JPH08222933A - アレーアンテナ用受信信号処理装置 - Google Patents

アレーアンテナ用受信信号処理装置

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JPH08222933A
JPH08222933A JP7026681A JP2668195A JPH08222933A JP H08222933 A JPH08222933 A JP H08222933A JP 7026681 A JP7026681 A JP 7026681A JP 2668195 A JP2668195 A JP 2668195A JP H08222933 A JPH08222933 A JP H08222933A
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勇 千葉
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龍 三浦
Yoshio Karasawa
好男 唐沢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来例に比較して高速でマルチビーム形成及
びCMA処理のための演算処理を実行することができ、
しかも回路構成が簡単なアレーアンテナ用信号処理装置
を提供する。 【構成】 1次元又は2次元の所定の配置形状で近接し
て並置された所定の複数個のアンテナ素子からなるアレ
ーアンテナで受信された複数の受信信号に対して準直交
検波処理、低周波ろ波処理、フーリエ変換によるマルチ
ビーム合成処理を含む第1の受信信号処理と、ビーム選
択処理、移相処理及びCMアルゴリズムに基づいたCM
A処理を含む第2の受信信号処理とを実行する。ここ
で、第1の受信信号処理と、ビーム選択処理及び移相処
理と、CMA処理とを、順次所定の時間間隔でパイプラ
イン処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アレーアンテナ用受信
信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】種々の通信方式、特に移動通信方式のた
めに、移動体の受信無線局に主ビーム方向を容易に制御
することができるアクティブフェーズドアレーアンテナ
が研究開発されているが、さらに、デジタル信号処理技
術の進歩とともに、種々の機能を有するアレーアンテナ
の1つとして、ビームフォーミングアンテナが研究開発
されている(例えば、伊藤礼ほか,“DBFアンテナの
試作”,電子情報通信学会技術研究報告,SANE88
−54,1989年1月27日(以下、文献1とい
う。)参照。)。当該ビームフォーミングアンテナとし
て、信号処理をアナログで実行するか、デジタルで実行
するかによって2つの種類のアンテナに分類できる。
【0003】アナログ信号処理を用いるビームフォーミ
ングアンテナにおいては、並置された複数個のアンテナ
素子にてなるアレーアンテナに接続される複数個の移相
器を変化させて、各アンテナ素子のアナログ信号出力を
高周波回路段階又は中間周波段階で合成することにより
当該アレーアンテナの主ビーム方向を所定の方向θkに
向けることができる。例えば、互いに等間隔dで直線状
に並置された複数N個のアンテナ素子を備えたアレーア
ンテナの場合においては、各移相器の位相設定値φn
(n=1,2,…,N)は次の数1で表される。
【0004】
【数1】φn=n・Δφk
【数2】Δφk=(2πdsinθk)/λ ここで、λは受信信号の波長である。
【0005】ここで、各アンテナ素子の信号出力をSn
としたとき、合成出力信号SCは、次の数3で表され
る。
【数3】
【0006】一方、デジタル信号処理を用いるビームフ
ォーミングアンテナ(以下、DBFアンテナという。)
においては、各アンテナ素子にそれぞれ、A/D変換器
を含む受信機が接続され、各A/D変換器からの出力信
号Sn(n=0,1,2,…,N−1)に基づいて上記
数3を用いて、1つのデジタルシグナルプロセッサ(以
下、DSPという。)により受信信号に対して複素数の
乗算及び加算を実行することによってビーム形成を実行
する。
【0007】さらに、上記DBFアンテナにおけるビー
ム合成方法が上記文献1において開示されており、ビー
ム合成方法として離散フーリエ変換を用いる方法と、高
速フーリエ変換を用いる方法とが開示されている。
【0008】前者の方法によるビーム合成方法について
以下に説明する。複数N個のアンテナ素子が直線状にx
1,x2,…,xNの各位置に並置されており、アレイア
ンテナから見て角度θから放射された電波を第i番目の
アンテナ素子で受信したときの複素受信信号をS(θ,
i)とすると、DBFアンテナにおけるビーム形成方法
は空間軸上で標本化された受信信号に基づいて、所定の
角度θk方法からの成分を抽出することを考える。アン
テナビームを受信電力の空間分布を示すものと定義し、
その最大値の方向を主ビーム方向と呼ぶ事にすれば、す
なわち、主ビーム方向をθkとする、アンテナビームB
k(θ)は、S*(θk,i)(i=0,1,2,…,
N−1)をリファレンス関数とする整合フィルタ信号出
力Bk(θ)として次の数4で定義することができる。
ここで、*は複素共役を表わす。
【0009】
【数4】
【0010】このとき、アンテナビームBk(θ)の信
号対雑音電力比(SNR)は最大となる。ここで、到来
する電波の振幅をA0とし、位相をφ0とし、各アンテナ
素子振幅パターンをAi(θ,i)とし、その位相パタ
ーンをφi(θ,i)とし、各受信機の利得をA
2(i)とすると、受信機の信号出力S(θ,i)は次
の数5で表される。
【0011】
【数5】S(θ,i)=A01(θ,i)A2(i)exp[j
0+φ1(θ,i)+φ2(i)+(2πxisinθ)
/λ}]
【0012】従って、アンテナビームBk(θ)は、次
の数6で表される。
【数6】
【0013】上記数6から明らかなように、θk方向の
素子毎の電界ベクトルが同相になるので、アンテナビー
ムBk(θ)はθk方向の出力SNRを最大にすること
ができる。そのサイドローブ特性は各アンテナ素子の利
得A1(θ,i)及び各受信機の利得A2(i)(i=
0,1,2,…,N−1)に依存し、必ずしも所望の特
性が得られるわけではない。従って、サイドローブの抑
圧のために、各受信機の信号出力にそれぞれ重み係数W
(i)(i=0,1,2,…,N−1)を乗算すること
によって重み付けを行う。重み係数W(i)は一般に、
例えばハミング関数(Hammming function)、ハミング
・テイラー関数(Hammming Taylor function)、ドルフ
・チェビシェフ関数(Dolph Chebyshev)などのウィン
ドウ関数W(i)とアンテナ素子及び受信機の利得補正
項からなり、次の数7で表される。
【0014】
【数7】W(i)=w(i)/[√{Eθ[│S(θ,i)
2]}]・│S(θk,i)│]
【0015】ここで、Eθ[ ]はθに関する平均値を
表わす。このときのアンテナパターンBk(θ)は、次
の数8で表される。
【0016】
【数8】
【0017】さらに、上記数8から次の数9を得ること
ができる。
【0018】
【数9】
【0019】上記数9から明らかなように、一般に、任
意の角度θkを主ビーム方向とするアンテナビームを形
成するためには、ビーム1本当たりのアンテナ素子数N
に一致する数の複素積和演算が必要であり、N本のマル
チビームを形成するためには、N2回の複素積和演算が
必要となる。
【0020】次いで、より演算処理が簡単な後者の高速
フーリエ変換の方法の場合について以下に説明する。こ
こで、アレーアンテナの複数N個のアンテナ素子が等間
隔dで直線状に並置されおり、各アンテナ素子の位相パ
ターンφi(θ,i)(i=0,1,2,3,…,N−
1)がアレーアンテナの主ビーム方向の角度θに独立で
あると仮定し、すなわち、各アンテナ素子の位相パター
ンφi(i)=φi(θ,i)であると仮定する。この
とき、ビーム形成に先立って、次の数10を用いて利得
の補正を行うものとすると、アンテナビームBk(θ)
は、各受信機の信号出力を合成する事により、次の数1
1で表される。
【0021】
【数10】Sf(θ,i)=S(θ,i)・w(i)/
[√{Eθ[A1 2(θ,i)]}]・exp[−j{φ0+φ1
(i)+φ2(i)}]
【数11】
【0022】ここで、マルチビームの本数をアンテナ素
子の数に一致させると、各アンテナ素子の主ビーム方向
θkを次の数12で置く。
【0023】
【数12】θk=sin-1(λk/Nd), k=−N/2,−N/2+1,…,0,…,N/2−1
【0024】このとき、アンテナビームBk(θ)は、
アンテナ素子の位置に一致させる事により、次の数13
で表される。
【0025】
【数13】 k=−N/2,…,0,…,N/2−1
【0026】上記数13から明らかなように、アンテナ
ビームBk(θ)は、補正後の受信機の信号出力Sf
(θ,i)の離散フーリエ変換であり、高速フーリエ変
換(以下、FFTという。)アルゴリズムが利用可能で
ある。すなわち、N本のマルチビーム形成に必要な複素
積和演算回数はN2回ではなく、Nlog2Nまで減少さ
せることができる。上記N本のマルチビーム形成の後
に、例えば、これらの中で最大値の信号を選択して、そ
れを受信信号とすることができる。上記ビーム合成を行
うDBFアンテナのための受信信号処理装置として、上
記文献1においては、ミニコンピュータを用いた一例に
ついて開示しているが、ミニコンピュータなど1つの演
算制御装置を用いてFFT演算を含む演算処理を実行し
たとき、上記後者のFFT演算を用いるビーム合成方法
を用いたとしても多数回の演算処理が必要であり、信号
処理が比較的遅いという問題点があった。さらに、アン
テナ素子の数が増大したとき、信号処理がきわめて遅く
なる。
【0027】これを解決するために、本発明者は、特願
平6−25542号の特許出願において、「1次元又は
2次元の所定の配置形状で近接して並置された所定の複
数個のアンテナ素子からなるアレーアンテナで受信され
た複数の受信信号に対して準直交検波処理、低周波ろ波
処理、及びフーリエ変換によるマルチビーム合成処理を
含む受信信号処理を実行するアレーアンテナ用受信信号
処理装置であって、上記受信信号処理を実行する上記ア
ンテナ素子の数に一致した複数個の演算回路を備え、上
記複数個の演算回路を、上記複数個のアンテナ素子の配
置形状に応じて1次元の1本のデータバス又は2次元の
格子形状の複数本のデータバスを介して接続し、上記複
数個の演算回路はそれぞれ、上記受信信号処理を実行す
るように分割された複数個の処理を同時に、上記データ
バスを介して上記信号処理に必要なデータを送受信する
ことによって実行することを特徴とするアレーアンテナ
用受信信号処理装置」(以下、提案した信号処理装置と
いう。)を提案した。
【0028】一方、移動体通信において良好な通信品質
を確保するためには、常に所望波を捕捉する機能ととも
に、多重波伝搬路で発生する周波数選択性フェージング
を除去する機能を備える必要がある。後者のために、例
えば、コンスタント・モジュラス・アルゴリズム(Cons
tant Modulus Algorithm:以下、CMアルゴリズムとい
う。また、CMアルゴリズムを用いた信号処理をCMA
処理という。)は、所望波と相関のある遅延波である不
要波を除去するために有効であることが知られている
(例えば、大鐘武雄ほか「陸上移動通信におけるCMA
アダプティブアレーの選択性フェージング補償特性」電
子情報通信学会論文誌,Vol.J73−B−II,N
o.10,pp489−497,1990年10月参
照。)。
【0029】上記CMA処理に先立って、以下に示す公
知のビーム形成処理と公知のビーム選択処理が実行され
る。 (a)ビーム形成処理:アレーアンテナの各アンテナ素
子でそれぞれ受信された複数M個の受信信号と、希望波
を所定の放射角度の範囲で受信できるように予め決めら
れた形成すべき所定の複数N個のビームの各主ビームの
方向と、受信信号の受信周波数とに基づいて、複数N個
のビーム電界値Enを演算する。 (b)ビーム選択処理:上記ビーム形成処理において演
算された上記複数N個のビーム電界値を所定のしきい値
と比較することによって、当該しきい値以上のビーム電
界値のみを選択して出力する。
【0030】当該CMA処理においては、上記ビーム選
択処理によって選択された複数N個以下のビーム電界値
に基づいて、アレーアンテナの主ビームを希望波の所望
の方向に向けかつ干渉波などの不要波の到来方向の受信
レベルを零にするような各ビームに対応する受信信号に
対する複数N個の重み係数wn(n=1,2,…,N)
を演算する。すなわち、このCMA処理は、包絡線が既
知である希望波の信号波を用いた通信方式において、干
渉波などの不要波の影響によって変化した包絡線の波形
を所望の形に変換することによって不要波の到来方向の
当該アレーアンテナの放射パターンにおける受信レベル
を零にするものである。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】CMA処理を実行する
従来の信号処理装置では、汎用のデジタルシグナルプロ
セッサを搭載したボードを複数枚使用して、外部制御装
置の制御により複数のデジタル信号をオフライン処理を
することによってCMA処理を実行していた。この従来
例では、汎用のデジタルシグナルプロセッサによる処理
であるために、各プロセッサを制御する外部制御装置が
必要であって、処理時間が比較的長くかかり、また、当
該信号処理装置を大幅に小型化することはできなかっ
た。さらに、上記提案した信号処理装置では、CMA処
理を実行することができなかった。
【0032】本発明の目的は以上の問題点を解決し、従
来例に比較して高速でマルチビーム形成処理及びCMA
処理のための演算処理を実行することができ、しかも回
路構成が簡単なアレーアンテナ用信号処理装置を提供す
ることにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載のアレーアンテナ用受信信号処理装置は、1次元又は
2次元の所定の配置形状で近接して並置された所定の複
数個のアンテナ素子(1)からなるアレーアンテナで受
信された複数の受信信号に対して準直交検波処理、低周
波ろ波処理、及びフーリエ変換によるマルチビーム合成
処理を含む第1の受信信号処理と、ビーム選択処理、移
相処理及びコンスタント・モジュラス・アルゴリズムに
基づいたCMA処理を含む第2の受信信号処理とを実行
するアレーアンテナ用受信信号処理装置であって、上記
第1の受信信号処理を実行する上記アンテナ素子(1)
の数に一致した複数個の演算回路を備え、上記複数個の
演算回路(5)を、上記複数個のアンテナ素子(1)の
