JPH09308819A - 脱硝用触媒層および脱硝方法 - Google Patents

脱硝用触媒層および脱硝方法

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JPH09308819A
JPH09308819A JP8149905A JP14990596A JPH09308819A JP H09308819 A JPH09308819 A JP H09308819A JP 8149905 A JP8149905 A JP 8149905A JP 14990596 A JP14990596 A JP 14990596A JP H09308819 A JPH09308819 A JP H09308819A
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catalyst
denitration
alumina
catalyst layer
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JP8149905A
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English (en)
Inventor
Takeshi Naganami
武 長南
Taiji Sugano
泰治 菅野
Hiroyuki Ikeda
浩幸 池田
Masao Wakabayashi
正男 若林
Yukio Ozaki
幸雄 小崎
Makoto Nagata
誠 永田
Masaru Ito
賢 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
NE Chemcat Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
NE Chemcat Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストイキオ領域からリーンバーン領域までの
範囲で駆動する内燃機関より排出される排気ガス中のN
Oxを、10,000h−1以上の充分に高いガス空間
速度でもって作用させて効率よく除去することができる
脱硝触媒層を提供すると共に、この触媒層を使用した排
気ガス中のNOxの効率的で信頼性の高い脱硝方法を提
供する。 【解決手段】 特定の細孔構造を有するアルミナ担体に
銀、亜鉛およびリンを含有させてなる触媒Aと、該アル
ミナ担体に金、亜鉛およびリンを含有させてなる触媒B
と、該アルミナ担体に白金、パラジウム、ロジウム、イ
リジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種以上お
よびセリウムを含有させてなる触媒Cとから構成されて
いる脱硝触媒層、および希薄空燃比で運転される内燃機
関から排出された排気ガスの流れを脱硝触媒層と接触さ
せることからなる排気ガスの脱硝方法において、該脱硝
触媒層に上記脱硝触媒層を用いることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の排気ガ
ス、特に定置式エンジンや自動車用エンジンなどの内燃
機関から排出される排気ガス中の窒素酸化物の浄化に用
いられる排気ガス浄化用触媒に関し、更に詳細には、ス
トイキオ領域からリーンバーン領域の内燃機関から排出
される排気ガス中の窒素酸化物を高い空間速度で、且つ
高効率で浄化することのできる脱硝用触媒層およびそれ
を用いた排気ガスの脱硝方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンなどの内燃機関から排出
される各種の燃焼排気ガス中には、燃焼生成物である水
や二酸化炭素と共に、一酸化窒素や二酸化窒素などの窒
素酸化物(NOx)が含まれている。NOxは人体に影
響し、呼吸器疾患罹患率を増加させるばかりでなく、地
球環境保全の上から問題視される酸性雨の原因の1つと
なっている。そのため、これら各種の排気ガスから効率
よく窒素酸化物を除去する脱硝技術の開発が望まれてい
る。
【0003】他方において、地球温暖化防止の観点から
近年希薄燃焼式の内燃機関が注目されている。従来の自
動車用ガソリンエンジンは、空燃比(A/F)=14.
7付近で制御された化学量論比の酸素量で燃焼を行わせ
るものであつて、その排気ガス処理に対しては、排気ガ
ス中のー酸化炭素、炭化水素(以下、HCという)とN
Oxとを主として白金、ロジウム、パラジウム、イリジ
ウムおよびセリウムを含むアルミナ触媒に接触させて有
害三成分を同時に除去する三元触媒方式が採用されてき
た。
【0004】しかしながら、この三元触媒方式による排
気ガス浄化方法は、エンジンが化学量論比で運転される
ことが絶対条件であるために、希薄空燃比で運転される
リーンバーンエンジンの排気ガスの浄化に適用すること
はできない。また、ディーゼルエンジンは本来リーンバ
ーンエンジンであるが、その排気ガスに対しては、浮遊
粒子状物質とNOxの両方に厳しい規制が行われようと
している。
【0005】従来、酸素過剰雰囲気下でNOxを還元除
去する方法としては、還元ガスとして僅かな量でも選択
的に触媒に吸着されるNHを使用する技術が既に確立
されている。この技術は固定発生源であるボイラーやデ
ィーゼルエンジンからの排気ガスの脱硝方法として工業
化されている。しかし、この方法においては未反応の還
元剤の回収処理のための特別な装置を必要とし、また臭
気が強く有害なアンモニアを用いるので、自動車等の人
体輸送用の移動発生源における排気ガス脱硝技術として
は危険性があり適用できない。
【0006】近年、酸素過剰雰囲気の希薄燃焼ガス中に
残存するHCを還元剤として用いることにより、NOx
の還元反応を促進させることができるという報告がなさ
れ、これ以来、この反応を促進するための触媒が種々開
発され報告されている。例えば、アルミナやシリカ−ア
ルミナ担体に遷移金属を担持させた触媒が、HCを還元
剤として用いるNOx還元反応に有効であるとする数多
くの報告がなされている。また、特開平4−28484
8号公報には、0.1〜4重量%のCu,Fe,Cr,
Zn,Ni,V等を含有させたアルミナまたはシリカ−
アルミナ触媒をNOx還元触媒として使用した例が報告
されている。
【0007】更に、Ptをアルミナに担持した触媒を用
いると、NOx還元反応が200〜300℃程度の低温
領域で進行することが特開平4−267946号公報、
