JPH10174887A - 排ガス浄化用触媒層、排ガス浄化用触媒被覆構造体および排ガス浄化方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒層、排ガス浄化用触媒被覆構造体および排ガス浄化方法

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JPH10174887A
JPH10174887A JP9157559A JP15755997A JPH10174887A JP H10174887 A JPH10174887 A JP H10174887A JP 9157559 A JP9157559 A JP 9157559A JP 15755997 A JP15755997 A JP 15755997A JP H10174887 A JPH10174887 A JP H10174887A
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catalyst
exhaust gas
fine pore
waste gas
gas cleaning
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JP9157559A
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Takeshi Naganami
武 長南
Taiji Sugano
泰治 菅野
Atsushi Kagakui
敦 加岳井
Kunihide Kayano
邦秀 茅野
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
NE Chemcat Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
NE Chemcat Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 希薄燃焼排ガス中のNOxを効率よく除去す
ることができる排ガス浄化用触媒層および触媒被覆構造
体と、これらを使用して希薄燃焼排ガス中のNOxを高
効率、高信頼性をもって浄化する排ガス浄化方法を提供
する。 【解決手段】 窒素ガス吸着法により測定された細孔半
径と細孔容積の関係が、細孔半径が300オングストロ
ーム以下の細孔の占める細孔容積の合計値をXとし、細
孔半径が25オングストローム以上で100オングスト
ローム未満の細孔の占める細孔容積の合計値をYとし、
細孔半径が100オングストローム以上で300オング
ストローム以下の細孔の占める細孔容積の合計値をΖと
したとき、YがXの70%以上であり、ZがXの20%
以下であるような細孔構造を有するアルミナ担体に、銀
と、0.05重量%以上で5重量%未満のシリカまたは
チタニアとを含有させてなる排ガス浄化用触媒層。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃焼排ガス、特に自
動車、ボイラー、ガスエンジン、ガスタービン、船舶な
どの移動式および固定式内燃機関の燃焼排ガス中に含ま
れる窒素酸化物の浄化に用いられる排ガス浄化用触媒層
および排ガス浄化用触媒被覆構造体に関し、さらに詳細
には希薄燃焼領域で運転される内燃機関から排出された
排ガス中の窒素酸化物を高い空間速度で、かつ高効率で
浄化可能な排ガス浄化用触媒層と排ガス浄化用触媒被覆
構造体およびこれらを使用しての排ガス浄化方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】自動車をはじめとする内燃機関から排出
される各種の燃焼排ガス中には、燃焼生成物である水や
二酸化炭素と共に、一酸化窒素や二酸化窒素などの窒素
酸化物(NOx)が含まれている。ΝOxは人体、特に
呼吸器系に悪影響を及ぼすばかりでなく、地球環境保全
の上からも問題視される酸性雨の原因の1つとなつてい
る。そのため、これら各種の排ガスから効率よく窒素酸
化物を除去する脱硝技術の開発が望まれている。
【0003】他方において、地球温暖化防止の観点から
近年希薄燃焼方式の内燃機関が注目されている。従来の
自動車用ガソリンエンジンは、空燃比(A/F)=1
4.7付近で制御された化学量論比での燃焼であり、そ
の排ガス処理に対しては排ガス中の一酸化炭素、炭化水
素とNOxとを、主として白金、ロジウム、パラジウム
およびセリアを含むアルミナ触媒に接触させて有害三成
分を同時に除去する三元触媒方式が採用されてきた。
【0004】しかし、この三元触媒方式は、エンジンが
化学量論比で運転されることが絶対条件であるため、希
