JPH08220098A - 酵素免疫測定法及び酵素免疫測定試薬キット - Google Patents

酵素免疫測定法及び酵素免疫測定試薬キット

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JPH08220098A
JPH08220098A JP2838495A JP2838495A JPH08220098A JP H08220098 A JPH08220098 A JP H08220098A JP 2838495 A JP2838495 A JP 2838495A JP 2838495 A JP2838495 A JP 2838495A JP H08220098 A JPH08220098 A JP H08220098A
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JP
Japan
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enzyme
labeled
solid phase
bound
antibody
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JP2838495A
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Takashi Murakami
隆 村上
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 難水溶性の基質を使用する酵素免疫測定法に
おいて、検量線の直線性を改善する方法を提供する。さ
らに、難水溶性の基質を使用する酵素免疫測定法におい
て、有機溶剤を添加することなくこれらの問題を解決す
る方法を提供する。 【構成】 酵素を標識として用いる免疫測定法におい
て、酵素標識した酵素標識抗体又は酵素標識した酵素標
識抗原(以後酵素標識体という)を抗原抗体反応により
固相に結合させる、次いで、固相に結合していない酵素
標識体を測定系から除去した後、固相に結合した酵素標
識体を固相より遊離させて、該標識酵素反応を行なわせ
ることを特徴とする酵素免疫測定法。実質的に標識酵素
活性を失活させない条件において可逆的に乖離可能な結
合により、酵素と抗体あるいは酵素と抗原とを結合させ
た酵素標識体からなり、前記結合を乖離させることによ
って固相に結合した酵素標識体から標識酵素を遊離させ
る工程を含む酵素免疫測定試薬キット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は様々な疾患の診断に有用
な体液の溶存成分を分析する際に用いられる酵素免疫測
定法において、標識として用いられたペルオキシダーゼ
量を測定する際に、検量線の直線性を改善し、正確な測
定を可能にする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、ペルオキシダーゼ様物質または酸
化性物質を測定するために最も一般的に行われているの
は、過酸化物の存在下で被酸化性発色物質である色原体
を酸化させ、形成された色素の量を比色定量する方法で
ある。色原体としては例えば、o-フェニレンジアミン
(OPD)、2,2′-アジノジ(3-エチルベンゾチアゾリン-6
-スルフォン酸)(ABTS)、5-アミノサリチル酸(5-AS
A)などが用いられている。しかしながら、これらの物
質は例えば、OPDのように不安定で非酵素的な発色が起
こりやすいもの、5-ASAの様に感度の低いものなど、現
在広く用いられている色原体は、必ずしも使い勝手の良
い色原体とはいえない。また、これらの化合物は、それ
らのうちのかなりの物が発癌性もしくは変異原性を持つ
といわれており、最近広がりつつある環境問題やPL法の
観点から考えてもこれらの化合物を使用するということ
は好ましいとはいえない。
【0003】このような観点から変異原性を持たず、し
かも感度の良い色原体として3,3′,5,5′-テトラメチル
