JP2573009B2 - 基質試薬液の安定化方法 - Google Patents

基質試薬液の安定化方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は酵素又はその擬似酵素の酸化反応を利用した
生体成分の測定に有用な基質試薬液の安定化方法に関す
る。
〔従来の技術及びその問題点〕
臨床検査、診断分野においては、各種生体内物質の定
性、定量を行うに当り、酵素反応を利用する測定法が広
く用いられている。
例えば抗原抗体反応を利用する酵素免疫測定法におい
ては、標識体として酵素を用いる事により、その活性量
又は活性量の変化を指標として試料中の解析物質の測定
が行われる。標識として用いられる酵素としては経済
性、感度の面から過酸化酵素(ペルオキシダーゼ)が最
も広く使用されている。また、ある種の生体成分、例え
ばコレステロール、グルコース、モノアミン等の測定は
対応する酸化酵素であるコレステロールオキシダーゼ、
グルコースオキシダーゼ、モノアミンオキシダーゼ等を
作用させる事により生成する過酸化水素量を過酸化酵素
を用いて定量する事により行われる。
過酸化酵素の活性測定、過酸化水素の定量には、過酸
化酵素、過酸化水素等の過酸化物質及び基質からなる検
出系に於てその酵素反応が利用される。酵素反応は一般
に基質を溶解した水系溶液(基質試薬液)中で行われ、
過酸化酵素や過酸化物質の量に応じ基質が酸化されその
結果生じた可溶性物質を検知解析することによって測定
が行なわれる。
使用される基質は過酸化酵素による酸化作用により検
知可能な可溶性物質を与える化合物であり、通常、呈色
色素を生成する芳香族アミン化合物やフェノール系化合
物などが知られている。芳香族アミン化合物、例えばo
−フェニレンジアミンは高い感度を得る事ができ、最も
広く用いられる。
しかしながらo−フェニレンジアミンを含め、一般に
基質は安定性が十分でない場合が多く、特に溶液中で
は、光、酵素等により非酵素的に酸化を受け、検出系に
おいて高いバックグランド濃度を生じたり、経時的に検
出値が大きい方へ振れるなど、この不安定性が実際の測
定における測定誤差の要因となっていた。それ故、暗所
における取扱いや基質試薬液調整後から使用までの時間
制限等が課され、管理上不便が多く基質試薬液の安定化
方法が強く要望されていた。
〔発明の目的〕
前記の情況に照し、本発明の目的は非酵素的酸化が抑
えられた安定な基質試薬液を与えるための安定化方法の
提供にある。
〔発明の構成〕
前記した本発明の目的は、酸化作用を有する酵素また
はその擬似酵素に酸化されることにより検知可能な可溶
性物質を生ずる基質を含む基質試薬液に2個の燐オキソ
酸単位からなる縮合燐オキソ酸誘導体を含有させる事に
よって達成される。尚前記本発明の基質試薬液の安定化
方法の態様に於て、前記酵素またはその擬似酵素は過酸
化酵素またはその擬似過酸化酵素であることが好まし
い。ここで擬似酵素とは先記する酵素に着目する作用効
果が同一と看做される物質を謂う。また前記基質は呈色
色素、発光物質または蛍光物質を与えるものが好まし
く、芳香族アミン化合物、就中o−フェニレンジアミ
ン、o−ジアニシジンまたは3,3′,5,5′−テトラメチ
ルベンジジンであることが好ましい。
また前記の縮合燐オキソ酸誘導体は酸化数5の燐オキ
ソ酸である燐酸単位からなるものが好ましく、また、縮
合燐オキソ酸又は縮合燐オキソ酸の一部もしくは全部が
塩となった化合物が好ましく、更に二燐酸又は二燐酸ア
ルカリ金属塩が好ましい。
次に本発明を詳しく説明する。
本発明に係る縮合燐オキソ酸誘導体は2個の燐オキソ
酸単位から成るものであれば良く、また、各々の単位燐
オキソ酸は酸化数2〜5のいずれの燐オキソ酸でも良い
がすべての単位燐オキソ酸が酸化数5の燐酸である場合
が好ましい。
前記誘導体の例としては縮合燐オキソ酸又は縮合燐オ
キソ酸無機塩たとえばナトリウム、カリウム、リチウム
等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のア
ルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、又は縮合燐オキソ
酸有機塩たとえばピリジウム塩等が挙げられ、また、縮
合燐オキソ酸エステル、縮合燐オキソ酸アミド、燐に直
接有機置換基が結合したもの等の有機燐オキソ酸化合物
が挙げられる。一分子中にフリーの酸単位や塩を作った
単位や有機置換基が結合した単位が混在していても良
い。
更に本発明に於ては2種以上の縮合燐オキソ酸誘導体
が混合して用いられてもよい。
次に本発明に係る縮合燐オキソ酸誘導体の具体例を例
示するがこれらに限定されるものではない。
尚、アルキル置換体に於ては炭素原子数1〜8個のア
ルキル基が好ましい。
二燐酸 二燐酸二水素二ナトリウム 二燐酸四ナトリウム 二燐酸二水素二カリウム 二燐酸四カリウム 二燐酸二水素二アンモニウム 二燐酸四アンモニウム 二燐酸二カルシウム 二亜燐酸 二亜燐酸二ナトリウム 二亜燐酸三ナトリウム 二燐酸(III,V)三ナトリウム 次燐酸 次燐酸二水素二ナトリウム 次燐酸四ナトリウム モノアルキル 二燐酸 モノアルキル二燐酸三ナトリウム ジアルキル 二燐酸 ジアルキル二燐酸二ナトリウム 本発明に係る基質は、酸化されることにより検知可能
は可溶性物質、例えば呈色色素、発光物質或は蛍光物質
を主成する化合物であれば良く、一般に過酸化酵素、過
酸化水素の酵素反応を利用する検出系に用いられる基質
が含まれる。代表的なものとしては芳香族アミン化合物
やフェノール系化合物などが挙げられる。
具体例としては、o−フェニレンジアミン,m−フェニ
レンジアミン,p−フェニレンジアミン,ベンジジン,o−
ジアニシジン,o−トリジン,3,3′,5,5′−テトラメチル
ベンジジン,ジアミノベンジジン,ジカルボキシジン,
2,2′−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−
6−スルホン酸),3−アミノ−9−エチルカルバゾー
ル,4−クロル−1−ナフトール,ピロガロール,4−アミ
ノ−アンチピリン,4−アミノ−N,N−ジメチルアニリン,
4−アミノアンチピリンとジメチルアニリン混合物,4−
アミノアンチピリンとフェノールの混合物,ピロガロー
ルとp−フェニレンジアミンの混合物,4−クロル−1−
ナフトールとN−エチル−N′−ヒドロキシルエチル−
3−メチル−4−アミノアニリンの混合物,5−アミノサ
リチル酸,3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾ
ンとジメチルアニリンの混合物,4−ヒドロキシフェニル
酢酸,3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸,ル
ミノール等が挙げられ、またこれらの酸の塩も有用であ
る。これらのうち芳香族アミン化合物が好ましく、o−
フェニレンジアミン,o−ジアニシジン,3,3′,5,5′−テ
トラメチルベンジジンが特に好ましい。
本発明に係る酵素又は擬似酵素としては、基質を酸化
し検知可能な可溶性物質を与える反応を触媒するもので
あれば特に限定されないが、過酸化酵素又はその擬似過
酸化酵素が好ましい。過酸化酵素又は擬似過酸化酵素に
よる酸化反応には過酸化物質が必要とされる。過酸化物
質としてはいずれの過酸化物質たとえば有機過酸化物質
であっても良いが、過酸化水素が好ましい。
過酸化酵素としては例えばホースラディッシュペルオ
キシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼ、ミエロペルオキ
シダーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、チトクロー
ムCペルオキシダーゼ等が使用可能であり、また擬似過
酸化酵素としては、例えばヘモグロビン、鉄、金、銀等
の金属及び金属化合物が使用可能である。
本発明に係る基質試薬液は少くとも、酸化されること
により検知可能な可溶性物質を生じる基質及び2個の燐
オキソ酸単位からなる縮合燐オキソ酸誘導体、検知可能
物質を溶解する溶媒より成り、場合によっては過酸化水
素等の過酸化物質又は過酸化酵素が含まれる。さらに、
