JPH11557A - 排ガス浄化用触媒層、排ガス浄化用触媒構造体およびこれらを使用しての排ガス浄化方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒層、排ガス浄化用触媒構造体およびこれらを使用しての排ガス浄化方法

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JPH11557A
JPH11557A JP9155902A JP15590297A JPH11557A JP H11557 A JPH11557 A JP H11557A JP 9155902 A JP9155902 A JP 9155902A JP 15590297 A JP15590297 A JP 15590297A JP H11557 A JPH11557 A JP H11557A
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catalyst
exhaust gas
purifying
purification
silver
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JP9155902A
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English (en)
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Taiji Sugano
泰治 菅野
Takeshi Naganami
武 長南
Atsushi Kagakui
敦 加岳井
Masaki Funabiki
正起 船曳
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
NE Chemcat Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
NE Chemcat Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 希薄燃焼排ガス中のNOxを効率よく除去す
る排ガス浄化用触媒層および触媒被覆構造体の製造と排
ガス浄化方法。 【解決手段】 シリカ担体に銀または錫のうち少なくと
も1種を含有させてなる触媒Aと、細孔半径と細孔容積
の関係が、細孔半径300オングストローム以下の細孔
の占める細孔容積の合計値をXとし、細孔半径25オン
グストローム以上で100オングストローム未満の細孔
の占める細孔容積の合計値をYとし、細孔半径100オ
ングストローム以上で300オングストローム以下の細
孔の占める細孔容積の合計値をZとしたとき、YがXの
70%以上であり、ZがXの20%以下であるような細
孔構造を有するアルミナ担体に銀を含有させてなる触媒
Bとから構成される排ガス浄化用触媒層、多数の貫通孔
を有する耐火性材料からなる支持基質の貫通孔の内表面
に触媒層を区分して被覆してなる排ガス浄化用触媒被覆
構造体による排ガス浄化方法より成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃焼排ガス、特に自
動車、ボイラー、ガスエンジン、ガスタービン、船舶な
どの移動式および固定式内燃機関の燃焼排ガス中に含ま
れる窒素酸化物の浄化に用いられる排ガス浄化用触媒層
および排ガス浄化用触媒被覆構造体に関し、さらに詳細
には希薄空燃比で運転される内燃機関から排出される排
ガス中の窒素酸化物を高い空間速度で、かつ高効率で浄
化可能な排ガス浄化用触媒層および排ガス浄化用被覆構
造体と、これらを使用しての排ガス浄化方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】自動車をはじめとする内燃機関から排出
される各種の燃焼排ガス中には、燃焼生成物である水や
二酸化炭素と共に一酸化窒素や二酸化窒素などの窒素酸
化物(NOx)が含まれている。NOxは人体、特に呼
吸器系に悪影響を及ぼすばかりでなく、地球環境保全の
上から問題視される酸性雨の原因の1つとなっている。
そのため、これら各種の排ガスから効率よく窒素酸化物
を除去する脱硝技術の開発が望まれている。
【0003】他方において、地球温暖化防止の観点から
近年希薄燃焼方式の内燃機関が注目されている。従来の
自動車用ガソリンエンジンは、空燃比(A/F)=1
4.7付近で制御された化学量論比での燃焼であり、そ
