JPH08217476A

JPH08217476A - 板ガラスの切断方法及び装置

Info

Publication number: JPH08217476A
Application number: JP7029287A
Authority: JP
Inventors: Kazuhiko Ishimura; 和彦石村; Ikuo Nagasawa; 郁夫長沢; Shinya Mine; 伸也峯; Shizunori Kaneko; 静則金子
Original assignee: Asahi Glass Co Ltd
Current assignee: AGC Inc
Priority date: 1995-02-17
Filing date: 1995-02-17
Publication date: 1996-08-27

Abstract

(57)【要約】【構成】緩和手段３４でカッタホイール３８が板ガラ
ス４６に当接したときの衝撃力を緩和する。これによ
り、カッタホイール３８等に欠け等が発生することを防
止できるので、板ガラス４６に切線を良好に加工するこ
とができる。また、緩和手段３４で切線加工中における
切線加工条件の変動によるカッタホイール３８の押付力
の変動を緩和する。これにより、板ガラス４６に切線を
良好に加工することができる。【効果】カッタホイール等に欠け等が発生することを
防止して板ガラスに良好な切線を加工し、また、切線加
工中の切線加工条件の変動によるカッタホイール等の押
付力の変動を緩和して板ガラスに切線を良好に加工す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は板ガラスにカッタ等を押
圧し、押圧されたカッタ等を移動して板ガラスに切線を
加工する板ガラスの切断方法及び装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】板ガラスを所望の形状に切断する場合、
先ず板ガラスに押圧したカッタホイール等のカッタ部材
を切断方向に移動して板ガラスの表面に切線を加工し、
切線加工後、切線で板ガラスを折って所望の形状に切断
する。そして、板ガラスの切線加工方法として、内切り
方法（図６参照）と外切り方法（図７参照）とが知られ
ており、内切り方法は、カッタホイール１０を下降させ
て板ガラス１２に当接した後、カッタホイール１０を板
ガラス１２に押し付け、カッタホイール１０を右方向
（矢印Ａ方向）に移動して板ガラス１２に切線を加工す
る。

【０００３】また、外切り方法は、カッタホイール１０
を切線深さｄに位置決めした状態で板ガラス１２の方向
（矢印Ａ方向）に水平移動し、カッタホイール１０を板
ガラス１２の側面に当接させた後、カッタホイール１０
を板ガラス１２に押し付けて板ガラス１２に切線を加工
する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各々の方法で板ガラス１２に切線を加工する場合、カ
ッタホイール１０が板ガラス１２に当接したときの衝撃
力でカッタホイール１０の陵線部１０Ａ（図８、図９参
照）に局部欠損１４、１４が発生したり、カッタホイー
ルの内周に欠け１６が発生するという問題がある。ま
た、当接時の衝撃力で、カッタホイール１０を回動自在
に支持するピン１８（図１０参照）に欠陥１８Ａが発生
するという問題がある。さらに、当接時の衝撃力で、ピ
ン１８が嵌入されたホルダ２０（図１０参照）の穴に欠
け２０Ａが発生したりホルダ２０の穴が摩耗で大きく広
がるという問題がある。そして、このような状態で板ガ
ラス１２に切線を加工すると、板ガラス１２に適正な切
線を加工することができない。

【０００５】また、カッタホイール１０を板ガラス１２
に当接した後、板ガラス１２に押しつけた状態で移動し
て板ガラス１２に切線を加工する場合、切線加工条件の
変動（例えば板ガラス１２の表面の凹凸等）でカッタホ
イール１０の押付力が変動すると、切線が良好に加工で
きないという問題がある。本発明はこのような事情に鑑
みてなされたもので、カッタホイールが板ガラスに当接
したときの衝撃力を緩和して、カッタホイール、ピン及
びホルダに欠け等が発生することを防止し、さらに、切
線加工中の切線加工条件の変動を緩和することができる
板ガラスの切断方法及び装置を提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成する為に、カッタを板ガラスに押し付けた状態で移動
して前記板ガラスに切線を加工する板ガラスの切断方法
において、前記カッタが前記板ガラスに当接したときの
衝撃力を緩衝手段を用いて緩和することを特徴とする板
ガラスの切断方法、及び、それを実施するための装置で
ある。

【０００７】また、本発明は、前記目的を達成する為
に、カッタを板ガラスに押し付けた状態で移動して前記
板ガラスに切線を加工する板ガラスの切断方法におい
て、前記カッタで前記板ガラスに切線を加工中に切線加
工条件の変動を緩衝手段を用いて緩和することを特徴と
する板ガラスの切断方法、及び、それを実施するための
装置である。