薄空燃比で運転される希薄燃焼ガソリンエンジンの排ガ
ス浄化には適用することができない。また、ディーゼル
エンジンは本来希薄燃焼エンジンであるが、その排ガス
に対しては浮遊粒子状物質とNOxの両方に厳しい規制
がかけられようとしている。
【0005】従来、酸素過剰雰囲気下でNOxを還元除
去する方法としては、還元ガスとして僅かな量でも選択
的に触媒に吸着するNHを使用する技術が既に確立さ
れている。この技術は、いわゆる固定発生源であるボイ
ラーやディーゼルエンジンからの排ガス脱硝方法として
工業化されている。しかし、この方法においては未反応
の還元剤の回収処理のための特別な装置を必要とし、ま
た臭気が強く有害なアンモニアを用いるので、自動車な
どの移動発生源からの排ガス脱硝技術としては危険性が
あり適用できない。
【0006】近年、酸素過剰雰囲気の希薄燃焼排ガス中
に残存する未燃の炭化水素を還元剤として用いることに
より、NOx還元反応を促進させることができるという
報告がなされて以来、この還元反応を促進するための触
媒が種々開発され報告されている。例えば、アルミナや
アルミナに遷移金属を担持した触媒が、炭化水素を還元
剤として用いるNOx還元反応に有効であるとする数多
くの報告がある。また、特開平4−284848号公報
には0.1〜4重量%のCu、Fe、Cr、Zn、N
i、Vを含有するアルミナあるいはシリカ−アルミナを
ΝOx還元触媒として使用した例が報告されている。
【0007】さらに、Ptをアルミナに担持した触媒を
用いると、NOx還元反応が200〜300℃程度の低
温領域で進行することが特開平4−267946号公
報、特開平5−68855号公報や特開平5−1039
49号公報などに報告されている。しかしながら、これ
らの担持貴金属触媒を用いた場合、還元剤である炭化水
素の燃焼反応が過度に促進されたり、地球温暖化の原因
物質の1つといわれているΝOが多量に副生し、無害
なNへの還元反応を選択的に進行させることが困難と
なるといった欠点を有していた。
【0008】本出願人の一方は、先に酸素過剰雰囲気下
で炭化水素を還元剤として銀を含有する触媒を用いると
NOx還元反応が選択的に進行することを見出し、この
技術を特開平4−281844号公報に開示した。この
開示がなされた後においても、銀を含有する触媒を用い
る類似のΝOx還元除去技術が特開平4−354536
号公報、特開平5−92124号公報、特開平5−92
125号公報および特開平6−277454号公報など
に開示されている。
【0009】
【発明の解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の公報に記載されたアルミナ担持銀触媒は、SOx
および水蒸気共存下での脱硝性能が実用的に未だ不十分
であった。
【0010】本発明は、上記従来技術の欠点を解決すべ
くなされたものであり、その目的とするところは、希薄
燃焼排ガス中のNOxを効率よく除去することができる
排ガス浄化用触媒層および触媒被覆構造体と、これらを
使用して希薄燃焼排ガス中のNOxを高効率、高信頼性
をもって浄化する排ガス浄化方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、SOxと
水蒸気が共存する希薄燃焼領域において高い脱硝性能を
有する排ガス浄化用触媒層および排ガス浄化用触媒被覆
構造体と、これらを使用しての排ガス浄化方法について
鋭意研究を重ねた結果、特定の細孔構造を有するアルミ
ナに、銀と、シリカまたはチタニアとを微量含有する触
媒を使用することにより上記した問題点を解決できるこ
とを見出し本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、上記課題を解決するための本発
明の第1の実施態様は、窒素ガス吸着法により測定され
た細孔半径と細孔容積の関係が、細孔半径300オング
ストローム以下の細孔の占める細孔容積の合計値をΧと
し、細孔半径25オングストローム以上で100オング
ストローム未満の細孔の占める細孔容積の合計値をYと
し、細孔半径100オングストローム以上で300オン
グストローム以下の細孔の占める細孔容積の合計値をΖ
としたとき、YがΧの70%以上であり、ΖがΧの20
%以下であるような細孔構造を有するアルミナ担体に、
銀と、0.05重量%以上で5重量%未満のシリカまた
はチタニアとを含有させてなる排ガス浄化用触媒層を特
徴とするものである。該触媒層は、粉体または成型した
状態で排ガスの流通空間に配置するのが好ましい。
【0013】また、本発明の第2の実施態様は、多数の
貫通孔を有する耐火性材料からなる一体構造の支持基質
