JPH09149794A - 抱合ビリルビン測定試薬 - Google Patents
抱合ビリルビン測定試薬Info
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- JPH09149794A JPH09149794A JP31042395A JP31042395A JPH09149794A JP H09149794 A JPH09149794 A JP H09149794A JP 31042395 A JP31042395 A JP 31042395A JP 31042395 A JP31042395 A JP 31042395A JP H09149794 A JPH09149794 A JP H09149794A
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Abstract
ビリルビンと正確に分別して測定することができる抱合
ビリルビン測定用試薬を提供する。 【解決手段】 ビリルビンオキシダーゼを反応させてビ
リルビンの変化を光学的に測定するための試薬であっ
て、マンネンタケ科の菌株が産生するビリルビンオキシ
ダーゼを含有することを特徴とする抱合ビリルビン測定
用試薬。
Description
診断の指標として重要な生体液試料中の抱合ビリルビン
を測定するための試薬に関するものである。
黄色色素であって、ヘムの生理的代謝産物であり、胆汁
色素の主成分をなすものであることが知られている。血
清等の生体液中においてビリルビンは主に三種類の形態
で存在する。すなわち、抱合ビリルビン、非抱合ビリル
ビンおよびデルタビリルビンの三種類であり、これらの
合計が総ビリルビンと称される。抱合ビリルビンは、ビ
リルビンが肝臓中でグルクロン酸抱合を受けて生成した
もので、グルクロン酸1分子が結合したモノグルクロナ
イドビリルビンまたは2分子結合したジグルクロナイド
ビリルビンが存在する。非抱合ビリルビンは上記の抱合
作用を受けていないビリルビンである。抱合および非抱
合ビリルビンは血清中ではアルブミンと比較的緩く結合
した状態で存在する。また、デルタビリルビンは血清ア
ルブミンと不可逆的に共有結合した状態で存在する。上
記の各形態のビリルビンの分別定量は肝・胆道疾患の診
断の指標として重要である。特に、グルクロン酸抱合ビ
リルビンの測定は、胆汁分泌停止障害の良い指標とな
る。
ジアゾ試薬を用いる方法、高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)を利用する方法、バナジン酸イオンまたは三価
のマンガンイオン等の酸化剤を利用する方法、ビリルビ
ンオキシダーゼ(BOD)等の酸化酵素を利用する方法等
が知られている。生体液中のビリルビンは、ジアゾ法に
より反応促進剤の添加を必要としない直接ビリルビン
と、それを必要とする間接ビリルビンに大別されてい
る。直接および間接の呼称は、ジアゾ反応に対するビリ
ルビンの反応性の違いによる命名であり、それぞれが血
中に存在する抱合および非抱合ビリルビンに対応するも
のではなく、直接ビリルビンとして測定されるビリルビ
ンには、抱合ビリルビンおよびデルタビリルビンの約8
割程度とが含まれている〔クリニカル・ケミストリー
(Clinical Chemistry)第28巻、第629頁(1982
年)〕。さらに、ジアゾ法では、非抱合ビリルビンの一
部も直接ビリルビンとして測り込まれている〔クリニカ
ル・ケミストリー(Clinical Chemistry)第31巻、第15
60頁(1985年)〕。ジアゾ反応を利用する代表的な試薬
としては、マロイおよびエヴェリン(Malloy & Evely
n)による試薬〔ジャーナル・オブ・バイオロジカル・
ケミストリー(Journalof Biological Chemistry)、第
119巻、第481頁(1937年)〕等がある。
定量する方法には、逆相HPLCカラムを使用して各種ビリ
ルビンをリン酸緩衝液およびイソプロパノールのグラジ
ェントによって溶出、分析するラウフ(Lauff)らの方
法〔ジャーナル・オブ・クロマトグラフィー(Journal
of Chromatography)、第226巻、第391頁(1981年)〕
等がある。
せることによってビリルビンを酸化し、ビリルビン自体
のもつ450nm付近の黄色を消失させ、反応前後の吸光度
変化量によりビリルビンを測定するものである。この場