必要に応じてその他の物質例えば他の安定化剤が含まれ
ていても良い。
基質試薬液に過酸化物質及び/又は過酸化酵素が含有
される事により酵素反応が開始進行し、基質の酸化の結
果生じる物質を検知し、解析することにより測定が行な
われる。
基質試薬液の溶媒としては、基質及び検知可能物質の
溶解が可能であり、かつ酵素的酸化反応を極端に阻害す
る事のない溶媒が用いられ、一般には水系溶媒、場合に
よっては有機溶媒又は水と混和性を有する有機溶媒たと
えば、メタノール、エタノール、N,N−ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリド
ン、ジオキサンと水系溶媒の混合溶媒が用いられる。基
質試薬液は酵素的酸化反応に適当なpH値にある事が望ま
しく、通常用いられる緩衝剤により調整する事が好まし
い。過酸化酵素を用いる場合はpH3〜9が好ましい。
本発明の安定化方法において含有される縮合燐オキソ
酸誘導体の濃度は酵素的酸化反応における阻害の程度と
非酵素的酸化の抑制度を考慮し決定され、その種類によ
って多少異なるが、通常0.01〜1000mMであり、好ましく
は0.1〜500mMである。
縮合燐オキソ酸誘導体を基質試薬液に含有させるに
は、基質を溶解した溶媒に添加しても良く、溶媒に最初
に溶解後基質を添加しても良く、また、基質と縮合燐オ
キソ酸誘導体の混合物もしくは凍結乾燥物を、同時に溶
媒に添加、溶解しても良い。
また、基質を含む溶液と縮合燐オキソ酸誘導体を含む
溶液を混合しても良い。
また本発明に係る縮合燐オキソ酸誘導体は緩衝能を有
しており、適当な酸、塩基を加え任意のpHに調整する事
により基質試薬液の緩衝剤としても使用可能である。基
質の濃度は0.1〜100mMが適当である。
本発明の安定化方法が特に有効な検出系は、過酸化物
質及び過酸化酵素及び酸化されることにより光学的に検
知可能な可溶性物質を生成する基質から成る検出系であ
り、本発明により過酸化水素量もしくは過酸化酵素活性
が安定な正確な測定が可能となる。
例えば検出系は以下のごとく行なわれる。即ち0.1〜1
00mMの濃度の基質及び安定化剤として0.01〜1000mM、好
ましくは0.1〜500mMの濃度の縮合燐オキソ酸誘導体を含
有させたpH3〜9の範囲の任意のpHの緩衝液を調製す
る。過酸化酵素活性を測定する場合はさらに過酸化水素
を、過酸化水素量を測定する場合はさらに過酸化酵素を
一定量含有せしめ、基質試薬液を調製する。基質試薬液
と試料とを混合し、2〜50℃の温度で酵素反応を行わせ
一定時間後、硫酸等の酸、弗素化合物、アジ化ソーダな
どを加え反応を停止する。試料中の過酸化酵素活性又は
過酸化水素量に応じて基質が酸化され、その結果生成し
た可溶化状態の物質を光学的に検出する。
生成物質がたとえば呈色色素であれば最大吸収波長に
おける吸光度を測定し、既知量の過酸化酵素又は過酸化
水素について同様な操作を行なって作成した検量線との
対比を行うことにより定量測定が可能となる。
本発明は任意の酵素免疫測定法、たとえば均一系測定
法又は不均一系測定法、一抗体法又は二抗体法等いづれ
の一般的な測定法にも適用可能である。
本発明の方法により基質試薬液の非酵素的酸化が抑制
され経時安定性が向上し、また、この方法を適用した基
質試薬液を用いる検出系においては、酵素反応が阻害さ
れる事なく基質の非酵素的酸化反応が抑制され安定化さ
れる。また、酵素反応停止後の非酵素的酸化反応による
生成物質の増加も抑制され、正確な値が保持される。
本発明により、酵素活性又は過酸化水素量さらにはこ
れらに対応する解析対象物質量の測定を極めて精度の高
いものとする事が可能となった。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、
これらの実施例は本発明の範囲を何ら制限するものでは
ない。
実施例1 o−フェニレンジアミンを3mg/mlの濃度で含む50mMく
えん酸−100mM燐酸緩衝液(pH4.9)に二燐酸四ナトリウ
ムを添加したもの及び無添加のものを調製し、さらに過