ベンジジン(以下TMB)が開発された。TMBは当初、血液
中のヘモグロビンを検出するために使用されていたが(T
etrahedron, 30 ,(1974) , p3299-3302)、現在では、ペ
ルオキシダーゼ活性の検出、免疫組織染色(Anal. Bio-c
hem., 98 ,(1979) , p388-393)、酵素免疫測定法(J. Im
munoassay, 2 ,(1981), P187-204)など多岐にわたる分
野で用いられている。
【0004】しかしながら、これらの文献でも指摘され
ているように、TMBを含め、テトラアルキルベンジジン
は水に対する溶解度が極めて低く、多くの研究者たち
は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムア
ミド(DMF)、メタノール、1,4-ジオキサンなどの有機
溶媒の助けを借りることによって溶解度を上昇させてい
た。ところが、ここに示した有機溶媒は全てが有害もし
くは有毒物質であることから、人体への影響や安全性、
環境への影響等を考えると、ここに示したものを使用す
ることは望ましいものとは言えず、加えて、幾つかのも
のは蛋白質を変性させる働きを持つことから、酵素反応
に影響を与えることも考えられる。つまり、安全性を重
視する目的で開発された色原体を使用するために安全性
に問題のある有機溶媒を用いなければならなかった。
【0005】また、テトラアルキルベンジジンのような
難水溶性の色原体を用いた方法では、特にEIA、ELISAな
どの固定化抗体に対するサンドイッチアッセイを用いる
測定系において検量線の直線性が悪いという問題がある
ことが明らかになった。この現象は、遊離のペルオキシ
ダーゼを用いた系では観察されず、固相に結合した標識
化ペルオキシダーゼを用いた反応のみで観察されてい
る。この現象により結果の再現性及び精度が低下するこ
とは明らかであり、得られたデータの信頼性にもかかわ
る。にもかかわらず、これまで、この現象は報告例さえ
なく、問題提起されていなかったのが現状である。当然
のことながら、これまでに報告されたいずれの方法にお
いてもこの問題を解決するには至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、難水
溶性の基質を使用する酵素免疫測定法において、検量線
の直線性を改善する方法を提供する。さらに、難水溶性
の基質を使用する酵素免疫測定法において、有機溶剤を
添加することなくこれらの問題を解決する方法を提供す
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の構成により達成される。
【0008】1) 酵素を標識として用いる免疫測定法
において、酵素標識抗体又は酵素標識抗原(以後両者を
まとめて酵素標識体という)を抗原抗体反応により固相
に結合させる、次いで、固相に結合していない酵素標識
体を測定系から除去した後、固相に結合した酵素標識体
を固相より遊離させて、該標識酵素反応を行なわせるこ
とを特徴とする酵素免疫測定法。
【0009】2) 酵素を標識として用いる免疫測定法
において、酵素標識体を抗原抗体反応により固相に結合
させる、次いで、固相に結合していない酵素標識体を測
定系から除去した後、固相に結合した酵素標識体の標識
酵素を標識体より遊離させて、該標識酵素反応を行なわ
せることを特徴とする酵素免疫測定法。
【0010】3) 標識酵素がペルオキシダーゼである
ことを特徴とする前記1又は2記載の測定法。
【0011】4) 前記標識酵素の基質が難水溶性であ
ることを特徴とする前記3記載の酵素免疫測定法。
【0012】5) 前記標識酵素の基質がテトラアルキ
ルベンジジンであることを特徴とする前記4記載の酵素
免疫測定法。
【0013】6) 実質的に標識酵素活性を失活させな
い条件において可逆的に乖離可能な結合により、酵素と
抗体あるいは酵素と抗原とを結合させた酵素標識体から
なり、前記結合を乖離させることによって固相に結合し