合、反応条件を種々変えることにより、直接ビリルビン
を酸化させることができる。この方法において使用され
る試薬としては、例えばバナジン酸イオンを用いる試薬
〔臨床化学、第22巻、第116頁(1993年)〕があり、間
接ビリルビンの反応抑制剤、緩衝液等の選定によって直
接ビリルビンに酸化剤が働く条件を設定した直接ビリル
ビン測定用試薬が提案されている。このような直接ビリ
ルビン測定用試薬としては、例えば酸化剤としてバナジ
ン酸イオンまたは三価のマンガンイオンを用い、間接ビ
リルビンの反応抑制剤としてヒドラジン類、ヒドロキシ
ルアミン類、オキシム類、脂肪族多価アミン類、フェノ
ール類、水溶性高分子およびHLB値が15以上の非イオン
性界面活性剤からなる群より選ばれた1種以上の化合物
を使用して、直接ビリルビンを定量する試薬(特開平5-
18978号公報)がある。
用させることによってビリルビンを酸化し、ビリルビン
自体のもつ450nm付近の黄色を消失させ、反応前後の吸
光度変化量よりビリルビンを測定するものである。この
場合も、反応条件を種々変えることにより直接ビリルビ
ンを酸化させることができると報告されている。この方
法において使用される試薬としては、例えばBODを用い
る試薬〔クリニカル・ケミストリー(Clinical Chemist
ry)、第20巻、第783頁(1974年)〕、ラッカーゼ、チ
ロシナーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ等の酸化酵素
を用いる試薬(特公昭62-33880号公報)があり、pH、緩
衝液、界面活性剤の選定、酵素の特異性を向上させる化
合物の添加によって、直接ビリルビンにBODが働く条件
を設定した直接ビリルビン測定試薬が提案されている。
このような直接ビリルビン測定試薬としては、例えばpH
3.5〜4.5の緩衝液中でBODを作用させて直接ビリルビン
を定量する試薬(特公昭61-44000号公報)、pH2.0〜3.3
のフェロシアン化カリウムおよび/またはフェリシアン
化カリウムを含有する緩衝液中でBODを作用させて直接
ビリルビンを定量する試薬(特開平1-5499号公報)、チ
オール化合物および/またはフッ化物を共存させ、間接
ビリルビンへの反応を抑制した直接ビリルビン測定試薬
(特開平5-276992)等がある。また、ジアゾ法、バナジ
ン酸等を用いた化学酸化法およびBOD等を利用した酵素
法においてテトラピロール化合物を共存させて間接ビリ
ルビンとの反応を抑制した直接型ビリルビン測定試薬
(特開平7-231795)もある。さらに、pH、緩衝液の選定
によって抱合ビリルビンのみにBODが働く条件を設定し
た抱合ビリルビン測定用試薬も提案されている。このよ
うな抱合ビリルビン測定用試薬としては、例えば陰イオ
ン性界面活性剤を含有するpH9〜11の範囲の緩衝液中でB
ODを作用させて抱合ビリルビンを定量する試薬(特公平
5-68240号公報)、陰イオン性界面活性剤を含有するpH5
〜6の酸性緩衝液中でBODを作用させて抱合ビリルビンを
定量する試薬(特公平5-9066号公報)がある。
・胆道疾患等で、肝細胞から血中に逆流した抱合ビリル
ビンの一部が血中でアルブミンと共有結合して生成され
る。デルタビリルビンの半減期はアルブミンに依存し
て、抱合ビリルビンと比較して極端に長く、肝・胆道機
能が正常化して抱合ビリルビンが正常値まで低下した患
者においてもデルタビリルビンは低下しない。このよう
な患者においては、デルタビリルビンの大部分および非
抱合ビリルビンの一部を測定する従来の直接ビリルビン
測定試薬では異常と診断されるが、抱合ビリルビンとデ
ルタビリルビンを精密に分別する抱合ビリルビン測定試
薬では肝機能の回復を反映して正常と診断することがで
きる。したがって、抱合ビリルビンをデルタビリルビン
との精密な定量は、臨床検査の現場において非常に有用
である。
は三価のマンガンイオン等の酸化剤、およびBOD等の酸
化酵素を利用した直接ビリルビン測定用試薬では、抱合
ビリルビン、非抱合ビリルビンおよびデルタビリルビン
を完全に分別定量することは不可能であり、高速液体ク
ロマトグラフィーによる測定に頼らなければならない。
しかしながら、高速液体クロマトグラフィーによるビリ
ルビン測定では、抱合、非抱合およびデルタビリルビン
を十分な分別性を持って定量可能ではあるものの、高価