配置形状に応じて1次元の1本のデータバス又は2次元
の格子形状の複数本のデータバス(101−116)を
介して接続し、上記複数個の演算回路(5)はそれぞ
れ、上記受信信号処理を実行するように分割された複数
個の処理を同時に、上記データバス(101−116)
を介して上記信号処理に必要なデータを送受信すること
によって実行し、上記複数個の演算回路(5)から出力
される第1の受信信号処理後の受信信号データのうち、
より大きなレベルを有する複数個の受信信号データを選
択して出力するためのビーム選択処理を実行するビーム
選択回路(201)と、上記ビーム選択回路(201)
から出力される複数個の受信信号データに基づいて、当
該受信信号データの位相をそれぞれ、上記アレーアンテ
ナの中心に移相させるための移相処理を実行する移相回
路(202)と、上記移相回路(202)から出力され
る複数個の受信信号データに基づいて、上記アレーアン
テナの主ビームを希望波の所望の方向に向けかつ不要波
の到来方向に受信レベルを零にするような各ビームに対
応する受信信号データに対する複数個の重み係数を演算
し、演算した複数個の重み係数を用いて、上記複数個の
受信信号データを上記複数個の重み係数を考慮した加算
を行って1個の最適な受信信号データを出力するCMA
処理回路(203)とを備え、上記第1の受信信号処理
と、上記ビーム選択処理及び上記移相処理と、上記CM
A処理とを、順次所定の時間間隔でパイプライン処理す
ることを特徴とする。
【0034】また、請求項2記載のアレーアンテナ用受
信信号処理装置は、請求項1記載のアレーアンテナ用受
信信号処理装置において、上記移相回路(202)は、
上記移相処理を実行するために必要なデータを選択的に
切り換えて出力する2個のマルチプレクサ(226,2
37)と、上記2個のマルチプレクサ(226,23
7)から出力される2個のデータに対して積和演算を実
行する積和演算器(227)とを備えて構成されたこと
を特徴とする。
【0035】さらに、請求項3記載のアレーアンテナ用
受信信号処理装置は、請求項1又は2記載のアレーアン
テナ用受信信号処理装置において、上記CMA処理回路
(203)は、上記CMA処理を実行するために必要な
データを選択的に切り換えて出力する2個のマルチプレ
クサ(246,248)と、上記2個のマルチプレクサ
(246,248)から出力される2個のデータに対し
て積和演算を実行する積和演算器(260)と、上記積
和演算器(260)から出力されるデータを累積加算す
る累積加算器(261)とを備えて構成されたことを特
徴とする。
【0036】また、請求項4記載のアレーアンテナ用受
信信号処理装置は、請求項1乃至3のうちの1つに記載
のアレーアンテナ用受信信号処理装置において、上記移
相回路(202)から出力される複数個の受信信号デー
タに対応するアンテナ素子(1)のチャンネル番号が変
化したことを検出する検出回路(301,302,30
3)と、上記検出回路(301,302,303)によ
って変化したことを検出されたときに、上記CMA処理
回路(203)における複数個の重み係数を零にリセッ
トする第1のリセット回路(281−288,291−
298)とをさらに備えたことを特徴とする。
【0037】さらに、請求項5記載のアレーアンテナ用
受信信号処理装置は、請求項1乃至4のうちの1つに記
載のアレーアンテナ用受信信号処理装置において、上記
移相回路(202)から出力される複数個の受信信号デ
ータが所定のしきい値未満であるか否かを判断する比較
回路(311)と、上記比較回路(311)によってし
きい値未満であることを判断したときに、上記判断され
た受信信号データを零にリセットする第2のリセット回
路(312)とをさらに備えたことを特徴とする。
【0038】
【作用】以上のように構成された請求項1記載のアレー
アンテナ用受信信号処理装置においては、上記複数個の
演算回路(5)はそれぞれ、上記受信信号処理を実行す
るように分割された複数個の処理を同時に、上記データ
バス(101−116)を介して上記信号処理に必要な
データを送受信することによって実行する。上記ビーム
選択回路(201)は、上記複数個の演算回路(5)か
ら出力される第1の受信信号処理後の受信信号データの
うち、より大きなレベルを有する複数個の受信信号デー
タを選択して出力するためのビーム選択処理を実行す
る。また、上記移相回路(202)は、上記ビーム選択
回路(201)から出力される複数個の受信信号データ
に基づいて、当該受信信号データの位相をそれぞれ、上
記アレーアンテナの中心に移相させるための移相処理を
実行する。さらに、上記CMA処理回路は、上記移相回
路(202)から出力される複数個の受信信号データに
基づいて、上記アレーアンテナの主ビームを希望波の所
望の方向に向けかつ不要波の到来方向に受信レベルを零
にするような各ビームに対応する受信信号データに対す
る複数個の重み係数を演算し、演算した複数個の重み係
数を用いて、上記複数個の受信信号データを上記複数個
の重み係数を考慮した加算を行って1個の最適な受信信
号データを出力する。ここで、上記第1の受信信号処理
と、上記ビーム選択処理及び上記移相処理と、上記CM
A処理とを、順次所定の時間間隔でパイプライン処理す
る。これによって、希望波に対して最大の信号対雑音電
力比を有する受信信号の電力データを得ることができ
る。
【0039】また、請求項2記載のアレーアンテナ用受
信信号処理装置においては、上記移相回路(202)
は、好ましくは、上記移相処理を実行するために必要な
データを選択的に切り換えて出力する2個のマルチプレ
クサ(226,237)と、上記2個のマルチプレクサ
(226,237)から出力される2個のデータに対し
て積和演算を実行する積和演算器(227)とを備えて
構成される。従って、従来例に比較して回路構成が簡単
となり、しかも高速で移相処理を実行することができ
る。
【0040】さらに、請求項3記載のアレーアンテナ用
受信信号処理装置においては、上記CMA処理回路(2
03)は、好ましくは、上記CMA処理を実行するため
に必要なデータを選択的に切り換えて出力する2個のマ
ルチプレクサ(246,248)と、上記2個のマルチ
プレクサ(246,248)から出力される2個のデー
タに対して積和演算を実行する積和演算器(260)
と、上記積和演算器(260)から出力されるデータを
累積加算する累積加算器(261)とを備えて構成され
る。従って、従来例に比較して回路構成が簡単となり、
しかも高速でCMA処理を実行することができる。
【0041】また、請求項4記載のアレーアンテナ用受
信信号処理装置においては、上記検出回路(301,3
02,303)は、上記移相回路(202)から出力さ
れる複数個の受信信号データに対応するアンテナ素子
(1)のチャンネル番号が変化したことを検出する。そ
して、上記第1のリセット回路(281−288,29
1−298)は、上記検出回路(301,302,30
3)によって変化したことを検出されたときに、上記C
MA処理回路(203)における複数個の重み係数を零
にリセットする。従って、ビーム選択された複数個の受
信信号データに対応するアンテナ素子(1)のチャンネ
ル番号が変化したときに、上記CMA処理における収束
時間が長くなることを防止することができる。
【0042】さらに、請求項5記載のアレーアンテナ用
受信信号処理装置においては、上記比較回路(311)
は、上記移相回路(202)から出力される複数個の受
信信号データが所定のしきい値未満であるか否かを判断
する。そして、上記第2のリセット回路(312)は、
上記比較回路(311)によってしきい値未満であるこ
とを判断したときに、上記判断された受信信号データを
零にリセットする。上記受信信号データが零に近い雑音
レベル又はそれに相当するレベルである場合に、不要な
受信信号データを除去して正確に後段のCMA処理を実
行することができる。また、上記受信信号データの少し
の変化で上記選択されたチャンネル番号が変化した場
合、上記第1のリセット回路の動作が生じることを防止
することができる。
【0043】
【実施例】以下、図面を参照して本発明に係る実施例に
ついて説明する。 <第1の実施例>図1は、本発明に係る第1の実施例で
あるアレーアンテナ用受信信号処理装置のブロック図で
ある。この第1の実施例のアレーアンテナ用受信信号処
理装置は、互いに等間隔で互いに直交する2つの軸を有
する2次元のマトリックス形状で並置されたアレーアン
テナの16個のアンテナ素子1−1乃至1−16(総称
して、符号1を付す。)に対応して、準直交検波回路と
トランスバーサル型FIR(有限インパルス応答)低周
波通過フィルタといわゆる空間領域への2次元FFT演
算を用いたマルチビーム合成回路とを含む回路演算を実
行するDSP5−1乃至5−16を設け、当該16個の
DSP5−1乃至5−16を図3に示すように、格子形
状にデータバス101乃至108を介して接続し、さら
に、各DSP5−1乃至5−16を図4の回路を有する
アレーアンテナのデジタル受信信号処理専用のASIC
(Application Specific Integrated Circuit)演算器
を用いて構成したことを特徴とする。
【0044】図1に示すように、アンテナ素子1−1に
は、互いに縦続に接続されたダウンコンバータ2−1と
帯域通過フィルタ3−1とA/D変換器4−1とDSP
5−1とが接続され、アンテナ素子1−2には、互いに
縦続に接続されたダウンコンバータ2−2と帯域通過フ
ィルタ3−2とA/D変換器4−2とDSP5−2とが
接続され、同様にして、アンテナ素子1−3乃至1−1
5に同様のものが接続され、さらに、アンテナ素子1−
16には、互いに縦続に接続されたダウンコンバータ2
−16と帯域通過フィルタ3−16とA/D変換器4−
61とDSP5−16とが接続される。ここで、ダウン
コンバータ2−1乃至2−16(総称して、符号2を付
す。)は互いに同様の回路で構成され、帯域通過フィル
タ3−1乃至3−16(総称して、符号3を付す。)は
互いに同様の回路で構成され、A/D変換器4−1乃至
4−16(総称して、符号4を付す。)は互いに同様の
回路で構成され、DSP5−1乃至5−16(総称し
て、符号5を付す。)は詳細後述するように演算データ
及び演算方法が異なることを除いて互いに同様の回路で
構成される。従って、各回路の動作について、それぞれ
代表して1個のみについて説明する。
【0045】アンテナ素子1によって受信された電波
の、例えばマイクロ波信号などの高周波信号は、ダウン
コンバータ2に入力され、ダウンコンバータ2は入力さ
れた高周波信号を、所定の中間周波数を有する中間周波
信号(以下、IF信号という。)に変換して、不要高調
波成分の除去を実行する帯域通過フィルタ3を介してA
/D変換器4に出力する。A/D変換器4は、例えばサ
ンプリング周波数128kHzで、入力されたIFアナ
ログ信号をIFデジタル信号にA/D変換してDSP5
に出力する。
【0046】次いで、DSP5は、詳細後述するように
構成され、入力されたIFデジタル信号に対して、準直
交検波と、トランスバーサル型FIR低周波通過ろ波
と、2次元FFT演算を用いたマルチビーム合成と、二
乗和演算とを含む演算を実行して、演算結果のデジタル
信号を比較器回路6に出力する。ここで、16個のDS
P5−1乃至5−16は、図3に示すように、X軸方向
で配線されるデータバス101乃至104と、Y軸方向
と直交するY軸方向で配線されるデータバス105乃至
108を介して格子形状で接続される。データバス10
1はDSP5−1乃至5−4に接続され、データバス1
02はDSP5−5乃至5−8に接続され、データバス
103はDSP5−9乃至5−12に接続され、データ
バス104はDSP5−13乃至5−16に接続され
る。一方、データバス105はDSP5−1,5−5,
5−9,5−13に接続され、データバス106はDS
P5−2,5−6,5−10,5−14に接続され、デ
ータバス107はDSP5−3,5−7,5−11,5
−15に接続され、データバス108はDSP5−4,
5−8,5−12,5−16に接続される。
【0047】さらに、比較器回路6は複数の比較器から
構成され、16個のDSP5−1乃至5−16から入力
されたマルチビーム形成後の複数個のデジタル信号のう
ち最大の信号電力を有するデジタル信号を選択した後、
復調器7に出力する。復調器7は入力されたデジタル信
号に対して例えばPSK復調の処理を実行した後、受信
データ信号として出力する。
【0048】図2は図1の各DSP5−1乃至5−16
の機能を示すブロック図である。図2に示すように、A
/D変換器4から入力されたIFデジタル信号は、同期
分配器11によって、互いに直交するIチャンネル(I
ch)とQチャンネル(Qch)の処理のために、互い
に同期した2つのIFデジタル信号に分配される。一
方、局部発振器20は、例えば32kHzの所定の局部
発振周波数を有する局部発振デジタル信号を発生して、
第1の局部発振デジタル信号として乗算器12に出力す
るとともに、入力デジタル信号をπ/2だけ移相させる
π/2移相器21を介して乗算器22に出力する。従っ
て、乗算器22には、上記局部発振デジタル信号からπ
/2だけ移相された局部発振デジタル信号が第2の局部
発振デジタル信号として入力される。ここで、局部発振
器20とπ/2移相器21は各DSP5−1乃至5−1
6毎に設けず、当該装置において1個ずつのみ設ける。
【0049】同期分配器11から出力されたIチャンネ
ル用のIFデジタル信号は、乗算器12によって上記第
1の局部発振デジタル信号と乗算され、乗算結果のデジ
タル信号は、例えば16kHzであるナイキスト周波数
以上の不要波を除去するためにトランスバーサル型FI
R方式の低域通過ろ波処理を実行するFIR低域通過フ
ィルタ13と、上記マルチビーム合成のためのFFT演
算を実行する高速フーリエ変換器14とを介して二乗和
回路15に入力される。一方、同期分配器11から出力
されたQチャンネル用のIFデジタル信号は、乗算器2
2によって、上記第2の局発振デジタル信号と乗算さ
れ、乗算結果のデジタル信号は、ナイキスト周波数以上
の不要波を除去するためにトランスバーサル型FIR方
式の低域通過ろ波処理を実行するFIR低域通過フィル
タ23と、上記マルチビーム合成のためのFFT演算を
実行する高速フーリエ変換器24とを介して二乗和回路
15に入力される。なお、上記トランスバーサル型FI
R低域通過フィルタ13,23は例えば50%ロールオ
フフィルタによって構成される。二乗和回路15は高速
フーリエ変換器14と24から入力される各デジタル信
号を2乗した後、それらの和を演算し、すなわち二乗和
の演算を実行して信号電力レベルを表わす電力データデ
ジタル信号に変換して比較器回路6に出力する。
【0050】なお、図2において図示していないが、高
