JP2572200B2 - アレーアンテナの制御方法及び制御装置 - Google Patents

アレーアンテナの制御方法及び制御装置

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JP2572200B2
JP2572200B2 JP6033489A JP3348994A JP2572200B2 JP 2572200 B2 JP2572200 B2 JP 2572200B2 JP 6033489 A JP6033489 A JP 6033489A JP 3348994 A JP3348994 A JP 3348994A JP 2572200 B2 JP2572200 B2 JP 2572200B2
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q3/00Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system
    • H01Q3/26Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system varying the relative phase or relative amplitude of energisation between two or more active radiating elements; varying the distribution of energy across a radiating aperture
    • H01Q3/2605Array of radiating elements provided with a feedback control over the element weights, e.g. adaptive arrays
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q25/00Antennas or antenna systems providing at least two radiating patterns

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アレーアンテナの制御
方法及び制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】移動体通信において良好な通信品質を確
保するためには、常に所望波を捕捉する機能とともに、
多重波伝搬路で発生する周波数選択性フェージングを除
去する機能を備える必要がある。後者のために、例え
ば、コンスタント・モジュラス・アルゴリズム(Consta
nt Modulus Algorithm:以下、CMアルゴリズムとい
う。)は、所望波と相関のある遅延波である不要波を除
去するために有効であることが知られている(例えば、
大鐘武雄ほか「陸上移動通信におけるCMAアダプティ
ブアレーの選択性フェージング補償特性」電子情報通信
学会論文誌,Vol.J73−B−II,No.10,p
p489−497,1990年10月参照。)。
【0003】当該CMアルゴリズムを用いた処理に先立
って、以下に示す公知のビーム形成処理と公知のビーム
選択処理が実行される。 (a)ビーム形成処理:アレーアンテナの各アンテナ素
子でそれぞれ受信された複数M個の受信信号と、希望波
を所定の放射角度の範囲で受信できるように予め決めら
れた形成すべき所定の複数N個のビームの各主ビームの
方向と、受信信号の受信周波数frとに基づいて、複数
N個のビーム電界値Enを演算する。 (b)ビーム選択処理:上記ビーム形成処理において演
算された上記複数N個のビーム電界値を所定のしきい値
と比較することによって、当該しきい値以上のビーム電
界値のみを選択して出力する。
【0004】当該CMアルゴリズムにおいては、上記ビ
ーム選択処理によって選択された複数N個以下のビーム
電界値に基づいて、アレーアンテナの主ビームを希望波
の所望の方向に向けかつ干渉波などの不要波の到来方向
の受信レベルを零にするような各ビームに対応する受信
信号に対する複数N個の重み係数wn(n=1,2,
…,N)を演算する。すなわち、このCMアルゴリズム
は、詳細後述するように、包絡線が既知である希望波の
信号波を用いた通信方式において、干渉波などの不要波
の影響によって変化した包絡線の波形を所望の形に変換
することによって不要波の到来方向の当該アレーアンテ
ナの放射パターンにおける受信レベルを零にするもので
ある。
【0005】従来の上記CMアルゴリズムなどのアダプ
ティブアルゴリズムを用いたアレーアンテナにおいて
は、適応的に指向性を制御することにより遅延波の影響
を除去することができるが、遅延波を単に除去するだけ
で利用していない。これを解決するために、直接波と遅
延波とを分離してダイバーシチ受信する方法が、例え
ば、黒岩登ほか「アダプティブアレーアンテナによる指
向性ダイバーシチ受信の構成法」電子情報通信学会論文
誌,B−II,Vol.J73−B−II,No.11,
pp755−763,1990年11月(以下、従来例
という。)に開示されている。
【0006】この従来例においては、以下の手順で受信
された信号から、直接波と遅延波を分離してダイバーシ
チ受信する。 (a)従来のアダプティブ(適応化)アルゴリズムを用
いて直接波のみを取り出す。 (b)次いで、上記取り出した直接波を基準信号として