で特殊な装置を使用すること、分析時間が長いこと、一
度に多数検体を処理できない等の問題点があり、臨床検
査の現場等、日常検査には使用困難な方法である。
用した抱合ビリルビン測定試薬は公知のジアゾ法と非常
に高い相関を示しており、抱合ビリルビンおよび一部の
デルタビリルビンを含む直接ビリルビンを測定している
ことは明確である。また、特公平5-68240号公報の方法
はBODの至適pH範囲を大きく外れたpHで測定する必要が
あるため、抱合ビリルビンに対する反応性が低いという
問題がある。
されたものであって、従来の抱合ビリルビン測定試薬に
おけるこれらの問題点を解消し、BODを利用して抱合ビ
リルビン、非抱合ビリルビンおよびデルタビリルビンを
完全に分別定量することのできる抱合ビリルビン測定試
薬を提供することを目的としている。
記の課題を解決するための検討を進めた結果、マンネン
タケ科の菌株由来のBODを利用することにより、ビリル
ビン含有試料中の非抱合ビリルビンおよびデルタビリル
ビンに反応することなく、しかもBODの至適pH範囲内で
抱合ビリルビンを精度良く測定できることを見い出し、
この発明を完成するに至った。
と緩衝液とを必須として含有し、そのBODを反応させて
生体液試料中の抱合ビリルビンを測定するための試薬で
あって、BODがマンネンタケ科の菌株が生産するBODであ
ることを特徴とする抱合ビリルビン測定試薬を提供す
る。また、この発明の抱合ビリルビン測定試薬において
は、上記マンネンタケ科の菌株がエビタケ属に属する菌
株であること、試薬組成が、ビリルビンオキシダーゼと
緩衝液に加え、芳香族カルボン酸、界面活性剤、アミノ
酸、フッ化物、タンパク質、還元剤の1種または2種以
上を含有すること、緩衝液が、pH4.5〜6.0であり、陰イ
オン性界面活性剤を含有しないこと等を好ましい態様と
してもいる。
ついて説明する。
薬は、緩衝液等からなる第1試薬と、マンネンタケ科の
菌株の生産するBODを含む第2試薬とからなり、使用時
にこれらの第1試薬と第2試薬とを混合して使用なる形
態のものでもよく、あるいはまた、すべての組成を予め
混合した試薬からなる形態のものであってもよい。
ンネンタケ科に属する菌株から得られるBOD、望ましく
はエビタケ属に属する菌株から得られるBODであり、そ
の必要量は0.001〜200単位/mL、望ましくは0.005〜20単
位/mLである。なお、BODの活性は、0.02mMビリルビン、
0.04mM人血清アルブミン、25mM p-トルエンスルホン酸
を含有する100mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.0)0.54m
Lを37℃で3分間予備加温した後に100mM リン酸カリウ
ム緩衝液(pH7.0)で希釈したBOD溶液0.06mLを添加し
て、更に37℃で保温した際に460nmにおける吸光度(光
路長1cm)を1分間あたり1減少させる能力を1単位と
するものである。
用する酵素の安定性、活性の面で有利となるpH4.5〜6.0
までの間に緩衝能をもつものであればよく、例えば、フ
タル酸−水酸化ナトリウム緩衝液、リンゴ酸−水酸化ナ
トリウム緩衝液、クエン酸−クエン酸ナトリウム緩衝
液、MES−水酸化ナトリウム緩衝液等が挙げられる。緩
衝液の濃度は20〜500mM、好ましくは30〜300mMである。
酸、安息香酸等の芳香族カルボン酸、ポリエチレングリ
コールモノ−p−イソオクチルフェニルエーテル等の陰
イオン性でない界面活性剤、アラニン、セリン等のアミ
ノ酸、マンニトール等の糖類、ポリエチレングリコール
等のポリオール類、NaCl等の塩類、アルブミン等のタン
パク質、NaF等のフッ化物、ジチオスレイトール、N−
アセチルシステイン等のSH化合物等の還元剤、ビリル
ビン等のテトラピロール化合物等を適宜に添加すること
ができる。界面活性剤として陰イオン性界面活性剤を用
いると、抱合ビリルビンだけでなく、非抱合ビリルビン
の一部も測定されることがあり、性格な値が測定できな
いことがある。また、その他の試薬類、例えば防腐剤等
は、公知の化学的酸化法やBOD法等において使用される
例えばパラベン等の防腐剤から必要に応じて適宜選択し
て用いることができ、それらの使用濃度や測定試薬のpH
等も公知の方法において採用されている測定試薬のそれ
に準じて適宜設定することができる。
宜選択して常法により混合することにより、抱合ビリル