特開平5−68855公報、特開平5−103949号
公報等に報告されている。しかしながら、これらの貴金
属担持触媒を用いた場合、還元剤であるHCの燃焼反応
が過度に促進されたり、地球温暖化の原因物質の1つと
言われているNOが多量に生成し、無害なNへの還
元反応を選択的に進行させることが困難となるといつた
欠点を有していた。
【0008】本出願人の一方は、先に、酸素過剰雰囲気
下でHCを還元剤として銀を含有する触媒を用いるとN
Ox還元反応が選択的に進行することを見出し、これを
特開平4−281844号公報に開示した。しかし、こ
の触媒は確かに酸素過剰雰囲気下で良好なNOx還元性
能を示すが、これを実際の走行状態におけるリーンバー
ンエンジンから排出される排気ガスに適用した場合に、
該リーンバーンエンジンの燃焼条件は、空燃比(A/
F)が理論比であるストイキオ近傍から酸素過剰下のリ
ーンバーン領域まで連続的に変化するため、ストイキオ
領域でのエージングに対する耐久性能(以下、ストイキ
オ耐久性能という)が不十分であつて、長期使用が困難
となるという欠点があつた。
【0009】このようなストイキオ領域で起こる銀アル
ミナ触媒の劣化は、触媒中に担持されている銀の凝集や
アルミナ担体のコーキング等に起因するものと考えられ
る。即ち、上記触媒はリーンバーン領域のみにおいて高
い脱硝性能を発揮することができる触媒であり、ストイ
キオ領域からリーンバーン領域に至る広範囲において高
い脱硝性能が要求されるガソリンリーンバーン車用の触
媒としては性能が不十分であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平4−281
844号公報による銀を用いたアルミナ触媒についての
開示が行われた後においても、この公報記載の技術と類
似のNOx還元除去技術が特開平4−354536号公
報、特開平5−92124号公報、特開平5−9212
5号公報および特開平6−277454号公報等に開示
されている。しかし、これら公報に記載されたアルミナ
担持銀触媒は水共存下での脱硝性能が実用的に不十分で
あるばかりでなく、その開示内容は酸素過剰条件下での
性能評価が行われているのみで、ストイキオ耐久性につ
いては何等触れられていないし、勿論これらの触媒は、
リーンバーン領域のみで性能を発揮し得る触媒であつ
て、ストイキオ領域からリーンバーン領域までカバーす
ることができるガソリンリーンバーン車用触媒ではなか
つた。
【0011】また更に、特開平7−803Ο6号公報に
おいては、銀および金、並びにΡd,Ru,Rhおよび
Irからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素をそ
れぞれ無機酸化物に担持した触媒が開示されているが、
この公報記載の触媒では、ストイキオ耐久中に担持され
た金および銀の触媒活性が劣化してしまうために、スト
イキオ耐久後のリーンバーン領域での脱硝性能が低下し
てしまうという問題があった。
【0012】また一般にアルミナを担体として用いた触
媒は、触媒単位体積当たりの通過ガス流量、即ちガス空
間速度(以下、空間速度と称し、記号SVで示される)
に対する依存性が高いことが知られている。即ち、SV
が1,000〜10,000h−1程度の低空間速度に
おいては、十分なNOx還元性能を発揮することができ
るが、例えば「触媒」,第33巻,第61項(1991
年)に報告されているように、SVが10,000h
−1以上の高空間速度になるとNOx浄化性能が明らか
に低下するという問題があつた。
【0013】一般に、自動車等の移動用内燃機関の排気
ガス浄化に用いられる触媒は、その排気量に見合つた比
較的コンパクトな装置とすることが求められているが、
上記したようにSVが10,000h−1未満でのみ機
能する触媒では、触媒層としてエンジン排気量に比ベて
不釣り合いに大きな容積を必要とするために、装置的に
過大となり実用性に乏しいものであるといわざるをえな
い。
【0014】本発明は、上記従来技術の欠点を解決する
ためなされたものであり、その目的とするところは、ス
トイキオ領域からリーンバーン領域までの範囲で運転す
る内燃機関より排出される排気ガス中のNOxを、1
0,000h−1以上の充分に高いガス空間速度で作用
させて効率よく除去することができる脱硝用触媒層を提
供すると共に、該触媒層を使用した排気ガス中のNOx
の効率的で信頼性の高い脱硝方法を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ストイキ
オ領域からリーンバーン領域に至る範囲において高い脱
硝性能を有する触媒層、およびこれを使用しての脱硝方
法について種々検討を重ねた結果、特定の細孔構造を有
するアルミナを担体として使用し、該アルミナ担体に
銀、亜鉛およびリンを含有させてなる触媒と、該アルミ
ナ担体に金、亜鉛およびリンを含有させてなる触媒と、
該アルミナ担体に白金、パラジウム、ロジウム、イリジ
ウムからなる群より選ばれた少なくとも1種以上および
セリウムを含む触媒とを組み合わせ使用して触媒層を形
成することにより上記した問題点を解決することができ
ることを見出し本発明を完成するに至つた。
【0016】即ち、上記の目的を達成するための本発明
の第1の実施態様は、窒素ガス吸着法により測定された
細孔半径と細孔容積との関係が、細孔半径300オング
ストローム以下の細孔の占める細孔容積の合計値をXと
し、細孔半径25オングストローム以上で100オング
ストローム未満の細孔の占める細孔容積の合計値をYと
し、細孔半径100オングストローム以上で300オン
グストローム以下の細孔の占める細孔容積をZとしたと
き、YがXの70%以上であり、ZがXの20%以下で
あるような細孔構造を有するアルミナ担体に銀、亜鉛お
よびリンを含有させてなる触媒Aと、該アルミナ担体に
金、亜鉛およびリンを含有させてなる触媒Bと、該アル
ミナ担体に白金、パラジウム、ロジウム、イリジウムか
らなる群より選ばれた少なくとも1種以上およびセリウ
ムを含有させてなる触媒Cとから構成されている脱硝用
触媒層を特徴とするものである。
【0017】本発明の触媒層において、触媒Aにおける
銀、亜鉛およびリンの含有量は、アルミナに対してそれ
ぞれ金属換算で0.1〜10重量%、0.1〜10重量
%および0.01〜7重量%とすることが好ましく、触
媒Bにおける金、亜鉛およびリンの含有量は、アルミナ
に対してそれぞれ金属換算で0.1〜10重量%、0.