における少なくとも貫通孔の内表面に上記の触媒層を被
覆してなる排ガス浄化用触媒被覆構造体を特徴とするも
のである。
【0014】またさらに、本発明の第3の実施態様は、
希薄空燃比で運転される内燃機関の燃焼排ガスを触媒含
有層と接触させることからなる炭化水素を還元剤とする
排ガス中のNOxを除去する方法において、該触媒含有
層に含まれる触媒は前記第1の実施態様における触媒層
または第2の実施態様における触媒被覆構造体である排
ガス浄化方法を特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の態様】以下、本発明の詳細およびその作
用についてさらに具体的に説明する。 (触媒の構造およびその製法)本発明の排ガス浄化用触
媒層の主成分の1つであるアルミナは、例えば鉱物学上
べーマイト、擬ベーマイト、バイアライト、あるいはノ
ルストランダイトに分類される水酸化アルミニウムの粉
体やゲルを、空気中あるいは真空中300〜800℃、
好ましくは400〜900℃で加熱脱水することによっ
て、結晶学的にγ−型、η−型、δ−型、χ−型あるい
はその混合型に分類されるアルミナに相転移させたもの
が脱硝性能上好ましい。他の結晶構造をとるアルミナ、
例えばα−型のアルミナは極端に比表面積が小さく固体
酸性にも乏しいので本発明の触媒成分としては不適当で
ある。
【0016】また、該アルミナは窒素ガス吸着法により
測定された細孔半径が300オングストローム以下の細
孔の占める細孔容積の合計値をΧとし、細孔半径が25
オングストローム以上で100オングストローム未満の
細孔の占める細孔容積の合計値をYとし、細孔半径が1
00オングストローム以上で300オングストローム以
下の細孔の占める細孔容積の合計値をΖとしたとき、Y
がΧの70%以上であり、ΖがΧの20%以下であるよ
うな細孔構造を有するアルミナであることが必要であ
る。細孔構造が、上記した条件を満たさないアルミナを
本発明の触媒における担体として用いた場合には、これ
により構成される排ガス浄化用触媒層はSOxおよび水
蒸気共存下での排ガスの脱硝性能が不十分であった。従
って、本発明の触媒成分として有効なアルミナは、上記
した結晶構造および細孔特性を有するものが適切である
といえる。
【0017】本発明の排ガス浄化用触媒層は、以下のよ
うな触媒である。本発明にかかる触媒層は、上記した結
晶構造および細孔特性を有するアルミナに、銀と、0.
05重量%以上で5重量%未満のシリカまたはチタニア
とを含有させてなるものである。アルミナに含有される
銀と、シリカまたはチタニアの状態は特に限定されず、
例えば銀の場合には金属状態、酸化物状態およびこれら
の混合状態などが挙げられ、またシリカまたはチタニア
の場合には酸化物状態、局所的な複合酸化物状態および
これらの混合状態などが挙げられる。特に、希薄燃焼ガ
ソリン自動車などの内燃機関の燃焼排ガス組成は運転状
態によってその都度変化するため、触媒は還元雰囲気お
よび酸化雰囲気に曝される。従って、触媒を構成する活
性金属の状態は雰囲気により変化することが想定され
る。銀とシリカまたはチタニアの出発原料は特に限定さ
れない。
【0018】そして、本発明にかかる触媒層におけるア
ルミナに、銀と、シリカまたはチタニアとを含有させる
方法は特に限定されず従来から行われている手法、例え
ば吸着法、ポアフィリング法、インシピエントウェット
ネス法、蒸発乾固法、スプレー法などの含浸法、混練
法、物理混合法およびこれらの組合せ法など通常採用さ
れている公知の方法を任意に採用することができる。こ
の場合、アルミナあるいはアルミナ前駆体物質に銀源
と、シリカ源またはチタニア源とを同時に担持させた
後、乾燥、焼成してもよいし、銀源と、シリカ源または
チタニア源を逐次的に担持させた後、乾燥、焼成しても
よい。また前記のような特定の細孔構造をとるアルミナ
またはアルミナ担体の製造時に活性金属種を含有させる
触媒製造法、例えば、アルミニウムアルコキシドのアル
コール溶液と、銀源およびシリカ源またはチタニア源の
各塩のアルコール溶液を混合後、加熱し加水分解させる
アルコキシド法や、アルミニウム源と銀源およびシリカ
源またはチタニア源の混合水溶液にアルカリを添加して
沈殿させる共沈法も適用できる。
【0019】触媒全体に対する酸化物換算での銀の含有
量は、特に限定されないが0.1〜10重量%であるこ
とが好ましい。一方、触媒全体に対する酸化物換算での
シリカまたはチタニアの含有量は、0.05重量%以上
で5重量%未満、好ましくは0.1〜3重量%とする必
要がある。シリカまたはチタニアの含有量が5重量%以
上であるとSOxと水蒸気共存下での耐久性能が低下す