ビン測定用試薬を得ることができる。好ましい具体例と
しては、例えば第1試薬はpH4.5〜6.0に調整されたフタ
ル酸緩衝液10〜200mM、ポリエチレングリコールモノ-p-
イソオクチルフェニルエーテル0.005〜0.5%、アラニン5
〜100mM、p-トルエンスルホン酸1〜100mM、ヒト血清ア
ルブミン0.001〜1%、フッ化ナトリウム0.05〜200mM、N-
アセチルシステイン0.02〜10mMおよびビリルビン0.1〜1
0mg/mLを含み、第2試薬はトラキデルマ属の菌株由来の
BOD0.001〜100単位/mL、およびpH4.5〜6.0に調整された
フタル酸緩衝液10〜200mMを含むことができる。
明の試薬を用いて抱合ビリルビンを測定するための方法
は、具体的には以下の通りである。まず、緩衝液を第1
試薬とし、これに各種ビリルビンを含む検体(血清、血
漿、尿等の生体液等)を適量加え溶液とし、分光光度計
のセル室内にて予備加温後、この溶液の特定波長(460
nm付近)における吸光度を測定する(吸光度1)。これ
にBODを含む第2試薬を添加し、1〜10分間反応させて
抱合ビリルビンのみを酸化させた後、460nm付近におけ
る吸光度を再度測定する(吸光度2)。得られた吸光度
1および吸光度2の値に液量補正値等を乗ずる等した
後、上記の特定波長における吸光度変化量(A)を求め
る。次に、既知濃度のジタウロビリルビンを含む標準物
質を同様に測定し、吸光度変化量(B)を求める。この
吸光度変化量(B)から作成した検量線に上記の吸光度
変化量(A)を当てはめることによって試料中の抱合ビ
リルビン量を測定することができる。また、吸光度変化
量(A)および(B)から、次式により検体中の抱合ビ
リルビン含量を求めることができる。
A/B×標準物質中のジタウロビリルビン濃度(mg/d
l) なお、検体量としては0.005〜0.1mLが好ましい。特定波
長は460nmに限定されるものではなく、400〜480nmの任
意の波長を選ぶことができる。また第1、第2試薬、検
体の液量は適宜変化させることができる。
温度は20〜45℃、好ましくは30〜40℃であり、反応時間
は1〜30分、好ましくは3〜15分である。
明の抱合ビリルビン測定試薬についてさらに具体的に説
明するが、この発明は以下の例によってなんら限定され
るものではない。実施例1 以下の組成の試薬1および試薬2からなる抱合ビリルビ
ン測定試薬を調製した。
リエチレングリコールモノ-p-イソオクチルフェニルエ
ーテル0.05%、アラニン50mM、p-トルエンスルホン酸50m
M、ヒト血清アルブミン0.005%、フッ化ナトリウム2.5m
M、およびN-アセチルシステイン2.5mM 試薬2:エビタケ属の菌株由来のBOD4単位/mL(宝酒造
より購入)、およびpH5.5のフタル酸緩衝液120mM。
ビリルビンを分画定量した。0.8mLの試薬1と30μLのヒ
ト血清とを混合し37℃で5分間インキュベートした。こ
の溶液0.2mLをHPLCに供してBOD作用前の各種ビリルビン
を分画定量した。残りの溶液から0.42mL分取し0.1mLの
試薬2を添加して37℃で5分間インキュベートした。こ
の反応液0.2mLをHPLCに供してBOD作用後の各種ビリルビ
ンを分画定量した。BODを含む試薬2添加前後(BOD作用
前後)の各種ビリルビンピークのピーク面積を液量の変
化を補正した。結果は表1に示したとおりである。な
お、ビリルビンのHPLCによる分画は、ラウフらの方法
〔ジャーナル・オブ・クロマトグラフィー、第226巻、
第391頁(1981年)〕に基づいて実施したが、HPLCに供
するサンプルは除蛋白せずに直接カラムに供した。
なるヒト血清を検体として実施例1と同様の方法で各種
ビリルビンを分画定量した。結果は表2に示したとおり
である。
発明の測定試薬は非抱合ビリルビンに殆ど反応ぜず抱合
ビリルビンに特異的に反応することが確かめられた。比較例1 実施例1の試薬2の代わりに、不完全糸状菌の菌株由来
のBOD4単位/mL(天野製薬より購入)およびpH5.5のフタ
ル酸緩衝液120mMからなる試薬3を調製し、実施例1の
試薬1とこの試薬3を用いて、実施例1と同じヒト血清
を検体として各種ビリルビンの変化をHPLCで観察した。
結果は表1に示したとおりである。
ト血清を検体として各種ビリルビンの変化をHPLCで観察
した。結果は表4に示したとおりである。
として不完全菌類の菌株の産生する酵素を用いる試薬