適応等化器を動作させ、遅延波のみを取り出す。 (c)最後に、上記で取り出された直接波と遅延波に対
して、最大の信号対雑音比を得ることができるように重
み係数を乗算することによりダイバーシチ受信する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
においては、以下の問題点があった。 (a)従来のアダプティブアルゴリズムを用いているの
で、当該アルゴリズムを用いた処理において所定の収束
条件が成立した後に、上記適応等化器を動作させるの
で、処理時間が比較的長くなる。 (b)アダプティブアルゴリズムを用いた、例えばCM
A処理器と、上記適応等化器という異なる処理装置を備
える必要があるので、ハードウエアの構成が複雑にな
る。
【0008】本発明の目的は以上の問題点を解決し、従
来例に比較して構成が簡単であってしかも処理時間を大
幅に短縮することができるアレーアンテナの制御方法及
び制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアレーアン
テナの制御方法は、所定の配置形状で近接して並置され
た所定の複数M個のアンテナ素子からなるアレーアンテ
ナを制御するための制御方法であって、上記アレーアン
テナの各アンテナ素子でそれぞれ受信された複数M個の
受信信号と、希望波を所定の放射角度の範囲で受信でき
るように予め決められた形成すべき所定の複数N個のビ
ームの各主ビームの方向と、受信信号の受信周波数とに
基づいて、上記複数N個のビーム電界値を演算する第1
のステップと、上記演算された上記複数N個のビーム電
界値を所定のしきい値と比較することによって、当該し
きい値以上のビーム電界値のみを選択して出力する第2
のステップと、コンスタント・モジュラス・アルゴリズ
ムを用いて、上記選択されて出力されるビーム電界値に
基づいて、上記複数N個のビームにそれぞれ対応する、
受信信号に対する複数N個の重み係数を演算し、上記演
算された複数N個の重み係数をそれぞれ対応する上記ビ
ーム電界値に対して乗算して各乗算結果の信号を同相合
成して受信信号として出力する第3のステップとを含む
アレーアンテナの制御方法において、上記第3のステッ
プを実行する一方の制御装置の所定の初期状態におい
て、上記選択されて出力されるビーム電界値のうち最大
のビーム電界値に対応する上記重み係数を0でない所定
の初期値に設定する一方、他のビーム電界値に対応する
上記重み係数を0に設定し、上記一方の制御装置とは異
なり上記第3のステップを実行する他方の制御装置を用
いて、当該他方の制御装置の上記初期状態において、上
記選択されて出力されるビーム電界値のうち少なくとも
2番目のレベルを有するビーム電界値に対応する上記重
み係数を0でない所定の初期値に設定する一方、他のビ
ーム電界値に対応する上記重み係数を0に設定すること
を特徴とする。
【0010】また、本発明に係るアレーアンテナの制御
装置は、所定の配置形状で近接して並置された所定の複
数M個のアンテナ素子からなるアレーアンテナを制御す
るための制御装置であって、上記アレーアンテナの各ア
ンテナ素子でそれぞれ受信された複数M個の受信信号
と、希望波を所定の放射角度の範囲で受信できるように
予め決められた形成すべき所定の複数N個のビームの各
主ビームの方向と、受信信号の受信周波数とに基づい
て、上記複数N個のビーム電界値を演算するマルチビー
ム形成手段と、上記マルチビーム形成手段によって演算
された上記複数N個のビーム電界値を所定のしきい値と
比較することによって、当該しきい値以上のビーム電界
値のみを選択して出力するビーム選択手段と、コンスタ
ント・モジュラス・アルゴリズムを用いて、上記ビーム
選択手段から出力されるビーム電界値に基づいて、上記
複数N個のビームにそれぞれ対応する、受信信号に対す
る複数N個の重み係数を演算し、上記演算された複数N
個の重み係数をそれぞれ対応する上記ビーム電界値に対
して乗算して各乗算結果の信号を同相合成して受信信号
として出力する適応制御手段とを備えたアレーアンテナ
の制御装置において、上記適応制御手段を少なくとも2
個備え、一方の適応制御手段の所定の初期状態におい
て、上記ビーム選択手段から出力されるビーム電界値の
うち最大のビーム電界値に対応する上記一方の適応制御
手段の重み係数を0でない所定の初期値に設定する一
方、他のビーム電界値に対応する上記重み係数を0に設
定する第1の初期値設定手段と、他方の適応制御手段の
上記初期状態において、上記ビーム選択手段から出力さ
れるビーム電界値のうち少なくとも2番目のレベルを有
するビーム電界値に対応する上記他方の適応制御手段の
重み係数を0でない所定の初期値に設定する一方、他の
ビーム電界値に対応する上記重み係数を0に設定する第
2の初期値設定手段とを備えたことを特徴とする。さら
に、上記制御装置は、好ましくは、さらに、上記一方の
適応制御手段から出力された受信信号と、上記他方の適
応制御手段から出力された受信信号とを、これら各受信
信号に含まれる同期信号に基づいてダイバーシチ受信す
るように同相合成する合成手段を備える。
【0011】
【作用】以上のように構成されたアレーアンテナの制御
方法においては、上記第3のステップを実行する一方の
制御装置の所定の初期状態において、上記選択されて出
力されるビーム電界値のうち最大のビーム電界値に対応
する上記重み係数を0でない所定の初期値に設定する一
方、他のビーム電界値に対応する上記重み係数を0に設
