JPH08288A - ペルオキシダーゼ様物質の活性または酸化性物質の検出及び測定のための組成物並びに測定方法 - Google Patents

ペルオキシダーゼ様物質の活性または酸化性物質の検出及び測定のための組成物並びに測定方法

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JPH08288A
JPH08288A JP13599094A JP13599094A JPH08288A JP H08288 A JPH08288 A JP H08288A JP 13599094 A JP13599094 A JP 13599094A JP 13599094 A JP13599094 A JP 13599094A JP H08288 A JPH08288 A JP H08288A
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JP
Japan
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peroxidase
substance
chromogen
composition
general formula
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JP13599094A
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English (en)
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稔 ▲高▼田
Minoru Takada
Shinya Yoshida
伸也 吉田
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 添加剤を加えることなく、より容易に調製す
る事が可能で、しかも、保存安定性および、感度に優れ
たペルオキシダーゼ様物質、および酸化性物質の検出及
び測定のための組成物を提供すること、そして、この組
成物を用いることによる再現性の高い実験系を提供する
こと。 【構成】 色原体として、トリフェニルメタン誘導体又
はp-フェニレンジアミン誘導体及びフェノール誘導体或
いはこれらの塩を含むペルオキシダーゼ様物質の活性ま
たは酸化性物質の検出及び測定のための組成物。又は、
上記組成物を用いる定量方法又は酵素免疫測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安定なペルオキシダー
ゼ様物質及び酸化性物質を検出及び測定のための組成物
に関する。さらに詳しくは、この組成物を、医学的診断
もしくは生物学的評価に利用しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりペルオキシダーゼ様物質又は、
酸化性物質の検出や測定には、様々な方法が用いられて
おり、色々な分野で非常に広範囲にわたり実施されてい
る。特に医療分野における臨床検査においては、これら
の物質の測定は非常に重要な意味を持ってきている。そ
の理由として、近年、ELISA,EIAなどの酵素免
疫測定法が飛躍的な発達と急速な普及を見せており、ペ
ルオキシダーゼ標識した抗体分子もしくは抗原分子を用
いることにより、容易にしかも高感度で目的物質の検出
を行うことが可能となっていることが挙げられる。
【0003】また、これらの酵素免疫測定法も含めて、
ペルオキシダーゼ様物質または酸化性物質を測定するた
めに最も一般的に行われているのは、過酸化物の存在下
で被酸化性発色物質である色原体を酸化させ、形成され
た色素の量を比色定量する方法である。色原体としては
例えば、o-フェニレンジアミン(OPD)、2,2'-アジノ
ジ(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルフォン酸)(ABT
S)、5-アミノサリチル酸(5−ASA)、3,3',5,5'-テ
トラメチルベンジジン(TMB)などが用いられている。
しかしながら、これらの物質は例えば、OPDのように
