 241 51.0 45.9 g 266 71.1 22.7 ────────────────────────────────
【0032】以下に本発明の触媒層を構成するための調
製についての調製例を参考例として示す。 [実施例1]表1のγ−型アルミナaの前駆体物質であ
るアルミナ水和物300gを、硝酸銀16.1gを含む
500ミリリットルの水溶液に浸漬した後、撹拌しなが
ら加熱し水分を蒸発させた。これを110℃で通風乾燥
した後、空気中600℃で3時間焼成して触媒aを得
た。次に、触媒a100gを硝酸ロジウム水溶液(Rh
濃度5%)0.56gを含む500ミリリットルの水溶
液に浸漬した後、乾燥後の焼成温度を550℃とした以
外は前記と同様の方法にて触媒Aを得た。尚、触媒Aに
おける金属換算でのAgおよびRhの含有量は、触媒全
体に対してそれぞれ4.5重量%、0.01重量%であ
る。
【0033】[実施例2〜実施例6および比較例1〜比
較例6]同様に、表1に示すγ−型アルミナb〜gが得
られる前駆体物質であるアルミナ水和物を用いた以外
は、実施例1と同様にしてそれぞれ触媒B(実施例
2)、触媒C(実施例3)、触媒D(比較例1)、触媒
E(比較例2)、触媒F(比較例3)、触媒G(比較例
4)を得た。また、実施例1の触媒Aの調製に際し、銀
の含有量を3.7重量%とした以外は実施例1と同様に
して触媒Η(実施例4)を、またロジウムの含有量を0
重量%、0.004重量%、0.3重量%、2重量%と
した以外は実施例1と同様にして、それぞれ触媒Ι(比
較例5)、触媒J(実施例5)、触媒K(実施例6)お
よび触媒L(比較例6)を得た。
【0034】[比較例7]実施例1において、銀を含有
しない以外は実施例1と同様にして触媒Mを得た。
【0035】[実施例7]表1のγ−型アルミナaの前
駆体物質であるアルミナ水和物300gを、硝酸銀1
6.1gを含む500ミリリットルの水溶液に浸漬した
後、撹拌しながら加熱し水分を蒸発させた。これを11
0℃で通風乾燥後、空気中600℃で3時間焼成して触
媒aを得た。次に、触媒a100gを硝酸ロジウム水溶
液(Rh濃度5%)0.22gおよび塩化第二錫5水和
物0.3gを含む500ミリリットルの水溶液に浸漬し
た後、乾燥後の焼成温度を550℃とした以外は前記実
施例1と同様の方法にて触媒Nを得た。尚、触媒Nにお
ける金属換算でのAg、RhおよびSnの含有量は、触
媒全体に対してそれぞれ4.5重量%、0.004重量
%、0.1重量%である。
【0036】[実施例8〜実施例13および比較例8]
また実施例7の触媒Nの調製に際し、ロジウムの含有量
を0.0008重量%、0.01重量%、2重量%とし
た以外は実施例7と同様にして、それぞれ触媒O(実施
例8)、触媒P(実施例9)および触媒Q(比較例8)
を、また銀の含有量を3.7重量%、5重量%とした以
外は実施例7と同様にして、それぞれ触媒R(実施例1
0)および触媒S(実施例11)を、さらに錫の含有量
を0.05重量%、0.2重量%とした以外は実施例7
と同様にしてそれぞれ触媒T(実施例12)および触媒
U(実施例13)を得た。
【0037】[実施例14]ハニカム触媒の製造 上記の粉末触媒Aの60gを、アルミナゾル(Al
固形分10重量%)8gおよび水120ミリリットル
と共にボールミルポットに仕込み、湿式粉砕してスラリ
ーを得た。このスラリーの中に、市販の400cpsi
(セル/inch)コージェライトハニカム基質から
くり貫かれた直径1インチ、長さ2.5インチの円筒状
コアを浸漬し、引き上げた後余分のスラリーをエアーブ
ローで除去し乾燥した。その後、500℃で30分焼成
し、ハニカム1リットル当たりドライ換算で150gの
固形分を被覆して0.01%Rh−4.5%Αg/A1
組成のハニカム触媒Vを得た。
【0038】[実施例15]実施例14において、粉末
触媒Aの代わりに粉末触媒Nを用いた以外は実施例14
と同様にして、0.1%Sn−0.004%Rh/4.