る。また、0.05重量%未満の場合、シリカまたはチ
タニアの添加による相乗効果が十分に発揮されないので
上記範囲とする必要がある。
【0020】乾燥温度は、特に限定されるものではなく
通常80〜120℃程度で乾燥する。また、焼成温度は
300〜1000℃、好ましくは400〜900°C程
度である。焼成温度が1000℃を超えると、α−型の
アルミナへの相変態が起こるので好ましくない。このと
きの雰囲気は特に限定されないが、触媒組成に応じて空
気中、不活性ガス中、酸素中などの各雰囲気を適宜選択
すればよく、また各雰囲気を一定時間毎に交互に代えて
もよい。
【0021】本発明の第1の実施態様において、排ガス
浄化用の触媒層を形成するに際し、該触媒層は上記した
触媒を所定の形状に成型または粉末状態のまま目的とす
る排ガスが流通する一定の空間内に充填する。触媒層を
成型体とするに際して、その形状は特に制限されず、例
えば球状、円筒状、ハニカム状、螺旋状、粒状、ペレッ
ト状、リング状など種々の形状を採用することができ
る。これらの形状、大きさなどは使用条件に応じて任意
に選択すればよい。
【0022】次に、本発明の第2の実施態様の排ガス浄
化用触媒被覆構造体について説明する。ここでいう触媒
被覆構造体とは、多数の貫通孔を有する耐火性材料で構
成された一体構造の支持基質の少なくとも貫通孔の内表
面に上記した触媒層を被覆した構造を有するものであ
る。
【0023】該支持基質には、多数の貫通孔が排ガスの
流通方向に沿って設けられるが、その流通方向に垂直な
断面において、通常、開孔率60〜90%、好ましくは
70〜90%であって、その数は1平方インチ(5.0
6cm)当り30〜700個、好ましくは200〜6
00個である。触媒層は、少なくとも該貫通孔の内表面
に被覆されるが、その支持基質の端面や側面に被覆され
ていてもよい。
【0024】該耐火性支持基質の材質としては、α−型
のアルミナ、ムライト、コージェライト、シリコンカー
バイトなどのセラミックスやオーステナイト系、フェラ
イト系のステンレス鋼などの金属などが使用される。形
状もハニカムやフォームなどの慣用のものが使用できる
が、好ましいものは、コージェライト製やステンレス鋼
製のハニカム状の支持基質である。
【0025】該支持基質への触媒の被覆方法としては、
−定の粒度に整粒した本発明の触媒をバインダーと共
に、またはバインダーを用いないで前記支持基質の内表
面に被覆する、いわゆる通常のウォッシュコート法やゾ
ル−ゲル法が適用できる。また、上記の支持基質に予め
アルミナを被覆しておいて、これに本発明の触媒活性物
質の担持処理を行って触媒被覆層を形成してもよい。支
持基質への触媒層の被覆量は限定されないが、支持基質
単位体積当り50〜250g/リットル程度が好まし
く、100〜200g/リットル程度とすることがより
好ましい。
【0026】次に、本発明の第3の実施態様の排ガス浄
化方法について説明する。本発明の第3の実施態様は、
第1の実施態様の触媒層や第2の実施態様の触媒被覆構
造体を使用して、これと排ガス中のCO、ΗCおよびΗ
といった還元性成分をNOxおよびOといった酸化
性成分で完全酸化するに要する化学量論量近傍から過剰
の酸素を含有する排ガスとを接触させることによって、
NOxはNとΗOにまで還元分解されると同時にΗ
Cなどの還元剤もCΟとΗOに酸化される。
【0027】ディーゼルエンジンの排ガスのように、排
ガスそのもののΗC/NOx比が低い場合には、排ガス
中にメタン換算濃度で数百〜数千ppm程度の燃料ΗC
を追加添加した後、本発明の触媒と接触させるシステム
を採用すれば充分に高いNOx除去率を達成できる。
尚、ここでいうΗCとは、パラフィン系炭化水素、オレ
フィン系炭化水素および芳香族系炭化水素、アルコー
ル、アルデヒド、ケトン、エーテルなどの含酸素有機化
合物、ガソリン、灯油、軽油、A重油などを含んだもの
を意味する。
【0028】本発明による触媒層を用いて、希薄空燃比
の領域で運転される内燃機関の燃焼排ガスを浄化する際
のガス空間速度(SV)は、特に限定されるものではな
いが、SV5,000h−1以上で200,000h
−1以下とすることが好ましい。
【0029】そして、ガス組成を一定とした場合の脱硝
率は触媒の種類とΗCの種類に依存するが、本発明の触
媒層を用いた場合は、例えばC〜Cのパラフィン、
オレフィンおよびC〜Cの芳香族ΗCに対しては4
50〜600℃、C〜Cのパラフインおよびオレフ
ィンに対しては350〜550℃、C10〜C25のパ
ラフィンおよびオレフィンに対しては250〜500℃
で高い脱硝率を示すため触媒層入口温度を100℃以上
で700℃以下、好ましくは200℃以上で600℃以