1〜10重量%および0.01〜7重量%とすることが
好ましく、また触媒Cにおける白金、パラジウム、ロジ
ウム、イリジウムからなる群より選ばれた少なくとも1
種以上とセリウムの含有量は、アルミナに対してそれぞ
れ金属換算0.05〜10重量%および1〜50重量%
とすることが好ましい。
【0018】更に、本発明の第2の実施態様は、希薄空
燃比で運転される内燃機関から排出された排気ガスの流
れを触媒層と接触させることからなる排気ガスの脱硝方
法において、該触媒層として第1の実施態様による脱硝
用触媒層を用いる脱硝方法を特徴とするものである。そ
して第2の実施態様において、脱硝用触媒層を構成する
触媒A、触媒Bおよび触媒Cは、前記排気ガスの流れ方
向に対して前段から触媒A、触媒B、触媒Cの順に配置
されているか、触媒Aおよび触媒Bが混合され、かつ触
媒Cよりも前段に配置されていることが好ましいが、触
媒Aと触媒Bの混合触媒を前段に、触媒Aと触媒Cの混
合触媒を後段に、あるいは触媒Aと触媒Bの混合触媒を
前段に、触媒Bと触媒Cの混合触媒を後段に配置しても
よい。また、第2の実施態様において、前記脱硝用触媒
層を通過する排気ガスのSVは、10,000h−1
上で200,000h−1以下の範囲とするのが適当で
ある。
【0019】以上のような本発明の脱硝用触媒層および
脱硝方法によれば、水蒸気が共存する酸素過剰雰囲気下
で、かつ高いSVであつても優れた脱硝性能およびスト
イキオ耐久性を発揮させることができるので、ストイキ
オ領域からリーンバーン領域で運転される内燃機関から
の排気ガス中のNOxの除去を極めて効果的に行うこと
ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳述する。まず本発明の第1の実施態様における脱硝用
触媒層について説明すると次の如くである。即ち、本発
明の脱硝用触媒層は、触媒A、触媒Bおよび触媒Cとに
より構成されるものであるが、各触媒において担体とし
て使用されるアルミナは、例えば鉱物学上ベーマイト、
擬べーマイト、バイアライトまたはノルストランダイト
に分類される水酸化アルミニウムの粉体やゲルを、空気
中あるいは真空中で300〜800℃、好ましくは40
0〜700℃の温度範囲で加熱脱水することによって、
結晶学的にγ−型、η−型、δ−型、χ−型あるいはそ
の混合型に分類される結晶構造を有するアルミナに相転
移させたものが好ましい。他の結晶構造をとるアルミ
ナ、例えばα−型アルミナは極端に比表面積が小さく固
体酸性にも乏しいので、本発明の触媒成分としては不適
当である。
【0021】また、該アルミナは、窒素ガス吸着法によ
り測定された細孔半径と細孔容積との関係が、細孔半径
300オングストローム以下の細孔の占める細孔容積の
合計値をXとし、細孔半径25オングストローム以上で
100オングストローム未満の細孔の占める細孔容積の
合計値をYとし、細孔半径100オングストローム以上
で300オングストローム以下の細孔の占める細孔容積
をZとしたとき、YがXの70%以上であり、ZがXの
20%以下であるような細孔構造を有するアルミナであ
ることが望ましい。細孔構造が上記した条件を満たさな
いアルミナを本発明の触媒における担体として用いた場
合には、これにより構成される脱硝用触媒層は、水蒸気
の存在下で排気ガスの浄化を行つたときに十分に満足し
得る脱硝性能を示さなかつた。従つて、本発明の脱硝用
触媒層を構成する触媒の担体として用いるのに好ましい
アルミナは、上記した結晶構造を有するアルミナであつ
て、しかも上記の細孔特性を有するものが適切であると
いえる。
【0022】そして、触媒Aは、上記アルミナ担体に
銀、亜鉛およびリンを含有させたものであるが、該アル
ミナ担体に含有される銀、亜鉛およびリンの状態は特に
限定されず、例えば、金属状態、合金状態、酸化物状態
および複合酸化物状態などが挙げられる。また、各々の
出発原料も限定されるものではないが、特に水溶性塩の
使用が好ましい。また触媒Bは、上記アルミナ担体に
金、亜鉛およびリンを含有させたものであり、触媒C
は、上記アルミナ担体に白金、パラジウム、ロジウム、
イリジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種以上
およびセリウムを含有させたものであるが、要求性能に
応じてストロンチウム、ジルコニウム、ランタンなどを
含有させてもよい。これらアルミナに含有される金、亜
鉛、リン、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウムお
よびセリウムの状態も特に限定されず、上記触媒Aと同
様の状態とすればよい。また、各々の出発原料も触媒A