酸化水素を0.02%となる様に加え、pHがシフトしたもの
については塩酸または水酸化ナトリウムでpHに4.9に調
製し基質試薬試液とした。基質試薬試液を0.5ml宛2本
ずつに分注し、一方には0.5μg/mlの濃度のホースラデ
ィッシュペルオキシダーゼ結合ヤギ抗マウスイムノグロ
ブリン抗体(カッペル社製)10μを添加し、他方には
添加しなかった。それぞれを37℃の暗所にて30分間反応
させ、次いでこの混合物に1N H2SO4 2mlを加え反応を
停止させ、492nmにおける吸光度を測定した。その結果
を表1に示す。尚酵素活性値は酵素結合抗体添加の場合
の値と無添加の場合の差によって表した。
表1は二燐酸四ナトリウムの添加が基質試薬液の非酵
素的酸化反応を顕著に抑制する事及び酵素反応をほとん
ど阻害せず、検出系を安定化する事を示す。
実施例2 添加する縮合燐オキシ酸誘導体として二燐酸四ナトリ
ウムの代りに二燐酸四カリウムを用いたほかは実施例1
と同様に行なった。結果を表2に示す。
表2は二燐酸四カリウムを用いた場合も実施例1と同
様の効果が現れる事を示す。
実施例3 添加する縮合燐オキソ酸誘導体として二燐酸四ナトリ
ウムの代りに二燐酸を用いたほかは実施例1と同様に行
なった。
結果を表3に示す。
表3は、二燐酸を用いた場合も実施例1と同様の効果
が現れる事を示す。
実施例4 基質試薬液として3mg/mlのオルトフェニレンジアミ
ン、0.02%の過酸化水素、10mMの各種縮合燐オキソ酸誘
導体を含むpH4.9の50mMくえん酸−100mM燐酸緩衝液を調
製した。0.5mlずつ分注し各種条件下にて放置後1N H2SO
4 2mlを加え492nmの吸光度を測定した。比較例として縮
合燐オキソ酸誘導体を含まない基質試薬液を用いた。
結果を表4に示す。
表4より、二燐酸四ナトリウム、二燐酸四カリウム、
二燐酸等、二個の燐オキソ酸単位からなる縮合燐オキソ
酸誘導体を含有する事により基質の非酵素的酸化反応が
抑制され基質試薬液の経時安定性が向上している事が明
らかである。
実施例5 実施例4と同様に基質試薬試液を調整し、4℃暗所に
て24時間放置した後0.5μg/mlの濃度のホースディッシ
ュ結合ヤギ抗マウスイムノグロブリン抗体(カッペル社
製)10μを加え37℃にて30分間反応させた。1N H2SO4
2mlを加え反応を停止させ、492nmにおける吸収度を測
定し、縮合燐酸誘導体無添加の場合を対照とし、相対酵
素活性を求めた。
さらに実施例1〜3にて、硫酸を加え反応を停止した
基質試薬液について、室温暗所にて24時間放置した後49
2nmの吸光度を測定し停止直後の場合を対照として相対
値を求めた。
これらの結果を表5に示す。
表5より二個の燐オキソ酸単位より成る縮合燐オキソ
酸誘導体を含有する事により、基質試薬液が経時的な保
存においても失活する事なく安定であり、また、酵素反
応停止後の基質試薬液の呈色安定性が向上する事が明ら
かである。
実施例6 o−フェニレンジアミン3mg/mlの濃度で含む100mM燐
酸緩衝液(pH5.0)に10mM各種縮合燐酸誘導体を含有し
たもの及び含有しないものを調製し、さらに過酸化水素
を0.01%となる様に加え基質試薬液とした。基質試薬液
を0.5ml宛2本ずつ分注し、一方には0.1μg/mlの濃度の
ホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ヤギ抗マウス
イムノグロブリン抗体(カッペル社製)20μを添加
し、他方には添加しなかった。それぞれを37℃にて30分
間反応させ、次いでアジ化ナトリウムを加え反応を停止
した。410nmを励起波長とし、550nmの蛍光強度を測定し
た。その結果を表6に示す。
表6より、蛍光にて酵素活性を測定する検出系におい
ても、本発明により、酵素反応がほとんど阻害される事
なく非酵素的酸化反応が抑制される事が明らかである。
実施例7 o−ジアニシジンを5mg/mlの濃度で含むジメチルスル
フォキシド3mlに各種濃度の二燐酸四ナトリウムを含ん
だ50mMくえん酸−100mM燐酸緩衝液(pH4.9)12mlを加
え、さらに過酸化水素を0.02%となる様に加え、基質試