速フーリエ変換器14から出力されるIチャンネルの空
間データデジタル信号と、高速フーリエ変換器24から
出力されるQチャンネルの空間データデジタル信号と
が、PSK復調のために、復調器7に出力される。
【0051】図4は図1の各DSP5−1乃至5−16
の回路を示すブロック図である。図4に示すように、A
/D変換器4から出力されるIFデジタル信号は、入力
レジスタ31に一時的に記憶された後、入力マルチプレ
クサ34のA入力端子に入力される。それぞれ詳細後述
するIチャンネルのFIFO(First-In First-Out)メ
モリ61a又はQチャンネルのFIFO(First-In Fir
st-Out)メモリ61bから読み出される準直交検波後の
デジタル信号はFIR出力レジスタ62を介して入力マ
ルチプレクサ34のB入力端子に入力される。
【0052】データ線B1,B2は、各DSPに応じて
図3に示すように、X軸方向のデータバス101乃至1
04のいずれか1つのデータバスに接続される一方、デ
ータ線B3,B4は、各DSPに応じて図3に示すよう
に、Y軸方向のデータバス105乃至108のいずれか
1つのデータバスに接続される。4本のデータ線B1乃
至B4はそれぞれFFTマルチプレクサ64のA入力端
子、B入力端子、C入力端子及びD入力端子に接続され
る。FFTマルチプレクサ64によって選択されたデジ
タル信号はFFT出力レジスタ65を介して入力マルチ
プレクサ34のC入力端子に入力される。詳細後述する
2分配器56a又は56bから出力される空間データデ
ジタル信号は、空間データ出力レジスタ63を介して入
力マルチプレクサ34のD入力端子及びデータマルチプ
レクサ35のC入力端子に入力される。
【0053】さらに、MPUによって構成されかつ当該
受信信号処理装置全体の制御を実行するコントローラ
(図示せず。)内に設けられ、FIR低域通過ろ波のた
めのFIRデータを記憶するROM(図示せず、以下、
FIRROMという。)から出力されるFIRデータデ
ジタル信号は、データマルチプレクサ35のA入力端子
に入力される。また、FFT用の重み付け係数のデータ
を記憶するFFT用ウエイトROM33から出力される
FFT用ウエイトデータデジタル信号はデータマルチプ
レクサ35のB入力端子に入力される。さらに、2次元
のマルチビーム形成用の重み付け係数を記憶するビーム
形成用ウエイトROM32から出力されるウエイトデー
タデジタル信号は、データマルチプレクサ35のD入力
端子に入力される。
【0054】入力マルチプレクサ34によって選択され
たデジタル信号はマルチプレクサ及びアキュムレータ3
6のA入力端子に入力され、データマルチプレクサ35
によって選択されたデジタル信号は、マルチプレクサ及
びアキュムレータ36のB入力端子に入力される。マル
チプレクサ及びアキュムレータ36は、マルチプレクサ
とアキュムレータとによって構成され、そのA入力端子
に入力されるデジタル信号と、そのB入力端子に入力さ
れるデジタル信号とを乗算した後、レジスタ37を介し
て、マルチプレクサ及びアキュムレータ36のアキュム
レータ・イン端子に出力するとともに、次の各レジスタ
51a,51b,52a,52b,53a,53b,5
4a,54b,55の入力端子に出力する。ここで、マ
ルチプレクサ及びアキュムレータ36のアキュムレータ
・イン端子に入力されたデジタル信号は、マルチプレク
サ及びアキュムレータ36内のアキュムレータで累積加
算され、当該アキュムレータは、1回のFIR低域通過
ろ波処理毎、1回のFFT演算毎及び1回の二乗和回路
15の演算処理毎に、その演算終了時のデータ読み出し
後にリセットされる。マルチプレクサ及びアキュムレー
タ36は、マルチプレクサとアキュムレータとが一体化
された回路を用いてもよいし、マルチプレクサとアキュ
ムレータとが別々の回路で構成されたものを用いてもよ
い。
【0055】(a)検波後レジスタ51a:Iチャンネ
ルの準直交検波後のデジタル信号を一時的に記憶した
後、FIFOメモリ61aに記憶される。 (b)検波後レジスタ51b:Qチャンネルの準直交検
波後のデジタル信号を一時的に記憶した後、FIFOメ
モリ61bに記憶される。 (c)FIRレジスタ52a:IチャンネルのFIR低
域通過ろ波後のデジタル信号を一時的に記憶した後、デ
ータ線B1に出力する。 (d)FIRレジスタ52b:QチャンネルのFIR低
域通過ろ波後のデジタル信号を一時的に記憶した後、デ
ータ線B2に出力する。 (e)FFT1次レジスタ53a:詳細後述する実数部
の第1のFFT演算の演算結果のデジタル信号を一時的
に記憶した後、データ線B3に出力する。 (f)FFT1次レジスタ53b:詳細後述する虚数部
の第1のFFT演算の演算結果のデジタル信号を一時的
に記憶した後、データ線B4に出力する。 (g)空間データレジスタ54a:詳細後述する実数部
の第2のFFT演算の演算結果である空間データデジタ
ル信号を一時的に記憶した後、分配器56aを介して空
間データ出力レジスタ63及び復調器7に出力する。 (h)空間データレジスタ54b:詳細後述する虚数部
の第2のFFT演算の演算結果である空間データデジタ
ル信号を一時的に記憶した後、分配器56bを介して空
間データ出力レジスタ63及び復調器7に出力する。 (i)電力データレジスタ55:二乗和回路15から出
力される電力データデジタル信号を一時的に記憶した
後、比較器回路6に出力する。
【0056】なお、上記レジスタ51a,51b,52
a,52b,53a,53bの終段には3ステートバッ
ファアンプが設けられる。これは、レジスタ51a,5
1bについては、FIFOメモリ61a,61bからの
データの読み出し時に終段の3ステートバッファアンプ
をオープン状態にし、また、他のDSPからデータ線B
1乃至B4へのデータの出力時に終段の3ステートバッ
ファアンプをオープン状態にするためである。
【0057】次いで、本実施例において用いる2次元の
高速フーリエ変換の方法について以下に説明する。これ
は、従来技術の項で説明した1次元の高速フーリエ変換
の方法を拡張したものである。ここで、上述のように、
アレーアンテナの複数N個(本実施例ではN=16)の
アンテナ素子1が互いに等間隔dで2次元のマトリック
ス形状で並置されており、各アンテナ素子の入力信号を
Skm(θ)(k=0,1,…,N−1;m=0,1,
…,N−1)とすると、1次元目のフーリエ変換の結果
は数14のように表される。ここでkは1次元目のフー
リエ変換における座標であり、mは2次元目のフーリエ
変換の座標である。合成ビーム出力Bkm(k=0,
1,…,N−1;m=0,1,…,N−1)は2次元目
のフーリエ変換の結果であり、1次元目のフーリエ変換
の結果を使用して数15のように表される。
【0058】
【数14】 k=0,1,2,3,…,N−1;m=0,1,2,
3,…,N−1
【0059】
【数15】 k=0,1,2,3,…,N−1;m=0,1,2,
3,…,N−1
【0060】ここで、マルチビームの方向θkmとフー
リエ変換によって得られたビームの関係を示せば、次の
数16で表される。数16において、マルチビームの方
向θkmは、(x,y)の形式で表され、ここで、xは
XZ平面でZ軸を基準とした角度であり、yはYZ平面
でZ軸を基準とした角度である。
【0061】
【数16】θkm=[sin-1{sin(−2π・k/
N)},sin-1{sin(−2π・m/N)}] k=0,1,2,3,…,N−1;m=0,1,2,
3,…,N−1
【0062】上記数14及び数15から明らかなよう
に、アンテナビームBkmは、受信機の信号出力Skm
の離散フーリエ変換であるので、FFTアルゴリズムが
利用可能である。すなわち、N本のマルチビーム形成に
必要な複素演算はN2回ではなく、Nlog2N回まで減
少させることができる。上記N本のマルチビーム形成の
後に、例えば、これらの中で最大値の信号を選択して、
それを受信信号とすることができる。なお、数15のア
ンテナビームBkmは、本実施例の図4の空間データレ
ジスタ54a、54bの信号に対応する。
【0063】図5乃至図9は図1の各DSP5−1乃至
5−16の動作を示す第1のタイミングチャートであ
り、まず、DSP5−1の動作について当該タイミング
チャートを参照して説明する。タイミングチャートにお
いて、「ステート」はクロックに応じて説明のために便
宜上付けたシリアル番号であり、「機能」はDSPによ
って実行される処理機能であり、「入力MUX」は入力
マルチプレクサ34が選択する入力端子を示し、「デー
タMUX」はデータマルチプレクサ35が選択する入力
端子を示し、「FFTMUX」はFFTマルチプレクサ
64が選択する入力端子を示す。ここで、「X」は不定
を表わす。さらに、「出力イネーブル」は出力がイネー
ブルされるレジスタを示し、「入力ラッチトリガ」は入
力ラッチされるレジスタを示す。なお、入力マルチプレ
クサ34とデータマルチプレクサ35とFFTマルチプ
レクサ64の入力端子の切り換え信号と、図5乃至図9
に図示された各レジスタへの出力イネーブル信号と入力
ラッチトリガ信号とは、上記図示しないコントローラ又
は当該コントローラによって制御されるタイミング信号
発生回路(図示せず。)によって発生される。
【0064】図5に示すように、ステート1において、
入力マルチプレクサ34がA入力端子に切り換えられる
とともに、データマルチプレクサ35がD入力端子に切
り換えられる。このとき、A/D変換器4−1から出力
された受信データ信号が、入力レジスタ31及び入力マ
ルチプレクサ34のA入力端子を介してマルチプレクサ
及びアキュムレータ36のA入力端子に入力される一
方、ビーム形成用ウエイトROM32から読み出された
データデジタル信号がデータマルチプレクサ35のD入
力端子を介してマルチプレクサ及びアキュムレータ36
のB入力端子に入力される。そして、マルチプレクサ及
びアキュムレータ36は入力された2つのデジタル信号
を乗算して、すべてのIFデジタル信号を同相にして、
すなわち、サンプリングする毎にすべてのIFデジタル
信号の位相φijが0°,90°,180°,270°
の順で回転して、準直交検波後のIFデジタル信号を発
生するための処理を実行する。そして、ステート1の終
了時に検波後レジスタ51aへの入力ラッチトリガ信号
が立ち上がり、乗算結果のデータデジタル信号は、レジ
スタ37を介して検波後レジスタ51aに記憶された
後、FIFOメモリ61aに記憶される。なお、当該F
IFOメモリ61aには、次の処理であるトランスバー
サル型FIR低域通過ろ波処理のために、現在より9ク
ロック前までの9つの準直交検波後のIチャンネルのデ
ータデジタル信号が記憶されている。
【0065】次いで、ステート2乃至10においては、
トランスバーサル型FIR低域通過ろ波の処理が実行さ
れる。まず、ステート2において、入力マルチプレクサ
34がB入力端子に切り換えられるとともに、データマ
ルチプレクサ35がA入力端子に切り換えられる。この
とき、FIFOメモリ61aから読み出された現在より
9クロック前の準直交検波後のIチャンネルのデータデ
ジタル信号は、FIR出力レジスタ62及び入力マルチ
プレクサ34のB入力端子を介してマルチプレクサ及び
アキュムレータ36のA入力端子に入力される。一方、
FIRROMから読み出されたFIRデータデジタル信
号がデータマルチプレクサ35のA入力端子を介してマ
ルチプレクサ及びアキュムレータ36のB入力端子に入
力される。そして、マルチプレクサ及びアキュムレータ
36は入力された2つのデジタル信号を乗算して、レジ
スタ37を介して、マルチプレクサ及びアキュムレータ
36のアキュムレータ・イン端子に出力する。これによ
って、当該乗算結果のデータデジタル信号は、マルチプ
レクサ及びアキュムレータ36内のアキュムレータに入
力され、この直前では当該アキュムレータはリセットさ
れているので、0に上記乗算結果のデータデジタル信号
とを加算して当該アキュムレータ内に記憶する。
【0066】次いで、ステート3においては、ステート
2と同様に、入力マルチプレクサ34がB入力端子に切
り換えられるとともに、データマルチプレクサ35がA
入力端子に切り換えられる。このとき、FIFOメモリ
61aから読み出された現在より8クロック前の準直交
検波後のIチャンネルのデータデジタル信号は、FIR
出力レジスタ62及び入力マルチプレクサ34のB入力
端子を介してマルチプレクサ及びアキュムレータ36の
A入力端子に入力される。一方、FIRROMから読み
出されたFIRデータデジタル信号がデータマルチプレ
クサ35のA入力端子を介してマルチプレクサ及びアキ
ュムレータ36のB入力端子に入力される。そして、マ
ルチプレクサ及びアキュムレータ36は入力された2つ
のデジタル信号を乗算して、レジスタ37を介して、マ
ルチプレクサ及びアキュムレータ36のアキュムレータ
・イン端子に出力する。これによって、当該乗算結果の
データデジタル信号は、マルチプレクサ及びアキュムレ
ータ36内のアキュムレータに入力され、このとき、入
力された乗算結果のデータデジタル信号は、ステート2
で乗算された乗算結果のデータデジタル信号に加算され
て、当該アキュムレータ内に記憶される。
【0067】以下同様にして、ステート4乃至10でF
IR低域通過ろ波のための処理が実行され、図5に示す
ように、ステート9の中間のタイミングでレジスタ51
aへの出力イネーブル信号が立ち上がるので、このタイ
ミングでステート9でレジスタ51aに記憶された準直
交検波後のIチャンネルのデータデジタル信号はFIF
Oメモリ61aに書き込まれる。さらに、図5に示すよ
うに、ステート10の終了のタイミングで、当該FIR
低域通過ろ波処理の最終の積和演算の結果であるFIR
低域通過ろ波後のIチャンネルのデータデジタル信号
は、マルチプレクサ及びアキュムレータ36からレジス
タ37を介してFIRレジスタ52aに入力されて一時
的に記憶される。
【0068】さらに、ステート11乃至20において、
上記ステート1乃至10と同様に、QチャンネルのIF
デジタル受信信号に対して、準直交検波及びFIR低域
通過ろ波の処理が実行される。そして、図6に示すよう
に、ステート19の中間のタイミングでレジスタ51b
への出力イネーブル信号が立ち上がるので、このタイミ
ングでステート19でレジスタ51bに記憶された準直
交検波後のQチャンネルのデータデジタル信号はFIF
Oメモリ61bに書き込まれる。さらに、図6に示すよ
うに、ステート20の中間のタイミングで、レジスタ5
2a,52bへの出力イネーブル信号が立ち上がるの
で、レジスタ52a,52bにそれぞれ記憶されたFI
R低域通過ろ波後のIチャンネル及びQチャンネルのデ
ータデジタル信号はそれぞれデータ線B1,B2を介し
てFFTマルチプレクサ64のA入力端子及びB入力端