と同様に特に限定されるものではないが、特に水溶性塩
の使用が好ましい。
【0023】触媒Aにおいてアルミナ担体に銀、亜鉛お
よびリンを含有させる方法、触媒Bにおいてアルミナ担
体に金、亜鉛およびリンを含有させる方法および触媒C
において、アルミナ担体に白金、パラジウム、ロジウ
ム、イリジウムおよびセリウムを含有させる方法は特に
限定されず、従来からこの種の触媒製造に際して行われ
ている方法、例えば吸着法、ポアフィリング法、インシ
ピエントウェットネス法、蒸発乾固法、スプレー法など
の含浸法や混練法および物理混合法など、通常採用され
ている公知の方法を採用して、前記したアルミナまたは
アルミナの前駆体であるアルミナ水和物にこれらの元素
を含ませることによつて達成することができる。
【0024】本発明において、上記のようにしてアルミ
ナ担体に触媒活性物質を含有させた触媒A、触媒Bおよ
び触媒Cは、乾燥、焼成を行うが、乾燥温度は特に限定
されず通常の乾燥温度、例えば80〜120℃程度の温
度で乾燥が行われる。また、乾燥終了後における焼成は
300〜1000℃、好ましくは400〜900℃の範
囲の温度で行われる。なお、焼成温度が300℃未満で
あるときは、アルミナは所望の結晶形態にならず、また
1000℃を超えるとアルミナは他の好ましくない結晶
形態に相変態するので共に好ましくない。
【0025】触媒Aにおける銀、亜鉛およびリンの含有
量は特に限定されないが、アルミナに対してそれぞれ金
属換算で0.1〜10重量% 0.1〜10重量%およ
び0.01〜7重量%であることが好ましい。また、触
媒Bにおける金、亜鉛およびリンの含有量も限定されな
いが、アルミナに対してそれぞれ金属換算で0.1〜1
0重量%、0.1〜10重量%、0.01〜7重量%で
あることが好ましい。また、触媒Cにおける白金、パラ
ジウム、ロジウム、イリジウムのうちの少なくとも1種
以上の含有量とセリウムの含有量もまた限定されない
が、アルミナに対してそれぞれ0.05〜10重量%お
よび1〜50重量%であることが好ましい。
【0026】本発明の第1の実施態様の脱硝用触媒層
は、触媒A、触媒Bおよび触媒Cとを組み合わせて触媒
層を形成し、排気ガスの脱硝に使用される。触媒Aと触
媒Bの割合は、特に限定するものではなく要求性能に応
じて任意に変更できる。また、触媒Aに対する触媒Cの
割合も、特に限定するものではなく要求性能に応じて任
意に変更できる。該脱硝用触媒層の形態は特に限定され
るものではない。例えば、該脱硝用触媒層をこれら触媒
A、触媒B、触媒Cの3種類の触媒を、粉末状態のまま
排気ガスを流通させる空間内に前記のような配置で充填
してもよく、またこれらの脱硝触媒を成型機を用いて触
媒成型体を形成してもよい。このような触媒成型体の形
状は特に制限されず、例えば粉体、球状、円筒状、ハニ
カム状、螺旋状、粒状、ペレット状、リング状などの種
々の形状を採用することができる。なお、これらの成型
体の形状、大きさ等は使用条件などに応じて任意に選択
することができる。
【0027】また更に、脱硝用触媒層の他の形態として
は、上記の各触媒をセラミックスや金属等で作製された
適宜の貫通孔を有する支持基体の貫通孔の内表面に被覆
して触媒構造体を形成して使用してもよい。特に、自動
車エンジンの排気ガス浄化の目的で用いる場合には、該
排気ガスはガス空間速度が高いので圧力損失を最小限に
抑えるために、排気ガスの流れ方向に対して多数の貫通
孔を有する耐火性一体構造の支持基体の内表面に触媒を
被覆して触媒層を形成した触媒構造体が好適である。該
貫通孔は、排気ガスの流れ方向に垂直な断面で開孔率6
0〜9Ο%、最適には70〜90%であることが好まし
く、その個数は1平方インチ(5.06cm)当たり
30〜700個、最適には200〜600個設けられて
いることが好ましい。
【0028】支持基体面に被覆される脱硝触媒は、その
内表面のみならず端面や側面に被覆されていてもよい。
そしてその被覆方法としては、一定の粒度に整粒した本
発明の脱硝触媒の粉末をバインダーと共に、またはバイ
ンダーを用いずにウォッシュコート法やゾルゲル法など
の公知の被覆方法を採用して行うことができる。また、
該支持基体に用いられるセラミックス材料としては、α
−アルミナ、ムライト、コージェライト、シリコンカー
バイト等が挙げられ、金属材料としては、オーステナイ
ト系またはフェライト系のステンレス鋼等が挙げられ
る。更に支持基体の形状としては、ハニカム状、フォー
ム状など慣用の形状のものでよい。
【0029】次に、本発明の脱硝用触媒層による排気ガ
スの脱硝方法について説明する。本発明の触媒層は、排
気ガス中のCO、HCおよびHといつた還元性成分を