の排ガス処理に対しては排ガス中の一酸化炭素、炭化水
素とNOxとを、主として白金、ロジウム、パラジウム
およびセリアを含むアルミナ触媒に接触させて有害三成
分を同時に除去する三元触媒方式が採用されてきた。
【0004】しかしながら、この三元触媒方式は、エン
ジンが化学量論比で運転されることが絶対条件であるた
め、希薄空燃比で運転される希薄燃焼ガソリンエンジン
の排ガス浄化には適用することができない。また、ディ
ーゼルエンジンは本来希薄燃焼エンジンであるが、その
排ガスに対しては浮遊粒子状物質とNOxの両方に厳し
い規制がかけられようとしている。
【0005】従来、酸素過剰雰囲気下でΝOxを還元除
去する方法としては、還元ガスとして僅かな量でも選択
的に触媒に吸着するNHを使用する技術が既に確立さ
れている。この技術は、いわゆる固定発生源であるボイ
ラーやディーゼルエンジンからの排ガス脱硝方法として
工業化されている。しかし、この方法においては未反応
の還元剤の回収処理のための特別な装置を必要とし、ま
た臭気が強く有害なアンモニアを用いるので、特に自動
車などの移動発生源からの排ガス脱硝技術としては危険
性があり適用できない。
【0006】近年、酸素過剰雰囲気の希薄燃焼排ガス中
に残存する未燃の炭化水素を還元剤として用いることに
より、NOx還元反応を促進させることができるという
報告がなされて以来、この反応を促進するための触媒が
種々開発され報告されている。例えば、アルミナやアル
ミナに遷移金属を担持した触媒が、炭化水素を還元剤と
して用いるNOx還元反応に有効であるとする数多くの
報告がある。また、特開平4−284848号公報には
0.1〜4重量%のCu、Fe、Cr、Zn、Ni、V
を含有するアルミナあるいはシリカ−アルミナをΝOx
還元触媒として使用した例が報告されている。
【0007】さらに、Ρtをアルミナに担持した触媒を
用いると、NOx還元反応が200〜300℃程度の低
温領域で進行することが特開平4−267946号公
報、特開平5−68855号公報や特開平5−1039
49号公報などに報告されている。しかしながら、これ
らの担持貴金属触媒を用いた場合、還元剤である炭化水
素の燃焼反応が過度に促進されたり、地球温暖化の原因
物質の1つといわれているNOが多量に副生し、無害
なΝへの還元反応を選択的に進行させることが困難で
あるといった欠点を有していた。
【0008】本出願人の一方は、先に酸素過剰雰囲気下
で炭化水素を還元剤として銀を含有する触媒を用いると
NOx還元反応が選択的に進行することを見出し、この
技術を特開平4−281844号公報に開示した。この
開示がなされた後においても、銀を含有する触媒を用い
る類似のΝOx還元除去技術が特開平4−354536
号公報、特開平5−92124号公報、特開平5−92
125号公報および特開平6−277454号公報など
に開示されている。
【0009】
【発明の解決しようとする課題】しかし、これら従来の
公報に記載されたアルミナ担持銀触媒は、SOxおよび
水蒸気共存下での脱硝性能が実用的にまだ不十分であ
り、また耐久性に問題があった。
【0010】本発明は上記従来技術の欠点を解決すべく
なされたものであり、その目的とするところは、希薄燃
焼排ガス中のNOxを効率よく除去することができ、経
時変化率が小さい排ガス浄化用触媒層および触媒被覆構
造体と、これらを使用して希薄燃焼排ガス中のNOxを
高効率、高信頼性をもって浄化する排ガス浄化方法を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高い脱硝
性能を有し、かつ耐久性に優れた排ガス用触媒層および
排ガス浄化用触媒被覆構造体と、これらを使用しての排
ガス浄化方法について鋭意研究を重ねた結果、排ガスの
流通方向に対してシリカ担体に銀または錫のうち少なく
とも1種を含有してなる触媒Aを前段に、特定の細孔構
造を有するアルミナ担体に銀を含有してなる触媒Bを後
段になるように区分して配置させることにより上記した
問題を解決できることを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0012】すなわち、上記課題を解決するための本発
明の第1の実施態様は、シリカ担体に銀または錫のうち
少なくとも1種を含有してなる触媒Aと、窒素ガス吸着
法により測定された細孔半径と細孔容積の関係が、細孔
半径300オングストローム以下の細孔の占める細孔容
積の合計値をXとし、細孔半径25オングストローム以