不安定で非酵素的発色が起こりやすいもの、5−ASA
の様に感度の低いもの、TMBの様に水への溶解性が極
めて低いものなど、現在広く用いられている色原体は、
必ずしも使い勝手の良い色原体とはいえない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、色原体としてトリフェニルメタン型のロ
イコ化合物を用いることによってOPDと比較して感度
の面で、より優れた性能を示すことを確認した。一般
に、トリフェニルメタン型のロイコ化合物は、酸化後の
分子吸光係数εは非常に高いが、水に対する溶解度が低
く、ここに示されているような水溶液中での反応に適用
するのは困難であった。しかしながら、トリフェニルメ
タン型のロイコ化合物の分子内に親水性基であるカルボ
キシル基を導入すると、水に可溶となり、しかも容易に
脱水素反応を受けることから、水系でのペルオキシダー
ゼ様物質、もしくは酸化性物質の測定を行うために使用
する事が可能となった。
【0005】また、p-フェニレンジアミン誘導体とフェ
ノール誘導体との脱水素カップリング反応により生成さ
れる色素は、従来用いられてきたOPD,ABTS,5
−ASAなどと比較し、分子吸光係数が高いことから、
これらの色原体よりも良い感度が得られるのではないか
と予測した。そこで、この系を用いて、検討を進めたと
ころ、この色原体を含む発色液が、従来用いられてきた
色原体を使った発色液と比較して、良好な感度を示す事
を発見した。そのため、この発明の色原体を用いること
により、良好な感度で、再現性の良い実験を行うことが
可能となった。
【0006】本発明の目的は、添加剤を加えることな
く、より容易に調製する事が可能で、しかも、感度に優
れたペルオキシダーゼ様物質、および酸化性物質の検出
及び測定のための組成物を提供すること、そして、この
組成物を用いることによる再現性の高い実験系を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
の構成により達成される。
【0008】1.色原体として、下記一般式(1)で表
されるトリフェニルメタン誘導体またはその塩を含有す
ることを特徴とするペルオキシダーゼ様物質の活性また
は酸化性物質の検出及び測定のための組成物。
【0009】
【化3】
【0010】式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6は、
それぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基を表
す。
【0011】2.色原体として、下記一般式(2)で表
される化合物又はその塩とフェノール誘導体を含有する
ことを特徴とするペルオキシダーゼ様物質の活性または
酸化性物質の検出及び測定のための組成物。
【0012】
【化4】
【0013】式中、R11は水素原子またはメチル基を表
し、R12,R13はそれぞれ独立してエチル基もしくは置
換基を有するエチル基を表す。
【0014】3.色原体として、前記一般式(1)また
は(2)で表される化合物又はその塩とフェノール誘導
体を含む組成物を用いることを特徴とする酸化性物質の
定量方法。
【0015】4.酸化性物質が過酸化水素であることを
特徴とする前記3記載の酸化性物質の定量方法。
【0016】5.ペルオキシダーゼ様物質の存在下、前
記一般式(1)で表される化合物を酸化させ、その呈色
を比色定量することを特徴とする前記4記載の定量方
法。
【0017】6.ペルオキシダーゼ様物質の存在下、前
記一般式(2)で表される化合物およびフェノール誘導
体を反応させ、生成した色素の呈色を比色定量すること
を特徴とする前記4記載の定量方法。
【0018】7.ペルオキシダーゼ様物質がペルオキシ
ダーゼであることを特徴とする前記5又は6記載のペル
オキシダーゼ様物質の定量方法。
【0019】8.ペルオキシダーゼが西洋わさびペルオ
キシダーゼであることを特徴とする前記7記載のペルオ
キシダーゼ様物質の定量方法。
【0020】9.色原体として、前記一般式(1)また
は、(2)で表される化合物又はその塩とフェノール誘
導体を含む組成物を用いることを特徴とする酵素免疫測