た酵素標識体から標識酵素を遊離させる工程を含む酵素
免疫測定試薬キット。
【0014】7) 難水溶性の色原体を基質とする酵素
を標識として用いる免疫測定法において、標識体が、ジ
オール構造を有する標識酵素とジヒドロキシボリル化合
物を有する抗体又は抗原からなり、固相に結合した標識
体をpHを酸性にすることによって、標識酵素を乖離させ
て標識酵素の発色反応を行なわせる工程を含む酵素免疫
測定試薬キット。
【0015】8) 難水溶性の色原体を基質とする酵素
を標識として用いる免疫測定法において、固相に結合し
た酵素標識体と固相に結合していない酵素標識体を分離
した後、固相に結合した酵素標識体をpHを酸性又はアル
カリにすることによって免疫複合体を乖離させて、該標
識酵素反応を行なわせる工程を含むことを特徴とする酵
素免疫測定試薬キット。
【0016】9) 難水溶性の色原体を基質とする酵素
を標識として用いる免疫測定法において、固相に結合し
た酵素標識抗体と固相に結合していない酵素標識抗体を
分離した後、固相に結合した酵素標識抗体に同種の非標
識抗体あるいは該酵素標識抗体に対する抗原を添加する
ことによって、固相から酵素標識抗体を乖離させて、該
標識酵素反応を行なわせる工程を含むことを特徴とする
酵素免疫測定試薬キット。
【0017】10) 前記標識酵素がペルオキシダーゼで
あり、難水溶性の色原体がテトラアルキルベンジジンで
あることを特徴とする前記6、7、8又は9記載の酵素
免疫測定試薬キット。
【0018】本発明の酵素免疫測定法は、酵素標識抗体
あるいは酵素標識抗原などの酵素標識体を使用する測定
方法に利用でき、従来知られている2ステップサンドイ
ッチ法、1ステップサンドイッチ法、競合法などに応用
できる。
【0019】又、本発明に用いられる酵素標識体は用い
る測定系によるが、酵素標識抗体あるいは酵素標識抗原
でもよい。
【0020】例えば、サンドイッチ法による測定を例に
すれば、通常プレートあるいはビーズなどの固相に固定
化された抗体と測定対象の抗原そして固相抗体とは別の
部位に反応する2次抗体(標識抗体)でサンドイッチさ
れ、未反応の2次抗体を洗浄除去(B/F分離)した後、
固相に結合した標識酵素の量を測定する。本発明では、
この固相に結合している標識酵素を一度遊離させて酵素
反応を行なわせることによって検量線の直線性を改善す
ることができることを見いだした。
【0021】固相に結合している標識酵素を遊離させる
方法の1つとしては、標識酵素と抗体との結合を可逆的
な結合とする方法がある。例えば、抗体にボロン酸を導
入し、標識酵素にシスジオール結合を導入し、両者を混
合し、pH8〜9に維持することによって両者は結合す
る。pH8〜9に維持したまま標識抗体をB/F分離し、p
Hを6以下にすればボロン酸とシスジオール間の結合は
乖離し、標識酵素を遊離させることができる。あるい
は、pH以外の条件としてはソルビトールなどのシスジ
オールを有する物質を添加することによっても容易に乖
離させることができる。標識として広く用いられている
ペルオキシダーゼはもともと糖鎖を有するため、新たに
シスジオール構造を導入する必要がなく好ましい。又、
ペルオキシダーゼの発色反応は通常基質を含む酸性の緩
衝溶液中で行なわせるため、特に新たな工程を設ける必
要もないため特に好ましい。
【0022】固相に結合している標識酵素を遊離させる
別の方法2としては、形成した免疫複合体を乖離させる
方法がある、免疫複合体を乖離させる方法としては、p
H、塩濃度などの条件を変えてやるという方法が考えら
れる。例えば、固相に固定化された抗体と抗原そして固
相抗体とは別の部位に反応する2次抗体(標識抗体)で
サンドイッチされ、未反応の2次抗体を洗浄除去(B/F
分離)した後、固相をpH4以下、好ましくはpH2〜4
の酸性又は10以上のアルカリ性好ましくはpH10〜12と
して、固相抗体と抗原及び/又は抗原と標識抗体との結
合を乖離させてやればよい。pHの条件は使用する抗体
と抗原間のアフィニティに依存するが、あまり酸性ある