定する。一方、上記他方の制御装置を用いて、当該他方
の制御装置の上記初期状態において、上記選択されて出
力されるビーム電界値のうち少なくとも2番目のレベル
を有するビーム電界値に対応する上記重み係数を0でな
い所定の初期値に設定する一方、他のビーム電界値に対
応する上記重み係数を0に設定する。これによって、上
記一方の制御装置は、最大のビーム電界値を有する直接
波を受信信号として出力する一方、上記他方の制御装置
は、少なくとも2番目のレベルを有するビーム電界値を
有する遅延波を受信信号として出力する。すなわち、直
接波と遅延波とを分離して受信することができる。
【0012】また、上記アレーアンテナの制御装置にお
いては、上記適応制御手段を少なくとも2個備える。そ
して、上記第1の初期値設定手段は、一方の適応制御手
段の所定の初期状態において、上記ビーム選択手段から
出力されるビーム電界値のうち最大のビーム電界値に対
応する上記一方の適応制御手段の重み係数を0でない所
定の初期値に設定する一方、他のビーム電界値に対応す
る上記重み係数を0に設定する。一方、上記第2の初期
値設定手段は、他方の適応制御手段の上記初期状態にお
いて、上記ビーム選択手段から出力されるビーム電界値
のうち少なくとも2番目のレベルを有するビーム電界値
に対応する上記他方の適応制御手段の重み係数を0でな
い所定の初期値に設定する一方、他のビーム電界値に対
応する上記重み係数を0に設定する。これによって、上
記一方の適応制御手段は、最大のビーム電界値を有する
直接波を受信信号として出力する一方、上記他方の適応
制御手段は、少なくとも2番目のレベルを有するビーム
電界値を有する遅延波を受信信号として出力する。すな
わち、直接波と遅延波とを分離して受信することができ
る。
【0013】さらに、上記アレーアンテナの制御装置が
さらに上記合成手段を備えたとき、上記合成手段は、上
記一方の適応制御手段から出力された受信信号と、上記
他方の適応制御手段から出力された受信信号とを、これ
ら各受信信号に含まれる同期信号に基づいてダイバーシ
チ受信するように同相合成して出力する。これによっ
て、所定の雑音対信号電力比を有する受信信号を従来例
に比較して短時間で得ることができる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本発明に係る実施例に
ついて説明する。
【0015】図1は、本発明に係る一実施例であるアレ
ーアンテナの制御装置のブロック図である。本実施例の
制御装置は、所定の配置形状で近接して並置された所定
の複数M個のアンテナ素子1−1乃至1−Mからなるア
レーアンテナ1を制御するための制御装置であって、特
に、マルチビーム形成処理及びビーム選択処理が施され
た後の受信信号に対して、CMアルゴリズムを用いた処
理を実行するCMA処理器7−1乃至7−L(以下、総
称の参照番号を7と付す。)を複数L個備え、各CMA
処理器7−1乃至7−Lの演算開始時の初期値を調整し
て設定することにより直接波と複数(L−1)個の遅延
波とを分離して受信し、これらの信号を同期をとって同
相合成して受信ベースバンド信号を得ることを特徴とし
ている。
【0016】なお、本実施例においては、受信信号は、
例えば音声信号や映像信号又はデータ信号でデジタル変
調され、かつ同期パターン信号を含むデジタルデータ信
号である。
【0017】本実施例においては、複数M個のアンテナ
素子1−1乃至1−Mが1直線上に例えば等間隔で並置
されている場合を考える。図1において、受信機2−1
乃至2−Mは周波数変換器と復調器とを含み互いに同様
に構成され、A/D変換器3−1乃至3−Mは受信され
たアナログ受信信号をデジタル受信信号に変換し、互い
に同様に構成される。ここで、アンテナ素子1−1によ
って受信された受信信号は、受信機2−1とA/D変換
器3−1とを介してデジタル受信信号R1としてマルチ
ビーム形成器4に入力され、アンテナ素子1−2によっ
て受信された受信信号は、受信機2−2とA/D変換器
3−2とを介してデジタル受信信号R2としてマルチビ
ーム形成器4に入力され、さらに同様にして、アンテナ
素子1−Mによって受信された受信信号は、受信機2−
MとA/D変換器3−Mとを介してデジタル受信信号R
Mとしてマルチビーム形成器4に入力される。
【0018】なお、A/D変換器3−1乃至3−Mにお
けるサンプリング周波数は、好ましくは、伝送信号の帯
域の約8倍となるように、以下の如く設定される。 (a)伝送信号が例えば帯域16kHzの音声信号のと
き、サンプリング周波数は128kHzに設定する。 (b)伝送信号が例えば帯域100MHzのデータ信号
のとき、サンプリング周波数は800MHzに設定す
る。
【0019】マルチビーム形成器10には各A/D変換
器3−1乃至3−MからのM個の受信デジタル信号が入
力され、以下のようにして、複数N個のビームからなる
マルチビームの各ビーム電界値Enを演算してビーム選
択器5に出力する。希望波の到来方向に対応し、形成す
べきマルチビームの各ビームの複数N個の方向が予め決
められ、これらの方向は所定の原点から見たときの方向
ベクトルd1,d2,…,dN(以下、代表して符号dn
付す。)で表される。ここで、Nは、アレーアンテナ1
を用いて希望波を受信することができるように設定され
る方向ベクトルdnの数であって、好ましくは4以上で
あってかつアンテナ素子1の数M以下の数である。アレ
ーアンテナ1のアンテナ素子1−1乃至1−Mが、例え
ばX−Y平面上で互いに半波長だけ離れかつ4×4のマ