ΝOxおよびOといつた酸化性成分で完全に酸化する
化学量論量近傍から過剰の酸素を有する排気ガス、即ち
希薄空燃比に至る範囲の内燃機関排気ガス中のNOxの
浄化に適用される。
【0030】このような排気ガスを本発明の脱硝用触媒
層と接触させることにより、NOxはHC等の排気ガス
中に微量に存在する還元剤によってNとHOに還元
されると同時に、HC等の還元剤もCOおよびH
に酸化される。ディーゼルエンジンの排気ガスのよう
に、排気ガスそのもののHC/NOx比(モル比)が低
い場合には、排気ガス中にメタン換算濃度で数百〜数千
ppm程度の燃料HCを添加した後、本発明の触媒層と
接触させるシステムを採用するようにすれば、充分なN
Ox除去率を達成することができる。なお、ここでいう
HCとは、パラフィン系炭化水素、オレフィン系炭化水
素および芳香族系炭化水素、アルコール、アルデヒド、
ケトン、エーテルなどの含酸素有機化合物やガソリン、
灯抽、軽油、重油などを含んだものを意味する。
【0031】本発明による触媒層を用いて、ストイキオ
領域からリーンバーン領域に至るまでの範囲の空燃比で
運転される内燃機関の排気ガスの浄化を行うためのガス
空間速度は特に限定されるものではないが、内燃機関が
自動車用エンジン等の移動用内燃機関である場合には、
前述したように空間速度が10,000h−1以上であ
ることが好ましい。また、空間速度の上限は、現在の自
動車用エンジンなどの内燃機関の性能を考慮すると約2
00,000h−1が適当である。
【0032】そして、本発明の脱硝用触媒層を用いて上
記したような空間速度が10,000h−1〜200,
000h−1の範囲の高い空間速度で酸素過剰雰囲気下
におけるHCによるNOxの浄化を効率よく行わせるた
めには、触媒層入口温度を100℃以上で700℃以
下、最適には200℃以上で600℃以下にすることが
好ましい。
【0033】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例により、
本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は下記実施
例に限定されるものでない。
【0034】(a)使用アルミナ担体の選定 使用アルミナ担体の選定のために、種々の粒径分布を有
するアルミナ水和物を600℃に焼成することによつ
て、表1に示す種々の比表面積および細孔分布を有する
活性アルミナ(γ−アルミナ)を得た。表1において、
al、a2、a3およびa4は、本発明の細孔特性に合
致する活性アルミナであり、一方a5、a6、a7およ
びa8は本発明の範囲外の活性アルミナである。なお、
表1に示される各活性アルミナの細孔分布は、カルロエ
ルバ社製のソープトマチックを使用して測定したもので
ある。
【0035】
【表1】 ────────────────────────────── アルミナ 比表面積 細孔分布 (m/g) Y/X(%) Ζ/Χ(%) ────────────────────────────── a1 241 83.2 2.4 a2 219 87.0 3.9 a3 193 83.9 10.8 a4 174 88.4 4.4 a5 241 51.0 45.9 a6 109 64.6 35.4 a7 267 67.4 20.5 a8 153 28.9 36.9 ──────────────────────────────
【0036】(b)触媒の調製 以下に本発明の触媒層を構成するための各触媒の調製に
ついての調製例を参考例として以下に示す。 参考例1: イ.触媒Aの調製 表1のγ−アルミナalが得られる前駆物質であるアル
ミナ水和物3ΟΟg(構造水27.7%)を、硝酸銀
8.8g、硝酸亜鉛6水和物70gおよびリン酸2gを
溶かした500ミリリットル水溶液に24時間浸漬した
後、攪拌しながら加熱し水分を蒸発させた。次に、これ
を110℃で通風乾燥後、空気中700℃で3時間焼成
し触媒A1を得た。なお、該触媒A1の金属換算での
銀、亜鉛およびリンの含有率は、アルミナに対してそれ
ぞれ2.5重量%、6.6重量%、0.3重量%であつ
た。本実施例において、触媒Aおよび触媒Bの調製時に
おけるアルミナ水和物の焼成を担体選定時の焼成温度よ
りも100℃高い焼成温度の700℃で行なつたが、こ
の程度の温度変化では、アルミナの細孔分布の変化量は
少なく細孔分布は十分に本発明の範囲内にあることが確
認されている。
【0037】ロ.触媒Bの調製 同様に、γ−アルミナalが得られる前駆物質であるア
ルミナ水和物150g(構造水27.7%)を700℃
で3時間焼成することによつて得られたγ−アルミナ
(比表面積169m/g)100gを、塩化金酸2.