いはアルカリ性が強い条件下に放置すると標識酵素の失
活を招くので注意が必要である。又、この方法で乖離さ
せる場合、対象となる抗体はモノクローナル抗体である
ことが望ましい。これはポリクローナル抗体が様々なア
フィニティの抗体の混合物であり、ある特定の条件で乖
離させることが困難であるからである。 さらに形成し
た免疫複合体を乖離させる方法3としては、固相に固定
化された抗体と抗原そして固相抗体とは別の部位に反応
する2次抗体(標識抗体)でサンドイッチされ、未反応
の2次抗体を洗浄除去(B/F分離)した後、過剰な抗原あ
るいは未標識の抗体を添加し、一定時間インキュベート
する方法である。これによって、交換反応が起こり、例
えば固相抗体に結合した抗原にさらに結合していた標識
酵素が遊離の抗原と反応し、結果として、標識酵素を遊
離させることができるのである。
【0023】添加する抗原、未標識の抗体は、固相に結
合した抗原又は標識抵抗により過剰であることが望まし
く、好ましくは固相に結合した量に対して2倍以上であ
る。
【0024】方法2と3の方法を組み合わせて行なうと
より好ましい。本発明は色原体あるいは標識酵素反応の
結果として生成する色素が難水溶性の場合に特に効果が
ある。
【0025】本発明でいう酵素免疫測定法とは、医学書
院より1982年に初版が発行された「酵素免疫測定法」
(石川榮治らの編集)の30〜49ページ及び、東京化学同人
より1989年に初版が発行された「エンザイムイムノアッ
セイ」(P.TIJSSEN著、監訳石川榮治)の8〜19ページに
記載されているような酵素免疫測定法であって、酵素標
識抗体または抗原を用い、酵素活性量を酸化性物質及び
色原体で構成される発色液を用いて測定する方法なら、
どの様なものでも適合できる。体液中の微量成分を測定
する方法は、様々な疾患の診断に有用である。特に、免
疫学的に測定する方法は感度・簡便性の点で優れてお
り、多く利用されている。特に標識に酵素を使用する酵
素免疫測定法EIAは従来の放射性物質を標識として用い
るRIAよりも安全性に優れている。酵素免疫測定法に利
用されている標識酵素には、ペルオキシダーゼ、アルカ
リフォスファターゼ、β-ガラクトシダーゼなどが多く
利用されている。中でもペルオキシダーゼは広く利用さ
れている。そして、ペルオキシダーゼの基質としてテト
ラアルキルベンジジンが好ましい。
【0026】本発明に用いられるテトラアルキルベンジ
ジンは、置換アルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基が挙げられるが、メチル基が好ましい。
特に好ましいテトラアルキルベンジジンは、3,3′,5,
5′-テトラメチルベンジジンである。
【0027】発色液において、テトラアルキルベンジジ
ンまたはその塩の濃度は、0.01ないし5.0mg/mlであ
り、好ましくは0.05ないし2.0mg/mlである。
【0028】発色液の緩衝剤を構成する成分としては、
クエン酸、酢酸、シュウ酸など前述の有機酸とクエン酸
ナトリウム、リン酸ナトリウムなどのナトリウム塩やカ
リウム塩など有機酸塩または無機酸塩を選択することが
出来る。クエン酸を含有している溶液であればより好ま
しい。
【0029】また、発色を補助する成分として、キレー
ト剤(特開昭63-199270)、非イオン性界面活性剤(特
開昭62-294099)、トリポリりん酸(特開平1-243998)
などを色原体を安定化させるために反応系に添加するこ
とも出来る。
【0030】本発明に係るペルオキシダーゼ様物質とし
ては、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、サイトク
ロムcペルオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、ミ
エロペルオキシダーゼ、グルタチオンペルオキシダー
ゼ、また、鉄、金、銀などの金属及び金属化合物、ヘモ
グロビン等が挙げられるが、好ましくは西洋ワサビペル
オキシダーゼである。