定方法。
【0021】本発明において述べている組成物とは、前
記一般式(1)又は(2)で示された化合物、またはそ
の塩とフェノール誘導体を色原体として含有するもので
あり、この条件が満たされていれば形態、構成成分の種
類及び数は、特に問わない。すなわち、それらは発色液
を構成する試薬の一部もしくは全部より成り、粉末状、
個体状、液状のいずれでも良い。
【0022】本発明において、色原体とは、それ自体が
反応する(構造変化を起こす)ことにより色素に変化す
るものを言う。又、組成物とは上述したように、色原体
を含むものであり、色原体そのものでも良いし、色原体
及び発色に必要な成分あるいは発色を補助するような成
分より成るものでも良い。
【0023】本発明において発色に必要な成分として
は、色原体、ペルオキシダーゼ様物質、酸化性物質およ
び緩衝物質の4成分が挙げられ、発色を補助する成分と
しては、例えば、色原体を安定化させるために非イオン
性界面活性剤(特開昭62-294099号)、キレート剤(特開平
63-199270号)、トリポリリン酸(特開平1-243998号)等が
知られている。
【0024】本発明でいうペルオキシダーゼを結合した
抗体もしくは抗原分子を用いた酵素免疫測定法とは、
「酵素免疫測定法」石川榮治らの編集、医学書院より19
82年に初版発行、の30〜49ページ及び、「エンザイムイ
ムノアッセイ」P.TIJSSEN著、石川榮治監訳、東京化学
同人より1989年に初版発行、の8〜19ページに記載され
ているような酵素免疫測定法であって、ペルオキシダー
ゼ標識抗体または抗原を用い、ペルオキシダーゼ活性量
を酸化性物質及び色原体で構成される発色液を用いて測
定する方法なら、どの様なものでも適合できる。
【0025】また、ここで言うペルオキシダーゼ様物質
は具体的には、西洋ワサビペルオキシダーゼ、サイトク
ロムcペルオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、ミ
エロペルオキシダーゼ、グルタチオンペルオキシダー
ゼ、また、鉄、金、銀などの金属及び金属化合物、ヘモ
グロビン等が挙げられる。
【0026】さらに、本発明で述べている酸化性物質と
は、ペルオキシダーゼの共存下で、前記一般式(1)又
は(2)で示される化合物とフェノール誘導体の脱水素
反応を誘発することが可能なものであれば、どのような
ものでも良い。具体的には、過酸化水素、アルキルヒド
ロキシペルオキシド、p-ニトロペルオキシ安息香酸、ク
メンヒドロキシペルオキシド、過酸化尿素等が挙げられ
るが、特に過酸化水素が好ましい。また、酸化性物質の
濃度は0.001ないし0.1%が好ましい。0.001%以下では
感度が悪くなるし、0.1%以上では酵素活性が阻害され
良好な判定を行うことが不可能となるため再現性の点で
好ましくない。より好ましくは、0.005ないし0.02%で
ある。以上の条件を満たすものであれば、従来、同様の
用途に用いられてきた試薬と比較して、感度の面で優れ
た結果が得られる。
【0027】発色液において、前記一般式(1)又は
(2)で示される化合物、またはその塩、或いはフェノ
ール化合物、すなわち、ここで述べられている色原体の
濃度は0.1ないし50mg/mlである。この範囲であれば発
色に関して、特に問題はない。好ましくは1ないし10mg
/mlである。
【0028】本発明の一般式(1)で表される化合物の
内、好ましくは、アミノ基がメタ位若しくはパラ位にあ
るものが挙げられるが、更に好ましくはパラ位にあるも
のが挙げられる。以下に、本発明の一般式(1)で表さ
れる化合物の好ましい具体例を挙げる。
【0029】
【化5】
【0030】次に本発明の一般式(2)で表される化合
物の好ましい具体例を挙げる。
【0031】
【化6】
【0032】本発明で好ましく用いられるフェノール誘
導体として好ましくは、2位又は4位が置換されたフェ
ノール誘導体であり、その例としては、4-メトキシフェ
ノール、4-エトキシフェノール、2-エトキシフェノー
ル、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、2-ヒドロキシベンズア