トリックス形状で並置されているとき、放射方向の中心
はZ軸であって、本実施例において、放射角度とは、X
−Z平面においてZ軸からの角度をいう。また、アレー
アンテナ1の各アンテナ素子1−1乃至1−Mの位置ベ
クトルr1,r2,…,rM(以下、代表して符号rmを付
す。)が上記所定の原点から見たときの方向ベクトルと
して予め決められる。そして、マルチビーム形成器4は
次の数1を用いて、それぞれ合成電界で表された上記各
方向ベクトルdnに対応する複数N個のビーム電界値En
を演算して、当該ビーム電界値Enを示すデジタルデー
タ信号をビーム選択器5に出力する。
【0020】
【数1】 M En= Σ exp[j(anm)]・Rm,n=1,2,…,N m=1
【0021】
【数2】anm=−(2π・fr/c)・(dn・rm
【0022】ここで、cは光速であり、(dn・rm)は
方向ベクトルdnと位置ベクトルrmとの内積である。従
って、位相anmはスカラー量である。
【0023】次いで、ビーム選択器5は、受信信号のレ
ベルが極めて低くS/Nの劣悪な受信信号を除去するた
めに、マルチビーム形成器4から出力される複数N個の
ビーム電界値Enを、アレーアンテナ1のサイドローブ
のレベルと適応制御プロセッサの処置速度などから決定
されるしきい値と比較して、当該しきい値以上のビーム
電界値SEn(n=1,2,…,N;ただし、しきい値
未満のビーム電界値についてはデータとして出力されな
い。)のデータ信号のみを同相分配回路6−1乃至6−
Nに出力するとともに、上記複数N個のビーム電界値E
nのレベル順位を決定して各ビーム電界値En毎にレベル
順位の大きい方から昇順でレベル順位番号を付し、各ビ
ーム電界値Enのレベル順位番号を示すN個のすべての
レベル順位信号を各CMA処理器7−1乃至7−Lに出
力する。
【0024】図2はビーム選択器5のブロック図であ
る。図2に示すように、ビーム選択器5は、ビーム選択
する所定のビーム電界値のしきい値に対応する所定の基
準電圧データ信号E0を発生して比較器52−1乃至5
2−Nの各反転入力端子に出力する基準電圧発生器50
と、レベル順位検出器51と、N個の比較器52−1乃
至52−Nと、N個のスイッチSW−1乃至SW−Nと
を備える。
【0025】図2において、ビーム電界値E1のデータ
信号は、比較器52−1の非反転入力端子とスイッチS
W−1の共通端子cとレベル順位検出器51とに入力さ
れる。比較器52−1は、入力されたビーム電界値E1
のデータ信号と所定の基準電圧データ信号E0とを比較
し、E1≧E0のときHレベル信号をスイッチSW−1の
制御端子に出力してスイッチSW−1を接点a側に切り
換え、このとき、ビーム電界値E1のデータ信号はスイ
ッチSW−1を介して同相分配器6−1に出力される。
一方、E1<E0のとき、比較器52−1はLレベル信号
をスイッチSW−1の制御端子に出力してスイッチSW
−1の接点b側に切り換え、このとき、ビーム電界値E
1のデータ信号はスイッチSW−1を介して接地され、
同相分配器6−1に出力されない。
【0026】また、ビーム電界値E2のデータ信号は、
比較器52−2の非反転入力端子とスイッチSW−2の
共通端子cとレベル順位検出器51とに入力される。比
較器52−2は、入力されたビーム電界値E2のデータ
信号と所定の基準電圧データ信号E0とを比較し、E2
0のときHレベル信号をスイッチSW−2の制御端子
に出力してスイッチSW−2を接点a側に切り換え、こ
のとき、ビーム電界値E2のデータ信号はスイッチSW
−2を介して同相分配器6−2に出力される。一方、E
2<E0のとき、比較器52−2はLレベル信号をスイッ
チSW−2の制御端子に出力してスイッチSW−2の接
点b側に切り換え、このとき、ビーム電界値E2のデー
タ信号はスイッチSW−2を介して接地され、同相分配
器6−2に出力されない。以下、比較器52−3乃至5
2−(N−1)はそれぞれ同様にして動作する。
【0027】さらに、ビーム電界値ENのデータ信号
は、比較器52−Nの非反転入力端子とスイッチSW−
Nの共通端子cとレベル順位検出器51とに入力され
る。比較器52−Nは、入力されたビーム電界値EN
データ信号と所定の基準電圧データ信号E0とを比較
し、EN≧E0のときHレベル信号をスイッチSW−Nの
制御端子に出力してスイッチSW−Nを接点a側に切り
換え、このとき、ビーム電界値ENのデータ信号はスイ
ッチSW−Nを介して同相分配器6−Nに出力される。
一方、EN<E0のとき、比較器52−NはLレベル信号
をスイッチSW−Nの制御端子に出力してスイッチSW
−Nの接点b側に切り換え、このとき、ビーム電界値E
Nのデータ信号はスイッチSW−Nを介して接地され、
同相分配器6−Nに出力されない。
【0028】さらに、レベル順位検出器51は、入力さ
れた複数N個のビーム電界値En(n=1,2,…,
N)のレベル順位を決定して各ビーム電界値En毎にレ
ベル順位の大きい方から昇順でレベル順位番号を付し、
各ビーム電界値Enのレベル順位番号を示すN個のすべ
てのレベル順位信号を各CMA処理器7−1乃至7−L
に出力する。
【0029】図1に戻り、同相分配器6−1乃至6−N
以降の回路について説明する。同相分配器6−1乃至6
−Nは、ビーム選択器5から出力されるビーム電界値S
n(n=1,2,…,N)のデータ信号をそれぞれ同
相で複数L個のデータ信号Bn(n=1,2,…,N)
に分配してCMA処理器7−1乃至7−Lに出力する。