は、抱合ビリルビンのみならず非抱合ビリルビンおよび
δビリルビンにも反応することが明白である。実施例3 実施例1の試薬1および試薬2を用いて、抱合ビリルビ
ンを主成分とするハイレベルチェック・BIL(国際試薬
社製)溶液を4%牛血清アルブミン溶液を用いて段階的
に希釈した溶液の抱合ビリルビンを測定した。標準液
は、ジタウロビリルビン(ポーフィリンプロダクツ社
製)を用いて調製した。測定は日立7070型自動分析装置
を用いて、0.28mLの試薬1と0.014mLの試料を混合し約
5分間インキュベートした後に0.07mLの試薬2を添加し
て約5分間反応させた。測定温度は37℃、測定波長は主
波長450nm(副波長546nm)である。図1に測定値と試料
の希釈率との関係を示した。
定試薬は、抱合ビリルビンの日常的測定に十分な測定範
囲を有すことが確認された。実施例4〜7および比較例3〜5 試薬1と同じ組成で、pHのみを4.0、4.5、5.0、6.0また
は6.5とした試薬4、5、6、7および8を調製した。
さらに、試薬2と同じ組成で、pHのみを4.0、4.5、5.
0、6.0または6.5とした試薬9、10、11、12およ
び13を調製した。
試薬1、2を用いて、実施例3と同様の方法でヒト血清
中の抱合ビリルビンを測定した。各試薬の組合せは以下
のとおりである。 実施例4:試薬5(pH 4,5)+試薬10(pH 4,5) 実施例5:試薬6(pH 5,0)+試薬11(pH 5,0) 実施例6:試薬1(pH 5,5)+試薬2 (pH 5,5) 実施例7:試薬7(pH 6,0)+試薬12(pH 6,0) 比較例3:試薬4(pH 4,0)+試薬9 (pH 4,0) 比較例4:試薬8(pH 6,5)+試薬13(pH 6,5) さらに、比較例5として同じヒト血清中の抱合ビリルビ
ン量をHPLCによって定量した。
値との関係を示したとおりである。この結果から、pHが
4.5〜6.0の範囲にある測定試薬(実施例4〜7)の場合
には、そのビリルビン測定値が比較例5のHPLC法による
抱合ビリルビンの測定値とよく一致し、正確に測定でき
ていることが確認された。一方、pHが4.0または6.5の測
定試薬(比較例3および4)では、測定値が比較例5と
かけ離れており、正確な測定ができていないことは明ら
かである。
ソオクチルフェニルエーテルの代わりに陰イオン性界面
活性剤であるラウリル硫酸ナトリウムを0.1%添加した
試薬14を調製し、試薬2と組み合わせて、実施例6と
同じヒト血清の抱合ビリルビンを測定した。その結果、
0.14mg/dlの測定値を得た。この結果から、陰イオン性
界面活性剤は、この発明の試薬成分としては好ましくな
いことが判明した。
よれば、閉塞性黄疸等の患者の生体液中において顕著に
増大することが知られている抱合ビリルビンのみを正確
に分別し測定することができ、臨床検査その他において
有用性の高い抱合ビリルビン測定試薬が提供される。
ック・BILの段階的希釈溶液における各々の抱合ビリル
ビン測定値を示した相関図である。
・胆道疾患等で、肝細胞から血中に逆流した抱合ビリル
ビンの一部が血中でアルブミンと共有結合して生成され
る。デルタビリルビンの半減期はアルブミンに依存し
て、抱合ビリルビンと比較して極端に長く、肝・胆道機
能が正常化して抱合ビリルビンが正常値まで低下した患
者においてもデルタビリルビンは低下しない。このよう
な患者においては、デルタビリルビンの大部分および非
抱合ビリルビンの一部を測定する従来の直接ビリルビン
測定試薬では異常と診断されるが、抱合ビリルビンとデ
ルタビリルビンを精密に分別する抱合ビリルビン測定試
薬では肝機能の回復を反映して正常と診断することがで
きる。したがって、抱合ビリルビンをデルタビリルビン
と分別して精密に定量することは、臨床検査の現場にお
いて非常に有用である。
薬は、緩衝液等からなる第1試薬と、マンネンタケ科の
菌株の生産するBODを含む第2試薬とからなり、使用時
にこれらの第1試薬と第2試薬とを混合して使用する形
態のものでもよく、あるいはまた、すべての組成を予め
混合した試薬からなる形態のものであってもよい。
ンネンタケ科に属する菌株から得られるBOD、望ましく
はエビタケ属に属する菌株から得られるBODであり、そ
の必量は0.001〜200単位/mL、望ましくは0.005〜20単位
/mLである。なお、BODの活性は、0.02mMビリルビン、0.