【0031】さらに、本発明で述べている酸化性物質と
は、ペルオキシダーゼの共存下で、テトラアルキルベン
ジジンを酸化することが可能なものであれば、どのよう
なものでも良い。具体的には、過酸化水素、アルキルヒ
ドロキシペルオキシド、p-ニトロペルオキシ安息香酸、
クメンヒドロキシペルオキシド、過酸化尿素等が挙げら
れるが、特に過酸化水素が好ましい。また、酸化性物質
の濃度は0.001ないし0.1%が好ましい。0.001%以下で
は感度が悪化し、0.1%以上では酵素活性が阻害され良
好な判定を行うことが不可能となるため再現性の点で好
ましくない。より好ましくは、0.005ないし0.02%であ
る。以上の条件を満たすものであれば、従来、同様の用
途に用いられてきた試薬と比較して、感度の面で優れた
結果が得られる。
【0032】また、本発明をペルオキシダーゼを結合し
た抗体もしくは抗原分子を用いた酵素免疫測定法に適合
する場合、EIA、ELISAなどにおいて通常行われ
ている方法に準じ、標準物質を用いることにより得られ
たペルオキシダーゼ活性の検量線によって、検体中の測
定対象物質の濃度(または量、単位)を求めることが出
来る。
【0033】
【実施例】以下に実施例を示し本発明の詳細な説明を行
うが、これにより限定されない。
【0034】実施例1 <α1-アンチキモトリプシン量の定量> ・抗体固定化プレートの作成 抗α1-アンチキモトリプシン(以下ACTと略記)モノク
ローナル抗体(アテンズ・リサーチ社製)を、0.02Mリ
ン酸緩衝液(150mM NaCl含有 pH7.3 、以降PBSと称
す)中に10μg/mlに希釈し、この溶液をポリスチレン
製ELISAプレート(NUNC製)に各75μl/wellずつ分注し、
4℃、24時間インキュベートし、抗体を固相化した。
【0035】次に、ブロッキング溶液として、牛血清ア
ルブミン(以下BSAと略記)を1%含有する0.05% Twee
n20-PBSを調製し、先のプレートから抗体溶液を除去し
た後、このブロッキング溶液を200μl/wellずつ分注
し、4℃で18時間、ブロッキングを行なった。これら一
連の作業により抗体固定化プレートを得た。
【0036】・標識抗体の調製 3−アミノフェニルボロン酸(アルドリッチ製)9.5mg
を0.1Mリン酸緩衝液pH7 10mlに溶解し、N-
スクシンイミジル6-マレイミドヘキサノエート(同仁化
学研究所製)21mgを約0.5mlのジメチルホルムアミ
ドに溶解した。直ちに両者を混合し、30℃、1時間イン
キュベートした。沈殿物を遠心で除去した後、液体クロ
マトグラフィー(ODS−80Tsカラム(東ソー
製)、水→メタノールグラジェンド)によりマレイミド
基が導入されたフェニルボロン酸(マレイミド-フェニ
ルボロン酸と称す)を得た。
【0037】次に、市販の抗ACTヒツジポリクローナル
抗体IgG(バインディングサイト社製)5mg/0.5mlを0.1
M酢酸緩衝液0.1M NaCl pH4.5にて24時間透析した。こ
れにブタ胃由来ペプシン0.2mgを添加し、37℃にて6時
間反応させた。pH7.0に調製し、Superose 12 (φ10×3
00mm)、0.1Mリン酸緩衝液pH7.0、にてゲル濾過し、F
(ab′)2画分を得た。これを5mg/mlの濃度に濃縮した
後、0.1M 2-メルカプトエチルアミン-0.1M リン酸緩衝
液pH6.0(5mM EDTA含有)50μlを添加し、37℃ 90分
インキュベートした。Sepharose 12 (1.5×50cm)カラ
ム、0.1Mリン酸緩衝液 pH6.0(5mM EDTA含有)、に
てゲル濾過し、Fab'画分を得た。
【0038】得られたFab'画分2mg/ ml 0.1Mリン酸
緩衝液pH6.0(5mM EDTA含有)とマレイミド-フェニル
ボロン酸 0.03mg/ml 0.1Mリン酸緩衝液pH6.0(5m
M EDTA含有) を混合し、4℃、20時間インキュ
ベートした。50mMエチルマレイミド10μlを添加し、Sup
erose 12(φ10×300mm)、0.1Mリン酸緩衝液pH6.0、