上で100オングストローム未満の細孔の占める細孔容
積の合計値をYとし、細孔半径100オングストローム
以上で300オングストローム以下の細孔の占める細孔
容積の合計値をZとしたとき、YがXの70%以上であ
り、ZがXの20%以下であるような細孔構造を有する
アルミナ担体に銀を含有してなる触媒Bとから構成され
る排ガス浄化用触媒層を特徴とするものである。該触媒
層は、粉体または成型した状態で排ガスの流通空間に配
置するのが好ましい。
【0013】また、本発明の第2の実施態様は、多数の
貫通孔を有する耐火性材料からなる一体構造の支持基質
と、該支持基質における少なくとも該貫通孔の内表面に
上記の触媒層を区分して被覆した触媒被覆構造体を特徴
とするものである。
【0014】またさらに、本発明の第3の実施態様は希
薄空燃比で運転される内燃機関の燃焼排ガスを触媒含有
層と接触させることからなる炭化水素を還元剤とする排
ガス中のNOxを除去する方法において、前記触媒含有
層に含まれる触媒は前記第1の実施態様における触媒層
または第2の実施態様における触媒被覆構造体であるこ
とを特徴とし、また、排ガスの流通方向に対して触媒A
が前段に、触媒Bが後段になるように区分されて配置さ
れている排ガス浄化方法を特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細およびその作
用についてさらに具体的に説明する。 (触媒の構造およびその製法)本発明の排ガス浄化用触
媒層における触媒Aの主成分であるシリカは、特に限定
されない。一方、触媒Bの主成分の1つであるアルミナ
は、例えば鉱物学上ベーマイト、擬ベーマイト、バイア
ライト、あるいはノルストランダイトに分類される水酸
化アルミニウムの粉体やゲルを、空気中あるいは真空中
300〜800℃、好ましくは400〜900℃で加熱
脱水することによって、結晶学的にγ−型、η−型、δ
−型、χ−型あるいはその混合型に分類されるアルミナ
に相転移させたものが脱硝性能上好ましい。他の結晶構
造をとるアルミナ、例えばα−型のアルミナは極端に比
表面積が小さく固体酸性にも乏しいので本発明の触媒成
分としては不適当である。
【0016】また触媒Bのアルミナは、窒素ガス吸着法
により測定された細孔半径が300オングストローム以
下の細孔の占める細孔容積の合計値をXとし、細孔半径
が25オングストローム以上で100オングストローム
未満の細孔の占める細孔容積の合計値をYとし、細孔半
径が100オングストローム以上で300オングストロ
ーム以下の細孔の占める細孔容積の合計値をZとしたと
き、YがΧの70%以上であり、ZがXの20%以下で
あるような細孔構造を有するアルミナであることが必要
である。細孔構造が、上記した条件を満たさないアルミ
ナを本発明の触媒Bにおける担体として用いた場合に
は、これにより構成される排ガス浄化用触媒は水蒸気共
存下での排ガスの脱硝性能が不十分であった。したがっ
て、本発明の触媒Bの成分として有効なアルミナは、上
記した結晶構造および細孔特性を有するものが適切であ
るといえる。
【0017】本発明の排ガス浄化用触媒層は、以下のよ
うな構成を有するものである。本発明にかかる触媒層
は、シリカ担体に銀または錫のうち少なくとも1種を含
有させてなる触媒Aと、上記した結晶構造および細孔特
性を有するアルミナ担体に銀を含有してなる触媒Bとか
ら構成される。触媒Aのシリカに含有される銀および/
または錫および触媒Bのアルミナに含有される銀の状態
は特に限定されず、例えば金属状態、酸化物状態および
これらの混合状態などが挙げられる。特に、自動車など
の内燃機関の燃焼排ガス組成は運転状態によってその都
度変化するため、触媒は還元雰囲気および酸化雰囲気に
曝される。したがって、触媒を構成する活性金属の状態
は雰囲気により変化することが想定される。触媒Aにお
ける銀および/または錫と触媒Bにおける銀の出発原料
は特に限定されない。
【0018】そして、触媒Aにおけるシリカに銀および
/または錫を含有させる方法および触媒Bにおけるアル
ミナに銀を含有させる方法は、特に限定されず従来から
行われている手法、例えば吸着法、ポアフィリング法、
インシピエントウェットネス法、蒸発乾固法、スプレー
法などの含浸法、混練法、物理混合法およびこれらの組
み合わせ法など通常採用されている公知の方法を任意に
採用することができる。
【0019】触媒Aに対する金属換算での銀および/ま
たは錫の含有量は特に限定されないが、脱硝性能上0.