すなわち、各CMA処理器7−1乃至7−Lには、ビー
ム選択器5によってビーム選択されたすべてのビーム電
界値Enのデータ信号が入力される。
【0030】次いで、各CMA処理器7−1乃至7−L
はそれぞれ、互いに時間的に並列で動作し、従来のCM
アルゴリズム(例えば、詳しくは、大鐘武雄ほか「陸上
移動通信におけるCMAアダプティブアレーの選択性フ
ェージング補償特性」電子情報通信学会論文誌,Vo
l.J73−B−II,No.10,pp489−497
参照。)を用いて、上記ビーム選択処理によって選択さ
れた複数N個以下のビーム電界値に基づいて、アレーア
ンテナの主ビームを希望波の所望の方向に向けかつ干渉
波などの不要波の到来方向の受信レベルを零にするよう
な各ビームに対応する受信信号に対する複数N個の重み
係数wn(n=1,2,…,N)を演算して、演算され
た重み係数wnをそれぞれ入力された対応するビーム電
界値Bnのデータ信号に乗算して乗算結果の複数のデー
タ信号を同相合成して出力する。すなわち、この従来の
CMアルゴリズムは、詳細後述するように、包絡線が既
知である希望波の信号波を用いた通信方式において、干
渉波などの不要波の影響によって変化した包絡線の波形
を所望の形に変換することによって不要波の到来方向の
当該アレーアンテナの放射パターンにおける受信レベル
を零にするものである。
【0031】ここで、各CMA処理器7−1乃至7−L
はさらに、装置を起動したとき、もしくは、通信中の相
手局の方向が変化してビーム選択されたビーム電界値の
メンバーが変化したときに当該CMアルゴリズムの処理
をリセットして初期状態とするが、当該初期状態である
演算開始時(以下、初期状態時という。)の初期値をビ
ーム選択器5から入力されたレベル順位信号に応じて調
整することにより、CMA処理器7−1は直接波のビー
ム電界値を示すデータ信号を発生して出力する一方、C
MA処理器7−2乃至7−Lはそれぞれ第1遅延波乃至
第(L−1)遅延波のビーム電界値を示すデータ信号を
発生して出力する。すなわち、各同相分配器6−1乃至
6−Nの同相分配数Lと、CMA処理器7−1乃至7−
Lの数Lとは、最大、第(L−1)番目の遅延波のビー
ム電界値を得るかに依存して予め決定される。
【0032】CMA処理器7−1乃至7−LにおけるC
Mアルゴリズムを用いた処理について説明する。いま、
n番目のビームの時刻tにおける受信信号(本実施例に
おいて、同相分配器6−1乃至6−Nから出力されるビ
ーム電界値Bnのデータ信号に対応する。)をBn t(n
=1,2,…,N)とすると、受信信号Bn tに印加すべ
き複素重み係数をwn tとする。ここで、アレーアンテナ
を用いて合成した合成電界Yは、次の数3で表すことが
できる。当該合成電界Yは詳細後述する同相合成器73
の出力信号に対応する。
【0033】
【数3】
【0034】ここで、簡単のために信号波の所望の包絡
線の形状を予め決められた一定値P0であるとすると、
合成電界の信号の包絡線を一定値P0とするための複素
重み係数wn tを求めることは、公知の通り、次の数4と
数5とに示す評価関数Fを最小にする複素重み係数wn t
を求めることと等価である。
【0035】
【数4】F=(|Y|2−P02
【0036】ここで、数4に数3で表された合成電界値
Yを代入すると、次の数5を得る。
【0037】
【数5】
【0038】従って、複素重み係数wn tを次の数6に従
って、次の時刻の複素重み係数wn (t+1)に更新すること
によって、信号波の包絡線を所望の形にして不要波の到
来方向の放射パターンにおける受信レベルを零にするこ
とができる。
【0039】
【数6】 wn (t+1)=wn t−μBn*・(|Y|2−P0)・Y
【0040】ここで、μは当該処理ループのシステムに
よって決定される定数であり、μは好ましくは1/10
0≦μ≦1/10の範囲にあり、より好ましくは1/3
0≦μ≦1/20の範囲にあり、Bn*は複素数で表さ
れた受信信号Bnの共役複素数である。なお、当該CM
アルゴリズムを用いた場合、公知の通り、マルチビーム
のビーム数Nから1を引いた数(N−1)の零点を放射
パターンにおいて形成することができる。
【0041】図3はCMA処理器7のブロック図であ
り、各CMA処理器7−1乃至7−Lは、複数N個の乗
算器71−1乃至71−Nと、複数N個の重み係数更新
器72−1乃至72−Nと、更新器コントローラ70
と、同相合成器73とを備えて、詳細後述する重み係数
の初期値が異なることの動作を除いて互いに同様に構成
される。
【0042】同相分配器6−1乃至6−Nから出力され
るビーム電界値Bn(n=1,2,3,…,N)のデー
タ信号はそれぞれ乗算器71−1乃至71−Nと重み係
数更新器72−1乃至72−Nとに入力され、乗算器7
1−1乃至71−Nはそれぞれ、入力されるビーム電界
値Bnのデータ信号に対して、重み係数更新器72−1
乃至72−Nから出力される重み係数w1乃至wNを乗算
して乗算結果を示すデータ信号を同相合成器73に出力
する。そして、同相合成器73は入力されたN個の信号
を同相合成し、すなわち同相加算して合成電界値Yのデ
ータ信号として、図1に示す遅延線回路9−1乃至9−
L及び同期パターン検出器8−1乃至8−L、並びに重
み係数更新器72−1乃至72−Nに出力する。
【0043】重み係数更新器72−1乃至72−Nはそ
れぞれ、上記数6で表される処理を実行し、すなわち、
入力されるビーム電界値Bnのデータ信号と合成電界値