下にすることが適切である。
【0030】
【実施例】以下に実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例に限
定されるものでない。 (1)アルミナの選定 使用アルミナ担体の選定のために、表1に示すような比
表面積と細孔分布を有する種々のγ−型のアルミナにお
いて、a〜cが本発明の範囲に入るアルミナであり、d
〜gが本発明の範囲外のアルミナである。尚、a〜gの
アルミナの細孔分布は、カルロエルバ社製のソープトマ
チックにより測定した。
【0031】
【表1】 ─────────────────────────────── アルミナ 比表面積 細 孔 分 布 (m/g) Y/Χ(%) Ζ/Χ(%) ─────────────────────────────── a 241 83.2 2.4 b 219 87.0 3.9 c 174 88.4 4.4 d 199 47.0 0.7 e 177 68.5 4.9 f 241 51.0 45.9 g 266 71.1 22.7 ───────────────────────────────
【0032】[実施例1]表1のγ−型のアルミナaの
前駆体物質であるアルミナ水和物300gを、硝酸銀1
6.1gおよびシリカゾル(SiO:20重量%)9
gを含む500ミリリットルの水溶液に浸漬した後、撹
拌しながら加熱し水分を蒸発させた。これを110℃で
通風乾燥後、空気中550℃で3時間焼成して触媒Aを
得た。なお、触媒Aにおける金属換算でのAgの含有量
は4.5重量%、酸化物換算でのSiOの含有量は
0.8重量%である。
【0033】[実施例2〜実施例9および比較例1〜比
較例8]同様に、表1に示すγ−型のアルミナb〜gが
得られる前駆体物質であるアルミナ水和物を用いた以外
は、実施例1と同様にしてそれぞれ触媒B(実施例
2)、触媒C(実施例3)、触媒D(比較例1)、触媒
E(比較例2)、触媒F(比較例3)、触媒G(比較例
4)を得た。また、実施例1の触媒Aの調製に際し、銀
の含有量を0重量%、3重量%、8重量%とした以外は
実施例1と同様にしてそれぞれ触媒Η(比較例5)、触
媒I(実施例4)、触媒J(実施例5)を、シリカの含
有量を0重量%、0.02重量%、0.1重量%、1.
2重量%、3重量%、5重量%とした以外は実施例1と
同様にして、それぞれ触媒K(比較例6)、触媒L(比
較例7)、触媒M(実施例6)、触媒N(実施例7)、
触媒O(実施例8)、触媒P(比較例8)を、さらにシ
リカゾルの代わりにチタニアゾル(TiO:30重量
%)6gを用いた以外は実施例1と同様にして触媒Q
(実施例9)を得た。
【0034】[実施例10](ハニカム触媒の製造)上
記の粉末触媒Aの60gを、アルミナゾル(Al
固形分10重量%)8gおよび水120ミリリットルと
共にボールミルポットに仕込み、湿式粉砕してスラリー
を得た。このスラリーの中に、市販の400cpsi
(セル/inch)コージェライトハニカム基質から
くり貫かれた直径1インチ、長さ2.5インチの円筒状
コアを浸漬し、引き上げた後余分のスラリーをエアーブ
ローで除去し乾燥した。その後、500℃で30分焼成
し、ハニカム1リットル当たりドライ換算で150gの
固形分を被覆してハニカム触媒R(実施例10)を得
た。
【0035】以下に上記した実施例1〜10および比較
例1〜8の触媒を用いて形成した排ガス浄化用触媒につ
いて、種々の条件下において脱硝性能を評価した結果に
ついて述べる。 [性能評価例1]実施例1の触媒Αを加圧成型した後、
粉砕して粒度を350〜500μmに整粒し、内径21
mmのステンレス製反応管に充填して触媒層を形成し、
これを常圧固定床流通反応装置に装着した。この触媒層
に、モデル排ガスとしてNΟ:750ppm、灯油(C
):4500ppm、O:10%、ΗO:10
%、残部:Nからなる混合ガスを空間速度78,00
0h−1で通過させた。反応管出口ガス組成の分析にお
いて、NOとNOの濃度については化学発光式NOx
計で測定し、NO濃度はΡorapack Qカラム
を装着したガスクロマトグラフ・熱伝導度検出器を用い
て測定した。触媒層入口温度を100〜700℃の範囲
の所定温度に設定し、各所定温度毎に反応管出口ガス組
成が安定した時点の値を用い、脱硝率を以下の式で定義
した。また、本発明のいずれの触媒でもNOおよびN
は殆ど生成しなかった。
【0036】
【式1】
【0037】実施例2〜9および比較例1〜8の触媒に
ついても同様なモデルガス評価を行った。表2に、上記
実施例および比較例の触媒について触媒層温度425℃
のときの脱硝率C425(%)を示す。本発明の実施例