1〜40重量%、好ましくは0.3〜30重量%であ
る。触媒Aにおける銀および/または錫の含有量が0.
1重量%未満ではその効果が発揮されず、また40重量
%を超えると還元剤である炭化水素の燃焼反応が優先的
に進行し、NOx除去性能が低下する。また、触媒Bに
対する金属換算での銀の含有量は、特に限定されない
が、同じく脱硝性能上0.1〜20重量%、好ましくは
1〜10重量%である。触媒Bにおける銀の担持量が
0.1重量%未満ではその効果が発揮されず、一方20
重量%を超えると還元剤である炭化水素の燃焼反応が優
先的に進行し、NOx除去性能が低下する。
【0020】触媒Aおよび触媒Bの乾燥温度は、特に限
定されるものではなく通常80〜120℃程度で乾燥す
る。また、焼成温度は300〜1000℃、好ましくは
400〜900℃程度である。このときの雰囲気は特に
限定されないが、触媒組成に応じて空気中、不活性ガス
中、酸素中などの各雰囲気を適宜選択すればよい。ま
た、各雰囲気を一定時間毎に交互に代えてもよい。
【0021】本発明の第1の実施態様において、排ガス
浄化用の触媒層を形成するに際し、該触媒層は上記した
触媒を所定の形状に成型または粉末状態のまま目的とす
る排ガスが流通する一定の空間内に充填する。触媒層を
成型体とするに際して、その形状は特に制限されず、例
えば球状、円筒状、ハニカム状、螺旋状、粒状、ペレッ
ト状、リング状など種々の形状を採用することができ
る。これらの形状、大きさなどは使用条件に応じて任意
に選択すればよい。
【0022】次に、本発明の第2の実施態様の排ガス浄
化用触媒被覆構造体について説明する。ここでいう触媒
被覆構造体とは、多数の貫通孔を有する耐火性材料で構
成された一体構造の支持基質の少なくとも貫通孔の内表
面に上記した触媒を区分して被覆した構造を有するもの
である。
【0023】該支持基質には、多数の貫通孔が排ガスの
流通方向に沿って設けられるが、その流通方向に垂直な
断面において、通常、開孔率60〜90%、好ましくは
70〜90%であって、その数は1平方インチ(5.0
6cm)当り30〜700個、好ましくは200〜6
00個である。触媒は、少なくとも該貫通孔の内表面に
被覆されるが、その支持基質の端面や側面に区分されて
被覆されていてもよい。
【0024】該耐火性支持基質の材質としては、α−型
アルミナ、ムライト、コージェライト、シリコンカーバ
イトなどのセラミックスやオーステナイト系、フェライ
ト系のステンレス鋼などの金属などが使用される。形状
もハニカムやフォームなどの慣用のものが使用できる
が、好ましいものはコージェライト製やステンレス鋼製
のハニカム状の支持基質である。
【0025】該支持基質への触媒の被覆方法としては、
一定の粒度に整粒した本発明の触媒をバインダーと共
に、またはバインダーを用いないで前記支持基質の内表
面に区分して被覆する、いわゆる通常のウォッシュコー
ト法やゾル−ゲル法が適用できる。また触媒Bにおいて
は上記の支持基質に予めアルミナを被覆しておいて、こ
れに本発明の触媒活性物質の担持処理を行って触媒被覆
層を形成してもよい。支持基質への触媒層の被覆量は特
に限定されないが、支持基質単位体積当り50〜250
g/リットル程度が好ましく、100〜200g/リッ
トル程度とすることがより好ましい。
【0026】次に、本発明の第3の実施態様の排ガス浄
化方法について説明する。本発明の第3の実施態様は、
第1の実施態様の触媒層や第2の実施態様の触媒被覆構
造体を使用して、これと排ガス中のCO、HCおよびH
といった還元性成分をΝOxおよびOといった酸化
性成分で完全酸化するに要する化学量論量近傍から過剰
の酸素を含有する排ガスとを接触させることによって、
ΝOxはNとΗOにまで還元分解させると同時にH
Cなどの還元剤もCOとHOに酸化させるものであ
る。
【0027】本発明において触媒Aを前段に、触媒Bを