ミド、4-ヒドロキシフタル酸、3,4-ジヒドロキシ安息香
酸(プロトカテキユ酸)、サリゲニン、p-ヒドロキシフェ
ニルアセトアミド、p-アセチルフェノール、p-ヒドロキ
シアセトフェノン、p-アセトアミドフェノール、p-ヒド
ロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸エチルな
どが挙げられる。
【0033】また、本発明をペルオキシダーゼを結合し
た抗体もしくは抗原分子を用いた酵素免疫測定法に適合
する場合、EIA,ELISAなどにおいて通常行われ
ている方法に準じ、得られたペルオキシダーゼ活性を標
準物質を用いることにより得られたペルオキシダーゼ活
性の検量線との対比によって、検体中の測定対象物質の
濃度(または量、単位)を求めることが出来る。
【0034】また、本発明で言うペルオキシダーゼ様物
質は具体的には、西洋わさびペルオキシダーゼ、グルコ
ースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ウリ
カーゼ、カタラーゼ、アミノ酸オキシダーゼ、ピルビン
酸オキシダーゼ、また、ペルオキシダーゼ様活性を持つ
ヘモグロビン等が挙げられ、好ましくは西洋ワサビペル
オキシダーゼである。
【0035】本発明において、pH調節のために一種又
はそれ以上の緩衝物質を含むことができる。濃度は0.01
〜1.0M、好ましくは0.05〜0.5Mである。緩衝物質はGo
odの緩衝液として知られているMES,PIPES,M
OPS,HEPES,TES,Trisと塩酸、TricineとT
ricine Naもしくは、リン酸塩、ほう酸塩、クエン酸
塩、酢酸塩、炭酸塩等を用いることが出来る。pH範囲
は、ペルオキシダーゼ様活性を持つ物質がペルオキシダ
ーゼ活性を示す範囲であるpH2.5〜9.0であれば特に限
定はされないが、好ましくはpH4.5ないし8.0である。
【0036】以下に実施例を示し本発明の詳細な説明を
行うが、これにより限定されるものではない。
【0037】
【実施例】
実施例1 過酸化水素の定量 100mMクエン酸-りん酸緩衝液(pH6.5)に、過酸化水素濃
度が0〜0.02%になるように過酸化水素水を加えた。こ
の緩衝液にそれぞれ1mg/ml濃度になるように本発明の
一般式(1)で示される化合物、化7を加え、よく撹拌
し、溶解を確認した。調製した各々の発色液300μlに1m
U/mlの西洋ワサビペルオキシダーゼ溶液80μlを加え、
よく撹拌した後、室温で30分間放置。その後、0.1%ナ
トリウムアザイド溶液を加え反応を停止し、400nmでの
吸光度を測定した。
【0038】
【化7】
【0039】その結果、図1に示した結果が得られた。
この結果から、過酸化水素濃度で0.02%濃度までは、過
酸化水素量と得られた吸光度がほぼ直線を示しており、
この範囲で酸化性物質の定量が可能であることが示唆さ
れた。
【0040】実施例2 ペルオキシダーゼ活性の測定 化7を含む発色液とo-フェニレンジアミン (以下OPD
と略記)を含む発色液を用いペルオキシダーゼ活性の測
定を行った。
【0041】まず、それぞれ3mg/ml濃度の化7および
0.02%過酸化水素を含有する100mMクエン酸-りん酸緩衝
液(pH6.5)、もしくは3mg/ml濃度のOPD及び0.02%
過酸化水素を含有する100mMクエン酸-りん酸緩衝液(pH
5.0)を調製した。調製した各々の発色液300μlに0.1〜2
0.0mU/mlの濃度の西洋ワサビペルオキシダーゼ溶液80
μlを加え、よく撹拌した後、室温で30分間放置。その
後、化7を含む発色液には1mlの0.1%ナトリウムアザ
イド溶液を、OPDを含む溶液には1mlの1N H2SO4
加え、反応を停止した。さらに化7を含む発色液は400n
m、OPDを含む発色液は492nmでの吸光度を測定した。
その結果を図2に示した。
【0042】その結果、本発明の系である化7を含む発
色液は、OPDを含む発色液と比較して、感度の面で優
れており、再現性の良い結果が得られた。また、西洋ワ
サビペルオキシダーゼ濃度と吸光度の関係もほぼ直線に
なり、この範囲でのペルオキシダーゼ様物質の定量が可