にてゲル濾過し、ボロン酸結合抗体を得た。
【0039】西洋ワサビペルオキシダーゼ(ベーリンガ
-マンハイム製)2mgを0.1M炭酸緩衝液pH9 1ml
に溶解し、これに前述のボロン酸結合抗体を添加し反応
させた。pHが8〜9に維持されていることを確認し、
必要に応じpHを調製した。これをSepharose 12カラム
(φ10×300mm)、0.1M炭酸緩衝液pH8.5 にてゲル濾
過し、ペルオキシダーゼ標識抗体を得た。前述の抗体固
定化プレートを0.05% Tween20-PBSにて3回洗浄した
後、市販のACT標品を既知濃度で含有する1%BSA・PBS
各々50μl/wellを添加し、室温にて2時間インキュベ
ートした。
【0040】0.05% Tween20-PBSにて3回洗浄した後、
前述のペルオキシダーゼ標識抗体(1%BSA、0.1
M炭酸緩衝液pH8.5、0.2M NaCl)を添加
し、室温にて1時間反応させた。このとき、well中の溶
液のpHが8〜9に維持されていることを確認した。0.1M
炭酸緩衝液pH9にて3回洗浄した。
【0041】<発色液キットの製造> (1)発色剤の調製 クエン酸一水和物を3.95g秤量し、20ml程度の蒸留水を
加え溶解した。このクエン酸溶液に3,3′,5,5′-テトラ
メチルベンジジン塩酸塩50mgを加え撹拌して溶解させ
た。溶解後蒸留水を加え全量を25mlに調整した。ここで
得られた3,3′,5,5′-テトラメチルベンジジン溶液を褐
色のバイアル瓶に1mlずつ分注し、凍結乾燥を行った。
これを発色剤とした。
【0042】(2)希釈液の調製 クエン酸三ナトリウム(二水和物)を9.18g秤量し、蒸
留水を450ml程度加え溶解した。さらに最終的に0.02重
量%濃度になるように過酸化水素水を加え良く撹拌した
後、蒸留水を加え、全量を500mlとした。この溶液を褐
色のバイアル瓶に20mlずつ分注し、保存した。これを希
釈液とした。
【0043】(3)発色液の調製 (1)で製造した発色剤と(2)で調製した希釈液を混合
し、3,3′,5,5′-テトラメチルベンジジンの発色液(p
H4.5)を調製した。これを各々100μl/well添加し、
室温にて30分間発色反応を行なった。9N H2SO4を50μl
添加して反応を停止させ、450nmの吸光度を測定した。
結果を図1に示す。比較例として、前述のペルオキシダ
ーゼ標識抗体の代わりに、過ヨウ素酸法にて調製したペ
ルオキシダーゼ標識抗体を使用し、同様の測定を行なっ
た。その結果を図2に示す。これらの結果から、本発明
の免疫測定法は検量線の直線性に優れていることがわか
る。
【0044】実施例2 <ガラクトシルトランスフェラーゼ量の測定>特開平3-
259093号に記載されている抗癌関連ガラクトシルトラン
スフェラーゼ(以下GATと略記)モノクローナル抗体MAb
8513を、1M塩化ナトリウム含有0.1M炭酸緩衝液(p
H9.15)中に10μg/mlに希釈し、この溶液中にポリス
チレン製ビーズ(積水化学製)を4℃・24時間浸漬し抗
体の固定化を行うことにより、抗体固定化ビーズを得
た。
【0045】次に、ブロッキング溶液として牛血清アル
ブミン(以下BSAと略記)を1%含有する0.02Mリン酸
緩衝液(150mM NaCl含有pH7.3、以降PBSと称す)を調
製し、この溶液中に抗体固定化後のビーズを移し、37
℃、10時間浸漬・放置し、ビーズ表面の抗体非結合部位
の被覆(ブロッキング)を行った。これら一連の作業に
より以下に用いる抗体固定化ビーズを得た。
【0046】検体としてGATを含有する癌患者プール血
清を用いた。この検体50μlに0.02Mリン酸緩衝液(pH
6.5、150mM NaCl及び0.01% Tween20含有)200μlを添
加し、ここに上記に記載の方法により調製した抗体固定
化ビーズを浸漬し、一次反応(45℃、2時間)を行っ
た。反応後PBSにて洗浄操作を行った。西洋ワサビペル
オキシダーゼ(以下 HRPと称す)にて標識したHRP標識