後段に区分して配置させる理由は、前段の触媒Aで還元
剤である炭化水素の不完全燃焼によるコーキングを防止
し、トータル触媒システムでの触媒寿命を向上させるた
めである。触媒Aと触媒Bの割合は、要求性能に応じて
適宜選択すればよい。
【0028】ディーゼルエンジンの排ガスのように、排
ガスそのもののHC/NOx比が低い場合には、排ガス
中にメタン換算濃度で数百〜数千ppm程度の燃料ΗC
を追加添加した後、本発明の触媒と接触させるシステム
を採用すれば充分に高いNOx除去率を達成できる。
尚、ここでいうHCとは、パラフィン系炭化水素、オレ
フィン系炭化水素および芳香族系炭化水素、アルコー
ル、アルデヒド、ケトン、エーテルなどの含酸素有機化
合物、ガソリン、灯油、軽油、A重油などを含んだもの
を意味する。
【0029】本発明による触媒層を用いて、希薄空燃比
の領域で運転される内燃機関の燃焼排気ガスを浄化する
際のガス空間速度(SV)は特に限定されるものではな
いが、SV5,000h−1以上で200,000h
−1以下とすることが好ましい。
【0030】そして、ガス組成を一定とした場合の脱硝
率は触媒の種類とHCの種類に依存するが、本発明の触
媒層を用いた場合は、例えばC〜Cのパラフィン、
オレフィンおよびC〜Cの芳香族HCに対しては4
50〜600℃、C〜Cのパラフィンおよびオレフ
ィンに対しては350〜550℃、C10〜C25のパ
ラフィンおよびオレフィンに対しては250〜500℃
で高い脱硝率を示すため触媒層入口温度を100℃以上
で700℃以下、好ましくは200℃以上で600℃以
下にすることが必要である。
【0031】
【実施例】以下に実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例に限
定されるものでない。 (1)触媒Bのアルミナの選定 触媒Bの使用アルミナ担体の選定のために、表1に示す
ような比表面積と細孔分布を有する種々のγ−型アルミ
ナにおいて、a〜cが本発明の触媒Bの範囲に入るアル
ミナであり、d〜gが本発明の範囲外のアルミナであ
る。尚、a〜gのアルミナの細孔分布は、カルロエルバ
社製のソープトマチックにより測定した。
【0032】
【表1】 ───────────────────────────────── アルミナ 比表面積 細 孔 分 布 (m/g) Y/Χ(%) Z/Χ(%) ───────────────────────────────── a 241 83.2 2.4 b 219 87.0 3.9 c 174 88.4 4.4 d 199 47.0 0.7 e 177 68.5 4.9 f 241 51.0 45.9 g 266 71.1 22.7 ─────────────────────────────────
【0033】(2)触媒層の調製 以下に、本発明の触媒層を構成するための各触媒の調製
についての調製例を参考例として示す。 (イ)触媒Bの製造: [参考例1]表1のγ−型アルミナaの前駆体物質であ
るアルミナ水和物100gを硝酸銀5.36gを含む3
00ミリリットルの水溶液に10時間浸漬した後、80
℃で蒸発乾固した。これを110℃で通風乾燥後、空気
中550℃で3時間焼成して触媒1を得た。尚、触媒1
における金属換算でのAgの含有量は触媒全体に対して
4.5重量%である。
【0034】[参考例2〜参考例11]同様に、表1に
示すγ−型アルミナb〜gが得られる前駆体物質である
アルミナ水和物を用いた以外は、参考例1と同様にして
それぞれ触媒2(参考例2)、触媒3(参考例3)、触
媒4(参考例4)、触媒5(参考例5)、触媒6(参考
例6)、触媒7(参考例7)を得た。また、参考例1の
触媒1の調製に際し、銀の含有量を0重量%、2重量
%、3重量%および8重量%とした以外は参考例1と同
様にして、それぞれ触媒8(参考例8)、触媒9(参考
例9)、触媒10(参考例10)、触媒11(参考例1