能であることが示唆された。
【0043】実施例3 ガラクトシルトランスフェラーゼ量の測定 特開平3-259093号に記載されている抗癌関連ガラクトシ
ルトランスフェラーゼ(以下GATと略記)モノクローナ
ル抗体MAb8513を、1M塩化ナトリウム含有0.1M炭酸緩
衝液(pH9.15)中に10μg/mlに希釈し、この溶液中にポ
リスチレン製ビーズ(積水化学製)を4℃・24時間浸漬し
抗体の固定化を行うことにより、抗体固定化ビーズを得
た。
【0044】次に、ブロッキング溶液として牛血清アル
ブミン(以下BSAと略記)を1%含有する0.02Mリン酸
緩衝液(150mM NaCl含有pH7.3、以降PBSと称す)を調
製する。この溶液中に抗体固定化後のビーズを移し、37
℃、10時間浸漬・放置し、ビーズ表面の抗体非結合部位
の被覆(ブロッキング)を行った。これら一連の作業によ
り以下に用いる抗体固定化ビーズを得た。
【0045】検体としてGATを含有する癌患者プール
血清を用いた。この検体50μlに0.02Mリン酸緩衝液(p
H6.5,150mM NaCl及び0.01%Tween20含有)200μlを添
加し、ここに上記に記載の方法により調製した抗体固定
化ビーズを浸漬し、一次反応(45℃、2時間)を行った。
反応後PBSにて洗浄操作を行った。西洋ワサビペルオ
キシダーゼ(以下HRPと称す)にて標識したHRP標識
抗GAT抗体MAb8628(特開平3-259093号)を1%BSA
含有PBS溶液に適宜希釈し、これをビーズに固定化し
た抗体に対応するように250μl添加し、二次反応を行っ
た。この後、同様にPBSによる洗浄操作を行った。さ
らに、それぞれ3mg/ml濃度の化7及び0.02%過酸化水
素を含有する100mMクエン酸-クエン酸緩衝液(pH6.5)、
もしくは3mg/ml濃度のOPDおよび0.02%過酸化水素
を含有するクエン酸-りん酸緩衝液(pH5.0)をそれぞれ3
00μl加え、室温にて30分発色反応を行った。反応後、
化7を含む発色液には0.1%ナトリウムアザイド溶液
を、OPDを含む発色液には1N H2SO4をそれぞれ1ml
添加し反応を停止させ、化7を含む発色液は400nm、O
PDを含む発色液は492nmでの吸光度を測定した。結果
を図3に示す。
【0046】その結果、本発明の化7を含む発色液は、
OPDを含む発色液と比較して、感度の面でも優れてお
り、再現性の良い結果が得られた。また、GAT標準物
質を用いた検量線においても濃度と吸光度の関係は、ほ
ぼ直線になり、性能的にも従来用いられてきたOPDと
同等であることが示唆された。
【0047】実施例4 過酸化水素の定量 100mMクエン酸-りん酸緩衝液(pH6.5)に、過酸化水素濃
度が0〜0.02%になるように過酸化水素水を加えた。こ
れらの緩衝液にそれぞれ1mg/ml濃度になるように本発
明の化合物CD−2および4-メトキシフェノール (以下
4−MPと略記)を加え、よく撹拌し、溶解を確認し
た。調製した各々の発色液300μlに1mU/mlの西洋ワサ
ビペルオキシダーゼ溶液80μlを加え、よく撹拌した
後、室温で30分間放置。その後、0.1%ナトリウムアザ
イド溶液を加え反応を停止し、550nmでの吸光度を測定
した。
【0048】その結果、図4に示した結果が得られた。
この結果から、過酸化水素濃度で0.02%濃度までは、過
酸化水素量と得られた吸光度がほぼ直線を示しており、
この範囲で酸化性物質の定量が可能であることが示唆さ
れた。
【0049】実施例5 ペルオキシダーゼ活性の測定 本発明の化合物CD−3およびp-アセチルフェノール
(以下PAPと略記)を含む発色液とOPDを含む発色液
を用い、ペルオキシダーゼ活性の測定を行った。
【0050】CD−3およびPAPを含む発色液は、10
0mMクエン酸-リン酸緩衝液(pH6.5)に、OPDを含む発
色液は100mMクエン酸-リン酸緩衝液(pH5.0)に、過酸化
水素濃度が0.02%になるように過酸化水素水を加えた。
この緩衝液に、それぞれ3mg/ml濃度になるようにCD
−3およびPAPまたはOPDを加え、よく撹拌し、溶
解を確認した。調製した各々の発色液300μlに0.1〜20.