04mM人血清アルブミン、25mM p-ルエンスルホン酸を含
有する100mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.0)0.54mLを3
7℃で3分間予備加温した後に100mM リン酸カリウム緩
衝液(pH7.0)で希釈したOD溶液0.06mLを添加して、更
に37℃で保温した際に460nmにおける吸光度(光路長1c
m)を1分間あたり1減少させる能力を0.1単位とす
るものである。
酸、安息香酸等の芳香族カルボン酸、ポリエチレングリ
コールモノ−p−イソオクチルフェニルエーテル等の陰
イオン性でない界面活性剤、アラニン、セリン等のアミ
ノ酸、マンニトール等の糖類、ポリエチレングリコール
等のポリオール類、NaCl等の塩類、アルブミン等のタン
パク質、NaF等のフッ化物、ジチオスレイトール、N−
アセチルシステイン等のSH化合物等の還元剤、ビリル
ビン等のテトラピロール化合物等を適宜に添加すること
ができる。界面活性剤として陰イオン性界面活性剤を用
いると、抱合ビリルビンだけでなく、非抱合ビリルビン
の一部も測定されることがあり、正確な値が測定できな
いことがある。また、その他の試薬類、例えば防腐剤等
は、公知の化学的酸化法やBOD法等において使用される
例えばパラベン等の防腐剤から必要に応じて適宜選択し
て用いることができ、それらの使用濃度や測定試薬のpH
等も公知の方法において採用されている測定試薬のそれ
に準じて適宜設定することができる。
宜選択して常法により混合することにより、抱合ビリル
ビン測定用試薬を得ることができる。好ましい具体例と
しては、例えば第1試薬はpH4.5〜6.0に調整されたフタ
ル酸緩衝液10〜200mM、ポエチレングリコールモノ-p-イ
ソオクチルフェニルエーテル0.005〜0.5%、アラン5〜10
0mM、p-トルエンスルホン酸1〜100mM、ヒト血清アルブ
ミン0.001〜フッ化ナトリウム0.05〜200mM、N-アセチル
システイン0.02〜10mMおよびビリルビン0.1〜10μg/mL
を含み、第2試薬はトラキデルマ属の菌株由来のBOD0.0
01〜0単位/mL、およびpH4.5〜6.0に調整されたフタル酸
緩衝液10〜200mMを含むができる。
ビリルビンを分画定量した。0.8mLの試薬1と0.03mLの
ヒト血清とを混合し37℃で5分間インキュベートした。
この溶液0.2mLをHPLCに供してBOD作用前の各種ビリルビ
ンを分画定量した。残りの液から0.42mL分取し0.1mLの
試薬2を添加して37℃で5分間インキュベートした。こ
の反応液0.2mLをHPLCに供してBOD作用後の各種ビリルビ
ンを分画定量したBODを含む試薬2添加前後(BOD作用前
後)の各種ビリルビンピークのピーク面を液量の変化を
考慮して補正した。結果は表1に示したとおりである。
なお、ビリルビンのHPLCによる分画は、ラウフらの方法
〔ジャーナル・オブ・クロマトグラフィー、第226巻、
第391頁(1981年)〕に基づいて実施したが、HPLCに供
するサンプは除蛋白せずに直接カラムに供した。
発明の測定試薬は非抱合ビリルビンに殆ど反応せず抱合
ビリルビンに特異的に反応することが確かめられた。比較例1 実施例1の試薬2の代わりに、不完全糸状菌の菌株由来
のBOD4単位/mL(天野製薬より購入)およびpH5.5のフタ
ル酸緩衝液120mMからなる試薬3を調製し、施例1の試
薬1とこの試薬3を用いて、実施例1と同じヒト血清を
検体として各種ビリルビンの変化をHPLCで観察した。結
果は表3に示したとおりである。
として不完全菌類の菌株の産生する酵素を用いる試薬
は、抱合ビリルビンのみならず非抱合ビリルビンおよび
δビリルビンにも反応することが明白である。実施例3 実施例1の試薬1および試薬2を用いて、抱合ビリルビ
ンを主成分とするハイレベルチェック・BIL(国際試薬
社製)溶液を4%牛血清アルブミン溶液を用いて段階的
に希釈した溶液の抱合ビリルビンを測定した。標準液
は、ジタウロビリルビン(ポーフィリンプロダクツ社
製)を用いて調製した。測定は日立7070形自動分析装置
を用いて、0.28mLの試薬1と0.014mLの試料を混合し約