1)を得た。
【0035】(ロ)触媒Aの製造: [参考例12]市販のシリカ100gを硝酸銀8.28
gを含む300ミリリットルの水溶液に10時間浸漬し
た後、80℃で蒸発乾固した。これを110℃で通風乾
燥後、空気中550℃で3時間焼成して触媒12(参考
例12)を得た。なお、触媒12における金属換算での
Agの含有量は触媒全体に対して5重量%である。
【0036】[参考例13〜参考例17]参考例12の
触媒12の調製に際し、銀の含有量を0重量%、0.5
重量%、10重量%、20重量%および45重量%とし
た以外は参考例12と同様にして、それぞれ触媒13
(参考例13)、触媒14(参考例14)、触媒15
(参考例15)、触媒16(参考例16)および触媒1
7(参考例17)を得た。
【0037】[参考例18]参考例12の触媒12の調
製に際し、硝酸銀に代え塩化第二錫・五水和物15.5
4gを含む水溶液を用いた以外は参考例12と同様にし
て触媒18(参考例18)を得た。なお触媒18におけ
る金属換算でのSnの含有量は触媒全体に対して5重量
%である。
【0038】[参考例19〜参考例23]参考例18の
触媒18の調製に際し、錫の含有量を0.05重量%、
0.5重量%、10重量%、20重量%および35重量
%とした以外は参考例18と同様にして、それぞれ触媒
19(参考例19)、触媒20(参考例20)、触媒2
1(参考例21)、触媒22(参考例22)および触媒
23(参考例23)を得た。
【0039】[参考例24]参考例12の触媒12の調
製に際し、硝酸銀8.28gに代えて硝酸銀0.79g
と塩化第二錫・五水和物15.54gを含む水溶液を用
いた以外は参考例12と同様にして触媒24(参考例2
4)を得た。なお触媒24における金属換算でのAgお
よびSnの含有量は触媒全体に対してそれぞれ0.5重
量%、5重量%である。
【0040】(ハ)ハニカム触媒の製造:上記の粉末触
媒1の60gを、アルミナゾル(Αl固形分10
重量%)8gおよび水120ミリリットルと共にボール
ミルポットに仕込み、湿式粉砕してスラリーを得た。こ
のスラリーの中に、市販の400cpsi(セル/in
ch)コージェライトハニカム基質からくり貫かれた
直径1インチ、長さ2.5インチの円筒状コアを浸漬
し、引き上げた後余分のスラリーをエアーブローで除去
し乾燥した。その後、500℃で30分焼成し、ハニカ
ム1リットル当たりドライ換算で150gの固形分を被
覆して4.5%Αg/Αl組成の触媒25(参考
例25)を得た。
【0041】また上記の粉末触媒12の60gを、シリ
カゾル(SiO固形分20重量%)8gおよび水12
0ミリリットルと共にボールミルポットに仕込み、湿式
粉砕してスラリーを得た。このスラリーの中に、市販の
400cpsi(セル/inch)コージェライトハ
ニカム基質からくり貫かれた直径1インチ、長さ2.5
インチの円筒状コアを浸漬し、引き上げた後余分のスラ
リーをエアーブローで除去し乾燥した。その後、500
℃で30分焼成し、ハニカム1リットル当たりドライ換
算で75gの固形分を被覆して5%Ag/SiO組成
のハニカム触媒26(参考例26)を得た。また、粉末
触媒12の代わりに粉末触媒18を用いた以外は、参考
例26と同様にして5%Sn/SiO組成のハニカム
触媒27(参考例27)を得た。
【0042】以下に上記した参考例1〜27の触媒を用
いて形成した排ガス浄化用触媒層について、種々の条件
下において脱硝性能を評価した結果について述べる。 [実施例1]参考例12の触媒12と参考例1の触媒1
をそれぞれ加圧成型した後、粉砕して粒度を350〜5
00μmに整粒し、排ガスの流通方向に対して触媒12
が前段に、触媒1が後段になるように内径15mmのス
テンレス製反応管に充填して触媒層を形成し、これを常
圧固定床流通反応装置に装着した。尚、触媒12と触媒
1の重量比は1:9である。