子に入力される。ここで、ステート20の中間のタイミ
ングからステート21の中間のタイミングまで、図7に
示すように、FFTマルチプレクサ64はA入力端子を
選択するので、データ線B1に出力されたFIR低域通
過ろ波後のIチャンネルのデータデジタル信号は、FF
Tマルチプレクサ64及びFFT出力レジスタ65を介
して入力マルチプレクサ34のC入力端子に入力され
る。
【0069】次いで、ステート21から24まで4回の
積和演算を含む第1のFFT演算が実行され、ステート
25から28まで4回の積和演算を含む第2のFFT演
算が実行される。この第1及び第2のFFT演算の方法
を、以下の表1乃至表4に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】表1において、「元データDR」は、右の
欄の演算DSP内のFIRレジスタ52a又は52bに
記憶されているFIR低域通過ろ波後のデータデジタル
信号であり、すなわち、例えば、DSP5−1のFIR
レジスタ52aにはIチャンネルの元データI(0)が
記憶されるとともに、DSP5−1のFIRレジスタ5
2bにはQチャンネルの元データQ(0)が記憶され、
DSP5−2のFIRレジスタ52aにはIチャンネル
の元データI(1)が記憶されるとともに、DSP5−
2のFIRレジスタ52bにはQチャンネルの元データ
Q(1)が記憶され、以下、DSP5−3乃至5−16
に対して同様である。「データX」は、第1のFFT演
算のためのデータであって、上記元データDRである。
当該データXは、同一のDSPのレジスタ52a又は5
2bからデータ線B1又はB2を介してFFTマルチプ
レクサ64のA入力端子又はB入力端子に入力される
か、もしくは、他のDSPからデータバス101乃至1
08のいずれか1つのデータ線B1又はB2を介してF
FTマルチプレクサ64のA入力端子又はB入力端子に
入力された後、FFT出力レジスタ65を介して入力マ
ルチプレクサ34のC入力端子に入力されるデータであ
る。「乗算係数Wx」は第1のFFT演算のための乗算
係数であって、FFT用ウエイトROM33から読み出
された後、データマルチプレクサ35のB入力端子に入
力されるデータである。「結果データD1」は、データ
Xと乗算係数Wxとの積演算を4回繰り返して、それら
の和をとった、いわゆる積和演算の結果のデータ、すな
わち第1のFFT演算の結果データである。例えば、表
1の最上の4段の計算例(以下、最初の計算例とい
う。)では、I(0)×1と、I(1)×1と、I
(2)×1と、I(3)×1との4回の積が実行され、
それらの4つの積の和がI’(0)となり、上記データ
D1はFFT1次レジスタ53a又は53bに記憶さ
れ、次に説明する第2のFFT演算のために用いられ
る。第1のFFT演算は以下同様に、表1乃至表4に示
すように実行される。
【0075】「データY」は、第2のFFT演算のため
のデータであって、各DSPのレジスタ53a又は53
bに記憶されており、必要に応じて、データ線B3又は
B4を介して同一のDSPのFFTマルチプレクサ64
のC入力端子又はD入力端子に入力され、もしくは、デ
ータ線B3又はB4を介して他のDSPのFFTマルチ
プレクサ64のC入力端子又はD入力端子に入力され、
その後、FFT出力レジスタ65を介して入力マルチプ
レクサ34のC入力端子に入力される。「乗算係数W
y」は第2のFFT演算のための乗算係数であって、F
FT用ウエイトROM33から読み出された後、データ
マルチプレクサ35のB入力端子に入力されるデータで
ある。「結果データD2」は、データYと乗算係数Wy
との積演算を4回繰り返して、それらの和をとった、い
わゆる積和演算の結果のデータ、すなわち第2のFFT
演算の結果データである。例えば、表1の最上の4段に
示す最初の計算例では、I’(0)×1と、I’(1)
×1と、I’(2)×1と、I’(3)×1との4回の
積が実行され、それらの4つの積の和がI''(0)とな
る。第2のFFT演算は以下同様に実行される。当該結
果データD2は空間データレジスタ54a又は54bに
記憶された後、次の二乗和回路15の機能に対応する処
理において用いられる。
【0076】上記第1のFFT演算は図3における左右
方向(X軸方向)に対するFFT演算であって、上記第
2のFFT演算は図3における上下方向(Y軸方向)に
対するFFT演算である。なお、表1乃至4に示したF
FT演算は、上記数14及び数15に対応して次の数1
7及び数18で表される。
【0077】
【数17】 k=0,1,2,3
【数18】 m=0,1,2,3
【0078】ここで、X軸方向のアンテナ素子の数と、
Y軸方向のアンテナ素子の数は4素子のため、数14と
数15におけるNは4であって、数17及び数18から
明らかなように、表1乃至4に示したFFT演算の左半
分は左右方向(X軸方向)に対するFFTであって、右
半分は上下方向(Y軸方向)に対するFFTであること
がわかる。
【0079】図7におけるFFT1乃至FFT4は、I
チャンネルIFデジタル受信信号のための第1のFFT
演算であってステート24でIチャンネルの結果データ
D1が計算され、FFT5乃至FF8は、Qチャンネル
IFデジタル受信信号のための第1のFFT演算であ
り、ステート28でQチャンネルの結果データD1が計
算される。また、図8におけるFFT9乃至FF12
は、IチャンネルIFデジタル受信信号のための第2の
FFT演算であってステート29でIチャンネルの結果
データD2が計算され、FFT13乃至FFT16は、
QチャンネルIFデジタル受信信号のための第2のFF
T演算であり、ステート36でQチャンネルの結果デー
タD2が計算される。なお、図7及び図8はDSP5−
1のためのタイミングチャートであるので、Iチャンネ
ルのFFTの処理とQチャンネルのFFTの処理とが区
分できるが、他のDSPにおいては表1乃至表4に示す
ように区分できない。
【0080】図7を参照してDSP5−1の動作の説明
を行うと、ステート21においては、入力マルチプレク
サ34はC入力端子に切り換えられる一方、データマル
チプレクサ35はB入力端子に切り換えられる。このと
き、上記データXは、FFTマルチプレクサ64からF
FT出力レジスタ65及び入力マルチプレクサ34のC
入力端子を介してマルチプレクサ及びアキュムレータ3
6のA入力端子に入力される一方、FFT用ウエイトR
OM33から読み出された乗算係数Wxのデータデジタ
ル信号がデータマルチプレクサ35のB入力端子を介し
てマルチプレクサ及びアキュムレータ36のB入力端子
に入力される。そして、マルチプレクサ及びアキュムレ
ータ36は入力された2つのデジタル信号を乗算して、
レジスタ37を介して、マルチプレクサ及びアキュムレ
ータ36のアキュムレータ・イン端子に出力する。これ
によって、当該乗算結果のデータデジタル信号は、マル
チプレクサ及びアキュムレータ36内のアキュムレータ
に入力され、この直前では当該アキュムレータはリセッ
トされているので、0に上記乗算結果のデータデジタル
信号とを加算して当該アキュムレータ内に記憶する。当
該ステート21におけるFFT1の計算は、最初の計算
例では、I(0)×1の計算である。
【0081】次いで、ステート22においては、ステー
ト21と同様に、入力マルチプレクサ34がC入力端子
に切り換えられるとともに、データマルチプレクサ35
がB入力端子に切り換えられる。このとき、上記データ
Xは、FFTマルチプレクサ64からFFT出力レジス
タ65及び入力マルチプレクサ34のC入力端子を介し
てマルチプレクサ及びアキュムレータ36のA入力端子
に入力される一方、FFT用ウエイトROM33から読
み出された乗算係数Wxのデータデジタル信号がデータ
マルチプレクサ35のB入力端子を介してマルチプレク
サ及びアキュムレータ36のB入力端子に入力される。
そして、マルチプレクサ及びアキュムレータ36は入力
された2つのデジタル信号を乗算して、レジスタ37を
介して、マルチプレクサ及びアキュムレータ36のアキ
ュムレータ・イン端子に出力する。これによって、当該
乗算結果のデータデジタル信号は、マルチプレクサ及び
アキュムレータ36内のアキュムレータに入力され、こ
のとき、入力された乗算結果のデータデジタル信号は、
ステート21で乗算された乗算結果のデータデジタル信
号に加算されて、当該アキュムレータ内に記憶される。
当該ステート21におけるFFT2の計算は、最初の計
算例では、I(1)×1+I(0)の計算である。
【0082】以下同様にして、ステート23及び24で
第1のFFT演算のための処理が実行される。ここで、
ステート23におけるFFT3の計算は、最初の計算例
では、I(2)×1+I(1)+I(0)の計算であ
り、ステート24におけるFFT3の計算は、最初の計
算例では、I(3)×1+I(2)+I(1)+I
(0)=I’(0)の計算であり、ステート24の計算
結果が表1乃至表4における結果データD1である。
【0083】そして、図7に示すように、ステート24
の終了のタイミングで、レジスタ53aへの入力ラッチ
トリガ信号が立ち上がるので、当該第1のFFT演算の
結果である結果データD1のデータデジタル信号は、マ
ルチプレクサ及びアキュムレータ36からレジスタ37
を介してFFT1次レジスタ53aに入力されて一時的
に記憶される。また、この動作の前のステート24の中
間のタイミングで、図7に示すように、レジスタ52
a,52bへの出力イネーブル信号が立ち上がるので、
レジスタ52a,52bにそれぞれ記憶されたFIR低
域通過ろ波後のIチャンネル及びQチャンネルのデータ
デジタル信号はそれぞれデータ線B1,B2を介してF
FTマルチプレクサ64のA入力端子及びB入力端子に
入力される。ここで、ステート24の中間のタイミング
からステート21の中間のタイミングまで、図7に示す
ように、FFTマルチプレクサ64はB入力端子を選択
するので、データ線B2に出力されたFIR低域通過ろ
波後のQチャンネルのデータデジタル信号は、FFTマ
ルチプレクサ64及びFFT出力レジスタ65を介して
入力マルチプレクサ34のC入力端子に入力される。
【0084】さらに、ステート25においては、入力マ
ルチプレクサ34はC入力端子に切り換えられる一方、
データマルチプレクサ35はB入力端子に切り換えられ
る。このとき、上記データXは、上述のように、FFT
マルチプレクサ64からFFT出力レジスタ65及び入
力マルチプレクサ34のC入力端子を介してマルチプレ
クサ及びアキュムレータ36のA入力端子に入力される
一方、FFT用ウエイトROM33から読み出された乗
算係数Wxのデータデジタル信号がデータマルチプレク
サ35のB入力端子を介してマルチプレクサ及びアキュ
ムレータ36のB入力端子に入力される。そして、マル
チプレクサ及びアキュムレータ36は入力された2つの
デジタル信号を乗算して、レジスタ37を介して、マル
チプレクサ及びアキュムレータ36のアキュムレータ・
イン端子に出力する。これによって、当該乗算結果のデ
ータデジタル信号は、マルチプレクサ及びアキュムレー
タ36内のアキュムレータに入力され、この直前では当
該アキュムレータはリセットされているので、0に上記
乗算結果のデータデジタル信号とを加算して当該アキュ
ムレータ内に記憶する。当該ステート25におけるFF
T5の計算は、最初の計算例では、Q(0)×1の計算
である。
【0085】次いで、ステート26においては、ステー
ト25と同様に、入力マルチプレクサ34がC入力端子
に切り換えられるとともに、データマルチプレクサ35
がB入力端子に切り換えられる。このとき、上記データ
Xは、FFTマルチプレクサ64からFFT出力レジス
タ65及び入力マルチプレクサ34のC入力端子を介し
てマルチプレクサ及びアキュムレータ36のA入力端子
に入力される一方、FFT用ウエイトROM33から読
み出された乗算係数Wxのデータデジタル信号がデータ
マルチプレクサ35のB入力端子を介してマルチプレク
サ及びアキュムレータ36のB入力端子に入力される。
そして、マルチプレクサ及びアキュムレータ36は入力
された2つのデジタル信号を乗算して、レジスタ37を
介して、マルチプレクサ及びアキュムレータ36のアキ
ュムレータ・イン端子に出力する。これによって、当該
乗算結果のデータデジタル信号は、マルチプレクサ及び
アキュムレータ36内のアキュムレータに入力され、こ
のとき、入力された乗算結果のデータデジタル信号は、
ステート25で乗算された乗算結果のデータデジタル信
号に加算されて、当該アキュムレータ内に記憶される。
当該ステート26におけるFFT6の計算は、最初の計
算例では、Q(1)×1+Q(0)の計算である。
【0086】以下同様にして、ステート27及び28で
第1のFFT演算のための処理が実行される。ここで、
ステート27におけるFFT7の計算は、最初の計算例
では、Q(2)×1+Q(1)+Q(0)の計算であ
り、ステート28におけるFFT8の計算は、最初の計
算例では、Q(3)×1+Q(2)+Q(1)+Q
(0)=Q’(0)の計算であり、ステート28の計算
結果が表1乃至表4における結果データD1である。
【0087】そして、図7に示すように、ステート28
の終了のタイミングで、レジスタ53bへの入力タッチ
トリガ信号が立ち上がるので、当該第1のFFT演算の
結果である結果データD1のデータデジタル信号は、マ
ルチプレクサ及びアキュムレータ36からレジスタ37
を介してFFT1次レジスタ53aに入力されて一時的
に記憶される。また、この動作の前のステート27の中
間のタイミングで、図7に示すように、レジスタ53
a,53bへの出力イネーブル信号が立ち上がるので、
レジスタ53a,53bにそれぞれ記憶された第1のF
FT演算後の2つのデータデジタル信号はそれぞれデー
タ線B3,B4を介してFFTマルチプレクサ64のC
入力端子及びB入力端子に入力される。ここで、ステー
ト28の中間のタイミングからステート29の中間のタ
イミングまで、図7に示すように、FFTマルチプレク
サ64はC入力端子を選択するので、データ線B3に出
力された第1のFFT演算後のデータデジタル信号は、
次の第2のFFT演算のために、FFTマルチプレクサ
64及びFFT出力レジスタ65を介して入力マルチプ
レクサ34のC入力端子に入力される。
【0088】次いで、図8のステート29においては、
入力マルチプレクサ34はC入力端子に切り換えられる
一方、データマルチプレクサ35はB入力端子に切り換
えられる。このとき、上記データYは、FFTマルチプ
レクサ64からFFT出力レジスタ65及び入力マルチ
プレクサ34のC入力端子を介してマルチプレクサ及び
アキュムレータ36のA入力端子に入力される一方、F
FT用ウエイトROM33から読み出された乗算係数W
yのデータデジタル信号がデータマルチプレクサ35の
B入力端子を介してマルチプレクサ及びアキュムレータ