【０００８】

【作用】本発明によれば、カッタを板ガラスに押し付け
た状態で移動して板ガラスに切線を加工する板ガラスの
切断装置において、板ガラスの切断装置に緩衝手段を備
え、緩衝手段にカッタを支持した。そして、この緩衝手
段でカッタが板ガラスに当接したときの衝撃力を緩和
し、また、この緩衝手段で切線加工中における切線加工
条件の変動によるカッタの押付力の変動を緩和する。

【０００９】

【実施例】以下添付図面に従って本発明に係る板ガラス
の切断方法及び装置について詳説する。図１は本発明に
係る板ガラスの切断装置の全体図である。図１に示すよ
うに、板ガラスの切断装置３０は加圧機構３２、緩衝手
段３４、ホルダ３６及びカッタホイール３８を備えてい
る。加圧機構３２は図示しない支持台に水平方向（矢印
Ａ−Ｂ方向）に移動自在に支持され、駆動モータ（図示
せず）で矢印Ａ−Ｂ方向の任意の方向に移動する。ま
た、加圧機構３２は例えばエアーシリンダ（図示せず）
を備え、このエアーシリンダが伸長すると加圧機構３２
のシャフト４０が下降して後述する緩衝手段３４が下方
に押し下げられる。

【００１０】前述した緩衝手段３４はシャフト４０に取
り付けられている。この緩衝手段３４は、シャフト４０
に同軸上に取り付けられた右側支持部３４Ａを有し、右
側支持部３４Ａには板ばね３４Ｃ、３４Ｄを介して左側
支持部３４Ｂが右側支持部３４Ａと平行に配設されてい
る。また、板ばね３４Ｃ、３４Ｄは互いに平行に配置さ
れている。これにより、板ばね３４Ｃ、３４Ｄが弾性変
形することにより左側支持部３４Ｂが上下方向に移動す
る。左側支持部３４Ｂの下端部には、ホルダ３６の軸部
３６Ａがベアリング４２を介して回動自在に支持され、
これにより、ホルダ３６が左側支持部３４Ｂの下端部に
回動自在に支持される。

【００１１】図２に示すように、ホルダ３６は下端部に
溝３６Ａが形成され、溝３６Ａを形成する一対の壁部３
７、３７にはそれぞれ同軸上にピン穴３７Ａ、３７Ａが
形成されている。ピン穴３７Ａ、３７Ａにはピン４４が
嵌入され、ピン４４にはカッタホイール３８が回動自在
に支持されている。このカッタホイール３８は溝３６Ａ
内に配置されている。図１に示すように、ピン４４の軸
芯は軸部３６Ａの軸芯からＬ₁だけ左側にオフセットさ
れている。従って、カッタホイール３８が板ガラス４６
に押し付けられた状態で、板ガラスの切断装置１０を切
線方向（矢印Ｂ方向）に移動すると、カッタホイール３
８は、いわゆるキャスター効果で切線方向に対して平行
に維持される。

【００１２】カッタホイール３８は、従来技術の図７、
図８で示したように円板状に形成され、外周には陵線部
が形成されている。このカッタホイール３８を板ガラス
４６に押し付けた状態で回転しながら移動することによ
り板ガラス４６に切線が加工される。前記の如く構成さ
れた本発明に係る板ガラスの切断装置の作用を説明す
る。

【００１３】先ず、加圧機構３２のエアーシリンダを伸
長して緩衝手段３４を下降させて、カッタホイール３８
を板ガラス４６に当接する。この場合、カッタホイール
３８が板ガラス４６の表面に当接すると、緩衝手段３４
の板ばね３４Ｃ、３４Ｄが撓んで右側支持部３４Ａの下
押下げ力が板ばね３４Ｃ、３４Ｄで吸収される。これに
より、カッタホイール３８が板ガラス４６に当接したと
き、板ガラス４６から受ける衝撃力が緩和される。

【００１４】従って、カッタホイール３８が板ガラス４
６に当接したときに、カッタホイール３８の陵線部やカ
ッタホイールの内周に欠けが発生することを防止し、ま
た、ピン４４に欠けが発生することを防止する。さら
に、カッタホイール３８が板ガラス４６に当接したとき
に、ホルダ３６のピン穴３７Ａ、３７Ａに欠けが発生す
ることやホルダ３６のピン穴３７Ａ、３７Ａが摩耗で大
きく広がることを防止する。

【００１５】このように、カッタホイール３８を板ガラ
ス４６に当接した後、カッタホイール３８を板ガラス４
６に押し付けた状態で板ガラス４６の表面に沿って移動
して板ガラス４６に切線を加工する。そして、切線加工
中に、例えば板ガラス４６の表面の凹凸等の外乱（切線
加工条件）が変動した場合、切線加工条件の変動は緩衝
手段３４で緩和される。これにより、カッタホイール３
８の押付力の変動を抑制することができるので、板ガラ
ス４６に良好な切線を加工することができる。