【0043】[性能評価例1]この触媒層に、反応管内
の排ガス温度を420℃に保ち、モデル排ガスとしてN
O:750ppm、灯油(C):4500ppm、O
:10%、SO:5ppm、HO:10%、残
部:Nからなる混合ガスを空間速度75,000h
−1で通過させた。反応管出口ガス組成の分析におい
て、NOとNOの濃度については化学発光式NOx計
で測定し、NO濃度はΡorapack Qカラムを
装着したガスクロマトグラフ・熱伝導度検出器を用いて
測定した。脱硝率は以下の式で定義した。また、本発明
のいずれの触媒でもNOおよびNOは殆ど生成しな
かった。
【0044】
【式1】
【0045】[実施例2〜15および比較例1〜8]参
考例2、3、9〜11の触媒2、3、9〜11および参
考例4〜8の触媒4〜8をそれぞれ実施例1における後
段の触媒1の代わりに用いて、上記と同様の触媒層を形
成し、同様にしてモデルガスによる評価試験を行った。
触媒2、3、9〜11を用いた触媒層を、それぞれ実施
例2〜6とし、触媒4〜8を用いた触媒層を、それぞれ
比較例1〜5とした。また、実施例1における前段の触
媒12の代わりに、参考例13〜24の触媒13〜24
を用いて、実施例1と同様の触媒層を形成し、同様にし
てモデルガスによる評価試験を行った。触媒14〜1
6、18、20〜24を用いた触媒層を、それぞれ実施
例7〜15とし、触媒13、17および19を用いた触
媒層を、それぞれ比較例6〜8とした。表2に、上記実
施例および比較例の触媒層について初期脱硝性能を示
す。
【0046】[性能評価例2(実施例16および1
7)]性能評価例1において、参考例25のハニカム触
媒25を直径15mm、長さ28.8mmの円筒状に加
工し、参考例26のハニカム触媒26を直径15mm、
長さ6.4mmの円筒状に加工し、排ガスの流通方向に
対してハニカム触媒26が前段に、ハニカム触媒25が
後段になるように内径15mmのステンレス製反応管に
充填した(実施例16)。さらに性能評価例1におい
て、参考例25のハニカム触媒25を直径15mm長さ
28.8mmの円筒状に加工し、参考例27のハニカム
触媒27を直径15mm長さ6.4mmの円筒状に加工
し、排ガスの流通方向に対してハニカム触媒27が前段
に、ハニカム触媒25が後段になるように内径15mm
のステンレス製反応管に充填した(実施例17)。なお
性能評価例2においては、フィードするガスの空間速度
を13,000h−1とした以外は性能評価例1と同様
のモデルガスによる評価試験を行い、その結果を表2に
併せて示す。
【0047】
【表2】
【0048】表2より実施例1〜17および比較例6、
8、初期性能が65%以上であり、比較例1〜5および
比較例7に比べて優れた性能を示した。
【0049】[性能評価例3]実施例1、10および比
較例6、8に示す触媒の組合わせについて、性能評価例
2と同様の活性試験を16時間継続して行った。16時
間後の経時変化を表3に示す。経時変化率を以下の式で
定義した。
【0050】
【式2】
【0051】
【表3】 ──────────────────────────── 触 媒 16時間後 前段 後段 経時変化率(%) ──────────────────────────── 実施例1 触媒12十触媒1 15.2 実施例10 触媒18十触媒1 16.8 比較例6 触媒13十触媒1 26.4 比較例8 触媒19十触媒1 25.9 ──────────────────────────── 表3より実施例1、10は、比較例6、8に比べ、16
時間耐久後の経時変化率が小さいことが分った。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明による排ガス浄化
用触媒層および排ガス浄化用触媒被覆構造体と、これら
を用いた排ガス浄化方法によれば、希薄燃焼排ガス中に