36のB入力端子に入力される。そして、マルチプレク
サ及びアキュムレータ36は入力された2つのデジタル
信号を乗算して、レジスタ37を介して、マルチプレク
サ及びアキュムレータ36のアキュムレータ・イン端子
に出力する。これによって、当該乗算結果のデータデジ
タル信号は、マルチプレクサ及びアキュムレータ36内
のアキュムレータに入力され、この直前では当該アキュ
ムレータはリセットされているので、0に上記乗算結果
のデータデジタル信号とを加算して当該アキュムレータ
内に記憶する。当該ステート29におけるFFT9の計
算は、最初の計算例では、I’(0)×1の計算であ
る。
【0089】次いで、ステート30においては、ステー
ト29と同様に、入力マルチプレクサ34がC入力端子
に切り換えられるとともに、データマルチプレクサ35
がB入力端子に切り換えられる。このとき、上記データ
Yは、FFTマルチプレクサ64からFFT出力レジス
タ65及び入力マルチプレクサ34のC入力端子を介し
てマルチプレクサ及びアキュムレータ36のA入力端子
に入力される一方、FFT用ウエイトROM33から読
み出された乗算係数Wyのデータデジタル信号がデータ
マルチプレクサ35のB入力端子を介してマルチプレク
サ及びアキュムレータ36のB入力端子に入力される。
そして、マルチプレクサ及びアキュムレータ36は入力
された2つのデジタル信号を乗算して、レジスタ37を
介して、マルチプレクサ及びアキュムレータ36のアキ
ュムレータ・イン端子に出力する。これによって、当該
乗算結果のデータデジタル信号は、マルチプレクサ及び
アキュムレータ36内のアキュムレータに入力され、こ
のとき、入力された乗算結果のデータデジタル信号は、
ステート29で乗算された乗算結果のデータデジタル信
号に加算されて、当該アキュムレータ内に記憶される。
当該ステート30におけるFFT10の計算は、最初の
計算例では、I’(4)×1+I’(0)の計算であ
る。
【0090】以下同様にして、ステート31及び32で
第2のFFT演算のための処理が実行される。ここで、
ステート31におけるFFT11の計算は、最初の計算
例では、I’(8)×1+I’(4)+I’(0)の計
算であり、ステート32におけるFFT12の計算は、
最初の計算例では、I’(12)+I’(8)+I’
(4)+I’(0)の計算であり、ステート32の計算
結果が表1乃至表4における結果データD2である。
【0091】そして、図8に示すように、ステート32
の終了のタイミングで、レジスタ54aへの入力ラッチ
トリガ信号が立ち上がるので、当該第2のFFT演算の
結果である結果データD2のデータデジタル信号は、マ
ルチプレクサ及びアキュムレータ36からレジスタ37
を介して空間データレジスタ54aに入力されて一時的
に記憶される。また、この動作の前のステート32の中
間のタイミングで、図8に示すように、レジスタ53
a,53bへの出力イネーブル信号が立ち上がるので、
レジスタ53a,53bにそれぞれ記憶された第1のF
FT演算後の2つのデータデジタル信号はそれぞれデー
タ線B3,B4を介してFFTマルチプレクサ64のC
入力端子及びD入力端子に入力される。ここで、ステー
ト32の中間のタイミングからステート33の中間のタ
イミングまで、図8に示すように、FFTマルチプレク
サ64はD入力端子を選択するので、データ線B4に出
力された第1のFFT演算後のデータデジタル信号は、
FFTマルチプレクサ64及びFFT出力レジスタ65
を介して入力マルチプレクサ34のC入力端子に入力さ
れる。
【0092】さらに、ステート33においては、入力マ
ルチプレクサ34はC入力端子に切り換えられる一方、
データマルチプレクサ35はB入力端子に切り換えられ
る。このとき、上記データYは、上述のように、FFT
マルチプレクサ64からFFT出力レジスタ65及び入
力マルチプレクサ34のC入力端子を介してマルチプレ
クサ及びアキュムレータ36のA入力端子に入力される
一方、FFT用ウエイトROM33から読み出された乗
算係数Wyのデータデジタル信号がデータマルチプレク
サ35のB入力端子を介してマルチプレクサ及びアキュ
ムレータ36のB入力端子に入力される。そして、マル
チプレクサ及びアキュムレータ36は入力された2つの
デジタル信号を乗算して、レジスタ37を介して、マル
チプレクサ及びアキュムレータ36のアキュムレータ・
イン端子に出力する。これによって、当該乗算結果のデ
ータデジタル信号は、マルチプレクサ及びアキュムレー
タ36内のアキュムレータに入力され、この直前では当
該アキュムレータはリセットされているので、0に上記
乗算結果のデータデジタル信号とを加算して当該アキュ
ムレータ内に記憶する。当該ステート33におけるFF
T13の計算は、最初の計算例では、Q’(0)×1の
計算である。
【0093】次いで、ステート34においては、ステー
ト33と同様に、入力マルチプレクサ34がC入力端子
に切り換えられるとともに、データマルチプレクサ35
がB入力端子に切り換えられる。このとき、上記データ
Yは、FFTマルチプレクサ64からFFT出力レジス
タ65及び入力マルチプレクサ34のC入力端子を介し
てマルチプレクサ及びアキュムレータ36のA入力端子
に入力される一方、FFT用ウエイトROM33から読
み出された乗算係数Wyのデータデジタル信号がデータ
マルチプレクサ35のB入力端子を介してマルチプレク
サ及びアキュムレータ36のB入力端子に入力される。
そして、マルチプレクサ及びアキュムレータ36は入力
された2つのデジタル信号を乗算して、レジスタ37を
介して、マルチプレクサ及びアキュムレータ36のアキ
ュムレータ・イン端子に出力する。これによって、当該
乗算結果のデータデジタル信号は、マルチプレクサ及び
アキュムレータ36内のアキュムレータに入力され、こ
のとき、入力された乗算結果のデータデジタル信号は、
ステート33で乗算された乗算結果のデータデジタル信
号に加算されて、当該アキュムレータ内に記憶される。
当該ステート34におけるFFT14の計算は、最初の
計算例では、Q’(4)×1+Q’(0)の計算であ
る。
【0094】以下同様にして、ステート35及び36で
第2のFFT演算のための処理が実行される。ここで、
ステート35におけるFFT15の計算は、最初の計算
例では、Q’(8)×1+Q’(4)+Q’(0)の計
算であり、ステート36におけるFFT16の計算は、
最初の計算例では、Q’(12)×1+Q’(8)+
Q’(4)+Q’(0)=Q''(0)の計算であり、ス
テート36の計算結果が表1乃至表4における結果デー
タD2である。
【0095】そして、図8に示すように、ステート36
の終了のタイミングで、レジスタ54bへの入力ラッチ
トリガ信号が立ち上がるので、当該第2のFFT演算の
結果である結果データD2のデータデジタル信号は、マ
ルチプレクサ及びアキュムレータ36からレジスタ37
を介して空間データレジスタ54bに入力されて一時的
に記憶される。また、この動作の前のステート367の
中間のタイミングで、図8に示すように、レジスタ54
aへの出力イネーブル信号が立ち上がるので、レジスタ
54aに記憶された第2のFFT演算後の空間データの
データデジタル信号は、次の二乗和回路15の処理のた
めに、分配器56a及び空間データ出力レジスタ63を
介して入力マルチプレクサ34のD入力端子とデータマ
ルチプレクサ35のC入力端子に入力される。
【0096】次いで、図9のステート37においてレジ
スタ54aに記憶された空間データを2乗する処理を実
行し、ステート38においてレジスタ54bに記憶され
た空間データを2乗する処理を実行し、ステート39に
おいて上記2乗した2つのデータを加算して電力量に比
例した電力データ(以下、電力データという。)を計算
する処理を実行する。
【0097】すなわち、図9に示すように、ステート3
7においては、入力マルチプレクサ34がD入力端子に
切り換えられるとともに、データマルチプレクサ35が
C入力端子に切り換えられる。このとき、上記空間デー
タのデータデジタル信号は、分配器56aと空間データ
出力レジスタ63とを介して、入力マルチプレクサ34
のD入力端子とデータマルチプレクサ35のC入力端子
とに入力され、それら同一の空間データのデータデジタ
ル信号がマルチプレクサ及びアキュムレータ36の両入
力端子に入力されるので、マルチプレクサ及びアキュム
レータ36は入力された同一の2つの空間データのデー
タデジタル信号を乗算して、レジスタ37を介して、マ
ルチプレクサ及びアキュムレータ36のアキュムレータ
・イン端子に出力する。これによって、当該乗算結果の
データデジタル信号は、マルチプレクサ及びアキュムレ
ータ36内のアキュムレータに入力され、このとき、入
力された乗算結果のデータデジタル信号は、この演算の
直前にリセットされているので、当該乗算結果のデータ
デジタル信号が0に加算されて、当該アキュムレータ内
に記憶される。当該ステート37における空間データの
2乗の計算は、最初の計算例では、I''(0)の2乗の
計算である。なお、ステート37の中間のタイミング
で、レジスタ54bへの出力イネーブル信号が立ち上が
るので、レジスタ54bに記憶された第2のFFT演算
後の空間データのデータデジタル信号は、次の二乗和回
路15の処理のために、分配器56b及び空間データ出
力レジスタ63を介して入力マルチプレクサ34のD入
力端子とデータマルチプレクサ35のC入力端子に入力
される。
【0098】次いで、図9に示すように、ステート38
においては、入力マルチプレクサ34がD入力端子に切
り換えられるとともに、データマルチプレクサ35がC
入力端子に切り換えられる。このとき、上記空間データ
のデータデジタル信号は、分配器56aと空間データ出
力レジスタ63とを介して、入力マルチプレクサ34の
D入力端子とデータマルチプレクサ35のC入力端子と
に入力され、それら同一の空間データのデータデジタル
信号がマルチプレクサ及びアキュムレータ36の両入力
端子に入力されるので、マルチプレクサ及びアキュムレ
ータ36は入力された同一の2つの空間データのデータ
デジタル信号を乗算して、レジスタ37を介して、マル
チプレクサ及びアキュムレータ36のアキュムレータ・
イン端子に出力する。これによって、当該乗算結果のデ
ータデジタル信号は、マルチプレクサ及びアキュムレー
タ36内のアキュムレータに入力され、このとき、入力
された乗算結果のデータデジタル信号は、ステート37
で計算された空間データの2乗のデータに、当該乗算結
果のデータデジタル信号が加算されて、レジスタ37を
介して電力データレジスタ55に出力される。なお、当
該ステート38における空間データの2乗の計算は、最
初の計算例では、Q''(0)の2乗の計算である。そし
て、ステート38の終了のタイミングで、入力ラッチト
リガが立ち上がるので、上記レジスタ37から出力され
るステート38の演算結果のデータデジタル信号が電力
データレジスタ55に記憶される。なお、この動作の前
のステート38の中間のタイミングから次のステート3
9の中間のタイミングまでに、レジスタ55の出力イネ
ーブル信号が立ち上がるので、レジスタ55の記憶され
た電力データ、すなわち二乗和回路15の演算結果のデ
ータデジタル信号は比較器回路6に出力される。なお、
ステート40は、次の演算サイクルとのバッファのため
に設けられる。
【0099】上記説明したステート1からステート40
までのDSP5−1の計算と同時に、他のDSP5−2
乃至5−16は、表1乃至表4に示した、上記ステート
1からステート40までと同様の処理を実行する。これ
によって、次に示す16個の電力データを計算すること
ができる。これらの16個の電力データは、比較器回路
6で最大のデータが選択されて復調器7に入力されて、
DSP内のレジスタ54a,54bから出力されるIチ
ャンネルとQチャンネルの2つの空間データを用いて例
えばPSK復調されて、復調後のデータデジタル信号が
受信データ信号として出力される。
【0100】上述のように、各DSPが同時に、準直交
検波、トランスバーサル型FIR低域通過ろ波及び空間
領域へのFFT演算とを含む処理を実行するので、きわ
めて高速で実行することができる。また、DSPにおい
て、準直交検波、トランスバーサル型FIR低域通過ろ
波及び空間領域へのFFT演算とを含む処理を実行する
ので、フェーズドアレーアンテナにおけるバトラーマト
リックスなどのアナログによるマルチビーム形成を用い
たアレーアンテナの信号処理に比較して、本実施例の装
置は、近接したマルチビームをより高い信号対雑音比で
実現することができるという利点がある。
【0101】以上説明したように、第1の実施例におい
ては、マルチビーム形成を含む演算処理を効率的に実行
する方法として、アレーアンテナのアンテナ素子の物理
的配置の2次元の2つの軸、すなわちX軸方向とY軸方
向の各DSPでそれぞれ計算されたデータを各DSP間
で効率的に送受信することができるように、X軸方向の
4つのデータバス101乃至104とY軸方向の4つの
データバス105乃至108を用いている。上記FFT
演算処理においては、個々のアンテナ素子で受信された
受信信号を合成して、空間的な情報においては変換する
必要があるため、各DSPで計算された受信データを各
DSP間で送受信して交換する必要がある。他のDSP
で計算された後、このデータバス101乃至104を介
して送受信された計算結果を用いるので、上記FFT演
算を効率的に実行することができる。これによって、各
演算サイクルでのDSPの使用効率を増大させることが
できる。すなわち、各DSP間をFFT演算の専用のデ
ータバス101乃至116を用いることにより演算に必
要なデータを送受信することによって、各DSPの稼働
率を最大にすることができる。言い換えれば、マルチデ
ジタル信号処理器の構成をとり、そのすべてのDSPに
上記受信信号処理を分散できるように構成している。
【0102】以上説明したように、DSP5−1乃至5
−16であるASIC演算回路間を、図3に示すよう
に、格子形状のバス101乃至116を用いて接続し
て、所定のマルチビーム合成などの演算処理を各ASI
C演算回路に分散して実行するので、すべてのASIC
演算回路が同時に演算する時間を増加させ、ASIC演
算回路の稼働率を増大させることができる。これによっ
て、従来例に比較して高速でマルチビーム形成のための
演算処理を実行することができ、しかも回路構成が簡単
なアレーアンテナ用信号処理装置を提供することができ
る。
【0103】さらに、この第1の実施例の受信信号処理
装置のDSP内に、例えば、QPSK復調回路を付加し
てもよい。
【0104】本実施例の受信信号処理装置は、搬送波周
波数に依存しないので、L帯でもS帯でも同一の受信信
号処理装置を用いることができる。すなわち、搬送波周