【００１６】尚、切り走行中のカッタホイール３８の押
付力の変動を緩和するために緩衝手段３４を用いる場
合、防振機構を付加することにより切線加工条件の変動
による装置の振動を抑制することができる。前記実施例
では平行に配置された板ばね３４Ｃ、３４Ｄで右側支持
部３４Ａと右側支持部３４Ａとを連結した場合について
説明したが、これに限らず、一枚の板ばねで右側支持部
３４Ａと右側支持部３４Ａとを連結しても同様の効果を
得ることができる。

【００１７】前記第１実施例では板ばね３４Ｃ、３４Ｄ
を用いた緩衝手段３４を使用してカッタホイール３８の
衝撃力を緩和する場合について説明したが、これに限ら
ず、図３に示す第２実施例のようにコイルばね５０を使
用しても第１実施例と同様の効果を奏することができ
る。以下、図３に基づいて第２実施例を説明する。尚、
図３上で第１実施例と同一類似部材については同一符号
を付し説明を省略する。

【００１８】シャフト４０の張出部４０Ａにはコイルば
ね５０（緩衝手段）の上端部が取り付けられ、コイルば
ね５０の下端部には支持ブロック５２が取り付けられて
いる。支持ブロック５２にはホルダ３６の軸部３６Ａが
ベアリング４２を介して回動自在に支持され、これによ
り、ホルダ３６は支持ブロック５２に回動自在に支持さ
れる。ホルダ３６の下端部にはピン４４を介してカッタ
ホイール３８が回動自在に支持されている。

【００１９】前記の如く構成された本発明に係る第２実
施例の板ガラスの切断装置の作用を説明する。先ず、加
圧機構３２のエアーシリンダを伸長してシャフト４０を
下降すると、コイルばね５０やホルダ３６と共にカッタ
ホイール３８が下降して板ガラス４６に当接する。この
場合、コイルばね５０が圧縮されてカッタホイール３８
が板ガラス４６から受ける衝撃力が緩和される。これに
より、前記第１実施例と同様に、カッタホイール３８、
ピン４４、ホルダ３６のピン穴３７Ａに欠け等が発生す
ることを防止する。

【００２０】また、前記実施例と同様に、切線加工中に
切線加工条件が変動した場合、切線加工条件の変動はコ
イルばね５０で緩和される。前記第２実施例では緩衝手
段としてコイルばね５０を使用した場合について説明し
たが、これに限らず、図４に示す第３実施例のようにコ
イルばね５０に代えてゴム部材５４を使用しても第２実
施例と同様の効果を得ることができる。尚、図４上で第
２実施例と同一類似部材については同一符号を付し説明
を省略する。

【００２１】シャフト４０の張出部４０Ａにはゴム部材
５４（緩衝手段）の上端部が取り付けられ、ゴム部材５
４の下端部には支持ブロック５２が取り付けられてい
る。そして、加圧機構３２のエアーシリンダを伸長して
シャフト４０を下降すると、ゴム部材５４やホルダ３６
と共にカッタホイール３８が下降して板ガラス４６に当
接する。この場合、ゴム部材５４が圧縮されてカッタホ
イール３８が板ガラス４６から受ける衝撃力が緩和され
る。また、切線加工中に切線加工条件が変動した場合、
切線加工条件の変動はゴム部材５４で緩和される。

【００２２】前記第１〜第３実施例では緩衝手段として
ばね部材を使用した場合について説明したが、これに限
らず、図５に示す第４実施例のようにばね部材に代えて
磁石５６、５８の反発力を利用した緩衝手段５９で衝撃
力を緩和することも可能である。以下、図５に基づいて
第４実施例を説明する。尚、図５上で第１〜第３実施例
と同一類似部材については同一符号を付し説明を省略す
る。

【００２３】シャフト４０の下端部には筒体６０が同軸
上に配設され、筒体６０内には直動ガイド６２を介して
昇降軸６４が上下方向に移動自在に支持されている。昇
降軸６４の下端部には支持ブロック５２が取り付けられ
ている。これにより、支持ブロック５２が筒体６０の下
方に同軸上に昇降自在に支持される。また、筒体６０の
下端部に環状磁石５６が取り付けられ、支持ブロック５
２の上端部に環状磁石５８が取り付けられている。この
場合、環状磁石５６と環状磁石５８とはそれぞれ同極が
対向するように取り付けられる。従って、環状磁石５８
は磁石の反発力で環状磁石５６から一定の間隔Ｓだけ離
れた位置に保持される。

【００２４】前記の如く構成された本発明に係る第４実
施例の板ガラスの切断装置の作用を説明する。先ず、加
圧機構３２のエアーシリンダを伸長してシャフト４０を
下降すると、筒体６０、支持ブロック５２及びホルダ３
６と共にカッタホイール３８が一体的に下降して板ガラ
ス４６に当接する。この場合、環状磁石５６と環状磁石
５８との反発力に抗して環状磁石５８と環状磁石５６と
の間隔Ｓが縮小して、カッタホイール３８が板ガラス４
６から受ける衝撃力が緩和される。