1g、硝酸亜鉛6水和物32.3gおよびリン酸0.9
gを溶かした200ミリリットル水溶液に24時間浸漬
した後、撹拌しながら加熱し水分を蒸発させた。次に、
これを110℃で通風乾燥後、空気中700℃で3時間
焼成し触媒B1を得た。なお、該触媒B1の金属換算で
の金、亜鉛およびリンの含有率は、アルミナに対してそ
れぞれ1重量%、6.6重量%および0.3重量%であ
る。
【0038】ハ.触媒Cの調製 同様に、γ−アルミナalが得られる前駆物質であるア
ルミナ水和物を600℃で3時間焼成することによつて
得られたγ−アルミナ100gを、セリウム含有率が1
0重量%となるように硝酸セリウム水溶液に含浸し、1
10℃で3時間乾燥した後、600℃で2時間焼成し
た。次に、該セリウム含有アルミナ担体を、アルミナに
対し白金およびロジウムの含有量がそれぞれ金属換算で
0.5重量%および0.1重量%となるように濃度調整
した塩化白金酸および塩化ロジウムの混合水溶液に含浸
し、110℃で3時間乾燥した後、500℃で2時間焼
成することによつて触媒C1を得た。
【0039】参考例2〜参考例14:触媒Aの調製に際
し、表1に示すγ−アルミナa2〜a8が得られる前駆
物質であるアルミナ水和物を用いた以外は、参考例1と
同様にしてそれぞれ触媒A2(参考例2)、触媒A3
(参考例3)、触媒A4(参考例4)、触媒A5(参考
例5)、触媒A6(参考例6)、触媒A7(参考例7)
および触媒A8(参考例8)を得た。また、触媒Aの調
製に際し、銀の含有率を1.5重量%、3.6重量%と
した以外は参考例1と同様にして、触媒A9(参考例
9)および触媒A10(参考例10)を、亜鉛の含有率
を10重量%とした以外は参考例1と同様にして触媒A
11(参考例11)を、リンの含有率を3重量%とした
以外は参考例1と同様にして触媒A12(参考例12)
を、更に亜鉛およびリンの含有率を0重量%とした以外
は参考例6と同様にして触媒A13(参考例13)を得
た。また更に、触媒Bの調製に際し、金の含有率を0.
5重量%とした以外は参考例1と同様にして触媒B2
(参考例14)を得た。
【0040】参考例15:参考例1の触媒A1に代え
て、特開平6−277454号公報の実施例9記載の技
術に基づいて触媒A14を調製した。即ち、硝酸亜鉛6
水和物46gと硝酸アルミニウム9水和物280gを、
1.5リットルの水に溶解させ、この水溶液に7重量%
のアンモニア水溶液650gを激しく撹拌しながら加え
て得られた沈殿物を約1昼夜熟成した後、これを濾過、
洗浄し、これを110℃の温度で約1昼夜乾燥し、次い
で600℃で6時間焼成することにより触媒担体を得
た。得られた担体の組成はZnO:A1=25:
75(重量比、酸化物換算)であつた。そしてこの担体
38gを、硝酸銀1.26gを含む200ミリリットル
の水溶液に加え、蒸発乾固した後焼成を行い、銀を2重
量%担持させた触媒A14(参考例15)を得た。触媒
A14は、銀、亜鉛の含有率がそれぞれ2重量%、21
重量%であり、リンを含まない触媒である。
【0041】以下に上記した参考例1〜15の触媒を用
いて形成された脱硝用触媒層について、種々の条件下に
おいて脱硝性能を評価した結果について述べる。 [実施例1]参考例1の触媒A1、触媒B1および触媒
Cをそれぞれ加圧成型した後、粉砕して粒度を250〜
500μmに整粒し、触媒A1と触媒B1を重量比で
1:1になるように混合した触媒を前段に、前段の触媒
A1に対する触媒Cの割合が1:1となるような触媒C
が後段になるように内径21mmのステンレス製反応管
に充填して触媒層を形成し、これを常圧固定床反応装置
に装着した。 [性能評価例1] フレッシュ触媒からなる触媒層のリーン雰囲気での脱硝
性能 この触媒層に、モデル排気ガスとして、NO:500p
pm、C:500ppm、O:5%、HO:
10%、残部Nからなる混合ガスを空間速度30,0
00h−1で通過させた。
【0042】試験に際して、反応管出口ガス組成の分析
は、NOとNOの濃度についてはサーモエレクトロン
社製化学発光式NOx計(型番12)で測定し、N
濃度はポラパックQカラムを装着したガスクロマトグラ
フ・熱伝導度検出器を用いて測定した。触媒層入口温度
を100〜700℃の所定温度に設定し、各所定温度毎
に反応管出口ガス組成が安定した時点における値を用
い、脱硝率を下記式1より求めた。本発明のいずれの触
媒層を用いた場合でもNOおよびNOの生成は殆ど
確認できなかつた。
【0043】
【式1】
【0044】[実施例2〜8および比較例1〜6]参考
例2〜13および15の触媒A2〜A14をそれぞれ実
施例1の触媒A1の代わり用いて、上記と同様の触媒層
を形成し、同様にしてモデルガスによる評価試験を行っ
た。触媒A2〜A4、触媒A9〜A12を用いた触媒層
を、それぞれ実施例2〜4、実施例5〜8とし、かつ触
媒A5〜A8、触媒A13〜A14を用いた触媒層を、
それぞれ比較例1〜4、比較例5〜6とした。また、参
考例14の触媒B2を実施例1の触媒B1の代わりに用
いた以外は、上記と同様の触媒層を形成し(実施例9と
した)、同様にしてモデルガスによる評価試験を行っ