波数が変更になっても、通信データのレートが同一であ
れば、デジタル信号処理装置の演算アルゴリズムに影響
はないためである。
【0105】また、DSPを動作させる周波数を任意の
データレートに適応させることによって、同一の回路を
使用することができる。これは、実際のデータレートに
対して、デジタル受信信号処理装置の動作周波数が決定
されており、例えば当該デジタル受信信号処理装置が高
い周波数であっても動作することが可能であれば、回路
を変更しないで、動作周波数のみを変更するだけで対応
することができる。
【0106】<第2の実施例>図10は、本発明に係る
第2の実施例であるアレーアンテナ用受信信号処理装置
のブロック図である。図10において図1と同一のもの
については同一の符号を付している。この第2の実施例
の装置は、第1の実施例の比較して、マルチビーム処理
用DSP5−1乃至5−16と、復調器7との間に、図
1の比較器回路6に代えて、ビーム選択回路201と、
移相回路202と、CMA処理回路203とを備え、D
SP5−1乃至5−16によるマルチビーム合成処理
(以下、マルチビーム処理という。)と、回路201及
び202によるビーム選択処理と移相処理と、回路20
3によるCMA処理とを、図11に示すように、各サン
プリング間の時間間隔で、順次パイプライン処理で実行
したことを特徴としている。以下、第1の実施例との相
違点について詳細に説明する。なお、図11において、
マルチビーム処理は、フーリエ変換によるマルチビーム
処理のほかに、DSP5−1乃至5−16による他の準
直交検波処理と、低周波ろ波処理とを含む。
【0107】すなわち、図11に示すように、n回目の
受信信号のサンプリング時から次の(n+1)回目の受
信信号のサンプリング時までの時間間隔に、n回目のマ
ルチビーム処理と、(n−1)回目のビーム選択処理及
び移相処理と、(n−2)回目のCMA処理とを実行し
た後、(n+1)回目の受信信号のサンプリング時から
次の(n+2)回目の受信信号のサンプリング時までの
時間間隔に、(n+1)回目のマルチビーム処理と、n
回目のビーム選択処理及び移相処理と、(n−1)回目
のCMA処理とを実行する。次いで、(n+2)回目の
受信信号のサンプリング時から次の(n+3)回目の受
信信号のサンプリング時までの時間間隔に、(n+2)
回目のマルチビーム処理と、(n+1)回目のビーム選
択処理及び移相処理と、n回目のCMA処理とを実行す
る。以降、これらの処理をパイプライン処理にて繰り返
し実行する。そして、各処理の実行後に、受信信号のサ
ンプリング毎に処理された結果である受信信号のIチャ
ンネルデータとQチャンネルデータが復調回路7に出力
される。
【0108】図12は、図10のビーム選択回路201
を示すブロック図である。図12に示すように、ビーム
選択回路201は、8個の1段目の比較器210−1乃
至210−8と、4個の2段目の比較器211−1乃至
211−4と、2個の3段目の比較器212−1乃至2
12−2と、1個の4段目の比較器213とを備え、こ
れら比較器は入力される2つのチャンネルの電力データ
を比較してより大きな電力データを有するチャンネルを
検出して、そのより大きな電力データとそのチャンネル
番号データを出力する。マルチビーム処理用DSP5−
1乃至5−16からそれぞれ出力される電力データとそ
のチャンネル番号データ1乃至16は、各2組のデータ
が1つの比較器に入力されるように、比較器210−1
乃至210−8に入力される。上記比較器の処理を、図
12に示すように順次行うことにより、16チャンネル
の中で最大の電力データとそのチャンネル番号データを
得る。このビーム選択回路201において、すべてのチ
ャンネルの電力レベルを比較して、最大の電力レベルを
有する受信ビームと、2番目乃至4番目の電力レベルを
有する受信ビームとを選択する。2番目の電力レベルを
有する受信ビームを選択する場合は、前に選択されたビ
ームの電力レベルを0に設定して、再度ビーム選択回路
201において比較処理を行って、2番目の電力レベル
を有する受信ビームのチャンネル番号を得る。以下、同
様にして、3番目及び4番目の電力レベルを有する受信
ビームを選択する。
【0109】図13は、図10の移相回路202を示す
ブロック図であり、図14は、図13の移相回路202
におけるビームの移相処理を示す平面図である。
【0110】本実施例においては、移相回路202への
入力信号として、最大の電力レベルのビームから数えて
より大きな電力レベルを有する4本の受信ビームを選択
している。これらの受信ビームのチャンネル番号データ
がそれぞれ、チャンネル番号レジスタ231乃至234
に一時的に格納された後入力データマルチプレクサ22
5の各入力端子0乃至3の対に入力されるとともに、そ
れらのチャンネル番号に対応する実数部の空間データ
(図4の空間データレジスタ54aに一時的に格納され
たデータ)と虚数部の空間データ(図4の空間データレ
ジスタ54bに一時的に格納されたデータ)が、互いに
直交するIチャンネル及びQチャンネル空間データとし
て、DSP5−1乃至5−16のうちの4つのDSPか
ら入力されて入力データレジスタ221a,221b,
222a,222b,223a,223b,224a,
224bに一時的に格納された後、チャンネル番号マル
チプレクサ235の各入力端子0乃至3に入力される。
【0111】次いで、図13におけるそれ以降の回路に
よって、以下に示す複素演算を行うことにより移相処理
を実行して、移相された信号を得る。いま、マルチビー
ムの出力信号の配置を、図14に示す。例えば、図14
におけるチャンネル1(図においてCH1と示す。以下
同様とする。)をx=1,y=1の座標とすると、各ビ
ームの移相量φxyは以下の数19で表される。ただし、
x=4及びy=4はそれぞれφxyの座標でx=0,y=
0とする。図14においては、ビームの座標のみに意味
があり、4素子アレーアンテナにおけるビームの移相処
理の物理的意味を図20及び図21に示す。DSP5−
1乃至5−16におけるFFT演算ではFFTの効果を
求めるために、ベクトル係数を用いますが、このままで
は、移相の中心が図20に示すように、アレーアンテナ
の端部にきてしまいます。移相処理前の移相中心を、図
21に示すように、アレーアンテナの中心位置Opにも
ってゆくために、当該移相処理202によって移相処理
を実行する。
【0112】
【数19】φxy=exp[−j{3π(x−1)/4}]・exp
[−j{3π(y−1)/4}]
【0113】ここで、各ビームをBeamxy=(Ixy
xy)とすると、移相処理後の受信データIxy’,
xy’は次の数20及び数21で表される。
【0114】
【数20】 Ixy’=cos(φxy)Ixy−sin(φxy)Qxy
【数21】 Qxy’=sin(φxy)Ixy+cos(φxy)Qxy
【0115】図13において、入力マルチプレクサ22
5は、各入力端子0乃至3の対のうちの1つの対を選択
して、1つのIチャンネルデータと1つのQチャンネル
データをそれぞれIQマルチプレクサ226の入力端子
0及び1に出力する。そして、IQマルチプレクサ22
6は、その入力端子0及び1のうち1つの端子を選択し
て、1つのデータを積和演算器227のA入力端子に出
力する。一方、チャンネル番号マルチプレクサ235
は、その入力端子0乃至3のうちの1つの入力端子を選
択して1つのチャンネル番号データを移相データROM
236に出力する。移相データROM236には、各チ
ャンネルに対して、各チャンネルのデータを図20及び
図21に示すようにアレーアンテナ1の中心Opに移相
させるための移相データの実数部データ(以下、Reデ
ータという。)と虚数部データ(以下、Imデータとい
う。)が予め格納されており、これらのデータ(具体的
には、図20と図21におけるcos(φxy)とsin
(φxy)のデータである。)がそれぞれReImマルチ
プレクサ237の入力端子0及び1に入力され、ReI
mマルチプレクサ237はその入力端子0及び1のうち
の1つを選択して1つのデータ(Reデータ又はImデ
ータ)を積和演算器227のB入力端子に出力する。積
和演算器227は、数20及び数21の演算式に従っ
て、A入力端子に入力されるデータとB入力端子に入力
されるデータとの第1の積を演算するとともに、その積
を一時的にその内部レジスタに格納した後、次いで同様
に第2の積の演算を行った後、加減算コントロール信号
に基づいて上記第1積と上記第2の積の和又は差の演算
を実行してレジスタ228を介して、Iチャンネルデー
タIxy’とQチャンネルデータQxy’とをそれぞれ出力
データレジスタ229aと229bに一時的に格納し、
その後、CMA処理回路203に出力する。
【0116】すなわち、図13に示す実施例の構成で
は、選択されたよりレベルの大きな4本の受信ビームに
ついて、上記数20及び数21の演算を行って、CMA
処理回路203に出力される。表5乃至表8に、移相回
路202の動作を示すタイミングチャートのテーブルを
示す。ここで、時間経過につれて状態番号を大きくして
いる。
【0117】
【表5】
【0118】
【表6】
【0119】
【表7】
【0120】
【表8】
【0121】表5乃至表8において、MUXはマルチプ
レクサであり、マルチプレクサの欄の数字は選択すべき
入力端子番号である。加減算コントロール信号の1は加
算を示す、0は減算を示す。出力レジスタトリガ信号の
1はイネーブルを示し、0はディスエーブルを示す。ま
た、R(・)は実数部を示し、I(・)は虚数部を示
す。さらに、Reビーム1は1番目のIチャンネルのデ
ータの移相処理を示しており、Imビーム1は1番目の
Qチャンネルのデータの移相処理を示している。例え
ば、状態番号1から4までの処理は、1番目のIチャン
ネルのデータの移相処理であり、積和演算器227のA
入力端子に1番目のIチャンネルの空間データ(R(S
Y1)で示す。)が入力されるとともに、積和演算器2
27のB入力端子に1番目のチャンネルに対する移相デ
ータの実数部(R(PS1)で示す。)が入力される。
これらの第1の積の結果がRI(1)として一時的にそ
の内部レジスタに格納される。次いで、積和演算器22
7のA入力端子に1番目のQチャンネルの空間データ
(I(SY1)で示す。)が入力されるとともに、積和
演算器227のB入力端子に1番目のチャンネルに対す
る移相データの虚数部(I(PS1)で示す。)が入力
される。これらの第2の積の結果と上記第1の積の結果
RI(1)との和の演算が実行されて、その結果である
移相処理後の1番目のIチャンネルデータは、状態番号
5で出力データレジスタ229a,229bのトリガ信
号がイネーブルされてCMA処理回路203に出力され
る。
【0122】以下同様にして、1番目から4番目までの
IチャンネルとQチャンネルの移相処理後のデータが計
算されてCMA処理回路203に出力される。すなわ
ち、移相回路202の出力データとして、位相中心をア
レーアンテナの中心Opに移相した電力レベルが最大の
ものから4本の受信ビームを得ることができる。
【0123】図13に示した移相回路202において、
マルチプレクサ225と226とを2個のマルチプレク
サに分割しているが、本発明はこれに限らず、これらの
マルチプレクサ225,226に入力される切り換え信
号を統合して、1個のマルチプレクサで構成してもよ
い。
【0124】図15は、図10のCMA処理回路203
を示すブロック図である。なお、図15のCMA処理回
路203においては、選択されたビームの組み合わせが
変化することにより、重みのデータが大幅に変更にな
り、そのまま重みを使用すれば、収束に影響が出てく
る。すなわち、収束までに多大の時間を要する場合が生
じ、このような時には重みレジスタの内容をリセットし
て初期状態に戻している。これについては、図18を参
照して詳細後述する。
【0125】まず、図15に示すCMA処理回路203
によって実行されるCMA処理のアルゴリズムについて
述べる。当該CMA処理の出力結果の式は次の数22で
表される。
【0126】
【数22】Yn=Σ3 m=0(n) m・Xmn
【0127】上記数22において、Σの演算は、m=0
から3まで順次変化したときの和である。ここで、Xmn
はCMA処理回路203への入力信号であり、W(n) m
各m番目のビーム毎の重み係数である。nは時系列の離
散的なサンプル時間を表わす。各ビームに与える重みは
次の数23で与えられ、重みはサンプル毎に更新され
る。
【0128】
【数23】 W(n+1) m=W(n) m−μX*mn(│Yn│2−σ2
【0129】ここで、X*mnは、入力信号Xmnの複素共
役であり、μはCMA処理回路における収束の速さを決
定する係数であり、σはその収束係数である。
【0130】図17は、図15のCMA処理回路203
によって実行されるCMA処理を示すフローチャートで
ある。図17に示すように、まず、ステップS1におい
て、CMA処理後の電力データYnを数22を用いて計
算する。次いで、ステップS2において、数22の第2
項のスカラー量μ(│Yn│2−σ2)を計算する。そし
て、ステップS3において、各ビーム毎にX*mn・Yn
を計算する。さらに、ステップS4において、数23の
第2項の誤差データμX*mn(│Yn│2−σ2)を計算
し、ステップS5において、重みW(n) mから上記計算さ
れた誤差データを減算して重みW(n+1) を計算す
る。最後に、ステップS6において、計算された重みW
(n+1) で重みレジスタ291乃至298を更新し
て、CMA処理を終了する。
【0131】このCMA処理を実行することによって、
選択された4個のビームの受信信号の電力データに基づ
いて、アレーアンテナ1の主ビームを希望波の所望の方
向に向けかつ干渉波などの不要波の到来方向に受信レベ
ルを零にするような各ビームに対応する受信信号に対す
る4個の重み係数Wmを演算することができる。そし
て、これらの4個の重み係数Wmを用いて、選択された
4個のビームの受信信号の電力データを重み係数を考慮
した加算を行うことによって、希望波に対して最大の信
号対雑音電力比を有する受信信号の電力データを得る。
【0132】次いで、図15を参照して、CMA処理回
路203の構成について説明する。移相処理回路202
から出力された移相処理後の1番目乃至4番目のIチャ
ンネルデータとQチャンネルデータはそれぞれ、入力デ
ータレジスタ241a,241b,242a,242
b,243a,243b,244a,244bに一時的
に格納された後、入力データマルチプレクサ245の各
入力端子0乃至7に入力される。入力データマルチプレ
クサ245は、8つの入力端子0乃至7のうち1つの入
力端子を選択して1つのデータをAマルチプレクサ24
6の入力端子2に出力される。なお、定数データμがA
マルチプレクサ246の入力端子0に入力され、定数デ