薬液とした。基質試薬液を2ml宛5本ずつに分注した
後、1本には0.5μg/mlの濃度のホースラディッシュペ
ルオキシダーゼ総合ヤギ抗マウスイムノグロブリン抗体
(カッペル社製)100μを添加し、他の1本と共に37
℃暗所にて1時間反応させ、496nmにおける吸収度の差
を酵素活性とした。なお、酵素結合抗体を添加しないも
のはすべて吸光度は0であった。残りの3本については
室温、明所にて24時間放置後、1本はそのまま吸収度を
測定し、残りの2本を用いて前記同様に酵素活性の測定
を行なった。二燐酸四ナトリウム無添加の場合を対照と
し相対酵素活性を求めた。その結果を表7に示す。
表7より、基質としてo−ジアニシジンを用いた場合
においても、本発明の方法により、酵素反応がほとんど
阻害される事なく基質の非酵素的酸化反応が顕著に抑制
され、基質試薬液の保存安定性が向上する事が明らかで
ある。
実施例8 3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジンを6mg/mlの濃
度で含むN−メチルピロリドン0.5mlに各種濃度の二燐
酸四カリウムを含む50mMくえん酸−100mM燐酸緩衝液(p
H4.9)3.5mlを加え、さらに過酸化水素を0.02%となる
様に加え、基質試薬液とした。基質試薬液を0.5ml宛5
本ずつに分注した後、1本には0.5μg/mlの濃度のホー
スラディッシュペルオキシダーゼ結合ヤギ抗マウスイム
ノグロブリン抗体(カッペル社製)10μを添加し、他
の1本と共に37℃暗所にて30分間反応させた。1N H2SO4
2mlを加え、450nmにおける吸光度の差を酵素活性とし
た。なお、酵素結合抗体を添加しないものはすべて吸光
度は0であった。残りの3本については室温、明所にて
48時間放置後、1本はそのまま吸光度を測定し、残りの
2本を用いて前記同様に酵素活性の測定を行なった。二
燐酸四カリウム無添加の場合を対照として相対酵素活性
を求めた。その結果を表8に示す。
表8より、基質として3,3′,5,5′−テトラメチルベ
ンジジンを用いた場合においても、本発明の方法によ
り、実施例7と同様の効果が現れる事が明らかである。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】過酸化水素の存在下でペルオキシダーゼま
    たはその疑似酵素によって酸化されることにより呈色す
    る可溶性物質を生ずる基質、または蛍光性あるいは発光
    性の可溶性物質を生ずる基質を含む基質試薬液に2個の
    燐オキソ酸単位からなる縮合燐オキソ酸誘導体を含有せ
    しめる事を特徴とする基質試薬液の安定化方法。
  2. 【請求項2】前記基質が芳香族アミン化合物である請求
    項1に記載の基質試薬液の安定化方法。
  3. 【請求項3】前記基質がo−フェニレンジアミンである
    請求項1または2に記載の基質試薬液の安定化方法。
  4. 【請求項4】前記基質がo−ジアニシジンである請求項
    1または2に記載の基質試薬液の安定化方法。
  5. 【請求項5】前記基質が3,3′,5,5′−テトラメチルベ
    ンジジンである請求項1または2に記載の基質試薬液の
    安定化方法。
  6. 【請求項6】前記縮合燐オキソ酸誘導体が2個の酸化数
    5の燐オキソ酸である燐酸単位からなる縮合燐オキソ酸
    誘導体である請求項1〜5のいずれか1項に記載の基質
    試薬液の安定化方法。
  7. 【請求項7】前記縮合燐オキソ酸誘導体が縮合燐オキソ
    酸又は縮合燐オキソ酸の一部もしくは全部が塩となった
    化合物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の基質
    試薬液の安定化方法。
  8. 【請求項8】前記縮合燐オキソ酸誘導体が二燐酸又は二
    燐酸アルカリ金属塩である請求項1〜7のいずれか1項
    に記載の基質試薬液の安定化方法。
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