た。表2に上記実施例および比較例の触媒層のガス入口
温度を100〜700℃の温度範囲で変化させたときに
得られた最高脱硝率Cmax(%)を示す。表2の結果
より本発明の触媒層は、比較例の触媒層に比べて70%
以上の高い脱硝性能を示すことがわかる。
【0045】[実施例10]参考例1の整粒した触媒A
1、触媒B1および触媒Cの各々をモデルガスの流れ方
向に対して触媒A1、触媒B1、触媒Cの順になるよう
に充填した以外は性能評価例1と同様にして触媒層の脱
硝率評価を行ない、その最高脱硝率Cmax(%)を表
2に示す。表2の結果から、本発明による配置順で各触
媒の配置を行なった触媒層は、高い脱硝性能を示すこと
がわかる。
【0046】[比較例7]参考例1の触媒Cを前段に、
触媒A1とB1の混合触媒を後段に配置して触媒層を形
成した以外は性能評価例1と同様にして、触媒層の脱硝
率の評価を行つた。その最高脱硝率Cmax(%)を表
2に示す。表2の結果から、触媒Cを前段に配置させた
場合には、触媒層の脱硝性能が低下することがわかる。
【0047】
【表2】 ─────────────────────────────────── 触媒層 脱硝率 (%) ─────────────────────────────────── 実施例1 前段[触媒A1+触媒B1]+後段[触媒C] 79.6 実施例2 前段[触媒A2+触媒B1]+後段[触媒C] 81.6 実施例3 前段[触媒A3+触媒B1]+後段[触媒C] 80.6 実施例4 前段[触媒A4+触媒B1]+後段[触媒C] 78.3 比較例1 前段[触媒A5+触媒B1]+後段[触媒C] 46.2 比較例2 前段[触媒A6+触媒B1]+後段[触媒C] 50.0 比較例3 前段[触媒A7+触媒B1]+後段[触媒C] 48.0 比較例4 前段[触媒A8+触媒B1]+後段[触媒C] 51.1 実施例5 前段[触媒A9+触媒B1]+後段[触媒C] 77.5 実施例6 前段[触媒A10+触媒B1]+後段[触媒C] 74.2 実施例7 前段[触媒A11+触媒B1]+後段[触媒C] 80.0 実施例8 前段[触媒A12+触媒B1]+後段[触媒C] 86.6 比較例5 前段[触媒A13+触媒B1]+後段[触媒C] 64.3 比較例6 前段[触媒A14十触媒B1]+後段[触媒C] 33.1 実施例9 前段[触媒A1+触媒B2]+後段[触媒C] 89.5 実施例10 前段[触媒A1中段[触媒B1]後段[触媒C] 71.9 比較例7 前段[触媒C]+後段[触媒A1+触媒B1] 7.0 ───────────────────────────────────
【0048】[性能評価例2] ストイキオ耐久後の触媒層のリーン雰囲気脱硝性能 実施例1、実施例5、比較例5および比較例6の触媒層
について、表3に示すストイキオ組成のガス雰囲気下に
700℃で3時間曝した後、性能評価例1と同様にして
モデルガスによる触媒層の脱硝率の評価を行った。表4
に、各触媒層の最高脱硝率Cmax(%)を示す。表4
の結果から、本発明の実施例の触媒層を用いた場合に
は、ストイキオ雰囲気に曝した後においても高い脱硝性
能を維持しているのに対し、比較例の触媒層を用いた場
合には、ストイキオ条件下に曝した後は脱硝性能が低下
すること、特にフレッシュ触媒A13から構成された場
合に性能評価例1では比較的良好な脱硝性能を示した比
較例5の触媒層は、その低下の程度が顕著であることが
わかる。そして、この結果から本発明により形成された
触媒層は、単に脱硝性能が優れているだけでなく、スト
イキオ耐久性も優れていることがわかる。
【0049】
【表3】 ──────────────────────── (ガス組成) NO :2000ppm C :1000ppm P :0.9% H :1% HO :10% N :残部 (通気条件) ガス空間速度 (SV) :30,000h−1 触媒層入口ガス温度 :700℃ 処理時間 :3時間 ────────────────────────
【0050】
【表4】 ──────────────────────── 触媒層 脱硝率 (%) ──────────────────────── 実施例1 79.5 実施例5 74.4 比較例5 7.0 比較例6 21.1 ────────────────────────
【0051】[性能評価例3] フレッシュ触媒からなる触媒層のストイキオでの脱硝性
能 実施例1の触媒層に、表3のストイキオ組成のガスを流
した以外は、性能評価例1と同様にして触媒層の脱硝率
の評価を行つた。表5に最高脱硝率Cmax(%)を示
す。表5の結果から、本発明の触媒層は、ストイキオ条
件下でも高い脱硝性能を示すことがわかる。
【0052】
【表5】 ────────────────────── 触媒層 脱硝率 ( %) ────────────────────── 実施例1 96.5 ──────────────────────
【0053】[性能評価例4] 空間速度依存性 空間速度を90,000h−1とした以外は、性能評価
例1と同様にして実施例1の触媒層の性能を評価した。