ータσ2がAマルチプレクサ246の入力端子1に入力
される。さらに、後述する出力マルチプレクサ274か
らの出力データがAマルチプレクサ246の入力端子3
及びBマルチプレクサ248の入力端子0に入力され
る。Aマルチプレクサ246からの出力データはレジス
タ247を介して積和演算器260のA入力端子に入力
される。
【0133】一方、後述する累積加算器261からの出
力データは、そのデータの内容に応じて、入力データレ
ジスタ251乃至258に一時的に格納された後、中間
データマルチプレクサ259の入力端子0乃至7に入力
される。中間データマルチプレクサ259は、8つの入
力端子0乃至7のうちの1つの入力端子を選択してデー
タをBマルチプレクサ248の入力端子1に出力する。
Bマルチプレクサ248の入力端子2には、重みデータ
を供給する重み回路204からの重みデータが入力さ
れ、また、Bマルチプレクサ248の入力端子3には定
数データ(−1)が入力される。Bマルチプレクサ24
8は、4つの入力端子0乃至3のうち1つの入力端子を
選択してデータをレジスタ249を介して積和演算器2
60のB入力端子に出力する。積和演算器260は、積
和演算器227と同様に、加減算コントロール信号に応
じて積和演算を実行して、その演算結果のデータを累積
加算器261に出力するとともに、所定の桁の丸め処理
を行う丸め回路262を介して減算器263のA入力端
子に出力する。上記減算器263からの出力データは、
図16の重み回路204を介してBマルチプレクサ24
8の入力端子2及び減算器263のB入力端子に入力さ
れる。
【0134】累積加算器261によって演算された演算
データRe(Yn)は出力データレジスタ271に一時
的に格納された後、出力マルチプレクサ274の入力端
子0に出力されるとともに、CMA処理後の演算出力デ
ータとして出力される。また、累積加算器261によっ
て演算された演算データμ(│Yn│2−σ2)は出力デ
ータレジスタ272に一時的に格納された後、出力マル
チプレクサ274の入力端子1に出力される。さらに、
累積加算器261によって演算された演算データIm
(Yn)は出力データレジスタ273に一時的に格納さ
れた後、出力マルチプレクサ274の入力端子2に出力
される。出力マルチプレクサ274は、3つの入力端子
0乃至2のうち1つの入力端子を選択して、データをA
マルチプレクサ246の入力端子3とBマルチプレクサ
248の入力端子0に出力する。なお、出力データレジ
スタ271に格納された演算データRe(Yn)はIチ
ャンネルデータとして出力されるとともに、出力データ
レジスタ273に格納された演算データIm(Yn)は
Qチャンネルデータとして出力され、これらのデータは
互いに直交している。
【0135】図16は、重み係数を順次出力するための
図15の重み回路204を示すブロック図である。図1
6に示すように、減算器263から入力されるデータ
は、8個のセレクタ281乃至288の各A入力端子
と、重みレジスタ291乃至298とを介して重みマル
チプレクサ299の各入力端子0乃至7に入力される。
ここで、重みレジスタ291乃至298はそれぞれ、図
16に示すように1番目乃至4番目の重みWmの実数部
と虚数部とを格納する。重みマルチプレクサ299は、
8つの入力端子0乃至7のうちの1つの入力端子を選択
してデータを重み回路204の出力データとして出力す
る。セレクタ281のB入力端子には、定数データ(7
F(16進数表示))が入力される一方、他のセレクタ
282乃至288の各B入力端子には、定数データ(0
0(16進数表示))が入力される。
【0136】図18で示すリセット信号発生回路300
から出力されたハイレベルのリセット信号がセレクタ2
81乃至288に入力されたとき、セレクタ281乃至
288の入力端子の選択がAからBに切り換えられ、上
記定数データが重みレジスタ291乃至298に出力さ
れる。また、リセット信号に応答して、重みレジスタ2
91乃至298は、格納している重みデータを0にリセ
ットする。なお、重みレジスタ291乃至298は、ハ
イレベルのトリガ信号が入力されたとき、入力されるデ
ータを一時的に格納して出力する。
【0137】表9乃至表19に、CMA処理回路203
の動作を示すタイミングチャートのテーブルを示す。こ
こで、時間経過につれて状態番号を大きくしている。
【0138】
【表9】
【0139】
【表10】
【0140】
【表11】
【0141】
【表12】
【0142】
【表13】
【0143】
【表14】
【0144】
【表15】
【0145】
【表16】
【0146】
【表17】
【0147】
【表18】
【0148】
【表19】
【0149】表9乃至表19において、MUXはマルチ
プレクサであり、マルチプレクサの欄の数字は選択すべ
き入力端子番号である。加減算コントロール信号の1は
加算を示す、0は減算を示す。出力レジスタトリガ信号
の0はすべての出力データレジスタ271乃至273を
ディスエーブルすることを示し、1は出力データレジス
タ271をイネーブルすることを示し、2は出力データ
レジスタ273をイネーブルすることを示し、4は出力
データレジスタ272をイネーブルすることを示す。ま
た、中間レジスタトリガ信号の0はすべての中間データ
レジスタ251乃至258をディスエーブルすることを
示す一方、1乃至7はそれぞれ各中間データレジスタ2
51乃至258をイネーブルすることを示す。さらに、
重みレジスタトリガ信号の0は重み回路204のすべて
の重みレジスタ291乃至298をディスエーブルする
ことを示す一方、1乃至7はそれぞれ各重みレジスタ2
91乃至298をイネーブルすることを示す。またさら
に、R(・)は実数部を示し、I(・)は虚数部を示
す。さらに、Aマルチプレクサ246とBマルチプレク
サ248におけるNOPは無選択を示す。
【0150】このCMA処理回路203は、基本的に
は、移相回路202と同様に、積和演算器260に入力
される2つのデータをAマルチプレクサ246とBマル
チプレクサ248によって選択して、積和演算を行った
後、その積和演算の結果のデータを累積加算器261に
よって累積加算することにより、出力データレジスタ2
71乃至273に格納するCMA処理後の出力データを
得る。表9乃至表19において各状態番号における処理
は以下の通りである。 (1)状態番号1から11までは、データYnの実数部
の演算処理であり、その演算結果は状態番号11で一時
的に出力データレジスタ271に格納される。 (2)状態番号10から19までは、データYnの虚数
部の演算処理であり、その演算結果は状態番号11で一
時的に出力データレジスタ273に格納される。 (3)状態番号19から20までは、データ│Yn│2
の演算処理である。 (4)状態番号21から23までは、データ(│Yn│
2−σ2)の演算処理である。 (5)状態番号24から25までは、データμ(│Yn
2−σ2)の演算処理である。 (6)状態番号25から30までは、1番目のデータ
(X*1n・Yn)の演算処理であり、このデータの実数
部と虚数部とがそれぞれ中間データレジスタ251,2
55に格納される。 (7)状態番号29から34までは、2番目のデータ
(X*2n・Yn)の演算処理であり、このデータの実数
部と虚数部とがそれぞれ中間データレジスタ252,2
56に格納される。 (8)状態番号33から38までは、3番目のデータ
(X*3n・Yn)の演算処理であり、このデータの実数
部と虚数部とがそれぞれ中間データレジスタ253,2
57に格納される。 (9)状態番号37から42までは、4番目のデータ
(X*4n・Yn)の演算処理であり、このデータの実数
部と虚数部とがそれぞれ中間データレジスタ254,2
58に格納される。 (10)状態番号41から43までは、1番目の重みデ
ータW(n+1) 1を計算して重みレジスタ291,292の
データを更新する処理である。 (11)状態番号43から45までは、2番目の重みデ
ータW(n+1) 2を計算して重みレジスタ293,294の
データを更新する処理である。 (12)状態番号45から47までは、3番目の重みデ
ータW(n+1) 3を計算して重みレジスタ295,296の
データを更新する処理である。 (13)状態番号47から50までは、4番目の重みデ
ータW(n+1) 4を計算して重みレジスタ297,298の
データを更新する処理である。
【0151】以上のようにして、図17を参照して説明
したCMA処理を図15で示したハードウエア回路で実
行することができる。
【0152】図18は、図13の移相回路202の終段
に含まれ、図15のCMA処理回路203にリセット信
号を出力するリセット信号発生回路300を示すブロッ
ク図である。このリセット信号発生回路300は、入力
されるビームの組み合わせが変化したときにリセット信
号を発生するものであり、移相回路202及びビーム選
択回路201のフェーズで動作する。
【0153】このリセット信号発生回路300の動作
は、まず選択されたビームのチャンネル番号データをチ
ャンネル番号レジスタ301に格納する。このレジスタ
302は、複数nチャンネルの場合、nビットのレジス
タであり、ビーム選択回路201の動作が終了すると、
複数m本のビーム選択の場合(本実施例では、m=4で
ある。)、チャンネル番号レジスタにはmビットのうち
選択されたビームのレジスタにだけ、データ「1」が書
き込まれており、選択されたビームの組み合わせが分か
る。チャンネル番号レジスタ302には、前回のサンプ
リング時に選択されたチャンネル番号データが格納され
ている。この回路300では、チャンネル番号レジスタ
301内のデータとチャンネル番号レジスタ302内の
データとを比較して、互いのデータが異なっているとき
に、比較器303はリセット信号を、CMA処理回路2
03内の重み回路204(図16参照。)のセレクタ2
81乃至288と重みレジスタ291乃至298に出力
する。このリセット信号によって、次段のCMA処理回
路203では、CMA処理の演算が実行される前に、重
みが初期化される。
【0154】このリセット信号発生回路300は、ビー
ム選択された複数個の受信信号の電力データに対応する
アンテナ素子のチャンネル番号が変化したときに、上記
CMA処理における収束時間が長くなることを防止する
ことができる。
【0155】図19は、ビームリセット回路310を示
すブロック図である。このビームリセット回路310
は、好ましくは、図13の移相回路202の終段に挿入
されてもよい。図19に示すように、選択ビームのIチ
ャンネル又はQチャンネルの空間データは、レジスタ3
12を介して移相回路202の出力データとしてCMA
処理回路203に出力される。このビームリセット回路
310で処理される空間データは、移相回路202から
CMA処理回路203に出力されるすべての空間データ
である。
【0156】図19において、ビームが選択され、次段
のCMA処理回路203内の入力データレジスタ241
a,241b,242a,242b,243a,243
b,244a,244bに保持される前に、比較器31
1によって、選択されたチャンネルのビームの電力デー
タを電力データの所定のしきい値データと比較して、し
きい値未満の場合は、比較器311は、リセット信号を
レジスタ312に出力することにより、レジスタ312
に格納された、選択ビームのIチャンネル又はQチャン
ネルの空間データを0にリセットする。
【0157】このビームリセット回路310は、以下の
ような特有の効果を有する。上記受信信号の電力データ
が零に近い雑音レベル又はそれに相当するレベルである
場合に、不要な受信信号の電力データを除去して正確に
後段のCMA処理を実行することができる。また、上記
受信信号の電力データの少しの変化で上記選択されたチ
ャンネル番号が変化した場合、図18のリセット信号発
生回路300でリセット信号が発生されることを防止す
ることができる。
【0158】以上説明したように、第2の実施例におけ
るビーム選択回路201と移相回路202とCMA処理
回路203をすべてハードウエア回路で構成し、しか
も、図11に示すように、マルチビーム処理と、ビーム
選択処理及び移相処理と、CMA処理とを、順次処理時
間をずらしてパイプライン処理をするようにしたので、
これらの処理を、従来例に比較して高速で実行すること
ができ、実質的にリアルタイムで処理することができ
る。しかも、回路構成は従来例に比較して簡単である。
【0159】以上第2の実施例において、ビーム選択回
路201においてより大きな電力データを有する4個の
受信ビームの電力データを選択しているが、本発明はこ
れに限らず、少なくとも2つ以上の複数個の受信ビーム
の電力データを選択してもよい。
【0160】<変形例>以上の実施例において、2次元
のマトリックス形状で配置された複数個のアンテナ素子
からなるアレーアンテナで受信された複数個の高周波受
信信号を処理するための受信信号処理装置について述べ
ているが、本発明はこれに限らず、1次元の直線形状で
配置された複数個のアンテナ素子からなるアレーアンテ
ナで受信された複数個の高周波受信信号を処理するため
の受信信号処理装置に適用することができる。この場
合、各DSPを接続するデータバスは1本のみとなる。
【0161】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る請求項
1記載のアレーアンテナ用受信信号処理装置によれば、
1次元又は2次元の所定の配置形状で近接して並置され
た所定の複数個のアンテナ素子(1)からなるアレーア
ンテナで受信された複数の受信信号に対して準直交検波
処理、低周波ろ波処理、及びフーリエ変換によるマルチ
ビーム合成処理を含む第1の受信信号処理と、ビーム選
択処理、移相処理及びコンスタント・モジュラス・アル
ゴリズムに基づいたCMA処理を含む第2の受信信号処
理とを実行するアレーアンテナ用受信信号処理装置であ
って、上記第1の受信信号処理を実行する上記アンテナ
素子(1)の数に一致した複数個の演算回路を備え、上
記複数個の演算回路(5)を、上記複数個のアンテナ素
子(1)の配置形状に応じて1次元の1本のデータバス
又は2次元の格子形状の複数本のデータバス(101−
116)を介して接続し、上記複数個の演算回路(5)
はそれぞれ、上記受信信号処理を実行するように分割さ
れた複数個の処理を同時に、上記データバス(101−
116)を介して上記信号処理に必要なデータを送受信
することによって実行し、上記複数個の演算回路(5)
から出力される第1の受信信号処理後の受信信号データ
のうち、より大きなレベルを有する複数個の受信信号デ
ータを選択して出力するためのビーム選択処理を実行す
るビーム選択回路(201)と、上記ビーム選択回路
(201)から出力される複数個の受信信号データに基
づいて、当該受信信号データの位相をそれぞれ、上記ア