抗GAT抗体MAb8628(特開平3-259093号)を1%BSA含有P
BS溶液に適宜希釈し、これをビーズに固定化した抗体に
対応するように250μl添加し、二次反応を行った。この
後、同様にPBSによる洗浄操作を行った。さらに、実施
例1に示された方法により調製した3,3′,5,5′-テトラ
メチルベンジジンの発色液を300μl加え、室温にて30分
発色反応を行った。反応後、1N H2SO4を1ml添加し反応
を停止させ、450nmでの吸光度を測定した。この比較例
の結果を図3に示す。
【0047】ヒト初乳を4℃で10,000回転、20分間遠心
した。液面に分離した脂肪分を除去し、4M塩酸を添加
してpHを4.2に合わせ、氷中で2時間静止した後、4℃
で18,000回転、20分間遠心した。グラスウールを充填し
たシリンジに該ヒト初乳を移し濾過した。濾液に1Mト
リス溶液を加え、pHを6.7に合わせヒト初乳乳清を得
た。得られたヒト初乳乳清を1Mクエン酸緩衝液で1/5
0に希釈した。ヒト初乳には極めて高濃度のGATを含有し
ている。この溶液を上述した比較例の2次反応後の洗浄
操作の後に各々200μl添加し、37℃で2時間インキュベ
ートした。これに発色液を加え、同様に測定を行った。
この結果を図4に示す。このように、標識抗体をB/F分
離した後で固相に結合した標識抗体に高濃度の抗原を作
用させることによって、標識抗体を遊離させ、これを用
いて酵素反応を行わせることによって、検量線の直線性
を改善することができた。
【0048】実施例3 <ガラクトシルトランスフェラーゼ量の測定>下記組成
の発色剤を含有する反応溶液を調製した。
【0049】発色反応溶液-1 下記組成のpH2〜3の発色反応溶液-1を調製した。
【0050】 クエン酸1水和物 158mg 3,3′,5,5′-テトラメチルベンジジン
2mg クエン酸3ナトリウム2水和物 18mg 蒸留水 10ml 発色反応溶液-2 下記組成の発色反応溶液-2を調製した。
【0051】 クエン酸1水和物 350mg H2O2(31%) 13μl 蒸留水 10ml 実施例2に記載された方法で、2次反応を行い、同様に
PBSによる洗浄操作を行った。前述の、発色反応溶液
-1を各々100μl/well添加し、プレートミキサーで撹拌
した。数分後、発色反応溶液-2を各々100μl/well添加
・混合し、室温にて30分発色反応を行った。反応後、9N
H2SO4を50μl添加し反応を停止させ、450nmでの吸光度
を測定した。結果を図5に示す。このように本発明の方
法によればGAT標準物質を用いた検量線において濃度と
吸光度との関係は、実施例2の比較例と比べて直線性が
改善されることがわかる。
【0052】
【発明の効果】本発明により、難水溶性の基質を使用す
る酵素免疫測定法において、検量線の直線性を改善され
た。さらに、難水溶性の基質を使用する酵素免疫測定法
において、有機溶剤を添加することなくこれらの問題を
解決する方法を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のペルオキシダーゼ標識抗体による、α
1-アンチキモトリプシン(ACT)濃度と3,3′,5,5′-テ
トラメチルベンジジンを含む発色液による発色濃度の関
係を示す図である。
【図2】比較としてペルオキシダーゼ標識抗体の代わり
に、過ヨウ素酸法にて調製したペルオキシダーゼ標識抗
体による、α1-アンチキモトリプシン(ACT)濃度と3,
3′,5,5′-テトラメチルベンジジンを含む発色液による
発色濃度の関係を示す図である。
【図3】従来法により、血清中のガラクトシルトランス
フェラーゼ濃度の検量線を求めた図である。
【図4】本発明の方法により、血清中のガラクトシルト
ランスフェラーゼ濃度の検量線を求めた図である。
【図5】本発明をELISA法により、血清中のガラクトシ
ルトランスフェラーゼ濃度の検量線を求めた図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酵素を標識として用いる免疫測定法にお