5分間インキュベートした後に0.07mLの試薬2を添加し
て約5分間反応させた。測定温度は37℃、測定波長は主
波長450nm(副波長546nm)である。図1に測定値と試料
の希率との関係を示した。
試薬1、2を用いて、実施例3と同様の方法でヒト血清
中の抱合ビリルビンを測定した。各試薬の組合せは以下
のとおりである。 実施例4:試薬5(pH 4.5)+試薬10(pH 4.5) 実施例5:試薬6(pH 5.0)+試薬11(pH 5.0) 実施例6:試薬1(pH 5.5)+試薬2 (pH 5.5) 実施例7:試薬7(pH 6.0)+試薬12(pH 6.0) 比較例3:試薬4(pH 4.0)+試薬9 (pH 4.0) 比較例4:試薬8(pH 6.5)+試薬13(pH 6.5) さらに、比較例5として同じヒト血清中の抱合ビリルビ
ン量をHPLCによって定量した。
Claims (4)
- 【請求項1】 試薬組成中にビリルビンオキシダーゼと
緩衝液とを必須として含有し、そのビリルビンオキシダ
ーゼを反応させて生体液試料中の抱合ビリルビンを測定
するための試薬であって、ビリルビンオキシダーゼがマ
ンネンタケ科の菌株が生産するビリルビンオキシダーゼ
であることを特徴とする抱合ビリルビン測定試薬。 - 【請求項2】 マンネンタケ科の菌株がエビタケ属に属
する菌株である請求項1の抱合ビリルビン測定試薬。 - 【請求項3】 試薬組成が、ビリルビンオキシダーゼと
緩衝液に加え、芳香族カルボン酸、界面活性剤、アミノ
酸、フッ化物、タンパク質、還元剤の1種または2種以
上を含有する請求項1または2の抱合ビリルビン測定試
薬。 - 【請求項4】 緩衝液が、pH4.5〜6.0であり、陰イオン
性界面活性剤を含有しない請求項1ないし3の抱合ビリ
ルビン測定試薬。
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---|---|---|---|
JP31042395A JP3727392B2 (ja) | 1995-11-29 | 1995-11-29 | 抱合ビリルビン測定試薬 |
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JP31042395A JP3727392B2 (ja) | 1995-11-29 | 1995-11-29 | 抱合ビリルビン測定試薬 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09149794A true JPH09149794A (ja) | 1997-06-10 |
JP3727392B2 JP3727392B2 (ja) | 2005-12-14 |
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JP (1) | JP3727392B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017173011A (ja) * | 2016-03-22 | 2017-09-28 | ニプロ株式会社 | 抱合型ビリルビン測定用試薬 |
CN111424070A (zh) * | 2020-03-03 | 2020-07-17 | 天津大学 | 含有枯草芽孢杆菌漆酶的总胆红素检测试剂盒 |
CN111455018A (zh) * | 2020-03-03 | 2020-07-28 | 天津大学 | 含有枯草芽孢杆菌漆酶的直接胆红素检测试剂盒 |
-
1995
- 1995-11-29 JP JP31042395A patent/JP3727392B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN111424070A (zh) * | 2020-03-03 | 2020-07-17 | 天津大学 | 含有枯草芽孢杆菌漆酶的总胆红素检测试剂盒 |
CN111455018A (zh) * | 2020-03-03 | 2020-07-28 | 天津大学 | 含有枯草芽孢杆菌漆酶的直接胆红素检测试剂盒 |
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