含まれる窒素酸化物を高い脱硝率で還元浄化でき、かつ
耐久後の経時変化率が小さいことから内燃機関の燃焼排
ガス中の窒素酸化物の浄化に有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 32/00 B01J 35/10 301F 35/10 301 B01D 53/36 102H (72)発明者 加岳井 敦 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 (72)発明者 船曳 正起 静岡県沼津市一本松678 エヌ・イーケム キャット株式会社沼津工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカ担体に銀または錫のうち少なくと
    も1種を含有させてなる触媒Aと、窒素ガス吸着法によ
    り測定された細孔半径と細孔容積の関係が、細孔半径3
    00オングストローム以下の細孔の占める細孔容積の合
    計値をXとし、細孔半径25オングストローム以上で1
    00オングストローム未満の細孔の占める細孔容積の合
    計値をYとし、細孔半径100オングストローム以上で
    300オングストローム以下の細孔の占める細孔容積の
    合計値をZとしたとき、YがXの70%以上であり、Z
    がXの20%以下であるような細孔構造を有するアルミ
    ナ担体に銀を含有させてなる触媒Bとから構成されるこ
    とを特徴とする排ガス浄化用触媒層。
  2. 【請求項2】 多数の貫通孔を有する耐火性材料からな
    る一体構造の支持基質における少なくとも貫通孔の内表
    面に請求項1記載の触媒層を区分して被覆してなる排ガ
    ス浄化用触媒被覆構造体。
  3. 【請求項3】 希薄空燃比で運転される内燃機関の燃焼
    排ガスを、触媒含有層と接触させることからなる炭化水
    素を還元剤とする排ガス浄化方法において、前記触媒含
    有層に含まれる触媒は請求項1記載の排ガス浄化用触媒
    層であることを特徴とする排ガス浄化方法。
  4. 【請求項4】 希薄空燃比で運転される内燃機関の燃焼
    排ガスを、触媒含有層と接触させることからなる炭化水
    素を還元剤とする排ガス浄化方法において、前記触媒含
    有層に含まれる触媒は請求項2記載の排ガス浄化用触媒
    被覆構造体で構成することを特徴とする排ガス浄化方
    法。
  5. 【請求項5】 排ガスの流通方向に対して排ガス浄化用
    触媒層に含まれる触媒Aが前段に、触媒Bが後段に区分
    されて配置されていることを特徴とする請求項3または
    4記載の排ガス浄化方法。
JP9155902A 1997-04-15 1997-05-29 排ガス浄化用触媒層、排ガス浄化用触媒構造体およびこれらを使用しての排ガス浄化方法 Pending JPH11557A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4852928A (en) * 1984-02-16 1989-08-01 Multivisions Corporation Robotic end effectors
US4871585A (en) * 1987-04-06 1989-10-03 Murata Manufacturing Co., Ltd. Method of plating treatment

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US4852928A (en) * 1984-02-16 1989-08-01 Multivisions Corporation Robotic end effectors
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