    いて、酵素標識抗体又は酵素標識抗原(以後両者をまと
    めて酵素標識体という)を抗原抗体反応により固相に結
    合させる、次いで、固相に結合していない酵素標識体を
    測定系から除去した後、固相に結合した酵素標識体を固
    相より遊離させて、該標識酵素反応を行なわせることを
    特徴とする酵素免疫測定法。
  2. 【請求項2】 酵素を標識として用いる免疫測定法にお
    いて、酵素標識体を抗原抗体反応により固相に結合させ
    る、次いで、固相に結合していない酵素標識体を測定系
    から除去した後、固相に結合した酵素標識体の標識酵素
    を標識体より遊離させて、該標識酵素反応を行なわせる
    ことを特徴とする酵素免疫測定法。
  3. 【請求項3】 標識酵素がペルオキシダーゼであること
    を特徴とする請求項1又は2記載の測定法。
  4. 【請求項4】 前記標識酵素の基質が難水溶性であるこ
    とを特徴とする請求項3記載の酵素免疫測定法。
  5. 【請求項5】 前記標識酵素の基質がテトラアルキルベ
    ンジジンであることを特徴とする請求項4記載の酵素免
    疫測定法。
  6. 【請求項6】 実質的に標識酵素活性を失活させない条
    件において可逆的に乖離可能な結合により、酵素と抗体
    あるいは酵素と抗原とを結合させた酵素標識体からな
    り、前記結合を乖離させることによって固相に結合した
    酵素標識体から標識酵素を遊離させる工程を含む酵素免
    疫測定試薬キット。
  7. 【請求項7】 難水溶性の色原体を基質とする酵素を標
    識として用いる免疫測定法において、標識体が、ジオー
    ル構造を有する標識酵素とジヒドロキシボリル化合物を
    有する抗体又は抗原からなり、固相に結合した標識体を
    pHを酸性にすることによって、標識酵素を乖離させて標
    識酵素の発色反応を行なわせる工程を含む酵素免疫測定
    試薬キット。
  8. 【請求項8】 難水溶性の色原体を基質とする酵素を標
    識として用いる免疫測定法において、固相に結合した酵
    素標識体と固相に結合していない酵素標識体を分離した
    後、固相に結合した酵素標識体をpHを酸性又はアルカリ
    性にすることによって免疫複合体を乖離させて、該標識
    酵素反応を行なわせる工程を含むことを特徴とする酵素
    免疫測定試薬キット。
  9. 【請求項9】 難水溶性の色原体を基質とする酵素を標
    識として用いる免疫測定法において、固相に結合した酵
    素標識抗体と固相に結合していない酵素標識抗体を分離
    した後、固相に結合した酵素標識抗体に同種の非標識抗
    体あるいは該酵素標識抗体に対する抗原を添加すること
    によって、固相から酵素標識抗体を乖離させて、該標識
    酵素反応を行なわせる工程を含むことを特徴とする酵素
    免疫測定試薬キット。
  10. 【請求項10】 前記標識酵素がペルオキシダーゼであ
    り、難水溶性の色原体がテトラアルキルベンジジンであ
    ることを特徴とする請求項6、7、8又は9記載の酵素
    免疫測定試薬キット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008224524A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Toshiba Corp 光導波路型抗体チップ
JP2016185131A (ja) * 2015-03-27 2016-10-27 株式会社豊田中央研究所 物質と細胞との間の作用の評価方法
WO2019167830A1 (ja) 2018-02-27 2019-09-06 株式会社 島津製作所 APP669-xのN末端を特異的に認識する抗体、及び免疫測定法

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