の触媒A〜C、I、J、M、N、O、Qおよび比較例の
触媒K、L、Pは、比較例の触媒D〜Hに比べ70%以
上の高い脱硝性能を示した。
【0038】[性能評価例2]性能評価例1において、
実施例10のハニカム触媒Rを直径15mm、長さ32
mmの円筒状に加工し、内径15mmのステンレス製反
応管に充填した。該触媒層に対して、フィードするガス
の空間速度を13,000h−1とした以外は性能評価
例1と同様のモデルガスによる評価試験を行い性能評価
例1の結果とともに表2に示す。表2に示されるよう
に、ハニカム触媒Rからなる触媒層でも70%以上の高
い脱硝性能を示すことがわかる。
【0039】
【表2】
【0040】[性能評価例3]実施例1、実施例7、比
較例6、比較例7および比較例8の触媒A、N、K、L
およびPについて性能評価例1のガス組成にさらにSO
を50ppm共存させて耐久試験を行った。表3に、
触媒層温度425℃での1時間後と活性が安定した時点
の脱硝率(%)を示す。本発明の実施例の触媒A、N
は、比較例K、L、Pに比べ耐久後でも40%以上の活
性を維持した。
【0041】
【表3】 ─────────────────────────── 触 媒 脱硝率(%) 1時間後 安定化後 ─────────────────────────── 実施例1 触媒A 49.4 43.1 実施例7 触媒N 49.5 49.0 比較例6 触媒K 31.4 25.0 比較例7 触媒L 36.6 27.1 比較例8 触媒P 30.8 23.6 ───────────────────────────
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明による排ガス浄化
用触媒層と排ガス浄化用触媒被覆構造体、およびこれら
を用いた排ガス浄化方法によれば、水蒸気が共存する希
薄燃焼排ガス中に含まれる窒素酸化物を高い脱硝率で還
元浄化できること、またSOx共存下で優れた耐久性を
発揮することから内燃機関の燃焼排ガス中の窒素酸化物
の浄化に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F01N 3/28 301 B01D 53/36 102H 102B 104A (72)発明者 加岳井 敦 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 (72)発明者 茅野 邦秀 東京都港区浜松町2丁目4番1号 エヌ・ イーケムキャット株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素ガス吸着法により測定された細孔半
    径と細孔容積の関係が、細孔半径が300オングストロ
    ーム以下の細孔の占める細孔容積の合計値をXとし、細
    孔半径が25オングストローム以上で100オングスト
    ローム未満の細孔の占める細孔容積の合計値をYとし、
    細孔半径が100オングストローム以上で300オング
    ストローム以下の細孔の占める細孔容積の合計値をΖと
    したとき、YがXの70%以上であり、ZがXの20%
    以下であるような細孔構造を有するアルミナ担体に、銀
    と、0.05重量%以上で5重量%未満のシリカまたは
    チタニアとを含有させてなることを特徴とする排ガス浄
    化用触媒層。
  2. 【請求項2】 多数の貫通孔を有する耐火性材料からな
    る一体構造の支持基質における少なくとも貫通孔の内表
    面に請求項1記載の触媒層を被覆してなることを特徴と
    する排ガス浄化用触媒被覆構造体。
  3. 【請求項3】 希薄空燃比で運転される内燃機関の燃焼
    排ガスを、触媒含有層と接触させることからなる炭化水
    素を還元剤とする排ガス浄化方法において、前記触媒含
    有層に含まれる触媒は請求項1記載の排ガス浄化用触媒
    層であることを特徴とする排ガス浄化方法。
  4. 【請求項4】 希薄空燃比で運転される内燃機関の燃焼
    排ガスを、触媒含有層と接触させることからなる炭化水
    素を還元剤とする排ガス浄化方法において、前記触媒含
    有層に含まれる触媒は請求項2記載の排ガス浄化用触媒
    被覆構造体で構成されていることを特徴とする排ガス浄
    化方法。
JP9157559A 1996-10-15 1997-05-30 排ガス浄化用触媒層、排ガス浄化用触媒被覆構造体および排ガス浄化方法 Pending JPH10174887A (ja)

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