表6に該触媒層の上記空間速度における最高脱硝率Cm
ax(%)を示す。本発明による触媒層は、より高い空
間速度でも非常に優れた脱硝性能を示した。
【0054】
【表6】 ─────────────────────── ガス空間速度 性能評価例4の脱硝率 (h−1) Cmax(%) ─────────────────────── 90,000 77.7 ───────────────────────
【0055】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明の脱硝用触媒お
よび脱硝方法によれば、水蒸気が共存する希薄燃焼領域
において、高い空間速度で且つストイキオ状態に保持し
た後であっても、内燃機関から排出される排気ガス中の
窒素酸化物を高い転化率で還元浄化することができるの
で、ストイキオ領域からリーンバーン領域に至る広範囲
の空燃比において運転される内燃機関から排出される窒
素酸化物の浄化に極めて有効であるということができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/56 301A (72)発明者 池田 浩幸 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 (72)発明者 若林 正男 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 (72)発明者 小崎 幸雄 静岡県沼津市高島本町3−16 ライオンズ 高島901号 (72)発明者 永田 誠 千葉県市川市中国分3−11−1 メゾン・ ド・グレース203号 (72)発明者 伊藤 賢 千葉県市川市南大野2−4 B507

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素ガス吸着法により測定された細孔半
    径と細孔容積との関係が、細孔半径300オングストロ
    ーム以下の細孔の占める細孔容積の合計値をXとし、細
    孔半径25オングストローム以上で100オングスオロ
    ーム未満の細孔の占める細孔容積の合計値をYとし、細
    孔半径100オングストローム以上で300オングスト
    ローム以下の細孔の占める細孔容積をZとしたとき、Y
    がXの70%以上であり、ZがXの20%以下であるよ
    うな細孔構造を有するアルミナ担体に銀、亜鉛およびリ
    ンを含有させてなる触媒Aと、該アルミナ担体に金、亜
    鉛およびリンを含有させてなる触媒Bと、該アルミナ担
    体に白金、パラジウム、ロジウム、イリジウムからなる
    群より選ばれた1種以上およびセリウムを含有させてな
    る触媒Cとから構成されていることを特徴とする脱硝用
    触媒層。
  2. 【請求項2】 触媒Aにおける銀、亜鉛およびリンの含
    有量は、アルミナに対してそれぞれ金属換算で0.1〜
    10重量%、0.1〜10重量%および0.01〜7重
    量%であり、触媒Bにおける金、亜鉛およびリンの含有
    量は、アルミナに対してそれぞれ金属換算で0.1〜1
    0重量%、0.1〜10重量%および0.01〜7重量
    %であり、触媒Cにおける白金、パラジウム、ロジウ
    ム、イリジウムの少なくとも1種とセリウムの含有量
    は、アルミナに対してそれぞれ金属換算で0.05〜1
    0重量%および1〜50重量%であることを特徴とする
    請求項1記載の脱硝用触媒層。
  3. 【請求項3】 希薄空燃比で運転される内燃機関から排
    出された排気ガスの流れを脱硝触媒層と接触させること
    からなる排気ガスの脱硝方法において、該脱硝触媒層に
    請求項1または2記載の脱硝用触媒層を用いることを特
    徴とする脱硝方法。
  4. 【請求項4】 前記脱硝用触媒層に含まれる触媒A、触
    媒Bおよび触媒Cが、前記排気ガズの流れ方向に対し
    て、前段から触媒A、触媒B、触媒Cの順に配置されて
    いるか、触媒Aおよび触媒Bが混合され、かつ触媒Cよ
    りも前段に配置されていることを特徴とする請求項3記
    載の脱硝方法。
  5. 【請求項5】 前記脱硝用触媒層を通過する排気ガスの
    空間速度を、10,000h−1以上200,000h
    −1以下の範囲とすることを特徴とする請求項3または
    4記載の脱硝方法。
  6. 【請求項6】 前記脱硝用触媒層の人口温度を100〜
    700℃の範囲とすることを特徴とする請求項3ないし
    5のいずれか1項記載の脱硝方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003074331A (ja) * 2001-08-31 2003-03-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 排ガス浄化装置及び排ガス処理方法

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