5%Αg/A1組成のハニカム触媒Wを得た。
【0039】以下に上記した実施例1〜15および比較
例1〜8の触媒を用いて形成した排ガス浄化用触媒層に
ついて、種々の条件下において脱硝性能を評価した結果
について述べる。 [性能評価例1]実施例1の触媒Αを加圧成型した後、
粉砕して粒度を350〜500μmに整粒し、内径21
mmのステンレス製反応管に充填して触媒層を形成し、
これを常圧固定床流通反応装置に装着した。この触媒層
に、モデル排ガスとしてNΟ:750ppm、灯油(C
):4500ppm、O:10%、ΗO:10
%、残部:Nからなる混合ガスを空間速度(SV)7
8,000h−1で通過させた。反応管出口ガス組成の
分析において、NOとNOの濃度については化学発光
式NOx計で測定し、NO濃度はΡorapack
Qカラムを装着したガスクロマトグラフ・熱伝導度検出
器を用いて測定した。この際、触媒層入口温度を100
〜700℃の範囲の所定温度に設定し、各所定温度毎に
反応管出口ガス組成が安定した時点の値を用い、脱硝率
を以下の式1で定義した。また、本発明のいずれの触媒
層でもNOおよびNOは殆ど生成しなかった。
【0040】
【式1】
【0041】実施例2〜13および比較例1〜8の触媒
についても同様なモデルガス評価を行った。表2に、上
記実施例および比較例の触媒について触媒層温度425
℃のときの脱硝率C425(%)を示す。本発明の実施
例1〜13の触媒A〜C、Η、J、K、N、O、P,R
〜Uおよび比較例5の触媒Ιは、比較例1〜4、6〜8
の触媒D〜G、L、MおよびQに比べ70%以上の高い
脱硝性能を示した。
【0042】[性能評価例2]性能評価例1において、
実施例14と15のハニカム触媒VとWをそれぞれ直径
15mm、長さ32mmの円筒状に加工し、内径15m
mのステンレス製反応管に充填して触媒層を形成した。
該触媒層に対して、フィードするガスの空間速度(S
V)を13,000h−1とした以外は性能評価例1と
同様のモデルガスによる評価試験を行ない、その結果を
性能評価例1の結果とともに表2に示す。表2に示すよ
うに、それぞれのハニカム触媒V、Wを用いた触媒層で
も70%以上の高い脱硝性能を示すことがわかる。
【0043】
【表2】 ─────────────────────── 触 媒 脱硝率(%) ─────────────────────── 実施例1 触媒A 76.7 実施例2 触媒Β 71.9 実施例3 触媒C 72.9 比較例1 触媒D 17.6 比較例2 触媒E 2.5 比較例3 触媒F 24.6 比較例4 触媒G 23.9 実施例4 触媒Η 70.2 比較例5 触媒I 87.8 実施例5 触媒J 73.4 実施例6 触媒K 70.3 比較例6 触媒L 3.7 比較例7 触媒M 29.3 実施例7 触媒N 83.0 実施例8 触媒O 89.2 実施例9 触媒P 73.3 比較例8 触媒Q 3.5 実施例10 触媒R 82.1 実施例11 触媒S 75.4 実施例12 触媒T 79.4 実施例13 触媒U 73.5 実施例14 触媒V 70.0 実施例15 触媒W 71.0 ────────────────────────
【0044】[性能評価例3]実施例1、実施例5、実
施例7、実施例8および比較例5の触媒A、J、N、O
およびIを用いた触媒層について性能評価例1のガス組
成にさらにSOを50ppm共存させて1時間反応を
行った。表3に、1時間後の触媒層温度425℃での各
触媒の脱硝率C425(%)を示す。本発明の実施例の
触媒A、J、N、Oは、比較例の触媒Iに比べ1時間後
でも40%以上の活性を維持した。
【0045】
【表3】 ─────────────────────── 触 媒 1時間後の脱硝率(%) ─────────────────────── 実施例1 46.2 実施例5 48.5 実施例7 44.5 実施例8 43.0 比較例5 31.4 ───────────────────────
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明による排ガス浄化