Yのデータ信号と前回のサンプリング時の重み係数wn t
とに基づいて、数6の左辺を演算を実行して次回のサン
プリング時の重み係数wn t+1を演算して更新し乗算器7
1−1乃至71−Nに出力する。更新器コントローラ7
0は、ビーム選択器5から入力されるレベル順位信号に
基づいて、初期状態時に所定の1つの重み係数更新器か
ら出力される重み係数wnを、例えば好ましくは1であ
る0でない所定の初期値に設定する一方、他の重み係数
更新器から出力される重み係数wnを0にリセットす
る。上記初期状態時に各CMA処理器7−1乃至7−L
内の更新器コントローラ70は、具体的には、以下のよ
うに重み係数更新器72−1乃至72−Nを制御する。
【0044】(a)CMA処理器7−1は直接波を検出
して出力するために設けられるので、CMA処理器7−
1内の更新器コントローラ70は、ビーム選択器5で検
出された最大のビーム電界値Enを有するデータ信号が
入力された重み係数更新器から出力される重み係数wn
を、上記所定の初期値に設定する一方、他の重み係数更
新器から出力される重み係数wnを0にリセットするよ
うに重み係数更新器72−1乃至72−Nを制御する。 (b)CMA処理器7−2は第1遅延波を検出して出力
するために設けられるので、CMA処理器7−2内の更
新器コントローラ70は、ビーム選択器5で検出された
2番目のビーム電界値Enを有するデータ信号が入力さ
れた重み係数更新器から出力される重み係数wnを、上
記所定の初期値に設定する一方、他の重み係数更新器か
ら出力される重み係数wnを0にリセットするように重
み係数更新器72−1乃至72−Nを制御する。 (c)CMA処理器7−3は第2遅延波を検出して出力
するために設けられるので、CMA処理器7−3内の更
新器コントローラ70は、ビーム選択器5で検出された
3番目のビーム電界値Enを有するデータ信号が入力さ
れた重み係数更新器から出力される重み係数wnを、上
記所定の初期値に設定する一方、他の重み係数更新器か
ら出力される重み係数wnを0にリセットするように重
み係数更新器72−1乃至72−Nを制御する。 (d)CMA処理器7−4乃至7−(L−1)内の更新
器コントローラ70は、以下同様にして、重み係数更新
器72−1乃至72−Nを制御する。 (e)CMA処理器7−Lは第(L−1)遅延波を検出
して出力するために設けられるので、CMA処理器7−
L内の更新器コントローラ70は、ビーム選択器5で検
出された最小のビーム電界値Enを有するデータ信号が
入力された重み係数更新器から出力される重み係数wn
を、上記所定の初期値に設定する一方、他の重み係数更
新器から出力される重み係数wnを0にリセットするよ
うに重み係数更新器72−1乃至72−Nを制御する。
【0045】すなわち、n番目のCMA処理器ではn番
目の受信電力が大きいビーム電界値のデータ信号のみに
対して重み係数wn=1などの0でない所定の初期値を
与える一方、残りのビーム電界値のデータ信号に対して
重み係数wnを0にリセットする。そして、CMアルゴ
リズムの処理を実行することにより、各CMA処理器7
−1乃至7−Lから出力される合成電界値Yのデータ信
号はそれぞれ、最大のビーム電界値の直接波のデータ信
号、2番目のビーム電界値の第1の遅延波のデータ信
号、…、L番目のビーム電界値の第(L−1)の遅延波
のデータ信号となる。言い換えれば、上述の処理によっ
て、直接波と複数個の遅延波に分離することができる。
【0046】さらに、図1に戻り、CMA処理器7−1
乃至7−Lの出力端以降の同相ダイバーシチ合成回路の
構成及び動作について説明する。同期パターン検出器8
−1乃至8−Lはそれぞれ、入力されたデータ信号の中
から同期パターン信号を検出した後、当該検出のタイミ
ングを示す検出タイミング信号を遅延コントローラ10
に出力する。遅延コントローラ10は、遅延線回路9−
1乃至9−Lに入力されるデータ信号が、入力された複
数L個の検出タイミング信号のうち最も遅いタイミング
で同相となるように遅延線回路の9−1乃至9−Lの遅
延時間を制御する。これによって、同相合成器11に入
力される各データ信号はそのデータ信号内の同期パター
ンで同期して同相となり、同相合成器11に入力された
複数個のデータ信号が同相合成されて、合成されたデー
タ信号は最大の雑音対信号電力比(S/N)を有する受
信ベースバンド信号として出力される。
【0047】図4は図1のアレーアンテナの制御装置の
シミュレーション結果である、時間経過に対する(a)
CMA処理器7−1及び(b)CMA処理器7−2から
出力される相対受信電力を示すグラフであり、図5は図
1のアレーアンテナの制御装置のシミュレーション結果
である、アレーアンテナ1の指向角度に対するCMA処
理器7−1及び7−2から出力される相対受信電力を示
すグラフである。
【0048】図4の(a)から明らかなように、CMA
処理器7−1の出力端で、通算サンプリング回数が15
0で40dB以上のS/Nを得ることができ、また、図
4の(b)から明らかなように、CMA処理器7−2の
出力端で、通算サンプリング回数が150で30dB以
上のS/Nを得ることができることがわかる。通算サン
プリング回数が150以降の収束時においては、図5に
示すように、本実施例のアレーアンテナの制御装置を用
いて、CMA7−1及び7−2からそれぞれ直接波及び
第1遅延波が分離されて受信されることがわかる。
【0049】以上説明したように本実施例においては、