0mU/mlの濃度の西洋ワサビペルオキシダーゼ溶液80μl
を加え、よく撹拌した後、室温で30分間放置。その後、
CD−3及びPAPを含む発色液は 0.1%ナトリウムア
ザイド溶液を、OPDを含む発色液は1N H2SO4を加え
反応を停止し、CD−3およびPAPを含む発色液は55
0nm、OPDを含む発色液は492nmでの吸光度を測定し
た。その結果を図5に示した。
【0051】その結果、本発明の系であるCD−3およ
びPAPを含む発色液は、OPDを含む発色液と比較し
て、感度の面で優れており、再現性の良い結果が得られ
た。また、西洋ワサビペルオキシダーゼ濃度と吸光度の
関係においても、検量線は、ほぼ直線になり、この範囲
でのペルオキシダーゼ様物質の定量が可能であることが
示唆された。
【0052】実施例6 ガラクトシルトランスフェラーゼ量の測定 例示化合物4(以下CD−4と称す)および4-エトキシフ
ェノール (以下4−EPと略記)を含む発色液とOPD
を含む発色液を用い発色について検討を行った。
【0053】特開平3-259093号に記載されている抗癌関
連ガラクトシルトランスフェラーゼ(GAT)モノクロー
ナル抗体MAb8513を、1M塩化ナトリウム含有0.1M炭酸
緩衝液(pH9.15)中に10μg/mlに希釈し、この溶液中に
ポリスチレン製ビーズ(積水化学製)を4℃・24時間浸漬
し抗体の固定化を行うことにより、抗体固定化ビーズを
得た。
【0054】次に、ブロッキング溶液としてBSAを1
%含有する0.02Mリン酸緩衝液(150mM NaCl含有pH7.
3、以降PBSと称す)を調製する。この溶液中に抗体固
定化後のビーズを移し、37℃,10時間浸漬・放置し、ビ
ーズ表面の抗体非結合部位の被覆(ブロッキング)を行っ
た。これら一連の作業により以下に用いる抗体固定化ビ
ーズを得た。
【0055】検体としてGATを含有する癌患者プール
血清を用いた。この検体50μlに 0.02Mリン酸緩衝液(p
H6.5,150mM NaCl及び0.01% Tween20含有)200μlを添
加し、ここに上記に記載の方法により調製した抗体固定
化ビーズを浸漬し、一次反応( 45℃,2時間)を行っ
た。反応後PBSにて洗浄操作を行った。西洋ワサビペ
ルオキシダーゼ (以下HRPと称す)にて標識したHR
P標識抗GAT抗体MAb8628(特開平3-259093号)を1%
BSA含有PBS溶液に適宜希釈し、これをビーズに固
定化した抗体に対応するように250μl添加し、二次反応
を行った。この後、同様にPBSによる洗浄操作を行っ
た。さらに、3mg/ml濃度のCD−4及び4−EP及び
0.02%過酸化水素を含有する100mMクエン酸-りん酸緩衝
液(pH6.5)、もしくは3mg/ml濃度のOPD及び0.02%
過酸化水素を含有する100mMクエン酸-りん酸緩衝液(pH
5.0)をそれぞれ300μl加え、室温にて30分発色反応を行
った。反応後、CD−4と4−EPを含む発色液には0.