用触媒層と排ガス浄化用触媒被覆構造体、およびこれら
を用いた排ガス浄化方法によれば、水蒸気が共存する希
薄燃焼排ガス中に含まれる窒素酸化物を高い脱硝率で還
元浄化できること、また高いSOx耐久性を有すること
から内燃機関の燃焼排ガス中の窒素酸化物の浄化に有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01D 53/36 102A 102B (72)発明者 加岳井 敦 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 (72)発明者 茅野 邦秀 東京都港区浜松町2丁目4番1号 エヌ・ イーケムキャット株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素ガス吸着法により測定された細孔半
    径と細孔容積の関係が、細孔半径が300オングストロ
    ーム以下の細孔の占める細孔容積の合計値をXとし、細
    孔半径が25オングストローム以上で100オングスト
    ローム未満の細孔の占める細孔容積の合計値をYとし、
    細孔半径が100オングストローム以上で300オング
    ストローム以下の細孔の占める細孔容積の合計値をΖと
    したとき、YがXの70%以上であり、ZがXの20%
    以下であるような細孔構造を有するアルミナ担体に、銀
    と、0.0001〜1重量%のロジウムとを含有させて
    なることを特徴とする排ガス浄化用触媒層。
  2. 【請求項2】 前記アルミナ担体に、さらに錫を含有せ
    しめてなることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化
    用触媒層。
  3. 【請求項3】 多数の貫通孔を有する耐火性材料からな
    る一体構造の支持基質における少なくとも貫通孔の内表
    面に、請求項1または2記載の触媒層を被覆してなるこ
    とを特徴とする排ガス浄化用触媒被覆構造体。
  4. 【請求項4】 希薄空燃比で運転される内燃機関の燃焼
    排ガスを、触媒含有層と接触させることからなる炭化水
    素を還元剤とする排ガス浄化方法において、前記触媒含
    有層に含まれる触媒は請求項1または2記載の排ガス浄
    化用触媒層であることを特徴とする排ガス浄化方法。
  5. 【請求項5】 希薄空燃比で運転される内燃機関の燃焼
    排ガスを、触媒含有層と接触させることからなる炭化水
    素を還元剤とする排ガス浄化方法において、前記触媒含
    有層に含まれる触媒は請求項3記載の排ガス浄化用触媒
    被覆構造体で構成されていることを特徴とする排ガス浄
    化方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100680324B1 (ko) * 2005-06-23 2007-02-08 에스케이 주식회사 자동차 배기가스의 질소 산화물 저감용 촉매 조성물
KR100766725B1 (ko) * 2006-05-24 2007-10-12 에스케이에너지 주식회사 배기가스 재순환 라인을 구비한 디젤 엔진의 배기가스 정화장치
WO2007136148A1 (en) * 2006-05-24 2007-11-29 Sk Energy Co., Ltd. Exhaust gas purifying device for diesel engine with exhaust gas recirculation line
JP2009247975A (ja) * 2008-04-04 2009-10-29 Toyota Motor Corp 自動車排ガス浄化触媒
JP2010504205A (ja) * 2006-09-20 2010-02-12 ビーエーエスエフ、カタリスツ、エルエルシー 排気ガス流中のNOxを減少させる触媒及び製造方法

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