公知の方法によりマルチビームを形成した後受信電力が
所定のしきい値以上のビーム電界値を選択して、CMア
ルゴリズムを用いたアダプティブアレーアンテナに関す
る処理を実行する場合に、複数個のCMA処理器7−1
乃至7−Lを設け、各CMA処理器7−1乃至7−Lに
おける初期状態の演算開始時の初期値を各マルチビーム
の受信電力のビーム電界値に大きさの順位に応じて設定
することにより、直接波と少なくとも1つの遅延波を分
離して受信することができる。当該実施例の構成によ
り、本実施例のアレーアンテナの制御装置は以下の特有
の効果を有する。
【0050】(a)直接波と少なくとも1つの遅延波を
分離するために、少なくとも2つのCMA処理器を備え
ればよいので、従来例に比較してハードウエアの構成が
簡単になる。 (b)上記複数個のCMA処理器を並列に動作させて処
理を実行することができるので、従来例に比較して短い
演算時間で所定のS/Nを得ることができる。すなわ
ち、従来例では、上述のように、アダプティブアレーア
ンテナのアルゴリズムを用いた処理において所定の収束
条件が成立した後に、上記適応等化器を動作させて所定
のS/Nを得るように制御するが、本実施例では、後者
の適応等化器の動作は不要であり、この動作時間分だけ
処理時間を短縮することができる。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、所
定の配置形状で近接して並置された所定の複数M個のア
ンテナ素子からなるアレーアンテナを制御するための制
御方法及び制御装置であって、上記アレーアンテナの各
アンテナ素子でそれぞれ受信された複数M個の受信信号
と、希望波を所定の放射角度の範囲で受信できるように
予め決められた形成すべき所定の複数N個のビームの各
主ビームの方向と、受信信号の受信周波数とに基づい
て、上記複数N個のビーム電界値を演算し、上記演算さ
れた上記複数N個のビーム電界値を所定のしきい値と比
較することによって、当該しきい値以上のビーム電界値
のみを選択して出力し、コンスタント・モジュラス・ア
ルゴリズムを用いて、上記選択されて出力されるビーム
電界値に基づいて、上記複数N個のビームにそれぞれ対
応する、受信信号に対する複数N個の重み係数を演算
し、上記演算された複数N個の重み係数をそれぞれ対応
する上記ビーム電界値に対して乗算して各乗算結果の信
号を同相合成して受信信号として出力するアレーアンテ
ナの制御方法において、コンスタント・モジュラス・ア
ルゴリズムを用いる処理を実行する一方の制御装置の所
定の初期状態において、上記選択されて出力されるビー
ム電界値のうち最大のビーム電界値に対応する上記重み
係数を0でない所定の初期値に設定する一方、他のビー
ム電界値に対応する上記重み係数を0に設定し、上記一
方の制御装置とは異なり上記コンスタント・モジュラス
・アルゴリズムを用いる処理を実行する他方の制御装置
を用いて、当該他方の制御装置の上記初期状態におい
て、上記選択されて出力されるビーム電界値のうち少な
くとも2番目のレベルを有するビーム電界値に対応する
上記重み係数を0でない所定の初期値に設定する一方、
他のビーム電界値に対応する上記重み係数を0に設定す
る。これによって、上記一方の制御装置は、最大のビー
ム電界値を有する直接波を受信信号として出力する一
方、上記他方の制御装置は、少なくとも2番目のレベル
を有するビーム電界値を有する遅延波を受信信号として
出力する。すなわち、直接波と遅延波とを分離して受信
することができる。従って、本発明は以下の特有の効果
を有する。
【0052】(a)直接波と少なくとも1つの遅延波を
分離するために、CMアルゴリズムを用いる処理を実行
する少なくとも2つの制御装置を備えればよいので、従
来例に比較してハードウエアの構成が簡単になる。 (b)CMアルゴリズムを用いる処理を実行する少なく
とも2つの制御装置を並列に動作させて処理を実行する
ことができるので、従来例に比較して短い演算時間で所
定のS/Nを得ることができる。すなわち、従来例で
は、上述のように、所定のアダプティブアレーアンテナ
のアルゴリズムを用いた処理において所定の収束条件が
成立した後に、上記適応等化器を動作させて所定のS/
Nを得るように制御するが、本発明では、後者の適応等
化器の動作は不要であり、この動作時間分だけ処理時間
を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一実施例であるアレーアンテナ
の制御装置のブロック図である。
【図2】 図1のビーム選択器5のブロック図である。
【図3】 図1のCMA処理器7のブロック図である。
【図4】 図1のアレーアンテナの制御装置のシミュレ
ーション結果である、時間経過に対するCMA処理器7
−1及び7−2から出力される相対受信電力を示すグラ
フである。
【図5】 図1のアレーアンテナの制御装置のシミュレ
ーション結果である、アレーアンテナ1の指向角度に対
するCMA処理器7−1及び7−2から出力される相対
受信電力を示すグラフである。
【符号の説明】