レーアンテナの中心に移相させるための移相処理を実行
する移相回路(202)と、上記移相回路(202)か
ら出力される複数個の受信信号データに基づいて、上記
アレーアンテナの主ビームを希望波の所望の方向に向け
かつ不要波の到来方向に受信レベルを零にするような各
ビームに対応する受信信号データに対する複数個の重み
係数を演算し、演算した複数個の重み係数を用いて、上
記複数個の受信信号データを上記複数個の重み係数を考
慮した加算を行って1個の最適な受信信号データを出力
するCMA処理回路(203)とを備え、上記第1の受
信信号処理と、上記ビーム選択処理及び上記移相処理
と、上記CMA処理とを、順次所定の時間間隔でパイプ
ライン処理する。これによって、希望波に対して最大の
信号対雑音電力比を有する受信信号の電力データを得る
ことができる。上記の構成により、従来例に比較して高
速でマルチビーム形成のための演算処理を実行すること
ができ、しかも回路構成が簡単なアレーアンテナ用信号
処理装置を提供することができる。
【0162】また、請求項2記載のアレーアンテナ用受
信信号処理装置によれば、上記移相回路(202)は、
上記移相処理を実行するために必要なデータを選択的に
切り換えて出力する2個のマルチプレクサ(226,2
37)と、上記2個のマルチプレクサ(226,23
7)から出力される2個のデータに対して積和演算を実
行する積和演算器(227)とを備えて構成されてい
る。従って、従来例に比較して回路構成が簡単となり、
しかも高速で移相処理を実行することができる。
【0163】さらに、請求項3記載のアレーアンテナ用
受信信号処理装置によれば、上記CMA処理回路(20
3)は、上記CMA処理を実行するために必要なデータ
を選択的に切り換えて出力する2個のマルチプレクサ
(246,248)と、上記2個のマルチプレクサ(2
46,248)から出力される2個のデータに対して積
和演算を実行する積和演算器(260)と、上記積和演
算器(260)から出力されるデータを累積加算する累
積加算器(261)とを備えて構成さている。従って、
従来例に比較して回路構成が簡単となり、しかも高速で
CMA処理を実行することができる。
【0164】また、請求項4記載のアレーアンテナ用受
信信号処理装置によれば、上記移相回路(202)から
出力される複数個の受信信号データに対応するアンテナ
素子(1)のチャンネル番号が変化したことを検出する
検出回路(301,302,303)と、上記検出回路
(301,302,303)によって変化したことを検
出されたときに、上記CMA処理回路(203)におけ
る複数個の重み係数を零にリセットする第1のリセット
回路(281−288,291−298)とをさらに備
える。従って、ビーム選択された複数個の受信信号デー
タに対応するアンテナ素子(1)のチャンネル番号が変
化したときに、上記CMA処理における収束時間が長く
なることを防止することができる。
【0165】さらに、請求項5記載のアレーアンテナ用
受信信号処理装置によれば、上記移相回路(202)か
ら出力される複数個の受信信号データが所定のしきい値
未満であるか否かを判断する比較回路(311)と、上
記比較回路(311)によってしきい値未満であること
を判断したときに、上記判断された受信信号データを零
にリセットする第2のリセット回路(312)とをさら
に備える。上記受信信号データが零に近い雑音レベル又
はそれに相当するレベルである場合に、不要な受信信号
データを除去して正確に後段のCMA処理を実行するこ
とができる。また、上記受信信号データの少しの変化で
上記選択されたチャンネル番号が変化した場合、上記第
1のリセット回路の動作が生じることを防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施例であるアレーアン
テナ用受信信号処理装置のブロック図である。
【図2】 図1の各DSPの機能を示すブロック図であ
る。
【図3】 図1の16個のDSPの間の接続を示すブロ
ック図である。
【図4】 図1の各DSPの回路を示すブロック図であ
る。
【図5】 図1の各DSPの動作を示す第1のタイミン
グチャートである。
【図6】 図1の各DSPの動作を示す第2のタイミン
グチャートである。
【図7】 図1の各DSPの動作を示す第3のタイミン
グチャートである。
【図8】 図1の各DSPの動作を示す第4のタイミン
グチャートである。
【図9】 図1の各DSPの動作を示す第5のタイミン
グチャートである。
【図10】 本発明に係る第2の実施例であるアレーア
ンテナ用受信信号処理装置のブロック図である。
【図11】 図10のアレーアンテナ用受信信号処理装
置におけるパイプライン処理を示すタイミングチャート
である。
【図12】 図10のビーム選択回路を示すブロック図
である。
【図13】 図10の移相回路を示すブロック図であ
る。
【図14】 図13の移相回路におけるビームの移相処
理を示す平面図である。
【図15】 図10のCMA処理回路を示すブロック図
である。
【図16】 図15の重み回路を示すブロック図であ
る。
【図17】 図15のCMA処理回路によって実行され
るCMA処理を示すフローチャートである。
【図18】 図13の移相回路の終段に含まれ、図15
のCMA処理回路にリセット信号を出力するリセット信
号発生回路を示すブロック図である。
【図19】 図13の移相回路の終段に含まれるビーム
リセット回路を示すブロック図である。
【図20】 図13の移相回路の移相処理前におけるア
レーアンテナのアンテナ位置に対する各ビームビームへ
のFFT演算の回転ベクトルの角度を示すグラフであ
る。
【図21】 図13の移相回路の移相処理後におけるア
レーアンテナのアンテナ位置に対する各ビームビームへ
のFFT演算の回転ベクトルの角度を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1−1乃至1−16…アンテナ素子、 2−1乃至2−16…ダウンコンバータ、 3−1乃至3−16…帯域通過フィルタ、 4−1乃至4−16…A/D変換器、 5−1乃至5−16…DSP、 6…比較器回路、 7…復調器、 11…同期分配器、 12,22…乗算器、 13,23…FIR低域通過フィルタ、 14,24…高速フーリエ変換器、 15…二乗和回路 20…局部発振器、 21…π/2移相器、 31…入力レジスタ、 32…ビーム形成用ウエイトROM、 33…FFT用ウエイトROM、 34…入力マルチプレクサ、 35…データマルチプレクサ、 36…マルチプレクサ及びアキュムレータ、 37…レジスタ、 51a,51b…検波後レジスタ、 52a,52b…FIRレジスタ、 53a,53b…FFT1次レジスタ 54a,54b…空間データレジスタ、 55…電力データレジスタ、 56a,56b…分配器、 61a,61b…FIFOメモリ、 62…FIR出力レジスタ、 63…空間データ出力レジスタ、 64…FFTマルチプレクサ、 65…FFT出力レジスタ、 101乃至108…データバス、 201…ビーム選択回路、 202…移相回路、 203…CMA処理回路、 204…重み回路、 210−1乃至210−8,211−1乃至211−
4,212−1,212−2,213…比較器、 221a,221b、222a,222b、223a,
223b,224a,224b…入力データマルチプレ
クサ、 225…入力データマルチプレクサ、 226…マルチプレクサ、 227…積和演算器、 228…レジスタ、 229a,229b…出力データレジスタ、 231乃至234…チャンネル番号マルチプレクサ、 235…チャンネル番号マルチプレクサ、 236…移相データROM、 237…ReImマルチプレクサ、 241a,241b,242a,242b,243a,
243b,244a,244b…入力データレジスタ、 245…入力データマルチプレクサ、 246…Aマルチプレクサ、 247,249…レジスタ、 248…Bマルチプレクサ、 251乃至258…入力データレジスタ、 259…中間データマルチプレクサ、 260…積和演算器、 261…累積加算器、 262…丸め回路、 263…減算器、 271乃至273…出力データレジスタ、 274…出力マルチプレクサ、 281乃至288…セレクタ、 291乃至298…重みレジスタ、 299…重みマルチプレクサ、 300…リセット信号発生回路、 301,302…レジスタ、 303…比較器、 310…ビームリセット回路、 311…比較器、 312…レジスタ、 B1乃至B4…データ線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千葉 勇 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷5 番地 株式会社エイ・ティ・アール光電波 通信研究所内 (72)発明者 三浦 龍 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷5 番地 株式会社エイ・ティ・アール光電波 通信研究所内 (72)発明者 唐沢 好男 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷5 番地 株式会社エイ・ティ・アール光電波 通信研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1次元又は2次元の所定の配置形状で近
    接して並置された所定の複数個のアンテナ素子(1)か
    らなるアレーアンテナで受信された複数の受信信号に対
    して準直交検波処理、低周波ろ波処理、及びフーリエ変
    換によるマルチビーム合成処理を含む第1の受信信号処
    理と、ビーム選択処理、移相処理及びコンスタント・モ
    ジュラス・アルゴリズムに基づいたCMA処理を含む第
    2の受信信号処理とを実行するアレーアンテナ用受信信
    号処理装置であって、 上記第1の受信信号処理を実行する上記アンテナ素子
    (1)の数に一致した複数個の演算回路を備え、 上記複数個の演算回路(5)を、上記複数個のアンテナ
    素子(1)の配置形状に応じて1次元の1本のデータバ
    ス又は2次元の格子形状の複数本のデータバス(101
    −116)を介して接続し、上記複数個の演算回路
    (5)はそれぞれ、上記受信信号処理を実行するように
    分割された複数個の処理を同時に、上記データバス(1
    01−116)を介して上記信号処理に必要なデータを
    送受信することによって実行し、 上記複数個の演算回路(5)から出力される第1の受信
    信号処理後の受信信号データのうち、より大きなレベル
    を有する複数個の受信信号データを選択して出力するた
    めのビーム選択処理を実行するビーム選択回路(20
    1)と、 上記ビーム選択回路(201)から出力される複数個の
    受信信号データに基づいて、当該受信信号データの位相
    をそれぞれ、上記アレーアンテナの中心に移相させるた
    めの移相処理を実行する移相回路(202)と、 上記移相回路(202)から出力される複数個の受信信
    号データに基づいて、上記アレーアンテナの主ビームを
    希望波の所望の方向に向けかつ不要波の到来方向に受信
    レベルを零にするような各ビームに対応する受信信号デ
    ータに対する複数個の重み係数を演算し、演算した複数
    個の重み係数を用いて、上記複数個の受信信号データを
    上記複数個の重み係数を考慮した加算を行って1個の最
    適な受信信号データを出力するCMA処理回路(20
    3)とを備え、 上記第1の受信信号処理と、上記ビーム選択処理及び上
    記移相処理と、上記CMA処理とを、順次所定の時間間
    隔でパイプライン処理することを特徴とするアレーアン
    テナ用受信信号処理装置。
  2. 【請求項2】 上記移相回路(202)は、 上記移相処理を実行するために必要なデータを選択的に
    切り換えて出力する2個のマルチプレクサ(226,2
    37)と、 上記2個のマルチプレクサ(226,237)から出力
    される2個のデータに対して積和演算を実行する積和演
    算器(227)とを備えて構成されたことを特徴とする
    請求項1記載のアレーアンテナ用受信信号処理装置。
  3. 【請求項3】 上記CMA処理回路(203)は、 上記CMA処理を実行するために必要なデータを選択的
    に切り換えて出力する2個のマルチプレクサ(246,
    248)と、 上記2個のマルチプレクサ(246,248)から出力
    される2個のデータに対して積和演算を実行する積和演
    算器(260)と、 上記積和演算器(260)から出力されるデータを累積
    加算する累積加算器(261)とを備えて構成されたこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のアレーアンテナ用
    受信信号処理装置。
  4. 【請求項4】 上記移相回路(202)から出力される
    複数個の受信信号データに対応するアンテナ素子(1)
    のチャンネル番号が変化したことを検出する検出回路
    (301,302,303)と、 上記検出回路(301,302,303)によって変化
    したことを検出されたときに、上記CMA処理回路(2
    03)における複数個の重み係数を零にリセットする第
    1のリセット回路(281−288,291−298)
    とをさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至3のう
    ちの1つに記載のアレーアンテナ用受信信号処理装置。
  5. 【請求項5】 上記移相回路(202)から出力される
    複数個の受信信号データが所定のしきい値未満であるか
    否かを判断する比較回路(311)と、 上記比較回路(311)によってしきい値未満であるこ
    とを判断したときに、上記判断された受信信号データを
    零にリセットする第2のリセット回路(312)とをさ
    らに備えたことを特徴とする請求項1乃至4のうちの1
    つに記載のアレーアンテナ用受信信号処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001044738A (ja) * 1999-07-26 2001-02-16 Anritsu Corp 相関演算装置
JP2007336164A (ja) * 2006-06-14 2007-12-27 Mitsubishi Electric Corp Dbf信号処理装置およびdbf信号処理方法

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