【００２５】これにより、前記第１実施例と同様に、カ
ッタホイール３８、ピン４４、ホルダ３６のピン穴３７
Ａに欠け等が発生することを防止する。また、切線加工
中に切線加工条件が変動した場合、切線加工条件の変動
は緩衝手段５９で緩和される。前記第１〜第４実施例で
は加圧機構３２にエアシリンダを使用した場合について
説明したが、これに限らず、エアシリンダに代えてステ
ッピングモータ、サーボモータ、油圧アクチュエータ、
ボイスコイルモータ等の電磁石、リニアモータ、熱アク
チュエータ又は超音波モータ等を使用してもよい。

【００２６】前記第１〜第４実施例ではカッタホイール
３８で板ガラス４６に切線を加工する場合について説明
したが、これに限らず、本発明に係る板ガラスの切断装
置はガラススクライバー等のその他のカッタ部材で板ガ
ラス４６に切線を加工する場合にも適用することも可能
である。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る板ガラ
スの切断方法及び装置によれば、緩衝手段でカッタが板
ガラスに当接したときの衝撃力を緩和し、また、緩衝手
段で切線加工中における切線加工条件の変動によるカッ
タの押付力の変動を緩和する。このように、カッタが板
ガラスに当接したときの衝撃力を緩和することにより、
カッタ等に欠け等が発生することを防止することができ
るので、板ガラスに切線を良好に加工することができ
る。また、切線加工中の切線加工条件の変動によるカッ
タの押付力の変動を緩和することにより板ガラスに切線
を良好に加工することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る第１実施例の板ガラスの切断装置
の側面図

【図２】図１のＡ−Ａ矢視図

【図３】本発明に係る第２実施例の板ガラスの切断装置
の側面図

【図４】本発明に係る第３実施例の板ガラスの切断装置
の側面図

【図５】本発明に係る第４実施例の板ガラスの切断装置
の側面図

【図６】従来の内切り方法を説明した側面図

【図７】従来の外切り方法を説明した側面図

【図８】カッタホイールに欠けが発生した状態を示す正
面図

【図９】図７の側面図

【図１０】ホルダやピンに欠けが発生した状態を示す側
面図

【符号の説明】

３０…板ガラスの切断装置３４、５９…緩衝手段５０…コイルばね（緩衝手段）５４…弾性部材（緩衝手段）３８…カッタホイール（カッタ）４６…板ガラス

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者金子静則神奈川県横浜市鶴見区末広町１丁目１番地旭硝子株式会社京浜工場内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】カッタを板ガラスに押し付けた状態で移
動して前記板ガラスに切線を加工する板ガラスの切断方
法において、前記カッタが前記板ガラスに当接したときの衝撃力を緩
衝手段を用いて緩和することを特徴とする板ガラスの切
断方法。
【請求項２】カッタを板ガラスに押し付けた状態で移
動して前記板ガラスに切線を加工する板ガラスの切断方
法において、前記カッタで前記板ガラスに切線を加工中に切線加工条
件の変動を緩衝手段を用いて緩和することを特徴とする
板ガラスの切断方法。
【請求項３】カッタを板ガラスに押し付けた状態で移
動して前記板ガラスに切線を加工する板ガラスの切断方
法において、前記カッタが前記板ガラスに当接したときの衝撃力を緩
衝手段を用いて緩和し、前記カッタで前記板ガラスに切線を加工中に切線加工条
件の変動を緩衝手段を用いて緩和することを特徴とする
板ガラスの切断方法。
【請求項４】カッタを板ガラスに押し付けた状態で移
動して前記板ガラスに切線を加工する板ガラスの切断装
置において、前記カッタを緩衝手段を介して支持し、前記緩衝手段
は、前記カッタが前記板ガラスに当接したときの衝撃力
を緩和することを特徴とする板ガラスの切断装置。
【請求項５】カッタを板ガラスに押し付けた状態で移
動して前記板ガラスに切線を加工する板ガラスの切断装
置において、前記カッタを緩衝手段を介して支持し、前記緩衝手段
は、前記カッタで前記板ガラスに切線を加工中に切線加
工条件の変動を緩和することを特徴とする板ガラスの切
断装置。
【請求項６】カッタを板ガラスに押し付けた状態で移
動して前記板ガラスに切線を加工する板ガラスの切断装
置において、前記カッタを緩衝手段を介して支持し、前記緩衝手段
は、前記カッタが前記板ガラスに当接したときの衝撃力
を緩和し、前記カッタで前記板ガラスに切線を加工中に
切線加工条件の変動を緩和することを特徴とする板ガラ
スの切断装置。