1…アレーアンテナ、 1−1乃至1−M…アンテナ素子、 2−1乃至2−M…受信機、 3−1乃至3−M…A/D変換器、 4…マルチビーム形成器、 5…ビーム選択器、 6−1乃至6−N…同相分配器、 7−1乃至7−L…CMA処理器、 8−1乃至8−L…同期パターン検出器、 9−1乃至9−L…遅延線回路、 10…遅延コントローラ、 11…同相合成器、 50…基準電圧発生器、 51…レベル順位検出器、 52−1乃至52−N…比較器、 70…更新器コントローラ、 71−1乃至71−N…乗算器、 72−1乃至72−N…重み係数更新器、 73…同相合成器、 SW−1乃至SW−N…スイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 唐沢 好男 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷 5番地 株式会社エイ・ティ・アール光 電波通信研究所内 (56)参考文献 特開 平1−251904(JP,A) 特開 平6−164434(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の配置形状で近接して並置された所
    定の複数M個のアンテナ素子からなるアレーアンテナを
    制御するための制御方法であって、 上記アレーアンテナの各アンテナ素子でそれぞれ受信さ
    れた複数M個の受信信号と、希望波を所定の放射角度の
    範囲で受信できるように予め決められた形成すべき所定
    の複数N個のビームの各主ビームの方向と、受信信号の
    受信周波数とに基づいて、上記複数N個のビーム電界値
    を演算する第1のステップと、 上記演算された上記複数N個のビーム電界値を所定のし
    きい値と比較することによって、当該しきい値以上のビ
    ーム電界値のみを選択して出力する第2のステップと、 コンスタント・モジュラス・アルゴリズムを用いて、上
    記選択されて出力されるビーム電界値に基づいて、上記
    複数N個のビームにそれぞれ対応する、受信信号に対す
    る複数N個の重み係数を演算し、上記演算された複数N
    個の重み係数をそれぞれ対応する上記ビーム電界値に対
    して乗算して各乗算結果の信号を同相合成して受信信号
    として出力する第3のステップとを含むアレーアンテナ
    の制御方法において、 上記第3のステップを実行する一方の制御装置の所定の
    初期状態において、上記選択されて出力されるビーム電
    界値のうち最大のビーム電界値に対応する上記重み係数
    を0でない所定の初期値に設定する一方、他のビーム電
    界値に対応する上記重み係数を0に設定し、 上記一方の制御装置とは異なり上記第3のステップを実
    行する他方の制御装置を用いて、当該他方の制御装置の
    上記初期状態において、上記選択されて出力されるビー
    ム電界値のうち少なくとも2番目のレベルを有するビー
    ム電界値に対応する上記重み係数を0でない所定の初期
    値に設定する一方、他のビーム電界値に対応する上記重
    み係数を0に設定することを特徴とするアレーアンテナ
    の制御方法。
  2. 【請求項2】 所定の配置形状で近接して並置された所
    定の複数M個のアンテナ素子からなるアレーアンテナを
    制御するための制御装置であって、 上記アレーアンテナの各アンテナ素子でそれぞれ受信さ
    れた複数M個の受信信号と、希望波を所定の放射角度の
    範囲で受信できるように予め決められた形成すべき所定
    の複数N個のビームの各主ビームの方向と、受信信号の
    受信周波数とに基づいて、上記複数N個のビーム電界値
    を演算するマルチビーム形成手段と、 上記マルチビーム形成手段によって演算された上記複数
    N個のビーム電界値を所定のしきい値と比較することに
    よって、当該しきい値以上のビーム電界値のみを選択し
    て出力するビーム選択手段と、 コンスタント・モジュラス・アルゴリズムを用いて、上
    記ビーム選択手段から出力されるビーム電界値に基づい
    て、上記複数N個のビームにそれぞれ対応する、受信信
    号に対する複数N個の重み係数を演算し、上記演算され
    た複数N個の重み係数をそれぞれ対応する上記ビーム電
    界値に対して乗算して各乗算結果の信号を同相合成して
    受信信号として出力する適応制御手段とを備えたアレー
    アンテナの制御装置において、 上記適応制御手段を少なくとも2個備え、 一方の適応制御手段の所定の初期状態において、上記ビ
    ーム選択手段から出力されるビーム電界値のうち最大の
    ビーム電界値に対応する上記一方の適応制御手段の重み
    係数を0でない所定の初期値に設定する一方、他のビー
    ム電界値に対応する上記重み係数を0に設定する第1の
    初期値設定手段と、 他方の適応制御手段の上記初期状態において、上記ビー
    ム選択手段から出力されるビーム電界値のうち少なくと
    も2番目のレベルを有するビーム電界値に対応する上記
    他方の適応制御手段の重み係数を0でない所定の初期値
    に設定する一方、他のビーム電界値に対応する上記重み
    係数を0に設定する第2の初期値設定手段とを備えたこ
    とを特徴とするアレーアンテナの制御装置。
  3. 【請求項3】 上記制御装置はさらに、 上記一方の適応制御手段から出力された受信信号と、上
    記他方の適応制御手段から出力された受信信号とを、こ
    れら各受信信号に含まれる同期信号に基づいてダイバー
    シチ受信するように同相合成する合成手段を備えたこと
    を特徴とする請求項2記載のアレーアンテナの制御装
    置。
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