1%ナトリウムアザイド溶液を、OPDを含む発色液に
は1N H2SO4硫酸をそれぞれ1ml添加し反応を停止さ
せ、CD−4および4−EP含む発色液は550nm、OP
Dを含む発色液は492nmでの吸光度を測定した。結果を
図6に示す。
【0056】その結果、本発明の系であるCD−4およ
び4−EPを含む発色液は、OPDを含む発色液と比較
して、感度の面で優れており、しかも再現性の良い結果
が得られた。また、GAT標準物質を用いた検量線にお
いても濃度と吸光度の関係は、ほぼ直線になり、性能的
にも従来用いられてきたOPDと同等またはそれ以上で
あることが示唆された。
【0057】
【本発明の効果】本発明により、従来用いられてきた色
原体と比較して、感度が高い色原体が得られた。さら
に、本発明の組成物を用いることにより、感度が高く、
再現性の良い結果を得ることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物、化7を使用した時の過酸化水素濃度と
発色の関係を示す図である。
【図2】化合物、化7を含む発色液を西洋わさびペルオ
キシダーゼにより発色させた検量線を示す図である。
【図3】化合物、化7を含む発色液を用いてEIA法に
より、血清中のガラクトシルトランスフェラーゼ濃度の
検量線を求めた図である。
【図4】CD−2及び4-メトキシフェノールを使用した
時の過酸化水素濃度と発色の関係を示す図である。
【図5】CD−3及びp-アセチルフェノール並びにo-フ
ェニレンジアミンを含む発色液を西洋わさびペルオキシ
ダーゼにより発色させた検量線を示す図である。
【図6】CD−4及び4-エトキシフェノール並びにo-フ
ェニレンジアミンを含む発色液を用いてEIA法によ
り、血清中のガラクトシルトランスフェラーゼ濃度の検
量線を求めた図である。
【符号の説明】
1 調製直後のo-フェニレンジアミンを含む発色液 2 化合物、化7を含む発色液 3 CD−3及びp-アセチルフェノール含む発色液 4 CD−4及び4-エトキシフェノールを含む発色液

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色原体として、下記一般式(1)で表さ
    れるトリフェニルメタン誘導体またはその塩を含有する
    ことを特徴とするペルオキシダーゼ様物質の活性または
    酸化性物質の検出及び測定のための組成物。 【化1】 式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6は、それぞれ独立
    して水素原子、メチル基、エチル基を表す。
  2. 【請求項2】 色原体として、下記一般式(2)で表さ
    れる化合物又はその塩とフェノール誘導体を含有するこ
    とを特徴とするペルオキシダーゼ様物質の活性または酸
    化性物質の検出及び測定のための組成物。 【化2】 式中、R11は水素原子またはメチル基を表し、R12,R
    13はそれぞれ独立してエチル基もしくは置換基を有する
    エチル基を表す。
  3. 【請求項3】 色原体として、前記一般式(1)または
    (2)で表される化合物又はその塩とフェノール誘導体
    を含む組成物を用いることを特徴とする酸化性物質の定
    量方法。
  4. 【請求項4】 酸化性物質が過酸化水素であることを特
    徴とする請求項3記載の酸化性物質の定量方法。
  5. 【請求項5】 ペルオキシダーゼ様物質の存在下、前記
    一般式(1)で表される化合物を酸化させ、その呈色を
    比色定量することを特徴とするペルオキシダーゼ様物質
    の定量方法。
  6. 【請求項6】 ペルオキシダーゼ様物質の存在下、前記
    一般式(2)で表される化合物およびフェノール誘導体
    を反応させ、生成した色素の呈色を比色定量することを
    特徴とする請求項4記載の定量方法。
  7. 【請求項7】 ペルオキシダーゼ様物質がペルオキシダ
    ーゼであることを特徴とする請求項5又は6記載のペル
    オキシダーゼ様物質の定量方法。
  8. 【請求項8】 ペルオキシダーゼが西洋わさびペルオキ
    シダーゼであることを特徴とする請求項7記載のペルオ
    キシダーゼ様物質の定量方法。
  9. 【請求項9】 色原体として、前記一般式(1)また
    は、(2)で表される化合物又はその塩とフェノール誘
    導体を含む組成物を用いることを特徴とする酵素免疫測
    定方法。
JP13599094A 1994-06-17 1994-06-17 ペルオキシダーゼ様物質の活性または酸化性物質の検出及び測定のための組成物並びに測定方法 Pending JPH08288A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005110507A (ja) * 2003-10-02 2005-04-28 Arkray Inc 試薬の安定化方法

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JP2005110507A (ja) * 2003-10-02 2005-04-28 Arkray Inc 試薬の安定化方法

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